カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • レッドブルF1昇格のアイザック・ハジャーに警鐘「感情の爆発は容認されない」

    レッドブルF1昇格のアイザック・ハジャーに警鐘「感情の爆発は容認されない」

    2026年シーズンに向けてアイザック・ハジャーはレッドブル・レーシングへ昇格する。チームメイトにはマックス・フェルスタッペンを迎え、些細なミスや振る舞いまで精査される極めて高い要求水準の環境に身を置くことになる。初年度から強い印象を残した一方で、ハジャーの爆発的な気質は、今後センシティブなテーマになり得る。

    フォーミュラカーでのキャリアを通じて、ハジャーは状況が悪化した際、とりわけ無線で感情を隠さない姿勢を貫いてきた。

    率直さは時に見応えがあるが、最高峰では問題になりかねない。本人も自覚しており、今年初めにはコクピット内で「叫んだり罵ったりしてしまう」ことを認めつつ、そうした瞬間に無線ボタンを押さないよう改善していると語っていた。

    この点は依然として改善課題だと、ヘルムート・マルコも述べている。数日前にもフランス人ルーキーの能力を「信じている」と語ったばかりだ。

    努力は評価されているものの、マルコや一部の識者はまだ十分ではないと見る。元F1ドライバーで、Sky F1の常任解説者を務めるアンソニー・デビッドソンは、レッドブルで成功するには感情の制御をさらに高める必要があると指摘した。

    「彼は爆発しないことを学ばなければならないと思う」とデビッドソンは説明した。

    「特に来年、チーム・レッドブルでマックスと向き合うことになるのだから、その点に取り組む必要がある」

    もっとも、英国人解説者はハジャーの才能自体を疑ってはいない。今季の活躍は高く評価している。

    「今年、彼が素晴らしいシーズンを送ったのは我々も見てきた」とデビッドソンは続けた。

    「ただ、物事が思い通りに進まない場面が多く、そのたびに彼はマシンの中で完全に爆発していた」

    こうした振る舞いは、組織的で要求の厳しいレッドブルでは受け入れられにくい可能性がある。

    「それはレッドブルのチーム内では容認されないだろう。非常にエンターテインメント性が高く、純粋なショー、ボックスオフィス的ではあるが」とデビッドソンは付け加え、その派手さと限界の両面を強調した。

    アイザック・ハジャー レッドブル・レーシング

    ハジャーのトップチーム昇格は、フランス・モータースポーツ復権への期待も呼び起こしている。フランスがF1で定期的な成功を収めた最後の時代は、1980年代のアラン・プロストの全盛期、そして1993年の勝利に遡る。両者はアブダビで顔を合わせてもいる。

    こうした背景の中で、マルコは若きフランス人を「小さなプロスト」と呼び、比較を口にした。

    しかし、その点についてデビッドソンは、少なくとも性格面では懐疑的だ。

    「彼は明らかにアラン・プロストよりも鋭い。より噛みつくようなところがあり、感情の振れ幅もはるかに大きい」

  • マックス・フェルスタッペン 父親F1ドライバーになっても「遅くなっていない」

    マックス・フェルスタッペン 父親F1ドライバーになっても「遅くなっていない」

    マックス・フェルスタッペンは、父親になったことでドライバーとして自分が変わったとは思っていない。オランダ人の彼は、モータースポーツ界に古くからある有名な決まり文句に真っ向から異を唱える。

    モータースポーツには古くから「子どもができると1周あたりコンマ3秒遅くなる」という決まり文句がある。しかし、マックス・フェルスタッペンはそれを認めない。4度の世界チャンピオンであるフェルスタッペンは、2025年4月に恋人のケリー・ピケとの間に第一子を授かった。

    「サーキットでは何も考えていないよ」とフェルスタッペンは、Viaplayのインタビュー番組『GeMaximaliseerd』で、父親になってどの程度変わったのかと問われてそう答えた。

    「ありがたいことに、少なくとも遅くはなっていないと思っている。たいていはそう言われるものだけど、僕にとってはむしろトリガーみたいなものだ。そう言われると、『じゃあ見せてやるよ』って思うんだ」

    一方で、娘リリーの誕生は、サーキット外のフェルスタッペンを変えたという。

    「うん、たぶん前よりも少しリラックスするようになったと思う」と、レッドブル・レーシングのドライバーは語る。

    「家族と過ごす時間は大切だし、できるだけ長く家にいるようにしたい。もちろん結果は人生の中で重要だけど、いちばん大事なのはプライベートで幸せでいることと、その小さな子が成長していくのを見ることだ。それが楽しいし、本当に楽しい」

    フェルスタッペンは、すでにケリーに娘がいたことにも触れながら、父親であることについてそう話した。

    ただし、年間24戦が組まれたF1カレンダーの中で、家に多くいるのは簡単ではない。

    「それに、もちろんマーケティングの仕事もある。それは正直言って……もともとあまり好きじゃない」とフェルスタッペンは続ける。

    「もちろん、タイミングによっては一緒に移動してもらうようにもしているし、レースウィークエンドの夜にはできるだけ一緒に時間を過ごすようにしている」

    フェルスタッペンは今年28歳の誕生日を迎え、理論上はF1でまだ長い将来が残されている。比較として、フェルナンド・アロンソやルイス・ハミルトンはすでに40歳を超えている。

    しかし、フェルスタッペン自身は、そこまで長いキャリアを望んでいない。

    「24レースもある状況で、44歳までF1に乗っている自分は想像できない」と彼は言う。

    34歳まで続けることが、彼にとってすでに長いのかと問われると、その答えは明確だった。

    「うん」

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング

    引っ越し
    フェルスタッペンは最近、家族とともに引っ越しをしたが、新居のインテリアにはあまり関わっていないという。

    「自分の部屋があって、そこにシミュレーターとかを置いている。それはいわゆるマンケイブみたいなものだね。そこについては関わったけど、それ以外はあまり関与していない」と彼は説明する。

    「ケリーが本当にほとんどをやってくれた。もちろん、良い建築家も含めて、いろいろな人の助けもあった」

    「正直、僕自身はあまりそういうことに興味がないんだ」とフェルスタッペンは率直に語る。

    「もし僕にいろいろな色を見せたとしても……『ああ、いやだ』とか、そうやってじっくり見ることはしない。1時間もそんなことはできないよ。本当に忍耐力がないからね。ただ、快適なベッドと良いシャワーがあればいい。それと、良いインターネットと良いテレビがあればね」

  • 角田裕毅がレッドブルF1で見たフェルスタッペンとGPが最強である理由

    角田裕毅がレッドブルF1で見たフェルスタッペンとGPが最強である理由

    角田裕毅は、レッドブル・レーシングでチームメイトだったマックス・フェルスタッペンとレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼが築いてきた関係性について、その印象的な一面を明かした。

    フェルスタッペンが2016年途中にレッドブルへ昇格して以来、通称GPとして知られるランビアーゼは常に無線の向こうで彼を支えてきた。

    両者は極めて稀なレベルで互いを理解し合い、4度のドライバーズタイトルと71勝を共に積み重ねている。

    2025年にレッドブルの反対側ガレージで過ごした角田裕毅は、フェルスタッペンとランビアーゼの仕事ぶりを間近で観察できたことが、自身の視野を大きく広げたと語る。

    「GPは正直、これまで一緒に仕事をしてきた中でも最も印象的なエンジニアの一人です」と角田裕毅はDAZN Japanに語った。

    「彼のアイデアは信じられないほど素晴らしいです」

    「彼は僕のシャシーも見ていますが、マックスが苦しんでいる時は、どうしてもそちらが最優先になります」

    「僕のエンジニアリングチームもとても有能ですが、経験は少ないので、時々助けが必要でした。ただ、それを常に頼めるわけではありませんでした」

    角田裕毅 レッドブル F1

    フェルスタッペンとランビアーゼの結びつき
    特に角田裕毅が感嘆したのは、両者のコミュニケーションの滑らかさだった。フェルスタッペンが必要とする情報が、簡潔かつ的確に届けられているという。

    「FP1でのGPとマックスのやり取りを聞いていましたが、まったく別次元でした」と角田裕毅は続けた。

    「すべてがどれだけ効率的に回っているかが分かります。あのレベルのコミュニケーションを目指したいと思いました」

    角田裕毅が学んだ重要な教訓は、ためらいが時間の損失につながるという点だ。ミリ秒を争う世界では、エンジニアとの強固な関係が成功に不可欠である。

    「誰かに確認しないといけない状況になると、その時点で一歩遅れてしまいます」と角田裕毅は語った。

  • メルセデスとレッドブル 2026年F1エンジン圧縮比を巡る“抜け穴”疑惑

    メルセデスとレッドブル 2026年F1エンジン圧縮比を巡る“抜け穴”疑惑

    2026年F1レギュレーション導入を前に、新パワーユニットを巡る論争が浮上している。焦点となっているのは、エンジンの圧縮比に関する規則の解釈だ。

    独Motorsport Magazinおよび英The Raceによれば、複数のエンジンメーカーが、メルセデス、そしてレッドブル(レッドブル・パワートレインズ)の設計について、FIAに正式な説明を求めたという。

    両社が、2026年規則で定められた上限を超える実質的な圧縮比を、ある方法で実現している可能性が指摘されている。

    圧縮比は常温測定 規則の盲点か
    2026年からF1の内燃エンジンは、最大圧縮比が16.0:1に制限される。これは従来の18.0:1からの引き下げだ。

    問題とされているのは、FIA技術規則C5.4.3条の文言で、圧縮比の測定が常温・静的条件で行われる点にある。情報筋によれば、一部メーカーは、エンジンが実走行で高温状態になった際に部品が意図的に熱膨張するよう設計し、ピストンが上死点により近づくことで、結果的に走行中の実効圧縮比を高めている可能性があるという。

    これは測定条件上は合法であっても、走行時には規則が想定する以上の性能向上、出力増加や燃費改善をもたらす余地がある。

    フェラーリ、アウディ、ホンダが懸念
    こうした疑念を受け、フェラーリ、アウディ、ホンダがFIAに説明を要求したと報じられている。

    論点は、熱膨張を利用した設計が、技術規則第1.5条にある「マシンはレースウイークエンドを通じ、常に規則に適合していなければならない」という原則に抵触するかどうかだ。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ 国際自動車連盟

    FIA 手続きは従来と同じ
    この件についてFIAは、次のような見解を示している。

    「規則は最大圧縮比と、その測定方法を明確に定義しており、測定は常温・静的条件に基づいて行われる。この手続きは、2026年に許容圧縮比が引き下げられた後も変更されていない。

    確かに熱膨張は寸法に影響を与えるが、現行規則では高温状態での測定は想定されていない」

    一方でFIAは、このテーマがPUメーカーとの技術フォーラムで継続的に議論されていることも認めており、公平性と明確性を確保するため、必要であれば将来的に規則や測定手順の修正を検討する可能性があるとしている。

    1kmも走っていない段階で浮上した疑念
    注目すべきは、2026年型パワーユニットがまだサーキットで1kmも走っていない段階で、この問題が表面化した点だ。関係者の間では、エンジニアやスタッフの移籍によって、各メーカーの設計思想や開発方向性がライバルに伝わった可能性も指摘されている。

    新規則時代の序盤で性能差を生む可能性があるだけに、この圧縮比グレーゾーンが単なる憶測に終わるのか、それとも2026年F1最初の大きな技術論争へ発展するのか。判断の鍵を握るのは、今後のFIAの解釈と対応になりそうだ。

  • フェルスタッペンが明かす角田裕毅との差 レッドブルF1で問われた“細部”

    フェルスタッペンが明かす角田裕毅との差 レッドブルF1で問われた“細部”

    マックス・フェルスタッペンは、レッドブルでチームメイトだった角田裕毅との間にあった「小さいが重要なセットアップの違い」について説明した。

    角田裕毅は日本GPを前にレッドブルへ昇格し、フェルスタッペンと22戦と5回のスプリントを共に戦った。しかし、その期間で獲得したポイントは30点にとどまり、フェルスタッペンの385点とは大きな差があった。

    角田裕毅の最高位はアゼルバイジャンGPでの6位。一方フェルスタッペンは8勝を挙げ、夏休み明けの驚異的な追い上げの末、チャンピオンとなったランド・ノリスにわずか2点差まで迫った。

    これまでフェルスタッペンのチームメイトだったピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボン、セルジオ・ペレス、リアム・ローソンはいずれも、フェルスタッペン仕様のセットアップに適応する難しさについて語ってきた。フェルスタッペンは、コーナー進入での正確さを重視した非常に鋭いフロントノーズを好み、他のドライバーには扱いづらい特性だとされている。

    角田裕毅と共に過ごした時間を振り返り、フェルスタッペンは、セットアップはかなり近づいていたものの、日本人ドライバーは依然としてアンダーステア寄りのクルマを走らせていたと明かした。

    「最終的に、ユウキが来て、やっぱり僕たちのクルマは難しいという話をしていた」とフェルスタッペンはViaplayに語った。

    「(僕のセットアップで)走ろうとはするけど、どのドライバーにもそれぞれのスタイルがあるからね」

    「セットアップの面では、ユウキは常に少しアンダーステア寄りで走っていた。ただ、ある段階になると方向性自体はかなり同じになっていった」

    「特にシーズン後半は、僕たちは非常に多くの場面で同じ哲学で走っていた。ただし、ユウキのクルマは少しだけアンダーステアが多かった」

    「違いは、週末の組み立て方や、エンジニアとの仕事の進め方にもある」

    「本当に細かい部分の話なんだ。アブダビでは、僕自身もフリー走行の段階では完全に満足していたわけじゃなかった。でも、ほんの小さな変更で0.2秒を見つけ出した。0.2秒はこのグリッドではとてつもなく大きい」

  • レッドブル、2026年自社F1エンジンに慎重「最初から最強と考えるのは甘い」

    レッドブル、2026年自社F1エンジンに慎重「最初から最強と考えるのは甘い」

    レッドブルのチーム代表ローラン・メキースは、自社製として初めて投入されるF1パワーユニットを前に、「数カ月にわたる非常に厳しい時期」を迎える可能性があることを認めた。

    レッドブルは2019年以降、F1でホンダ製エンジンを使用してきたが、2026年から日本メーカーはアストンマーティンに独占供給することになる。これによりレッドブルは、フォードと組み「レッドブル・パワートレインズ・フォード」の名称で、ミルトンキーンズにて自社でパワーユニットの開発・製造を行うという極めて野心的なプロジェクトに乗り出す。

    この決断は、ホンダが一度はF1撤退を決めたことを受けて下されたものだった。しかしホンダはその後、F1への関与を継続する方針に転じ、2026年から2030年までの次期コンコルド協定にも名を連ねている。

    2026年からレッドブルは、ホンダ、メルセデス、フェラーリ、そして新規参入のアウディといった実績あるメーカーと真正面から戦うことになる。各エンジンサプライヤーにとって、新規則下のパワーユニットがどれほどの信頼性と性能を備えるのかは未知数であり、依然として多くの疑問符が付く状況だ。

    パドックでは、2014年にV6ハイブリッド時代が始まって以降の支配的な実績から、メルセデスが有利な立場にあるのではないかとの見方も根強い。一方で、レッドブルのような新規プロジェクトについては、初年度から競争力を発揮できるのか懐疑的な声も少なくない。

    レッドブル F1 パワーユニット

    2026年のエンジン規則には、遅れを取ったメーカーに対して追加の開発時間や予算を認める条項も盛り込まれているが、それでも短期的には痛みを伴う可能性がある。これについてメキースは率直に語っている。

    「最初からトップに立てると考えるのはナイーブだ。我々は、非常に、非常に厳しい数カ月を迎えることになると分かっている。眠れない夜も、頭痛もあるだろう……だが、こうした挑戦に取り組めること自体が特権だ」

    「何度も言ってきたが、自分たちでエンジンを造るという決断、しかも我々の場合はフォードの支援を受けて行うというのは、おそらく考え得る中で最もクレイジーな選択だ。こんな決断ができるのは、たぶんレッドブルだけだろう」

    メキースは、プロジェクトの現状についても明かしている。

    「我々はゼロからスタートした。今は建屋があり、テストベンチがあり、600人のスタッフがいる。そして、90年にわたってこの分野をやってきた人たちと戦おうとしている。この挑戦が好きだし、レッドブルらしい。我々はフォードと共にこれを成し遂げることを誇りに思っている」

  • レッドブルF1は何を優先するのか? ハジャー昇格で問われる“哲学”

    レッドブルF1は何を優先するのか? ハジャー昇格で問われる“哲学”

    マックス・フェルスタッペンが2026年F1シーズンに向けて新たなチームメイトを迎える準備を進める中、元F1ドライバーのカルン・チャンドックは、レッドブルのドライバー起用問題は最終的に「哲学的な決断」に行き着くと指摘した。焦点は明確だ。フェルスタッペン個人のドライバーズタイトルの“威信”を最優先するのか、それともコンストラクターズタイトルも同時に狙うのか。もし後者も求めるなら、2人のドライバーが同時に機能するマシンを設計する必要がある。

    “2台目を戦いに加えたいのか”という根本問題
    レッドブルは2018年末にダニエル・リカルドを失って以降、セカンドシートに苦しんできた。ピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボン、セルジオ・ペレスと入れ替わりが続き、ペレスは2021年アブダビGPでの献身的な走りによりフェルスタッペンから「レジェンド」と称された一方、最終的には2024年シーズン終了後にチームを去った。

    その後、リアム・ローソンが昇格したが、わずか2戦でレーシングブルズに戻され、角田裕毅と入れ替わる形に。角田裕毅はシーズンを完走したものの、22戦で30ポイントに留まり、2026年のレースシートを失う結果となった。そして、フェルスタッペンの2026年F1チームメイトとしてアイザック・ハジャーが起用された。

    チャンドックはSky Sports F1 Showで次のように語っている。

    「最終的にはレッドブルの哲学的な決断に戻る。コンストラクターズを狙うなら、2人が運転できてポイントを取れるクルマを作らなければならない。マックスはドライバーズで僅差まで迫ったが、コンストラクターズでは大きく遅れていた」

    「もしドライバーズの威信を最優先し、すべてをマックスに集中させるなら、マクラーレンが抱えるようなチーム内バトルの問題は避けられる」

    「どれだけ2台目を戦いに加えたいのか。それが経営陣に突き付けられている哲学的決断だ」

    レッドブル・レーシング アイザック・ハジャー 角田裕毅

    “もし”が示したセカンドカーの重要性
    チャンドックは、2025年シーズンを振り返り「極端な例だった」とも指摘する。

    「もしマックスが勝った2〜3戦で、もう1台が2位に入っていたらどうなっていたか。角田がその位置にいれば、ノリスやピアストリをさらに後方に押しやれた。あれはチャンピオンシップになり得た」

    「マックスを倒す必要はないが、2021年のチェコ(ペレス)のように、定期的に表彰台を取れるレベルには引き上げる必要がある」

    規則刷新がもたらす“公平なスタートライン”
    ハジャーにとって追い風となるのは、2026年F1レギュレーションによる完全なリセットだ。2026年のレッドブル・フォードRB22は、フェルスタッペンにとっても未知の新車となる。

    ハジャーはアブダビで次のように語った。

    「マックスがクルマを知っているわけじゃない。全員がゼロからスタートする。タイミングとしては最高だ。とても運がいいと思っている。クルマがどちらかの方向に行くなら、僕もそこにいる」

    もっとも、当初はフェルスタッペンに及ばない可能性も認めている。

    「最初の1カ月は自分が遅いことを受け入れるのが目標だ。そういう心構えでいれば、データを見て“まだ到達できない”と感じても準備ができる。とてもフラストレーションが溜まるだろうけど、分かっていれば対処できる」

    レッドブルが2026年に向けて下すべき決断は、単なるドライバー選択ではない。1台目にすべてを賭けるのか、2台体制で勝利を積み重ねるのか。その“哲学”が、ハジャーの未来だけでなく、チーム全体の行方を左右することになりそうだ。

  • 角田裕毅のF1復帰に悲観的見解「唯一の希望ホンダとのリンクが断たれた」

    角田裕毅のF1復帰に悲観的見解「唯一の希望ホンダとのリンクが断たれた」

    角田裕毅は、2026年シーズンに向けてレッドブルのレースシートを失い、F1フル参戦から一歩退く立場となった。この決定を受け、スカイスポーツのテッド・クラビッツは、角田裕毅の将来について「気の毒に思う」と語りつつ、再びF1のレースシートに戻る道は極めて険しくなったとの見方を示している。

    レッドブルは、レーシングブルズからアイザック・ハジャーを昇格させ、2026年は角田裕毅に代えて起用することを決断した。これにより、角田裕毅は2026年シーズン、レッドブルおよびレーシングブルズのリザーブドライバーとして登録される。

    レッドブルはこの12か月で3度目となるNo.2ドライバー交代を選択した。角田裕毅は2025年3月、リアム・ローソンとシートを入れ替える形でレッドブルに昇格したが、その前の2024年12月にはローソンがセルジオ・ペレスの後任として起用されていた。

    レッドブルは、2025年開幕2戦でマシン適応に苦しんだローソンに早々に見切りをつけ、再びレーシングブルズへ戻した。そして残る22戦と5回のスプリントイベントを角田裕毅に託し、マックス・フェルスタッペンのドライバーズタイトル獲得を支える役割を期待した。

    しかし、角田裕毅がレッドブルで挙げたポイントは22戦と5スプリントを通じてわずか30点にとどまった。これを受け、ミルトンキーンズのチームはアブダビでの最終戦を前に、2026年はハジャーをレーシングブルズから昇格させる決断を下した。ハジャーにとってはF1グリッドでの2期目となる。

    リザーブ転向がF1復帰の道を閉ざす可能性
    レッドブルは、2025年最終戦ヤス・マリーナを前に、2026年に向けてハジャーが角田裕毅に代わることを正式発表した。角田裕毅は2026年、レッドブルおよびレーシングブルズのリザーブドライバーに就任する。一方、リアム・ローソンは新契約を得て、姉妹チームでアービッド・リンドブラッドとコンビを組むことになった。

    クラビッツは、角田裕毅が2026年にレッドブルのリザーブドライバーという立場を受け入れたことで、F1のフル参戦シートに戻る可能性が事実上断たれたのではないかと危惧している。特に問題視したのは、角田裕毅がホンダとのつながりを「断ち切った」ように見える点だ。ホンダは2026年からレッドブルを離れ、アストンマーティンと組むことが決まっている。

    スカイスポーツのF1ポッドキャストで、クラビッツは次のように語った。

    「残念なのは、角田裕毅について一言触れさせてほしいということだ。良いドライバーで、F1にとって素晴らしいキャラクターで、感じのいい若者だ。でも、彼が再びF1のレースシートに戻れるかどうか、正直分からない。本当に戻ってほしいと思っているが、どうやって可能なのかが見えない」

    「彼はホンダのリザーブドライバーですらない。レッドブルのリザーブドライバーなんだ。つまり、アストンマーティンと何らかの形で復帰を目指すうえで役立ったかもしれないホンダとのリンクを、自ら断ち切ったように見える。だから、レッドブルの枠内に戻る未来も見えない」

    「彼の責任ではなかった」と擁護
    クラビッツは、角田裕毅が置かれた状況そのものが不運だったと強調する。

    「残念なのは、これは彼の責任ではなかったということだ。彼はレッドブルを助けるために、トロ・ロッソ、私がそう呼び続けているが、アルファタウリではなくレーシングブルズから移ってきた」

    「リアムとうまくいかなかったから彼が呼ばれ、チームが望むことはすべてやった。確かにイモラでのクラッシュは痛手で、そこから流れが決定づけられた部分はある」

    「それでも彼は、アブダビではランド・ノリスを芝生側に押し出そうとしたり、牽制したり、鼓舞したりと、できることはすべてやった。その結果、自分自身に5秒ペナルティが科された。それでもだ。だから私は本当に角田裕毅が気の毒だと思っている」

    角田裕毅 F1 ホンダ 本田技研工業

    ホンダ移籍が「命綱」と見られていた理由
    ホンダが2026年からアストンマーティンと組むことは、角田裕毅にとってF1に残るための「命綱」になると広く見られてきた。角田裕毅自身も「チャンスはあると思う」と語っているが、25歳の彼は2026年にどのカテゴリーで走ることになるのか、まだ分かっていない。

    角田裕毅は2021年、当時アルファタウリと呼ばれていたレーシングブルズでF1デビューを果たし、5年間にわたりF1で戦ってきた。ホンダは2017年から彼を支援し、2019年にレッドブル陣営入りする際も重要な役割を果たしてきた。角田裕毅は、ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト出身ドライバーの中でも、最も成功した存在の一人だ。

    将来的には、2027年にアストンマーティンでシートが空く可能性もある。フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはいずれも2026年末で契約が切れる予定だからだ。ただし、アストンマーティンは2026年シーズンを通して、ジャック・クロフォードがリザーブドライバーを務めることをすでに確認している。

    角田裕毅が再びF1グリッドに戻るためには、多くの条件が味方する必要がある。報道によれば、ホンダは2026年も角田裕毅をF1に残すための契約案をレッドブルに提示したものの、レッドブル側がこれを拒否したとも言われている。ホンダは引き続き旧型車テスト(Testing of Previous Car/旧型車テスト)向けにエンジン供給を行う予定だ。

    レッドブルは2026年から初めて自社製パワーユニットを使用する。これは2020年にホンダがF1撤退を発表したことを受け、クリスチャン・ホーナーがレッドブル・パワートレインズを設立した結果である。その後、2026年F1レギュレーションを見据え、ホンダはアストンマーティンと新たなパートナーシップを結ぶことになった。

  • マックス・フェルスタッペン、レッドブルF1のローソン降格は「同意できなかった」

    マックス・フェルスタッペン、レッドブルF1のローソン降格は「同意できなかった」

    マックス・フェルスタッペンは、リアム・ローソンがわずか2戦でレッドブルのシートを失った判断について、改めて強い異議を唱えた。その決定はドライバーのキャリアを「台無しにしかねない」とまで語っている。

    2025年F1シーズンに向け、ローソンは角田裕毅を差し置いてレッドブル・レーシングへ昇格した。クリスチャン・ホーナーは当時、「チーム内ではリアムが描いている成長曲線の方が、よりポテンシャルが高いと感じている」と説明していた。

    しかしシーズン開幕からわずか2ラウンド、ローソンは予選Q1敗退を3度喫したことを理由に、レーシングブルズへと降格されることになる。

    「誰かのチャンスを壊してしまう」
    フェルスタッペンはこの判断に対し、当時から不満を隠していなかった。元F1ドライバーのギエド・ファン・デル・ガルデが、レッドブルの決定を「いじめに近い」と批判したインスタグラム投稿に「いいね」を付けたことも話題となった。

    日本GPの場でその件を問われたフェルスタッペンは、「コメントとその内容が気に入ったからいいねを押した。それがすべてを物語っているだろ?」と語っている。

    当時レッドブルのモータースポーツアドバイザーだったヘルムート・マルコも、フェルスタッペンがこの決定に賛同していなかったことを認めていた。

    「マックスが不満を抱いているのは分かっている。しかし我々には2台を前で走らせる必要がある。コンストラクターズ選手権のためだけでなく、マックスが5度目のタイトルを獲得するためにもだ」と、マルコはオランダ紙に語っていた。

    ローソンは復調、それでも残る違和感
    ローソンに代わって昇格した角田裕毅だったが、22戦で獲得したポイントは30にとどまり、フェルスタッペンの421ポイントとは391ポイント差という結果に終わった。

    一方でローソンはレーシングブルズ復帰後、徐々に調子を取り戻し、アゼルバイジャンGPでは自己最高位となる5位を記録。角田裕毅を抑えてチェッカーを受け、最終的には38ポイントを獲得した。

    それでもフェルスタッペンの考えは変わらない。

    「結局のところ、それほど大きな話ではない」とフェルスタッペンはViaplayに語った。

    「同じチームメイトの隣で2レース走っただけで判断することには、当時も同意できなかった」

    「結局、それではトップチームでのチャンスを誰かから奪ってしまうことになる」

    さらにこう続けている。

    「ローソンはよく立て直したと思う。『もういい、楽しさがなくなった』と考えてしまってもおかしくなかったはずだ」

    「いずれにしても、2戦で評価を下すのは明らかに早すぎる」

    マックス・フェルスタッペン 角田裕毅

    なぜチームメイトは苦しむのか
    2026年シーズン、ローソンは引き続きレーシングブルズで走る。一方フェルスタッペンは、アイザック・ハジャーという新たなチームメイトを迎えることになる。角田裕毅はレッドブルのリザーブドライバーに就任することが発表された。

    なぜチームメイトが自身のペースに追いつけないのかと問われたフェルスタッペンは、その理由をセットアップとマシンへの感覚に求めている。

    「彼らは僕のセットアップを使おうとする。でも最終的には、ドライバーごとに自分のドライビングスタイルがある」

    「シーズン後半になると、とくに一緒に成長していくことは多い。同じ哲学で走っていたけれど、僕はユウキより少しアンダーステアを好んでいたんだ」

    フェルスタッペンの言葉からは、ローソン降格という決断が、今なお彼の中で消化しきれていないことが強くにじみ出ている。

  • エンジンの“抜け穴”が2026年F1開幕を揺るがす? 初戦抗議の可能性も

    エンジンの“抜け穴”が2026年F1開幕を揺るがす? 初戦抗議の可能性も

    2026年F1レギュレーションを巡り、パワーユニット(PU)メーカー間で激しい解釈論争が起きている。

    焦点は圧縮比。関係者の間では、あるメーカーが規定を“満たしつつ”、走行時に実質的な圧縮比を引き上げる手法を見つけたのではないか、という疑念が広がっている。事態が解決しなければ、開幕戦での抗議に発展する可能性もある。

    論点は「16:1」をどう測るか
    2026年の技術規則では、内燃機関の幾何学的圧縮比は16:1に制限される(現行は18:1)。測定手順は技術規則の補足文書(いわゆる手順文書)で常温・静的に定義されている。一方で、高温・高負荷の実走行時には部材の熱膨張などで寸法が変化し得る。

    この“静的合格/動的上昇”のギャップを突く解釈上の余地が問題視されている。

    誰が問題視しているのか
    複数のPUメーカーが、FIAに対し、解釈の明確化を求めている。根拠として挙げられるのが、競技中は常に規則に完全適合していなければならないという総則条項だ。

    一方、名指しは避けられているものの、パドックではメルセデスやレッドブル・パワートレインズが話題に上り、アウディを含む他勢力が是正を求めている、との見方がある。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    FIAの立場:測定は静的、ただし議論は継続
    FIAは「熱膨張が寸法に影響する可能性はあるが、現行規則は高温下での測定を要求していない」と説明。一方で、「技術フォーラムで継続的に協議し、必要なら規則や測定手順の調整を検討する」ともしており、結論は未定だ。

    なぜ“今”問題になるのか
    ・再設計の時間切れ:2026年3月8日の開幕(メルボルン)までに、PUの大規模な設計変更は現実的でない。
    ・追随困難:仮に手法が合法と確定すれば、他メーカーが短期で同等化するのは不可能に近い。
    ・ダウングレードも重い:信頼性耐久の再検証が必要で、供給数(カスタマー分)も含め調整が難航する。

    性能インパクトはどれほどか
    反対派の試算では、圧縮比の実質引き上げで約15馬力。ラップタイムに換算すると最大0.3秒に達し得る。

    2026年はICE(内燃)比率がシステム出力の約半分強に低下するとはいえ、効率向上の余地は依然としてICEが最大。燃料はエネルギー流量規制に移行し、より希薄燃焼が要求されるため、圧縮比の影響度は大きい。

    抗議は現実になるか
    解釈が不透明なまま開幕を迎えれば、オーストラリアGPでの抗議は避けられない。空力の柔軟性問題で導入された“動的監視”のように、測定手順そのものの進化が求められる局面に来ている。

    行方
    FIAが即時の明確化に踏み切るのか、将来向けの是正で落とすのか。どちらにせよ、2026年F1の序盤勢力図を左右しかねない技術×解釈の攻防は、すでに始まっている。