カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • レッドブルF1 オリバー・ミンツラフ新体制の裏で続く権力の綱引き

    レッドブルF1 オリバー・ミンツラフ新体制の裏で続く権力の綱引き

    レッドブルはF1の将来に向けて新たな一手を打った。その動きとして大きな注目を集めているのが、2026年シーズンにアイザック・ハジャーがマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務めるという決定だ。オランダ人王者と同じガレージを共有することは、ここ数年、誰にとっても極めて厳しい挑戦だった。チーム内の比較は常に苛烈で、経験豊富なドライバーでさえ、そのプレッシャーに耐えきれず後退してきた。直近の前例を見ても、楽観できる材料は多くない。

    レッドブルのハジャー 新レギュレーションが与える好機
    セルジオ・ペレスは経験を武器に衝撃に耐えようとしたが、時間とともに精神面の脆さが目立つようになり、パフォーマンスは徐々に低下した。リアム・ローソンや角田裕毅に至っては、言うまでもない。
    一方でハジャーは異なるプロフィールを携えてレッドブルに加わる。レーシングブルズで過ごしたF1デビューシーズンは堅実だった。

    51ポイントを獲得し、安定した成長を示したことが評価され、チームは彼に賭ける決断を下した。昇格は当然の結果とも言えるが、同時に大きな期待を背負うことになる。若きフランス人は、新たな立場の重圧をすでに感じていることを隠していない。トップチームへの昇格は、露出、メディアの注目、そしてはるかに大きな責任を伴う。

    「このレベルの知名度やメディアの注目には、正直あまり居心地の良さを感じていない。うっとうしいけど、消える方法は見つけるよ。マスクをかぶるかもしれないし、分からないけどね」

    冗談めかした言葉ではあるが、そこには実際の戸惑いがにじんでいる。

    ただし、ハジャーが身を置く環境は、近年よりも抑圧的でない可能性もある。ヘルムート・マルコやクリスチャン・ホーナーといった強烈な存在が去ったことで、内部の緊張が和らぐ余地があるからだ。新体制は、ドライバーの日常的なマネジメントを重視している。ローラン・メキースはシーズン前半ですでにハジャーと仕事をしており、重要な拠り所となる存在だ。目標は、彼を守りつつ成長を導くことにある。

    それでも、チームがフェルスタッペンを中心に回り続けることは明白だ。技術面・戦略面の指針は彼から発せられる。ハジャーは迅速に適応し、不均衡なチーム内対決と共存する術を学ばなければならない。しかし、2026年F1レギュレーションは、その力関係を多少なりとも揺さぶる可能性がある。変革は、レッドブルのセカンドドライバーにとって、過去の誰よりも多くのチャンスをもたらすかもしれない。

    レッドブル・レーシング F1 レッドブル

    ホーナーとマルコ退任後も続く レッドブルの権力闘争
    レッドブルでもう一つの火種となっているのが、内部に根付く権力闘争だ。ホーナーとマルコの退任により、一時的な安定が訪れたように見えるが、実際にはそれは長い戦いの一局面にすぎない。意思決定は、企業としてのオーストリア側からも下されている。

    タイ側が多数派であることを踏まえつつも、スポーツ運営の中枢に再び強く関与しようとする勢力が存在する。CEOのオリバー・ミンツラフは、より強い決定権を取り戻そうとしている。摩擦は決して解消されていない。この状況を批判的に捉えているのが、元ウィリアムズF1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤだ。

    「聞こえてくる話では、オーストリア側はもっと深く関与し、チームを直接管理したがっている。それは諸刃の剣だ。もし彼らが過剰な支配力を手にすれば、すべてが独裁に変わりかねない。ひとつの方向性、ひとつのやり方、単一のリーダーシップの下でね」

    その言葉は、大きな変革を経た今なお、レッドブル内部の均衡がいかに脆弱であるかを浮き彫りにしている。

  • マックス・フェルスタッペンはなぜ去らなかったのか メルセデスF1接触の真相

    マックス・フェルスタッペンはなぜ去らなかったのか メルセデスF1接触の真相

    2025年シーズン中盤、パドックを駆け巡った「マックス・フェルスタッペンがメルセデスに移籍するのではないか」という噂は、いつの間にか立ち上がり、そして静かに消えていった。

    その沈黙を破るように、フェルスタッペンが初めて当時の状況と自身の価値観について語った。そこにあったのは、単なる契約やパフォーマンスを超えた、レッドブルとの深い結びつきだった。

    噂が広がった2025年中盤と「一線」
    2025年F1シーズン中盤、2026年F1レギュレーション大改革を前に不確実性が高まる中で、フェルスタッペンの将来を巡る噂が一気に加速した。

    フェルスタッペンはレッドブルと2028年末まで契約を結んでいるが、それでも彼の名前はグリッド最大の「もしも」の中心に置かれた。

    この噂は8月のハンガリーGPを前に、公の場でいったん終止符が打たれる。

    「今こそ噂を止める時だと思う。僕にとっては、残ることはずっと明確だった」

    そう語り、2026年もレッドブルにとどまる意思を明言した。

    だが、明確さは「会話が一切なかった」ことを意味するわけではなかった。

    フェルスタッペンが語る“決断の基準”
    フェルスタッペンはBBC Sportのインタビューで、仮に将来を考えるとき、F1での速さだけでは決断に至らないと強調した。

    「僕にとってはF1だけの話じゃない。何かを変えるには、いろいろな要素がすべて揃わないといけない。将来の役割だったり、そういうことも含めてだ」

    「もし何かを変えるとしたら、それは本当に大きなことになる。ここは第二の家族のような存在だから、それを簡単に他で再現することはできない」

    「速いF1マシンが欲しいからとか、環境を変えたいからという理由だけで動くことはない。F1の外でやっていることも含めて、すべてが噛み合わないといけない」

    この言葉から浮かび上がるのは、フェルスタッペンの忠誠心が契約ではなく、文化的で感情的な結びつきに根ざしているという事実だ。

    マックス・フェルスタッペン メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    「話し合いはあった」──しかし意味合いは
    では、メルセデスとの話し合いは本当にあったのか。その問いに対し、フェルスタッペンは否定しなかった。

    「正直に言えば、話し合いは確かにあった。でも同時に、とてもフレンドリーでオープンなものだった。それ以上のものではない」

    興味や対話と、迷いは別物だという姿勢が、そこにはにじむ。

    フェルスタッペンにとって、価値を理解した上での対話は自然な行為であり、それが今いる場所への疑念を意味するわけではない。

    F1の外でも続く“完成形”への探求
    フェルスタッペンの視線は、常にF1の枠内だけに収まっていない。9月にはニュルブルクリンク北コースでGT3デビュー戦勝利を挙げ、その後も多様なカテゴリーで走り続けている。

    「常に細部を探し続けている。クルマを学び、自分自身を学ぶためだ。F1の外でもいろいろなことをしている」

    「いろいろなクルマを走らせることは、F1でレースをする上でも決してマイナスにはならない。より完成度の高い、オールラウンドなドライバーになるためだ」

    この姿勢もまた、彼が“今すぐ環境を変える理由がない”ことを物語っている。

    メルセデスとの話し合いは、確かに一瞬背景に存在した。しかし、レッドブルとの信頼、歴史、共有されたビジョンは揺らいでいない。

    速さと憶測に支配されがちなF1の世界で、フェルスタッペンのメッセージは静かだが明確だ。

    レッドブルを去るには、速いマシン以上の理由が必要になる。それは「家族」を書き換える決断に等しいのだから。

  • フェルスタッペン陣営 レッドブルの2026年F1エンジンは「良い話を聞いている」

    フェルスタッペン陣営 レッドブルの2026年F1エンジンは「良い話を聞いている」

    2026年F1の大転換点が近づくなか、最大の焦点のひとつは、レッドブルが自社製パワーユニットという歴史的挑戦を成功させられるかどうかだ。

    ミルトンキーンズを拠点とするレッドブルは、フォードと提携し、初めてOEMとして自前のエンジンを一から開発する。前例のない挑戦であるがゆえに、不確実性と同時に強い関心も集めている。

    そんな中、マックス・フェルスタッペン陣営の中枢から、内部の空気感をうかがわせる発言が明らかになった。マネージャーのレイモンド・フェルミューレンは、新エンジンについて「良い話を聞いている」と認めつつも、実際の競争力は依然として不透明だと語っている。

    白紙のスタートと早期の答え
    フェルミューレンは、新レギュレーションがいかに大きな変化をもたらすかについて、現実的な見方を示している。新型マシンと新型パワーユニットが走り出せば、従来の比較基準はほとんど意味をなさないという認識だ。

    「来年の基準は何なのか? 誰にも分からない」とフェルミューレンはオランダのRacingNews365に語った。

    「だから最初の数戦で、状況がどう展開していくのかは非常にはっきりするはずだ。我々はフレッシュなアプローチでスタートすることになる」

    この「序盤での明確化」という見方は、2026年シーズンの開幕数戦で、新時代をつかんだチームとそうでないチームが早々に判明するという、パドック全体の共通認識とも一致している。

    顧客エンジンから完全な自社運営へと踏み出すレッドブルにとって、その瞬間は特に重要な意味を持つ。

    良い話は聞くが、保証はない
    この壮大な挑戦にもかかわらず、フェルミューレンはレッドブルとの日常的なやり取りを通じて、慎重ながらも前向きな感触を得ているという。

    「エンジンについては良い話を聞いている。でも“良い”って何なんだ? 基準は何だ?」とフェルミューレンは述べた。

    「だから、待ってみるしかない」

    この含みを持たせた言い回しは、2026年F1レギュレーションが抱える本質的な緊張感を象徴している。純粋な性能は重要だが、それ以上に適応力が勝敗を分ける可能性がある。

    フェルミューレンによれば、レッドブルの運命を左右するのは、スタート位置そのものではなく、ライバルに遅れを取った場合にどれだけ迅速に立て直せるかにあるという。

    「重要なポイントは、仮に序列の上位にいなかった場合、どのチームが最も早く状況をひっくり返せるかだと思う」と彼は続けた。

    「工場の体制をどう組み替え、新しいパーツをどれだけ素早くマシンに投入して、速いクルマを作れるか。どう展開するか見ていくしかない。でも、それは全員に当てはまることだ。そこが良い点でもある」

    2025年シーズン、勝者と凡走者を分けたのはコンマ数秒、時にはコンマ数百分の差だった。その状況を踏まえれば、この“回復速度”への言及は極めて現実的だ。

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング

    モメンタム、モチベーション、そしてグレーゾーンの噂
    フェルスタッペンは、未完の課題を抱えたまま2026年を迎える。2025年は最終戦までもつれ込む接戦の末、わずか2ポイント差でランド・ノリスに敗れ、5連覇を逃した。

    マクラーレンは2026年の早期本命と目されており、さらにパドックでは、メルセデスとレッドブルが、新パワーユニット規則の中にコンマ数秒分のアドバンテージを生む可能性のある“グレーゾーン”を見つけたのではないか、という囁きも絶えない。

    もしそれが事実であれば、メルセデスのカスタマーであるマクラーレンも恩恵を受けることになり、競争はさらに拮抗する。ただし、両メーカーはFIAの厳しい監視下にあるとされている。

    それでもフェルミューレンは、フェルスタッペン自身のメンタリティこそが重要な武器であり続けると見ている。

    「現時点では、我々は間違いなく満足している」と彼は語った。

    「本当に素晴らしいシーズンだったと思う。これから非常にチャレンジングな年が待っている。マックスはまだ若く、意欲もあり、そして今も非常に速い。だから、すべてはこれからだ」

    全面的なコミットメント
    エンジンそのものに加え、フェルミューレンはプロジェクトに対するレッドブルの本気度――資金面、技術面、そして文化的側面――にも手応えを感じているという。

    「良い人材のグループがある。レッドブル、そしてエンジン会社は完全にこのプロジェクトを支えている」と彼は締めくくった。

    「エンジン、風洞、ファクトリー設備に莫大な資金を投じ、すべてがゴーサインだ。だから、あとは見ていくだけだ」

    この「見ていくしかない」という一言こそ、現在の状況を最も端的に表している。自信は高まり、楽観論も芽生えているが、確信には至っていない。

    レッドブルとフェルスタッペンにとって、2026年へのカウントダウンはもはや約束の話ではない。やがてストップウォッチが、すべての答えを示すことになる。

  • レッドブルF1、マルコ退任後の発言をCEOが是正 批判を受けた判断を正当化

    レッドブルF1、マルコ退任後の発言をCEOが是正 批判を受けた判断を正当化

    2025年シーズン終了をもって歴史的な節目を迎えたレッドブル・レーシングでは、ヘルムート・マルコの退任が企業組織図上でも正式化された後も、その余波が続いている。レッドブルGmbH(チームの親会社)の最高経営責任者であるオリバー・ミンツラフは、最近相次いだ元モータースポーツ顧問による辛辣な発言から距離を置く姿勢を明確にした。

    82歳のマルコは、2025年シーズン限りでミルトンキーンズ拠点の体制を離れ、20年以上にわたるレッドブルとの関係に終止符を打った。

    オーストリア人のマルコはブランドのジュニアプログラムの中核人物として、チームをパドックの基準へと押し上げ、コンストラクターズタイトル6回獲得に貢献してきた。

    レッドブルが2005年シーズン前にジャガー・レーシングを買収して以降、マルコは17人のドライバーをF1に導いてきた。この数は、近く昇格予定のアービッド・リンドブラッドを含めれば18人に達する。その中には、いずれも4度の世界王者であるセバスチャン・ベッテルやマックス・フェルスタッペンが含まれ、若手育成の成功を象徴する存在となった。

    しかし、レッドブルを去るにあたり、マルコは沈黙を守らなかった。退任声明ではチームの経営陣を公然と批判し、7月のイギリスGP後に解任された元チーム代表のクリスチャン・ホーナーに対しても、正面から矛先を向けた。

    オランダ紙『デ・テレグラーフ』の取材に応じたミンツラフは、これらの発言は個人の見解に過ぎないと強調し、レッドブルとしての公式見解ではないと明確にした。

    「クリスチャンについてのこれらの言葉は、ヘルムート個人のものだ。私はクリスチャンについて否定的なことは何も言えない。彼はレッドブルにとって計り知れない存在だったからだ」と述べている。

    一方で、ホーナーとの決別がチームの将来像を見据えた判断であったことは認めた。

    「どんな組織でも、物事が以前ほど機能しなくなる時は来る。そのとき企業として、さらに時間を与えるのか、新しいリーダーを迎えるべきかを決断しなければならない。我々は変化の時だと判断した」と説明した。

    レッドブル F1

    マルコは、レッドブル内部で多くが変わり、その変化が正しい方向ではないとの見解を示しているが、ミンツラフはこれに同意しない。

    「私はヘルムートの発言には賛成できない。組織の中で物事が進化するのは当然だ。もしかすると、マルコ博士自身も年月とともに変わったのかもしれない」と反論した。

    大規模組織における内部変化は不可避だというのが、ミンツラフの立場だ。

    「5年前とまったく同じである必要はない。クリスチャンとヘルムートは2005年の初期から20年以上にわたり、非常に素晴らしい形で共に働いてきた」と語る。

    この二重の別れを歴史的文脈で捉えるべきだとも訴えた。

    「これほど長期間、同じ経営陣が続いた大規模スポーツ組織の例を挙げられるだろうか」。

    失敗と見るのではなく、異例の長寿体制だった点を評価すべきだという。

    「二人が同時に去ったことを非常にネガティブに捉えることもできる。しかし私は、これほど長く共に在り、これほど多くを成し遂げたこと自体が特別だと言いたい」。

    そして最後に、変化の必要性をこう締めくくった。

    「時には、物事を少し揺さぶるための変化が必要なだけなのだ」

  • 角田裕毅 レッドブルF1リザーブ就任で決意「チャンスが来たら全力でつかむ」

    角田裕毅 レッドブルF1リザーブ就任で決意「チャンスが来たら全力でつかむ」

    角田裕毅は、2026年シーズンに向けてレッドブルF1のリザーブドライバーという新たな役割に就くことについて、「チャンスが来たら全力でつかむ」と強い決意を示した。

    2025年シーズンをもってレースシートを失い、来季はレッドブルのサードドライバーとして帯同することになる角田裕毅。今季はマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして苦しい戦いを強いられ、シーズン終盤には去就を巡る憶測が絶えなかった。

    レッドブルはアブダビGPを前に、2026年シーズンからアイザック・ハジャーが角田裕毅に代わって加入することを正式に発表。好調なルーキーシーズンを送ったハジャーが昇格する形となった。

    角田裕毅は、初めてレースから離れた立場でF1に関わることについて、前向きな姿勢を示している。

    「違う視点、違う目線で来年を見られるのが楽しみです」と角田裕毅はRacingNews365を含むメディアに語った。

    「キャリアの中で初めて、レースをしていない年になります。今までは、みんなが走っている間にオフィスで座っていることはなかったので、こういう立場は経験がありません」

    「全体を俯瞰して見られますし、無線も聞けますし、各ドライバーが何をしているのかも分かる。自分が想像もしていなかったことをたくさん学べるかもしれないので、それが楽しみです」

    フルタイムシートは失ったものの、角田裕毅はフェルスタッペンやハジャーが欠場した場合、真っ先に代役として起用される立場にある。

    25歳の角田裕毅は、いつ訪れるか分からない出番に向け、準備を怠らない姿勢を強調した。

    「できる限り良いコンディションを維持し続けたいです」

    「もしチャンスが来たら、そのチャンスを全力でつかみにいきます。だからそれまではしっかりと状態を保って、待ち続けます」

    レースシートを失うという厳しい現実に直面しながらも、角田裕毅は新たな立場を成長の機会と捉え、次なる一歩に備えている。

  • ヘルムート・マルコ、正式にレッドブルF1の取締役を退任 会社登記から抹消

    ヘルムート・マルコ、正式にレッドブルF1の取締役を退任 会社登記から抹消

    ヘルムート・マルコは、レッドブル・レーシングの取締役職から正式に外れた。英国の会社登記(Companies House)に更新された書類により、マルコがレッドブル・レーシング、レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズ、レッドブル・アドバンスト・サービス、そしてレッドブル・パワートレインズの各社で取締役を解任されたことが確認された。

    マルコの後任として、長年レッドブルに在籍するアリステア・ルーが非業務執行取締役に任命された。

    ルーは2007年からレッドブル・テクノロジー(持株会社)の取締役を務め、2021年にはレッドブル・パワートレインズ、2022年以降はレッドブル・アドバンスト・テクノロジーズおよびレッドブル・アドバンスト・サービスの取締役にも就任している。

    最新の登記書類では、レッドブル・レーシングの取締役として、ルーに加え、今季途中にクリスチャン・ホーナーの解任を受けてチーム代表に就任したローラン・メキースの名も並ぶ。メキースは業務執行取締役として登録されている。

    今回の変更は、レッドブルGmbHがマルコのシニア・アドバイザー職からの退任を発表したことを受けたものだ。マルコは2005年のレッドブルF1参戦以来、チームのF1活動における中心人物の一人として長年にわたり影響力を持ってきた。

    その間、レッドブルは合計14回の世界選手権制覇を成し遂げている。2010年から2013年にかけてのセバスチャン・ベッテルによるドライバーズタイトル4連覇、そして2021年から2024年までマックス・フェルスタッペンが達成した同じく4連覇に加え、コンストラクターズタイトル6回を含む。

    ヘルムート・マルコ レッドブル F1

    マルコは退任に際し、次のような声明を発表している。

    「私はモータースポーツに60年以上関わってきたが、レッドブルで過ごした20年以上は、並外れていて、非常に成功した旅路だった。

    多くの才能ある人々と共に、物事を形作り、分かち合うことができたのは、本当に素晴らしい時間だった。

    我々が共に築き上げ、成し遂げたすべてのことを、誇りに思っている」

    さらにマルコは、2025年シーズンの結果が自身の決断に影響したことも明かしている。フェルスタッペンは2025年F1で5連覇に迫り、シーズン途中で104ポイント差を追う立場から、アブダビGPのチェッカー時点ではわずか2ポイント差まで巻き返した。

    この結果について、マルコはこう語った。

    「今季、世界選手権を惜しくも逃したことは、私の心を強く動かした。そして、個人的に、この非常に長く、濃密で成功した章を終えるのに、今が適切な時だと明確に感じさせた。

    チーム全員の今後の成功を願っているし、来年も再び両タイトルを争うことになると確信している」

    レッドブルは新体制のもとで、マルコ不在という大きな転換点を迎えることになったが、チーム内部ではすでに次の時代に向けた動きが本格化している。

  • フェルスタッペン「ナンバー2でもポイントが必要」 角田裕毅 レッドブルF1評価

    フェルスタッペン「ナンバー2でもポイントが必要」 角田裕毅 レッドブルF1評価

    マックス・フェルスタッペンは、2026年シーズンに向けてレッドブル・レーシングに加入するアイザック・ハジャーについて、F1における自身の明確な序列観を率直に語った。

    2026年シーズンに向けて、レッドブルF1は角田裕毅に代わり、アイザック・ハジャーを昇格させる判断を下した。

    初のシーズンをフェルスタッペンのチームメイトとして迎えるハジャーに対し、4度のワールドチャンピオンは、理想的なF1チーム運営の在り方について妥協のない見解を示している。

    フェルスタッペンはViaplayのインタビューで、2025年にマクラーレンがタイトル争いで代償を払ったのは、ドライバー間に明確なヒエラルキーを築かなかったことにあると指摘した。

    「もし自分がチーム代表なら、常に明確な序列、ナンバー1とナンバー2を設定する。1人で戦える状況なら、よりアグレッシブに攻められる。それがいつも自分の好みだ」

    2025年はランド・ノリスとオスカー・ピアストリが優勝とタイトルを争ったマクラーレンについて、フェルスタッペンはこう続けた。

    「マクラーレンは2人のタイトル候補を抱えていたから、戦略面でチャンスを逃した。もちろん、僕たちもそこから利益を得た。マクラーレンは時に保守的すぎたと思う」

    最終的にフェルスタッペンはノリスからわずか2ポイント差でシーズンを終えたが、タイトル争いが最後まで続いた大きな理由のひとつとして、マクラーレンが明確なリーダーを指名しなかった点を挙げている。

    それでもフェルスタッペンは、ナンバー2ドライバーの役割が決して軽視できないことも強調した。

    「ナンバー2でも、コンストラクターズ選手権のために十分なポイントを獲得しなければならない」

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング アイザック・ハジャー

    この発言は、2025年においてレッドブルがほぼフェルスタッペン1人の得点に依存していた状況を踏まえたものだ。

    こうした背景が、ハジャー昇格の理由を説明している。レッドブルのCEOであるオリバー・ミンツラフもこの判断を支持している。

    「アイザックはマックスの隣で走る機会を得た。それはレッドブルにとって完璧に理にかなっている。我々は最高の才能を、最高のポジションに配置する」

    一方、ハジャー自身も幻想は抱いていない。21歳のフランス人ドライバーは、数日前に非常に冷静な姿勢を示していた。

    「もちろん、マックスと同じくらい速くなりたい。でも、レッドブルに来てすぐ彼と同じレベルで戦えると思うのは危険だ。マックスと競える可能性は極めて低い。最初の数か月は自分が遅いと受け入れたほうがいい。そうすれば、自分に集中できるし、彼のテレメトリーデータを分析して、どこでタイムを失っているのかを正確に理解できる」

    ハジャーはフランス国内でも強力な後ろ盾を得ている。Canal+の特集の中で、アラン・プロストがその人格と個性を高く評価した。

    「彼は非常に強い個性を持っている。だから、誰かに似る必要はない。それが全員に好かれるとは限らないが、彼の振る舞い、そしてそこから生まれるパフォーマンスを見るのは本当に興味深い」

    プロストは、F1におけるプレッシャー管理について、個人的にハジャーを支援する意思まで示している。

    「マシンのセッティングについてアドバイスすることは決してない」と4度の世界王者は笑顔で語った。

    「でも、自分が経験してきたこと、プレッシャーの扱い方についてなら、彼のためにやるつもりだ。彼のことが好きだからね」

  • F1エンジン圧縮比疑惑 レッドブルF1移籍のメルセデス技術者から技術漏洩?

    F1エンジン圧縮比疑惑 レッドブルF1移籍のメルセデス技術者から技術漏洩?

    2026年F1パワーユニットの圧縮比を巡って浮上しているメルセデスの技術的疑惑について、伊コリエレ・デッロ・スポルト紙がより踏み込んだ内幕を伝えている。それによれば、約7か月前、メルセデスのエンジニアがレッドブル・パワートレインに移籍した際、この仕組みを伝えたとされ、レッドブルは再現を試みたという。

    この移籍エンジニアを通じて伝えられた内部情報を起点に、V6エンジンの圧縮比が走行時に規定値を超えているのではないかという疑念が広がっている。

    FIAは現時点で明確な否定を行っておらず、事実関係次第ではメルセデスPUを使用する複数チームを巻き込む深刻な問題へと発展する可能性がある。

    メルセデスPUを巡る疑惑が拡大 FIAは「禁止」か「容認」かの岐路に
    2026年F1パワーユニットを巡る“圧縮比問題”が、ここに来て一気に緊迫度を増している。メルセデスおよびレッドブルが、新レギュレーション下で想定以上の性能を引き出す手法を見つけたのではないかという疑惑について、チーム側もFIAも明確な否定を行っていないからだ。FIAは水面下で状況を注視していることを認めており、問題は収束するどころか拡大の様相を見せている。

    焦点はV6エンジンの「圧縮比」
    問題の核心は、内燃機関V6の圧縮比にある。圧縮比とは、ピストンの上下運動によってシリンダー内の混合気をどれだけ圧縮できるかを示す重要な指標で、エンジン効率と出力に直結する要素だ。一般に圧縮比が高いほど効率は向上し、同じ燃料量からより多くの出力を得られる一方、部品にはより大きな熱・機械的ストレスがかかる。

    2026年F1レギュレーションでは、電動出力が大幅に増加するのに伴い、内燃機関側の性能を抑制する目的で、圧縮比の上限が従来の18から16へと引き下げられた。

    しかし検証は「冷間状態」で行われるとされており、エンジンが作動して高温状態になると、コンロッドやクランクシャフト、ピストンなどの熱変形によって、実質的な圧縮比が変化する可能性がある。この点に着目し、走行時には事実上18相当の圧縮比に戻る仕組みを構築したのではないか、というのが今回の疑惑だ。

    「決定的な違い」 メルセデスは規定に戻せない可能性
    この問題が事実であれば、影響はメルセデスのワークスチームに留まらない。メルセデスPUを使用するマクラーレン、ウィリアムズ、アルピーヌも同様に直撃を受けることになる。

    伊コリエレ・デッロ・スポルト紙は、この点に決定的な違いがあると指摘する。レッドブルは規定の圧縮比16に戻す余地を残している一方で、メルセデスはすでに1年以上このコンセプトで開発を進めており、もはや規定内の仕様に戻せない可能性がある、というのだ。

    エンジン F1レギュレーション メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    FIAは「禁止」か「容認」か 浮上する妥協案
    報道によれば、先週木曜日にFIA(国際自動車連盟)で全体会議が開かれ、フェラーリやホンダを中心とする他メーカーが強く説明を求めたという。レッドブル自身やアウディも含め、状況に不満を抱く陣営は多い。

    FIAは現在、難しい選択を迫られている。システムを違反と認定すれば、メルセデスPU勢4チームが2026年シーズンに参戦できなくなる可能性がある。一方で、これを容認すれば、他チームからの抗議や、後日の失格処分といった混乱が避けられない。

    そこで浮上しているのが妥協案だ。2026年シーズンに限り、メルセデスPU勢に非適合エンジンでの参戦を認める代わりに、「2027年には必ず規定に完全適合させる」という正式な保証を求めるというものだ。

    しかし、この案は他チームの理解を得られておらず、現時点ではどの陣営も納得していないとされる。

    2026年F1の幕開けを前に、パワーユニットを巡る問題は単なる技術論争の域を超え、シリーズ全体を揺るがしかねない政治的・競技的危機へと発展しつつある。FIAの判断次第で、F1の勢力図そのものが大きく変わる可能性がある。

  • マックス・フェルスタッペン「全車検査すればF1グリッドの半分は失格」

    マックス・フェルスタッペン「全車検査すればF1グリッドの半分は失格」

    2025年F1シーズンでは、決勝後の車検で5台が失格となった。中国GPではフェラーリ2台、さらにピエール・ガスリー(アルピーヌ)、そしてラスベガスGPではマクラーレン2台がスキッドブロック摩耗の規定違反で失格となっている。

    これを受け、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは、FIAが全20台を毎戦詳細に検査すれば「半分は確実に下限を下回っている」と主張した。

    フェルスタッペンは、ラスベガスでのマクラーレン2台の失格がタイトル争いを大きく動かしたと語る。このレースでランド・ノリスとオスカー・ピアストリは2位と4位でフィニッシュしたものの、失格によりそれぞれ18点と12点を失った。

    その結果、フェルスタッペンは残り2戦を前にノリスから24ポイント差、ピアストリとは同点となり、カタールGPとアブダビGPでの連勝によって、最大104ポイント差を追い上げて最終的にタイトル争いを2ポイント差まで縮めた。

    「僕にとっては早めのクリスマスプレゼントだった」とフェルスタッペンはViaplayに語った。

    「少なくとも、少しは面白くなった。そうでなければ、アブダビがあそこまで接戦だなんて話題にならなかったはずだ」

    「F1にとってもポジティブだったと思うし、僕にとってもそうだ」

    ラスベガスでは通常の重量測定だけでなく、より詳細な検査が行われた。FIAテクニカルデリゲートのジョー・バウアーは、マクラーレンをスチュワードに付託。ノリスのマシンはフロント右が8.88mm、右リアが8.93mmと、規定の9mmを下回っていた。ピアストリもフロント左8.96mm、フロント右8.74mm、右リア8.90mmと、3か所で違反が確認された。

    フェルスタッペンは、こうした検査が全車に及べば、失格はさらに増えると考えている。

    「もちろん、みんな限界を探る。僕たちは全員そうだ」とフェルスタッペンは説明した。

    「そして時には、うまく逃げ切れることもある。毎回チェックされるわけじゃないからね」

    「毎レースそれをチェックしたら、半分は確実に下限を下回っていると思う」

    ただし、全車に対する詳細検査は現実的ではないとも認める。

    「無理だね。そうしたら大量の人員が必要になる。それは現実的じゃない」

    この“ランダム性”については、マクラーレンのダブル失格直後にアレクサンダー・アルボンも問題視していた。アルボンは、現行の検査体制が、違反のリスクを承知で限界を攻める余地を与えていると指摘している。

    「正直言って、やろうと思えば、デッキまで下げて走らせることもできる。検査されなければ合法のままだ。でも、そうなると全員が違法なパフォーマンスを追いかけることになる」とアルボンはPlanetF1.comなどの取材に答えた。

    「僕にとって一番嫌なのは、ランダムであることだ。むしろ毎週20台すべてをチェックした方が、フェアな戦いになると思う」

    「でも、今のランダム方式は少し厄介だ」

    「ただ、ルールはルールだけどね」

    2025年F1で相次いだ失格と、その検査体制を巡る議論は、フェルスタッペンとアルボンの発言によって改めて注目を集めることになった。

  • アイザック・ハジャー レッドブルF1昇格のメディア露出増加は「鬱陶しいだけ」

    アイザック・ハジャー レッドブルF1昇格のメディア露出増加は「鬱陶しいだけ」

    アイザック・ハジャーは、レッドブル・レーシング昇格に伴う“代償”が何かをすでに理解している。オーストリアの名門で迎える初のシーズンを前に、21歳のフランス人は、新たな立場に付随するメディア露出の増加について「正直、ただただ鬱陶しい」と率直に認めた。

    F1での初年度はとりわけ説得力のある内容だった。レーシングブルズでのシーズンを終え、ドライバーズランキングのトップ10に肉薄。

    1度の表彰台と、さらに10回のポイントフィニッシュを積み上げ、シーズンを通して最も印象的なルーキーとして存在感を放った。その結果、レッドブル陣営内での昇格論は自然な流れとして加速していった。

    その昇格は最終戦アブダビを前に正式発表された。レッドブル・レーシングは、角田裕毅に代わり、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてハジャーを起用すると公表した。

    レッドブル・レーシングのドライバーであることは、必然的により高い期待と注目を意味する。とりわけ、この“難しいシート”で結果を出せずに苦しんだ前任者たちの歴史を踏まえれば、注視の度合いは一層強まる。そうした状況を前に、増える名声と関心に耐えられるかと問われたハジャーは、遠回しな表現を一切使わなかった。

    「いいや」とハジャーは言い切った。「正直、ただ鬱陶しいだけだ」

    どう対処するつもりかと促されると、今度はユーモアを交えてこう続けた。

    「消えるためのプランはあるよ。マスクを着けるとか、分からないけど……」

    アイザック・ハジャー F1 レッドブル・レーシング

    ルーキーイヤーを終え、ハジャーはレーシングブルズという章に区切りをつける。同チームは、和やかな雰囲気と結束を重んじる文化で知られ、とりわけSNS上ではその空気感が色濃く表れていた。

    リアム・ローソンとともに、ハジャーはしばしば遊び心のあるコミュニケーションにも参加してきた。ユーモア動画やミームの再現、意図的に肩の力を抜いたやり取りなど、極めて競争的な世界に“余白”を持ち込む試みだった。

    そうした雰囲気の一部を恋しく思う気持ちは認めつつも、ハジャーの優先順位ははっきりしている。

    「来年は、ずっとシリアスになる。レーシングブルズは家族的なチームだ。でも同時に、僕はふざけるためにここにいるわけじゃない」

    「楽しむのは家に帰って友達とやる。サーキットでは仕事をするためにいる。それはまったく苦じゃない」