カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • フェルスタッペンが音で評価 レッドブル2026年F1エンジンは「クリスプだった」

    フェルスタッペンが音で評価 レッドブル2026年F1エンジンは「クリスプだった」

    2026年F1レギュレーションという大きな転換点に向け、各チームの新型パワーユニットが少しずつ姿を現し始めている。

    メルセデスや、ホンダと組むアストンマーティンはすでにSNS上で新エンジンのサウンドを公開しているが、フォードと提携するレッドブルの自社製パワーユニットは、いまだベールに包まれたままだ。

    その中で、マックス・フェルスタッペンがファンに向けて“最初のレビュー”を口にした。ただし、それはラップタイムでもトルクカーブでも、エネルギー回生のグラフでもない。彼が語ったのは、音だった。

    2026年からF1は、内燃機関と電動出力を50:50で分ける新時代に突入する。その中で、エンジンサウンドが話題になるという、いかにもシーズンオフらしい光景が広がっている。

    「クリスプだった」フェルスタッペンの率直な第一声
    フェルスタッペンは「Talking Bull」ポッドキャストに出演し、レッドブル・パワートレインズが開発中の新パワーユニットについて、ごく簡潔な評価を下した。

    「うん、いい音だったよ。もちろんダイナモ上で聞いたものだけど、音がクリスプ(輪郭がはっきりしていて、濁りやこもりのない、歯切れの良い音という意味)だった。実際に音そのものを開発したのかは分からないけど、いい音をしていた」

    世界王者らしい、余計な装飾のない言葉だ。「衝撃的だ」とも「タイトルを獲れる」とも言わない。ただ“クリスプ”。その一言に、どこかでレッドブルのエンジニアが静かにうなずいたかもしれない。

    フェルスタッペン レッドブル F1 エンジン

    音が語られ始める、F1オフシーズンの風物詩
    F1の暦の中で、この時期はエンジンサウンドが、あたかも選手権の行方を占う材料のように扱われる瞬間でもある。シミュレーションや信頼性テスト、空力相関よりも、「速そうに聞こえるかどうか」が語られる。

    ダイノでの録音が、まるでポールラップのオンボード映像のように分析され、「クリスプ」という言葉が、技術指令一本分以上の重みを持ってしまう。まさにスローニュースデーの象徴だ。

    それでも、わずかな差にすべてを賭けるF1という世界では、エンジンの“音色”ですら議論の火種になる。そして、それが現王者のマシンに関わるものであれば、なおさら注目を集めることになる。

  • 2026年F1エンジン戦争 アウディがレッドブル・フォードに勝つための時間軸

    2026年F1エンジン戦争 アウディがレッドブル・フォードに勝つための時間軸

    2026年F1レギュレーションを前に、新たにパワーユニットメーカーとして参戦する2陣営――アウディF1とレッドブル・パワートレインズ・フォード。その比較について、アウディF1プロジェクトを率いるマッティア・ビノットが率直な見解を示した。

    ビノットは、短期的にはレッドブル・パワートレインズ・フォードが「より特化したスキル」を持っていると認める一方で、「アウディというブランドのバックグラウンドと、その知識が長期的には確実に差を生む」と語っている。

    2026年F1規則と新規メーカー参戦
    2026年F1は、マシンの小型・軽量化、アクティブエアロの導入、そして電動比率50%のパワーユニットという大きな転換点を迎える。F1史上でも屈指の大改革であり、これが新規メーカー参戦を後押しした。

    フォードはレッドブルと提携し、レッドブル・パワートレインズ・フォードとして参戦。一方、アウディはザウバーを母体としてF1ワークス体制を構築している。チーム代表にはジョナサン・ウィートリーが就任し、組織作りは着実に進められている。

    「正しい道」を進むアウディF1
    ビノットはロイターの取材に対し、アウディF1の現状を次のように説明した。

    「プロジェクトは正しい道を進んでおり、正しい方向性にある。信頼性も少しずつ築けている」

    アウディF1は、カタール投資庁(QIA)の出資を受け、さらにRevolutとのタイトルスポンサー契約も締結した。これにより、F1参戦への本気度を疑問視する声は沈静化したとビノットは語る。

    「社員にとっては非常に明確だ。我々は拡大し、長期的に投資している。現在行っている投資はすべて長期プロジェクトで、パフォーマンスという形で成果が見えるのは3年から4年後になる」

    短期の現実と2030年を見据えた戦略
    ビノットは、2026年シーズンからいきなりトップに立つことは想定していないことも明言している。

    「来年、最高のエンジンを持つとはまったく思っていない。我々は来年、サプライズを起こすつもりはない」

    アウディF1は、2030年を本格的なタイトル争い参入の目標年に据えている。

    レッドブル側の即効性とアウディの対抗軸
    レッドブル・パワートレインズ・フォードについては、クリスチャン・ホーナーが「メルセデスから200人以上の人材を引き抜いた」と語っており、即戦力となる専門家の集積が短期的な強みになるとされる。

    この点についてビノットも、次のように認めている。

    「彼らは、より特定分野に特化したスキルを持っている。ただし、我々にはアウディというメーカーのバックグラウンドがあり、その知識は長期的には確実に差を生む」

    アウディ F1 エンジン

    ザウバーを基盤とする現場の手応え
    アウディF1の基盤となるザウバーは、2025年シーズンに70ポイントを獲得。ドライバーはニコ・ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレトのコンビで、アウディF1時代へと移行する。

    ヒュルケンベルグは、チームの成長と統合についてこう語っている。

    「今年の進歩は本当に良かった。チームとしての働き方やコミュニケーション、オペレーション面で大きな改善が起きている。決して悪い位置にはいない」

    さらに、今後の課題として、新パワーユニット部門とヒンヴィルのレースチームをどう統合していくかが重要になると指摘した。

    “即効性”か“蓄積”か
    即戦力の専門人材を大量に集めたレッドブル・パワートレインズ・フォードと、巨大自動車メーカーとしての研究開発の蓄積を武器にするアウディF1。両者のアプローチは対照的だ。

    2026年の初期段階では明確な差が見える可能性はあるが、ビノットの視線はさらに先にある。最終的に差を生むのは、短期的な成果ではなく、長期的な知識と開発力の積み重ねになる。

  • 角田裕毅はなぜレッドブルF1から動けなかったのか 契約が縛ったキャリア

    角田裕毅はなぜレッドブルF1から動けなかったのか 契約が縛ったキャリア

    角田裕毅のレッドブルF1でのレギュラードライバーとしてのキャリアは、アブダビGPで事実上の終焉を迎えた。最終戦ではマックス・フェルスタッペンのレースを支える役割に回り、結果的にチームは2026年に向けてアイザック・ハジャーを昇格させる決断を下した。

    この判断により、角田裕毅は2025年シーズンをテスト兼リザーブドライバーとして過ごすことになる。

    トップチームにおけるリザーブの存在は、シミュレーター開発や緊急時のバックアップとして重要視されるが、同時にそれはフルタイムのシートを失ったことを意味する。

    レッドブルに縛られ続けたキャリア
    角田裕毅のF1での歩みは、デビュー当初からレッドブルと切っても切れない関係にあった。2024年の段階ですでに、チームは契約更新オプションを行使しており、他チームが関心を示していたにもかかわらず、彼はレッドブルの枠内に留まることになった。

    レーシングブルズでも状況は好転しなかった。シーズン後半にかけてリアム・ローソンが評価を高め、マシンへの信頼を取り戻した一方で、角田裕毅には新たな選択肢が残されなかった。結果として、トップチームにも姉妹チームにも居場所を見出せない立場に追い込まれていった。

    角田裕毅 レッドブル F1

    「契約がすべてだった」角田裕毅の率直な言葉
    アブダビで自身の状況について語った角田裕毅は、他チームと交渉できなかった理由を率直に明かしている。

    「僕の契約があったので、正直できることはあまりありませんでした。外部からの関心はいくつかありましたが、契約上、他のチームと話すことはできませんでした。ですので、完全にレッドブルに集中していました。ここ数年はそれが僕の優先事項でしたし、レッドブルは僕が育ってきた場所なので、そういう状況でした」

    このコメントが示す通り、角田裕毅は“選ばれなかった”だけでなく、“動けなかった”ドライバーでもあった。仮に他チームが興味を示していても、契約の壁が交渉の入り口を閉ざしていた。

    シートは失ったが、関係は続く
    最終的にレッドブルF1が下した結論は明確だった。レギュラーシートは与えないが、組織の一員としては残すという判断である。この決断は、角田裕毅にとって即時的なキャリア再建の道を閉ざす一方、F1の現場に踏みとどまる可能性を残すものでもある。

    レッドブルに育てられ、レッドブルに縛られた数年間。その関係は形を変えながらも続いていく。今回のリザーブ就任は、終わりであると同時に、次の機会を待つ時間の始まりでもある。

  • F1チーム代表が選ぶ2025年ベストドライバーはマックス・フェルスタッペン

    F1チーム代表が選ぶ2025年ベストドライバーはマックス・フェルスタッペン

    マックス・フェルスタッペンは、F1公式サイトが毎年実施している年次投票において、F1のチーム代表たちから5年連続でドライバー・オブ・ザ・イヤーに選出された。

    2025年のF1世界選手権は最終的にチャンピオンシップをわずか2ポイント差で逃したが、それでもなお、そのパフォーマンスはチーム代表たちから最も高く評価された。

    この投票は、F1グリッドに参戦する10チームすべての代表に対し、個人のランキングは非公開としたうえで、その年のトップ10ドライバーを選出するリストの提出を求める形式で行われる。その後、現行のF1ポイント制度に基づき、各順位に得点を割り当て、1位には25ポイント、10位には1ポイントを付与。全代表のスコアを合算することで最終ランキングが決定される。

    直近9戦で6勝を挙げる圧巻の終盤戦を見せたマックス・フェルスタッペンは、チーム代表たちから最も多くの支持を集め、トップの座を確保した。2位には、2025年F1ワールドチャンピオンで今季7勝を挙げたランド・ノリスが続いた。

    選手権序盤のペースセッターだったオスカー・ピアストリは、代表投票で3位に選出され、最終的なドライバーズランキングと同じ評価を受けた。メルセデスのジョージ・ラッセルは4位に入り、昨年のこの投票から2つ順位を上げた。2勝と7回の表彰台を獲得した力強いシーズンが評価された形だ。

    フェルスタッペンが示した存在感
    11月30日に行われたカタールGP(ルサイル・シティ)では、フェルスタッペンが勝利を挙げ、シーズン終盤にかけての猛烈な追い上げを象徴する一戦となった。F1のチーム代表たちは、こうした一貫した強さと勝負強さを理由に、再びフェルスタッペンを年間最高のドライバーとして選出している。

    中団から上位まで広がった評価
    5位にはフェルナンド・アロンソが入った。自身にとって最も強いシーズンとは言えなかったものの、ドライバビリティの難しいアストンマーティンを操った走りが印象に残り、昨年から4つ順位を上げた。

    6位にはカルロス・サインツJr.が続いた。後半戦に2度の表彰台を獲得するなど、シーズン終盤に存在感を示した点が評価された。7位はシャルル・ルクレールで、勝利のない難しいシーズンとなったフェラーリでの戦いが反映された結果となった。

    8位にはオリバー・ベアマンが入り、今回のランキングで最高位の新顔となった。さらに、2026年からレッドブル加入が決まっているアイザック・ハジャーもトップ10に名を連ね、レーシングブルズでの力強いデビューシーズンが評価された。トップ10の最後は、239戦目にして初表彰台を獲得したニコ・ヒュルケンベルグが締めくくっている。

    ルイス・ハミルトンはトップ10圏外
    一方で注目を集めたのが、ルイス・ハミルトンの不在だ。2025年シーズン開幕前、メルセデスからフェラーリへの移籍は大きな話題を呼び、マラネロでの新章に高い期待が寄せられていた。しかし結果として、ハミルトンはF1キャリアで初めて未勝利かつノーポディウムのシーズンを終え、全24戦を戦った末のドライバーズランキングは6位にとどまった。

    こうした成績を背景に、各チーム代表が独自に選出するトップ10ドライバー投票では、ハミルトンの名前は最終リストに含まれなかった。チーム代表たちの評価という形で、2025年シーズンの苦戦が明確に示された結果と言える。

    投票に参加したチーム代表
    今回の投票には、アンドレア・ステラ、トト・ヴォルフ、ジェームス・ボウルズ、アラン・パーメイン、アストンマーティンのシニア・リーダーシップ・チーム、小松礼雄、ジョナサン・ウィートリー、そしてスティーブ・ニールセンが名を連ねている。

    フェルスタッペンの5年連続受賞と、ハミルトンのトップ10圏外という対照的な結果は、2025年シーズンの勢力図とチーム代表たちの評価の変化を端的に示すものとなった。

    マックス・フェルスタッペン F1チーム代表 2025年のF1世界選手権

  • 角田裕毅 レッドブルF1シート喪失後も「モチベーションは非常に高い」

    角田裕毅 レッドブルF1シート喪失後も「モチベーションは非常に高い」

    角田裕毅は、レッドブルのシートを失ったにもかかわらず、来季に向けた自身のモチベーションは「非常に大きい」と語った。

    角田裕毅は2026年に向けて、レッドブル・レーシングのシートを失い、大きく異なる立場に直面することになった。レッドブルは、レーシングブルズで印象的なルーキーシーズンを過ごしたアイザック・ハジャーを昇格させ、角田裕毅に代えて起用する決断を下した。

    日本人ドライバーである角田裕毅は、2026年F1の新パワーユニット規則が導入される最初の年に、レッドブルのテスト兼リザーブドライバーを務めることになり、グリッドからは姿を消すことになる。

    角田裕毅がF1グリッドにいなかったのは2020年が最後で、アルファタウリからF1デビューを果たしたのは2021年だった。22戦でわずか33ポイントしか獲得できなかったことから、シート喪失は避けられない流れになりつつあった。

    それでも、完全にグリッドから外れる結果になったのは不運だったと言える。角田裕毅は、姉妹チームのシートを巡りリアム・ローソンと直接競り合う立場にあったからだ。

    最終的に、2026年に向けてレーシングブルズに残留する契約を手にしたのはリアム・ローソンだった。この決定により、角田裕毅はモータースポーツの頂点への復帰を願いながら、将来を見据える立場となった。

    25歳の角田裕毅は、今回の出来事に失望していることを認めつつも、今後に向けたモチベーションが衰えることはないと強調している。

    「僕はまだ25歳なので、成長できる余地はたくさんあります」と角田裕毅はDAZN日本版に語った。

    「これはまだ始まりにすぎません」

    「もしかしたら新しい章が始まろうとしているのかもしれませんが、ここから自分がどう成長していけるのかを見るのが楽しみです」

    「これまで見られなかったものを見る機会も得られますし、違う視点から学ぶこともできます。それをとても楽しみにしています。来年に向けた僕のモチベーションは非常に高いです」

  • マックス・フェルスタッペンの相棒ランビアーゼ争奪戦にウィリアムズF1参戦?

    マックス・フェルスタッペンの相棒ランビアーゼ争奪戦にウィリアムズF1参戦?

    ウィリアムズF1が、レッドブル・レーシングでマックス・フェルスタッペンを長年支えてきたレースエンジニア、ジャンピエロ・ランビアーゼの獲得に向け、アストンマーティンF1と並んで動いていることが明らかになった。

    英伊二重国籍を持つランビアーゼについては、日曜日にThe Raceが、アストンマーティンF1への移籍の可能性を報じていた。シルバーストンを拠点とする同チームでは、将来的にCEOやチーム代表へと発展する可能性を含むシニアポジションでの起用が検討されているとされる。

    これに対し、オートスポーツ誌は、2025年シーズンを競争力ある形で終えたウィリアムズF1も、ランビアーゼ獲得に向けて候補に浮上していると伝えた。グローブを拠点とするチームは、来季以降を見据えた体制強化の中で、同氏を重要な補強対象と位置づけているという。

    さらに放送局ラジオボックスは、クリスマス前にウィリアムズF1が、チーム代表ジェームス・ボウルズ体制のもとでランビアーゼと合意寸前まで話を進めていたと報じている。ただし、アストンマーティンF1との接触がこの流れを鈍らせ、現在は中団勢同士による獲得レースに発展している可能性がある。

    アストンマーティンF1が持つ優位性
    アストンマーティンF1が優位に立つ要素は複数あると見られている。まず、資金面での制約が比較的小さい点に加え、競技的な将来性も魅力となり得る。

    ランビアーゼは、マネージング・テクニカル・パートナーであり、次期チーム代表就任が見込まれているエイドリアン・ニューウェイから高く評価されているとされる。両者は、ニューウェイが昨年レッドブル・レーシングを離れる以前に、同チームで共に働いていた関係にある。

    この関係性は、ランビアーゼと私生活でも親しいマックス・フェルスタッペンを、将来的にレッドブル・レーシングから引き抜く構想とも結びつく可能性があると指摘されている。

    マックス・フェルスタッペンとジャンピエロ・ランビアーゼ F1 ウィリアムズ・レーシング

    またランビアーゼは、F1キャリアの初期をジョーダンでスタートさせ、その後ミッドランド、スパイカー、フォース・インディアで経験を積んできた。これらはいずれも、現在のアストンマーティンF1へと連なる系譜のチームであり、実質的に過去に在籍した環境へ戻る形にもなる。

    一方で、レッドブル・レーシング内部では、ランビアーゼをグランプリ全戦への帯同を必要としない新たな役割へ配置転換する可能性も取り沙汰されている。

    実際、直近シーズンでは私的理由によりオーストリアGPとベルギーGPを欠場し、その間はサイモン・レニーがピットウォールで代役を務めていた。

    こうした状況を背景に、アブダビGP決勝後、フェルスタッペンが勝利を挙げた一方でタイトルを逃した場面では、45歳のランビアーゼがピットウォールで感情をあらわにする姿が確認され、レッドブル・レーシングでの将来を巡る憶測が一段と強まることになった。

  • 角田裕毅 レッドブルF1での失敗論を否定「精神面で最も成長した一年」

    角田裕毅 レッドブルF1での失敗論を否定「精神面で最も成長した一年」

    角田裕毅は、2025年にレッドブルF1で結果を残せなかったという見方について、それが自身のパフォーマンスに悪影響を及ぼしたことはなかったと強調した。

    2025年シーズン、角田裕毅はシーズン序盤にレッドブルF1のトップチームへ昇格した。リアム・ローソンの不振と、レーシングブルズでの角田裕毅の好調な走りが重なり、シーズン開幕からわずか2戦でドライバー交代が実施された。

    しかし、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして過ごした期間において、角田裕毅は決定的な印象を残すには至らなかった。

    25歳の角田裕毅にとって、そのシートはF1グリッドでも屈指の難しさを誇るものだった。レッドブルのマシンは再び、セカンドドライバーが安定して性能を引き出すことが極めて難しい特性を示していた。

    予選での不振を中心に厳しい結果が続いたにもかかわらず、角田裕毅は2025年が自身にとって重要な学習の年だったと語っている。

    「この一年は、自分が一番成長できたシーズンだったと思っています。人としても、ドライバーとしてもです」と角田裕毅はDAZN Japanに語った。

    予選で露呈した課題と高まるプレッシャー
    シーズン当初から、角田裕毅の最大の課題は一発の速さだった。Q1やQ2での敗退が繰り返され、レース週末は常に不利な状況からのスタートを強いられた。

    その結果、ポイント獲得のチャンスは限られ、シーズンが進むにつれて流れを築くことはますます困難になっていった。

    同時に、将来を巡る憶測も週を追うごとに強まり、精彩を欠く走りがさらなる批判と注目を呼ぶ構図が続いた。

    角田裕毅 レッドブル・レーシング F1

    それでも、2026年シーズンはレッドブルF1のリザーブドライバーとして過ごす予定の角田裕毅は、こうした外部の雑音が自身の集中力を乱すことはなかったと断言している。

    「メンタル面では本当に大きく前進できた一年でした。とても強度の高いシーズンだったと思います」と角田裕毅は説明した。

    「感情のコントロールという面では、何が起きても自分をリセットできていました」と角田裕毅は続けた。

    「常に自分のパフォーマンスに集中することができて、やるべきことをしっかりとやり遂げられたと思います」と角田裕毅は語った。

    「マネージャーやコーチの支えもありましたし、精神的なプレッシャーや外部からの影響に左右されることはありませんでした」と角田裕毅は締めくくった。

    レッドブルF1での厳しい経験を経て、角田裕毅は結果以上に、自身の内面的な成長を強く実感している一年だったことを明確にしている。

  • 「フェルスタッペンと戦えるのは一人だけ」元F1ドライバーが挙げた意外な名前

    「フェルスタッペンと戦えるのは一人だけ」元F1ドライバーが挙げた意外な名前

    同じマシンでマックス・フェルスタッペンと競り合えるF1ドライバーは、グリッド上でただ一人しかいない。それはシャルル・ルクレールだ。

    そう語るのは元F1ドライバーのリカルド・パトレーゼで、ランド・ノリスが新たなワールドチャンピオンであることは認めつつも、フェラーリのドライバーだけがフェルスタッペンと同じレベルにあると主張している。

    リカルド・パトレーゼ「たとえ新チャンピオンがノリスであっても……」
    フェラーリ在籍7年目となるルクレールだが、ドライバーズ選手権のタイトル争いを本格的に繰り広げたことは、いまだに一度もない。

    ルクレールは2019年、メルセデス時代の終盤にフェラーリへ加入した。その時代、彼の新たなフェラーリのチームメイトであるルイス・ハミルトンは、メルセデスのカラーでタイトルを独占していた。

    やがてメルセデスの支配に終止符を打ったのがレッドブルとフェルスタッペンであり、オランダ人ドライバーは2021年のタイトルをホイール・トゥ・ホイールの激闘の末にハミルトンから奪い取った。こうして「フェルスタッペン時代」が始まった。

    しかしその時代も、今季はマクラーレンとノリスがダブルタイトルを獲得したことで終焉を迎えた。ノリスはフェルスタッペンに2ポイント差でタイトルを制している。

    ルクレールは、2022年にフェルスタッペンに次ぐ2位、そして2024年にはフェルスタッペンとノリスに次ぐ3位でシーズンを終え、2度ランキング上位に入ったものの、真のタイトル争いを仕掛けたことはない。ランキング2位だったシーズンでさえ、フェルスタッペンとの差は146ポイントにも及んでいた。

    マックス・フェルスタッペンとシャルル・ルクレール

    だが元ドライバーのパトレーゼによれば、その責任はルクレールではなく、彼に世界タイトルを争えるマシンを与えてこなかったフェラーリにあるという。

    実際、71歳のパトレーゼはルクレールを高く評価しており、フェルスタッペンと戦えるドライバーは彼しかいないと断言している。

    「どこにサプライズがあるというんだ?」と、パトレーゼはイタリア人ジャーナリストのレオ・トゥリーニに語った。

    「たとえ新チャンピオンがノリスであっても、絶対的な天才であるフェルスタッペンと戦える唯一のドライバーはカルレット(Carletto/親しみを込めたシャルル)だ」

    「彼は常に戦っている。だがスクーデリアの事情で、これまで一度も正しいマシンを手にしたことがない。シャルルは勝利に飢えている。彼が感じているフラストレーションは理解できるし、数少ないミスも、勝ちたいという強烈な欲求の裏返しなんだ」

    ルクレールのチームメイトであるルイス・ハミルトンについても、パトレーゼは、正しいマシンさえあれば史上最多となる8度目のタイトルを争えると確信している。その8度目のタイトルは、本来ならすでに手にしているべきだったとも付け加えた。

    「ルイスはF1のあらゆる記録を塗り替えたドライバーだ。7度のワールドチャンピオンだが、我々は皆、2021年アブダビで8度目のタイトルを奪われたことを知っている。

    「彼のようなドライバーには、競争力のあるマシンを与えなければならない。そうでなければ崩れてしまう。最強チームに少しでも近いフェラーリにルイスを乗せてみれば、彼が今でも戦っている姿が見られるはずだ」

  • フォード、レッドブルの2026年F1エンジンは「社内で設定した目標を達成」

    フォード、レッドブルの2026年F1エンジンは「社内で設定した目標を達成」

    フォードは、レッドブル・レーシングと共同開発する2026年F1向け新パワーユニットについて、社内で設定した目標を達成していると明かした。一方で、初の実走テストとなるバルセロナでの非公開テストを前に「一定の緊張感は常にある」と率直な心境も語っている。

    2026年からレッドブルは、ホンダとの成功した提携を経て、自社製PUにフォードが技術パートナーとして加わる体制で参戦する。

    フォード・パフォーマンスのグローバルディレクターであるマーク・ラッシュブルックは、メルセデスF1のトト・ヴォルフが指摘した「エベレストに挑むようなもの」という評価に理解を示しつつも、ミルトンキーンズでの準備は可能な限り最適化されてきたと強調した。

    初実走となるバルセロナテストへの緊張感
    「計画通りに進めてはいるが、すべては実際にクルマに搭載し、サーキットを走らせた時に初めて分かる」とラッシュブルックは英オートスポーツ誌であるAutosportの独占取材で語った。
    「最初のテスト初日は非常に重要だし、その週全体が重要になる。過去3年間の努力がどのように結実するのかを確認する場だからだ」

    非公開で行われるバルセロナのウインターテストを前に、神経質になっているかと問われると、「新車や新エンジンが初めて走るときには、常にある程度の緊張や期待がある」と認めている。設計やハード評価、キャリブレーションはコンピュータやラボで高精度に行えるが、「実際のサーキットで一体となったときに、ラボでは見えなかった何かが必ず見えてくる」と述べた。

    出力・信頼性からドライバビリティ重視へ
    開発は段階的に進められてきた。まず出力を引き上げ、次に信頼性を目標水準まで高め、その後さらに出力を引き出すという手順だ。
    現在は、出力や信頼性だけでなく、ドライバビリティ、すなわちドライバーが感じる扱いやすさやソフトウェア/キャリブレーション面の完成度に重点が移っている。

    「出力、パフォーマンス、信頼性、そしてドライバビリティだ。プログラム初期に設定したタイムラインは達成できている」とラッシュブルックは説明する。
    「今はキャリブレーションやドライバビリティの細部を詰めている段階で、コンピュータ、ラボ、ドライバーと連動したシミュレーター作業を組み合わせて進めている」

    社内目標は達成、ただし他陣営の基準は不明
    内燃エンジン(ICE)については、圧縮比に関する“抜け穴”の噂も含め、各メーカーがどこに目標を置いたのかが最大の不確定要素だ。ラッシュブルックは「社内目標は達成している」としつつも、フェラーリF1、ホンダF1、メルセデスF1がどの水準をベンチマークにしているかは分からないと述べた。

    「全員が同じ規則と物理法則の中で、理論的に可能な最大値を見積もる。最終目標は似通ってくるはずだが、そこにどれだけ効率的に到達できるかが違いを生む」

    レッドブルのチーフエンジニアであるポール・モナハンは、既存メーカーに比べICEでわずかな不利が出る可能性を示唆していたが、ラッシュブルックは「仮に少し後れを取っても、その差は小さいと考えている。経験豊富な人材が集まり、他の部分で取り戻せる」と自信をのぞかせた。

    レッドブル フォード F1

    2014年の再来を防ぐADUO制度
    ICE性能については、FIAがADUO(追加開発・アップグレード機会)制度を導入している。6戦ごとに評価が行われ、最高出力から2〜4%遅れているメーカーは1回、4%以上遅れていれば2回の追加アップグレードが認められる。
    2014年のような長期的な一強時代を防ぐ狙いで、ラッシュブルックも「競争の機会を確保するために正しい措置だ」と評価した。

    ファンの一部がBoP(性能調整)と混同する点についても、「これはBoPではない。F1は技術規則に基づく競争であり、その枠内で追いつくための仕組みだ」と明確に否定している。

    慎重ながらも前向きなフォードの評価
    真価が問われるのは、バルセロナでの初走行、そしてシーズン開幕戦まで待つ必要がある。それでもラッシュブルックは、ミルトンキーンズでの準備状況に満足していると語った。

    「これは新しいスタートアップであり、トトの言う通り簡単ではない。しかし、異なるプログラムから集まった人材の力を結集している。今は良い位置にいると考えているが、全体像が見えるのは実際に走ってからだ」

    フォードの“ブルーオーバル”は、2026年のF1復帰に向け、慎重な楽観論を保ったまま、いよいよ実走の舞台へと向かう。

  • 角田裕毅はなぜレッドブルF1から切られたのか メキースの決断と美辞麗句

    角田裕毅はなぜレッドブルF1から切られたのか メキースの決断と美辞麗句

    角田裕毅は、なぜレッドブルF1のシートを失ったのか。

    2025年シーズンをもって、角田裕毅はトップチームであるレッドブル・レーシングから外れ、2026年はリザーブドライバーという立場に退くことになった。ハイリスクなシートシャッフルを経て昇格を果たしたものの、結果としてそのプロジェクトは一年で終止符を打たれた。

    この決断について、チーム代表のローラン・メキースは「非常に難しい決断だった」「内部で大きな葛藤があった」と繰り返し語っている。しかし、その言葉と結果のあいだには、埋めがたい隔たりがある。本稿では、角田裕毅が切られた本当の理由と、その決断を覆う“美辞麗句”の正体を検証する。

    なぜ「苦い決断」だったと語られたのか
    角田裕毅を再び傍観者の立場に戻すという判断について、メキースは繰り返し「感情的に非常に重い決断だった」と説明している。レーシングブルズ時代に角田裕毅を指導してきた彼は、この移行が単なる人事ではなく、人として苦しい選択だったことを強調した。

    「非常に難しい決断だった。オラクル・レッドブル・レーシングのセカンドシートは簡単ではない。ドライブが難しいマシンだ。我々は角田裕毅を支えるため、できる限りのことを試みてきた」

    メキースによれば、この判断は衝動的なものではなく、あらゆる改善策を尽くした末に下された結論だったという。

    「どこかの段階で、将来を見据えたときに、非常に難しい判断を下さなければならなかった。我々は角田裕毅が再びチャンスを得ることを願っている。彼は来年、我々のリザーブドライバーになる」

    言葉だけを見れば、そこには誠実さと配慮がある。しかし、結果は別の現実を示している。

    成績と説明のズレ 冷酷な現実
    メキースが語る「難しさ」とは裏腹に、数字は極めて単純だ。

    角田裕毅の2025年シーズンは、ほぼあらゆる指標で見ても失望に終わった。チームメイトのマックス・フェルスタッペンが8勝を挙げ、しばしばグリッド最前列に並んだマシンを駆りながら、角田裕毅はドライバーズランキング17位に沈んだ。

    シーズンを通じた最大のハイライトは、バクーでの6位入賞が一度あったのみだ。この成績では、レッドブル・レーシングというパフォーマンス至上主義のチームにおいて、シートの安定が保証されるはずもない。

    その結果、チームは台頭する若手であるアイザック・ハジャーを2026年のレギュラーに据える決断を下した。この判断は「苦しい決断」というより、「論理的な必然」と表現した方が正確だろう。

    レッドブルの世界では、パフォーマンスだけが唯一通用する通貨だ。むしろ本当に難しかったのは、長年の関係を持つホンダに、この決定をどう丁寧に伝えるかだったのではないかと思わせる。

    角田裕毅 レッドブル・レーシング F1

    復活の可能性は本当に残されているのか
    メキースは、これが角田裕毅にとって最終章ではないと強調する。

    彼はレッドブルのドライバープールが持つ不安定な歴史を引き合いに出し、復活の可能性は常に残されていると語った。2024年終盤、リアム・ローソンが昇格し、その後にシートが角田裕毅へ渡った混乱の時期を例に挙げている。

    「何が起こるかは分からない。我々は過去にも、かなり素早いドライバー決断で知られてきた」

    さらにメキースは、当時の角田裕毅の回復力に言及した。

    「2024年シーズン終盤、角田裕毅は非常に良い走りをしていた。それでもリアムが昇格し、彼にとっては非常につらい状況だった。それでも彼は冬を耐え、戻ってきて、すべてを最大化するという目標を立てた。3レース後、彼はオラクル・レッドブル・レーシングのマシンをドライブしていた」

    このエピソードは、希望の物語として語られている。しかし、それは本当に復活への確信なのか。それとも、シートを失ったドライバーに用意された穏やかな着地点に過ぎないのか。その答えはまだ見えない。

    美辞麗句の先にあるもの
    メキースは一貫して、「ペースではなく状況によって脇に追いやられた才能」という物語を語り続けている。

    「これは彼にとって挫折だ。しかし私は、彼の中には再びチャンスをつかむだけのものが十分にあると確信している」

    だが、現実は冷酷だ。角田裕毅がレッドブルF1から切られた理由は、情ではなく結果だった。そして、どれほど言葉が丁寧に選ばれようとも、その決断の本質は変わらない。

    リザーブという立場が、再起への通過点となるのか。それとも静かな終着点になるのか。その行方は、これからの選択と結果に委ねられている。