カテゴリー: メルセデスF1

  • ウィリアムズ代表 F1モナコGP中にスロー走行戦略をメルセデス代表に謝罪

    ウィリアムズ代表 F1モナコGP中にスロー走行戦略をメルセデス代表に謝罪

    メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフは、F1モナコGPのレース中にウィリアムズ・レーシングのジェームス・ボウルズ代表から届いた「謝罪のテキストメッセージ」について明かした。レース中、ウィリアムズの2人のドライバーがメルセデス勢のジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリの前でスロー走行を行ったことについてのやり取りだったという。

    ヴォルフとボウルズは旧知の仲であり、ボウルズはかつてメルセデスでヴォルフの下に勤め、現在はウィリアムズでチーム再建に取り組んでいる。

    2025年のモナコGPでは、新ルールとして全車に2回のピットストップが義務付けられ、各チームは多様な戦略に対応を迫られた。ウィリアムズはカルロス・サインツJr.とアレクサンダー・アルボンが交代でスロー走行を行い、もう一方のドライバーが余裕を持ってピットアウトできるギャップを作るという巧妙な戦術を採用。その結果、アルボンは9位、サインツJr.は10位でフィニッシュし、ウィリアムズにとって4戦連続のダブルポイント獲得となった。

    ヴォルフはレース中のボウルズとのやり取りについて、オートスポーツの取材に対しこう明かした。

    「彼(ボウルズ)からレース中にメッセージが届いたんだ。『申し訳ない』ってね。前の状況から、ああするしかなかったんだろう。私の返事は『分かってる』だった」

    「ジェームスは私の仲間の一人だし、恩着せがましく聞こえてほしくはないが、彼は今やチーム代表として立派にキャリアを築いている。あれは彼がやらなければならなかったことだ。ポイント圏内に2台を持ち込んだわけだしね」

    「最初にああなったのは、レーシングブルズがスロー走行で我々を詰まらせたからだ。だから彼らも同じように対応したんだよ」

    一方ボウルズは、レース中のF1TVのインタビューで、この戦術が本来のレーシングスタイルではないとしながらも、チームの利益を優先した判断だったと述べた。

    スロー走行の影響を大きく受けたのはラッセルで、苛立ちからヌーヴェルシケインでショートカットしてアルボンをオーバーテイクし、結果的にドライブスルーペナルティを受けることとなった。

    ウィリアムズ・レーシング F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ヴォルフは、メルセデスの厳しいレース展開の要因について、予選での不運を挙げる。

    「レーシングブルズのように力以上の結果を出したチームもあった。その位置を守るために、彼らもウィリアムズも戦っていた。我々はその犠牲者だったが、それは予選がうまくいかなかったからだ」

    「我々には速いクルマがあった。キミ(アントネッリ)はバリアに接触したが、それはルーキーにありがちなミス。そしてジョージ(ラッセル)は突然パワーを失った。フロントロー、あるいはそれ以上のポテンシャルはあったはずだ」

    「その後はトラックの“楽しい”部分でレースをする羽目になったが、あの位置では何もできなかった」

    「ブレーキングで5.5秒も遅いと、まったく別のトラックにいるような感覚になる。違うブレーキングポイントで、ジョージもクルマを止めるのが難しくなって直進してしまった。あれはフラストレーションの表れだろう。何か違うことをしようとした。でもドライブスルーは覚悟していたし、10秒ペナルティで済めばと思っていた。結局、結果は変わらなかった」

    ヴォルフはさらに、戦略判断についても誤りはなかったと主張し、モナコ特有のフォーマット変更の必要性にも言及した。

    「今朝は戦略についてかなり面白い議論をした。『早めにピットに入って、追い上げればいい』と私が言ったんだ。DTMではうまくいった戦略だった。最後尾から勝ったこともある」

    「でも、我々の戦略チームの賢い人たちは、モナコではそれが通用しないと示してくれた。実際、早めにピットに入った他の車を見ても、それで状況は変わらなかったよ」

  • ジョージ・ラッセル F1モナコGPの『意図的なショートカット』に厳罰の理由

    ジョージ・ラッセル F1モナコGPの『意図的なショートカット』に厳罰の理由

    FIA(国際自動車連盟)は、F1モナコGPでメルセデスのジョージ・ラッセルがアレクサンダー・アルボンをコース外から追い越した件について、なぜ通常よりも厳しいドライブスルーペナルティを科したのか、その理由を説明した。

    入賞圏内で争っていたラッセルは、前を走るウィリアムズのアルボンのペースの遅さにフラストレーションを募らせていた。アルボンは、前方にいるチームメイトのカルロス・サインツがピットに入るためのギャップを作る目的で、意図的にスローペースで走行していた。

    そして50周目、ラッセルはヌーヴェルシケインでコースをショートカットし、アルボンを追い越した。ラジオでは「アルボンの走りが不安定だったため、接触を避けるためだった」と主張したが、ラッセルはその後もポジションを返さず、「10秒ペナルティを受けた方がマシ」と判断し、自らの判断で前に出たまま走行を続けた。

    しかしスチュワードは、ラッセルのラジオでの発言が「意図的なショートカットである」ことの証拠になると判断し、より重いドライブスルーペナルティを科すことを決定した。

    スチュワードの裁定には以下のように記されている。

    「カーナンバー63(ラッセル)はターン10でコース外に出て、カーナンバー23(アルボン)を追い越した。ポジションを返さず、そのまま走行を続けた。彼が『ペナルティを受ける』と言ったラジオメッセージから、このオーバーテイクが故意であったことは明白であり、23号車の不安定な走行に足止めされていたと感じていたことが分かる」

    「今回のモナコGPでは、こうした事例が発生する可能性を想定し、レースディレクター(スチュワードの要請による)は事前にすべてのチームに対し、ターン10でのコース外追い越しが故意と判断された場合、ガイドラインとなる10秒ペナルティでは不十分と見なされ、より重いペナルティを科す可能性があると通達していた」

    「これらの事情を踏まえ、63号車の故意による違反にはドライブスルーペナルティが妥当であると判断し、これを科した」

    モナコGP F1 ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    なお、ラッセルのチームメイトであるアンドレア・キミ・アントネッリも、52周目に同様の手法でアルボンをコース外から追い越したが、その直前にラッセルにドライブスルーペナルティが科されたことを受け、レースエンジニアの指示によりポジションを返す対応をとった。

    最終的にラッセルは11位でフィニッシュし、アントネッリは終盤の2回目のピットストップにより18位となった。

    2人の週末は、予選でトップ10入りを逃した時点で苦しい展開となっていた。アントネッリはQ1でのクラッシュにより15番手、ラッセルはQ2での電気系トラブルにより14番手だった。

    なお、トラックリミット違反によるアドバンテージ獲得へのペナルティは、昨年のマイアミGPを受けて5秒から10秒に引き上げられていた。マイアミではハースのケビン・マグヌッセンが3度の10秒ペナルティを受けながらもメルセデスのルイス・ハミルトンを抑え込み、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグの入賞に貢献したという経緯がある。

  • ジョージ・ラッセル F1モナコGP予選「バンプに乗ってすべての電源が落ちた」

    ジョージ・ラッセル F1モナコGP予選「バンプに乗ってすべての電源が落ちた」

    ジョージ・ラッセルは、F1モナコGP予選のQ2で突然パワーを失ってマシンが停止した瞬間について、「あの時点で終わりだった」と振り返った。これは、チームメイトのキミ・アントネッリがQ1終盤にクラッシュして赤旗を出した直後の出来事だった。

    F1モナコGPの週末、メルセデスの2台は3回のプラクティスセッションを通じてライバルに対して苦戦し、トップ10の下位に留まることが多く、マクラーレン、レッドブルF1、スクーデリア・フェラーリが上位を争っていた。

    しかしラッセルによれば、予選に入ってからマシンは明らかに改善されていたという。F1モナコGPの予選は、コース幅が極端に狭く、交通量も多いため、シーズンで最もチャレンジングでありながらスリリングなセッションの一つとされている。

    ラッセルはQ3進出を狙えるペースを見せていたが、突如としてトンネル内でマシンがストップ。再始動も試みたものの失敗に終わり、マーシャルに押し出される形でセッションを終え、決勝は14番手スタートとなった。

    「調子が戻ってきたと感じていた」とラッセルは語った。「Q1ではすべてがうまくいった。マシンの感触も最高で、今週末で初めてマシンが生きていると感じた」

    「Q2の序盤、まだ1コーナーしか走っていないのに、マシンは本当にいい感じで、今季ここまでのようにトップ4争いができると思った。だけど坂を上っているときにマシンがバンプに乗って、すべての電源が落ちた。それで終わりだった」

    「明日に向けていい材料とは言えない。今はポジティブに考えるのが難しい。モナコの予選は一年で最も興奮するセッションなのに、それに挑戦するチャンスすら得られなかったことが残念だ」

    「プラクティスから今日にかけて、チームは本当にたくさんの作業をこなしてくれて、それが実を結んでいた。Q1の1周目から、“これはいける”と感じていたのに、すべてが無駄になってしまった」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1 モナコGP

    一方、チームメイトのキミ・アントネッリもF1モナコGP予選で悔しさを味わった。Q2進出は決まっていたが、Q1終盤にバリアへ接触して赤旗の原因となり、それ以降のセッションに出走できなかった。

    ヌーベルシケインへの進入でバリアに接触したことでマシンが損傷し、曲がりきれずにそのまま正面の壁へ衝突。クラッシュにより予選を終えることとなった。

    「本当に余計で代償の大きいミスだったし、こんな形で終えてしまったのは明らかに残念だ。チームに対しても本当に申し訳なく思っているし、今日は完全に自分の責任だ」とアントネッリはコメントした。

    「マシンに慣れていこうとしていて、セッションの中で少しずつ前進していこうとしていた。今週末は他の週末よりも少し苦しんでいたけれど、それでもミスは自分のせいであって、マシンの問題ではない」

  • ジョージ・ラッセル F1モナコGP「ハードタイヤを捨てたチームがいたのは驚き」

    ジョージ・ラッセル F1モナコGP「ハードタイヤを捨てたチームがいたのは驚き」

    ジョージ・ラッセルは、今週末のF1モナコGPで導入される新ルールを前に、ライバルチームの走行プランに疑問を呈した。

    F1史上初めて、モナコGPにおいて“2回のピットストップ義務”が課されることになった。初日の金曜日、各チームは配布されたハードタイヤ2セットのうち、すでに複数のチームが使用を開始していた。

    しかしメルセデス陣営はその判断に驚きを示しており、ラッセルはSky F1に次のように語っている。

    「モナコはいつも緊張感がある。トラック自体がF1マシン20台にとっては小さすぎるんだ。角田(裕毅)が言っていたように、今日は“トラフィック天国”だったし、実際その通りだった」

    「でも、ここを走るのはいつも素晴らしい体験だよ。ただ、今日は僕らはあまり速くなかった」

    「通常なら土曜日が勝負どころだけど、今週末は2ストップ義務があるから、展開がどうなるか興味深い」

    「すでにハードタイヤを使い切ったチームもあって、正直それは僕らにはちょっと驚きだった」

    「そういうチームは、僕らが想定していたのとは違うプランを考えているということ。どうなるか注視しているところだ」

    ジョージ・ラッセル モナコGP F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    「日曜に何が起きるか、まだまだわからない」
    ラッセルはFP2を12番手で終え、トップタイムのシャルル・ルクレール(フェラーリ)からはコンマ7秒差だった。

    現時点でパフォーマンス面で劣勢ではあるものの、ラッセルは週末の展開次第では巻き返しのチャンスもあると前向きだ。

    「今日の純粋な速さという意味では、今年最も苦しい金曜日だったかもしれない」

    「去年もモナコでは遅かったけど、それでもポールポジションから1コンマ(0.1秒)しか離れてなかった」

    「だから、まだすべてが決まったわけじゃないし、日曜がどうなるか楽しみにしている」

    「仮に明日、トップ5やトップ3に入れなかったとしても、今年のような新ルールがあるから、日曜にはチャンスがあると思っている。希望はまだ捨てていないよ」

  • アントネッリ F1エミリア・ロマーニャGP「ファンの熱気に呑まれた」

    アントネッリ F1エミリア・ロマーニャGP「ファンの熱気に呑まれた」

    メルセデスF1の18歳ルーキー、キミ・アントネッリは、母国イタリアで迎えたF1エミリア・ロマーニャGPを「キャリア最悪の週末」と振り返り、周囲の過熱した盛り上がりに自らが飲まれてしまったと率直に認めた。

    地元ボローニャから列車でわずか30分のイモラに凱旋したアントネッリは、クラスメート全員をサーキットに招待し、チームに100皿のラザニアを差し入れるなど話題を集めたが、その舞台裏では緊張感とプレッシャーに苛まれていたという。

    しかしその舞台裏で、彼のメンターであるメルセデスF1代表トト・ヴォルフの姿はなかった。ヴォルフはロサンゼルスで長男の卒業式に出席しており、今回のGPでは初めて現場との無線やデータ通信すら完全に遮断された状態だった。

    ヴォルフは事前に独紙『Bild』の取材にこう語っていた。

    「これが初めて完全に現場と遮断されるレースになる。キミにとってこのグランプリはとても重要なものになるだろう。イタリア・メディアからのプレッシャーも相当なはずだ。だからこそ、『自分にとって良くないものはすべて排除しろ』と伝えたんだ」

    しかし現実には、アントネッリは今季ここまでで最も苦戦。最終的にはマシントラブルによりリタイアとなったものの、本人もその内容に納得していない。

    「自分のドライビングにもっと取り組む必要がある」とチェッカーフラッグ後に振り返った。

    「どこを改善できるかを見極めないといけないし、特に暑いコンディションでのレースペースを上げる必要がある。自分にとって最悪の週末だったと思う」

    そして彼は、自身にとって初めての“ホームレース”を取り巻いた雰囲気が、冷静さを欠く原因になったと率直に語った。

    「ファンの熱気にうまく対応できなかった。リラックスできていなかったし、走っている間も緊張していた。でも今回の経験で、次の母国レースまでに学びを得られたと思う」

    「もっと自分のための時間を取るべきだった。いろんなところでエネルギーを無駄にしてしまって、それがパフォーマンスにも影響した」

    アンドレア・キミ・アントネッリ F1 エミリア・ロマーニャGP メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ヴォルフの不在中、現場でチームをまとめたのは広報責任者のブラッドリー・ロードで、彼は独『Sky Deutschland』に対し、「イモラはチームにとって痛い後退だった」と語った。

    さらに、1997年F1ワールドチャンピオンのジャック・ヴィルヌーヴは、メルセデスとアントネッリに対して厳しい言葉を投げかけた。『Sky』のインタビューで皮肉交じりにこう述べた。

    「可愛い話だよね、友達を連れてきたなんて。でもここは職場なんだ。職場に友達や家族を連れてくるもんじゃない」

    またヴィルヌーヴは、メルセデスの育成責任者グウェン・ラグリューが、イモラGPを巡る“サイドイベント”について「あまり快く思っていなかった」との情報も伝えた。

    一方、現地イモラにはモトGPのレジェンド、バレンティーノ・ロッシの姿もあった。アントネッリとは過去にカートでも親交があるロッシは、母国レースで苦戦した後輩に対し『Sky Italia』を通じてエールを送った。

    「彼にとって、イモラでの初めての週末は本当に厳しいものだったと思う。でもそれがイタリアで走るということなんだ」

    「経験を積んでいけば、そのうち人付き合いも断れるようになるさ」

  • アントネッリ 初のF1母国GPでリタイア「声援には感謝、でも悔しさは残る」

    アントネッリ 初のF1母国GPでリタイア「声援には感謝、でも悔しさは残る」

    アンドレア・キミ・アントネッリは、F1キャリア初の母国グランプリとなったエミリア・ロマーニャGPで、ファンの前で力強い走りを見せたものの、スロットルの不具合により無念のリタイアを喫した。地元イタリア・イモラでの週末は特別な意味を持っていたが、最後まで走り切ることは叶わなかった。

    「今日は本当に残念な終わり方になった。どんなレースでもDNF(リタイア)は悔しいけど、それが母国GPだと余計に辛い」とレース後に語ったアントネッリは、「でもファンの応援には心から感謝している。どんなときも声援を送り続けてくれて、それだけで特別な週末になった」と観客への感謝の気持ちを口にした。

    ハードタイヤでスタートを切ったアントネッリは、序盤からルイス・ハミルトンの攻勢をしのぐなど粘り強いディフェンスを披露。バーチャルセーフティカーのタイミングを利用してミディアムタイヤに交換し、1ストップ戦略でポイント圏内を目指していた。しかし、レース後半にかけてマシンにトラブルが発生。スロットルの反応が悪化し、加速が効かなくなっていく中で周回を続けていたが、45周目に力尽きてストップ。F1デビュー後初のリタイアを喫した。

    「スタートは良かったし、最初のスティントもいいペースで走れていた。でもVSC後からストレートでパワーが出なくなってきて、毎周悪化していった。最終的には走れなくなってしまった」と語る表情には悔しさがにじんだ。

    アンドレア・キミ・アントネッリ エミリア・ロマーニャGP F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    「今季で最も困難な週末」メルセデスも認める厳しい現実
    メルセデスのチーム代表代行ブラッドリー・ロードは、「今回のグランプリは、我々にとって今季最も厳しいものだった」と総括。アントネッリのトラブルについては「スロットル系の不具合が進行し、最終的には安全のためマシンを止めざるを得なかった。F1で初めてのリタイアになってしまったが、キミの冷静な対応と走りは称賛に値する」と述べた。

    加えて、技術責任者アンドリュー・ショブリンは、「スロットルペダルの応答が徐々に悪化し、最終的に電子制御システムが出力を遮断した。問題自体は複雑なものではないが、より深刻なのはマシン全体のパフォーマンス」と警鐘を鳴らす。

    「高い気温の中でリアタイヤのオーバーヒートが深刻化し、グリップも持続性も欠いた。我々はこれからも暑いコンディション下で戦っていく必要がある。今後に向けた明確な改善が求められる」

    次戦モナコでの巻き返しを誓う
    アンドレア・キミ・アントネッリにとって、母国でのレースは忘れがたい記憶となった。結果は不本意だったが、その経験とファンからの大きな声援は今後の糧となる。

    「この週末のことはずっと覚えていると思う。イタリアのファンの前で走れたことは一生の思い出だ。次のモナコでは、気持ちを切り替えて攻めの姿勢で挑みたい」

    F1キャリアはまだ始まったばかり。次戦モナコGPで、再びそのポテンシャルを示せるか――アントネッリの挑戦は続く。

  • ジョージ・ラッセル F1エミリア・ロマーニャGP「ここ数年で最悪の1日だった」

    ジョージ・ラッセル F1エミリア・ロマーニャGP「ここ数年で最悪の1日だった」

    メルセデスのジョージ・ラッセルは、F1エミリア・ロマーニャGPを「壊滅的だった」と振り返り、「チームとしてここ数年で最悪の日だった」と厳しく総括した。

    ラッセルはイモラの決勝で3番グリッドからスタートし、スタート直後にはフロントローのマックス・フェルスタッペンと並ぶ場面もあった。

    しかしその先にはポールスタートのオスカー・ピアストリがイン側ラインをしっかりとキープしていたため、ラッセルはタンブレロ・シケインへの進入でスペースを失い、序盤の数コーナーでは3番手を守る形となった。

    「スタートはうまく決まって、オスカーが少しでもマックスの前に入ってくれればチャンスがあったんだけど、そうはならなかった。それからはもう下り坂だった」とラッセルは語り、最終的には7位でフィニッシュ。

    「本当に悲惨な1日だった。まったくペースがなかったし、チェッカーフラッグが見えて正直ホッとした」

    ラッセルは序盤こそ3番手を走行していたが、後方のランド・ノリスを抑え込もうとした結果、ミディアムタイヤの摩耗が急速に進行。最終的にはヴィルヌーヴ・シケインでノリスにポジションを明け渡すことになった。

    メルセデスはその後すぐにラッセルをピットに呼び戻し、ハードタイヤに交換する戦略を選択したが、大多数のドライバーがピットストップを遅らせたことで、ラッセルは中団に埋もれる結果となった。

    ジョージ・ラッセル メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1 エミリア・ロマーニャGPラッセルはノリスを一時的にリードしたが、マクラーレンのドライバーを後ろに留めることはできなかった。

    さらに、レース中盤にエステバン・オコンのマシンがストップしたことで導入されたバーチャル・セーフティカーを活用したドライバーたちに対し、アンダーカットを許す形になってしまった。終盤に導入されたセーフティカーで若干の挽回のチャンスは得たものの、最終順位は7位にとどまり、今季初めてトップ5を逃す結果となった。

    「今日は厳しくなるとはわかっていた。気温が高いとき、うちは常に遅いし、今日はまさにその通りだった」とラッセル。

    「今のところ答えは見つからない。ペースの面では、ここ数年で最もひどい日だったかもしれない。根本的な見直しが必要だ」

    メルセデスのチームメイト、キミ・アントネッリは母国レースでさらに厳しい展開を強いられた。序盤はポイント圏内を走行していたものの、スロットル系のトラブルでペースを失い、最終的にはマシンを止めてリタイア。これがレース終盤のセーフティカー導入の要因となった。

    「正直、期待していたんだけど、数周走ったところでスロットルに問題が出て、その後完全に反応しなくなった」とアントネッリ。

    「残念だけど、こういうこともある。ただ、レース全体を見ればペース自体は悪くなかったと思う」

  • ジョージ・ラッセル F1エミリア・ロマーニャGP「ミディアムアタックは計画通り」

    ジョージ・ラッセル F1エミリア・ロマーニャGP「ミディアムアタックは計画通り」

    F1エミリア・ロマーニャGPの予選で、ジョージ・ラッセルがミディアムタイヤを使った大胆な戦略を成功させ、3番手グリッドを獲得した。メルセデスはこの戦略を事前に決定しており、ラッセル自身も「価値のあるリスクだった」と自信を見せた。

    「今日は攻めた戦略を選んだ。ミディアムタイヤが速いかもしれないと考えていたけど、実際に良い選択になった」と語る。

    「もちろん、明日に向けては小さな妥協にはなるけど、トップ3に戻れたことは価値があった。予選でのパフォーマンスにはとても満足している。オスカーにここまで迫れたのは驚きだった。今のマクラーレンは非常に強力だからね」

    Q3の最終ラップでは、トラフィックによりタイミングギリギリでスタートする厳しい状況だったが、それでも結果を残した。

    「本当にタイトな状況だった。最終コーナーに差しかかったときには1速でラップをスタートするところで、カルロス(サインツ)にもかなり近かった。ストレートでコンマ1秒を失ったけど、それでもP3には満足している。今日これ以上の結果は望めなかったと思う。明日はしっかり表彰台を狙っていきたい」

    このラップに使用したミディアムタイヤは、レース戦略上も重要な役割を果たす可能性があるが、チームはそれを織り込み済みだったという。

    「この決断はセッション前からの計画だった。昨日も今日もミディアムタイヤの感触が良かった。もちろんリスクはあった。万が一パンクやフラットスポットがあれば、C6のソフトをレースで使わなければならない可能性がある。でも、僕たちは全てをかけたし、それだけの価値があった」

    ジョージ・ラッセル F1 エミリア・ロマーニャGP メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    また、今週末の全体的なパフォーマンスについては「正直、かなりチャレンジングな週末だった」と述べた。

    「今日の予選でここまで接近できたのは驚きだった。マックスも言っていたけど、今回のタイヤは非常に扱いが難しかった。Q2ではサインツが最速を記録したのに、Q3ではペースが落ちた。タイヤの“スイートスポット”を見つけると大きくタイムが変わる。僕のQ3の2周はどちらもかなり良くて、この週末の中で約0.4秒も速くなった。明日はオスカーとのバトルになるだろうけど、ランドを抑えるためにも全力を尽くす」

    Q&Aセッションの終盤には、予選中に起きた角田裕毅の大クラッシュについての質問も飛んだ。

    「彼が無事で本当によかった。あれほどのクラッシュは、F1マシンの安全性がいかに優れているかを改めて証明するものだった。ただ、僕たちは一度ヘルメットをかぶってバイザーを下ろしたら、もう覚悟を決めて臨むしかない。そういうものだ」

    リスクを取りながらも堅実な結果を残したラッセル。メルセデスにとっては、今季ここまでの苦戦を払拭する一歩となる、戦略的に光る予選だった。

  • アントネッリが同級生をF1に招待 ヴィルヌーヴ「職場に友達は不要」と苦言

    アントネッリが同級生をF1に招待 ヴィルヌーヴ「職場に友達は不要」と苦言

    アンドレア・キミ・アントネッリは、地元イタリアで開催されているF1エミリア・ロマーニャGPを前に、高校の同級生25人と教師2人を招待した。その行動に対し、1997年F1ワールドチャンピオンのジャック・ヴィルヌーヴが「職場に友達は不要」と苦言を呈している。

    F1グリッド最年少の18歳アントネッリは、今も高校に通いながらF1デビューシーズンを戦っており、ボローニャ出身の彼にとってイモラでの一戦はまさにホームレースだ。木曜の記者会見で、彼は同級生たちを招待した理由をこう語った。

    「うん、僕が企画したんだ。メルセデスの何人かの人にも協力してもらって、高校のためにこういう機会を作ることができた。みんなにこの世界を実際に自分の目で見てもらえるのって、すごくいいことだと思ってる」

    「レースはテレビで見てても、その裏で何が起きてるのかまでは知らなかったからね。こういう経験ってなかなかできないし、楽しんでもらえたら嬉しいな」

    「いくつかアクティビティも用意してあって、このあとクルマを見せたり、ちょっと説明したりするつもり。そんなに細かいことまでは話さないけどね」

    「僕、普段あんまり家にいないから、友だちともなかなか会えないんだ。だからこういうちょっとしたことでも、つながりを保つのにすごく大事だと思ってる」

    しかしこの行動に対し、ヴィルヌーヴは金曜のフリー走行後に否定的な意見を述べた。

    「かわいらしい話ではあるけど、ここは彼の“オフィス”なんだ。そんなことをすべきじゃない。レースに集中すべきだ」とコメント。

    「メルセデスの関係者から聞いたんだけど、この件についてはあまり喜んでいなかったらしい。レースへの集中力が削がれたと感じていたそうだ」

    「家族や友達が大勢いるときも同じだ。彼らは夕食に誘ってきたりする。でも、ここはオフィスなんだ。余計なものを持ち込むべきじゃない」

    「昨日はその影響が出ていたように見えた。今日の方が良くなっていたけど、確かに影響はあった」

    そして最後にこう付け加えた。

    「忘れないでほしい。ここは自分のオフィスなんだ。仕事場に友達や家族を連れて行くものじゃない」

  • キミ・アントネッリ F1エミリア・ロマーニャGP「シングルラップに課題」

    キミ・アントネッリ F1エミリア・ロマーニャGP「シングルラップに課題」

    メルセデスF1のルーキー、キミ・アントネッリは、F1エミリア・ロマーニャGP初日のフリー走行で苦戦を強いられた。母国イタリアでのF1デビューという特別な週末ながら、シングルラップでのパフォーマンスが伸びず、FP1は13番手、FP2では18番手に終わった。

    アントネッリは、ソフトタイヤ(C6コンパウンド)でのアタック中に複数のミスを犯したと認めており、路面のグリップ不足がタイヤの発動を妨げたと振り返る。一方で、ロングランではマシンのバランスに手応えがあり、予選・決勝に向けて必要な作業は明確だと語った。

    「今日はシングルラップをうまくまとめるのが難しかった。自分のミスもあったし、低グリップのコンディションではC6コンパウンドを機能させるのが簡単じゃなかった。でもロングランではクルマのバランスがよくて、その点ではポジティブな感触を得られた。今日の2セッションを終えて、明日と日曜に向けて何をすべきかが分かったよ」とアントネッリはコメント。

    「イモラでのレースは本当に特別な意味がある。FP1の最初のラップでグランドスタンドやフェンス沿いのたくさんのファンが目に入って、すごく感動した。応援がエネルギーになったし、ヘルメットのバイザーを下ろせば気持ちが切り替わる。現地に来てくれた皆さん、本当にありがとう。明日以降も全力を尽くすよ」と続けた。

    一方、チームメイトのジョージ・ラッセルは好調を維持。FP1・FP2ともに4番手を記録し、マクラーレン勢に次ぐ存在として上位争いに加わっている。

    「イモラを走れるのは素晴らしい気分だよ。このサーキットは僕のお気に入りのひとつだし、ドライバー全員が走るのを楽しみにしているコースのひとつでもある。低速・中速・高速がミックスされた構成で、幅も狭くてミスが許されない。だからこそ、最高のラップを出すには集中力が求められる」とラッセルは語った。

    「今日の2セッションはどちらも接戦だったし、意外なチームも速さを見せていた。マクラーレンが先頭で基準を作っていたのは予想どおりで、明日の予選でも彼らが最有力だろう。僕たちはそこに食い込むのが目標。今夜の作業で改善点を見つけて、トップとの差を少しでも縮めて、いい土曜にしたい」と意欲を見せた。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1 エミリア・ロマーニャGP

    メルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクター、アンドリュー・ショヴリンも、今回のアップデートに手応えを感じつつ、アントネッリの今後に期待を寄せている。

    「今週末は今季初めての大きな空力アップデートを持ち込んでいるが、それが期待どおりに機能しているのは心強い。これによって、週末のパフォーマンスを築いていくためのしっかりとした土台ができた。また、今季初めてC6コンパウンドを使用しているため、通常とは異なるプログラムになっている」とショヴリンは説明した。

    「FP1では、他の多くのチームと同様に、ソフトタイヤを2セット使って単独走行に注力した。ジョージはいつもどおりの堅実な走りで、金曜としては想定どおりの位置にいる。一方でキミには、シングルラップでのパフォーマンスにもう少し伸びしろがあるが、今季の彼は毎回、夜の分析で着実に修正してきた。今回も明日はもっと前進できると思っている」と評価を加えた。

    「彼のロングランは非常に良好で、C6の扱いが難しい中でも安定していた。これは日曜のレースに向けて明るい材料だ。今日のようにフィールドが拮抗している状況では、100分の1秒の差が大きな違いになる。今夜の作業でそこを突き詰めて、明日の最終プラクティスに臨みたい」と締めくくった。