カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • レッドブルF1とレーシングブルズ間で40人移動 ライバルはFIAに訴えるべき?

    レッドブルF1とレーシングブルズ間で40人移動 ライバルはFIAに訴えるべき?

    マクラーレンF1のCEOであるザク・ブラウンは、これまでもレッドブル・レーシングとレーシングブルズの関係性について、公平性の観点から疑問を呈してきた。両チームはいずれもオーストリアのエナジードリンク企業が所有し、ドライバー育成から技術、人材面に至るまで密接なつながりを持つ構造が続いている。

    レッドブルのドライバープログラム出身者は、まずレーシングブルズでF1キャリアをスタートさせ、結果次第でトップチーム昇格を目指す流れが定着してきた。

    2025年には、ファエンツァを拠点とするレーシングブルズからローラン・メキースが離れ、クリスチャン・ホーナーの後任としてレッドブルの要職に就いたことも象徴的な出来事だった。

    両チームはかつて異なるパワーユニットを使用していたが、2019年から2025年にかけてはともにホンダ製パワーユニットを搭載。2026年からは、レーシングブルズがレッドブル・パワートレインズの最初の“カスタマー”となり、技術的な結びつきはさらに強まる。

    40人規模のスタッフ移動が示す一体運営の実態
    FIAの規則では、レッドブルとレーシングブルズは独立したチームとして運営されなければならない。しかし、舞台裏で起きている動きは「一つの巨大組織」を想起させるものだ。イタリアの専門メディアによれば、2026年シーズンを前に両チーム間で継続的な人材移動が行われており、すでに40人のスタッフが相互に移籍しているという。

    マーケティング部門だけでなく、エンジニアリング分野の重要人物も含まれている点は、ライバルチームにとって看過できない。FIAは現時点で両チームを「規則順守」と判断しており、大規模な人材交換そのものを明確に禁止する条文も存在しない。それでも、競技上の公平性という観点からは、ブラウンが統括団体であるFIAに問題提起する余地は十分にある。

    レッドブル・レーシング ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム/レーシングブルズ

    “Bチーム”構造がもたらす優位性
    ブラウンは以前から、レーシングブルズをレッドブルの「Bチーム」と位置づけ、この構造がF1の競技的完全性を損なっていると主張してきた。実質的に4台分の情報と人材が共有される体制は、他チームにはないアドバンテージとなる。2025年にホーナーが更迭された際、メキースがガーデニングリーブなしで即座に後任に就いた事例は、その柔軟性を如実に示している。

    レーシングブルズの価値と他陣営との対比
    レッドブルは昨年、レーシングブルズ売却に関する約17億ポンド規模のオファーを拒否したと報じられている。2005年に旧ミナルディを約2600万ポンドで買収したことを考えれば、これはレッドブルにとって最良の投資の一つだったと言える。

    一方で、フェラーリは当時ミナルディ買収の機会を見送った。現在はハースF1チームとの技術提携を進め、2026年には新規参戦のキャデラックF1へパワーユニットを供給するが、レッドブル陣営ほど包括的な人材共有体制は持たない。

    レッドブルとレーシングブルズの関係は、規則上は合法でも、競技の公正さという根源的な問題を突きつけている。だからこそ、ザク・ブラウンがFIAに正式な問題提起を行い、将来的な規則整備を求めるべきだという声が高まっている。

  • 角田裕毅 ホンダとの契約は協議中 レッドブルF1とホンダの綱引き続く

    角田裕毅 ホンダとの契約は協議中 レッドブルF1とホンダの綱引き続く

    角田裕毅は2026年に向けて、ホンダとの新たなF1契約にまだサインしていない。ホンダとレッドブルの間で将来を巡る交渉が続いているためだ。

    ホンダ・レーシング・コーポレーション社長の渡辺康治は、東京オートサロンの場で、角田裕毅の去就について交渉が継続中であることを明かしている。

    角田裕毅は長年にわたりホンダと深い関係を築いてきた。ホンダはジュニアカテゴリー時代から角田裕毅を支援し、2021年のF1デビューを後押ししてきた。

    ホンダとレッドブルのパワーユニット供給および知的財産に関する合意によって、角田裕毅はレーシングブルズにとどまることができたが、2025年のレッドブル昇格は結果的に不運なものとなった。

    現在シートを失った角田裕毅は、2026年シーズンをテスト兼リザーブドライバーとして過ごす見通しとなっており、この状況はホンダにとっても判断の難しい局面を生んでいる。

    2026年からホンダはアストンマーティンにパワーユニットを供給し、レッドブルはフォードと協力して独自パワーユニットを使用する体制へ移行する。この変化により、角田裕毅のホンダにおける立場は不透明さを増している。

    「今年の角田裕毅との契約につきましては、現在も交渉を続けており、具体的な合意には至っておりません」と渡辺康治は説明した。

    「こちらについては、今後の協議の中で話し合っていくことになります」

    「ホンダの立場としましては、特に問題はございません。重要なのは、フォード、正確にはレッドブルがこの状況をどのように捉えるかという点です」

    「レッドブルが提示される条件次第で、ホンダが角田裕毅をどのような形で活用できるか、その範囲は変わってくると思います。そのようなシナリオは十分にあり得ると考えております」

    「今回の交渉は、角田裕毅本人とではなく、レッドブルとの間で行っているものです」

    ホンダのジュニアドライバーは今後どうなるのか

    アストンマーティンへのパワーユニット供給開始を受け、ホンダが同チームにジュニアドライバーを送り込むのではないかという見方も出ているが、渡辺康治は現時点でその可能性を否定している。

    「現時点では、そのような計画はございません」と渡辺康治は述べた。

    「今後もアストンマーティンとはさまざまなプログラムで連携していくことになると思いますが、現段階で『すぐにこれを実行しよう』と合意しているものはございません」

    「そのため当面は、HFDP、つまりホンダ独自のプログラムの中で、F2までドライバーを育成していく方針です。その中からF1をドライブできる能力を持つドライバーが出てきた場合には、アストンマーティンに推薦していくことになります」

    Source: Motorsport Week

  • フォードが認めた2026年レッドブルF1エンジンの小さな懸念点

    フォードが認めた2026年レッドブルF1エンジンの小さな懸念点

    フォードは、2026年F1に向けてエンジンパートナーであるレッドブル・レーシングと進めているプロジェクトについて、内部目標は達成している一方で「一定の緊張感がある」ことを認めた。

    レッドブルは2026年から自社開発のパワーユニットで参戦する予定であり、フォードはその技術パートナーとして協業している。ただし、実際にマシンがサーキットを走るまでは不確定要素が残るという。

    フォード・パフォーマンス・ディレクターのマーク・ラッシュブルックは、英オートスポーツ誌の取材に対し次のように語っている。

    「計画どおり、我々が到達すべきところには来ている。しかし、すべてが本当に一体となるのは、実際にマシンに搭載されてコースを走ったときだ」

    「最初のテスト初日は重要な日であり、その週全体が重要になる。過去3年間積み重ねてきた努力が、どのような形で表れるのかを確認できるからだ」

    「新しいマシンや新しいエンジンが初めて走るときには、常にある程度の緊張感や期待が伴う」

    さらにラッシュブルックは、シミュレーションや開発環境の限界についても率直に述べている。

    「設計には優れたコンピュータツールがあり、ハードウェアの評価や開発を行うラボ環境も整っている。キャリブレーションも含め、多くのことをシミュレートできる」

    「だが、実際のレーストラックですべてを組み合わせるまでは、見えていないものが必ずある。ラボでは見えなかった何がサーキットで現れるのか、それが問題になる」

    レッドブル・レーシング F1 フォード

    ライバル比較で見える不確実性
    ラッシュブルックは、レギュレーションの範囲内で理論的に可能な最大値を想定し、それを目標に開発を進めてきたと説明する。

    「全チームが同じ規則のもとにある以上、理論的に何が可能かは推定できる。それを最終目標として設定する」

    「物理法則は皆同じだ。だから理論上の上限については、どのチームも同じような結論に行き着くと思う」

    「そこから先は、実際にどれだけ効率良く、その目標に到達できるかという問題になる」

    しかし、その効率がどの位置にあるのかは、ライバルの仕上がりを見なければ分からないという。

    内燃機関での“わずかな差”
    一方で、レッドブルの内燃機関が既存メーカーに比べてやや不利になる可能性についても言及された。

    ラッシュブルックは、その見方を否定せず、次のように述べている。

    「だが、その差はごくわずかなものに過ぎないと思っている」

    「確かに既存のエンジンメーカーは長年の経験を持っている。しかし2026年の規則では、また状況が大きく変わる」

    「我々の側にも、他のプログラムから集まった多くの経験豊富な人材がいる」

    「仮に内燃機関で少し遅れを取ったとしても、その差は大きなものにはならないと考えているし、他の部分で十分に取り戻せる」

    フォードとレッドブルは、2026年の新規則下で未知の領域に挑むことになる。内部目標は達成しているものの、最終的な答えが出るのは、実車が初めて走る瞬間になる。

  • セルジオ・ペレス レッドブルF1批判にモントーヤ苦言「それでも5勝しただろ」

    セルジオ・ペレス レッドブルF1批判にモントーヤ苦言「それでも5勝しただろ」

    セルジオ・ペレスはレッドブル・レーシングを離れて以降、チームでの扱いについて繰り返し言及してきた。その最新の発言を受け、元F1ドライバーのフアン・パブロ・モントーヤが、公然と批判の声を上げている。

    ペレスは2021年シーズン開幕からアレクサンダー・アルボンの後任としてレッドブル・レーシングに加入し、当初は競争力のあるパフォーマンスを披露した。しかし、2024年にかけて成績は大きく低下し、最終的にレッドブルF1との関係は終わりを迎えた。

    昨季はグリッドを離れていたが、次のシーズンにはキャデラックF1で復帰する予定となっている。

    レッドブル・レーシングで5勝を挙げ、2023年にはドライバーズランキング2位を獲得したにもかかわらず、ペレスはミルトンキーンズのチームに対する不満をたびたび口にしてきた。最近の発言では、自身のパフォーマンスの良し悪しに関係なく「すべてが問題視された」と述べ、レッドブル・レーシングがマックス・フェルスタッペンのチームであることを強く意識させられていたと主張している。

    セルジオ・ペレス レッドブル・レーシング 批判

    こうしたペレスの主張に対し、モントーヤは自身のポッドキャスト『MontoyAS』で次のように語った。

    「メキシコのペレスファンの視点に立てば、レッドブル・レーシングが彼を完全に公平に扱わなかったと言うこともできるかもしれない」とモントーヤは語った。

    「だが、彼自身が言っているように、何に直面するかは分かっていたはずだ。不公平だったかどうかは別として、レッドブル・レーシングは彼に5勝をもたらした。そう考えたとき、どれだけ不満を言えるのかという話になる」

    さらにモントーヤは、状況をより冷静に振り返るべきだと続けた。

    「最終的には、クルマが時々運転しづらかったことについて不満を言うことはできるが、良い面も数多くあった。レッドブル・レーシングは彼に多くのチャンスを与えたし、クルマに乗れているときの彼は素晴らしい仕事をしていた」

    ペレスの発言と、それに対するモントーヤの反論は、トップチームにおけるセカンドドライバーの立場や役割をあらためて浮き彫りにしている。

  • アイザック・ハジャーが語る レッドブルF1でフェルスタッペンから学びたい核心

    アイザック・ハジャーが語る レッドブルF1でフェルスタッペンから学びたい核心

    アイザック・ハジャーは2026年、レッドブル・レーシングでマックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてF1に臨む。

    フェルスタッペンにとっては7人目のチームメイトとなり、ハジャーは過去にこの座に挑んだドライバーたちが直面してきた難しさを十分に理解したうえで、新たな一歩を踏み出そうとしている。

    レッドブル・レーシングは、2009年にセバスチャン・ベッテルをトロ・ロッソから昇格させて以降、グリッドの中でも最も明確にナンバーワンドライバー体制を築いてきたチームだ。

    マーク・ウェバーはベッテルに迫り、ダニエル・リカルドはフェルスタッペン加入初期に彼を上回ったが、最終的にはいずれも複数回の世界王者が頂点に立っている。

    近年では、セルジオ・ペレスが「レッドブルのセカンドシート」にまつわる厳しい現実を語り、クリスチャン・ホーナー前チーム代表がリアム・ローソンや角田裕毅に十分な信頼を置いていなかった可能性にも言及していた。

    ただし現在のレッドブル・レーシングは体制が変わりつつあり、この変化がハジャーにとって追い風になる可能性もある。

    そうした状況の中で、ハジャー自身は自分がまだ学ぶ立場にあることを強く自覚している。

    彼はポッドキャスト番組「Talking Bull」で、フェルスタッペンと組むことへの率直な思いを明かした。

    「本当にクールだ。僕はまだ21歳で、シングルシーターを始めたのは2019年だ。それでグリッドで一番のドライバーとチームメイトになれる。これは本当に大きな特権だ」とアイザック・ハジャーは語った。

    「2026年に向けて、彼とはまだあまり話していないけど、ドライバーズパレードの時間が、落ち着いて話をするいいタイミングになると思っている。彼はすごくナイスな人だ」

    2026年にレッドブル・レーシングでマックス・フェルスタッペンと組むアイザック・ハジャー

    続いてハジャーは、フェルスタッペンのどこに最も強い関心を抱いているのか、その核心に踏み込んだ。

    「なぜ、必ずしも最高のマシンではなかったのに、あそこまでタイトルに近づけたのか」

    「とてもトリッキーなコンディションのレースでも、彼は必ずそこにいる」

    「少しでも難しい状況になると、彼は必ず前に出てくるし、予選Q3ではいつも何かを見つけてくる」

    「1,000万通りのシナリオの中に、勝てる道が1つしかなくても、彼はその1つを掴み取る」

    「マシンに乗った瞬間から、彼の天性の才能と、11年間のF1経験が完全に融合しているのが分かる」

    「彼はこのF1マシンを、まるでゴーカートのように扱っている。それが一番の違いだ」

    ハジャーは2025年、レーシングブルズでルーキーシーズンを戦い、そのパフォーマンスによって高い評価を得た。

    中でもオランダGPでは、マックス・フェルスタッペンに次ぐ3位でフィニッシュし、このレースは2025年シーズンで唯一、レッドブル系ドライバーが2人揃って表彰台に立った一戦となった。

    元F1ドライバーのジョニー・ハーバートも、ハジャーがレッドブル・レーシングで生き残るための重要な資質を備えていると見ている。

    それはフェルスタッペンの隣で「勝とうとする姿勢」ではなく、「学ぼうとする姿勢」を保てるかどうかだ。

    ペレスや角田裕毅、リアム・ローソンが経験してきたように、フェルスタッペンのチームメイトという立場は、純粋なスピード以上に精神的な成熟と現実的な視点を求められる。

    ハジャーが2026年を“結果の年”ではなく“吸収の年”として捉えられるかどうかが、その後のキャリアを大きく左右することになりそうだ。

  • ローラン・メキースは過大評価? レッドブルF1後半復調を元チーム代表が一蹴

    ローラン・メキースは過大評価? レッドブルF1後半復調を元チーム代表が一蹴

    2025年F1シーズン後半、レッドブル・レーシングが見せた復調の立役者として、チーム代表に就任したローラン・メキースの名前が挙げられてきた。しかし、その評価に対し、元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは慎重な見方を示している。

    ミルトンキーンズを拠点とするレッドブル・レーシングは、2025年シーズン序盤に競争力不足に苦しみ、夏休み前までにマックス・フェルスタッペンが挙げた勝利はわずか2勝にとどまっていた。

    しかし後半戦に入ると状況は一変する。フェルスタッペンは残り9戦で5勝を挙げ、残る4戦でもすべて表彰台を獲得。最終戦アブダビではタイトル獲得の可能性を残したものの、わずか2ポイント差でランド・ノリスに及ばなかった。

    メキースは7月、イギリスGP直後にクリスチャン・ホーナーが解任されたのを受け、チーム代表兼CEOとして即座にレッドブルに加わった。姉妹チームであるレーシングブルズの代表を務めていたフランス人のメキースは、ピットウォールから新たな技術的方向性を示し、RB21の改善に貢献したと評価されてきた。

    だが、オーストリア紙『Sport Krone』の取材に応じたシュタイナーは、チームの好転をメキース一人の功績とする見方に異を唱えた。

    「それは少し読み込みすぎだと思う」とシュタイナーは語った。

    「確かにメキースは、ホーナー体制末期の混乱の中で落ち着きをもたらした。しかし、マシンのパフォーマンス自体はすでに存在していた。ローランが2週間でクルマを速くできるわけじゃない。彼はそこまで魔法使いじゃないからね」

    レッドブル・レーシング

    ホーナー体制の最後の2年間は、チーム内の対立や、当時51歳だったホーナーの私生活を巡る疑惑など、騒動が絶えなかった時期だった。これらの疑惑は後に否定されている。

    それでもシュタイナーは、メキースの就任がフェルスタッペンにとってプラスに働いた点は認めている。チームの調和が損なわれているとされる中で、外部からの視線や雑音が減り、ドライビングに集中できる環境が整ったからだ。

    「ただ、その“落ち着き”だけでも大きな違いを生んだ」とシュタイナーは説明する。

    「毎戦ごとにチームを取り巻くドラマがなくなったことで、マックス・フェルスタッペンにとっても確実に助けになった。チーム全体が、ようやく本当に重要なことに集中できるようになったんだ」

  • フォード 「レッドブルF1との長期目標? 2026年最初から勝ちにいく」

    フォード 「レッドブルF1との長期目標? 2026年最初から勝ちにいく」

    アウディが2030年にF1世界選手権制覇を目標に掲げる一方で、フォードはレッドブルとともに、最初から競争力を発揮する必要があると考えている。

    フォード・パフォーマンスのディレクターであるマーク・ラッシュブルックは、マックス・フェルスタッペンの将来に関するレイモンド・フェルミューレンの発言にも言及しつつ、彼を引き留めることは重要だが、プロジェクト自体は一人のドライバーに依存するものではないと強調した。

    レッドブルにとって2026年シーズンは、チーム史における新たな章となる。2005年にジャガーを買収して以来初めて、ミルトンキーンズのチームは自社製パワーユニットでF1を戦うことになる。この移行は、長期的にはエンジンとシャシーの統合といった面で多くの利点をもたらすはずだが、新パッケージが短期的にどこまで競争力を発揮できるかについては疑問も残る。

    ラッシュブルックは、社内目標は順調に達成されており、パワートレインズ・プロジェクトは計画通りに進んでいるとすでに明言している。ただし、他のパワーユニットメーカーがどのレベルに目標を設定しているのかは、依然として大きな未知数だ。

    ラッシュブルックは、レッドブル・フォードが新規参入として「エベレストを登るような挑戦」に直面しているというトト・ヴォルフの評価にも同意している。しかし同時に、2026年にスロースタートの余地は一切ないことも理解している。

    マックス・フェルスタッペンのマネージャーであるレイモンド・フェルミューレンは、2026年がオランダ人ドライバーの長期的な将来にとって決定的な年になると指摘している。これは、2027年に向けたドライバー市場が非常に流動的になると見られている状況とも一致している。

    昨年、フェルスタッペンの将来が再び話題になった際、ラッシュブルックはすでに、フォードのF1参戦は特定の個人、すなわちフェルスタッペン一人に結び付いたものではないと説明していた。その一方で、4度の世界チャンピオンが依然としてプロジェクトの一員であることを喜ばしく思っているとも語っている。

    「彼は世代を代表する才能だ。レッドブル・フォードのパワーユニットを搭載したマシンをチャンピオンがドライブすることは重要だろう? 我々はチームを信じているし、パワーユニットを信じているし、マシンを設計する人々も信じている。ただ、最終的にパフォーマンスのすべてを引き出すのはドライバーだ。我々は、マックスがチャンピオンだと信じている」とラッシュブルックはモータースポーツ・ドットコムの独占インタビューで語った。

    ただし、フォードの関与が特定のドライバーに依存していない点は改めて強調している。

    「マックスは重要な存在だが、彼がチームを去ったら我々も去る、というほどではない。そういうことはない。我々はチームを信頼しているし、将来的には他のドライバーも出てくると分かっている」

    フォード レッドブル・レーシング

    フェルスタッペンを引き留めるために必要なこと
    理想的なシナリオは、もちろん2026年以降もフェルスタッペンを維持することだが、フォードはそれが何を意味するかを理解している。

    「レーサーとして、常に勝ちたいと思うのは当然だ。だからこそ、サーキットで結果を出すことが重要になる。2026年は新レギュレーションによって、パドックの全員にとって厳しい年になると分かっている。ドライバーが誰であれ、チームが結果を出すことが不可欠だ」

    ドライバー市場の状況やフェルスタッペンの立場を考えると、レッドブル・フォードには適応のための時間があまり残されていないのではないかと指摘された際、ラッシュブルックはこう答えている。

    「私のコメントはマックスとは独立したものだ。我々は勝つつもりでサーキットに向かう」

    これは新規メーカーにとっては非常に野心的な目標に見えるかもしれない。その点で、たとえばアウディとは対照的だ。四つの輪を持つブランドは、2030年を世界タイトル獲得の目標年として設定しており、レッドブル・フォードとは明確に異なるタイムラインを描いている。

    「そうだが、彼らは立場が違うと思う。チーム、マシン、その他すべての面でね。マシンという点でチームが何を提供できるかは、これまでのレッドブルを見れば分かる。その一部は2026年にも引き継がれるだろう」

    「バルセロナやバーレーンで、我々がどこにいるのかが本当の意味で分かるだろう。とにかく、グリッドの前方にいたい。完全に新しいパワーユニットで挑むのは大きな挑戦だと分かっているが、それが我々の意志だ。もしすぐに達成できなかったとしても、目指す場所に到達するために、できる限りのことを続けていく」

    多様なバックグラウンドを持つ集団
    パワートレインズ・プロジェクトは、非常に多様な構成を持っている。レッドブルとフォードの従業員に加え、以前のエンジンパートナーであったホンダ出身の技術者や、メルセデスから加わった新戦力も含まれている。異なる組織で培われた知見を集約できる一方で、こうした多様なバックグラウンドを持つ人材が、いかに効果的に協働できるかが最大の課題となる。

    「それは常に挑戦だ。既存のエンジンメーカーには、すでに確立された文化がある。一方で、このケースでは少なくともミルトンキーンズのキャンパス内には、すでに明確な文化があった。そこに人が加わり、適応していく必要がある。パワートレインズ部門の従業員がゼロから500人以上に増える中で、全員がその文化を受け入れ、自分のものにすることが重要だ」とラッシュブルックは語る。

    ラッシュブルックによれば、フェルスタッペンはこのプロジェクトに強い関心を示しているという。それは新エンジンのドライバビリティに関する技術的フィードバックという意味だけでなく、ファクトリーで働く人々にとっての重要なメッセージにもなる。

    「彼は何度も施設を訪れている。彼の関心をチームが直接感じられるのは素晴らしいことだし、彼がそこにいるだけで違いが生まれる。彼が本気で気にかけていることが伝わるのは大きい。こうした関与を示してくれるのは良いことだし、同時に彼自身も、チームが2026年に向けて準備しているものに対する信頼を深めることができる」

  • アイザック・ハジャー、レッドブルF1×フォードのラリーレイド挑戦で圧巻の走り

    アイザック・ハジャー、レッドブルF1×フォードのラリーレイド挑戦で圧巻の走り

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)は、フォード・ラプターT1+のステアリングを握り、アドレナリン全開のラリーレイド・チャレンジに挑んだ。これはレッドブル・モータースポーツの映像企画の一環として行われたもので、2026年F1シーズンに向けた準備の合間に実施された特別企画だった。

    ハジャーに与えられたミッションは、プロのラリーレイドドライバーが記録した基準タイムから15秒以内に迫れるかどうかというものだった。

    6周の走行が許されるなか、彼はわずか3周目で目標を達成。途中で一度コースアウトを喫しながらも立て直し、最終的にはプロ基準からわずか2秒差にまで迫った。

    2026年F1デビューを前に与えられた異色の課題
    2025年シーズン、レーシングブルズでルーキーながら印象的な走りを見せたハジャーは、2026年F1シーズンからレッドブル・レーシングに昇格し、4度のワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンのチームメイトとなる予定だ。

    その大舞台を前に、彼はオフロードという未知の領域での挑戦を課された。

    「チャレンジは、プロのラリーレイドドライバーが出したタイムから15秒以内に入れるかどうかだ」

    そう説明したハジャーが対峙した相手は、ミッチ・ガスリーJr.だった。アメリカ人ドライバーのガスリーJr.は、2026年ダカールラリーに向けたフォードのプロジェクトにおいて、カルロス・サインツSr.とチームを組んでいる。

    フォードは、レッドブルのパワーユニット計画と組む形でF1に復帰すると同時に、2026年にはダカールラリーにも本格参戦する。その象徴的マシンが、このフォード・ラプターT1+だ。

    プロの走りに驚愕、そして自らステアリングを握る
    まずは4kmの砂漠サーキットで、ガスリーJr.が基準となるラップタイムを記録した。ハジャーは助手席に同乗し、その走りを間近で体感する。

    「なんてこった……クルマのコントロールが信じられない!」

    ガスリーJr.のラップタイムは3分16秒。ハジャーには5周の練習走行と1周の計測ラップが与えられ、このタイムから15秒以内に入ることが求められた。

    「本当にクレイジーだよ」

    助手席での体験を終え、ハジャーは率直な感想を口にした。

    初オフロードでも急速に順応
    いよいよハジャー自身がドライバーズシートに収まる。オフロード走行は今回が初めてだった。

    1周目は4分20秒。マシンとコースを理解するためのラップとなり、ナビゲーター席のガスリーJr.からのアドバイスを受けながら走行した。

    2周目には限界を探りにいった結果、ブレーキングが遅れてコースアウト。

    「ちょっとブレーキが遅れた」

    それでもマシンを立て直し、クラッシュを喫しながらも自己ベストを2秒短縮する走りを見せた。

    わずか3周でチャレンジ達成
    3周目、ハジャーは3分31秒を記録。この時点で条件はすでにクリアしていたが、本人にはまだ伝えられていなかった。

    4周目は3分23秒、そして最後の練習ラップでは3分19秒までタイムを縮める。

    ガスリーJr.は、その最終ラップについて「自分より速かったかもしれない」と評価した。差はわずか3秒だった。

    走行後、ハジャーは3周目で既にチャレンジを達成していたこと、そして最終的に3分19秒まで到達していたことを知らされる。

    公式計測ラップでは3分18秒。驚異的な数字だったが、本人は満足しきれていなかった。

    「正直、少し後悔もある。良かった部分もあったけど……ミスしたところもあった」

    それでも、この体験そのものは強烈な印象を残した。

    「本当にさ、1日中これをやっていられるよ」

    視線はすでに2026年F1へ
    こうして異色のチャレンジを終えたハジャーだが、焦点はすぐに本業へと戻る。2026年F1シーズンに向け、彼は1月26日から30日にかけて行われる非公開のバルセロナテストで、新型レッドブルF1マシンを初めてドライブする予定だ。

    オフロードで見せた適応力とスピードが、次世代F1マシンでどのように発揮されるのか。その初走行に、すでに大きな注目が集まっている。

    アイザック・ハジャー レッドブル・レーシング/フォード

  • レッドブル、2026年F1マシン「RB22」でPUではなく空力主導の攻めた開発

    レッドブル、2026年F1マシン「RB22」でPUではなく空力主導の攻めた開発

    レッドブル・レーシングは、2026年F1シーズンに向けて開発中の新型マシンRB22において、パワーユニット性能に全面的に依存するのではなく、空力コンセプトを軸とした攻めの開発戦略を採っている。

    月末に予定されているバルセロナでの非公開テストでは、機能確認を主目的としながらも、初期段階から完成度の高い空力仕様を投入する方針だ。

    このアプローチは、2026年の新レギュレーション下で複雑化する電動エネルギー管理やアクティブ・エアロダイナミクスへの対応を見据えたものであり、シーズン序盤から集中的な空力開発を進めるための基準づくりとして位置づけられている。レッドブルはRB22を通じて、PU性能一辺倒ではない独自の競争力構築を目指している。
    2026年シーズンを前に、F1の動きは徐々に慌ただしさを増している。アウディがバルセロナで撮影日走行を行い、続いてレッドブルとレーシングブルズがデトロイトで新シーズン用リバリーを公開する予定だ。ミルトンキーンズを拠点とするレッドブルは、RB22の完成に向けて開発作業を加速させており、このマシンは月末に同地で行われるクローズドテストで初走行を迎える。

    関係者によれば、ローラン・メキース率いるチームの2026年に向けた取り組みは極めてアグレッシブなものとなっている。とりわけ準備段階において、他チームの開発プログラムとは一線を画す内容が採られているという。

    RB22は、初期テストの段階では純粋なラップタイムの追求を主目的としていない。最初の走行は、パワーユニットを制御する電子システムの作動確認や、アクティブ・エアロダイナミクス、バッテリー残量管理といった新要素にドライバーが順応するためのシェイクダウンとして位置づけられているからだ。

    それでも、RB22はバルセロナにかなり完成度の高い初期空力仕様を持ち込む予定とされている。この仕様は、その後のバーレーンで行われる公開テストに向けて、段階的かつ非劇的な進化を遂げる見通しだ。

    このような方針は、開発の停滞を意味するものではない。むしろ、レッドブルにとっては戦略の中核を成す考え方だ。初期段階で空力コンセプトの完成度を高めることで、その後に投入されるアップデートを評価・承認するための明確な基準を確立できる。

    情報筋によれば、この基準を起点として、シーズン前半にかけて極めて集中的な開発が計画されているという。こうしたプログラムは以前から構想されており、人員の強化や、風洞データを正確に検証・相関させるための計算・シミュレーション環境の充実も含まれている。

    レッドブル・レーシング 2026年のF1世界選手権 フォーミュラ1カー

    空力を軸に据えた継続的開発
    レッドブルの風洞施設は段階的なアップグレードが施されてきたものの、現在ミルトンキーンズで建設中の新施設はまだ稼働していない。このため、エンリコ・バルボが率いる空力部門では、数カ月にわたって専門技術者の集中的な採用が進められてきた。

    採用対象は、空力パフォーマンスエンジニアやデータ相関の専門家にとどまらず、CFDやダイナミックシミュレーション部門の責任者クラスにまで及んでいる。この体制強化は、初期コンセプトを基準とした高頻度のアップデートを支えるための土台となる。

    2026年、レッドブルはレッドブル・パワートレインズがフォードと共同開発したパワーユニットを搭載して戦うことになる。チームはこのPUを前提としつつも、車両側の継続的な進化によって総合性能を高める方針を明確にしている。

    これは、比較的新しいPUプロジェクトに起因する潜在的な課題を補完する意味合いも持つ。とりわけ、電動エネルギーのデプロイメント管理や、アクティブ・エアロダイナミクスの運用は、すべてのチームにとって習熟が必要な領域となる。

    レッドブルは、こうした過渡期において空力開発を武器に競争力を引き出し、PU関連の課題や運用面の不確実性が残る局面で優位に立つことを狙っている。

    2026年のF1は、パワーユニット性能がすべてを決定づけるカテゴリーになると見る向きも多かった。しかしレッドブルは、空力コンセプトを集中的に磨き上げることで、異なる形のアドバンテージを築けることを示そうとしている。

    ミルトンキーンズでは、過去と同様に既存の成功例を踏襲するのではなく、独自の解釈と道筋を選び取る姿勢が貫かれている。RB22は、その哲学を体現する存在として、2026年シーズンの幕開けを迎えることになりそうだ。

  • アイザック・ハジャーが語るレッドブルF1でフェルスタッペンの“呪縛”を破る鍵

    アイザック・ハジャーが語るレッドブルF1でフェルスタッペンの“呪縛”を破る鍵

    アイザック・ハジャーは、レッドブル・レーシングでマックス・フェルスタッペンの隣に並ぶ、最新のドライバーとなった。

    印象的なルーキーシーズンを経て、ハジャーは2026年F1キャンペーンに向け、角田裕毅に代わってトップチームへの昇格を果たした。

    角田裕毅はシーズンを通して苦戦を強いられ、結果を持ち帰れなかったフェルスタッペンのチームメイトとして、また一人名前を連ねることになった。

    日本人ドライバーは、ピエール・ガスリー、アレクサンダー・アルボン、セルジオ・ペレス、リアム・ローソンといった面々に続き、レッドブルでペースをつかめなかったドライバーの系譜に加わった。

    ハジャー自身も、チームに加わってすぐに4度のワールドチャンピオンと肩を並べられるとは考えていないことを、すでに受け入れている。

    フェルスタッペンのチームメイトとしての過去を意識しているかと問われると、ハジャーはRacingNews365を含む一部メディアに対し、次のように語った。

    「うん、意識している。だからこそ、このアプローチを取っている」

    「鍵になるのは、信じられないくらい速いこと、そしてクルマの外でも優秀で、チームのみんなと一緒に仕事をすることだ」

    「それができて初めて、そこにたどり着ける。特別なメンタルの話ではない。トラック上でも仕事をやり切る必要がある」

    アイザック・ハジャー レッドブル・レーシング

    ハジャーはルーキーシーズンを通して好結果を残し、オランダGPでの表彰台というハイライトも経験した。

    レッドブルのジュニアとしての最終目標がトップチームのシート獲得であった一方、ハジャーはF1初年度の課題に取り組む中で、上位チームで何が起きているかについては、ほとんど意識していなかったと明かしている。

    「レッドブルに行くためには、まずここで自分のベストを尽くさなければならなかった」とハジャーは語る。

    「ビッグチームが何をしているかには、あまり注意を払っていなかった」

    「でも当然、今はフォーカスポイントが変わってきている。ミルトンキーンズに行って、1月と2月にかけて彼らと一緒に仕事を始めるのが待ちきれない」

    「楽しいものにはならないだろうけど、そこで差を生み出せる。なぜなら、クルマはまだ作られていないからだ」

    「使えるツールはひとつ、シミュレーターだ。やることは山ほどある。もっと休暇を取ることもできるけど、意味があるのか?」

    ハジャーは、新たなテクニカルレギュレーションのもとでF1が新時代に突入する中、フェルスタッペンとタッグを組むことになる。

    フランス人ドライバーであるハジャーは、すでにフェルスタッペンとの関係が健全なものだと感じており、昨年は何度か28歳の王者に助言を求めたことも明かした。

    「特に技術的な部分だ。ドライバーズパレードのときに5分くらい会って、質問することもあった」とハジャーは語る。

    「彼は答えてくれるし、とてもオープンだ。吸収することはたくさんあるし、だからこそ、そこから学んでいるんだ」