カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • ヘルムート・マルコが比較「ベッテルは分析型、フェルスタッペンは本能型」

    ヘルムート・マルコが比較「ベッテルは分析型、フェルスタッペンは本能型」

    20年以上にわたりレッドブルの若手育成を率いてきたヘルムート・マルコは、数多くの才能をF1へと導いてきた。その中でも、セバスチャン・ベッテルとマックス・フェルスタッペンは、彼自身が送り出した「最も特別な存在」だという。

    82歳のオーストリア人であるマルコは、かつてフォーミュラ3000に自らのチームを運営していた経験も持ち、若手ドライバーの才能を見抜く目には定評がある。

    レッドブルのジュニアプログラム出身者すべてが頂点に立ったわけではないが、ベッテルとフェルスタッペンという2人は、近年のF1を代表する存在となった。

    「ベッテルはより分析的だった」
    両者ともに長年F1の世界を支配してきたが、そのアプローチは明確に異なっていたとマルコは語る。

    「ベッテルはすべてを非常に分析的に進めていた。マシンから最大限を引き出すため、エンジニアと何時間も議論を重ねていた」と、マルコは独紙ミュンヒナー・メルクア/tzに明かしている。

    一方で、フェルスタッペンについては次のように続けた。

    「当初のマックスは、より本能に頼るタイプだった。しかし今では、自分が何を求めているのかを正確に理解し、チームを導くこともできるドライバーへと成長した」

    マルコは、フェルスタッペンを「特別な存在」と評し、「超高速で、超人的な才能を持ち、極めて集中力が高い」と強調している。

    ヘルムート・マルコとマックス・フェルスタッペン

    極めて希少なフェルスタッペンの人格
    マルコはフェルスタッペンをわずか17歳でF1にデビューさせた人物でもある。同様に、ベッテルのF1昇格とレッドブル加入にも決定的な役割を果たし、ベッテルは同チームで合計4度のワールドチャンピオンに輝いた。

    フェルスタッペンもまた、レッドブルで4度のワールドタイトルを獲得し、通算71勝を記録している。一方のベッテルはキャリア通算53勝。両者は現在、F1史上でも最多勝利数ランキングのトップ4に名を連ねる存在であり、その背景にはマルコの存在があった。

    マルコは多くの才能を、時にはカート時代から見守ってきたが、フェルスタッペンとの関係は特別だという。

    「これほど密接な関係を築いたドライバーは他にいない。彼は、強い価値観を持っている。それは本当に人格の優れた人間にしか備わらないものだ。この組み合わせは極めて稀だ」

  • フォードが当初計画以上にレッドブルF1エンジンへ関与する理由

    フォードが当初計画以上にレッドブルF1エンジンへ関与する理由

    フォードは、レッドブル・パワートレインズが開発する新しいF1パワーユニットに対し、当初の想定を超える関与を行っていることを明らかにした。その背景には、フォード自身の市販車戦略の変化がある。

    今月後半、レッドブルの2チームは、完全内製の新型パワーユニットを初めて走行させる。最初のバルセロナ冬季テストは非公開で実施されるが、フォードとレッドブルの双方にとって重要なベンチマークとなる。

    フォード・パフォーマンス・ディレクターのマーク・ラッシュブルックは、このテストによって、過去3年間にわたる開発作業が競争力あるパワーユニットの完成につながったかどうかが明らかになると語った。

    「この3年間で積み重ねてきたすべての作業が、実際に結果として表れているかどうかが分かる重要な機会だ」

    電動中心から内燃機関へと広がった関与
    当初の協議段階では、フォードの役割は電動関連技術への貢献と資金支援が中心だった。レッドブル側では当時、クリスチャン・ホーナーが主導しており、フォードはバッテリーセル、モーター、インバーター、ソフトウェア、キャリブレーションといった電動分野を担う計画だった。

    「最初のリストは、電動化の部分に完全にフォーカスしていた。バッテリーセル、モーター、インバーター、ソフトウェア、キャリブレーションボード。それが主な内容で、そこについては確実に成果を出してきた」

    しかし、プログラムが進むにつれて状況は変化した。

    「当初は想定していなかったし、優先事項でもなかったのが内燃エンジンだった。ただ、市販車のサイクル計画が変わる中で、それも重要になっていった」

    フォードの市販車戦略では、今後も内燃機関、フルハイブリッド、フル電動を併存させる方針が取られている。

    「我々のロードカー計画では、ICE、フルハイブリッド、フルEVを継続していく。だからこそ、内燃エンジン開発にも関与することが、ますます重要になった」

    フォード レッドブル フォーミュラ1エンジン

    ディアボーンで生産されるF1用内燃機関部品
    電動分野で作業を進める中で、フォードは内燃エンジン側にも貢献できる余地を見出した。

    「電動部分をやりながら、内燃エンジン側で何が起きているかを見ていくうちに、参加して貢献できるチャンスがあると感じた。現在、ディアボーンで製造されている実際の部品の多くは、パワーユニットの内燃エンジン側だ。それらは毎日製造され、毎日出荷されている」

    ラッシュブルックは、この拡大がレッドブル・パワートレインズの能力不足を意味するものではないと強調する。

    「何かが足りなかったという話ではない。技術者同士が一緒に仕事をしていると、『この状況ならフォードはどうする?』といった質問が自然に出てくる。そこで、我々は『実際に手伝える』と言える立場にあった」

    F1がフォードにもたらす実利
    このアプローチはプロジェクト全体に利益をもたらしただけでなく、フォードにとってのF1の価値も高めたという。

    「電動化の面では、例えばバッテリーセルの化学特性などで貢献できたが、同時に多くを学んだ。ソフトウェアとキャリブレーションでは、これまでの経験を生かして最も大きな貢献ができたと思う」

    内燃エンジンについては、得られた成果がさらに幅広い。

    「設計、実際の部品製造、物理的なコンポーネント、アディティブ・マニュファクチャリングなど、あらゆる面でレベルを押し上げられた。人材、品質管理、寸法管理の面でも、過去のプログラムとは別次元に引き上げられている」

    2030年以降を見据えたF1との関係
    フォードが今後も純内燃機関の車両を生産し続けることは、F1との長期的な関係性とも結びついている。

    2025年には、現行サイクル以降のエンジン規定についての議論が始まった。FIA会長モハメド・ビン・スライエムは当初V10を推進したが、その後、電動要素を含むV8案へとトーンダウンしている。

    将来のF1がどのような方向に進んでも、フォードは柔軟に対応できる構えだ。

    「我々は将来のラインアップを把握している。内燃機関、ハイブリッド、フルEVを当面は並行して続けていく。世界の規制がより地域別になっている今、それに合わせてサイクル計画を組む必要がある。我々がレースをする目的は、技術移転とイノベーションを支えることだ」

    V8に一定の電動化を組み合わせた案についても、ラッシュブルックは明確に肯定した。

    「はい、それでも問題ない」

    こうした姿勢は、フォードとレッドブルの関係が、単なる次期サイクル限りではなく、その先まで続く現実的な可能性を示している。フォードが行っている投資は、明確に長期的な視野を見据えたものだ。

  • 角田裕毅 レッドブルF1での苦戦は想定内?ペレスがホーナーの発言を暴露

    角田裕毅 レッドブルF1での苦戦は想定内?ペレスがホーナーの発言を暴露

    元レッドブルのセルジオ・ペレスは、かつてのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーが、マックス・フェルスタッペンの隣に座る後任ドライバーたちが成功しないことを最初から理解していたと主張した。ペレスは、レッドブルにおける“2台目”の構造的な難しさについて、あらためて踏み込んだ証言を行っている。

    ペレスは現在、2026年F1シーズンに向けてキャデラックF1での活動を進めるなか、ポッドキャスト「Oso Traca」のインタビューに出演し、レッドブル時代を振り返った。

    そこでは、どのような状況であってもチームの期待を本当の意味で満たすことができなかったという感覚が語られている。

    「チームはあらゆることに不満を持っていた。レッドブルでは、すべてが問題だった」とペレスは語る。

    「僕が速ければ速いで問題になり、空気はとても張り詰めたものになった。マックスより遅ければ、それもまた問題だった。僕は、これが自分の置かれた環境なのだと学び、不満を言う代わりに、できる限り最大限を引き出そうとした」

    ペレスは、2024年末にレッドブルとの契約を解除されるまで在籍していたが、その時点ですでに2年の契約延長を結んでいた。それでも状況は変わらなかったという。

    「このプロジェクトは最初からフェルスタッペンのためだった」
    ペレスは、レッドブル加入時点で置かれている立場を理解していたことも認めている。ただし、マシン開発により深く関与できることを期待していたという。

    「僕はレッドブルがどういうチームか分かったうえで行った。最初にクリスチャンと座って話したとき、彼はこう言った。『我々は2台のマシンを走らせている。なぜなら、2台走らせなければならないからだ。でも、このプロジェクトはマックスのために作られている。彼が我々の才能だ』とね」

    それに対し、ペレスは「それ自体は問題ではなかった」と語る。ただし、開発面で貢献し、純粋に競うチャンスがあることが条件だった。

    「マックスのチームメイトになるだけでも信じられないほど難しい。だが、レッドブルでマックスのチームメイトになることは、F1で最も過酷な仕事だ」

    角田裕毅に対するクリスチャン・ホーナーの発言を暴露したセルジオ・ペレス

    ホーナーも理解していた“2台目”の限界
    さらにペレスは、レッドブルを離れる直前に交わしたホーナーとの最後の会話についても明かした。そこでは、後任ドライバーが直面する困難について、すでに両者が共有していたという。

    「そのとき僕は彼に言った。『クリスチャン、もしリアム(ローソン)がうまくいかなかったらどうするんだ?』と。彼は『そのときは角田裕毅がいる』と言った。

    『じゃあ、角田裕毅もうまくいかなかったら?』と聞くと、『我々には多くのドライバーがいる』と返ってきた」

    「だから僕は言った。『君は全員使うことになるよ』と。すると彼は『そうだ、分かっている』と答えた」

    このやり取りからは、ホーナー自身が2台目のシートが誰にとっても極めて困難な役割であることを認識していた様子がうかがえる。

    結果的に、2024年シーズン終盤に行われたリアム・ローソンの昇格は、より良い選択肢を見出せなかったことによる“対処的判断”だった可能性が高い。その後、角田裕毅を含め、いずれのドライバーもフェルスタッペンの隣で安定した成果を残すことはできなかった。

    2026年F1シーズンに向けては、アイザック・ハジャーが新たなチームメイトとして起用される予定だ。ペレスの証言が示すように、ホーナーはこの役割の難しさを十分に理解していたとみられる。一方で、現在レッドブルを率いるローラン・メキースのもとでは、2台目のマシンに対するアプローチがこれまでとは異なり、より均衡の取れたものになる可能性も残されている。

  • レッドブルF1 2026年に“白縁ロゴ”復活でRB22リバリー憶測が加速

    レッドブルF1 2026年に“白縁ロゴ”復活でRB22リバリー憶測が加速

    マックス・フェルスタッペンが所属するレッドブル・レーシングは、2026年F1シーズン開幕を前にチームロゴのアップデートを発表した。発表は、ライバルのメルセデスが新年早々に新たなチームアイデンティティを公開した翌日のことだった。

    2025年シーズン、レッドブルはコンストラクターズランキングで3位に終わり、2020年以来初めて無冠でシーズンを終えた。ドライバーズタイトルも、最終戦アブダビでランド・ノリスにわずか2ポイント差で及ばなかった。

    ホンダとの蜜月終了、フォード時代の幕開け
    2025年限りで、レッドブルとホンダとの長年にわたるパートナーシップは終了した。2026年F1からホンダはアストンマーティンと技術提携を開始する。

    一方レッドブルは、初めて自社製パワーユニットを投入することになり、新設されたパワートレイン部門を通じて、米国メーカーのフォードと協業する体制に移行する。

    復活した「白縁ロゴ」が示すもの
    今回公開された新ロゴは、全体的なデザインこそ従来と大きく変わらないものの、「Red Bull」の文字を囲む白いアウトラインが復活した点が最大の特徴だ。この白縁は2015年以来、約10年ぶりの復活となる。

    この変更を受け、ファンの間では2016年以降続いてきたマットブルー基調のリバリーからの脱却を予想する声が広がっている。特に、文字が蛍光レッドで描かれた現在の配色ではなく、セバスチャン・ベッテル時代のクラシックな配色への回帰を期待する声が目立つ。

    「フォードとともに、あのリバリーが戻ってきてほしい」

    「2010年代前半のデザインが確実に帰ってくる」

    といったコメントがSNS上に並んだ。

    フェルスタッペンが求めていた“光沢”
    フェルスタッペン自身も、過去にリバリー変更を示唆する発言をしている。2024年のタイトル獲得後、チームの公式ポッドキャストに出演した際、次のように語っていた。

    「リバリーは、少し変わってくれたらいいなと思っている」

    「今日もちょうど話していたけど、後ろにある昔のレッドブルのマシンみたいな、あの光沢のあるカラーが本当に好きなんだ」

    「マットブルーのマシンが長く続いたけど、たまには少しスパイスを加えるのもいいと思う」

    この発言と今回のロゴ変更が結び付けられ、RB22の外観が大きく変わるのではないかという憶測を後押ししている。

    レッドブル・レーシング

    RB22の中身は依然ベールの中
    2026年F1マシン「RB22」の詳細は、現時点ではほとんど明らかになっていない。パワーユニット面では、RBPT-フォードがメルセデスと並び、新レギュレーションの抜け道を見つけたメーカーのひとつだと報じられている。

    前チーム代表のクリスチャン・ホーナーは以前、「F1初挑戦でRBPT-フォードが既存メーカーを上回るようなら、それは既存勢にとって恥ずかしいことだ」と語っていた。この見解は後任のローラン・メキースも共有しており、「最初からメルセデスやフェラーリと並ぶと考えるのは現実的ではない」と認めている。

    シャシー面では、フロントとリアの両方にプッシュロッドサスペンションを採用するという噂が浮上している。さらに、フェラーリも検討しているとされるダブル・プッシュロッド構成は、2026年F1レギュレーション下で新パワーユニットのパッケージングに有利だと見られている。

    リバリーの答えはデトロイトで
    レッドブルとレーシングブルズは、1月15日にデトロイトで開催されるフォードのシーズンローンチイベントで、2026年F1リバリーを正式に公開する予定だ。

    新ロゴは、果たしてフェルスタッペンが望んだ“輝くレッドブル”復活の前触れなのか。その答えは、間もなく明らかになる。

  • エイドリアン・ニューウェイが残した最後のレッドブル RB17が完成形に到達

    エイドリアン・ニューウェイが残した最後のレッドブル RB17が完成形に到達

    レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズは、注目を集めてきたハイパーカー「RB17」の最終デザインを公開した。これは、伝説的空力技術者であるエイドリアン・ニューウェイの指揮のもと構想された、サーキット専用マシンの完成形だ。

    ニューウェイはすでにアストンマーティンに移籍しているが、RB17プロジェクトには引き続き深く関与しており、現在は初期テストとミルトンキーンズでの生産準備が進められている段階にある。

    最終デザインで加えられた視覚的・機能的進化
    Top Gearが伝えたところによれば、今回公開された最終デザインでは、フロントに特徴的な「ホッケースティック」形状のLEDライトが新たに採用され、より明確なビジュアルアイデンティティが与えられた。

    あわせて冷却ベントは再設計され、エンジンカバー上にはセイルフィッシュ(カジキ)を思わせる大型フィンが追加されている。サイズ面では、初期プロトタイプより全体的にわずかにコンパクト化されたが、フットプリント自体は現代のF1マシンに近いものとなっている。

    サイドミラーやウインドスクリーンワイパーといった実用的な装備も備えられており、極端なトラック専用車でありながら、実際の走行を強く意識した設計であることがうかがえる。

    レッドブル・RB17

    F1の空白番号を冠する初のRB17
    RB17は、F1のマシン命名において意図的に使われてこなかった「17」という番号を初めて冠したモデルでもある。2シーター構成のカーボンファイバー製ハイパーカーとして、20年以上にわたるF1の技術的知見が凝縮されている。

    パワーユニットには、コスワースが開発した自然吸気V10エンジンを搭載。レブリミットは15,000rpmに達し、スムーズな出力特性とリバースギアのために小型電動モーターが組み合わされている。

    システム全体での最高出力は1,200馬力を超え、車重は900kg未満を目標としている。これにより、F1に匹敵するラップタイムと、最高速350km/h超を実現するとされている。

    エイドリアン・ニューウェイ レッドブル・RB17

    50台限定 生粋のドライバー向けハイパーカー
    RB17の生産台数はわずか50台に限定され、すべてがオーナーごとの完全オーダーメイドとなる。さらに購入者には、世界各地の象徴的なサーキットでの専用トラックデープログラムも提供される予定だ。

    レッドブルは、圧倒的なパフォーマンスと同時に、熟練ドライバーが扱える「アクセシビリティ」にも重点を置いている。ミシュランが専用開発したタイヤやアクティブサスペンションが、強大な空力負荷を制御する役割を担う。

    2025年テスト開始、2026年生産へ
    RB17は2025年にサーキットテスト段階へ移行し、2026年の生産開始が予定されている。F1以外の領域においても、レッドブルのエンジニアリング能力がいかに過激な形で具現化され得るのかを示す、極めてラディカルな存在だ。

    この最終形RB17は、エイドリアン・ニューウェイの設計思想が色濃く刻み込まれた、究極のトラック専用ハイパーカーとして位置づけられている。

  • 角田裕毅の後任ハジャーにレッドブルF1代表が期待「これは到達点ではない」

    角田裕毅の後任ハジャーにレッドブルF1代表が期待「これは到達点ではない」

    レッドブルF1チーム代表のローラン・メキースは、2026年F1シーズンに向けて、角田裕毅に代わってマックス・フェルスタッペンの新たなチームメイトとなるアイザック・ハジャーに対する自身とチームの期待を明かした。

    フランス人のハジャーは、多くのドライバーが短期間で去っていったことから“呪われたシート”とも揶揄されるポジションに足を踏み入れる。過去に起用され、結果が出ないまま放出されてきた前任者たちの記憶は、今もなお多くの人の脳裏に残っている。

    ハジャーの昇格は、姉妹チームであるレーシングブルズでの鮮烈なルーキーシーズンを受けてのものだ。この昇格により、角田裕毅がシートを失う形となった。

    21歳のハジャー自身は、すでに現実的な目標を口にしている。彼はMotorsport Weekを含む一部メディアに対し、「最初の数カ月は自分が遅くなることを受け入れている」と語っている。

    「信じられないほどの初年度」メキースの評価
    メキースは、2025年シーズン最終戦アブダビGPを前に、Motorsport Weekを含むメディアの取材に応じ、ハジャーのF1初年度を「傑出していた」と評価した。

    「アイザックは信じられないほどの初年度を過ごした」とメキースは語った。

    「1月時点、つまり彼がスタートした地点を考えれば、その出発点は本当に際立っていた」

    さらにメキースは、単なる才能だけでなく、成長力を重視していると続ける。

    「我々は生まれ持った才能だけでなく、ドライバーが成長していく能力を強く信じている」

    「これまでにも、多くのチャンピオンがキャリアの中で成長し、数戦前にはできなかったことをマシンの中で成し遂げてきたのを見てきた」

    「今年のアイザックにもそれを見ている。3戦前にはやっていなかったことを、彼がマシンの中でやってのける姿を我々は見てきた」

    角田裕毅の後任としてアイザック・ハジャーがレッドブル・レーシングに昇格

    “到達点ではない” レッドブル昇格の意味
    ハジャーにとってレッドブルは、完全に未知の環境というわけではない。メキースがレーシングブルズからレッドブルへ移る以前、すでに彼の下で走っていた経験がある。

    一方で、レッドブル内部では大きな変化も起きている。長年アドバイザーとしてチームを支え、ジュニア育成を担ってきたヘルムート・マルコは引退し、メキース自身も昨年7月にクリスチャン・ホーナーの後任としてチーム代表に就任してから、まだ数カ月しか経っていない。

    これまでのレッドブルでは、結果が出なければ猶予なく交代を迫られるケースが多かった。しかし、ホーナー、そしてマルコという“厳格な管理者”が去った今、ミルトンキーンズの文化が変わる可能性もある。

    メキースは、ハジャーに何を期待しているのかという問いに対し、次のように答えた。

    「君の質問に答えるなら、我々は彼にその道を歩み続けてほしいと思っている」と語る。

    「我々はこれを到達点だとは見ていない」

    「これは、彼が成長を続け、我々を感心させ続け、驚かせ続けるための、もう一つのスタートだと捉えている」

    「そしてそれは2年目にも期待するし、3年目、もしかすると4年目にも期待する。これが、我々が一緒に歩んでいく旅路だ」

    レッドブルにとって、そしてハジャーにとって、2026年は“試練の年”であると同時に、新しい文化と長期的視点が試されるシーズンとなりそうだ。

  • フェルスタッペンに追い風 フォードが語るレッドブルF1エンジンの現在地

    フェルスタッペンに追い風 フォードが語るレッドブルF1エンジンの現在地

    フォードのテクニカルパートナーとしての支援を受けるレッドブルは、2026年F1レギュレーションに向けた自社製パワーユニット開発で順調な前進を見せていると、フォード側が明らかにした。

    フォード・モータースポーツのグローバルディレクターであるマーク・ラッシュブルックは、マックス・フェルスタッペンにとって重要な意味を持つアップデートとして、レッドブル・レーシングの2026年F1パワーユニット開発状況について語った。

    レッドブルはF1参戦史上初めて、自社でエンジンを製造しており、これまでのようにホンダなどのメーカーに依存しない体制を構築している。フォードは技術的な支援を担っており、このパートナーシップは前向きに進展しているようだ。

    F1マシンを自らのパワーユニットで走らせた経験のないレッドブルにとって、これは未知への大きな一歩であり、フェルスタッペンにとってもリスクを伴う挑戦となる。

    仮に初挑戦でF1パワーユニット開発を成功させられなければ、フェルスタッペンは競争力を欠いたパッケージでシーズンを戦う可能性もある。

    来月予定されているバルセロナでの非公開テストでは、レッドブルとフォードがパワーユニットを本格的にトラック上で確認する初めての機会となる。ラッシュブルックは、その進捗が計画通りであると強調した。

    「物事は計画通りに進んでおり、我々は必要な位置にいる。ただし、クルマが実際にトラックを走るまでは、すべてが本当に噛み合っているかは分からない」とラッシュブルックは語った。

    「それは重要な1日であり、重要な1週間になる。その時になって初めて、この3年間の作業が実を結ぶかどうかが分かる」

    進展が見られる一方で、フォード内部には自然な緊張感も残っている。ラッシュブルックは、シミュレーションデータには限界があることも認めている。

    「新しいクルマやエンジンが初めてトラックに出る時には、常に多少の不安はある」とラッシュブルックは認めた。

    「我々のコンピューターツールは設計に優れており、ラボはハードウェアの開発やキャリブレーションに長けている。しかし、すべてが実際にトラック上で一体となるまで、すべてを見たとは言えない」

    「仮想環境では多くをシミュレートできるが、ラボでは見えなかったことが実際の走行で現れるかどうか、という疑問は残る」

    レッドブル フォード F1 エンジン

    レッドブルとフォードの目標は達成
    ラッシュブルックによれば、フォードとレッドブルが開発初期に設定したF1エンジンの目標は「達成された」という。

    現在の最大の焦点はドライバビリティであり、これは新世代F1パワーユニットにおいて特に重要な要素の一つだとラッシュブルックは指摘している。

    新パワーユニットで最も重要な要素を問われたラッシュブルックは、次のように説明した。

    「出力、パフォーマンス、信頼性、そしてドライバビリティだ」

    「タイムラインと、プログラム開始時に設定した目標という点では、それらは達成した。ここ数カ月は主にドライバビリティとキャリブレーションに作業が集中している」

    「一部はコンピューターモデルで行えるし、一部はラボで行う。また一部はドライバーをシミュレーターに乗せて行う。それが今の主な焦点だ」

    2026年レギュレーションはF1史上最大級の規則変更であり、すべてのエンジンメーカーにとって未知の要素が多く残っている。

    そのため、目標やターゲットの設定は難しく、ラッシュブルックは各社が概ね同じ方向を目指していると考えている。

    フォードの目的についてラッシュブルックは次のように語った。

    「基本的には、全員が従わなければならない規則に基づいている」

    「そこから理論的に何が可能かを算出し、それが最終的な目標になる。その結果、全員がほぼ同じところを目指していると思う」

    「エンジニアたちは、同じ物理法則を相手にしている以上、似たような見積もりにたどり着いているはずだ。理論的に可能なことを見極め、そこにどれだけ効率良く到達できるか、つまり実際のパワー伝達を含めた効率の問題になる」

  • マックス・フェルスタッペン F1復帰のセルジオ・ペレスと“静かな再会”

    マックス・フェルスタッペン F1復帰のセルジオ・ペレスと“静かな再会”

    マックス・フェルスタッペンが、2025年F1シーズン中にかつてのレッドブルのチームメイトであるセルジオ・ペレスとヘルメットを交換する形で再会していたことが明らかになった。

    4度のワールドチャンピオンは、2026年にキャデラックF1からF1に復帰するペレスに向け、ヘルメットのバイザーに特別なメッセージを書き残している。

    フェルスタッペンとペレス 4年間の関係
    フェルスタッペンとペレスは、2021年から2024年までの4シーズンをレッドブルで共に戦った。フェルスタッペンはその間に4年連続でタイトルを獲得している。

    ペレスはF1通算6勝のうち5勝をレッドブル在籍中に挙げたが、2024年シーズンの不振を受け、同年末でチームを離れることになった。

    2025年シーズンをサバティカル(休養)として過ごしたペレスは、2026年にキャデラックF1からグリッドへ復帰する予定で、チームメイトには元メルセデスのバルテリ・ボッタスが名を連ねる。2026年のグリッドでも屈指の経験値を誇るドライバーラインアップとなる。

    ヘルメット交換とメッセージ
    新年を迎えるにあたり、ペレスはSNSに投稿し、2025年シーズン中にフェルスタッペンと会い、ヘルメットを交換したことを明かした。

    写真には、2024年の複数レースでフェルスタッペンが実際に使用していたヘルメットを手に、2人が並んで写っている。

    そのヘルメットのバイザーには、フェルスタッペン直筆の次の言葉が記されていた。

    「素晴らしいチームメイトであり、友人でいてくれてありがとう」

    これに対し、ペレスは投稿のキャプションで次のように記している。

    「2025年のサバティカル中も、君はとても速かった。素晴らしい2026年にしよう」

    ペレス離脱後のレッドブルの苦戦
    ペレスの離脱後、レッドブルは2025年シーズンにおいて後任ドライバーの起用に苦しんだ。

    リアム・ローソンと角田裕毅はいずれも表彰台を獲得できず、ローソンはオーストラリアと中国の2戦でQ1敗退が続いた後、わずか2戦でレーシングブルズへ降格となった。

    角田裕毅は22戦中7戦でしかポイントを獲得できず、最高位はバクーでの6位にとどまった。2026年にはテスト兼リザーブドライバーへ回り、ペレス離脱後3人目の起用としてアイザック・ハジャーがレッドブルに加わることが決まっている。

    ペレスの本音「証明するものはない」
    キャデラックF1のシートを獲得した後、ペレスは後任ドライバーたちの成績についても言及している。

    「レッドブルを離れたあと、何かを証明しなければならないとは思っていない」

    「今のドライバーや次のドライバーが苦戦しているから、というだけじゃない。それ以前から、とても難しい場所だった。常に適応し続けて、信頼を築かなければならない。精神的に、非常に特殊な挑戦なんだ」

    「彼ら(ローソンと角田裕毅)がシーズンを通して取ったポイントを見れば、全体で5点くらいだった。だから、その点について僕には何も証明することはない」

    「僕にとって大事なのは、このスポーツを再び楽しむことだ。僕が愛してきたスポーツ、たくさんのものを与えてくれたスポーツを」

    「この新しいプロジェクトで戻ってくるのは、そのためだ。とても成功することを願っている」

    「何よりもまず、この復帰を楽しみたいんだ」

    フェルスタッペンの短いメッセージとペレスの言葉は、4年間を共に戦った2人の関係性が今も続いていることを静かに物語っている。

  • 角田裕毅の分岐点 レッドブルF1昇格が運命を変えた瞬間

    角田裕毅の分岐点 レッドブルF1昇格が運命を変えた瞬間

    角田裕毅にとってレッドブル・レーシングに中途昇格するという決断は、大きな見返りがある一方で、すべてを失うリスクも伴っていた。その挑戦は、結果的に彼のF1キャリアを終わらせるものになったのかもしれない。

    レッドブルのジュニアドライバーがトップチームに昇格するとき、そこにはひとつの共通したパターンがある。彼らは「他の誰も成し遂げられなかったことを自分ならできる」と自信を見せ、そして“毒杯”を飲むことになる。

    2025年のラインアップを選ぶ際、レッドブルは角田裕毅ではなくリアム・ローソンを起用した。過去2シーズンにわたりレーシングブルズで5戦・6戦ずつ出場した際の印象的なパフォーマンスから、ニュージーランド出身のルーキーであるローソンの方が高いポテンシャルを持つと判断されたためだ。

    しかし、そのローソンはレッドブルでの最初の2戦で3度のQ1敗退を喫する。オーストラリアでは18番手、中国ではスプリント予選と決勝予選の両方で20番手に沈み、ポイント獲得にも至らなかった。チームは早々に見切りをつけ、中国GPスプリントで姉妹チームから6位に入った角田裕毅にチャンスを与える決断を下した。

    「レッドブルのマシンはフロントのグリップが強いと言われることが多いです。僕自身、鋭く曲がるクルマが好きで、これまでもそういうセットアップに自分のドライビングを合わせてきました」と角田裕毅はこの挑戦について語った。

    「レーシングブルズはどちらかというとアンダーステア傾向のマシンで、最初は苦労しましたが、慣れてしまえばそれが普通になりました。今回は再びレッドブルの特性に合わせる必要がありますが、過去の経験を考えれば、あまり心配はしていません」

    角田裕毅 F1 レッドブル・レーシング

    だが、シーズン途中で新しいマシンに乗り換えるという状況を考えれば、もっと慎重になるべきだったのかもしれない。角田裕毅はマックス・フェルスタッペンにまったく太刀打ちできず、ドライコンディションでの予選平均タイム差は約0.6秒に達していた。

    ドライバーズタイトル争いに絡むほどの競争力を持つマシンに乗りながら、日本人ドライバーは何度もQ1敗退を喫した。レッドブルでの27回の予選セッションのうち、実に10回がQ1敗退、さらに9回がQ2敗退だった。

    当然ながら、それは決勝での戦いを厳しいものにした。角田裕毅が22戦で獲得したポイントはわずか30。一方、フェルスタッペンは同じ期間で385ポイントを積み上げている。

    2025年に走った1,386周のうち、角田裕毅がトップ8圏内で過ごした周回は230周しかなかったという事実は、状況を如実に物語っている。

    バクーでの6位、オースティンでの7位といった好成績もあったが、それらの“山”はレッドブルに「このドライバーこそが正解だ」と思わせるほど高くはなかった。一方で、“谷”は深かった。たとえばレッドブル・リンクでのレースでは、アルピーヌのフランコ・コラピントとの接触後、2周遅れでフィニッシュするという惨憺たる結果に終わっている。

    さらに状況を悪化させたのは、25歳の角田裕毅自身が、なぜこれほどペースが出ないのかを説明できなかったことだ。メディア対応では「奇妙だ」「不思議だ」といった言葉やその類語が、憂慮すべき頻度で繰り返された。

    そして、レッドブルは“レッドブルらしい”決断を下す。角田裕毅は2026年に向けてリザーブドライバーへ降格され、代わってアイザック・ハジャーが昇格することになった。

    角田裕毅は「これは終わりではない」と語り、再びグリッドに立つ資格があることを証明すると誓っている。しかし現時点では、その将来が彼自身の手の中にあるとは言い切れない。

  • マックス・フェルスタッペン レッドブルF1解任のホーナーと「定期的に連絡」

    マックス・フェルスタッペン レッドブルF1解任のホーナーと「定期的に連絡」

    マックス・フェルスタッペンは、レッドブルF1のチーム代表を20年間務めた後に解任されたクリスチャン・ホーナーについて、現在も非常に良好な関係を維持していることを明かした。両者は今も定期的に連絡を取り合っているという。

    ホーナーは2005年にレッドブルがF1に参戦した当初からチームを率いてきたが、2025年7月にオーストリアのチームを離れることになった。

    彼の指揮の下、レッドブルはドライバーズ8回、コンストラクターズ6回の計14タイトルを獲得。そのうち6回は、2016年に当時18歳でトロ・ロッソから昇格したフェルスタッペンとともに成し遂げたものだった。

    しかし、ホーナー体制の最後の12〜18か月間は、チーム内の雰囲気が悪化していた。不適切行為の疑惑(後に潔白が確認された)、創設者ディートリッヒ・マテシッツの死後に起きた経営権を巡る対立、そしてF1序列で4番手まで後退した成績不振が重なっていた。

    その結果、レッドブル首脳陣は姉妹チームからローラン・メキースを新代表に据える決断を下した。これが大きな改善につながり、フェルスタッペンは予想外のタイトル争いを展開。最終的にはランド・ノリスに次ぐランキング2位でシーズンを終えた。

    「チーム全体として、あまりうまくいっていなかった」とフェルスタッペンはViaplayに語った。

    「結果の面でもそうだし、チーム内に少し不安定さがあった。長い間うまくいっていないと、最終的には株主も状況に満足できず、変化を求めるようになる」

    「正直、いつも難しいものだ。クリスチャンとは強い絆を築いてきたし、とてつもない成功を一緒に収めてきた。特に2021年のあの瞬間は忘れられない。クリスチャンは、僕のために火の中に飛び込んでくれた。電話で話すときも、そういうことを思い出すから簡単じゃない」

    マックス・フェルスタッペン レッドブル・レーシング

    それでも、今も連絡を取り合っているのかと問われた4度のワールドチャンピオンは、次のように答えている。

    「毎週だ。毎レースだよ。金曜、土曜、日曜に連絡を取るし、たいていはテキストメッセージだ。でも、たとえば休暇中でもね。本当に毎週だ」

    「彼はチームの全員を知っているけど、内容は『幸運を祈っている』『信じている』といったものが中心だ。最大のファンという感じだね」

    「これまで一緒に経験してきたすべてのことがあるし、『君ならできる』という言葉もくれる。もちろんレース以外の話もする。だから、毎週だ。毎レースウイークエンド、そして彼がチームを離れた後も続いている」

    一方でフェルスタッペンは、元上司に対して敬意を示しながらも、体制変更が正しい方向に進んでいることを示唆した。

    「チームはうまくいっている」と、F1通算71勝のフェルスタッペンは語る。

    「自信に満ちているし、みんなが笑顔だ。いい雰囲気で、全員がうまくやれている。以前はそれを失っていた時期があった。レッドブルらしさが、少し消えてしまっていたんだ」