カテゴリー: メルセデスF1

  • 迷走するFIA暴言規制にF1ドライバーが苦言 ラッセル「そもそも不要だった」

    迷走するFIA暴言規制にF1ドライバーが苦言 ラッセル「そもそも不要だった」

    メルセデスF1のジョージ・ラッセルは、FIAが進めていた「暴言」に対する取り締まり強化について「おかしな状況」だと語り、厳しすぎる罰則は「そもそも存在すべきではなかった」と強く批判した。

    ラッセルはこれまでも、ドライバーの「言葉遣い」に罰則を科す姿勢に一貫して否定的であり、今回もその立場を崩さなかった。FIAが最近、規定を一部緩和したことについても「評価するつもりはない」と述べている。

    この規定緩和は、FIA会長モハメド・ビン・スライエム主導による「国際モータースポーツ競技規則 付則B」の見直しによって実現したもので、暴言に対する罰金の引き下げや、特定のケースではスチュワードが処分を猶予できるようになるなどの変更が含まれている。

    見直しには、FIAドライバーズ・コミッティ(委員長:ローナン・モーガン)や、F1スチュワード代表のギャリー・コネリーらが関与していた。

    「最初から間違っていた」
    しかし、F1エミリア・ロマーニャGPを前にしたメディアセッションで、ラッセルはFIAの対応に依然として不満を隠さなかった。

    「そもそも、こんな変更は最初から行うべきではなかったと思っている」とラッセルは語った。

    「元に戻ったのは良いことだけど、そもそも最初からそんな馬鹿げた状況にするべきじゃなかった。だから、それを元に戻したからといって感謝するのは、少し違和感がある」

    「これは奇妙な状況だし、いまだにFIAの上層部からは誰一人として連絡がない。だから、正直言って怪しいと思っている」

    FIA F1 国際自動車連盟フェルスタッペン「FIAが当初の裁定が厳しすぎたと気づいたのは良かった」

    フェルスタッペンとハミルトンも言及
    FIAへの批判をためらわないマックス・フェルスタッペンも、この件について自身の見解を示した。

    「前向きな第一歩だと思う。少なくとも行動に移したという点ではね」

    「以前のやり方はちょっと攻撃的すぎたと思うから、FIAがそれに気づいたのは良かった」

    一方、フェラーリのルイス・ハミルトンは、元チームメイトであるラッセルの発言を耳にしていなかったが、今回の一連の騒動について「混乱している」と率直に語った。

    「正直、馬鹿げていると思う。何を言っても意味はないかもしれないけど、今の状況はかなり混乱してる」

    「変えるべきことはたくさんある。それは間違いない」

    FIAとの対話を求め続けるラッセル
    グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)のディレクターを務めるラッセルは、昨年のF1サンパウロGP後、他のドライバーとともにFIAへ書簡を送っていた。しかし、その対応について、依然として十分な手応えがないと感じている。

    「正直言って、こんなに難航するとは思っていなかった」

    「僕らは自分たちの意見をしっかり伝えてきた。まだ『手遅れ』ってわけじゃないけど、相手にも歩み寄る姿勢が欲しい」

    「意見を出して、対話の機会を求めてきた。こっちからばかり何度も頼んでる状況じゃダメなんだ。双方向でなければならないし、相手側にもその意志が必要なんだ」

  • アントネッリ F1母国初レースへ覚悟と誇り「家から30分の本当のホーム」

    アントネッリ F1母国初レースへ覚悟と誇り「家から30分の本当のホーム」

    アンドレア・キミ・アントネッリは、F1デビュー以来初となる母国グランプリに臨む今週末のF1エミリア・ロマーニャGPについて、「感情的にも精神的にも消耗する」週末になると予想しており、エネルギー管理の重要性を強調した。また、彼のモーターホームの部屋にはルイス・ハミルトンからの手書きメッセージが残されており、それを初めて読む機会もあったという。

    メルセデスからF1参戦7戦目を迎えるアントネッリは、2021年のアントニオ・ジョビナッツィ以来、地元イタリアのファンの前でレースをする初のイタリア人ドライバーとなる。この重圧にもかかわらず、18歳のルーキーはファンに喜んでもらえるような走りを届けたいと語っている。

    「F1ドライバーとして母国レースを迎えるのは本当に特別な気分だよ」と語るアントネッリは、次のように続けた。

    「モンツァもあるけど、ここ(イモラ)は自宅から30分くらいの距離だから、本当の意味でのホームレースだと思ってる。コースもすごく好きだし、チャレンジングだけど、昔ながらのサーキットで走っていてとても楽しい」

    「今週末はとても特別なものになると感じてる。イタリアのファンの前で、そして家族や友人たちの前で走るのは本当に楽しみだ。きっとハードな週末になると思うけど、明日走るのが待ちきれないよ」

    アンドレア・キミ・アントネッリ F1 エミリア・ロマーニャGPアントネッリは「特別な週末」になると語り、母国ファンの前での走行を心待ちにしている

    母国グランプリがもたらす高揚と緊張の中で、マイアミのスプリント予選でF1史上最年少ポールポジションを獲得したアントネッリは、今週末を通してどのようにエネルギーを保つかについても語った。

    「間違いなく、今週末は感情的にも精神的にもハードになると思う」とルーキーは述べた。

    「ホームレースで、イタリアのファンの前で、家族や友人も来るから、エネルギーをどう管理するかがすごく重要になる。無駄なところで体力や気力を使わず、必要なときに集中できるようにしていくよ」

  • トト・ヴォルフ F1エミリア・ロマーニャGP欠席 息子の卒業式で渡米

    トト・ヴォルフ F1エミリア・ロマーニャGP欠席 息子の卒業式で渡米

    メルセデスF1のチーム代表であるトト・ヴォルフは、来週末に開催されるF1エミリア・ロマーニャGPでチームのガレージに立つことはない。これで今シーズン2度目の欠席となる。

    今年初めに鈴鹿を欠場したのは、近年の慣例に沿ったものだったが、今回のイモラを欠席する理由は、より個人的で祝福すべき内容だ。F1の過酷なスケジュールよりも「家族」が優先されたかたちである。

    ヴォルフは、長男ベネディクトの卒業式に出席するため、アメリカを訪れる予定だとRacingNews365が報じている。

    この53歳のオーストリア人にとって、これは見逃せない人生の節目の瞬間だ。たとえその週末が、メルセデスのルーキーであるキミ・アントネッリにとってF1で初めて母国イタリアのファンの前で戦う特別なレースであったとしても、優先順位は明らかだった。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ今月初め、ヴォルフは息子のベネディクトと共にマイアミに姿を見せていた。

    ヴォルフには3人の子どもがいる。前の結婚で生まれたベネディクトとローザ、そして現在のパートナーでF1アカデミー代表のスージー・ストッダートとの間に生まれた末っ子ジャックだ。

    シャープなリーダーシップとチームへの深い献身で知られるヴォルフだが、彼の不在中もメルセデスの本部であるブラックリーは、信頼のおける体制が整っている。

    日本GPの際と同様、チームのチーフ・コミュニケーション・オフィサーであるブラッドリー・ロードが、現地での業務を引き継ぐことになる。

    一方で、レースにおけるメルセデスの勢いは続いている。
    マイアミGPでは、ジョージ・ラッセルが今季4度目となる表彰台を獲得し、アントネッリはスプリントフォーマットで自身初のポールポジションを記録した。

    ラッセルは現在、ドライバーズ選手権リーダーであるオスカー・ピアストリに38ポイント差まで迫っており、メルセデスはコンストラクターズ選手権でも141ポイントで2位につけ、105ポイントのレッドブルを大きく上回っている。

  • アントネッリの快進撃をフェルスタッペンとノリスが称賛「F1にいるのも納得」

    アントネッリの快進撃をフェルスタッペンとノリスが称賛「F1にいるのも納得」

    メルセデスF1のルーキードライバー、アンドレア・キミ・アントネッリがF1マイアミGPのスプリント予選で自身初のポールポジションを獲得した後、マックス・フェルスタッペンとランド・ノリスがそのパフォーマンスを称賛した。

    F1デビューからの5戦で4度のポイントを獲得する安定したスタートを切ったアントネッリは、マイアミ・インターナショナル・オートドロームでさらに一段階ギアを上げ、トップ争いに加わった。

    スプリント予選ではF1キャリア初のポールポジションを獲得し、続くメイン予選でも3番手グリッドを確保。いずれのセッションでも、経験豊富なチームメイトのジョージ・ラッセルを上回る結果を残した。

    アンドレア・キミ・アントネッリ F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツアントネッリはマイアミで躍動し、スプリントで初のポールポジションを獲得

    予選後の記者会見では、アントネッリの両脇に座った4度のワールドチャンピオンであるフェルスタッペンと、複数回の優勝経験を持つノリスが、それぞれ彼の印象について語った。

    フェルスタッペンはこう述べた。

    「驚きはないよ。でもF1を始めたばかりの頃って、学ぶことが本当に多いんだ。そんな中で、すでにこのペースで走れているのはかなり印象的だね」

    「でも、本当に言うと驚きはない。正直なところ、彼はこれからどんどん良くなっていくだけだ。それだけのことだよ」

    記者会見の序盤でもアントネッリについて好意的に語っていたノリスは、笑みを浮かべながらこう語った。

    「彼の自尊心はもう十分くすぐってあげたと思う!」

    「でもまあ、同じような話だね。彼がF1にいるのには理由がある。これまでのカーレースキャリアを見ても、すごく良い結果を残してきたし」

    「それに、彼には優れたチームメイトがいる。そのチームメイトはここ数年、ルイス・ハミルトンを打ち負かしてきた。もし彼が今、そのジョージ(ラッセル)を上回る走りをしているなら、それは本当に素晴らしいことだよ」

    スプリントと決勝レースでもさらにポイントを積み上げたアントネッリは、こうした先輩たちの称賛に対し「お二人とも優しすぎます」と控えめに応じた。

    それでも、彼の奮闘によってメルセデスはシーズン1/4終了時点でコンストラクターズランキング2位につけており、アントネッリ自身もドライバーズランキングで6位につけている。ラッセルとの差は2ポジションとなっている。

  • ルイス・ハミルトン 後継アントネッリのF1初ポールを称賛「批判を黙らせた」

    ルイス・ハミルトン 後継アントネッリのF1初ポールを称賛「批判を黙らせた」

    ルイス・ハミルトンは、キミ・アントネッリがF1マイアミGPで自身初のポールポジションを獲得したことについて、「心が温かくなった」と語り、メルセデスで自身の後継者となったアントネッリが「批判を黙らせた」と称賛した。

    アントネッリにとってF1デビューからわずか6戦目での快挙であり、ランド・ノリスやマックス・フェルスタッペンからもその成果が認められた。

    メルセデスで12シーズンを過ごした後にフェラーリへ移籍したハミルトンは、アントネッリと長年のレースエンジニアであるピーター・ボニントンが映った動画をInstagramに投稿した。

    6度のドライバーズタイトルをメルセデスとともに獲得したハミルトンは、自らの後任としてアントネッリを起用するよう、より実績のある候補ではなく若手を選ぶようにチームに働きかけていた。

    ハミルトンは、マイアミ・インターナショナル・オートドロームでのアントネッリの注目の活躍が、その選択に対する懐疑的な声を打ち消したと信じている。

    「この動画を見て本当に心が温まったから投稿したんだ」と、ハミルトンはMotorsport Weekを含むメディアに対して語った。

    「僕はあのチームにとても長くいた。ボノ(ボニントン)は本当に最高の存在だし、もっと経験豊富なドライバーを起用すべきだという声も多かったけど、それでも努力を続けてポールを獲得した。それはすべての批判を黙らせるものだ。僕はそういう“アンダードッグ”が結果を出す姿が大好きなんだ。素晴らしい物語だよ」

    アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    「F1という旅を楽しんで」アントネッリにアドバイス
    アントネッリのスプリントレースは、ターン1で順位を落とし、さらにマックス・フェルスタッペンがピットレーンで危険なリリースを受けたことで不運に見舞われた。

    しかし、前方集団にペナルティが科されたことによりポイント圏内でフィニッシュし、その後の本予選ではチームメイトのジョージ・ラッセルを上回って3番グリッドを獲得した。

    決勝では6位まで順位を落としたものの、ハミルトンはアントネッリがこの先も成功を収めていくことを願いつつ、「その過程を楽しむことを忘れないでほしい」と語った。

    「彼には今のままを続けてほしい。彼は自分が何をすべきかを分かっていると思う。そして、その道のりを楽しみ続けてほしい」

  • ジョージ・ラッセルと契約未更新のメルセデスF1をブランドルが疑問視

    ジョージ・ラッセルと契約未更新のメルセデスF1をブランドルが疑問視

    マーティン・ブランドルは、メルセデスF1チームがジョージ・ラッセルといまだに契約延長を結んでいないことに対し、「奇妙だ」と感じていると語った。

    ラッセルは2017年にメルセデスのジュニアドライバーとしてファミリー入りし、2年後にはウィリアムズからF1デビュー。2022年にはメルセデスのレギュラードライバーとして昇格し、これまでに通算3勝を挙げている。今季からはフェラーリに移籍したルイス・ハミルトンに代わり、事実上のチームリーダーを担っている。

    しかし、そんなラッセルにはいまだ新たな契約が提示されていない。2026年を見据えたF1シート争いが活発化するなか、マックス・フェルスタッペンがメルセデスへ移籍するとの噂もあり、その影響が指摘されている。

    ブランドルはSky Sports F1の番組内で、メルセデスが早期にラッセルと契約を延長すべきだと主張した。

    「彼は見事なドライビングをしているのに、来年の契約がまだ公になっていない。ちょっと奇妙に感じる」とブランドルは語る。

    「ただ、メルセデスにこの件を尋ねると、彼らは“我々は現在の雇用主であると同時に、彼のマネジメントチームでもある”と念を押してくるんだ」

    今季のラッセルは開幕6戦で4度の表彰台を獲得し、ドライバーズランキングで4位につけるなど、キャリアベストのスタートを切っている。

    ブランドルは、メルセデスがあとわずかでもマシンの改善に成功すれば、ラッセルはマクラーレン勢とのトップ争いに加われるはずだと期待を寄せる。

    「ジョージは素晴らしい走りをしていて、今あるものをすべて活かしきっている。もしメルセデスがあとコンマ1秒か2秒でもギャップを縮めることができれば、彼はマクラーレン勢のすぐ後ろに迫るだろう」

  • セルジオ・ペレス メルセデスF1加入の可能性が浮上との報道

    セルジオ・ペレス メルセデスF1加入の可能性が浮上との報道

    セルジオ・ペレスが、かつてのライバルチームであるメルセデスF1に“サプライズ移籍”する可能性があると報じられている。

    マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして、ペレスはしばしばルイス・ハミルトン時代のメルセデスにとって厄介な存在だった。しかし、レッドブルF1から放出されて今季のシートを失ったペレスが、2026年のグリッド復帰を目指す中で、その新天地がかつての宿敵チームとなる可能性が浮上している。

    モータースポーツ・コムの報道によれば、ペレスはすでにトト・ヴォルフ率いるメルセデスF1と「初期的な話し合い」を行ったという。

    ただし、この移籍が現実となるには、F1のドライバー市場で複数の“ドミノ効果”が生じる必要があるとされている。

    ヴォルフは、他の大型移籍によってチームが空席に直面する可能性を見越し、ペレスをオプションのひとつとして注視しているとされる。また、ペレスのマシン開発能力やチームメイトを支える姿勢を高く評価しているという。

    ペレスをメルセデスに導く“F1ドミノ”の引き金は?

    その引き金となり得るのが、フェルスタッペンの去就だ。フェルスタッペンはレッドブルと長期契約を結んでいるが、現在のマシンの競争力不足により、その将来には依然として不透明感が残っている。

    2026年のレギュレーション変更を見据え、アストンマーティンがフェルスタッペン獲得に向けて巨額オファーを準備しているとも報じられている。アストンマーティンには、かつてフェルスタッペンのタイトル獲得マシンを設計したエイドリアン・ニューウェイも加わる見通しだ。

    仮にレッドブルがフェルスタッペンを失えば、メルセデスのジョージ・ラッセルを後任として引き抜く可能性がある。ラッセルは今季末で契約が終了する予定だが、メルセデス残留に向けて高額契約の交渉が進められているともいわれる。

    昨年、ラッセルはハミルトンを予選で上回り、現在は新人アンドレア・キミ・アントネッリとともに“実質的なチームリーダー”を担っている。

    そして、アストンマーティンがフェルスタッペンを獲得し、レッドブルがラッセルを引き抜いた場合、その空いたメルセデスのシートにペレスが起用されるという構図が浮かび上がる。

    セルジオ・ペレス メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    実現の可能性は高くないかもしれない。しかし、これら一連の大型移籍が成立すれば、ペレスのメルセデス入りも現実味を帯びてくる。

    厳しい成績に終わったレッドブルでの最終年を経ても、こうしてペレスの名前が移籍市場で取り沙汰されているという事実は、F1パドック内における信頼がいまだ健在であることを示している。

    なお、ペレスにはアルピーヌF1への移籍という選択肢もある。同チームは現在、ジャック・ドゥーハンに代えてフランコ・コラピントを5戦限定で起用しており、次なる布陣を模索しているところだ。

    さらに、来季からF1に参戦する新チーム「キャデラックF1」も、経験豊富なドライバーとしてペレスに関心を示しているとされている。

  • メルセデスF1に迫る危機 ペトロナスが選んだバイオ燃料の落とし穴

    メルセデスF1に迫る危機 ペトロナスが選んだバイオ燃料の落とし穴

    2026年からF1は新しい持続可能な燃料規定の下で再出発するが、早くもその未来に暗雲が立ち込めている。メルセデスのパートナーであり、F1チームの40%に燃料を供給するマレーシアの大手石油企業ペトロナスが、バイオ燃料を選択したことが原因だ。

    FIAが2022年に決定した新規則によれば、F1エンジンは2026年以降、100%持続可能な燃料を使用する必要がある。各エンジンサプライヤーはそれぞれの燃料パートナーと共同で次世代燃料の開発を進めてきた。

    たとえば、フェラーリは長年提携しているシェル(Shell)の合成燃料を採用し、レッドブル・パワートレインズはモービル(Mobil1/エクソンモービル)のe-fuelを選択した。さらに、アルピーヌとアウディはBP/カストロールから供給を受ける。一方、アストンマーティンは2026年からサウジアラムコ(Aramco)と組む予定であり、その性能には業界から高い期待が寄せられている。

    そんな中、メルセデスおよびそのカスタマーチーム(マクラーレン、アストンマーティン、ウィリアムズ)に燃料を供給するペトロナスが、他の競合が選んだ合成燃料(e-fuel)ではなくバイオ燃料を採用したことが波紋を広げている。

    バイオ燃料選択がもたらす懸念
    バイオ燃料と合成燃料の違いは明確だ。バイオ燃料は、サトウキビやビートなどの植物性原料を元に作られ、従来の化石燃料と比べ二酸化炭素の排出を最大90%削減する。一方、合成燃料(e-fuel)は水素と空気中から回収したCO2を化学的に合成して作られる。実験室レベルのテストでは、合成燃料の方が効率と性能の面で優れているという結果が示されている。

    この性能差が、F1の世界では致命的な差となる可能性がある。ペトロナスが供給するバイオ燃料は、性能面でシェルやモービルの合成燃料に劣る恐れがあるのだ。性能が劣れば出力が落ち、バッテリーへのエネルギー充電効率も低下する。燃費も悪化し、レース中のパフォーマンスが深刻な影響を受ける可能性が指摘されている。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    メルセデス陣営への影響は深刻
    F1チーム関係者の間では、2026年のレギュレーション導入が2014年のターボハイブリッド導入初期と同じ混乱を引き起こすのではないかと懸念されている。特に深刻なのはメルセデス陣営だ。彼らはこれまで先進的な技術開発で優位性を保ってきたが、燃料の性能が足枷となれば、これまでの地位を揺るがす可能性もある。

    メルセデスは既にシミュレーションで問題を抱えている。特にモンツァのような高速サーキットでは、ストレートの途中で電力が尽き、バッテリー充電が追いつかないという問題が確認された。性能が劣るバイオ燃料では、この状況はさらに悪化することが予想される。

    ペトロナスは方向転換できるか?
    ペトロナスの選択はまだ最終的なものではなく、理論上は合成燃料への方向転換も可能だ。しかし、そのためには大幅な計画変更と研究開発が求められ、既に合成燃料を採用して開発を進めている競合チームに遅れを取る可能性は避けられない。

    このままペトロナスがバイオ燃料の開発を継続した場合、メルセデスとその系列チームは大きなハンデを背負って2026年シーズンを迎えることになる。性能差が顕著になれば、規則導入初年度から数年間にわたり、大きな競争力の格差が生まれてしまう危険性もある。

    ペトロナスの選択は、単なる燃料の問題を超えて、F1の勢力図を大きく左右する要素になるかもしれない。

  • メルセデスF1 次戦以降に“より目に見える”アップグレード投入を予告

    メルセデスF1 次戦以降に“より目に見える”アップグレード投入を予告

    メルセデスF1は、W16の開発ペースをさらに加速させる構えだ。技術責任者のジェームズ・アリソンは、今後数戦で「より明確に外から見える」アップグレードが導入されることを明かした。

    今季、メルセデスは過去4年間で最も好調なスタートを切り、コンストラクターズランキングでは2位につけている。ただし、首位マクラーレンとはすでに100ポイント以上の差がある。

    とはいえ、マイアミGPまでの段階で小規模ながらも一貫してアップグレードを投入しており、特にタイヤの温度管理に焦点を当てた開発が続けられている。

    「見た目にも分かる変化が出てくる」とアリソン
    マイアミGP後に公開された公式YouTubeのデブリーフ動画で、アリソンは次のように語った。

    「実のところ、我々は開幕からアップグレードを投入してきた。FIAの文書に載るような“大型”ではなかったが、既存設計を軽量化したパーツなどを“地味に”加えてきた」

    「ただ、次の数戦では、ファンやライバルの目にも明らかに分かるようなアップグレードがいくつか登場する。それによって我々の運が開ければと思っている」

    さらにアリソンは、連戦が続く過密スケジュールの中でアップグレード開発を進める難しさについても言及した。

    「シーズンの4分の1がすでに過ぎた。ここまでレースが矢継ぎ早に続くと、アップグレードを準備するのは本当に大変だ」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    課題は“レースペースとタイヤ管理”
    今季のメルセデスは、予選では一発の速さを発揮しているものの、決勝ではタイヤマネジメントに苦戦している。この点は、同分野で強みを持つマクラーレンに対して明確な弱点となっている。

    「予選では毎回そこそこの位置につけているし、アップグレード次第ではさらに上位も狙えるかもしれない」とアリソンは語る。

    「ただし、何よりも我々が取り組むべきは決勝でのペースだ。土曜に見せた“約束された速さ”を、日曜に確実に実現しなければならない」

    「その鍵はタイヤの温度管理にある。マシンが本来持っている速さをレース中にも活かせるようにする必要がある」

  • バルテリ・ボッタス 2026年のF1復帰を狙う「キャデラックF1は理想的な挑戦」

    バルテリ・ボッタス 2026年のF1復帰を狙う「キャデラックF1は理想的な挑戦」

    バルテリ・ボッタスが、2026年のF1フル参戦に向けて本格的に動き出している。F1通算10勝を誇るこのフィンランド人ドライバー(35歳)は、新規参戦を予定するキャデラックF1チームを有力な選択肢のひとつとして注視している。

    2024年限りでザウバーを離脱し、同チームはコンストラクターズランキング最下位に沈んだ。翌2025年はメルセデスのリザーブドライバーとしてF1に関与しているが、ボッタス自身は「まだ数年は戦える」と語り、キャリアの次章として意義ある長期プロジェクトへの参加を望んでいる。

    「扉を開け続けている」
    「僕の目標は再びレースをすることだ」とボッタスはTopGear.comに語った。「だからこそ、ドライバー市場で何が起きているのかを把握しておく必要がある」

    「もちろん今は(マイアミに)来て目の前の仕事に集中しているけれど……同時に目も耳も開いていないとね」

    メルセデス時代に10勝を挙げ、ルイス・ハミルトンとのコンビで5度のコンストラクターズタイトル獲得に貢献したボッタスは、自らの経験がまだF1で活かせると信じている。

    「今の状況に満足しているわけじゃない。自分にはまだ確実に数年分の力が残っているし、F1に与えられるものがあると感じている」

    「ただ、F1は予測が難しいスポーツだ。次のチャンスがあるかどうかは誰にも分からない」

    バルテリ・ボッタス キャデラック F1

    キャデラックF1のプロジェクトは理想的な舞台か
    ボッタスが関心を寄せているのが、2026年にF1参戦を予定しているキャデラックF1チームだ。アメリカの自動車ブランドであるキャデラックは、2029年までフェラーリ製パワーユニットを使用する予定で、先週末のマイアミGPでは大々的なチーム発表イベントを実施。セルジオ・ペレスなど複数のドライバーと関連づけられている。

    しかしボッタスは、この新プロジェクトが自身のキャリアの“第2章”にふさわしい環境になる可能性があると見ている。

    「キャデラックのようにF1に新しく参戦するチームは、非常にエキサイティングな存在だ」とボッタスは語った。

    「僕にとってモチベーションになるのは、明確な目標を持ったプロジェクトに加わり、数年間の契約で腰を据えて取り組むこと。それこそが今の自分に必要なことだ」

    「ただ1年だけF1に戻るのでは意味がない。僕が求めているのは、明確なビジョンを持つチーム。そういう意味では、新チームでゼロからスタートするのは非常に魅力的だと思う」

    「もちろん、好成績や表彰台、あるいは優勝を狙えるチームに空席が出た場合は、喜んで検討するつもりだ。ただ、今はその見通しを立てるのが非常に難しい状況だ」