カテゴリー: F1レギュレーション

  • F1 2027年に“50対50”パワー配分を廃止へ PU規則変更で60対40案に合意

    F1 2027年に“50対50”パワー配分を廃止へ PU規則変更で60対40案に合意

    F1チーム、パワーユニットメーカー、F1、FIA(国際自動車連盟)は、2027年に向けてパワーユニットのハードウェア変更を前倒しで導入する方針で原則合意した。現行レギュレーションで掲げられていた内燃エンジンと電動要素の“50対50”に近い出力配分を見直し、より60対40に近い構成へ移行することを目指す。

    狙いは、内燃エンジン側の出力を高め、バッテリーへの要求を下げることで、各サーキットでエネルギー不足に陥る場面を減らすことにある。

    これにより、ドライバーにとってより直感的に扱えるマシンに戻し、今季ここまで表面化していた複雑なエネルギーマネジメントの副作用を抑える狙いがある。

    2028年を待たずに2027年導入へ
    金曜日に行われたオンライン会議には、チーム、パワーユニットメーカー、F1、FIAが参加した。この場で、2027年に向けたハードウェア変更を進めるべきだという方向性で合意が形成された。

    2027年導入に向けた時間的余裕は大きくない。パワーユニットの耐久性を高める作業に加え、燃料タンク拡大に伴うシャシー側の調整も必要になるためだ。それでも関係者は、2028年まで待つのではなく、今すぐ動くべきだという判断に至った。

    FIAは会議後に声明を発表し、燃料流量の増加によって内燃エンジン側の出力を50kW引き上げる一方、電動要素については350kWから300kWへ引き下げる方針を示した。

    「最終的なパッケージを決定する前に、チームとパワーユニットメーカーで構成される技術作業部会において、さらに詳細な議論が必要であることが合意された」

    マイアミで導入された暫定変更も継続評価
    今回の会議では、マイアミGPで導入された回生量とデプロイメント量の調整についても確認された。短期的な追加変更の可能性は残されており、FIAは今後のレースに向けたさらなる調整を検討している。

    「マイアミ・パッケージの評価は継続中であり、今後のイベントでさらなる調整を導入することを視野に入れている」

    「これには、スタート時の安全性を改善する改定や、ウエットコンディション下での安全性を高める措置が含まれる。これらは定義され次第、各チームに伝達される。カナダGPに向けて、視覚的シグナル措置の改善も評価されている」

    50対50構想から現実的なバランスへ
    2026年F1レギュレーションは、内燃エンジンと電動要素の出力配分を大きく近づけることを前提として導入された。しかし、実戦ではバッテリー残量やエネルギー回生・放出の制約が走行に大きく影響し、ドライバーが自然に攻められない場面が出ていた。

    2027年案は、電動化の方向性そのものを否定するものではなく、内燃エンジン側に比重を戻すことで、レース中のエネルギー不足を緩和するものだ。350kWから300kWへの電動出力引き下げと、内燃エンジン側の50kW増加が実現すれば、マシンの挙動やレース展開にも大きな変化をもたらす可能性がある。

    提案は今後、詳細な技術評価を経たうえで、F1コミッション、パワーユニット諮問委員会、そしてFIA世界モータースポーツ評議会という正式なガバナンス手続きに進むことになる。現行規則の課題が開幕から早くも表面化したなか、F1は2027年に向けてパワーユニット規則の軌道修正に踏み出した。

    Source: The Race

  • ランド・ノリス F1規則変更に苦言「まだF1のあるべきレベルではない」

    ランド・ノリス F1規則変更に苦言「まだF1のあるべきレベルではない」

    ランド・ノリスが、2026年F1マイアミGPで導入されたレギュレーション修正について「正しい方向への小さな一歩」だと認めつつも、F1が求めるべき水準にはまだ達していないと語った。

    マイアミGPでは、開幕3戦で問題視された2026年F1レギュレーションの一部が修正された。予選でのエネルギー回生量の見直しや、フルスロットル時の回生率変更などが行われたが、ノリスは依然として“全開で攻める”ことが報われない状況が残っていると指摘した。

    ノリス「全開で攻めると、まだ罰を受ける」
    「正しい方向への小さな一歩ではあるけど、まだF1があるべきレベルには達していない」とノリスは語った。

    「昨日の予選でも言ったと思うけど、すべての場所で全開で走って、以前の年のようにプッシュしようとすると、まだそれに対して罰を受ける」

    「まだすべての場所で全開にはできない。どこでも早くスロットルを開けることが重要というわけではない。そういうことで罰を受けるべきではないし、今でもそうなっている」

    「だから正直に言うと、それを本当に直せるとは思わない。バッテリーをなくすしかない。だから数年後にはそうなっていることを願っている」

    ピアストリ「レースは基本的にまったく同じ」
    一方、オスカー・ピアストリも、マイアミでの変更によってレース中の危険な接近速度が大きく改善されたとは感じていない。特に、電気エネルギーを使っているマシンと使っていないマシンの速度差は依然として大きく、オーバーテイクの多くがバッテリー由来のものだったと説明した。

    「レースは基本的にまったく同じだ。今日は人を抜いて、そのあと守らなければならないということを本格的に経験した最初の日だったと思うけど、正直かなりクレイジーだった」

    「ある時点でジョージ(ラッセル)は僕の1秒後ろにいたのに、そのストレートの終わりまでに僕を抜くことができた。少しランダムだ。接近速度はものすごく大きくて、防御する側としてそれを予測しようとするのは信じられないほど難しい」

    「もちろん、抜く側としては、ジョージの動きのひとつにはあまり満足していなかった。でも、その5周後くらいに、僕自身もほとんど同じような動きをしていることに気づいた。接近速度がものすごいからだ」

    「だから、その面ではあまり変わっていない。FIAとF1の協力は今回も良かったと思うけど、今あるハードウェアで変えられることには限界がある。だから将来的には、まだ何らかの変更が必要なのは間違いない。どれだけ早くそれを実現できるかが大きな問題だ」

    小幅修正では消えない2026年F1の根本課題
    今回のマイアミGPに向けた修正は、2026年F1レギュレーションが生んだ極端な予選走行術や、レース中の急激な速度差を抑えることを狙ったものだった。しかし、ノリスとピアストリの発言が示すのは、問題が単なる数値調整だけでは解決しにくい段階にあるという現実だ。

    予選では、ドライバーが最速ラップを組み立てる際に、従来のように単純に全開で攻めることができない。レースでは、バッテリーの有無によってストレートで極端な速度差が生まれ、防御側が動きを読むことも難しくなっている。F1が目指すべき“純粋な速さ”と“自然なバトル”の両方に、まだ大きな違和感が残っている。

    ノリスはマイアミGPを4番手からスタートし、決勝では2位でフィニッシュした。それでも、チャンピオン経験者としての評価は厳しい。小さな改善はあったが、2026年F1レギュレーションが抱える本質的な課題は、まだコース上に残されたままだ。

  • F1マイアミGPで新規則「レインハザード」初発動 降水確率40%超で宣言

    F1マイアミGPで新規則「レインハザード」初発動 降水確率40%超で宣言

    2026年F1マイアミGPで、新たに導入された「レインハザード」が初めて宣言された。FIAは日曜決勝について、公式気象サービスの予報でレース中のいずれかの時点に降水確率が40%を超えると判断し、この措置を発動した。

    この新規則は単なる雨対策ではなく、2026年F1マシンに導入されたアクティブエアロと車高、そしてプランク摩耗をめぐる技術的リスクに対応するためのものだ。

    雨によってストレートモードの運用が制限されると、想定以上に車体が路面へ押し付けられ、プランク摩耗による失格リスクが高まる可能性がある。

    FIAがマイアミGPで「レインハザード」を宣言
    F1マイアミGPで、2026年F1レギュレーションに新たに加えられた「レインハザード」が初めて発動された。

    FIAは声明で、次のように説明した。

    「公式気象サービスから、この競技会のレース中のいずれかの時点で降水確率が40%を超えるとの予報を受けたため、レインハザードを宣言する」

    この仕組みは2026年F1シーズン開幕直前にレギュレーションへ追加されたものだが、ルールブック上の記述は限定的で、詳細はFIAと各チームの間で共有される文書に委ねられている。

    レギュレーション上では、公式気象サービスがスプリントまたは決勝中のいずれかの時点で降水確率40%超を予測した場合、あるいはレースディレクターの単独判断により、レインハザードを宣言できるとされている。

    スプリント週末ではスプリント予選開始の2時間前まで、通常のレースでは予選開始の2時間前までに宣言する必要がある。

    パルクフェルメ解除ではなく2026年F1マシン特有の安全策
    レインハザードの導入により、一部ではパルクフェルメ制限が緩和され、天候変化に応じてチームがセットアップを大きく変更できるようになるとの見方も出ていた。

    しかし、この規則はパルクフェルメを全面的に解除するものではない。チームが予選用セットアップを選び、決勝まで基本的に維持しなければならない構造は残る。

    レインハザードが対象としているのは、2026年F1マシンのアクティブエアロに関わる特殊な問題だ。

    2026年F1マシンでは、ストレートモードに切り替わるとダウンフォースが抜け、車体が路面へ押し付けられる力は弱まる。各チームはこの状態を前提に、プランクのクリアランスを確保する車高を計算している。

    ところが、安全上の理由や雨天によってストレートモードが無効化されると、前後ウイングが高ダウンフォース側に残る場面が発生する。高速ストレートで前ウイングがコーナーモードのままになると、車体前部が強く路面へ押し付けられ、プランク摩耗が進む危険がある。

    プランク摩耗が規定値を超えれば、技術規則違反として失格につながる可能性がある。

    雨で狂う車高計算とプランク摩耗リスク
    この問題を避けるため、昨年の段階で一部のストレートモード区間に「部分的なエアロモード」を認める合意がなされた。

    このモードでは、リアウイングは閉じたまま、フロントウイングだけを開くことができる。これにより車体前部をわずかに持ち上げ、プランクが削られるリスクを軽減する狙いがある。

    ただし、この部分的なエアロモードだけでは、すべての状況でプランク摩耗リスクを解消できるわけではない。

    たとえばアルバート・パークのターン8からターン9にかけてのように、ストレートモード区間でありながら部分的なエアロ作動が許可される低グリップエリアが存在しない場所もある。そうした区間で雨が絡むと、前後ウイングが閉じたままになり、想定以上に車体が路面へ押し付けられる可能性が残る。

    そこで導入されたのがレインハザードだ。

    レインハザードで認められる2つの変更
    レインハザードは、チームがドライコンディション用のセットアップを選んだ後に天候が変化し、雨によって車高計算が崩れる可能性がある場合に備えた制度だ。

    宣言された場合、チームはプランク保護のために2つの重要な変更を認められる。

    1つ目は、アクティブフロントエアロの2つの状態に関する設定変更だ。これにより、コーナーモードで発生するダウンフォースを抑え、車体が路面へ過度に押し付けられることを避けやすくなる。

    2つ目は、車高の調整だ。チームはプランク摩耗を防ぐため、より余裕を持たせた車高へ変更できる。

    つまりレインハザードは、雨天用セットアップを自由に選び直す制度ではなく、2026年F1マシンのアクティブエアロとプランク摩耗の関係から生じる技術的リスクを管理するための限定的な措置といえる。

    最初の9戦で評価しオーストリアGP以降に見直しへ
    現在運用されているレインハザード規則は、2026年F1シーズン最初の9戦で評価される予定だ。

    FIAはこの制度が意図通りに機能するかを確認し、6月末のF1オーストリアGP以降、現行の仕組みを維持するか、より単純な方式へ移行するかを判断する。

    その代替案としては、天候に応じてチームが特定のドライ設定とウェット設定を切り替えられるようにする案も検討されている。

    マイアミGPでの初発動は、2026年F1レギュレーションが抱える新たな複雑さを象徴する出来事となった。レインハザードは雨そのものへの対応というより、アクティブエアロ時代のF1において、車高、ダウンフォース、プランク摩耗をどう管理するかという新しい課題に対する安全弁として機能する。

  • ガブリエル・ボルトレト F1マイアミGPスプリント失格 技術規則違反で除外

    ガブリエル・ボルトレト F1マイアミGPスプリント失格 技術規則違反で除外

    ガブリエル・ボルトレト(アウディ)は、2026年F1マイアミGPのスプリント決勝後に行われた車検で技術規則違反が確認され、スプリント結果から除外された。

    ボルトレトは100kmのスプリントを11位で終えていたが、エンジン吸気圧が上限を超えていたことが判明。アウディにとっては、ニコ・ヒュルケンベルグが出火トラブルでスタート前にリタイアしたことに続く、厳しいスプリントとなった。

    吸気圧が規定上限4.8barAを超過
    FIAのスプリント後の通常車検で、ボルトレトのアウディにおけるエンジン吸気圧が、FIA F1技術規則第C5.3.2条で定められた最大値4.8barAを超えていたことが確認された。

    この件はFIA F1テクニカルデリゲートのジョー・バウアーによって記録され、スチュワードに報告された。規則では「エンジン吸気圧は常に4.8barA未満でなければならない」と明記されている。

    また、燃焼に供給されるすべての空気は、FIAが承認し封印した2つの測定装置を通過しなければならず、それらはチャージエア冷却システムの下流にあるエンジン吸気システム内のFIA承認位置に設置される必要がある。

    アウディは違反を認めるも「1周のみ」と説明
    スチュワードの裁定文によれば、アウディ側はテクニカルデリゲートの指摘が正しいことを認めた。

    「スチュワードは5号車のチーム代表者から事情を聴いた。彼らはテクニカルデリゲートの指摘が正しいことを認めた」

    「ただし情状として、これは1周の間に起きたものであり、温度が予想以上に上昇した際に発生したと説明した。それが明らかになるとすぐに、彼らは圧力を規則の範囲内に戻すための措置を講じた」

    スチュワードは、アウディが車両を規則適合状態に戻す措置を取ったことは認めた一方で、規則が「常に」適合していることを求めている点を重視した。

    「車両を規則に適合する状態へ戻す措置を講じた事実は認められるが、規則は車両が『常に』適合している必要があることを明確にしており、今回はそうではなかった」

    ガブリエル・ボルトレト(アウディ) マイアミグランプリ

    技術違反のため通常どおり失格処分
    スチュワードは、今回の違反が技術規則違反であることから、通常の処分としてボルトレトの5号車をスプリント分類から失格とした。

    「これは技術的違反であるため、通常のペナルティである5号車のスプリント分類からの失格が適用された」

    ボルトレトは11位完走扱いから除外され、マイアミGPスプリントの正式結果から姿を消すことになった。アウディは同じスプリントでヒュルケンベルグのマシンがレコノサンスラップ中に出火してDNSとなっており、2台そろって結果を残せない厳しい一日となった。

  • F1 2027年PU規則 5月中旬決断へ 電動比率40%案でメーカー攻防

    F1 2027年PU規則 5月中旬決断へ 電動比率40%案でメーカー攻防

    F1の2027年シーズンに向けたパワーユニット規則は、5月中旬までに最終判断が下される見通しとなっている。現在は内燃エンジンと電動出力の比率を見直す案が検討されており、シリーズの方向性を左右する重要な局面を迎えている。

    焦点となっているのは、パワーユニットの出力配分を60対40へ変更する構想だ。ドライバーやファンから賛否が分かれている現行レギュレーションを受け、短期的な是正と将来的な方向性の両面で議論が活発化している。

    60対40案はマシン設計に直結
    2026年から導入された新世代パワーユニットは電動エネルギーの比重が高められているが、そのバランスを見直す動きが強まっている。60対40への変更は、内燃エンジン出力を現在の約530馬力から約600馬力へ引き上げることを意味する。

    この変更により燃料消費量が増加し、より大容量の燃料タンクが必要となる。その結果、マシン全体の設計パッケージや寸法にも影響が及ぶため、技術的な調整は広範囲に及ぶことになる。

    こうした背景から、大規模な変更を承認できる期限は5月中旬とされており、各チームは短期間で判断を迫られている。

    導入にはメーカー4社の賛成が条件
    2027年からこの変更を導入するには、エンジンメーカー5社のうち少なくとも4社が賛成する必要がある。現時点で正式な会合は開かれていないものの、決断までの時間は限られている。

    仮に現行仕様を維持する判断が下された場合でも、マイアミGP直前に行われた修正の範囲内で、既存ハードウェアを前提とした改善策を議論し、導入する余地は残される。

    あるチーム代表は匿名を条件に、「2週間以内に決定が下されれば、すべてを間に合わせることは可能だ」と説明している。また燃料に関しては、最悪の場合、レース距離を数周短縮する選択肢もあり得るという。

    ホンダ、RBPT、フェラーリ、アウディが主導権争い
    今回の変更案の狙いは、2025年までのマシンで見られたような、ドライバーがより自然に戦えるレース感覚を取り戻すことにある。今季序盤に指摘されているドライビング特性への違和感を解消する狙いだ。

    各メーカーの立場については公式な発言はなく、状況は不透明なままとなっている。ただし、メルセデスは変更に消極的とみられる一方で、他メーカーが足並みを揃えた場合には対応を迫られる可能性もある。

    そのため主導権争いはホンダ、レッドブル・パワートレインズ、フェラーリ、アウディの間で展開されているとみられる。パドック内の見方では、ホンダとレッドブルは変更に前向きであり、フェラーリとアウディの判断が鍵を握る構図となっている。

    2027年のパワーユニット規則は、単なる数値の調整ではなく、F1の競技性そのものを左右する分岐点となる。5月中旬までの判断が、次世代F1の姿を決定づけることになる。

  • 2026年F1レギュレーションは想定以上に自由度大 各チームで設計差

    2026年F1レギュレーションは想定以上に自由度大 各チームで設計差

    2026年F1レギュレーションは厳格な枠組みになると予想されていたが、実際には各チームの設計に大きな自由度が残されていることが明らかになってきた。

    マクラーレンのチーフデザイナーであるロブ・マーシャルは、当初の想定とは異なり、グリッド全体で多様な解釈と独自ソリューションが生まれている現状を明かし、新規則の本質が「制約」ではなく「創造性の幅」にあると示唆した。

    厳格と見られた規則 実際は設計の余地が拡大
    ロブ・マーシャルは2026年規則について、当初はより制約の強いものになると考えていたと語った。

    「我々はこのレギュレーションがかなり厳格になると予想していた」

    「これまでは大量の数値やデータが紙に書かれていて、それがある程度、従うべき枠組みを決めていた」

    「今は非常に複雑なCADモデルが大量にあり、一見するとそれに基づいて創造性を発揮するのは難しく見える。モデルがマシンを設計してしまうように感じるからだ」

    しかし実際には、その印象とは異なる状況が広がっているという。

    各チームで分かれる解釈 個性あるコンセプトが出現
    マーシャルは、他チームのマシンを見た際の印象について次のように語っている。

    「他チームのマシンを見ると、かなり異なる解決策を採用していたし、特に興味深いものもいくつかあった」

    具体的な例として、いくつかの特徴的な設計が挙げられた。

    アウディ・アストンマーティンの独自アプローチ
    まずマーシャルが言及したのは、アウディのサイドポッドだ。

    「アウディのサイドポッドはかなり興味深い。彼らは異なる解決策を採用していて、他に似たものがない。我々は一般的なものを流用してくると思っていたが、実際にはそうではなかった」

    さらにアストンマーティンのサスペンションにも注目している。

    「アストンマーティンのサスペンションジオメトリーも非常に興味深い。リアはかなり野心的で、非常に面白い。注目すべき理由がある」

    「フロントサスペンションも非常に興味深く、おそらく昨年我々が取り組んでいたものにインスパイアされた可能性がある」

    F1レギュレーション フォーミュラ1カー

    フェラーリの“マカレナ”リアウイングも注目対象
    フェラーリの設計についても、マーシャルは複数の要素を挙げている。

    「リアウイングについては、誰もが見て『なるほど、問題ない』と思った」

    マーシャルは、いわゆる“マカレナ”と呼ばれるソリューションについて、合法性を確認したことも明かした。

    「本当に合法なのか尋ねたが、『問題ない』と言われた」

    また、排気口周辺の設計にも独創性があると評価している。

    「排気口のベンチレーションにも巧妙な設計要素があり、誰もが『これは興味深い』と思った」

    フロントウイングも統一されず 多様性が顕在化
    フロントウイングについても、当初の予想とは異なる結果になっている。

    「フロントウイングも非常に特徴的で、チームごとに形状の違いが見られる」

    「すべて同じような形になると思われていたが、実際にはそうではない」

    “規則=均一化”の前提は崩壊 設計競争が再び主軸に
    2026年F1レギュレーションは、エネルギーマネジメントやパワーユニット規定と並び、空力面でも均一化が進むと見られていた。

    しかしマーシャルの証言からは、実際には各チームが異なる解釈を持ち込み、独自のコンセプトを構築している現状が浮かび上がる。

    結果として、新時代のF1は「制約による収束」ではなく、「制約の中での分岐」が進む構図となっており、設計競争の重要性が改めて強まっていることが示されている。

    Source: GMM

  • F1マイアミGP 記者会見 PART1 規則変更にドライバーが見解「正しい方向」

    F1マイアミGP 記者会見 PART1 規則変更にドライバーが見解「正しい方向」

    2026年F1マイアミGPを前に行われたFIA公式記者会見に、オスカー・ピアストリ、セルジオ・ペレス、ニコ・ヒュルケンベルグが出席し、直前に導入されたレギュレーション調整について見解を示した。

    安全性やクロージングスピードの改善を目的とした今回の変更について、3人はいずれも「正しい方向」と評価。一方で、パワーユニットのハードウェアに踏み込まない限り根本的な解決にはならないとの認識も共有され、実戦での効果を見極める必要性が強調された。

    Q:まず全員に質問です。今回のグランプリに向けたレギュレーション調整についての反応を聞かせてください。ニコからお願いします。

    ニコ・ヒュルケンベルグ: そうだね、FIAや関係者、そしてドライバーも含めて良い仕事ができたと思う。明らかに安全性の観点、クロージングスピード、予選ラップでよりプッシュできること、予選ラップの立ち上がり、すべてが少しシンプルになって、より扱いやすく、よりプッシュできる方向になった。だから、ここでは少しリセットのようなものだと思う。全員がもう一度コース上でそれを学ぶことになる。もちろん、みんなシミュレーションや準備はしているけど、実際は少し違うこともあるから、どう感じるか、どうなるかを見るのが楽しみだ。

    セルジオ・ペレス: うん、似たような意見だ。チーム、FIA、F1、ドライバーが一緒になって今あるものを改善しようとしているのを見るのは本当に良いことだと思う。どれくらい違いが出るかは実際にレースしてみないと分からないけど、すべての分野で改善しようとしているのは良いステップだし、ショーやクルマのフィーリング、予選の感覚を改善しようとしているのはとても良いことだと思う。

    オスカー・ピアストリ: 協力体制は良かったと思うし、変更も正しい方向に進んでいると思う。どれだけ問題の解決に役立つかは分からないけど、パワーユニットのハードウェアを変えない限り完全に問題を解決することはできないと思う。それでも正しい方向への一歩だと思うし、どれだけ効果があるかは見てみないと分からないけど、いくつかの調整は確実に前進だと思う。

    Q:オスカー、そのまま続けます。昨日、ルイス・ハミルトンの2008年タイトル獲得マシンをファンフェストでドライブしましたが、どれくらい楽しめましたか?

    ピアストリ: すごく楽しかった。古いクルマをドライブするのはいつでも楽しいし、音も特別だった。少しシンプルで、フィーリングもとても良かった。チームとしても特別な日だったし、自然吸気V8をドライブできたのは本当に良い経験だった。

    Q:今週末についてですが、アンドレア・ステラはマクラーレンが多くのアップグレードを持ち込むと話しています。期待はどれくらいですか?

    ピアストリ: 速くなることを期待している。それが計画だ。どの位置に来るかは見てみないと分からないけど、これもまた正しい方向への一歩だと思う。今週末メルセデスに挑戦するには十分ではないと思うけど、確実に正しい方向に進んでいる。他チームもアップデートを持ち込んでいるから、自分たちの方が良いことを期待している。それが計画だ。今のチームはモチベーションも自信も高いし、良い軌道に乗っていると思う。日本GPではポテンシャルを示すことができたし、その流れをさらに強化できていればいいと思う。良いステップになっていればいいね。

    Q:チェコ、あなたに戻ります。昨日は世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーとゴルフをしたそうですが、どれくらいの差を感じましたか?

    ペレス: とても楽しかったし、本当に良い経験だった。アマチュアと世界トップとの差を見るのは印象的だった。特にコースを歩いて回るのはかなり大変だった。普段はバギーに乗るからね。朝早くスタートできたのは良かった。そうでなければかなり大変だったと思う。

    Q:レースに向けた準備ですね。ではレースカーについてですが、3戦を終えてキャデラックの進歩についてどう感じていますか?

    ペレス: 正しい方向に進んでいると思う。毎週末ごとに確実に進歩しているのが重要だ。今回は最大のテストになると思う。大きなアップグレードを持ち込んでいるし、他チームも同じだ。それが他より大きいか、そしてすべてが機能するかにかかっている。うまくいけば開発ツールへの大きな自信につながる。チームにとって非常に重要な週末であり、ホームレースでもあるから、全体として非常に重要だ。

    Q:今週末の成功とは何ですか?

    ペレス: 鈴鹿からの進歩だ。特に他チームが大きなアップグレードを持ち込んでいる中で進歩できれば、それは非常に良い週末になる。

    Q:ニコ、アウディのマネジメント変更について。アラン・マクニッシュがレーシングディレクターに就任しましたが、どう思いますか?

    ヒュルケンベルグ: 彼は長い間アウディに関わってきたし、どれくらいか分からないけど非常に長い。F1プロジェクトの最初からチームに関わっている。元ドライバーでF1経験もあり、モータースポーツ経験も豊富だから、とても適した役割だと思うし、一緒に仕事をするのが楽しみだ。

    Q:今週末について、アウディも他チーム同様にパーツを投入しますが、期待は?

    ヒュルケンベルグ: ブレイク明けのスプリント週末だから、いつも通り忙しくて大変だ。でも競争力を持ちたいし、可能なところでポイントを取りたい。そして週末全体を最大限に活かしたい。

    フロアからの質疑応答

    Q:3人全員に質問です。レギュレーション変更後、WhatsAppのグループチャットはどんな感じでしたか?また、自分たちの意見が反映されていると感じていますか?

    ピアストリ: 鈴鹿の後はいろいろな意見が出ていたし、オリーのクラッシュの後は何かを変える必要があるのは明らかだった。意見を聞いて変更してくれたのは良いことだと思う。ただ、できることには限界があるし、自分たちがコントロールできる範囲での変更は良いものだったし、理にかなっていると思う。シミュレーターでは改善している部分もあれば、あまり変わらない部分もある。実際のコースでどうなるかを見てみる必要がある。安全面ではブーストボタンの変更は理にかなっているし、正しい方向だと思う。常に他のクルマより350キロワット多い状態を完全に無くすことはできないけど、その回数を減らせればいいと思う。

    ペレス: 鈴鹿で起きたことはとても怖いものだったし、安全面から変更が急務だった。ドライバー、チーム、FIA、F1すべてが変化にオープンであるのは良いことだと思う。レース条件や予選条件でどうなるかを見る必要がある。このルールでは予測がとても難しいからね。良い点は、変化にオープンであることだと思うし、もしこの週末の後にさらに変更が必要なら、カナダまでの間に時間もあるから、さらに変更できると思う。

    Q:オスカー、今回の変更は“第2のスタート”のような感覚がありますか?また、今シーズンのタイトル争いについてどう見ていますか?

    ピアストリ: シーズンの再スタートとまでは思わない。確かに多くのチームがアップデートを持ち込むけど、レギュレーション変更自体は序列を大きく変えるものではない。全体的に見れば小さな変更だ。ただ、各チームの開発がどう進むかは興味深い。現時点ではメルセデスが非常に強いから、そこに近づきたい。まだチャンピオンシップは終わっていないけど、僕たちマクラーレンを含め、パフォーマンスをかなり早く見つける必要がある。この週末にもアップデートを持ち込んでいるし、今後も続く予定だから、それで争いに加われることを期待している。

    Q:3人全員に質問です。シーズンはまだ長いですが、チーム間の力関係はどれくらい変わる可能性がありますか?

    ヒュルケンベルグ: まだ序盤だし、開発の余地は非常に大きい。シーズン後半に大きな変動が起きる可能性は十分ある。いつものように、どのチームがより効率的に開発し、アップデートを機能させるかにかかっている。

    ペレス: 今週末でかなり見えてくると思う。全チームが大きなパッケージを持ち込んでいるから、どのチームが最も効率的に開発しているかが分かるはずだ。

    Q:日曜の天候についてですが、特に雨の予報があります。どう感じていますか?また、アップデートへの影響は?

    ピアストリ: 興味深いことになると思う。このクルマで雨を走った経験はほとんどないし、バルセロナのシェイクダウンくらいだと思う。いくつかの特性があるから、雨ではかなり難しいクルマになると思う。マイアミは雨が降るとしっかり降るからね。どうなるか見てみよう。

    ペレス: FIAと日曜の状況について確認するミーティングがあると聞いている。かなり悪い予報らしいから、スケジュール変更があるかもしれない。

    Q:チェコに質問です。キャデラックにとって初のアメリカGPですが、雰囲気はどう違いますか?またラテン系ファンの存在はどうですか?

    ペレス: とても特別だ。アメリカのチームで走るというのはとてもエキサイティングだし、マイアミにはラテン系のファンも多いから、すごく特別な雰囲気がある。個人的には一年で最高のレースの一つだと思うし、雰囲気の違いを強く感じる。今週末は新しいカラーリングもあるし、ホームレースとしてとても楽しんでいる。ファンも素晴らしい。

    Q:3人に質問です。この新しいレギュレーション時代で、好きな点と嫌いな点は?

    ピアストリ: F1ドライバーと名乗れること自体が最高だ。ネガティブな点を挙げるのは難しいけど、昨日2008年のクルマに乗って、過去の魅力を少し取り戻すのは良いことだと思った。今のパッケージも改善に向けて動いている。

    ペレス: 子供の頃にマリオカートをたくさんやっていたから、この時代には準備できていると思う。

    ヒュルケンベルグ: クルマが大きく変わったことで、学び直す必要があるのは面白い。ただ、エネルギー管理などは複雑すぎる部分があった。今回の変更でそこが改善されることを期待している。

    Q:ニコ、今年の軽量化についてどう感じていますか?

    ヒュルケンベルグ: 正直30キロでは大きな違いは感じない。全体のバランスが変わったことでフィーリングが違うだけだ。低速では少し軽快かもしれないが、クルマによるところも大きい。

    Q:ニコに質問です。モンツァでのフィルミングデーでスタート練習をしましたが、改善はありましたか?

    ヒュルケンベルグ: 有意義だったと思う。スタートは課題として認識しているし、ブレイク中に分析と対策を進めた。いくつかのアイデアを試す予定だし、それが機能することを期待している。

    Q:全員に質問です。30キロ軽量化では大きな違いは感じないとのことですが、どれくらい減れば明確に感じますか?

    ピアストリ: 昨日のクルマの重量は分からないけど、大きな違いを感じるには50キロ以上、正直100キロ近く必要だと思う。今のクルマはまだ重い。600キロ台に戻せれば良いと思う。500キロ台はバッテリーを取り除くなどしないと無理だと思うが、そこまで必要かは別問題だ。

    ペレス: オスカーに同意する。

    Q:(イアン・パークス/RacingNews365)オスカーに質問です。将来的な大きな変更の議論はありますか?

    ピアストリ: 特に聞いていない。議論はチーム代表やメーカーのトップレベルで行われている。現在の自動車業界の状況と、これらのルールが作られた当時では状況が違う。皆その制限を理解して改善しようとしている。短期、中期、長期で変えるべきものがあると思うが、現時点では具体的な情報はない。

  • ランド・ノリス F1新規則に冷静評価「予選は向上もレースは変化なし」

    ランド・ノリス F1新規則に冷静評価「予選は向上もレースは変化なし」

    ランド・ノリス(マクラーレン)は、F1マイアミGPのメディアデーで、2026年F1シーズン中に導入されたレギュレーション変更について慎重な見方を示した。FIAによる調整は一定の改善をもたらすものの、決勝レースの性質を大きく変えるものではないと語っている。

    マクラーレンはマイアミにアップデートを投入するが、ノリスはその効果についても過度な期待を避けた。スプリント週末という制約のなかで、新パッケージをすぐに最大限引き出すのは簡単ではないという認識だ。

    ノリス「できることには限界がある」
    メディアに対し、ノリスはFIAが導入した変更について、主に予選面での改善を認めた一方、決勝への影響は限定的だと説明した。

    「正直に言って、それ以上に大きく進めるのは難しい。いくつかの問題を解決しようとすると、別の問題が出てくることが多い。レギュレーションの中でできることには限界がある」

    「多くの変更は正しい方向に進んでいる。特に予選に関してはそうだ。レースはそれほど大きく変わらない。いくつかの部分は基本的に同じままだが、予選はより一発のラップに近いものになる。それはポジティブだ」

    ノリスの見方は、マックス・フェルスタッペンが新たな変更を十分ではないと評した流れにも重なる。F1は改善に向かっているものの、すぐにレースの構図を一変させる段階にはないという評価だ。

    マクラーレンのアップデートにも慎重な姿勢
    マクラーレンの技術パッケージについても、ノリスは一定の信頼を示しながら、即効性については慎重だった。

    「すぐに大きなゲインをもたらすとは限らない」

    「僕たちには、アップデートが機能してきた良い歴史がある。だから信じたい。ただ、今回はスプリント週末だし、すべてを最大限に活用するのは簡単ではない」

    マクラーレンは昨年のような支配的な立場にはないが、日本GPでオスカー・ピアストリが表彰台を獲得するなど、上位争いに残る競争力は示している。マイアミに持ち込むアップデートは、その流れを強めるための重要な一手となる。

    ウォーキングのチームは、大幅に見直されたマシンとアップデートパッケージによって、まずフェラーリを射程に入れ、その先にメルセデスを見据える。ノリスの慎重な言葉は、期待を抑えながらも、マクラーレンが反撃の準備を進めていることを示している。

  • F1マイアミGP PU電力制限で周回の3分の1に影響 規則の複雑化が露呈

    F1マイアミGP PU電力制限で周回の3分の1に影響 規則の複雑化が露呈

    2026年F1のエネルギーマネジメント規則が改訂され、マイアミGPで初めて本格適用される。今回の変更では電動パワーの使用が厳しく制御され、1周の約3分の1にわたって出力制限が課されることになった。

    この調整は、予選での極端なバッテリー充電手法を抑え、レース中の速度差を縮小することを目的としているが、その一方でパワーユニット運用はこれまで以上に複雑化している。実際の制御内容は、想像以上に細かく設定されている。

    どの区間で制限されるのかは以下の図の通りだ。

    マイアミグランプリ

    電動と内燃の50対50構造は維持
    2026年F1のパワーユニットは、内燃エンジンと電動パワーがほぼ50対50で構成される。この基本構造はシーズン中に変更できないため、FIAはエネルギーの回生とデプロイの制御で対応している。

    今回の規則変更の主目的は、予選での極端な充電戦略を抑え、電力使用の偏りによる速度差を縮小することにある。

    マイアミは“エネルギーリッチ”
    マイアミは回生機会が多い“エネルギーリッチ”なサーキットとされる。そのため通常7MJの回生上限は、予選では8MJに引き上げられ、日本GPと同水準となる。

    一方で決勝では、MGU-Kの最大350kWに対し、一部区間で250kWに制限される新ルールが導入される。対象はターン1〜8とターン11〜16で、ラップの約3分の1を占める。

    ターン8〜11のストレートおよび最終セクターではフルパワーが許可されるため、区間ごとのパワー差が重要となる。

    マイアミグランプリ F1レギュレーション

    エネルギー配分の自由度は縮小
    従来は各チームが電力を使う区間を選択していたが、今回の規制では特定区間で出力上限が固定されるため、その裁量は大きく制限される。

    結果として、戦略要素は残るものの、エネルギー運用はよりルール主導の領域へと移行している。

    速度閾値の変更でさらに複雑化
    マイアミでは特定コーナーでの条件も変更された。通常は210km/h以下でMGU-K出力を即時カットできるが、ターン1〜3およびターン5〜8では240km/hに引き上げられている。

    コーナリング中の速度変動に対応するための措置だが、段階的な出力制御や既存ルールとの組み合わせにより、実際の運用はさらに複雑になっている。

    小松礼雄が指摘する課題
    ハースF1チーム代表の小松礼雄は次のように語った。

    「問題は、特定の状況で非常に複雑になってしまい、意図しない結果が出てしまうことだと思います」

    「長期的には、レギュレーションはもっとシンプルにする必要があります」

    「シーズン中に大きな変更をするのは難しいので、今は小さな変更で慎重に対応していくしかないと思います」

    「ただ、これ以上複雑にしてはいけないと思います」

    パフォーマンス均衡を狙った規制は、結果として高度な制御ロジックを必要とする状態を生み出している。マイアミGPは、その複雑化した現状を象徴する一戦となる。

    Source: The Race

  • ランス・ストロール F1レギュレーションを痛烈批判「F3の方が1000倍楽しい」

    ランス・ストロール F1レギュレーションを痛烈批判「F3の方が1000倍楽しい」

    ランス・ストロール(アストンマーティン)は、2026年F1レギュレーションに対してこれまでで最も強い言葉で批判を展開した。マイアミGPを前にしたメディア対応で、現行マシンのコンセプトやレースの在り方そのものに疑問を投げかけている。

    一方で、同じパドック内でも見解は分かれており、バルテリ・ボッタスやF1首脳陣は現状をより冷静に評価している。ドライバー体験と競技全体の方向性、そのギャップが改めて浮き彫りとなった。

    ストロール「レギュレーションは完全に間違っている」
    ストロールは、2026年レギュレーションについて明確に否定的な見解を示した。

    「うまくいけば、ハーフスロットルや、レースや予選を台無しにするあらゆる要素が改善されることを願っている」

    「まだ“本来のF1マシン”には程遠いと思う。バッテリーのことを気にせず、常に全開でプッシュできる状態じゃない」

    「僕たちはあるべき姿から大きくかけ離れている」

    「レギュレーションは本質的に完全に間違っている。僕はエンジニアじゃないけど、できることはたくさんあるはずだ」

    その不満は、単なるパフォーマンスではなくドライビング体験そのものにも及んでいる。

    「今のF1は、運転していてそこまで楽しくない」

    「休みの間に他のカテゴリーのクルマにも乗った。フォーミュラ3のマシンもテストしたけど、あれは1000倍楽しかった」

    「なぜなら、自分の右足次第だからだ。どれだけパワーを使うかは自分で決められるし、それがそのまま返ってくる」

    “かつてのF1”との決定的な違い
    ストロールは過去のF1と比較し、現在のカテゴリーが持つ個性の希薄化にも言及した。

    「V8やV10時代のオンボード映像も見たけど、当時はもっと激しくて、もっとエキサイティングだった」

    「今と比べると、あの頃の方がずっと濃密だった。残念だけど、またああいう方向に戻ってほしい」

    さらに、この問題については多くのドライバーが同様の考えを持っているとしつつも、自由に発言できない状況があると示唆した。

    「同じことを言えるドライバーもいれば、契約の関係で言えないドライバーもいる」

    「それがF1だ。とても政治的な世界になり得る」

    ランス・ストロール F1レギュレーション

    ボッタスは慎重姿勢「正しい方向への一歩」
    一方で、キャデラックF1のバルテリ・ボッタスはより抑制的な評価を示した。

    「まだ小さな一歩だけど、正しい方向への一歩だ」

    「もっと大きな変更もできるだろうが、同時に結果を出しているチームを不当に不利にしてはいけない」

    現行レギュレーションの課題を認めつつも、バランスを重視する立場を取っている。

    ドメニカリは危機論を否定「F1は非常に健全」
    こうしたドライバーの不満とは対照的に、F1 CEOのステファノ・ドメニカリは強く現状を肯定した。

    「F1にはまったく問題はない。非常に良い状態にある。それだけははっきりさせておきたい」

    ドライバーの“現場感覚”と、運営側の“全体最適”の間にある温度差は明確であり、2026年レギュレーションを巡る議論は今後も続いていく可能性が高い。