カテゴリー: ピレリ

  • ピレリF1 マイアミ&カナダで最も柔らかいタイヤ選択 C3〜C5を投入

    ピレリF1 マイアミ&カナダで最も柔らかいタイヤ選択 C3〜C5を投入

    F1は中東ラウンド中止による約5週間の中断期間を経て、5月のマイアミGPでシーズンを再開する。これに向けてピレリは、マイアミおよびカナダGPで使用するタイヤコンパウンドを発表し、両戦で最も柔らかいレンジを採用することを明らかにした。

    選択されたのはC3・C4・C5の3種類で、それぞれハード、ミディアム、ソフトとして運用される。2026年シーズンにおけるタイヤ戦略の方向性とともに、各サーキット特性に合わせた狙いが浮かび上がっている。

    マイアミとモントリオールで共通する“ソフトレンジ”の意図
    ピレリは、マイアミ・インターナショナル・オートドロームおよびモントリオール市街地サーキットの両方で、最も柔らかいコンパウンドであるC3〜C5を投入する。

    マイアミは路面が非常に滑らかで摩耗が少ない特性を持ち、高温環境による熱的デグラデーションが支配的となる。一方で、過去の傾向ではタイヤの劣化は比較的抑えられており、スティント序盤にはドライバーが制限なくプッシュできることで、コース上でのバトル増加につながっていた。

    こうした背景から、ピレリは今回もソフトレンジを採用することで、グリップレベルを最大化しつつレース序盤の攻防を活性化させる狙いを持っている。

    カナダは低摩耗+強い減速ゾーンへの対応
    続くカナダGPでも同様にC3〜C5が使用されるが、その理由はやや異なる。

    モントリオールのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、路面の粗さが小さく摩耗が少ない一方で、強いブレーキングを伴う減速ゾーンが多い。ピレリは「強い減速が求められる区間で十分なグリップを確保するため」として、ソフト寄りの選択を行ったとしている。

    また、開催時期が前年より前倒しされていることもあり、天候の変動が戦略に与える影響も無視できない要素となる。

    C6消滅と戦略傾向の変化
    2025年シーズンにはカナダGPでC6タイヤが投入されていたが、このコンパウンドはシーズン終了とともにラインナップから外された。

    当時は理論上ソフトとして位置付けられていたC6が戦略上ほとんど使用されず、実質的にはハードとミディアムによる2ストップ戦略が主流となっていた。今回のC3〜C5構成は、その反省も踏まえた現実的な選択といえる。

    再開初戦から“戦えるタイヤ”を重視
    シーズン再開直後の2連戦において、ピレリはあえて攻めたコンパウンド選択を行った。

    滑らかな路面と低摩耗特性を持つ2つのサーキットに対し、グリップ重視のタイヤを投入することで、レース展開の活性化を狙う意図は明確だ。中断明けのリスタートという文脈も含め、序盤からの激しいバトルと戦略の多様化が期待される。

    F1 タイヤ マイアミグランプリF1 タイヤ カナダグランプリ

  • ルイス・ハミルトン フィオラノでF1ウエットタイヤテスト完了 155周を走行

    ルイス・ハミルトン フィオラノでF1ウエットタイヤテスト完了 155周を走行

    ルイス・ハミルトンが、フィオラノ・サーキットで実施されたピレリ主催のウエットタイヤテストプログラムを完了した。

    今回のテストは、散水設備を備えた数少ないヨーロッパのF1公認サーキットのひとつで行われ、フルウエットとインターミディエイトの性能を検証するための条件が再現された。ハミルトンはこの日だけで155周、461キロを走行し、2日間合計では297周、884キロが記録された。

    フルウエットの作動域拡大を狙ったテスト
    最初にテストされたのは、エクストリームウエット用のプロトタイプタイヤだった。

    この中には、先週の鈴鹿ですでに試された新しいトレッドデザインも含まれており、狙いはチントゥラート・フルウエットの作動レンジを、より弱い雨量のコンディションまで広げることにあった。

    午後からはインターミディエイトの仕様違いを評価
    午後の半ばからテスト終了までは、チントゥラート・インターミディエイトの別仕様が装着された。

    これにより、今回サーキットで試されたウエットタイヤ同士のクロスオーバー領域を評価することが可能になった。

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ) タイヤ

    ハミルトンは1分0秒740を記録
    フェラーリのドライバーであるハミルトンは、この日のベストタイムとして1分0秒740を記録した。

    気温は前日と非常に近い条件で推移し、最高22度まで上がった。

    次週はニュルブルクリンクでメルセデスとマクラーレンが参加
    ピレリのタイヤ開発作業は来週も続き、4月14日火曜と15日水曜には、メルセデスとマクラーレンがニュルブルクリンクで非公開の2日間テストに参加する。

    2020年を最後にグランプリ開催から遠ざかっているこのドイツのサーキットは、F1レイアウトにおいてバランスの取れた特性を持ち、横方向と縦方向の荷重がほぼ同等にかかるコースとされる。そのため、将来のスリックタイヤコンパウンドを評価するうえで興味深いテストの場となる。

  • ピレリF1 鈴鹿2日間テスト完了 レッドブルとレーシングブルズでウェット開発

    ピレリF1 鈴鹿2日間テスト完了 レッドブルとレーシングブルズでウェット開発

    鈴鹿サーキットで実施されたピレリの2026年F1開発テストは、2日間にわたりウェットタイヤの検証に焦点が当てられた。レース後に残留したレッドブルとレーシングブルズが参加し、アイザック・ハジャーとリアム・ローソン、そして2日目にはアービッド・リンドブラッドが走行を担当した。

    天候は両日とも不安定で、結果的にフルウェットおよびインターミディエイトの評価に最適な条件となり、開発プログラムは予定を調整しながら進められた。

    1日目:フルウェットからインターミディエイトへ移行
    初日は夜間の雨により路面が完全なウェットコンディションとなり、午前はフルウェットを中心にテストが実施された。既存仕様とは異なるトレッドパターンも含めた比較評価が行われ、複数のスクリーニングランが重ねられた。

    午後は路面の乾きに伴いインターミディエイトへ移行したが、再び降雨が強まりセッションは終了した。

    ■ ハジャー:69周(401km)
    ■ ローソン:65周(377km)

    最速タイムはいずれもインターミディエイトで記録され、ハジャーが1分45秒510、ローソンが1分48秒025。路面温度は平均19度、気温は17度だった。

    2日目:安定したウェットでデータ収集が進展
    2日目もウェット主体の一日となり、ハジャーとリンドブラッドが走行を担当した。午前中にわずかにスリックでのセットアップ走行が行われたものの、その後は雨が続き、インターミディエイトとフルウェットの検証が中心となった。

    昼前の安定したウェット路面ではインターミディエイトの評価が進み、その後の強い雨を受けてフルウェットのテストへ移行。しかし天候悪化により最終的には走行継続が不可能となった。

    ■ ハジャー:34周(197km)
    ■ リンドブラッド:51周(296km)

    ベストタイムはハジャーが1分33秒846、リンドブラッドが1分35秒490を記録している。

    ウェット開発は継続 フィオラノとニュルで次段階へ
    今回の鈴鹿テストは、2026年F1マシンにおけるエネルギーマネジメントの影響や速度差問題が議論される中、安全性とレース成立性の両面で重要な意味を持つウェットタイヤ開発の一環となる。

    ピレリの開発プログラムはこの後も継続され、4月9日と10日にフィオラノでフェラーリとウェットタイヤテストを実施。さらに4月14日と15日にはニュルブルクリンクでメルセデスとマクラーレンの協力のもとドライタイヤテストが予定されている。

    継続的な実走データの蓄積により、2026年F1におけるタイヤ特性の最適化が進むことになる。

  • アービッド・リンドブラッド 鈴鹿F1タイヤテストでクラッシュも無事復帰

    アービッド・リンドブラッド 鈴鹿F1タイヤテストでクラッシュも無事復帰

    アービッド・リンドブラッドは、鈴鹿で行われたF1タイヤテスト中、ウェットコンディション下でアクアプレーニングを起こしてクラッシュを喫したが、幸い本人にケガはなく、その後コースへ復帰した。

    F1ルーキーのアービッド・リンドブラッドは、水曜日に鈴鹿で行われたピレリのタイヤテストに参加中、第2デグナーでスタンディングウォーターに乗り、コントロールを失ってコースオフした。

    鈴鹿で撮影された写真では、フロントウイングを失ったレーシングブルズのマシンからリンドブラッドが歩いて離れる様子が確認された。事故の詳細は明らかになっていないが、画像から判断する限り軽微なクラッシュにとどまっており、ドライバーにケガはなかったとみられる。

    その後、リンドブラッドはテスト最終日の午後に再びコースへ復帰し、走行を続けることができた。

    このテストは先週末の日本グランプリ後に実施されており、レッドブルとレーシングブルズの両チームが参加している。アイザック・ハジャーがRB22をドライブし、リンドブラッドとリアム・ローソンがレーシングブルズのマシンを交代で担当した。


    リンドブラッドは先週日曜日の鈴鹿での決勝を14位で終えたが、セーフティカーのタイミングによって順位を落とす不運に見舞われた。それでも、このサーキットを走った経験がない中で予選Q3に進出するなど、18歳のルーキーとして印象的なパフォーマンスを示していた。

    「最初の1〜2周で8番手を走っていたと思うが、最初のスティントでマックス(フェルスタッペン)とエステバン(オコン)とのバトルにおいて、エネルギーやバッテリーの使い方でもっと上手くやれた部分があったと思う」

    「それで2ポジションを失って、その後はピットストップ前にいいリズムに乗っていた。ピットストップは少し遅くて、そこでアイザック(ハジャー)に1つポジションを奪われた。その後セーフティカーが出て、さらに3〜4ポジションを失った」

    「少し残念だが、それでも学ぶべきことはたくさんあるし、自分が改善すべき点も多い。そこに集中していくつもりだ」

    リンドブラッドはF1初年度の開幕3戦で4ポイントを獲得し、ドライバーズ選手権で11位につけている。

  • F1日本GP決勝 ピレリ総括「最速戦略は全車ほぼ同じ」

    F1日本GP決勝 ピレリ総括「最速戦略は全車ほぼ同じ」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が2026年F1日本GPで今季2勝目を挙げた。スタートでは出遅れたものの、その後にポジションを取り戻し、セーフティカーのタイミングを生かしたピット戦略で主導権を掌握した。

    決勝はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が2位、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が3位でフィニッシュした。アントネッリはこれでドライバーズ選手権首位に立ち、F1世界選手権のランキングをリードした史上最年少ドライバー、そして史上初のティーンエイジャーとなった。

    スタート直後は、開幕からの前2戦と同様に各所で順位変動が起きた。アントネッリが出遅れる一方で、オスカー・ピアストリとシャルル・ルクレールは好スタートを決めた。これによりピアストリが序盤に首位へ立ち、予定していたピットストップまでその座を守った。

    ピアストリのピット作業自体はクリーンだったが、その数周後にセーフティカーが導入されたことで、まだピットを済ませていなかったアントネッリに流れが向いた。若きイタリア人ドライバーはこの状況を最大限に生かして首位を維持し、その後は一度もトップを譲らなかった。再スタート後は明らかに最速のペースを見せ、後続との差を広げていった。

    その後方では、ピアストリ、ルイス・ハミルトン、ジョージ・ラッセル、シャルル・ルクレールが残る表彰台争いで激しいバトルを展開した。とりわけハミルトンもまた、アントネッリと同じくセーフティカーを有効活用し、直後にピットへ向かうことで戦略を成立させた。

    最終的にピアストリがその集団の先頭で2位を確保した。マクラーレン勢の後ろでは、ルクレールがジョージ・ラッセルとの見応えあるホイール・トゥ・ホイールの攻防を制して3位を獲得し、ラッセルは鈴鹿で4位に終わった。

    日曜の天候は事前の予想通りおおむね安定していたが、金曜と土曜よりはやや涼しかった。週末序盤は晴天が支配していた一方で、決勝は曇り空の下で行われ、気温は18度前後だった。

    その結果、戦略面ではおおむね予想通りの展開となった。ほとんどのドライバーが1ストップ戦略を選択し、バルテリ・ボッタスを除く全車がミディアムタイヤ(C2)でスタートした。ボッタスのみがハードタイヤ(C1)で走り出し、他車が第2スティントでハードへ移行したのに対し、ボッタスはミディアムへ履き替えた。

    アントネッリはこれでドライバーズ選手権72ポイントとし、ランキング首位に浮上した。ラッセルは63ポイントで2番手に後退し、シャルル・ルクレールが49ポイントで3番手に上がった。さらにアントネッリは、F1世界選手権をリードした最年少ドライバーであり、初めてその座に立ったティーンエイジャーとなった。

    ダリオ・マラフスキが戦略と鈴鹿テストに言及
    ピレリのモータースポーツディレクターを務めるダリオ・マラフスキは、今回の決勝で各チームが選んだ戦略について、理論上もっとも速いものだったとの見方を示した。

    「理論上もっとも速い戦略は、実質的に決勝でほぼ全ドライバーが採用したものだった。異なることをしたのはバルテリ・ボッタスだけだった」

    「ここまで数日間で確認された摩耗の少なさを考えれば、ソフトタイヤはスタート時でも終盤でも有効な選択肢として残っていた。それでも、どのチームもそのリスクを取る価値があるとは考えなかったようだ。アレクサンダー・アルボンのC3使用については、あれだけ多くピットレーンを訪れていたことを考えれば、戦略的な理由によるものではなかったのは明らかだ。決勝を通じて、タイヤが各車のレースペースを制限することはなかった」

    マラフスキはさらに、オリバー・ベアマンのコースオフによって導入されたセーフティカーが、アンダーカットを試みていなかったドライバーたちに恩恵をもたらしたと説明した。

    「ベアマンのオフトラックによって出たセーフティカーは、レース勝者のアンドレア・キミ・アントネッリを含め、アンダーカットを狙っていなかったドライバーたちに確実に利益をもたらした。中立化がなかったとしても、我々はその直後の周回でピットストップが行われていたと考えている」

    また、ピレリの鈴鹿での仕事は決勝当日で終わりではないとも語った。

    「ピレリの日本遠征は今日で終わらない。火曜と水曜には、来季のドライタイヤ開発に向けた2日間のテストを鈴鹿で予定している。走行を支援するのは、各1台ずつを走らせるレッドブル・レーシングとレーシングブルズだ」

    日本GP F1日本グランプリ

  • マックス・フェルスタッペンで再注目 ニュルブルクリンクでF1タイヤテストへ

    マックス・フェルスタッペンで再注目 ニュルブルクリンクでF1タイヤテストへ

    F1はニュルブルクリンクでタイヤテストを実施することになり、2020年のアイフェルGP以来となる同地での走行が実現する見通しとなった。

    マックス・フェルスタッペンのニュルブルクリンクでの活動や評価を背景にサーキットへの注目が高まる中、今回のテストは各チームにとって貴重な走行機会となる。

    ピレリ主導のタイヤテストでF1がニュル復帰
    今回のタイヤテストは当初予定されていたサウジアラビアGPの週に実施され、カレンダー上の空白期間を活用した走行機会となる。

    テストにはメルセデスを含む複数のチームが参加予定で、各チームにとっては長いインターバル期間中に走行距離を稼ぐ貴重な機会となる。なお、使用されるのは北コースではなく、グランプリレイアウトとなる。

    フェルスタッペンの存在が再注目の契機に
    マックス・フェルスタッペンのニュルブルクリンクへの関与も、このサーキットが再び脚光を浴びる要因となっている。

    レッドブル・レーシングは今回のテストには参加しないものの、フェルスタッペンは今季ニュルブルクリンク24時間レースへの参戦を予定しており、さらにニュルブルクリンク耐久シリーズにも出場している。

    一方で、ニュルブルクリンク24時間レースの予選への参加については現時点で確定していない。現時点で出場が確認されているのはルーカス・アウアーのみであり、サウジアラビアGPの中止によりフェルスタッペンのスケジュールには余地が残されている。

    伝統サーキットでのデータ収集が鍵に
    ニュルブルクリンクは歴史と難易度の高さで知られるサーキットであり、今回のテストは各チームにとって重要なデータ収集の場となる。

    次戦に向けた準備が進む中、この走行機会はマシン開発や戦略面の改善に直結する重要なセッションとなる見込みだ。

    現在の2026年F1ランキングでは、キミ・アントネッリが72ポイントで首位に立ち、ジョージ・ラッセル、シャルル・ルクレールが続いている。一方でマックス・フェルスタッペンは12ポイントで9位にとどまっており、混戦となっているシーズンの様相を示している。

  • 2026年F1日本GP 決勝:全22名の持ちタイヤ数&タイヤ戦略予想

    2026年F1日本GP 決勝:全22名の持ちタイヤ数&タイヤ戦略予想

    2026年F1日本GP 決勝で各ドライバーが使用可能な持ちタイヤ数と予想されるタイヤ戦略を公式タイヤサプライヤーのピレリが発表した。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がポールポジションを獲得した2026年F1日本GP。鈴鹿サーキットはオーバーテイクが難しく、近年はポールスタートが極めて有利な傾向にある。

    2026年型マシンではオーバーテイク手段は増えているものの、その効果が限定的であれば、勝負の鍵は戦略に移る。決勝ではタイヤ選択とピットタイミングが結果を大きく左右することになる。

    基本戦略は1ストップ ミディアム→ハードが軸
    今季ここまでの2戦と同様に、鈴鹿でも1ストップ戦略が基本となる見込みだ。

    最有力はミディアム→ハード。これは2025年、さらに2026年序盤でも主流となっている組み合わせであり、最も安定して完走できる戦略だ。

    ピットウィンドウは15〜21周目付近と幅があり、セーフティカーへの対応や柔軟性を確保できる点が大きなメリットとなる。

    鈴鹿はタイヤへの負荷が高い一方で、エネルギー回収の制約によりリフト・アンド・コーストが増えるため、結果的にタイヤの消耗が抑えられる傾向もある。この点も1ストップを後押しする要因となっている。

    日本グランプリ

    ピレリのモータースポーツディレクター、ダリオ・マラフスキは決勝戦略について次のように説明している。

    「今日の2セッションは事前シミュレーションのデータを裏付けるものだった」

    「フリー走行ではC2とC3の間に約0.5〜0.6秒の差が確認され、予選タイムも路面進化によって昨日より速くなった」

    「明日の最速戦略はワンストップで、3種類のコンパウンドすべてを使用するものになる」

    「ミディアム→ハードとソフト→ハードはほぼ同等だが、我々はより保守的な前者が選ばれると見ている」

    「C3はスタート時のグリップに優れ、ポジションを上げるチャンスをもたらす可能性がある」

    「その場合のピットウインドウは13周目から19周目で、ミディアムスタートより2周早まる」

    「ソフト→ミディアムの戦略は約10秒遅く、タイヤマネジメントがより重要になる」

    「一部のドライバーは早めにソフトを使い切り、最後に新品C3で追い上げる2ストップ戦略も検討するかもしれない」

    「ただし鈴鹿ではセーフティカーの発生頻度は低く、基本的にはワンストップが主流になるだろう」

    ソフトスタートで主導権を狙う攻撃戦略
    スタートでポジションを動かしたい場合、ソフト→ハードという選択肢も現実的だ。

    ピットは13〜19周目が目安となり、序盤10周で約0.6秒のラップタイム差を活かせるのが最大の利点だ。

    ただし、ソフトタイヤはスティントが短く、セーフティカーなど不測の事態に対する戦略的余裕が減るというリスクもある。

    ソフト→ミディアムは“準攻撃型”の変化球
    もう一つの1ストップとして、ソフト→ミディアムも存在する。

    ピットウィンドウは18〜24周目。後半スティントでわずかなペース優位を得られるが、今週末はミディアムとハードの性能差が小さいため、メリットは限定的だ。

    日本GP タイヤ 性能差

    後方勢はハードスタートで逆転を狙う
    11番手スタートのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)や後方グリッドのドライバーにとっては、異なる戦略が重要になる。

    ハード→ソフトは有力な選択肢で、ピットは30〜36周目。軽い燃料状態でソフトを使うことで、終盤に一気に順位を上げる展開を狙える。

    トラフィック回避やセーフティカーのタイミング次第では、この戦略が大きく機能する可能性もある。

    2ストップは例外的 展開次第で浮上
    通常条件では2ストップは非現実的だが、セーフティカーやVSCが入った場合には状況が一変する。

    その場合の最適解はソフト→ハード→ソフトで、ピットは10〜16周目と35〜41周目が目安となる。

    ただしこれはあくまでリアクティブな戦略であり、事前に組み立てるものではなくレース展開次第の選択となる。

    日本GP 持ちタイヤ数

    鍵は気温と路面状況 ソフト有利の可能性
    決勝は曇天でやや気温が低くなる見込みだ。

    これによりタイヤのライフが延び、ソフトタイヤの実用性が高まる可能性がある。結果として、例年以上にソフトスタートの選択が増える展開も考えられる。

    鈴鹿はトラックポジションが極めて重要なコースだ。アントネッリがそのまま主導権を握るのか、それとも戦略で後方勢が逆転するのか――決勝はピットとタイヤの使い方がすべてを決める。

    2026年のF1世界選手権 日本GP

  • F1日本GP初日 ピレリ総括「再舗装で摩耗減 1ストップ濃厚」

    F1日本GP初日 ピレリ総括「再舗装で摩耗減 1ストップ濃厚」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が、2026年F1日本GP金曜のフリー走行2回目で最速タイムを記録した。ピアストリはC3タイヤで1分30秒133をマークし、キミ・アントネッリとジョージ・ラッセルのメルセデス勢を抑えてトップで初日を終えた。

    午前のフリー走行1回目ではジョージ・ラッセルが1分31秒666で首位に立っており、鈴鹿では金曜2セッションを通じてメルセデスとマクラーレンが主導権を争う構図となった。

    一方で、ピレリは路面再舗装の影響もあってデグラデーションは抑えられていると分析しており、決勝は1ストップ戦略が有力視されている。

    ラッセルが午前最速 ピアストリが午後に最速更新
    金曜午前のフリー走行1回目は好天のもとで行われ、日差しの影響で路面温度は最終的に38度前後まで上昇した。セッションではC1、C2、C3の全3種類のコンパウンドが使用され、多くのドライバーは序盤にショートランを行ったあと、ロングランに重点を移した。

    現時点では、決勝でも3種類すべてのコンパウンドが使用されると見られている。最終的にトップタイムを記録したのはジョージ・ラッセルで、1分31秒666をマーク。これは2025年の金曜午前最速タイムより約3.1秒遅い数字だった。

    午後のフリー走行2回目も再び穏やかな天候となり、気温は約22度、路面温度は再び38度前後まで上昇した。このセッションでも全3種類のコンパウンドが使用されたが、最速となったのはオスカー・ピアストリだった。C3タイヤで1分30秒133を記録し、その直後にキミ・アントネッリ、ジョージ・ラッセルが続いた。

    ピアストリ、アントネッリ、ラッセルの3人はC2とC3のみを使用した。一方で、レッドブルの2台に加え、カルロス・サインツJr.、ニコ・ヒュルケンベルグ、ピエール・ガスリー、セルジオ・ペレスは午後のセッションでC1も使用した。

    予選は土曜日の現地時間15時に予定されており、天候は金曜と同様になる見通しとなっている。

    ピレリ「戦略はほぼ確実に1ストップになる」
    ピレリのチーフエンジニアを務めるシモーネ・ベラは、鈴鹿の路面状況とタイヤの挙動について次のように説明した。

    「すでによく知られているように、今年は鈴鹿サーキットの最終2セクターの再舗装が完了した。新しいアスファルトは、2025年に敷設された路面全体と比べてより滑らかだが、それでも十分なグリップを提供している。この粗さの低下が、ここまでタイヤのデグラデーションを抑える助けになっており、グレイニングも今のところ大きな影響は与えていない」

    「したがって、3種類すべてのコンパウンドを使ってレース戦略を組み立てることができるが、戦略はほぼ確実に1ストップになるだろう。ソフトはより大きなグリップをもたらす一方で、ここまでロングランの本数が限られているため、各チームが持っているデータは最も少ない選択肢でもある。さらに、決勝日は路面の進化が進み、気温も今日より10度前後低くなると予想されており、それも戦略選択において重要な役割を果たすことになる」

    「各チームの判断の中で興味深いのは、マクラーレンだけが今日ハードを試さなかったことだ。これは特異な選択であり、おそらく日曜日に向けてC1を2セット温存し、中立化が起きた場合にフレッシュな1セットを使えるようにする狙いかもしれない」

    「一方で、最も硬いコンパウンドに関するフィードバックは、その日のうちにセットを使った他のすべてのチームから得られており、その結果は非常に良好だった。したがって、パフォーマンスを損なうことなく安定したオープニングスティントを実現できる選択肢として、レーススタート用タイヤの候補のひとつになる可能性がある」

    日本グランプリ

    再舗装の効果が戦略を左右する週末へ
    鈴鹿の最終2セクター再舗装は、単にラップタイムだけでなく、決勝戦略にも大きな影響を及ぼしそうだ。現時点ではタイヤの摩耗もグレイニングも抑えられており、各チームは複数の1ストップ案を成立させられる状況にある。

    その中で、ハードを温存したマクラーレンの選択は予選と決勝を見据えた布石として注目される。金曜の時点ではピアストリが最速で終えたが、メルセデスとの差は極めて小さく、土曜の予選ではタイヤの使い方と一発のまとめ方が結果を大きく左右することになりそうだ。

  • 2026年F1日本GP 鈴鹿サーキット&タイヤの戦略解説

    2026年F1日本GP 鈴鹿サーキット&タイヤの戦略解説

    鈴鹿サーキットは、ドライバーの技量が真に試されることから、F1ドライバーの間でも最も愛されているサーキットのひとつだ。

    日本グランプリの舞台であるこのコースは、18のコーナーを持ち、そのいくつかはこのスポーツの歴史に残る象徴的なものであり、さらに8の字レイアウトという特徴もあって、カレンダーの中でも最も要求の厳しいトラックのひとつとなっている。

    高速区間と組み合わさった連続的な方向転換が生み出す力と荷重によって、全長5.807kmの日本のこのコースは、タイヤにとって最も厳しいトラックのひとつとなる。そのため選択されたコンパウンドは、ラインナップ中で最も硬い3種類である。ハードがC1、ミディアムがC2、ソフトがC3だ。つまり最も硬い選択肢であるC1は、シーズン最初の2戦では選ばれていなかったため、鈴鹿サーキットで初登場を果たすことになる。

    ホンダが所有するこのサーキットは、2025年大会を前に第1シケイン出口から第1セクター終端まで再舗装が行われた。今年はその作業が続けられ、ターン17までの残る2つのセクターも大部分が完了した。そのためアスファルトはスムーズで、なおかつ汚れが残っていることが予想され、グリップレベルは比較的低いと見られる。

    こうした条件では、特に最も柔らかいコンパウンドでグレイニングが発生すると考えるのが自然だ。昨年はその発生はフロントアクスルに限られており、コースの進化によって初日終了後には徐々に小さくなっていった。

    ただし、新舗装の範囲がより広がったことで、その表面は第1セクターと似た特性を持っているため、今年はこの現象と、それがデグラデーションに与える影響をより注意深く見極める必要があるかもしれない。金曜日までには、チームが週末を通じて何を予想できるのか、より明確な見通しが得られるはずだ。

    日本GP 鈴鹿サーキット

    今回の選択肢の中で、最も硬いコンパウンドと最も柔らかいコンパウンドの挙動を観察するのは、とりわけ興味深い。C1が十分なグリップレベルを示し、C3が上海でそうだったように一貫性を保てるなら、3種類すべてがレース戦略の形成において重要な役割を果たす可能性がある。

    気温もまた重要な要素になる。日本グランプリは昨年より1週間早く開催される。昨年はすでに気温がおよそ15度前後で落ち着いていた。

    大きな上昇がなければ、熱によるデグラデーションは抑えられたままとなるだろう。そのため1ストップでレースを完走できるかどうかは、グレイニングの実際の程度と、それがパフォーマンスにどれだけ影響するかに左右される可能性がある。確かなのは、予選に向けた準備でチームが細心の注意を払う必要があるということだ。この場面では、タイヤを正しい温度域に持ち込むことが不可欠になる。

    日本グランプリ 鈴鹿サーキット

    2025年
    昨年の鈴鹿サーキットで最速の戦略オプションは1ストップであり、実際にそれを選んだドライバーが大半だった。15台がミディアムでスタートし、後方の2台がソフト、さらに別の2台がハードを選択した。第2スティントでは、そのハードが主役となった。気温が低かったことで、より硬い2種類のコンパウンドはいずれもラップタイムの大きな低下なく、非常に長いスティントをこなすことができた。表彰台に上がった3人のドライバーはいずれも20周目前後でミディアムからハードに交換し、そのままチェッカーフラッグまで走り切った。

    統計
    次のレースは、40回目の日本グランプリとなる。初開催は1976年の富士で、富士では通算4回開催されている。それ以外のすべての大会は鈴鹿サーキットで行われてきた。日本で最も成功しているドライバーは6勝のミハエル・シューマッハで、ルイス・ハミルトンが1勝差で続いている。コンストラクターではマクラーレンが9勝で首位に立ち、レッドブルが8勝でそれに続く。

    日本グランプリ

    表彰台キャップ特別仕様
    デザイナーのデニス・デコヴィッチとピレリ・デザインのコラボレーションで生まれた第3弾の表彰台キャップは、桜に着想を得たものとなっており、日本グランプリ後の表彰式でドライバーが着用するキャップとなる。鈴鹿サーキットがレースを開催する時期と重なる桜の開花が、このピレリのキャップにあしらわれており、すでにピレリのEコマースプラットフォームで購入可能となっている。

  • F1中国GP ピレリ予選総括「決勝は1ストップが最速戦略」

    F1中国GP ピレリ予選総括「決勝は1ストップが最速戦略」

    メルセデスは2026年F1中国GPのスプリントと予選で強さを見せつけた。スプリントではジョージ・ラッセルが今季初のスプリントを制し、予選ではアンドレア・キミ・アントネッリがポールポジションを獲得。メルセデスは決勝に向けてフロントロウ独占を果たした。

    ラッセルはスプリント序盤、ルイス・ハミルトンとの激しい攻防を制してトップに立ち、そのまま勝利を手にした。

    一方のアントネッリも予選で存在感を示し、セバスチャン・ベッテルが保持していたF1史上最年少ポールの記録を更新。中国GP決勝はシルバーアローが最前列を独占する形となった。

    スプリントではタイヤ選択が分かれ、ほとんどのドライバーがミディアムを選んだなか、リアム・ローソン、アービッド・リンドブラッド、フェルナンド・アロンソはハードを装着した。アイザック・ハジャーだけがソフトでスタートした。

    レースのおよそ3分の2を過ぎたところで、ニコ・ヒュルケンベルグのアクシデントによりセーフティカーが導入されると、多くのドライバーがピットへ向かいソフトへ交換した。そのなかでローソンはハードのままステイアウトを選択し、この判断によってポジションを上げて7位入賞。2ポイントを獲得した。すぐ後ろの8位には、ミディアム1セットで走り切ったオリバー・ベアマンが続いた。

    その後の予選では、レッドブル・レーシング勢、ハミルトン、ヒュルケンベルグがQ1序盤にミディアムでコースインし、各車の変更点を確認するような走行を行った。他の大半は最初からソフトを投入し、2回目のアタックでもそのままソフトを使用した。

    Q2は今回も非常に緊迫したセッションとなったが、終盤にはガブリエル・ボルトレトが最終セクターでイエローフラッグを出した影響で、複数のドライバーがタイム更新の機会を失った。

    Q3ではラッセルに序盤からメカニカルトラブルが発生し、1回目のランではタイムを記録できなかった。2回目のアタックでは何とかタイムを残したものの、ポールには届かなかった。そのポジションを射止めたのがチームメイトのアントネッリだった。

    アントネッリは19歳6か月17日でポールポジションを獲得し、2008年イタリアGPで初ポールを記録した際のベッテルの21歳72日という記録を塗り替えた。若きメルセデスのドライバーはラッセルとハミルトンを上回り、歴史的な結果を手にした。

    ポールポジション賞はショートトラックスピードスケート選手の林孝埈から贈られた。林孝埈は2018年平昌オリンピックで1500メートル金メダル、500メートル銅メダルを獲得しており、直近ではミラノ・コルティナ2026にも出場している。

    土曜日の上海は晴天に恵まれたが、日曜日は雲が広がる見込みで、最高気温は土曜よりおよそ2度下がると予想されている。

    中国GP

    マラフスキ「1ストップが最速だ」
    ピレリのモータースポーツディレクターを務めるダリオ・マラフスキは、今回初めて週末を通じて全コンパウンドが使用されたと振り返った。

    「今日、この週末で初めて利用可能なすべてのタイヤコンパウンドが使われた。これはスプリントで起きたことで、3台がハードタイヤのまま走り、セーフティカー中にピットへ入らず、その結果としていくつかポジションを上げた」

    「ハジャーだけがソフトタイヤを履いており、残りの全車はミディアムだった」

    マラフスキは、ハードにあたるC2を使ったドライバーたちが、まだ十分に検証されていなかった状況下でグレイニングの影響を直接確認できたと説明した。一方で、その選択によって決勝で使えるハードタイヤの残数が減り、戦略の幅を狭めた可能性もあると指摘した。

    「C2コンパウンドを使ったドライバーたちは、まだ試されていなかった条件でグレイニングの影響を直接評価することができた。ただし、このコンパウンドを選んだ3人のドライバーは、特にニュートラリゼーションが入った場合に、日曜日へ向けた戦略の選択肢を制限したかもしれない。なぜなら決勝用に残るのは1セットだけになるからだ」

    中国グランプリ

    決勝戦略については、1ストップが明確に最速だと見ている。スタートタイヤはミディアムかソフトのいずれかとなる見込みで、そこから長い第2スティントをハードで走る形が基本になるという。

    「明日に向けては1ストップ戦略が明らかに最速だ。ミディアムでスタートするかソフトでスタートするかは、グリッドポジションや、スタートでよりアグレッシブなアプローチを取りたいかどうかに最も左右されるだろう」

    「どちらの場合でも、チェッカーまでの長いスティントはハードタイヤになる。交換のタイミングは17周目から23周目、あるいは15周目から21周目になる。この2つの選択肢は、総レースタイムの面では非常に接近している」

    2ストップの場合は、終盤2スティントをハード2セットで走る組み合わせが最速とされるが、それは各チームにその手持ちが残っていることが前提になる。また机上では、ミディアムスタートよりソフトスタートの方が有効だとしている。

    「2ストップ戦略では、最速の組み合わせは最後の2スティントを2セットのハードで走るものだ。もちろん、チームがレース用にそれを残している場合に限る。理論上は、ミディアムでスタートするよりソフトでスタートする方がより効果的に見える」

    最後にマラフスキは、ソフトタイヤでのロングランデータがまだ十分ではない点にも触れた。決勝終盤、燃料が残った状態でC4がどこまで持つかは、なお見極めが必要だとしている。

    「重要なのは、最初の2日間を通じて、どのドライバーも赤マーキングのタイヤで9周を超えて走っていないことだ。例外はスプリントのハジャーだけだが、彼のランはマシンのダメージによって影響を受けていた。したがって、満タンに近い燃料を積み、なおかつレースの3分の1を残した状態でのC4のデグラデーションレベルは、まだ検証が必要だ」

    メルセデスはスプリント勝利とポールポジションという理想的な土曜日を過ごした。一方で、決勝はタイヤ戦略と天候の変化が大きな鍵を握る。アントネッリが歴史的ポールを勝利につなげるのか、それともラッセルやフェラーリ勢が流れを変えるのか。中国GP決勝は戦略戦の色合いも強い一戦になりそうだ。