カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • ヘルムート・マルコ 「F1引退の予定はない」 ベッテル後継案はあくまで“構想”

    ヘルムート・マルコ 「F1引退の予定はない」 ベッテル後継案はあくまで“構想”

    レッドブルF1の重鎮アドバイザー、ヘルムート・マルコが、自身の「引退が近いのではないか」との憶測を否定した。

    最近マルコは、後継者として理想的なのは4度のF1ワールドチャンピオン、セバスチャン・ベッテルだと語り、ベッテル自身もこの可能性を否定はしなかった。だが、その発言の前後から、82歳のマルコが年内にも引退するのではないかという噂が加速していた。

    昨年、レッドブル社内での権力闘争をかろうじて乗り切った経緯もその背景にある。

    しかし、ベッテルとの話し合いの進展についてオーストリア紙『Österreich』から問われたマルコは、こう答えた。

    「それはあくまで私のアイデアに過ぎない」

    「まだ決断には程遠い段階だ。年末に私を引退させたい人が誰なのかは知らないが、私はそのつもりはまったくない」

    「“休めば錆びつく”というだろう?」

    セバスチャン・ベッテルヘルムート・マルコの後継者と目されるセバスチャン・ベッテル

    実際、マルコはすでに2025年以降を見据えている。今季はリアム・ローソンが降格され、代わって角田裕毅が起用された。

    「角田裕毅はどんどん良くなっている。彼はフェルスタッペンのチームメイトとして、初めてマックスのパフォーマンスの片鱗を感じられる位置にいる」

    「ただ残念なのは、プレッシャーが高まるとまだミスを犯してしまうことだ」

    マイアミでは、ホンダが来年からアストンマーティンに供給体制を移すこともあり、レッドブルが2026年に向けて再びドライバー交代を検討しているのではないかという噂も飛び交った。

    一方で、ワールドチャンピオンシップのリーダーとなったマクラーレンのオスカー・ピアストリについて聞かれたマルコはこう語った。

    「非常に感銘を受けている。彼はいつも冷静で、常に前線で戦うプレッシャーを維持し続けている。それが新鮮なんだ」

    「だが、我々のアイザック・ハジャーも侮れない」と付け加えた。マルコは今季すでに何度も、レーシングブルズで走るフランス人ルーキーのハジャーを高く評価している。

  • マックス・フェルスタッペンがF1を去る?2026年サバティカル説が浮上

    マックス・フェルスタッペンがF1を去る?2026年サバティカル説が浮上

    レッドブルのコンサルタントによると、マックス・フェルスタッペンが2025年末でF1から退く可能性があるという。

    第1子となる娘リリーの誕生後、マイアミGPに出走したフェルスタッペンは、直後にドイツのニュルブルクリンクへ向かった。舞台となったのは、伝説的かつ過酷な「ノルドシュライフェ(北コース)」だ。

    フェルスタッペンは、レーシングライセンスをまだ取得していないにもかかわらず、Emil Frey Racingが準備したFerrari 296 GT3に乗り、Verstappen.com Racingのロゴを掲げた車でニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)の公式テストに参加した。

    この走行は非公開で進められ、彼の名前は「フランツ・ヘルマン」という偽名で登録されていたが、すぐに彼がステアリングを握っていることが明るみに出た。

    専門メディアによれば、フェルスタッペンは将来的にニュルブルクリンク24時間レースなどに出場するため、必須となる「DMSBノルドシュライフェ・パーミット」の取得を目指しているという。元アルファタウリF1チーム代表であり、現在もレッドブルのF1活動に関わるコンサルタントを務めるフランツ・トストは、同車での最近のテストでフェルスタッペンが「他のドライバーよりもいきなり2秒速かった」と語っている。

    マックス・フェルスタッペン レッドブル F1マックス・フェルスタッペンは“フランツ・ヘルマン”の偽名ででニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)の公式テストに参加してFerrari 296 GT3を走らせた。

    フランツ・トストは、「フェルスタッペンが2026年にメルセデスやアストンマーティンへ移籍するのでは」という憶測に対し、むしろF1を一時離れる可能性があると新たな見解を示した。

    「私は、マックスが1年間F1から離れ、2026年の新シャシーと新エンジンレギュレーションが技術的にどう実装されるかを冷静に見極める可能性があると思っている。そして2027年に復帰するかもしれない」と、トストはドイツの『Sport1』に語った。

    さらにトストはこう続けた。

    「一つ確かなのは、どのチームもマックスを欲しがっているということだ。第一に、彼はどのチームでもパフォーマンスを大きく引き上げる存在だから。第二に、ライバルチームに彼を渡さないためでもある」

    しかし、フェルスタッペン本人は、このような憶測や「パフォーマンス条項」によるレッドブル離脱の噂を否定している。

    「僕には2028年まで契約があるし、それ以降はどんなプロジェクトが出てくるか、その内容がどれだけ面白いかによって考える」とオランダ人チャンピオンは語った。

    ただし、自身の将来については非常にリラックスした姿勢を見せている。

    「初めてタイトルを獲ったときから、『これからは全部ボーナスだ』と思っているし、今でもその考えは変わらない。楽しめる限りは続けるつもりだ」

  • 角田裕毅 レッドブルF1昇格は「チームにとっての成功」とVCARB代表

    角田裕毅 レッドブルF1昇格は「チームにとっての成功」とVCARB代表

    レーシングブルズのチーム代表ローラン・メキースは、2025年シーズンのF1はミッドフィールドの争いがかつてないほど激化している中、ドライバーの入れ替えによる不安定な体制がチームのパフォーマンス目標と衝突していることを認めつつ、角田裕毅のレッドブル・レーシング昇格を「チームにとっての成功」と語った。

    レーシングブルズには今季、F1のより競争の激しい中団上位で戦うという「非常に野心的な目標」が課せられており、ここまでの数戦では戦略面の判断ミスによりいくつかのポイントを逃す場面も見られた。

    しかしながら、マシン自体は着実に戦闘力を高めており、今季の中団争いにおいては、ウィリアムズ、ハース、アルピーヌ、アストンマーティンと接戦を演じている。

    その中で、チームの戦力維持におけるひとつの課題となっているのが、レッドブル・グループ全体のドライバー配置に伴う変動だ。開幕時にはリアム・ローソンが起用されたものの、シーズン開始からわずか2戦で角田裕毅と交代。角田は現在、レッドブル・レーシングのシートを掴み、トップチームの一員として戦っている。

    こうした背景について、メキース代表は「James Allen on F1」ポッドキャストに出演した際、チームとしては競争力の確保と同時に、レッドブルのドライバー育成プログラムの一翼を担うという二重の使命を抱えており、これらが時に相反する場合もあると語った。

    「我々の第一の目標は、競争力のあるチームであることだ。しかし、同時にレッドブル・グループのドライバー育成にも貢献しなければならないという目標がある」とメキースは説明した。「したがって、我々のドライバーが優れたパフォーマンスを発揮し、レッドブル本隊から注目を集めて昇格するに至れば、それは間違いなくチームとしての成功であると捉えている」

    「昨年は角田とローソンの2人のドライバーがその候補となり、昇格の可能性を示した。これは明らかに我々の取り組みが成果を上げたことを意味していた。そして今年、角田がそのチャンスを掴み、レッドブル・レーシングに移籍したこともまた、我々にとって非常に誇らしい瞬間だ」

    角田裕毅の成長についてもメキースは高く評価しており、「彼のこの1年半の成長は驚くべきものであり、我々がこれまで慣れ親しんできた『キャリア最初の2年間での成長』という常識を覆すほどだ」とコメント。「4年目、5年目にこれだけの進化を遂げた彼に、このような機会が与えられたことは素晴らしいことであり、それを支えたチーム全体にとっても大きな喜びだ」と述べた。

    角田裕毅 レッドブル F1

    一方、角田裕毅に代わってチームに復帰したリアム・ローソンは、今回が3度目のフルタイムでの起用となったが、彼の前にはF2準優勝者で、非常に早い段階でF1の環境に適応してみせた若き才能、アイザック・ハジャーが立ちはだかっている。

    サウジアラビアGPでは予選でハジャーを上回る走りを見せたローソンだが、決勝レースでは依然として安定したパフォーマンスに課題がある。ハジャー自身もその週末の戦いぶりについて「ローソンに常にプレッシャーをかけられていた」と認めており、2人のライバル関係がチーム内のレベルを押し上げているのは確かだ。

    それでも、メキースはローソンのポテンシャルについて疑いはないと強調する。

    「彼は数週間前まで我々のマシンを操っていた、あの才能あるドライバーであることに変わりはない」としたうえで、「F1のトップレベルの世界がどれほど厳しいものかは我々も理解しており、彼のスピードが確かであることにも確信を持っている」と述べた。

    さらに、「彼は我々の全面的なサポートを受けており、共に課題を消化し、学び、進化してきた。そしてその成果はすでに日本、バーレーン、ジェッダといったレースごとに見られている。ジェッダではQ3進出まであと0.05秒という僅差だった」とし、「昨年彼が見せた本来のスピードを、彼は必ず取り戻してくれると確信している」と語った。

    メキースの言葉からは、チームとしての苦悩と誇り、そして将来への期待がにじんでいる。レーシングブルズは今後も、育成と結果の狭間でバランスを取りながら、F1という舞台での存在感を高めていくことになりそうだ。

  • マックス・フェルスタッペン 新型F1フロアの評価保留「マイアミは奇妙すぎる」

    マックス・フェルスタッペン 新型F1フロアの評価保留「マイアミは奇妙すぎる」

    マックス・フェルスタッペンは、RB21に投入された新型F1フロアの性能について、いまだに評価を下せずにいる。その理由として、F1マイアミGPの舞台となった「奇妙な」マイアミ・インターナショナル・オートドロームの特異性を挙げている。

    レッドブルF1のエースであるフェルスタッペンは、マイアミGPでポールポジションを獲得したものの、決勝ではマクラーレン勢のオスカー・ピアストリとランド・ノリスに先行を許し、さらにジョージ・ラッセル(メルセデス)にも抜かれて4位でレースを終えた。

    レッドブル・レーシングはフロリダで、新型フロアにさらなる改良を加えて投入した。目的はパフォーマンス向上、あるいは少なくともアップグレードの効果を正確に把握することにあった。

    しかしフェルスタッペンによれば、どちらの目標も果たされなかったという。

    「少なくともネガティブな印象はない」と、マイアミでポールを獲得した後にオランダメディア(RacingNews365など)に語った27歳のフェルスタッペンはこう続けた。

    「でも、このサーキットでは何をどう評価していいか本当に分からない。すべてがすごく奇妙な感じだし、コーナーの形状もおかしい。たぶんイモラに行って初めて、今回のアップグレードがどうだったのか分かると思う」

    マックス・フェルスタッペン レッドブル F1

    レッドブルのタイヤ問題、依然として“核心的課題”
    今シーズン、マクラーレンとレッドブル、さらにはメルセデスやフェラーリといった他チームとの大きな違いとして浮かび上がっているのが、タイヤマネジメントの差だ。特にレッドブルF1は、過度なオーバーヒートを抑えられず、タイヤの摩耗管理に苦しんでいる。

    この課題はパドック内でも注目されており、レッドブルはマクラーレンの冷却技術の秘密を探る動きも見せている。一方で、クリスチャン・ホーナー率いるチームにとっては、シーズン全体を左右する深刻な問題として立ちはだかっている。

    フェルスタッペンが開幕戦バーレーンで週末を通じて苦戦したのも、タイヤに大きな負荷がかかるコース特性が要因だった。そして同様の問題は、他のサーキットでも一貫して発生している。

    「もちろん全力で解決に取り組んでいるけど、すべてを理解するには時間がかかる」と、通算64勝を誇るフェルスタッペンは語る。

  • 角田裕毅 レッドブルF1加入で浮き彫りになった「マックス要因」

    角田裕毅 レッドブルF1加入で浮き彫りになった「マックス要因」

    角田裕毅は2025年、念願のレッドブル・レーシング昇格を果たし、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして開幕から6戦に出走してきた。しかし、その成績は厳しく、獲得ポイントはわずか9。一方でフェルスタッペンは、同じマシンを駆って99ポイントを積み上げている。

    この極端な差に注目したのが、元F1チーム代表のオトマー・サフナウアーだ。彼はこの現象を「マックス要因(Max factor)」と呼び、こう語っている。

    「角田は非常に有能なドライバーだ。だが、ポールポジションを取るフェルスタッペンに対し、角田は10番手、0.7秒の差がある。同じマシンに乗っているのに、これだけ差が出るのは“マックス要因”としか言いようがない」

    サフナウアーはまた、現在グリッド最強とされるマクラーレンを引き合いに出して比較する。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリは、常に予選で僅差の戦いを繰り広げており、両者の実力が極めて拮抗していることが明らかだ。

    角田裕毅 レッドブル F1マイアミGPでRB21を駆る角田裕毅 フェルスタッペンとの比較が注目された。

    マクラーレンの強さに見る「総合力」
    マクラーレンは予選での接戦だけでなく、決勝レースでの安定したペースによって、今季すでに5勝を挙げている。サフナウアーはその強さの理由を「ロングランペース」と「タイヤマネジメント」にあると分析している。

    「マクラーレンが本当に強いのは、一発の速さよりもレース全体のペースにある。これはクルマの設計、セットアップ、そしてタイヤの扱い方など、細部にわたる総合力の成果だ」

    自身がフォース・インディアやアルピーヌを率いていた当時の経験を振り返り、サフナウアーは「最良のタイヤエンジニアを集め、クルマの開発でもタイヤへの影響を常に重視していた」と述懐する。

    “マックス要因”は、フェルスタッペンの並外れた才能を象徴する言葉であると同時に、チーム内の構造的な偏りを示している可能性もある。

    角田裕毅のような力量あるドライバーが、これほどまでに差をつけられる状況は、果たして個人の問題なのか。それとも、マシンやチームの運用がフェルスタッペンに最適化されすぎているのか。

    角田裕毅がチームに加わったことで、その「差」はより鮮明に可視化された。“マックス要因”という言葉は、称賛であると同時に、F1界に投げかけられた疑問でもある。

  • レッドブルが見出した才能 アイザック・ハジャーが語るF1への道

    レッドブルが見出した才能 アイザック・ハジャーが語るF1への道

    彼のF1までの道のりは決して平坦ではなかった――しかし今、その舞台に立ったアイザック・ハジャーは、鮮烈な印象を残している。

    20歳のフランス系アルジェリア人ルーキーは、登場早々に注目を集めた。開幕戦メルボルンではフォーメーションラップ中にクラッシュするという波乱のスタートとなったが、その後は中国と日本でQ3に進出し、日本とサウジアラビアでポイントを獲得。グリッド上で最も話題を呼ぶ新人の一人となった

    そのスピードと安定感は、レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコから「今季最大のサプライズ」と称されるほどだ。

    モータースポーツ・コムはレーシングブルズの若きドライバーにインタビューを行い、F1までの道のりとその背後にあるストーリーを聞いた。

    ピクサーがくれた火花
    すべてはディズニー・ピクサーの映画から始まった。「きっかけは家で『カーズ』を観たことだった」と、ハジャーはモータースポーツへの原点を語る。「たぶん2歳くらいだったと思う。DVDを買った日のことを今でも覚えてる。それからF1をテレビで観るようになったんだ。あれがすべての始まりだった」

    6歳のとき、彼はすでにカートに乗っていた。「パリ郊外に学校があって、屋内のカート場があったんだ。父と一緒に行ってみたら、初めてなのにすごく得意だった」と振り返る。そして8歳になる頃には競技として本格的にカートを始めていた。「最初の2~3シーズンは本当に楽しかった」

    だが、上のレベルに進むにつれて状況は厳しくなっていった。「全国選手権に出るようになると、どんどんフラストレーションが溜まった。走行距離もなければ、シャシーもエンジンも足りなかった。つまり、勝つための“正しいパッケージ”が揃ってなかった。両親は勉強を優先させたがっていたから、10~13歳の頃は他の選手たちとまともに戦えなかった」

    ハジャーは、成功が才能よりも予算に左右される現実に落胆していた。「ヨーロッパ選手権や世界選手権にも出たいと思ってた。でも出場できたのはカート最後の年だけ。普通は年間20~24戦出るけど、僕は8戦だけ。本当に重要な大会だけしか出られなかった。だから準備不足で、結果は出なかった。最初の数年は楽しかったけど、カート全体の経験としてはフラストレーションが多かった」

    親友でありライバル
    カート時代の最大のライバルを問うと、ハジャーは即座にサミ・メゲトゥニフの名を挙げた。現在はF2に参戦している。

    「彼はモータースポーツ界での僕の一番の友達だね。全国選手権では何度もバトルしたけど、いつも楽しい戦いだったよ」

    2人の友情は2015年に始まった。「彼と彼のお父さんにル・マンで会って、彼が『君、アルジェリア人?』って聞いてきた。僕は『フランス人だけどアルジェリアのルーツがある』って答えたら、『僕もアルジェリア人!』って。すごく面白くて、今では10年の付き合いになる。素敵なストーリーだと思うし、彼がF1に来るのを待ってる」

    F1で再び相まみえる日は来ると思うかと問われると、ハジャーは自信をもって答えた。

    「彼は本当に速い。ただ、キャリアの選択という点では僕の方が少し運がよかった。タイミングも重要だからね。でも、彼にはF1でやっていける素質があると信じてる」

    クルマの方が自分に合っていた
    カートからフォーミュラに転向すると、ハジャーのキャリアは大きく前進した。フランスF4で勝利を挙げ、2021年にはR-ace GPからFRECA(フォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン・チャンピオンシップ)に参戦。

    「フォーミュラの方がドライバーの腕が結果に直結すると思う。カートだと、いいエンジンとシャシーがあれば1~2コンマくらい簡単に速くなれる。でもクルマではセッティングなど、速さに影響する要素がたくさんある。F4はすごく自分にフィットしてた」

    モナコでのFRECA勝利がキャリアの転機となった。「あの日のことは全部覚えてる。スタートはウェットだったけど、僕らはスリックタイヤ。すぐに路面が乾いていって、レースは完全に支配できた。デグラデーションも一切なくて、ファステストラップを何度も出して、優勝した。最高のレースだった」

    レース後、母親から「モンテカルロ・ベイ・ホテルでヘルムート・マルコが会いたがっている」と電話があった。それがレッドブルとの最初の接触だった。

    「彼に会ったら、“契約書を送るよ”って言われて。それで終わり。すごく簡単だった。本当にいい日だったよ!」

    加速するキャリア
    2022年にはレッドブルの支援のもとF3に昇格し、スプリント2勝、フィーチャー1勝を挙げてランキング4位に。2023年にはF2へと進み、F1の金曜フリー走行ではメキシコでアルファタウリ、アブダビでレッドブルから出走した。

    2024年にはF2でフィーチャーレース4勝を挙げ、アブダビの最終戦ではタイトル争いの渦中にいたが、スタートでストールしてしまった。

    「無線で“人生最悪の瞬間だ”って言ったけど」と振り返る。

    「でも実際は違った。もっと酷い瞬間も経験してきた。F1はもう無理だと思ったこともあったし。もちろん、負け方としては痛かった。でも心が折れるようなものではなかった。一番きついのは、何かを懸けて戦うチャンスすら与えられなかったとき。その意味では今回はまだよかった。痛みはあったけどね」

    2日後、ハジャーはアブダビでRB20をテストし、再びハンドルを握っていた。

    パーソナル・エンジニア
    ハジャーは、自分がレッドブルに加わって以来、ドライバーとして大きく成長したと実感している。

    「FRECAの頃の僕と今の僕では、ドライビングのレベルも、判断力も、精神面の強さも、まったく別物だと思う。成長をはっきりと感じてる。レッドブル・ジュニアチームのテクニカルサポートは本当に優れていて、理解を深めて改善していくためのすべてのツールが揃っている。それは今も変わらないよ」

    ハジャーは、セバスチャン・ベッテルの元レースエンジニアであるギヨーム・“ロッキー”・ロックランと密接に連携してきた。

    「彼は僕の“オフトラックにおけるパーソナル・エンジニア”みたいな存在だった。週末に起きたこと、どんなことでも彼に相談できた。質問があれば全部持っていってたし、何かトラブルが起きたらまず彼のところに行ってた。今でもそうしてる」

    2人はどちらもフランス人だが、そのことが特別な利点になるとは思っていないという。

    「彼、今ではフランス語より英語の方が上手なんだ」とハジャーは笑った。

    月曜朝の電話はなかった
    レッドブル・ジュニアドライバーたちは、週末が終わるたびにマルコから“月曜朝の電話”を受けると言われているが、ハジャーにはそれがなかった。

    「僕にはそういう電話はなかった」と彼は語る。「僕の場合、他のドライバーほどキツくはなかったと思う。僕たちの関係は本当に正直で、実際のところ、彼とは笑ってることの方が多いくらいなんだ」

    マルコが週の後半に電話してくることもなかったのかと聞かれると、彼はこう返した。

    「彼は基本的に、僕に全然電話してこないんだよ!」

    それでもハジャーは、マルコとの関係について好意的に語る。

    「彼が僕に対して失礼なことを言ったことは一度もない。F2で本当にひどいシーズンだったときですら、彼は僕をプログラムに残してくれたんだ」

    F1昇格を告げられた瞬間
    ハジャーは、2025年にF1ドライバーとして走ることが決まった瞬間のことを今でもはっきりと覚えている。

    「F1はずっと目標だった。小さい頃から、F1以外のことを考えたことなんてなかった。でも、両親――とくにマネージャーを務めてくれていた母は、“将来のことを心配するより、今やっていることに集中しなさい”って、いつも言ってくれてた。その姿勢は本当に素晴らしかったと思ってるよ」

    アイジャック・ハジャー ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム

    マルコが語った「痛ましい」メルボルン後の姿
    開幕戦メルボルンでのクラッシュの後、マルコはオーストリアのテレビで、パドックに戻ってくるハジャーの様子が「少し痛ましかった」と語っていた。

    「うん、あれはたしかに痛ましかったと思う」とハジャーも振り返る。

    その後、マルコは彼に何を言ったのか?

    「彼は僕のクラッシュのことなんて気にしてなかったよ。そういうことは誰にでも起きるものだから。怒ってる様子もなかった。“中国ではもっとよくなるさ”って。それだけだったよ」

    “ル・プティ・プロスト”の由来
    アイザック・ハジャーには「ル・プティ・プロスト(小さなプロスト)」というニックネームがある。しかし、その由来について聞かれると、本人はこう答える。

    「どこから来たのかって? みんなに聞かれるけど、正直に言うと僕にも全然わからない」と彼は笑った。「たぶん僕が爪を噛むからだと思う。ヘルムートがそう言ってた。プロストも爪を噛んでたんだって。それで僕も、そんな風に見えるらしいよ」

    「顔が似てるからでも、声が似てるからでもない。実際のところ理由はよくわからないんだ」と言いながら、彼はその“癖”を真似て見せた。

    「でも、このニックネームはすごく嬉しいよ。だってプロストだよ? レジェンドだ。僕の名前と結びつけられて、彼が怒ってなければいいな。“なんで僕がこの子と同一視されてるんだ”って思ってないといいけどね!」と、笑顔を見せた。

    #F1 #f1jp #アイザックハジャー #ハジャー #レーシングブルズ

  • マックス・フェルスタッペンの去就に変化 レッドブルF1マルコ「懸念縮小」

    マックス・フェルスタッペンの去就に変化 レッドブルF1マルコ「懸念縮小」

    レッドブルF1のアドバイザー、ヘルムート・マルコは、マックス・フェルスタッペンが2025年末でチームを離脱する可能性について、「かつてほどの懸念は抱いていない」との見解を示した。

    現在もフェルスタッペンの去就を巡る噂は続いており、レッドブル・レーシングの内部混乱やパフォーマンスの乱れ、さらにはピット作業のミスも重なって、2026年の新レギュレーション開始を機に移籍するのではないかと報じられている。

    とりわけ昨年、メルセデスが獲得に関心を示していたほか、アストンマーティンが年俸1億ドルの大型オファーを提示しているという話もある。

    この点についてマルコは、ドイツ紙『Bild』の取材に対し「私もその話は読んだが、マックスにとっては大きな意味はないと思う」とコメント。「彼は我々からも十分な報酬を得ているし、それ以上に“勝ちたい”んだ。そのためには我々が最速のマシンを用意しなければならない。今はその準備を進めており、近くアップグレードを投入する予定だ」と語った。

    ただし元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、イモラで導入される予定のアップグレードについて「マクラーレンとの差を埋めるには不十分」と否定的な見方を示し、レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーも「大きな飛躍にはならない」と発言している。

    レッドブル・レーシングアップグレード投入に期待を寄せるヘルムート・マルコ

    一方でマルコは、以前からこのアップグレードに期待を寄せており、「仮に失敗すればフェルスタッペンが移籍に傾く可能性もある」と示唆していた。しかし今回は、より自信を持った姿勢を見せている。

    「その可能性は考えていない。なぜなら、アップグレードは計画通りに機能すると確信しているからだ」と82歳のマルコは断言。「我々は問題点を明確にし、すでにその解決に取り組んでいる」

    さらに「レッドブルが危機にある」との見方については、「それは言い過ぎだ」と一蹴した。

    「今季、マクラーレン以外でグランプリに勝ったのは我々だけだし、パフォーマンスもやや持ち直している。ただし、それでも満足はしていない。我々の目標はレースとタイトルを“勝ち取る”ことだ。現時点で最速のマシンを持っているわけではないが、まだすべてを失ったわけではない。ドライバーズとコンストラクターズの両方でタイトルを狙える位置にはいる。状況が思い通りに進んでいないからといって、諦める理由にはならない」

    とはいえ、マルコはかつて「停滞が続けば、フェルスタッペンが離脱を選ぶのではないか」と強い懸念を示していたことも事実だ。

    今回その発言について問われると、「それは確かに言ったが、いまではその懸念もかなり小さくなっている」と回答。

    「マックスは非常に忠誠心のある人物だし、最近も公の場でレッドブルへのコミットメントを示している。それは私が彼を見ていても感じられる。いまの彼は完全にチームの仕事に集中している」

    「だから、移籍を真剣に考えているとは思っていない。むしろ逆で、私はマックスが2026年もレッドブルで戦い続けると確信している」

    マルコはまた、フェルスタッペンと2025年シーズンの目標について何度も話し合っていると明かし、「当然ながらタイトル防衛が目標であると全員が認識している。ただし、それが当然達成できるとは考えていない。我々は全力を尽くすが、すべてのレースで勝てる保証はない」と慎重な姿勢も見せた。

    一方のフェルスタッペン自身は、娘リリィの誕生で父親となったばかりだが、「感情面での変化はない」とメディア報道を否定している。

    「もちろん、赤ちゃんのことは別だよ」とフェルスタッペンはViaplayに語った。「あんなに安静時の心拍が上がったのは初めてだった。でも、レースに関してはずっとやってきたことだし、何が起きても動じない」

    「ずっと前から言っているけど、勝利やタイトルという夢を叶えると、気持ちがずっと落ち着く。悪い日があっても、それ自体は問題じゃない。重要なのはどう立て直すか。前を見て、ただ進み続けるだけ」

    「今はとても冷静に、次の課題に集中している」とフェルスタッペンは強調した。

  • 角田裕毅 レッドブルF1幹部が称賛「フェルスタッペンの隣でも物怖じしない」

    角田裕毅 レッドブルF1幹部が称賛「フェルスタッペンの隣でも物怖じしない」

    角田裕毅は、レッドブルF1チームでの最初の数戦を終えて、ポジティブな評価を受けている。チーフエンジニアのポール・モナハンは「素晴らしいチームメンバー」「とても順調に馴染んでいる」と語った。

    角田裕毅はこれまで何度か昇格を逃してきたが、先月のF1日本GPで念願のトップチーム昇格を果たし、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてリアム・ローソンに代わって起用された。ローソンは再びレーシングブルズに戻っている。

    RB21への適応に苦戦する場面もあるが、角田裕毅はバーレーン、サウジアラビア、マイアミでQ3進出を果たし、直近3戦のうち2戦でポイントを獲得するなど、期待を抱かせるパフォーマンスを見せている。

    角田裕毅 F1 レッドブル・レーシングレッドブル・レーシングの中核を担うチーフエンジニア、ポール・モナハン

    マイアミGP週末を前に、同地のスプリントでもポイントを獲得した角田裕毅について、レッドブル・レーシングのモナハンは次のように語った。

    「彼は実際、とても順調に馴染んでいるようだ。決して簡単な状況ではないなかでチームに加わったが、率直なフィードバックをしてくれるし、礼儀正しく、良きチームメンバーだ。運に恵まれないこともあれば、逆にツキがあるときもあった。今は自分の居場所を見つけている段階だ」

    「自分の意見をしっかり伝えるし、好きなことと嫌いなことをはっきり言えるのは良いことだ。彼はチームの一員としてしっかり機能しているし、うまくやっていけるだろう」

    「彼は今のところ、マックスのチームメイトであるというプレッシャーに怯むことなくやれている。これは本当に素晴らしいことだ。彼には“芯”があると感じている」

    レッドブルF1は角田裕毅の適応を支援する一方で、2025年型マシンの理解と改善にも注力している。現在、マクラーレンがドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権の両方で優位に立っており、レッドブル・レーシングは反撃の糸口を模索している。

    角田裕毅 レッドブル F1角田裕毅はレッドブルF1のトップチームで4戦を消化したばかりだ。

    RB21の理解度について問われたモナハンは、次のように答えている。

    「理解という意味では順調だ。デビュー以来、大きな進歩を遂げてきた」

    「たとえば日本GPはフェルスタッペンのポール・トゥ・ウィンでハイライトとなったが、バーレーンはポイント圏争いに留まり、やや低調だった。ただジェッダではしっかり立て直し、相対的にははるかに良くなった。あのレースは勝てた可能性すらあったと思う」

    「だから理解という面では順調で、改善は一歩ずつ。魔法のような大進歩があるわけではないが、着実に良くなってきている。そして我々がライバルよりも速く進化できるかが鍵になる」

    レッドブル・レーシングは現在、コンストラクターズランキングで3位。首位マクラーレンとは141ポイントの差があり、フェルスタッペンもドライバーズランキングで首位のオスカー・ピアストリに対して32ポイント差を追っている。

  • レッドブルF1代表 マクラーレンの“タイヤ用の水”ボトルラベル挑発に反応

    レッドブルF1代表 マクラーレンの“タイヤ用の水”ボトルラベル挑発に反応

    レッドブルF1のチーム代表クリスチャン・ホーナーは、F1マイアミGPの週末にマクラーレンのCEOザク・ブラウンが仕掛けた“おちゃめな挑発”について言及した。

    ザク・ブラウンは「タイヤ用の水」とラベルが貼られたボトルをピットウォールに持ち込み、レッドブルが注目しているマクラーレンの優れたタイヤマネジメントを皮肉った。

    このジョークは、マクラーレンがタイヤを従来とは異なる方法で冷却しているのではないかというパドック内の憶測を踏まえたものだ。特にレッドブルは、マクラーレンのロングランでの高いパフォーマンスの秘密を探ろうとしているとされる。

    実際、マイアミではマクラーレンの速さが際立っていた。オスカー・ピアストリとランド・ノリスは、気温の高いコンディションの中でもハイペースを維持しながら、タイヤの摩耗を最小限に抑えて走り切っていた。

    ホーナーはこの皮肉に笑顔を見せることはなかったが、先頭を走るチームが常に注目と疑念の目にさらされるのはF1ではよくあることだと認めている。

    「F1では常に何かしらの疑念が持ち上がる」とホーナーは語った。「昨年も我々のフロントサスペンションに関して、さまざまな憶測が飛び交った」

    「ここ数年、我々が先頭に立ってきたことで、常により厳しい注目と精査を受けてきた。それもF1の一部であり、避けられないことだ」

    さらにホーナーは次のように続けた。

    「FIAにとってもそうだが、実際にはほとんどの調査や分析は各チームが行っている。なにしろ彼らのリソースは非常に豊富だし、どのチームも常にライバルの動向を分析しているのだから」

    レッドブル・レーシング F1 マクラーレン

    “マクラーレンの謎”とその強さ
    そしてホーナーは、マクラーレンが現在、特にタイヤの摩耗管理においては明らかに“基準”となっていると認めた。

    「今のF1で最も際立ったクルマはマクラーレンだ」とホーナーは述べた。「彼らは数年前の我々のように大きな優位性を持っており、温度管理が非常にうまくいっている。特にミディアムタイヤのスティント終盤では、その強さが最もはっきりと表れていた」

    レッドブルはマイアミでブレーキトラブルに見舞われたが、ホーナーはそれとは別に、マクラーレンの効率性そのものを評価すべきだと強調する。

    「我々が注目すべきはまさにそこだ」と彼は語った。「たしかにブレーキの問題がレースをさらに難しくしたが、それも含めて原因をきちんと分析しなければならない」

    2026年にはF1の大規模なレギュレーション変更が控えている中、レッドブルはマクラーレンの現状の強さを解析し、再びタイトル争いの主導権を握ろうとしている。

  • セバスチャン・ベッテル レッドブルF1幹部就任に言及「マルコ後任も選択肢」

    セバスチャン・ベッテル レッドブルF1幹部就任に言及「マルコ後任も選択肢」

    セバスチャン・ベッテルが、将来的にレッドブルF1のモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコの後任となる可能性について、初めて前向きな姿勢を示した。

    4度のF1ワールドチャンピオンであるベッテルは、2005年のF1参入以来チームを支えてきたマルコの“理想的な後継者”として以前から名前が挙がっていた。

    ベッテルは2013年シーズン限りでレッドブルF1を離れフェラーリへ移籍したが、現在に至るまでミルトンキーンズを拠点とするチームとの良好な関係を維持している。

    2022年シーズン終了後にF1から引退したベッテルは、パドックには頻繁に姿を見せていないものの、現在もマルコとの交流を続けている。

    「ヘルムートとは今でもとても良い関係にあるし、会話もしている」とベッテルはオーストリアの放送局ORFに語った。「(後任という)話題については、まだそれほど深く突っ込んだ話ではないけれど、何らかの形で関わる可能性はあるかもしれない」

    「どんな形になるかは今後次第だ。ヘルムートは以前から何度か“辞める”と言っていたけれど、今もまだそこにいる。そして、僕は彼ができるだけ長くその場にいてほしいと思っている」

    現時点では、ベッテル自身がマルコの後任になることに対して、特別な焦りやプレッシャーは感じていないという。

    「人生はやがて容赦なく前に進んでいくものだし、ヘルムート自身もそれを理解していると思う。彼は現実主義者で、物事をとてもよく、そして誠実に評価できる人だから。だから、いずれその時が来たら、彼はそれを正しく受け止めると思う」

    「マルコのような存在は、そう簡単に代えがきくものではない。彼は非常に個性的で、2005年以降のチームの成功に大きく貢献してきた」

    「後任が誰になるにせよ、彼が積み重ねてきた仕事がこれからも引き継がれていくことを願っている。僕自身、現役時代からその役割がどんなものかは理解しているつもりだ」

    「ただ正直に言えば、ここ数年はヘルムートのそばで過ごしていたわけではないから、詳細まで把握しているわけではない。でも、彼のやっていることが何なのかは分かっているつもりだ」