カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • 角田裕毅 レッドブルF1契約の“交渉禁止条項”を明かす「他と話せなかった」

    角田裕毅 レッドブルF1契約の“交渉禁止条項”を明かす「他と話せなかった」

    レッドブル加入後わずか2戦で苦戦が続き、去就を巡る憶測が飛び交っていた角田裕毅が、2026年のレースシートを失うに至った背景として「契約が外部との交渉を禁じていた」ことを明かした。

    レッドブルは今週、2026年のラインナップを正式発表。アイザック・ハジャーが昇格し、角田裕毅は来季のレースシートを失い、テスト兼リザーブドライバーとして残留することになった。

    “外部からの関心はあったが、契約で動けなかった”
    角田裕毅は、他チームあるいは他カテゴリーからの関心があったことを示唆したが、具体的な相手については明かさなかった。

    しかし、そうした可能性はすべてレッドブルとの契約によって封じられていたという。

    「契約があったので、僕にはできることがあまりなかったです。外部からいくつか興味はあったんですけど、その契約が理由で彼らと話すこともできなかったんです」

    「だからこそ、完全にレッドブルのシートに集中していました。ここ数年ずっと僕の優先順位はレッドブルのシートでしたし、レッドブル・ファミリーは僕が育ってきた場所でもあります」

    “2026年に走れない”と知らされたのはカタールGP直後
    角田裕毅が2026年のF1シートを失うことを知らされたのは、カタールGPの直後だった。

    「タフでした。レースの直後にヘルムート(マルコ)から告げられました」

    その時の心境について問われると、意外にも冷静だったと語る。

    「驚くことに大丈夫でした。大丈夫…ではないですけど、なんとか大丈夫という感じです。翌朝もいつも通り朝食を頼んで、同じものを食べていました」

    「まだ、自分がこれで最後のレースになるって理解しきれていないのかもしれません。アブダビが終わってから、もっと強く感じるのだと思います」

    角田裕毅 レッドブル F1

    角田裕毅を縛った“契約の壁”とその影響
    今回の発言で特に重いのは、角田裕毅が他チームと交渉する自由を契約上まったく持っていなかった点だ。

    通常、F1ドライバーは契約の最終年や状況によって早い段階から翌年のシートを探るが、角田裕毅はそのチャンスすらなかった。このため、レッドブルが判断を下した後に“他の選択肢へ動く道”がほとんど残されていなかったことになる。

    加えて、レーシングブルズ側のシートもアイザック・ハジャーとリアム・ローソンで埋まり、レッドブル・ファミリー内でのレースシートは完全に消滅していた。

    “最後の週末”を迎える角田裕毅の心境
    2025年アブダビGPは、角田裕毅にとって“最後のF1週末”になる可能性がある。それでも、本人はまだ実感が湧いていないという。

    レッドブルとは引き続きリザーブ兼テストとして活動を続ける予定だが、レースシートを失う重い現実と向き合う週末となる。

  • 角田裕毅 2026年リザーブ残留でレーシングブルズF1復帰のシナリオ残る

    角田裕毅 2026年リザーブ残留でレーシングブルズF1復帰のシナリオ残る

    レッドブルは2026年のラインナップを動かし、リアム・ローソンがシートを守った一方で、角田裕毅はリザーブに回る決断が下された。しかし、このままキャリアが閉ざされるわけではない──元F1ドライバーのラルフ・シューマッハはそう強調している。

    2026年、現役20名のうち唯一開幕戦オーストラリアGPに出走しないのは角田裕毅。ハジャーの昇格とアービッド・リンドブラッドのF1デビューにより、角田裕毅はリザーブとしてチームに残る形となったが、レッドブル内部では“まだ物語は続く”とみる声も根強い。

    一方でレーシングブルズはローソンとリンドブラッドの新体制で挑むが、両者にとって2026年は“生き残りのための一年”となる可能性が高い。

    「ローソンとリンドブラッドは安泰ではない」ラルフの警鐘
    シューマッハは『Backstage Boxengasse Podcast』でレッドブルのドライバー事情について語り、角田裕毅のF1復帰は十分にあり得ると断言した。

    彼は角田裕毅のカタールでの走りを高く評価し、「スプリントも良かったし、予選でのパフォーマンスは“輝き”と言えるものだった」と強調。

    続けてローソン・リンドブラッド体制についても次のように述べた。

    「ローソンはチームにとても馴染んでいる。それはレーシングブルズにとって重要なことだ。経験があり、新車開発が進み、色々なものが変化する。そういう時に“既知の存在”は大きい。リンドブラッドは昇格したルーキーという立場だ」

    角田裕毅 レッドブル F1

    角田裕毅をキープする理由──“両チームを知る存在”の価値
    シューマッハは角田裕毅のリザーブ起用を「極めて理にかなっている」と説明する。

    「もし何かがうまくいかなかった時、両チームとマシンを知るドライバーがいるのは大きな武器だ。レッドブルとしては角田裕毅を保持するのが自然な流れだろう」

    2026年はホンダPUのTPC(旧型車テスト)も引き続き必要となるため、実走経験を持つ角田裕毅は貴重なリソースとなる。
    リンドブラッドは唯一の新人として大量のプライベートテストを行う必要があり、そこで角田裕毅が上回る走りを見せれば、状況が一変する可能性は十分ある。

    ローソンのキャリアも正念場──2026年は“退路なし”の一年
    ローソンにとっても2026年はキャリア最大の勝負所となる。レッドブル本隊への復帰は現時点で想定されておらず、外部チームへの移籍も含めて市場は荒れる見通し。

    問題は「もしリンドブラッドに初年度から負けた場合」。

    その瞬間、ローソンは再び角田裕毅とのシート争いに引き戻される可能性がある。
    2026年のレーシングブルズは、ローソン vs リンドブラッド vs 角田裕毅(リザーブからの逆襲)という、多層的なサバイバルレースが進行することになる。

  • アイザック・ハジャー 2026年のレッドブルF1昇格は「先週知らされていた」

    アイザック・ハジャー 2026年のレッドブルF1昇格は「先週知らされていた」

    アイザック・ハジャーは、角田裕毅の後任として2026年にレッドブル・レーシングに昇格することについて、それが「安堵」ではなく、自分がまさに必要とされたシーズンをやり遂げたという確認だと語った。

    21歳のフランス人ルーキーは『L’Equipe』に、レッドブルがついに火曜日に予想通り発表したこの発表について、プレッシャーから解放されるものとして見ていなかったと語った。

    「安堵ではない。下された決定に僕は満足している」とハジャーは言った。

    「僕はとても良いシーズンを送ったと思うし、状況を踏まえると、それが最も理にかなった決断だった。レッドブルが1年後に僕を選んでくれたことをとても嬉しく思っている」

    ハジャーは、序盤に強力なフィニッシュを重ねていた時期に、自分がそのシートに値すると感じ始めたと述べた。

    「正直、僕が本当に自信に満ちていて、クルマそしてチームの中でとても快適だった時期だと思う」とハジャーは言った。

    「そして僕が一貫してトップ10フィニッシュを重ねていたとき」

    「僕は良い仕事をしていたし、なぜダメなんだ?と思った」

    ハジャーは、ザントフォールトでの表彰台が特に決定的だったと認めた。

    「確かに大きく役立った。あの3位で、強いプレッシャーの中でも自分が強いことを示すことができた」

    「僕はあの表彰台を、ほとんど完全に自分の力で勝ち取った」

    しかし、ハジャーのルーキーキャンペーンは、メルボルンでのフォーメーションラップ中のリタイアで始まった――だが彼は、その後の対応こそがより重要だったと語った。

    「僕の頭にあった唯一のことは、ただクルマに戻って、それが単なるミスだったと示すことだった。僕は精神的に強いし、すぐに立ち直れる。そして僕はその通りにした」

    その回復力こそが、レッドブルがフェルスタッペンの隣に彼を置く理由の一部だと彼は考えている。

    「僕はあらゆる場所で、毎日、クルマに乗るたびにしっかりしていないといけない。それはレッドブルだけじゃなく、ほぼどこでも当てはまることだ」

    ハジャーは、自身の2026年昇格を「先週」知らされたと明かし、絶え間ない憶測が終わったことに最も安堵していると述べた。

    「毎週のようにその話が持ち上がっていた。僕は先週あなたたちに言ったことと同じことを繰り返す羽目になっていた」とハジャーは言った。

    単年での昇格は時期尚早だと主張する声も依然としてある。しかしハジャーはその懸念を退けた。

    「もし彼らが僕を選んだのなら、それは彼らが早すぎるとは思っていないということだ。僕は12カ月前の自分とは全く違うドライバーだ」

    「彼らがこの決断を下したのは、僕が十分に準備できていると考えたからだ」

    フェルスタッペンについて、彼の興奮は隠しきれない。

    「信じられないほどワクワクしている。21歳で、世界最高のドライバーの隣にいられるチャンスを得られるなんて――それは僕がキャリアでずっと望んできたことだ」

    「少し怖いけど、本当にワクワクしている」

    彼はまた、謙虚な姿勢で挑むと強調する。

    「まず、それを受け入れること。フェルスタッペンを打ち負かすつもりで行くわけじゃない。そんなことは不可能だから。僕のタイムがマックスのレベルではないことを受け入れるだけだ」

    「そこから少しずつ近づいていく。賢くさえいれば、本当に何の罠もない」

    精神面の挑戦こそが最も難しいとハジャーは認める。

    「僕のキャリアを通して、僕は常にチームメイトより少し前にいた。フェルスタッペンが速いという事実を受け入れるのが難しい可能性は高い。そこで僕は冷静でいなければならない」

    アイザック・ハジャー レッドブル F1

    ハジャーは、同じフランス人で友人でもあるピエール・ガスリーにアドバイスを求めることを避けている――ガスリーは、多くと同様、フェルスタッペンの隣で生き残れなかった。

    「正直、そのことについて彼と話したことはない。複雑なテーマだからだ」とハジャーは言う。

    「でも、もし彼が僕に話したいなら、僕はとても嬉しい」

    また、幼少期にルイス・ハミルトンを崇拝していたにもかかわらず、フェルスタッペンとのライバル関係は自分の動機を変えないと語った。

    「僕は全員を打ち負かしたい。フェルスタッペンが何年もルイスのライバルだったからといって、それで僕がより嬉しくなるわけじゃない」

    そして初のレッドブルシーズンがすでに迫る中、ハジャーは大きな目標を見据えている。

    「もしクルマがそれを許すなら、グランプリで勝つことができたら素晴らしいだろう?」

    「僕は来年、自分がそれをやっている姿を確かに想像できる。本当にクールだろうね」

  • F1分析:レッドブル・レーシングとレーシングブルズの2026年布陣の意図

    F1分析:レッドブル・レーシングとレーシングブルズの2026年布陣の意図

    レッドブルとレーシングブルズが2026年シーズンのドライバーラインナップを発表したニュースを受けて、F1特派員ローレンス・バレットがその内容を振り返った。

    レッドブルとレーシングブルズは2026年に向けてラインナップを入れ替える。アイザック・ハジャーがレッドブルへ昇格し、アービッド・リンドブラッドがレーシングブルズでF1デビューを果たす。リアム・ローソンはレーシングブルズのシートを維持し、角田裕毅はベンチに追いやられる。

    F1特派員ローレンス・バレットが、このニュースにまつわる主要な疑問点を見ていく。

    なぜレッドブルはハジャーを昇格させたのか?
    アイザック・ハジャーのF1での生活は、シーズン開幕戦のオーストラリアGPでフォーメーションラップ中にクラッシュし、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコから批判を受けるという波乱のスタートとなった。

    だが彼はそれに動じることなく、その後は素晴らしいルーキーシーズンを築き上げ、これまでに10戦でポイントを獲得している。その中には3度のトップ6フィニッシュ(カタールでのパンクがなければ4度)が含まれ、その1つはオランダGPでの見事な初表彰台だった。

    一方、角田裕毅は、2025年にマックス・フェルスタッペンと並ぶレッドブルのセカンドシートでマシンを乗りこなすのに苦戦した最新のドライバーとなり、2026年に向けてハジャーがレーシングブルズから昇格する可能性が大きく高まっていた。

    レッドブルは「いきなり深いところへ放り込んで、沈むか浮かぶかを見る」というスタイルであり、後者だと分かれば、これ以上待つ理由はないと考えており、可能な限り早く昇格させる傾向がある。

    ハジャーと角田裕毅が今季まったく対照的なシーズンを送ったこと、そしてハジャーがオン・オフ両面で自信を深めていったことから、レッドブルは彼がワークスチームにふさわしいと判断し、レーシングブルズでの2年目は必要ないと決断した。

    レッドブル・レーシング

    なぜレッドブルはリンドブラッドにデビューさせたのか?
    レッドブルは2022年にリンドブラッドをジュニアプログラムのフルメンバーにし、それ以来その成長ぶりに感銘を受けてきた。そのため、今年初めにF1のテストで準備を開始できるよう、18歳の誕生日前にF1スーパーライセンスを取得するための特別な許可をFIAに求めるほどだった。

    このイギリス人ドライバーは、今年初めに2年落ちのレーシングブルズで3回のテストを行い、そのうち2回目のテスト(シルバーストンとメキシコでのFP1)のパフォーマンスが特に目を引いた。

    レッドブルは、リンドブラッドが将来のスターの1人であり、ステップアップの準備ができていると考えている。彼がF2でタイトル争いができていなくても(最終戦を残して現在6位)、レッドブルの理念としては、準備ができていると判断すれば待つ理由はないのだ。

    18歳の彼の“生の速さ”、フィードバックの質、そしてオン・オフ両面での印象的かつ成熟した姿勢によって、レッドブルは彼をレーシングブルズで走らせることで、F1に登場した20人目のジュニアとする決断に至った。

    レーシングブルズ/ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム

    なぜレーシングブルズはローソンを残したのか?
    レーシングブルズの2つ目のシートは、ローソンと角田裕毅の一騎打ちだった。そしてレッドブルとレーシングブルズの上層部が決断を下すには時間を要し、今週まで発表が遅れたのはそのためだ。

    レッドブルは、5年目の角田裕毅と初のフルシーズンを戦うローソンに、シートに値することを証明するための十分な時間を与えたいと考えていた。

    時間はかかったが、角田裕毅が突破口を見せ始めた時期もあった。たとえばカタールのスプリント予選ではチームメイトであるマックス・フェルスタッペンをアウトクオリファイした。一方、ローソンはバクーやラスベガス予選など非常に難しいコンディションで力強さを見せ、安定性を高めていった。

    最終的に、上層部は角田裕毅が十分とは言えなかったと判断した(これまでのポイントは33点、フェルスタッペンは396点、そのうち3点はレーシングブルズで稼いだもの)。一方で、今年のローソンの走り、レッドブルから降格された時の対応ぶり、最終的な潜在力を評価し、来年のレースシートを与えるに至った。

    角田裕毅 レッドブル・レーシング

    角田裕毅はどうなる?
    レッドブルは、ワークスチームとレーシングブルズの両方のリザーブドライバーとして角田裕毅を「ファミリー」に残す。

    角田裕毅はそこで体勢を立て直し、シーズン中もしくは翌年にレッドブルの4つあるF1シートのいずれかに戻る道を模索するか、2027年に向けてグリッド上の別チームの機会を探し始めることになる。

    近年、角田裕毅はハース、ザウバー、アルピーヌといったチームと関連付けられており、またホンダの支援を受けているため、来年からワークスPUパートナーとなるアストンマーティンで将来的なチャンスがある可能性もある。

    ではフェルスタッペンはどうなる?
    フェルスタッペンはレッドブルで11年目となる来季もチームリーダーを務めることになる。契約は2028年末までだ。

    今年初めにはチーム離脱の噂もあったが、彼は来年もチームで走ることを約束している。

    今は、今週末のアブダビで5年連続タイトル獲得を目指すことに集中しており、その後2026年に導入される新しいシャシーとパワーユニット規定にチームが取り組むのを支援することに集中することになる。

  • 角田裕毅の処遇発表タイミング レッドブルF1が学んだ“リカルド騒動”の教訓

    角田裕毅の処遇発表タイミング レッドブルF1が学んだ“リカルド騒動”の教訓

    角田裕毅の2026年の処遇が今季最終戦を前に正式発表された。イタリア拠点のレーシングブルズでの来季シート獲得が最も現実的と見られていたが、チームはアイザック・ハジャーをレッドブルへ昇格させ、アービッド・リンドブラッドをF1へデビューさせる判断を下した。

    結果として角田裕毅は2026年、レッドブルのテスト兼リザーブドライバーとして残留することになった。

    フルタイムシートは失うものの、2026年に導入される新レギュレーション下ではリザーブの役割が極めて重要となるため、その存在価値は決して小さくない。

    この発表がシーズン最終戦前に行われた背景には、2024年に起きた“リカルド騒動”があったとされる。ESPNの報道によれば、レッドブルは当時のダニエル・リカルドの扱いをめぐり「混乱したPR状況」を経験し、その反省が今回のタイミングに影響を与えたという。

    レッドブルが避けたかった“リカルドの再現”
    2024年、レーシングブルズはシンガポールGPを最後にダニエル・リカルドの起用を終了していたが、正式発表はレース後から4日遅れて行われた。この遅れが、ファンやパドック内に「きちんとしたお別れの時間が与えられなかった」と捉えられ、大きな批判を呼んだ。

    レッドブルはすでに結論を下していたにもかかわらず、なぜ最終戦前に公表しなかったのかという疑問が残り、“曖昧な沈黙”が不必要な憶測を招いた。本人が翌年に引退を発表したことも相まって、パドック全体が納得のいく形で送り出す機会を逃したことが大きな教訓となった。

    今回の角田裕毅の発表について、ESPNは「チーム内部で“発表を前倒しする”強い押しがあった」と伝えている。リカルドのケースのように、キャリアの節目を曖昧な状態で迎えさせたくない――そうした意識が働いたとみられる。

    角田裕毅 F1 レッドブル

    アービッド・リンドブラッド昇格は時期尚早なのか?
    18歳のアービッド・リンドブラッドは、2026年F1グリッドで唯一のルーキーとなる。若すぎるとの声もある一方、「早い段階でF1のレベルに触れることが成長の近道」という意見も多い。

    「低いカテゴリーにもう1年置くより、アントネッリのようにF1で学ぶべきだ」という見方もファンコメントで見られ、荒削りでもポテンシャルを評価するレッドブルらしい判断ともいえる。

    2027年に再びチャンスは巡るのか?
    角田裕毅にはすでに“復帰の前例”もある。過去のレッドブル体制でリザーブに回ったアレックス・アルボンは、ウィリアムズで2022年に復帰し、今やチーム浮上の中心的存在だ。また、2023年にリザーブを務めたリカルドも翌年にF1へ復帰している。

    F1では“1年空く=キャリア終了”ではないことを示す好例が続いており、角田裕毅も2027年のグリッド争いに再び食い込む可能性は十分にある。ハースF1チームの小松礼雄(チーム代表)が角田のスキルセットを高く評価していることはすでに知られており、フェラーリが2027年にオリバー・ベアマンを昇格させれば、ハース側に席が空くという巡り合わせもある。

    新レギュレーション初年度となる2026年にレッドブル内部で信頼を積み重ね、2027年の市場で存在感を示せるか。角田裕毅にとって、ここからの一年はキャリアの再構築に向けた重要なシーズンとなる。

  • 角田裕毅 レッドブルのF1シート喪失語る「夢はまだ諦めていません」

    角田裕毅 レッドブルのF1シート喪失語る「夢はまだ諦めていません」

    角田裕毅が自身のSNSを更新。今シーズン限りでレッドブル・レーシングのF1シートを喪失することへの心境を語った。

    レッドブルは12月2日(火)に2026年のドライバー体制を発表。レッドブル・レーシングでは角田裕毅に変えてアイザック・ハジャーを昇格させ、レーシングブルズでは、リアム・ローソンのチームメイトとしてルーキーのアービッド・リンドブラッドを起用することを発表。

    この決定により、角田裕毅はF1で5シーズン・110戦を戦ったのち、2026年はレッドブルのリザーブドライバーとして控えに回ることになった。

    角田裕毅は「まだ終わっていない」とSNSに記した。

    「2026年からはレッドブルのテスト兼リザーブドライバーになり、一度はシートを離れることになりますが、最高のF1ドライバーになる夢はまだ諦めていません」

    「これまで以上に努力してチームに貢献し、グリッドに立つ資格があることを証明したいと思います」

    角田裕毅 レッドブル・レーシング

    角田裕毅は2019年のレッドブル・ジュニアプログラム加入以来、7年間レッドブルの一員として活動してきた。F1では100戦以上に出走し、現在のレーシングブルズで経験を積んだ後、2025年の日本GPからレッドブル・レーシングでレースドライバーとして走った。

    角田裕毅は、レッドブル・ジュニア出身として同チームの10人目のドライバーとなり、その歩みは決して平坦ではなかったが、常に前向きな姿勢と成長を示し続けてきた。

    今回の発表の中で、レッドブルのCEO兼チーム代表であるローラン・メキースは角田裕毅との年月をこう振り返っている。

    「角田裕毅はこれまで7年間レッドブルのカラーをまとってレースをしてきたし、私はレッドブルの両チームで彼と一緒に仕事をする喜びを味わってきた」とメキースはコメント。

    「F1でのこれまでの5シーズンを通じて、角田裕毅は成熟した完全なレーサーへと成長し、土曜日のシングルラップでも優れているし、日曜日には抜群のスタートと優れたレースクラフトを発揮することができる」

    「F1の誰もが、角田裕毅を好きにならずにはいられないと言うだろう。彼の性格は人を引きつけるし、レッドブルファミリーの特別な一員になっている」

    「レッドブルの全員を代表して、これまでの彼の貢献に感謝したいし、2026年のプロジェクトに向けて彼がこれから提供してくれる支援がかけがえのないものになると分かっている。」

  • 角田裕毅 レッドブルF1がホンダのTPC用PU割引“救済案”を拒否との報道

    角田裕毅 レッドブルF1がホンダのTPC用PU割引“救済案”を拒否との報道

    レッドブルF1が、ホンダから提示されたTPC用PUの“割引提供による救済案”を受け入れず、角田裕毅は2026年のレースシートを失う結果となったと Auto Motor und Sportが報じた。

    ホンダの後押しを最大の武器としていた角田裕毅にとって、この提案は最後の望みともいえる交渉材料だった。しかし、費用面で有利な条件がそろっていたにもかかわらず、レッドブルF1はあくまでスポーツ面の評価を優先し、救済案を拒否したという。

    ホンダは最後の「切り札」だった
    角田裕毅にとって、ホンダは最後まで決定打となり得る存在だった。

    2026年にホンダはアストンマーティンへパワーユニット供給を切り替え、レッドブルとレーシングブルズはフォードとの提携に移行する。それでも角田裕毅は、自身の残留に望みをつないでいた。

    理由の一つは TPC(2年以上前のマシン)テスト に関する状況だ。レッドブルが保有する古いシャシーはすべてホンダ製PUを積んでおり、フォードPUへの移行後はテスト用の動力源を確保できなくなる見込みだった。

    ここに、ホンダが条件付きで割安エンジン提供を持ちかける案が浮上する。

    「もし角田がレッドブル系4チームのいずれかでコックピットを維持するなら、TPC用PUを特別価格で供給する」という取引である。

    それでもレッドブルはこの案を拒否した
    しかし、最終的にレッドブルはこの案を受け入れなかった。レッドブル首脳陣は スポーツ的判断 を優先し、角田裕毅の成長曲線とパフォーマンスを総合して“戦力としての限界”を見たとされる。

    この決定により、角田裕毅はF1で5シーズン・110戦を戦ったのち、2026年はリザーブドライバーとして控えに回ることになった。

    一方でレーシングブルズにはルーキーのアービッド・リンドブラッドを起用するとともに、リアム・ローソンには「1年半でより急激な成長が見込める」という評価が下され、レッドブルは将来性に賭ける道を選んだ。

    角田裕毅 F1 レッドブル

    ホンダの切り札は届かなかった
    ホンダの後押しや特別価格でのPU提供案、TPC運用における費用面での利点など、複数の要素が角田裕毅に有利に働くはずだった。

    しかし最終的にレッドブルは方針を変えず、この一連の支援策はチームの判断を動かす決定打とはならなかった。

    角田裕毅に託されたホンダの“最後のカード”は、残念ながら来季のレースシート確保につながらなかった。

  • 角田裕毅で5人目…フェルスタッペン体制レッドブルF1“ナンバー2”崩壊史

    角田裕毅で5人目…フェルスタッペン体制レッドブルF1“ナンバー2”崩壊史

    角田裕毅は2025年シーズン、マックス・フェルスタッペンのチームメイトという最も過酷な座に挑み、そしてその重圧に押しつぶされる形でシートを失った。日本人ドライバーとして初めてレッドブルのトップチームに昇格した角田でさえ、わずか1年足らずで“交代”を告げられる結末は、レッドブルにおけるナンバー2の難しさを端的に示している。

    しかし、角田裕毅は“特別な失敗例”ではない。

    レッドブルではここ8年、フェルスタッペンの隣に座った5人のドライバー――ダニエル・リカルド、ピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボン、セルジオ・ペレス、リアム・ローソン――が同じ道を辿り、キャリアの岐路へと追い込まれてきた。

    なぜレッドブルは才能あるドライバーたちを次々にすり減らしてしまうのか。その答えは、フェルスタッペン時代の内部に積み重なった“構造的な問題”にある。

    ドライバー育成で名高いチームがなぜスターたちを磨り潰し続けるのか?その答えになり得るのが、元チーム代表クリスチャン・ホーナーの言葉だ。

    「マックスは世界で最も手強いチームメイトだ」

    4度のワールドチャンピオンであるフェルスタッペンがレッドブルのカラーをまとう8年以上、そのことは嫌というほど明らかになってきた。それは、フェルスタッペンのチームメイトという“毒杯”がいかなるものかを示す、このタイムラインが如実に語っている。

    ■ ダニエル・リカルド(2016〜2018)

    予選対決成績 vs フェルスタッペン:24−34
    決勝対決成績 vs フェルスタッペン:21−35

    2016年5月15日:
    2016年のシーズン序盤、リカルドは間違いなくレッドブルの“トップドッグ”だった。しかしこのスペインでの晴れた日曜日、破壊的なマックス・フェルスタッペン時代が幕を開ける。まだ17歳、ジュニアチームからダニール・クビアトの代役として急遽昇格したばかりのフェルスタッペンが、スペインGPで壮観な勝利を挙げたのだ。

    2年前、チームメイトで4度の世界王者セバスチャン・ベッテルを打ち破ったことで評価が確立していたリカルドは、当初は脅威を感じてはいなかった。だがフェルスタッペンが成し遂げた偉業の大きさは、レッドブルが突然“2人の本物のナンバー1ドライバー”を抱えたことを意味していた。こうした状況でチーム内政治が無傷で済むことは滅多にない。

    2017年7月30日:
    2017年のハンガリーGPまでに、リカルドとフェルスタッペンはすでに何度かコース上で激しいバトルを見せていた。それは激しくも敬意を失わない戦いだったが、ブダペストでは初めて“不満が溜まり始めている”ことがはっきりと表れた。

    「今の、誰だと思う?」

    フェルスタッペンとの接触でレース序盤にリタイアしたリカルドは無線でそう言った。次の周、ストップしたリカルドのマシンの横をフィールドが通過すると、彼はフェルスタッペンに中指を突き立てた。リカルドはすでに、チーム内に自分と同等の実力者がいることを理解しており、もはや“遠慮”はなかった。

    2017年10月20日:
    リカルドは2018年末で契約が切れ、他チームから注目を集め、選手権でもフェルスタッペンを上回っていた。だがレッドブルは2017年アメリカGP前にフェルスタッペンとの新契約を発表した。さらにその契約は、リカルドより高額だった。

    メルセデスがフェルスタッペン獲得に動いていた状況を考えれば、レッドブルが彼を引き留めたいのは当然だ。しかしリカルドが「チームがフェルスタッペン中心に動いている」と感じても不思議ではなかった。

    2018年4月29日:
    アゼルバイジャンGPでは、ついにリカルドとフェルスタッペンのライバル関係が大クラッシュを引き起こした。レッドブルが勝利を狙えるレースを2人で台無しにした形だ。
    そしてパドックの総意は、フェルスタッペンが悪い、というものだった。だがレッドブルが外に対しても内に対しても発したメッセージは“そうではなかった”。

    「五分五分の責任だと言われたが、実際には自分はあまり悪くなかった。当時の扱われ方には納得できなかった」とリカルドは1年後に語っている。

    2018年8月3日:
    リカルドが世界を驚かせた日。レッドブルからの契約オファーを保持しながら、彼は突然、ルノーへ移籍すると発表した。同チームは当時、F1に復帰したばかりで、ミッドフィールドに苦しんでいた。

    ■ ピエール・ガスリー(2019)

    予選対決成績 vs フェルスタッペン:1−11
    決勝対決成績 vs フェルスタッペン:1−11

    2019年2月28日:
    レッドブルは2019年シーズンに高い期待を抱いていたが、開幕前の段階ですでに一人のドライバーが苦戦していた。

    テスト1週目でバリアにクラッシュしたわずか1週間後、ピエール・ガスリーは、フェルスタッペンが容易そうに扱っていたマシンに苦しみ、バルセロナで巨大なクラッシュを喫した。レース週末ではない状況で、これほどの衝撃的なクラッシュは珍しい。レッドブルはすでにスペアパーツ不足となり、プレッシャーは序盤から極めて高かった。

    2019年7月28日:
    ガスリーはドイツGPに到着した時点ですでに深刻な状況にあった。今シーズン、予選・決勝でフェルスタッペンを上回ったのは各1回ずつだけで、平均予選タイム差は約0.5秒。なんとか食らいつこうとした結果、ガスリーはホッケンハイムのプラクティスでクラッシュし、さらに決勝でもクラッシュ。その一方でフェルスタッペンはキャリア屈指の勝利を挙げた。“フェルスタッペンが輝き、ガスリーが沈む”という構図はもはや覆しようがなくなっていた。

    2019年8月12日:
    ガスリーは夏休みで気持ちのリセットを図り、後半戦で巻き返そうとしていた。しかし、ハンガリーGPでフェルスタッペンに1ヶ月の間に2度目となる周回遅れにされ、このレースがレッドブルでの最後となる。

    レッドブルはガスリーのパフォーマンスに深刻な懸念を抱き、F1キャリア12戦目に過ぎなかったアレクサンダー・アルボンを昇格させた。ガスリーはトロロッソへ戻されることとなった。

    レッドブル・レーシング

    ■ アレクサンダー・アルボン(2019〜2020)

    予選対決成績 vs フェルスタッペン:1−25
    決勝対決成績 vs フェルスタッペン:8−17

    2020年8月1日:
    アルボンは2019年終盤の9戦でレッドブルに十分な印象を残し、翌2020年もチームに残留した。しかし、その9戦での予選平均タイム差が0.3〜0.4秒ほどだったのに対し、2020年シルバーストンではその差が0.6秒以上に拡大していた。

    アルボンはマシンに大いに苦しみ、シルバーストンではレースエンジニアを交代。それでもプラクティスでクラッシュし、予選ではQ2敗退。決勝では接触でペナルティを受け、最終的に8位でフィニッシュした。

    2020年9月26日:
    ロシアGPでは状況はさらに悪化した。フェルスタッペンがルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスの間に割って入り、メルセデスに真っ向勝負を挑んでいた一方で、アルボンは予選でフェルスタッペンに 1.1秒差 をつけられた。

    2020年12月18日:
    アルボンはシーズン最終戦アブダビGPでベストに近い走りを見せたものの、独走優勝したフェルスタッペンの後方、19.9秒差の4位でフィニッシュした。

    シーズン後、レッドブルはアルボンの交代を選択し、契約を失っていたものの絶好調だったセルジオ・ペレスを起用する決断を下した。

    ■ セルジオ・ペレス(2021〜2024)

    予選対決成績 vs フェルスタッペン:10−79
    決勝対決成績 vs フェルスタッペン:10−80

    2022年5月31日:
    2022年は新レギュレーションが導入され、シーズン序盤のレッドブルは、フェルスタッペンよりもペレスに合っているように見えるマシンだった。フェルスタッペンが優れているように見える場面はあったものの、ペレスはモナコGPの週末を完全に支配し、混乱のレースを勝ち切った。この後、ペレスは2年契約を与えられることになる。

    しかし、同シーズンにこの勝利以降、ペレスが勝つことは一度もなかった。一方でフェルスタッペンは圧倒的な強さで2度目のドライバーズタイトルを獲得した。

    2023年5月7日:
    2022年にレッドブルを9年ぶりのコンストラクターズチャンピオンに導いたペレスは、2023年の第5戦マイアミGPに向けて個人タイトルを視野に入れていた。前戦アゼルバイジャンで優勝したことで、ランキングトップのフェルスタッペンとの差はわずか6ポイント。

    しかし、ドルフィンズの本拠地ハードロック・スタジアムで行われたマイアミGPで、その夢は崩れ落ちる。ペレスはポールポジションからスタートし、9番手スタートのフェルスタッペンに対して優位と言われていたにも関わらず、フェルスタッペンは信じられない速さでフィールドを切り裂き、残り10周でペレスを抜き去った。

    アゼルバイジャンの勝利は、ペレスがレッドブルで挙げた最後の勝利となった。

    2024年6月4日:
    レッドブルは、5月にペレスがマイアミ4位、イモラ8位、モナコでクラッシュと、悪い結果が続いたにも関わらず、ペレスと2年契約を締結した。

    「早すぎる決断だった。うまくいかなかった」とホーナーは最近、この契約をシーズン序盤に急いだことについて語っている。

    2024年10月27日:
    メキシコシティGPが近づく頃、レッドブルは表向きにはペレスをバックアップし続けていた。しかし状況はすでに“最後の機会”になっていた。Q1敗退に加えて、決勝では乱れた走りで17位。ホームレースとコンストラクターズ争いという要素でさえ、ペレスを奮い立たせることはできなかった。

    2024年12月8日:
    最終戦アブダビGPを前に、ペレスの将来についての憶測が急速に高まっていた。ホーナーはレース後に話し合いが行われるだろうと認めた。そのアブダビでペレスは2戦連続のリタイア。シーズンを152ポイントで終え、フェルスタッペンの最終ポイントのわずか35%という結果だった。

    5月のモナコ以来、トップ5フィニッシュはゼロ。

    2024年12月18日:
    レッドブルとペレスは、2025年にフェルスタッペンのチームメイトとして続投しないことで合意したと発表した。
    そして、その後任としてレーシングブルズから昇格したのがリアム・ローソンだった。

    このとき、レッドブルは角田裕毅を“スルー”している。

    ■ リアム・ローソン(2025)

    予選対決成績 vs フェルスタッペン:0−2
    決勝対決成績 vs フェルスタッペン:0−2

    2025年3月16日:
    ローソンは、レッドブルでのデビュー前にF1でのレース経験が11戦しかなかった。その初戦、オーストラリアGPの予選では18番手。そして決勝では天候の変化に翻弄され、クラッシュでレースを終える。早くもプレッシャーは高まっていた。

    2025年3月22日:
    その1週間後の中国GPでは、すでにローソンのシートを巡る憶測が飛び交っていた。それを後押しするように、ローソンはスプリントも決勝も最下位(20番手)からのスタートとなった。決勝では14位まで挽回したものの、フェルスタッペンはさらなる強さを示していた。

    一方でホーナーは、角田裕毅への“交代の可能性”を否定しなかった。角田は「100%準備できている」と主張し、開幕戦からの好調さを示していた。

    2025年3月27日:
    わずか2戦で、ローソンはレッドブルから降格となった。レッドブルは、角田裕毅を昇格させた理由について“純粋にスポーティングな判断”だと説明した。

    マシンが扱いにくく、経験が必要だったことから、レッドブルは経験豊富な角田を選ぶ判断を下した。

    角田裕毅 レッドブル・レーシング

    ■ 角田裕毅(2025)

    予選対決成績 vs フェルスタッペン:0−21
    決勝対決成績 vs フェルスタッペン:1−18

    2025年4月6日:
    角田裕毅は、日本GPでレッドブル3人目のチームメイトとして登場した。予選14番手、決勝12位。一方でフェルスタッペンは圧倒的な勝利を挙げていた。

    2025年4月13日:
    角田はバーレーンGPでレッドブル初ポイントを獲得し、9位でフィニッシュした。しかし、この時点でフェルスタッペンを脅かす存在になる兆しはまだ見えていなかった。

    2025年4月20日:
    角田はサウジアラビアGP予選でフェルスタッペンから0.9秒差をつけられた。そして決勝では、ピエール・ガスリーとの接触によりオープニングラップでクラッシュ。序盤から苦しい展開が続く。

    2025年5月4日:
    角田はマイアミGPでピットレーンスタートから10位まで挽回した。しかし、その後8戦のうちポイントを獲得できたのはイモラの1度だけで、状況は悪化していった。

    9月になってようやく再びポイントを獲得したが、すでに“結論”はチーム内で固まっていた。

    2025年11月29日:
    スプリント予選で初めてフェルスタッペンに予選で勝ち、5番手を確保。スプリントレースでも5位を維持し、自身のレッドブルでのベストリザルトを更新した。

    しかし、この日の結果に関わらず、レッドブルはすでに決断を下していた。

    2025年12月2日:
    そして“避けられない声明”が発表された。角田裕毅は2026年のレッドブルのレースシートから外れ、マックス・フェルスタッペンの新たなチームメイトにはアイザック・ハジャーが選ばれた。

  • 角田裕毅 レッドブルF1シート喪失にヴィルヌーヴ納得「これがトップの世界」

    角田裕毅 レッドブルF1シート喪失にヴィルヌーヴ納得「これがトップの世界」

    レッドブルの2026年のドライバー体制は発表され、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてアイザック・ハジャーが昇格し、レーシングブルズではリアム・ローソンの残留とアービッド・リンドブラッドのF1デビューが決まった。角田裕毅は組織のリザーブドライバーへと移行する。

    1997年のF1ワールドチャンピオンであるジャック・ヴィルヌーヴによれば、これらの決定はいずれも「驚くようなものではなく、数カ月前から明らかだった」という。

    ヴィルヌーヴは「我々は何カ月も前から知っていた。これは発表でも何でもない。ローソンだけが最後の疑問符だった。彼らはただ待って、待って、待っていただけだ。角田もそれを分かっていた。彼の態度を見れば分かった」と述べた。

    「ホンダもそれほど前向きではなかった」
    さらにヴィルヌーヴは、ホンダの姿勢も結論を後押ししたと指摘し、「ホンダでさえ、それほど前向きではなかった。すでにメッセージが伝わっていたのは明らかだった」と語る。そして角田裕毅にとって今回の決定は、成功したF1キャリアの自然な着地点として受け止めるべきだと述べた。

    ヴィルヌーヴは「角田は幸せであるべきだし、これまでの長く実り多いキャリアに感謝すべきだ。チャンスを得て、それがうまくいかなかっただけだ。しかし彼は大きな名前を築いた。これからもレーシングドライバーとして長い未来があり、多くのお金を稼ぎ続けるだろう。日本に戻ることもあるかもしれない。彼は日本ではスターで、その立場は普通なら永遠に続く。彼は名前をつくったのだから問題ない」と続けた。

    ヴィルヌーヴ「問題は“レッドブルの2番手”ではなく、フェルスタッペンの隣にいること」
    ヴィルヌーヴは、レッドブルの2番手としての苦しさではなく、「フェルスタッペン級のドライバーの隣に並ぶこと」こそが本質的な難しさだと強調する。

    ヴィルヌーヴは「レッドブルのナンバー2であることが難しいのではない。マックスのようなレベルのドライバーの隣にいることが難しいのだ。セナの隣も、マンセルの隣も、ピケの隣も、プロストの隣も、シューマッハの隣も常に難しかった。アロンソの隣もそうだ。そういうドライバーなのだ」と語った。

    角田裕毅 レッドブル・レーシング

    リンドブラッド昇格にヴィルヌーヴが警鐘
    リンドブラッドのF1昇格について、ヴィルヌーヴは「我々はアービッド・リンドブラッドについて十分に知らない。F2から判断するのは本当に難しい。F3やF2で素晴らしくてもF1では役に立たないドライバーもいれば、逆にF1で良くなる者もいる。例えばベアマンのように」と指摘した。

    若手抜擢と見切りの速さは「レッドブルの文化」
    ヴィルヌーヴはまた、レッドブルが若手に大きく賭け、そして見切りも早いというスタイルを「これでいい」と評価する。

    ヴィルヌーヴは「判断するのは本当に難しいが、レッドブルはそういうチーム、そういう組織だ。賭けに出て、それで良しとする。ただし十分でなければすぐに手放す。ずっと置いておくことはしない。“チャンスを与える。だが足りなければ終わり”という姿勢だ」と述べた。

    そして最後に「トップレベルではそれが正しい姿勢だ。レッドブルに行くドライバーたちは分かっている。リスクを承知しているし、良いチャンスを得ていることも分かっている。あとは自分が最大限に生かすだけだ」と締めくくった。

  • レッドブルF1代表 ハジャー昇格を説明「マックスと共に“魔法”を起こせる」

    レッドブルF1代表 ハジャー昇格を説明「マックスと共に“魔法”を起こせる」

    レッドブルのチーム代表ローラン・メキースが、2026年に向けたドライバーラインアップ変更の理由を明かした。

    来季、アイザック・ハジャーが昇格し、マックス・フェルスタッペンの新たなチームメイトを務める。ハジャーは苦戦のシーズンを過ごした角田裕毅に代わって起用され、角田裕毅はテスト兼リザーブドライバーへと役割を移す。

    レッドブルは2026年の新規定に向けて結果を安定的に獲得することを重視しており、21歳のハジャーにその役割を託す判断を下した。

    「原石のスピードがある」ハジャーの適応力を高く評価
    メキースは、ハジャーがF1で急速に適応を見せた点こそが、昇格の大きな決め手だったと語る。

    「彼はF1ルーキーイヤーで大きな成熟ぶりを見せ、非常に早く学習できるドライバーだ」とメキースは述べた。

    さらに、レースカテゴリー最重要の資質だと強調する。

    「最も重要なのは、彼がこのスポーツに必要不可欠な“生の速さ”を持っていることだ」

    「我々はアイザックがマックスと共に成長し、コース上で“魔法”を起こせると信じている」

    アイザック・ハジャー レッドブル・レーシング

    2026年は大きな挑戦「レッドブル・フォードと共に新時代へ」
    メキースは、新PU規定の2026年がチームにとっても大転換期であると指摘した上で、ハジャーと共に新時代を戦うことに期待を示した。

    「2026年はチームにとって大きな挑戦だ。レッドブル・フォード・パワートレインズとともに非常にエキサイティングな時代に入る。彼と一緒に何ができるのか楽しみにしている」

    フェルスタッペンの4人目のチームメイトに
    ハジャーは過去3シーズンで4人目となるフェルスタッペンのチームメイトとなる。

    長年、フェルスタッペンの隣は“最難関シート”とされ、多くのドライバーが本来の力を発揮できずに苦戦してきた。

    それでもレッドブルは、2019年にジュニアプログラムへ加入してから約5年、ステップを着実に登ってきたハジャーに大きな期待を寄せている。