カテゴリー: レッドブル・レーシング

  • レッドブルF1で権力闘争か ホーナー解任直前にスイス信託が2%株式を取得

    レッドブルF1で権力闘争か ホーナー解任直前にスイス信託が2%株式を取得

    クリスチャン・ホーナーの突然の解任を受けて、レッドブル内部での権力構造に変化があったのではないかという憶測が広がっている。その引き金となったのが、わずか数日前にスイスの信託会社「Fides Trustees SA」がレッドブルGmbHの株式2%を取得したという事実だ。

    オーストリアの商業登記簿によると、5月28日に承認申請がなされ、5月31日付で取引が正式に完了。この2%の株式は、タイの共同創業者チャレーム・ユウヴィディヤが保有していたもので、スイス・ジュネーブに拠点を置くFidesに移転された。

    この動きに対し、オーストリア国内では「これこそがホーナー解任の本当の理由」とする見方もある。すなわち、ユウヴィディヤが2%の持ち分を放棄したことで、実質的な影響力まで失われたのではないかという推測だ。

    だが、Motorsport-Total.comによる調査では、その主張を裏付ける具体的な証拠は見つかっていない。レッドブルGmbHもこの件については「社内または家族の意思決定についてはコメントしない」としたうえで、「このような信託構造は、大規模で成功した企業において永続的な継続性を確保するための一般的な手法だ」と説明している。

    またFidesは、複数の超富裕層ファミリーの資産管理を行う「独立系の家族オフィス」であり、株式移転後もユウヴィディヤ家が実権を保持している可能性が高いとされる。

    レッドブル・レーシング F1 クリスチャン・ホーナー

    一方で、英国法人登記簿にも興味深い情報が見られる。レッドブルの英国拠点であるミルトンキーンズには、F1チーム「Red Bull Racing」や「Red Bull Technology」「Red Bull Powertrains」など6つの法人が存在し、そのすべてにおいてホーナーは取締役として名を連ねている。

    2023年には、各法人で最も高額な報酬を受け取った役員の情報が開示されており、その金額は合計で年俸約2060万ポンド(約41億円)に上ると推定されている。ホーナーは現在も雇用契約上の地位を保持しており、会社からは「オペレーションの責任から解かれた」と発表されたが、本人は送別のスピーチで「今後も会社に雇用される」と述べたという。

    ただし、Motorsport-Total.comの情報筋によれば、ホーナーが今後も長期的にレッドブルに残る可能性は低く、最終的には契約解除に伴う多額の退職金が支払われる見通しだ。

    今回の一連の出来事において、スイス信託への株式移転が直接の引き金だったのか、それともタイ側からの支持が徐々に失われていった結果なのかは、依然として不透明だ。

    しかし確かなのは、創業者ディートリッヒ・マテシッツ亡き後、オーストリア側とタイ側の間でレッドブル帝国の主導権をめぐる微妙な綱引きが続いているということだ。そしてその中で、かつて絶対的な権力を握っていたホーナーがついにその座を追われた――それが2025年7月のレッドブルの現実である。

  • メルセデスF1 マックス・フェルスタッペン獲得に本社会長が“ゴーサイン”報道

    メルセデスF1 マックス・フェルスタッペン獲得に本社会長が“ゴーサイン”報道

    メルセデスの会長兼CEOであるオラ・ケレニウスが、マックス・フェルスタッペンの獲得に向けて「グリーンライト(承認)」を出したと、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が報じている。

    同紙によれば、ケレニウスはレッドブルの4度の世界王者であるフェルスタッペンに対し、ブロックバスター級の移籍を成立させるための承認を出しており、契約解除に必要な違約金は約1億2000万ユーロ(約210億円)に上るという。

    ただし、現行契約は2028年末まで残っており、フェルスタッペンの退団には「契約解除条項の発動」が必要になるが、それこそが最大の障壁とされている。

    フェルスタッペンの契約には、レッドブルの成績に基づく解除条項が含まれており、一定条件を満たせば年末に契約を破棄できる可能性がある。発動条件については、「ハンガリーGP終了時点でドライバーズ選手権の3位圏外」もしくは「4位圏外」との2つの説があり、詳細は不明だ。

    現在27歳のフェルスタッペンはランキング3位に位置しており、メルセデスのジョージ・ラッセルに18ポイント差をつけている。

    ラッセルは今季末で契約満了となるが、好成績にもかかわらずメルセデスから延長のオファーは提示されておらず、これがフェルスタッペン獲得の観測を強めている。

    『ガゼッタ』はさらに、仮に解除条項が満たされなかった場合でも、フェルスタッペンが「2026年からの移籍に向けて別の法的手段を探る可能性がある」としている。

    マックス・フェルスタッペン F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツチーム代表のトト・ヴォルフとメルセデスの会長兼CEOであるオラ・ケレニウス(写真右)

    報道は過熱の一途をたどっており、先週、フェルスタッペンとメルセデスのトト・ヴォルフ代表がサルディニアに滞在していたことが追い打ちをかけている。

    元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、両者が会談を行った可能性について次のように語っている。

    「今週サルディニア沖には2隻のヨットが浮かんでいた。1隻はトト・ヴォルフのもので、もう1隻はマックス・フェルスタッペンのものだ。私の聞いたところでは、2人が一緒にコーヒーを飲んだ可能性は十分にある」

    一方で、レッドブルがクリスチャン・ホーナーをチーム代表の座から解任した背景には、フェルスタッペンの残留を引き留める狙いがあるともされている。フェルスタッペンの父ヨスとホーナーとの確執は以前から公然の事実であり、この決断が“融和の布石”と見る向きもある。

    レッドブルの体制変化、そしてメルセデス側の積極的なアプローチ──フェルスタッペンの去就を巡るドラマは、F1サマーブレイク前にさらなる展開を見せる可能性が高い。

  • 勝利至上主義のレッドブルF1 新代表ローラン・メキースに問われる“勝負勘”

    勝利至上主義のレッドブルF1 新代表ローラン・メキースに問われる“勝負勘”

    クリスチャン・ホーナーの電撃解任により、レッドブル・レーシングの新たな指揮官に就いたローラン・メキース。今、問われているのは結果だけでなく、“闘う覚悟”だ。

    メキースは、その豊富な経験と冷静な判断力に期待が寄せられる一方で、F1界では「トップチームを率いるうえで不可欠な“キラー・インスティンクト(勝負勘)”を彼が持ち合わせているのかどうかは、まだ分からない」との声もある。

    メキースは、規律と現場理解に優れる「テクノクラート」として知られているが、レッドブルのような勝利至上主義の環境で問われるのは、単なる管理能力以上の資質だ。冷静さと、闘争心。その両方を兼ね備えてこそ、F1の頂点に立ち続けることができる。

    独紙『Bild』は、ホーナーが姉妹チームであるレーシング・ブルズのマーケティング全体の管理権を手放すことを拒否したことが、解任の「最後の一押し」だったと報じている。

    元F1最高責任者のバーニー・エクレストンは英『Telegraph』紙にこう語った。

    「結局のところ、彼が好き勝手にやっていると感じていた人たちがいたんだ。レッドブル・リンクじゃなくて、“クリスチャン・ホーナー・リンク”になっているみたいに振る舞っていた。」

    「彼は本当に多くのことを見逃されていた。結果を出しているうちは皆目をつぶる。でも、結果が出なくなると、皆が目を開くんだ。」

    昨年の“セクスティング”スキャンダルも尾を引いた。エクレストンは「彼はただのバカだったよ。50歳にもなって、自分を20歳だと思ってるような男だった。まるでチームの仲間の一人かのように振る舞っていた」と厳しい言葉を投げかけた。

    元ブリヂストン/フェラーリのエンジニア、ケース・ファン・デル・グリントも「大きな喧嘩があったのかもしれないね。とても奇妙な話だと思うけど、詳しいことは分からない」とコメントしている。

    また、近年のレッドブルは、成績低下とスタッフの大量離脱に悩まされていた。ファン・デル・グリントは「それについては、会社全体のリーダーとしてホーナーに責任があるだろう。ただし、彼がクルマを作っているわけじゃない」と指摘する。

    レッドブル・レーシング

    そんな中、後任として白羽の矢が立ったのがローラン・メキースだ。レーシング・ブルズからの内部昇格となる。F1レジェンドのゲルハルト・ベルガーは、オーストリア紙『Krone』に次のように語っている。

    「ローランとは以前から関わってきた。フェラーリ時代も一緒だったし、トロロッソ、FIAでも一緒に仕事をした。」

    「彼は良いスタイルを持っているし、F1のこともよく分かっている。いろいろな立場を経験してきたからね。」

    そして、核心となる言葉が続く。

    「ただし、トップチームに必要な“キラー・インスティンクト”(勝負勘)を彼が持っているかどうかは、まだ分からない。でも、レッドブル・レーシングにとって、彼は良い選択だと思うよ。」

  • サインツJr. レッドブルF1に異論「僕はフェルスタッペンの隣でも崩れない」

    サインツJr. レッドブルF1に異論「僕はフェルスタッペンの隣でも崩れない」

    カルロス・サインツJr.が、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてのプレッシャーについて語り、「自分なら耐えられる」と自信を見せた。現在のF1において支配的な存在であるフェルスタッペンと組むドライバーたちは、これまで何人も苦戦してきたが、サインツは「自分は違う」と断言する。

    サインツとフェルスタッペンは2015年にトロ・ロッソからF1デビュー。当時は共にルーキーだったが、サインツはそのシーズンでフェルスタッペンに引けを取らないパフォーマンスを見せた。

    「マックスと組んでいたとき、僕は今の他のドライバーたちのように苦しむことはなかった」とサインツは《High Performance》ポッドキャストで語った。

    「彼の速さには本当に驚かされたし、とんでもないドライバーだ。歴代最高の一人になるだろうし、もしかしたらもうそうかもしれない。でも、あの1年があったからこそ、今の自分は誰とでも戦える自信がある」

    「僕はこれまで、シャルル(ルクレール)、ランド(ノリス)、ヒュルケンベルグ、アレックス・アルボンといった本当に速いドライバーたちとチームを組んできた。そうした経験のおかげで、自分は今も“トップと戦いたい”という気持ちでいられる。マックスの隣に座ることに対しても、不安はない。過去にそれを証明してきたと思っている」

    ただ一方で、サインツは「なぜレッドブルは自分を選ばないのか分からない」とも語る。実際、サインツはルイス・ハミルトンのフェラーリ加入に伴い2025年末でシートを失うことが決まっており、2026年以降の行き先を探している。

    レッドブル入りの噂も出たが、実現はしなかった。レッドブルは一度はセルジオ・ペレスと再契約しながらも、最終的に彼を放出。代役としてリアム・ローソンを2戦のみ起用したのち、角田裕毅を昇格させた。しかし角田裕毅も苦戦しており、直近10戦でわずか7ポイントの獲得にとどまっている。

    一方、サインツはウィリアムズと複数年契約を結んだ後も13ポイントを獲得しており、依然として実力を示している。

    そんな中、「レッドブルのセカンドシートを避けたがる声がある」との指摘について、サインツは困惑を隠さない。

    「僕は本当にマックスと仲が良い。これは外から見ている人には分からない部分だ。確かにデビュー年はライバル関係にあったが、それは健全な競争だった。今はお互い非常にうまくやれている」

    「だから、仮にその過去の関係が理由でレッドブルが僕を起用しないのだとしたら、正直理解できない。僕たちはF1で非常に強力なペアになれると思う」

    しかし、過去にはレッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコがサインツとフェルスタッペンの関係を「トキシック(毒のよう)」と評したこともあった。

    「当時のトロ・ロッソでの2人の雰囲気はかなりトキシックだった」とマルコは振り返る。「父親たちの介入もあってチーム内の緊張感が高まり、あの体制のままでは彼を(レッドブルに)残すことはできなかった」

    「実際、サインツはフェルスタッペンとほぼ同レベルだった…ほぼね。だが、最終的にどちらを残すかは明白だった」

    マックス・フェルスタッペン F1 カルロス・サインツJr. レッドブル・レーシング

    レッドブルはダニエル・リカルドの離脱以降、セカンドドライバーに苦しみ続けており、ピエール・ガスリー、アレックス・アルボン、セルジオ・ペレスと続いたが、長期的な成功にはつながっていない。

    今季もローソンや角田裕毅を試しているが結果は出ず、現在レッドブルはコンストラクターズランキング4位。獲得した172ポイントのうち、実に165ポイントをフェルスタッペン一人で稼いでいる“片翼飛行”状態が続いている。

    そんな中で、過去にマックスと互角に渡り合った経験を持つサインツの存在は、今もなおチームにとって貴重な選択肢となり得る。

  • 角田裕毅に再び“笑顔”は戻るか レッドブルF1メキース新体制で変化に期待

    角田裕毅に再び“笑顔”は戻るか レッドブルF1メキース新体制で変化に期待

    シーズン中盤、角田裕毅の姿から“あの笑顔”が消えて久しい。

    RB21の扱いづらさ、期待の重圧、そしてトップチームでのプレッシャー。そんな苦難に直面する角田裕毅にとって、ローレン・メキースがレッドブルのトップに就任したことは、ひとつの転機となるかもしれない。

    開幕からわずか2戦でリアム・ローソンと交代し、晴れてレッドブル昇格を果たした角田裕毅だったが、ここまでの獲得ポイントはわずか7。オーストリアGPでは2周遅れの最下位に沈み、その表情には疲弊の色が濃くにじんでいた。

    角田裕毅を“信じる”新代表
    メキースは以前から角田裕毅に対して高い評価を公言しており、F1の75周年記念イベントでは次のように語っていた。

    「裕毅は昨年、大きな飛躍を遂げた。純粋な速さと技術的な能力の両面で、我々を驚かせる進歩を見せてくれた。昨シーズン、彼は“非常に優れたドライバーたち”の仲間入りを果たしたと言えるだろう。次のステップがあるかどうか?我々はあると信じている」

    また、レーシングブルズ時代のパフォーマンスについてもこう評価していた。

    「彼の今年の成長は、誰にとっても驚きだったと思う。そしてその驚きは、レッドブル・レーシングにも届いたはずだ。この世界では誰もが結果を見て判断する。ドライバーが期待を超える走りをすれば、人々の見方はすぐに変わるものだ」

    「我々は、彼により速いクルマを与えたいと思っている。彼は、より速いマシン、より大きなチームにふさわしい存在だ」

    角田裕毅 レッドブル F1

    プレッシャーのなかで失われた“らしさ”
    レッドブルのドライバーである以上、角田裕毅はチーム内部からの期待と厳しい評価の両方を受けている。これまで彼は、ヘルムート・マルコやクリスチャン・ホーナーの支援を受けてきたが、その環境が必ずしも“自由”ではなかったことは想像に難くない。

    RB21の根本的な課題が即座に解決することはないにしても、メキースの就任により、チーム内の空気やマネジメントスタイルが変化する可能性がある。

    それは、角田裕毅が自らの“らしさ”を取り戻すための第一歩となり得る。

    笑顔が戻る日を信じて
    ベルギーGPで予定されているアップグレードは、技術的な改善に加え、心理的にも角田裕毅にとっての“希望の兆し”となるだろう。マシンに対する信頼感、チームからの支援、そして代表からの確かな期待――そのすべてが噛み合ったとき、あの“いたずらっぽい笑顔”が再びパドックに戻ってくるかもしれない。

    その日を信じて、角田裕毅は前を向く。

  • クリスチャン・ホーナー レッドブルF1解任劇の新情報:Zoom会議と内部対立

    クリスチャン・ホーナー レッドブルF1解任劇の新情報:Zoom会議と内部対立

    レッドブルから突然の解任劇に見舞われた元F1チーム代表、クリスチャン・ホーナーに関して、その内幕を詳述する新たな報道が明らかになった。

    ドイツの「Bild」によると、ホーナーは先週ロンドンのホテルで、レッドブル幹部のオリバー・ミンツラフと特別顧問ヘルムート・マルコとの対面によって、チーム代表解任を言い渡されたという。

    F1界最長の在任期間を誇っていたホーナーは、ミルトンキーンズを拠点とするレッドブルを率い、6度のコンストラクターズ選手権と8度のドライバーズタイトルを獲得。しかし、その栄光のキャリアは突然の幕切れを迎えた。

    オーストリアGP後に解任検討開始
    報道によれば、ホーナーの解任は突発的なものではなく、6月末のF1オーストリアGPを境にミンツラフが変革を検討し始めたとされる。

    その後、ミンツラフはレッドブル本社で大株主のチャレム・ユウウィッディヤとマーク・マテシッツとともに決定的な会議を開催。翌週にはZoomによるオンライン会議で正式に解任の意向が伝えられた。

    支持者の離反と「権力の集中」
    ホーナーにとって大きな支えだったとされるユウウィッディヤの支持を失ったことが、今回の決定の大きな要因とされる。2024年初頭にホーナーを巡って発生したスキャンダルの後も彼を擁護していたユウウィッディヤだったが、ホーナーがマーケティング部門、テクニカル部門、さらにはパワーユニット部門にまで影響力を拡大したことに強い不満を抱いていたという。

    経営陣の間には以前から摩擦があり、ホーナーの「権力掌握の強化」によって社内のバランスが崩れつつあったと報じられている。

    レッドブル・レーシング クリスチャン・ホーナー

    ホーナー恒例イベントに不参加の2人
    さらに、解任直前にオックスフォード近郊で開催されたホーナー主催の恒例クレー射撃イベントには、ユウウィッディヤとエースドライバーのマックス・フェルスタッペンがそろって欠席。これも決定的な兆候だったとされる。

    フェルスタッペンの将来は?
    今回のホーナー解任は、マックス・フェルスタッペンの今後にも影響を及ぼす可能性がある。4度の世界王者であるフェルスタッペンは、先週メルセデスのトト・ヴォルフと接触したと噂されており、その動向が注目されている。

    現行契約にはパフォーマンス条項が含まれており、一定条件下では2026年を待たずしてチームを離脱できるとされている。

    レッドブル内部のパワーバランスが大きく揺らぐ中、次なる一手にF1界全体の関心が集まっている。

  • 角田裕毅には入る? レッドブルF1が夏休み前の2戦でアップグレード投入

    角田裕毅には入る? レッドブルF1が夏休み前の2戦でアップグレード投入

    レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコが、今後のF1ベルギーGPとハンガリーGPに向けてマシンのアップグレードを投入することを明かし、マックス・フェルスタッペンにとって力強い後押しとなる見通しだ。

    ミルトンキーンズを拠点とするレッドブルは、8月の2週間にわたるF1夏季休暇を前に、スパとハンガロリンクの2連戦でパフォーマンスを引き上げるべくアップデートを計画している。

    近年急速に勢力を伸ばすマクラーレンに対抗するためにも、このアップグレードは重要な役割を果たす可能性がある。フェルスタッペンは直近のF1イギリスGP予選で驚異的なラップを披露しポールポジションを獲得したが、決勝ではマクラーレン勢に約35秒の差をつけられている。

    特に今季のフェルスタッペンは、金曜プラクティス後にRB21への不満を漏らすことが多く、土曜の予選前に大幅なセットアップ変更を強いられる展開が常態化している。

    次戦のスパ・フランコルシャンはフェルスタッペンが得意とするサーキットであり、マルコも好相性を期待している。

    「次はスプリント形式のベルギーGP、そしてハンガリーGPが控えている」とマルコはSpeedweekコラムで語った。

    「スパ・フランコルシャンのサーキットは我々のマシンに合っているはずだ。特に天候が変わりやすい傾向にある点が追い風になる。我々は楽観的に捉えている」

    なお、ベルギーGPはローレン・メキースがレッドブルのチーム代表として初めて指揮を執る週末となるが、マルコは一方でハンガリーGPには慎重な見方を示した。

    「ハンガリーは我々にとって少々厄介なサーキットになる可能性がある。レイアウトの特性や、通常非常に高温になる点がその理由だ」

    それでもマルコは両グランプリに新しいパーツが投入されることを強調し、「これらがポジティブな効果をもたらすことを期待している」と締めくくった。

    角田裕毅 レッドブル・レーシング F1

    このアップグレードが角田裕毅にも等しく与えられるかはまだ不明だ。イギリスGPでは、マックス・フェルスタッペンの仕様よりも2段階遅れていたことが明らかになっていた。

    しかしながら、角田裕毅は次戦スパ・フランコルシャンでの新パーツ投入に前向きな姿勢を見せている。

    「少なくとも来週末にはアップグレードを入れてもらえる予定です。今のパッケージだとマックスと比べて2段階ぐらい遅れていると思いますし、次のレースでは確実に助けになると思います」と角田裕毅はGPblogなどに語った。

    「ただ、次はスプリント週末なので、対応できるのはフリー走行の時間だけですが、そこでしっかり合わせ込めるように全力を尽くします」

    角田裕毅は混乱のレース展開のなか15位でフィニッシュ。ポジティブな要素があったか尋ねられると、予選内容に手応えがあったと語った。

    「正直に言えば、エンジンのトラブルがなければ今回はQ3に進めていたと思います」

    また、パッケージ面での不利がパフォーマンスに影響していることも強調し、こう続けた。

    「さきほども言いましたが、全体のパッケージでマックスより2段階ぐらい遅れているなかで、Q2の差がコンマ4秒だったというのはかなり良かったと思っています。少なくともショートランではいい方向に進んでいますし、その点には満足しています。あとはロングランの方をしっかり見直していきたいと思います」

  • セルジオ・ペレス キャデラックでF1復帰へ ハンガリーGP後に発表との報道

    セルジオ・ペレス キャデラックでF1復帰へ ハンガリーGP後に発表との報道

    セルジオ・ペレスが2026年にF1復帰を果たす見通しとなった。新規参戦チームのキャデラックが初代リードドライバーとしてメキシコ人ベテランを起用する構えだ。

    ペレスは2023年にマックス・フェルスタッペンに次ぐドライバーズランキング2位を獲得したものの、2024年末にレッドブルを離脱。その後、2025年シーズンはシートを失い、F1の舞台から遠ざかっていた。

    2024年6月にはレッドブルとの2年契約を結んでいたが、シーズン後半にパフォーマンスが急落。レッドブルは急遽ペレスを放出し、後任としてリアム・ローソンを起用した。しかしローソンもわずか2戦で戦列を離れ、レーシングブルズへ戻された。その後任として昇格した角田裕毅も苦戦が続いており、5月のエミリア・ロマーニャGP以降ポイントを獲得できていない。

    フェルスタッペン自身もRB21の仕上がりに不満を抱えており、7月のベルギーGP前時点でポイントリーダーのオスカー・ピアストリに69点差をつけられている。

    そんな中、ペレスの新たなマネジメントチーム(元A1グランプリドライバーのカリル・ベシール率いる)が各チームとの交渉を進め、キャデラックが最有力候補として台頭。アルピーヌも候補に挙がっていたが、これはあくまでメディア露出を狙ったものとされている。

    ペレスのキャデラック加入は経済的にも大きな意味を持ち、メキシコの大富豪カルロス・スリムがこの契約に関与しているとの情報もある。発表は8月のハンガリーGP終了後、夏休みに入るタイミングで行われる見込みだ。

    セルジオ・ペレス キャデラック F1

    2人目のシートはボッタスかシューマッハか
    ペレスの加入が内定する中、キャデラックの残る1枠を巡っては激しい争いが繰り広げられている。

    当初、キャデラックはアメリカ人ドライバーの起用を目指しており、インディカーのコルトン・ハータが最有力と見られていた。しかし、スーパーライセンスポイント不足により断念。カイル・カークウッドも候補に挙がったが、現在はその可能性も消えている。

    代替案として、キャデラックはダニエル・リカルドにF1復帰を打診。だが、2024年半ばにレーシングブルズを離脱して以降、F1パドックから距離を置いているリカルドはこの誘いを固辞し、選択肢から除外された。

    現在、2人目のシートはバルテリ・ボッタスとミック・シューマッハの一騎打ちとなっている。

    2024年末でザウバーを離れたボッタスは2025年、メルセデスのリザーブドライバーとして活動中。キャデラックとの交渉は続いているが、同時にアルピーヌのセカンドシート獲得も視野に入れている。現在そのシートにはフランコ・コラピントが座っているが、イモラからの昇格以降、ポイント未獲得。シルバーストンではQ1でスピンするなどミスが目立ち、実質的なチーム代表であるフラビオ・ブリアトーレも「改善が必要」と苦言を呈している。

    そのため、ブリアトーレはメルセデス代表のトト・ヴォルフと接触。2026年からアルピーヌがメルセデス製PUに切り替わるタイミングで、ボッタスを起用する可能性が浮上している。

    一方、ボッタスがアルピーヌに移籍した場合、キャデラックのシートにはミック・シューマッハが滑り込む可能性が高い。シューマッハは2022年にハースでF1シートを失って以降、WECに転向。2025年はアルピーヌから耐久レースに参戦中だが、F1復帰を目指して活動を継続している。

    ウィリアムズでのチャンスや、アルピーヌ、アウディとの交渉も結果には結びつかず、F1復帰の道は閉ざされつつある。そんな中、シューマッハはマイアミGPで行われたキャデラックの公式発表会に出席し、シルバーストンではチーム代表のグレアム・ロードン、CEOのダン・トーリスらと行動を共にする姿が目撃された。

    キャデラックがシューマッハを候補に挙げる理由は、その市場価値の高さにもある。もし今回もシート獲得に失敗すれば、彼のF1復帰の望みは完全に断たれることになるだろう。

  • ヘルムート・マルコ ホーナー体制終焉で「レッドブルF1の新章が始まる」

    ヘルムート・マルコ ホーナー体制終焉で「レッドブルF1の新章が始まる」

    レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、クリスチャン・ホーナーの電撃退任を受けた大幅な人事刷新について、「新章の始まり」だと位置付けた。

    20年以上にわたってチームを率いてきたホーナーの退任は7月某日朝に発表され、後任にはレーシングブルズの代表を務めていたローラン・メキースが昇格。

    メキースはレッドブルの新チーム代表兼CEOに就任し、レーシングブルズのチーム代表には同チームのスポーティングディレクターだったアラン・パーメインが昇格した。

    マルコはこの2人の昇格について「論理的な選択だった」とSpeedweekコラムで述べ、外部からの招聘ではなくチーム内昇格を優先した理由を明かしている。

    「ベルギーでのレースから、レッドブル・レーシングとレーシングブルズの新章が始まる。ローラン・メキースがレッドブル・レーシングのチーム代表に、アラン・パーメインがレーシングブルズのチーム代表に就任する」

    「アランはレーシングブルズのスポーティングディレクターだった人物であり、我々にとっては当然の選択だった。外部から新たな人物を入れることは望んでおらず、彼の職務を拡張する形にすぎない」

    「ローランについても同様で、豊富な経験を持つ内部人材として自然な選択だった。FIAやフェラーリでの多岐にわたる活動を経て、トップチームを巧みに率いるだけの素養をすでに備えている」

    メキースはわずか2年前にフェラーリからレッドブル・グループへと復帰したばかりだったが、その間に築いた信頼と経験が、ホーナーの後任という極めて重責のポジションに就く後押しとなったようだ。

    レッドブル・レーシング

  • アイザック・ハジャー 2026年のレッドブルF1昇格は「正式な話はまだ」

    アイザック・ハジャー 2026年のレッドブルF1昇格は「正式な話はまだ」

    レッドブル育成出身で今季からF1にステップアップした20歳の新人アイザック・ハジャーについて、ヘルムート・マルコは2026年以降の起用に関してまだ正式な話をしていないという。

    今季レーシングブルズからF1デビューを果たしたハジャーは、その才能に加えて「量子物理学の博士号を持つ父親」という異色の背景でも注目を集めている。

    「僕の方がプレッシャーは大きいよ」とフランスとアルジェリアにルーツを持つハジャーは独Bild紙に語った。

    「父の仕事は世界一複雑だけど、彼にはミスをしても修正する余地がある。でもF1にはそれがない」

    「僕の場合、常にリスクが付きまとう。それを両親があまり歓迎していないのも分かってる」

    母親のランダ・ハジャーは現在、アイザックのマネージャーを務めており、レース活動にも深く関わっている。

    「母は僕の個人的なボスであり、仕事上のボスでもある。今年は75%のレースに一緒に来てくれているし、僕らはいいコンビなんだ」

    現在、レッドブルで苦戦している角田裕毅の後任として、ハジャーが2026年にレッドブル本家に昇格する可能性も囁かれている。チームアドバイザーのヘルムート・マルコも、彼を「本命」と見ていることを隠してはいない。

    しかしハジャー本人は浮足立つことなく、冷静に現状と向き合っている。

    「噂にはあまり耳を貸していない。今に集中できていないと、そんな話題の対象にすらなれないから。トップチームと結びつけられるのは結果を出したドライバーだけだ」

    「正直言って、そういう報道は満足感や承認欲求を満たしてくれるものじゃなくて、むしろ苛立ちの方が強い」

    アイザック・ハジャー レッドブル・レーシング F1

    フェルスタッペンの隣のシートは「キャリアキラー」とまで言われるが、それについても臆する様子はない。

    「レッドブル育成の若手なら誰もがF1に昇格して、いずれはレッドブルで走りたいと思ってる。僕も例外じゃない。F1に来たのは“ただ居るだけ”のためじゃない。最大限の成果を目指すために来たんだ」

    「もし僕にマクラーレンのマシンが与えられていたら、“ルーキーとして初めてチャンピオンになる”って堂々と言っていたと思う。トップチームに乗る方がチャンピオンになる現実味は増すからね」

    とはいえ、まだマルコと来季以降の去就について具体的な話はしていないという。

    「彼は僕のパフォーマンスには満足しているし、よく話すけど、その話題には触れてない」