カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • 角田裕毅のレッドブルでの残酷な数字 2025年F1平均予選順位が映す現実

    角田裕毅のレッドブルでの残酷な数字 2025年F1平均予選順位が映す現実

    2025年F1シーズンにおける各ドライバーの平均予選順位が公開された。24戦を通じたデータの中で、タイトルを獲得したランド・ノリスが平均2.96でトップに立つ一方、レッドブル・レーシングに所属した角田裕毅の数字は、シーズン全体を象徴する厳しいものとなっている。

    ノリスは平均予選順位2.96を記録し、3.0を下回った唯一のドライバーだった。

    オーバーテイクが難しい2025年のF1において、この予選での安定感が、オスカー・ピアストリやマックス・フェルスタッペンを抑えてタイトルを獲得する大きな要因となった。

    ピアストリは平均3.04、フェルスタッペンは3.5で続き、トップ3を形成。4位と5位にはジョージ・ラッセル(4.38)、シャルル・ルクレール(5.46)が並んだが、ここまでが明確な上位グループとなっている。

    6位以下では大きな断層が生じた。アンドレア・キミ・アントネッリは平均8.58で6位だったが、5位ルクレールとの差は3ポジション以上。さらにルイス・ハミルトンは、終盤に喫した3戦連続Q1敗退が響き、平均9.04で7位に沈んだ。

    トップ10の残りは、アイザック・ハジャー(9.67)、フェルナンド・アロンソ(10.38)、カルロス・サインツJr.(10.61)。特にサインツは、ウィリアムズ移籍後の前半戦に苦しみながらも、平均ではトップ10に踏みとどまった。

    その流れの中で、角田裕毅の数字は際立つ。角田は平均予選順位12.58で全体12位。これは同じレッドブル・レーシングに乗ったフェルスタッペン(3.5)と比べて、約9ポジションもの差があることを意味する。トップチームのシートに座るドライバーとしては、極めて厳しい統計だ。

    角田のすぐ前にはリアム・ローソン(12.54)が位置し、ほぼ同水準。一方、アレクサンダー・アルボン(12.65)、ピエール・ガスリー(13.42)、オリバー・ベアマン(13.79)といった中団勢が続く中で、角田の12位という順位は「中団下位相当」の予選力であったことを示している。

    さらに後方には、ガブリエル・ボルトレト(14.21)、ニコ・ヒュルケンベルグ(14.88)、エステバン・オコン(14.91)、ジャック・ドゥーハン(15.5)、ランス・ストロール(15.96)が並び、最下位はアルピーヌのフランコ・コラピントで平均16.94だった。

    角田裕毅の平均予選順位が示すもの
    角田裕毅の平均12.58という数字は、単なる一時的な不調ではなく、24戦を通じて積み重なった結果だ。同一チーム内でのフェルスタッペンとの差、そしてレーシングブルズ勢やウィリアムズ勢との比較を踏まえると、予選での安定感とピーク性能の不足が浮き彫りになっている。

    2026年に向けて角田裕毅がリザーブ兼テストドライバーへ回る判断が下された背景には、この平均予選順位という冷酷なデータが存在している。2025年シーズンの数字は、角田裕毅にとって明確な課題を突きつける統計となった。

    角田裕毅 レッドブル F1

    2025年F1 平均予選順位一覧
    1:ランド・ノリス(マクラーレン)2.96
    2:オスカー・ピアストリ(マクラーレン)3.04
    3:マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)3.5
    4:ジョージ・ラッセル(メルセデス)4.38
    5:シャルル・ルクレール(フェラーリ)5.46
    6:アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)8.58
    7:ルイス・ハミルトン(フェラーリ)9.04
    8:アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)9.67
    9:フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)10.38
    10:カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)10.61
    11:リアム・ローソン(レーシングブルズ)12.54
    12:角田裕毅(レッドブル・レーシング)12.58
    13:アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)12.65
    14:ピエール・ガスリー(アルピーヌ)13.42
    15:オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)13.79
    16:ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)14.21
    17:ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)14.88
    18:エステバン・オコン(ハースF1チーム)14.91
    19:ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)15.5
    20:ランス・ストロール(アストンマーティン)15.96
    21:フランコ・コラピント(アルピーヌ)16.94

  • マックス・フェルスタッペンが語るGPへの信頼「一緒に戦う最高のパートナー」

    マックス・フェルスタッペンが語るGPへの信頼「一緒に戦う最高のパートナー」

    マックス・フェルスタッペンは、自身のレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼに対し、深い敬意と感謝の言葉を送った。フェルスタッペンは、長年にわたりともに戦ってきたパートナーが、近年プライベートで困難な状況に置かれていることにも思いを寄せている。

    「信じられない、マックス。信じられない」

    2016年スペインGPでフェルスタッペンがF1初勝利を挙げた直後、無線でそう声を上げたのがランビアーゼだった。フェルスタッペンはこのレースのわずか10日前にトロロッソからレッドブル・レーシングへ昇格し、バルセロナでいきなり頂点に立った。

    この瞬間は、両者の長く成功に満ちた関係の始まりとなった。その後フェルスタッペンは、ランビアーゼとともに4度のワールドチャンピオンに輝いている。

    Viaplayの番組『GeMaximaliseerd』のインタビューで、「GP(ランビアーゼの愛称)以上のエンジニアはいないのではないか」という問いを投げかけられたフェルスタッペンは、迷うことなくこう答えた。

    「正直に言って、一緒に仕事をする人として、これ以上の人はいない」

    2025年F1最終戦後、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットのピットウォールで、ランビアーゼは感情をあらわにしていた。その理由について、フェルスタッペンは次のように語っている。

    「彼は本当に大変な一年を過ごしてきた。それは今も続いている。とても難しい状況だ。仕事をこなしながら、家では普通に生活を続けなければならない。その大変さは、僕自身には完全には理解できない」

    マックス・フェルスタッペン レッドブル F1 ジャンピエロ・ランビアーゼ

    無線での衝突と、揺るがぬ信頼
    フェルスタッペンとランビアーゼは、無線で激しいやり取りを交わすこともあり、冗談交じりに「夫婦のようだ」と表現されることもある。

    「無線で言い合うこともある。でも後になって『あれは本当に必要だったのかな』と思うこともある。だけど、僕らはそれだけ真剣なんだ。彼も同じで、サーキットでは常にベストを求めている」

    一方で、プライベートではランビアーゼの負担はさらに重い。

    「週末のレースが終わって家に戻ると、『F1なんてもういい』と思うこともあるはずだ。それほど難しい状況なんだ」

    ランビアーゼは2025年シーズン中、私的な事情により数戦を欠場し、その間はサイモン・レニーが代役を務めた。来季もフェルスタッペンの担当を続けられるかどうかは、今冬にチーム内で協議される予定だ。

    フェルスタッペンは、可能な限りランビアーゼを支える姿勢を崩さない。

    「背景で何が起きているかは、ある程度わかっている。でも、あまり踏み込みすぎたくはない。ただ『何か必要なら言ってほしい。できる限り対応する』とは伝えた。必要なことは何でも用意できる。でも結局のところ、本当に最悪な状況なんだ」

  • レッドブルF1 ミンツラフが語るホーナー解任「簡単な決断ではなかった」

    レッドブルF1 ミンツラフが語るホーナー解任「簡単な決断ではなかった」

    レッドブルの親会社幹部であるオリバー・ミンツラフは、レッドブル・レーシングのチーム代表を20年務めたクリスチャン・ホーナーを解任した判断について、「決して簡単な決断ではなかった」と改めて強調した。一方で、その決断によってチーム内部に新たな集中力が生まれたとも語っている。

    2025年シーズン序盤の不振を受け、夏休み前にホーナーとの関係は突然終止符を打たれた。背景には成績面の低迷に加え、2024年初頭に浮上した一連の疑惑が長期にわたり影を落としていたこともある。後任には姉妹チームから昇格したローラン・メキースが就任した。

    「私はいわゆる“簡単に首を切る”タイプのマネージャーではない」とミンツラフは語る。

    「クリスチャンはこのチームで素晴らしい実績を残し、多くの成功をもたらしてきた。我々全員が、彼が成し遂げたことを高く評価している。しかし、ここはプロフェッショナルな組織だ。過去の実績だけに頼り続けることはできない。我々は、ページをめくり、新しい章を始める時だと感じた」

    マルコ批判への反論と“刷新”の必要性
    ミンツラフはまた、長年アドバイザーを務めてきたヘルムート・マルコの発言にも言及した。マルコは、ホーナーとの近年の関係を「不快だった」「汚い駆け引きがあった」「多くのことで嘘をついていた」と厳しく評していたが、これに対しミンツラフは同意しない姿勢を示した。

    「マルコも年月とともに変わったのかもしれない。5年前とすべてが同じでないのはごく普通のことだ」とミンツラフは述べる。

    「クリスチャンとヘルムートは2005年のスタート以来、20年以上にわたって素晴らしい協力関係を築いてきた。これほど長く同じリーダーシップ体制が続く大きなスポーツ組織が、他にどれだけあるだろうか。今、2人がともに去ったことをネガティブに見ることもできるが、私はむしろ、これほど長く一緒に働き、多くを成し遂げたこと自体が特別だと思う。時には組織を揺り動かすための刷新が必要になる」

    レッドブル・レーシング

    メキース体制で生まれた集中力
    ミンツラフは、メキース新代表の下でチームに「明確なフォーカス」が戻ったとも明かす。

    「チームの内外で多くの問題が起きていたことは、公然の秘密だった。それは確実に集中力を奪う」とした上で、次のように続けた。

    「ここ数カ月で、全員が100%集中できればパフォーマンスが向上することを確認できた。最高のマシンを持っていなくても、マックスはほぼタイトルを獲得しかけ、今季最多勝利を挙げたのだから」

    ホーナー解任という大きな決断は、レッドブルにとって痛みを伴うものだった。しかしミンツラフは、その選択がチームを再び一つにまとめ、結果として競争力を取り戻すきっかけになったと確信している。

  • マックス・フェルスタッペンの相棒ランビアーゼがアストンマーティンF1移籍?

    マックス・フェルスタッペンの相棒ランビアーゼがアストンマーティンF1移籍?

    マックス・フェルスタッペンの長年のレースエンジニアであり、親しい相棒でもあるジャンピエロ・ランビアーゼが、アストンマーティンから上級職として引き抜きを受けていることが分かった。『The Race』が報じている。

    ランビアーゼの去就は、アブダビGP後にフェルスタッペンとの無線で感情的なやり取りがあったことから憶測を呼んでいた。タイトルには届かなかったレース後、ランビアーゼは「誇りに思っていい、胸を張れ」と語り、フェルスタッペンは「最後にもう一度、誰がボスかを示した」と応じた。

    この無線と、ピットウォールで感情をあらわにするランビアーゼの姿が、2016年から続く関係に区切りがつくのではないかという見方を強めた。2026年に向け、同じ役割のまま継続しない可能性は想定されていたが、当初はレッドブル・レーシング内での配置転換が有力とみられていた。

    しかし関係筋によれば、ここ数週間で別の選択肢が浮上している。アストンマーティンが、ランビアーゼと上級職について協議を行ったという。

    ニューウェイとの再タッグはあるのか
    合意には至っていないものの、アストンマーティンはランビアーゼに対し、チーム代表またはCEO級のマネジメント職を打診したと理解されている。これは体制刷新の一環だ。

    昨年11月、エイドリアン・ニューウェイが2026年初めからチーム代表に就任することが発表された。アンディ・コーウェルがその職を退く決断をしたためだ。ただし、マシン設計への集中を最優先にしたいニューウェイが、どこまで運営面を担えるのかは不透明だった。

    カタールGPでニューウェイは、「最良のマシンを設計することが自分の原動力であり、そこから注意をそらしたくない」と語っている。運営を支えるシニア人材を横に置くのは自然な解決策であり、レッドブルで成功を重ねたニューウェイとランビアーゼの関係性は、その構図に合致する。

    仮にランビアーゼが加入すれば、ニューウェイが暫定的に代表職を担い、後に役割を再編する可能性も考えられる。一方で、レッドブルは組織的価値の高さから、引き留めに全力を注ぐはずだ。

    マックス・フェルスタッペン F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    フェルスタッペンの賛辞
    アブダビGP後、フェルスタッペンは、私生活上の困難でオーストリアとベルギーを欠場したランビアーゼを称えた。

    「感情的な一年だった。結果のことは忘れてほしい。詳しくは言えないが大変だった。それでも、あれほど情熱的な人と一緒に仕事ができて本当に幸せだ」

    仮にランビアーゼがレッドブルを離れる、あるいは別職に移る場合、フェルスタッペンは今冬さらに陣営の中核を失うことになる。モータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコは2025年限りで退任見込み。さらに、チーフメカニックのマット・コーラーはアウディへ、パフォーマンスエンジニアのトム・ハートはウィリアムズ行きが噂されているほか、コントロールエンジニアのマイケル・マニング、エンジンエンジニアのデビッド・マートも離脱予定だ。

    2026年の有力候補
    もしランビアーゼが退団、もしくは組織内で役割変更となれば、2026年にフェルスタッペンを担当する最有力は、ダニエル・リカルドの元レースエンジニアで、昨季レッドブル・リンクとスパで代役を務めたサイモン・レニーになるとみられている。

  • 「そのままでは2026年も失敗する」レッドブルF1がRB21を掘り下げた理由

    「そのままでは2026年も失敗する」レッドブルF1がRB21を掘り下げた理由

    レッドブル・レーシングのチーム代表を務めるローラン・メキースは、多くのF1ライバル勢が2026年に完全に焦点を移した中で、RB21の開発を継続した判断の背景について詳しく説明した。

    レッドブルは当初の想定よりも2025年F1シーズンの後半までRB21の開発を続け、期待を下回っていたプロジェクトの本質的な問題を突き止めようとしていた。

    マクラーレンが前年シーズン中盤から勢いを増すまで、現行のグラウンドエフェクト時代を支配してきた6度のコンストラクターズチャンピオンであるレッドブルだが、数か月前に犯した開発上の判断ミスが響き、マシンは次第にマックス・フェルスタッペンをドライバーズ選手権争いに踏みとどまらせる力を失っていった。

    2026年のレギュレーション大改革が迫る中、ライバルチームが新シャシーとパワーユニット規則への完全移行を進める一方で、レッドブルは予想に反して、扱いづらく期待外れと評されていたRB21のアップデートを続行した。

    メキースはイギリスGP直後にクリスチャン・ホーナーの後任としてチーム代表に就任。その後まもなく、フランス人である彼の下での新たな働き方と、既存パッケージを徹底的に理解し切るという方針が成果を生み始めた。

    イタリアGPでフェルスタッペンのマシン底部に投入された改良型フロアは、彼のシーズン後半の流れを一変させた。

    そこから最終9戦で6勝という快進撃が始まり、当時ランキング首位だったオスカー・ピアストリに対して104ポイント差をつけられていた状況から、再びタイトル争いに引き戻されることになった。

    ただし、フェルスタッペンを再びチャンピオン争いに戻すこと自体が主目的ではなかった。それはあくまで、チームが抱えていた根本的な問題を解明した結果として生じた副産物に過ぎなかった。

    レッドブル・レーシング F1

    シーズン終盤、RacingNews365を含む少人数のメディアとの取材で、メキースは次のように語っている。

    「我々にとって明らかだったのは、単純にページをめくって、『2025年のマシンはタイトルを争えるレベルではなかったが、2026年になれば大丈夫だろう』と希望的観測に頼る道は選びたくなかったということだ。

    だから我々はその道を選ばなかった。選んだのは、このプロジェクトを徹底的に掘り下げるという道だった。

    なぜパフォーマンスを発揮できていないのかを理解する必要があった。というのも、基本的に来年も同じツール、同じプロセス、同じ手法を使うことになるからだ。

    確かに、そのために多少の時間を失う可能性はある。しかし、希望的観測に頼るやり方には行きたくなかった。

    だから……難しかったか? いや、違う。我々は夏の非常に早い段階から、この方針に強い確信を持っていたんだ」

  • マックス・フェルスタッペン F1恒例ディナー裏話「ガスリーが支払ってた」

    マックス・フェルスタッペン F1恒例ディナー裏話「ガスリーが支払ってた」

    マックス・フェルスタッペンは、F1ドライバーの間で恒例となっている「シーズン最終戦前ディナー」をめぐる、少し意外なエピソードを明かした。タイトル決定戦を前にした和やかな集まりで、本来なら自身が支払うはずだった会計を、元レッドブルのチームメイトが肩代わりしていたという。

    シーズン最終戦の舞台となるアブダビでは、毎年ほぼ全ドライバーが集まり、1年を締めくくる食事会が開かれる。20人のF1ドライバーが一堂に会するため、会計は当然ながら高額になり、「誰が払うのか」は毎年の話題になる。

    今回、その支払い役として名前が挙がったのが、4度の世界王者であるマックス・フェルスタッペンだった。しかし実際にクレジットカードを出したのは、アルピーヌF1のドライバーであり、フェルスタッペンの元チームメイトでもあるピエール・ガスリーだった。

    フェルスタッペンは『Talking Bull』ポッドキャストで、その経緯を次のように語っている。

    「話すよ。去年はバルテリ・ボッタスがすごく親切で、彼が支払ってくれた。ドライバーたちは『今年はマックスの番だな』って冗談を言ってきて、僕も『もちろん』って答えたんだ」

    「でも、その日は個室の入り口の反対側に座っていてね。みんなで笑って過ごしているうちに、急に帰る流れになった。そうしたら、ピエールがすでに支払いを済ませていたことが分かったんだ」

    冗談交じりに「会計のタイミングでトイレに行っていたのでは?」と聞かれた際の反応も、フェルスタッペンは率直だった。

    「いや、違うよ。反対側でジントニックを飲んでいただけだ」

    さらに、自分が支払えなかったことについても、こう続けている。

    「次は入る前に『今日は僕が払うからね』って言うべきかもしれない。そうすれば、本当に支払えるだろうから」

    将来、実際に支払う機会が来た場合についても、フェルスタッペンは慎重さよりも気前の良さを強調した。

    「いや、こういうときは普通に気前よくやるよ。ただ、まだその機会がなかっただけだ」

    「でも来年もまたみんなで食事するはずだから、そのときにはきっと僕の番が来ると思う」

    また、全員のクレジットカードをテーブルに置き、店員が1枚を選ぶという案については、若手時代の経験を踏まえて次のように述べている。

    「2015年か2016年、キャリアを始めたばかりの頃に一度あったのを覚えている」

    「あれはちょっと見た目が良くない。だから最初から誰か1人が引き受けた方がいい」

    「それに、ルーキーに払わせることは絶対にしない。それは当たり前だ。経験のあるドライバーから始まるものだからね」

    世界王者であっても、オフ・トラックでは仲間との暗黙のルールや配慮が重視される。今回のエピソードは、フェルスタッペンとF1ドライバーたちの人間的な一面を浮き彫りにしている。

  • リアム・ローソン 角田裕毅のF1シート喪失に「機会すら得られない人もいる」

    リアム・ローソン 角田裕毅のF1シート喪失に「機会すら得られない人もいる」

    リアム・ローソン(レーシングブルズ)は、2026年F1シーズンに向けて角田裕毅がグリッドから外れることが決まった現実について言及し、「機会すら得られない人もいる」とF1の厳しさを語った。

    2025年シーズン途中には自身もレッドブルF1からの早期降格を経験したローソンは、F1に辿り着くまでの困難さと、その座を失う非情さを重ね合わせながら、長年F1で戦ってきた角田裕毅の立場に理解を示しつつも、この世界の現実を冷静に受け止めている。

    リアム・ローソン レッドブルF1降格を振り返る「時間があれば理解できた」
    リアム・ローソンは、2025年F1シーズン序盤に経験したレッドブルF1からの早期降格について、「もしもう少し時間が与えられていれば、マシンを理解できていたはずだ」と語り、その決断を振り返った。

    2025年にF1で初のフルシーズンを戦ったローソンは、シーズン開幕からわずか2戦でレッドブルF1のシートを失い、レーシングブルズへと戻る形となった。本人のコントロール外とはいえ、この決定は大きな衝撃だったという。

    「正直に言って、適切な時間さえあれば、あのクルマを理解できたと思っている」とローソンは語った。

    「2レースだけではあまりに短すぎて、正直ほとんど記憶にも残っていない」

    ローソンは、F1初年度に走ったことのないサーキット2戦で評価を下されたことについても、悔しさをにじませた。それでも結果的に2026年のF1グリッドに残ることが決まり、将来が定まったことは大きな救いだったと明かしている。

    「今はどちらかというと安堵の気持ちの方が大きい」とローソンは認めた。

    「今週末を迎える時点で将来が決まっているのはいいことだ。最後にこんな状況だったのがいつか、正直思い出せない」

    「来年に向けて、オフシーズンをきちんとした計画のもとで過ごせるのは楽しみだ」

    2026年に向けて、レッドブルF1ではアイザック・ハジャーが昇格。一方でローソンはレーシングブルズに残留することが決まった。シーズン中盤には必ずしも確実視されていなかった去就だが、最終的に継続参戦を勝ち取った形だ。

    角田裕毅 レッドブル F1

    角田裕毅への思いとF1の厳しさ
    今回の早期交代は、ローソンだけでなく、シーズン途中で彼と入れ替わった角田裕毅にも影響を与えた。レッドブルF1は2026年のラインアップ発表で、角田裕毅がF1シートを失うことを正式に明らかにしている。

    ローソンと角田裕毅は、F3時代からF1に至るまで、チームメイトでありライバルとして長くキャリアが交錯してきた存在だ。ローソンは、角田裕毅への同情について問われ、慎重な言葉を選んだ。

    「F1に辿り着くまで長い時間をかけてきた人が、ここにいられなくなるという意味では、誰に対しても同じ気持ちはある」とローソンは語った。

    「でも同時に、チャンスすら得られないドライバーがたくさんいるのも事実だ」

    「彼は何年もF1で走った。これは本当に厳しい世界で、僕自身もそれを学んだところだ」

    ローソンの言葉からは、レッドブルF1の決断に対する未練とともに、F1という世界の非情さを受け入れ始めたドライバーとしての成熟がにじみ出ている。

  • マックス・フェルスタッペン、GT3でメルセデスと複数年契約を締結

    マックス・フェルスタッペン、GT3でメルセデスと複数年契約を締結

    マックス・フェルスタッペンは、自身が率いるフェルスタッペン・レーシングとしての将来に向けた重要な決断を下した。チームはメルセデスAMGと複数年契約を結び、GT3カテゴリーで戦うことが正式に発表された。

    このパートナーシップにより、フェルスタッペン・レーシングは2026年シーズンからGTワールド・チャレンジ・ヨーロッパにメルセデスAMG GT3を投入する。これにより、これまで使用してきたアストンマーティンからコンストラクターを変更することになる。

    フェルスタッペン自身は、エストリルで行われたプライベートテストでAMG GT3をドライブし、ノルドシュライフェで使用したフェラーリ296 GT3との比較も行っていた。

    この新たな提携は、フェルスタッペン・レーシングがGTワールド・チャレンジ・ヨーロッパに長期的に参戦する意思を明確に示すものでもある。2025年シーズンを前に、フェルスタッペンはチーム体制の大幅な拡張を発表しており、2シーズ・モータースポーツを支援する形で、スプリントと耐久の両カテゴリーに初参戦していた。

    当時は、ティエリー・フェルミューレン、クリス・ルルハム、ハリー・キングがアストンマーティン・ヴァンテージGT3エボでエンデュランス・カップに出場し、並行してフェルミューレンとルルハムはエミール・フレイ・レーシングからフェラーリ296 GT3でスプリントにも参戦していた。

    新たなメルセデスとのパートナーシップにおいても、フェルスタッペン・レーシングはスプリントと耐久の両シリーズに参戦する。使用する車両は1台のメルセデスAMG GT3で、スプリントではクリス・ルルハムがアストンマーティンF1のシミュレータードライバーであるダニエル・フンカデラとコンビを組む。耐久レースではジュール・グーノンが加わり、ラインアップが完成する。

    マックス・フェルスタッペン メルセデス GT3

    メルセデスAMGでカスタマーレーシングを統括するステファン・ヴェンドルは、この契約を次のように歓迎した。

    「フェルスタッペン・レーシングがGTワールド・チャレンジ・ヨーロッパでメルセデスAMG GT3を選んでくれたことを大変うれしく思う。」

    「2シーズ・モータースポーツという、すでに我々のマシンで数多くの成功とタイトルを獲得してきた非常に経験豊富なチームに支えられている。」

    「その結果として、この非常に野心的で将来性のあるプロジェクト、そしてスプリントとエンデュランスの両プログラムにおける新たなトップレベルのエントリーを歓迎している。」

    一方で、フェルスタッペンは2025年のF1シーズンにおいても激しい戦いを経験した。シーズン後半には圧巻の追い上げを見せたものの、5年連続のワールドチャンピオン獲得はわずかに届かなかった。夏休み以降、6勝を挙げ、すべてのレースで表彰台に上り、最大104ポイント差を縮めてタイトル争いに復帰したが、最終的にはランド・ノリスがわずか2ポイント差で王座を手にした。

    来季についてフェルスタッペン自身は、GT3レースへのスポット参戦の可能性も否定していない。さらに、ノルドシュライフェで開催されるニュルブルクリンク24時間レースへの出場も視野に入れており、F1と並行してGT3の舞台でもその存在感を強めていく構えだ。

  • F1から“悪役”が消える日 ヘルムート・マルコ離脱が残した空白

    F1から“悪役”が消える日 ヘルムート・マルコ離脱が残した空白

    ヘルムート・マルコの離脱は、単なるレッドブル内部の問題にとどまらない出来事として受け止められている。F1界全体が、最後に残された「キャラクター」を失いつつあるのではないかという懸念が、識者の間で広がっているからだ。

    今週公表されたイギリスの企業登記によると、82歳のマルコは、Red Bull Racing Limited、Red Bull Advanced Technologies、Red Bull Powertrainsを含む複数のレッドブル関連法人で取締役から外された。

    これにより、20年以上にわたって続いたレッドブルとの関係が、形式上も完全に終了したことが明らかになった。

    独『Bild』に寄稿したミシェル・ミレフスキは、この動きを「スポーツ全体に波及しかねない問題」と位置づけている。

    「F1の頂点に戻るためのレッドブルにとっての(部分的な)解決策として意図されたものが、レースシリーズそのものにとっての問題になりかねない」と彼は記した。

    「なぜなら、F1はまっすぐ“キャラクター危機”へ向かっているからだ」

    ミレフスキは、マルコの離脱をクリスチャン・ホーナーの去就と結びつけ、F1で最も対立的かつ賛否を呼ぶ二人の存在が、短期間で姿を消した点を指摘する。

    「チーム代表の中で、キャラクターと呼べる存在は、もはやトト・ヴォルフだけだ」と彼は主張する。

    「10人のチーム代表のうち8人は元エンジニアだ。彼らは白か黒で物事を考え、レッドアラートでは考えない。では、Netflixや他の配信サービスのカメラの前で、ヴォルフは誰と議論すればいいのか?」

    「答えは──誰もいない、だ」

    ミレフスキによれば、この問題はマネジメント層に限った話ではない。

    「F1はキャラクターという点で、もう一段ギアを上げる必要がある」と彼は書き、ルイス・ハミルトンやフェルナンド・アロンソがキャリア終盤に差しかかり、さらにマックス・フェルスタッペンが度々引退を示唆している現状に触れながら、F1が最も認知度の高い顔ぶれを失うリスクを警告している。

    同様の懸念は、元ロシア人F1解説者のアレクセイ・ポポフからも示されている。彼は、現代のF1には、かつてファンを引きつけたような個性が欠けていると語る。

    「個性が薄れている」とポポフは言う。

    「控えめなエンジニアたちが個性ではないと言っているわけではない。でも、彼らはショーマンではない」

    彼は、過去のパドックと現在を対比する。

    「物静かなスイス人だったが、それでも葉巻をくわえ、寡黙なキャラクターだったピーター・ザウバーがいた。あるいは誇張されたエディ・ジョーダン、退屈なロン・デニス、細かいことにうるさいジャン・トッドもそうだ」

    「こうしたキャラクターが、人々をF1に恋させたんだ」

    マルコの退場は、レッドブルの一時代の終焉を意味するだけではない。パドックから強烈な個性が次々と姿を消す中で、F1というスポーツが“速さ”だけでなく、“人間”によって記憶されてきた存在であることが、改めて問い直されている。

  • バーニー・エクレストンのクリスマスカード:2025年はレッドブルF1の内乱

    バーニー・エクレストンのクリスマスカード:2025年はレッドブルF1の内乱

    毎年恒例となっているバーニー・エクレストンのクリスマスカードが、2025年も公開された。今年のカードは、F1界の激動を象徴するかのように、レッドブル・レーシング内部の混乱とマックス・フェルスタッペンを中心に描かれている。

    95歳となった元F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、過去1年のF1シーズンを自身の視点で切り取る伝統を守り続けているが、今回のイラストはとりわけ刺激的だ。

    そこには、元レッドブル顧問のヘルムート・マルコと、レッドブルGmbH CEOのオリバー・ミンツラフが、煙を上げる大砲の背後に立ち、その砲口がクリスチャン・ホーナーに向けられている様子が描かれている。

    ただし、いかにもエクレストンらしい皮肉として、ホーナーは大金の入った袋を背負い、パラシュートで無事に脱出している。混乱の中でも生き延びるしたたかさを暗示する構図だ。

    カードには、エクレストン自身の手によるメッセージも添えられている。

    「今年はF1誕生75周年だ。世界でこれほど多くの変化を見た年はないし、F1でもいくつかの変化があった。『グッバイ、クリスチャン』から、マックスのオーバーテイクレースまで。私の記憶する限り、彼は史上最高のドライバーだ」

    ここで称賛の的となっているのが、言うまでもなくマックス・フェルスタッペンであり、エクレストンはその存在感を強く打ち出している。

    さらに彼はパドックの主要人物にも言及する。

    「ザクのおかげで、マクラーレンはかつての栄光の日々を取り戻した。一方で、トトは目を覚まし、ルイスは競争力のないチームで苦しんでいる」

    ここで名前が挙がるのは、ザク・ブラウン、トト・ヴォルフ、そしてルイス・ハミルトンだ。

    話題はF1にとどまらず、エクレストンは世界情勢にも切り込む。アメリカ大統領のドナルド・トランプについては、彼特有の辛辣な言葉を投げかけた。

    「彼は競争相手なしに世界を支配している。重要な身体の一部を欠いた男たちを除いては。よくやった、ドナルド」

    そしてメッセージは、やや不穏な未来予想で締めくくられる。

    「2026年はF1にとっても、世界にとっても平穏な年にはならないだろう。世界は平和を渇望している。だから2025年の終わりには、静かな日々を過ごしてほしい。95歳で、好奇心旺盛な5歳の息子を持つ私には、その助言を自分で守ることはできないがね。何をするにしても、ベストを尽くしてほしい」

    最後は、ただ一言の署名で終わる。

    「バーニー」