カテゴリー: メルセデスF1

  • 「F1よりローマの方が危険」タクシー運転手がヴォルフの冗談に本気の反撃

    「F1よりローマの方が危険」タクシー運転手がヴォルフの冗談に本気の反撃

    メルセデスF1チーム代表のトト・ヴォルフが、スペインGPでのマックス・フェルスタッペンのジョージ・ラッセルへの強引なオーバーテイクについて語った際に放った一言が、イタリアのタクシー業界を巻き込む騒動へと発展している。

    ヴォルフはSky Italiaに対し、「あれはローマやナポリの一部のタクシー運転手みたいだったね。交通の中で狂ったように突っ込んでくる」と発言。ランド・ノリスが「あれはマリオカートみたいだった」と評したプレーを、さらに“イタリア流”に揶揄した形だ。

    これに対し、イタリアのタクシー運転手たちは黙っていなかった。ローマのタクシー協会「Cooperativa Radiotaxi 3570」の会長ロレーノ・ビッタレッリは、「我々はF1ドライバーよりも優れている。ローマの市街地交通では、彼らは1時間も持たない」と語り、反撃の姿勢を鮮明にした。

    伊紙コリエーレ・デッラ・セラの取材に応じたビッタレッリはこう続ける。「我々が運転するのは工事現場、バイク、電動スクーター、観光バスがひしめく“ジャングル”だ。F1サーキットよりずっと過酷だよ」

    冗談交じりの発言かと思いきや、ビッタレッリは「誤ったステレオタイプには注意してもらいたい」と真剣な口調で訴えた。

    「我々は事故を起こしたくないんだよ。事故を起こせば、その日の仕事が全部パーになるからね」

    ローマの交通労働者連盟「Filt-Cgil」も同調。代表のニコラ・ディ・ジャコッベは「我々はローマではメルセデスと同じくらい遅く走ってるよ」と皮肉を込めつつ、「この街の交通状況は壊滅的だ。2キロ進むのに30分かかる」と実情を語った。

    F1界の比喩が、まさかの“市街地グランプリ”での論戦に火をつけた形となった。

  • バルテリ・ボッタス 2026年もメルセデスF1残留か シミュレーター準備で示唆

    バルテリ・ボッタス 2026年もメルセデスF1残留か シミュレーター準備で示唆

    バルテリ・ボッタスが、2026年シーズンもメルセデスF1チームに関わる可能性を強く示唆した。

    現在35歳のフィンランド人ドライバーは、昨年末にザウバーのレースシートを失い、2025年シーズンからメルセデスF1チームのフルタイムリザーブドライバーとしてチームに復帰している。

    ルイス・ハミルトンのチームメイトとしてメルセデスで通算10勝を挙げた経験を持つボッタスは、2026年からF1に参戦する新チーム「キャデラック」との関係も取り沙汰されていた。

    しかし、ボッタスは新たに、来週イギリス・ブラックリーのメルセデス本拠地で2026年シーズンに向けたシミュレーター作業を行う予定であることを明かした。2026年はF1がパワーユニットおよびシャシーにおいて大幅なレギュレーション変更を迎える重要な年だ。

    バルテリ・ボッタス メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    もしボッタスがまだキャデラックのシートを狙っているのであれば、メルセデスが2026年の開発情報への早期アクセスを彼に与えるとは考えにくい。特に、メルセデスは2026年のパワーユニット分野で優位に立つと予想されている中で、情報流出は避けたいはずだ。

    「本当は2週間前にやる予定だったんだけど」とボッタスはバルセロナでスペインメディア『Soy Motor』に語った。「でも、そのときはシミュレーターが動かなかったんだ」

    「来週にシミュレーターデーがある。おそらく、2026年に向けた最初の作業になると思うし、2025年と何がどう違うのかを理解することになるだろう」と明かした。

  • F1スペインGP フェルスタッペンとラッセルの接触劇に両チーム代表が見解

    F1スペインGP フェルスタッペンとラッセルの接触劇に両チーム代表が見解

    F1スペインGP終盤に発生したマックス・フェルスタッペンとジョージ・ラッセルの接触について、レッドブルF1代表のクリスチャン・ホーナーとメルセデスF1代表のトト・ヴォルフが、それぞれの見解を明かした。

    キミ・アントネッリのストップによってセーフティカーが導入された後、フェルスタッペンはピットインの際にハードタイヤしか選択できなかったため、ソフトタイヤを履いたライバルたちから激しい攻撃を受けることになった。

    リスタート時、フェルスタッペンは最終コーナーでスライドし、スタート/フィニッシュストレート上でフェラーリのシャルル・ルクレールにホイール同士の接触を交えながら抜かれた。その直後、ラッセルもオーバーテイクを狙った。

    ターン1ではエスケープロードを使ってポジションを守ったフェルスタッペンだったが、その後無線でレースエンジニアから「ラッセルに順位を譲るように」との指示が出され、ターン5で不満を漏らしながらも一時的にその指示に従ったように見えた。

    しかし、その後フェルスタッペンは再び通常のペースに戻り、レースの残り2周でラッセルと接触。ラッセルはレース後のメディア対応で「ぶつけられた」と述べている。

    ホーナーはこう振り返る。

    「リスタートでマックスはスナップ(挙動の乱れ)を起こして、そこにシャルルが並びかけてきた。彼(ルクレール)が左に寄せたように見えた。

    「そこにジョージがターン1でチャンスを狙ってきた。非常にギリギリの状況だった。こういうのは主観的なもので、最近のケースを見ても判断は難しい。FIA、いわば“レフェリー”にガイダンスを求めても、何の返答もなかった」

    「報告はされて審議対象にはなっていたし、明らかにペナルティが科される流れのように見えた。だからこそ、マックスにポジションを戻すよう指示を出した。マックスとしては当然納得がいっていなかった。彼は『スペースがなかった』『ジョージは完全にクルマをコントロールしていなかった』と感じていたからだ」

    「その後エンジニアとのやり取りを経て、ターン5でポジションを譲るという判断に至り、そこでも接触が起きた」

    「マックスとはまだ話せていないが、スチュワードは『接触の原因は彼にある』と判断し、10秒ペナルティとペナルティポイントを科した」

    「非常に悔しい結果だ。あのレースは本来なら楽に表彰台を獲れていたはずだったのに、最終的に獲得できたのは1ポイント(10位)だけだ」

    スペイングランプリ F1 マックス・フェルスタッペン VS ジョージ・ラッセル

    一方、ラッセルが4位でフィニッシュしたメルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、レース後の囲み取材で次のように述べた。

    「今初めて聞いたんだけど、マックスには『ラッセルに譲れ』という指示が出ていたらしいね。知らなかった。我々としては、マックスのクルマに問題があったのかと思っていた。ターン4の後、加速が明らかに鈍かったからね」

    「もしあれが“ロードレイジ”(怒りのドライビング)だったとすれば、信じがたい。とはいえ、あれだけ目立つ行動を故意にするとは思えないけど。彼は何を狙っていたのか? ラッセルに譲ってすぐに抜き返す“DRSゲーム”のような意図があったのか? よくわからない」

    「正直、理解できない。でもまだマックスの主張を聞いていないから、断定は避けたい。『あれは怒りからの行動だ』とはまだ言うつもりはない。理由がわかるまではね。とはいえ、あの接触は気分のいいものではなかった」

    さらにフェルスタッペンのレーススタイルについて尋ねられると、ヴォルフはこう続けた。

    「モータースポーツに限らず、あらゆるスポーツで“偉大な者”には共通点がある。“世界が自分に敵対している”と思い込みながらも、極限のパフォーマンスを出せる者たちだ」

    「ただし、時には『敵対しているのは世界じゃない、自分自身が間違えたのだ』と認めることも必要だ。そうした“気づき”があるべきなんだ」

    「マックスにはここ数年、そうした瞬間はなかった。2021年の出来事は別として、今回のような行動がどこから来たのか、正直わからない」

  • ジョージ・ラッセル F1スペインGP予選「4番手には満足も課題はレースペース」

    ジョージ・ラッセル F1スペインGP予選「4番手には満足も課題はレースペース」

    ジョージ・ラッセルは、F1スペインGP予選でトップ5に返り咲いたものの、メルセデスの近況に対する不満を隠さなかった。

    ラッセルはこれまで、全戦で5位以内に入るという安定した成績を続けていたが、イモラでは7位に後退し、モナコではマシントラブルによりQ2敗退。決勝でもポイント圏外に沈むなど、流れは悪かった。

    今季ここまでメルセデスはコンスタントに上位勢と戦い、コンストラクターズランキング2位につけているが、今回の3連戦のうちスペインGPまでの2戦ではわずか6ポイントの獲得にとどまり、特にソフトタイヤでのパフォーマンスに苦しんでいた。

    だが、スペインでは一転、ラッセルが4番手、キミ・アントネッリが6番手に入り、復調の兆しを見せた。ラッセルは、今回のハード寄りのタイヤ選択が重要なカギになっていると述べている。

    ラッセルは次のように語った。

    「マックスやランドとの差は僅かだったけど、ポール争いには届かなかった。モナコを除けば、毎戦予選ではトップ5に入っているし、それが今のマシンの土台だと思っている。今の目標はレースペースの改善だ」

    「今週末は思い切ったセットアップ変更をしていて、予選ペースには悪影響が出ていないのはポジティブだ。これがレースペースにも良い効果をもたらすかは、まだわからない」

    「去年もここは4番手スタートだったから、悪くないポジションだよ。最近はレースで苦戦しているけど、バーレーンでは今回と似たような状況で(C1~C3の)2ストップ戦略が機能して2位に入れた。逆にC4~C6の2ストップでは苦戦してきた。今回のコンパウンド構成だけが、今のところの救いだね」

    スペインGP F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツスペインGPで今季自己最高の予選結果となる6番手を記録したキミ・アントネッリ

    一方のアントネッリも、イタリアGPでのリタイア、モナコ予選クラッシュと続いた苦戦から一転、スペインでは予選6番手を獲得。セッション序盤にはラッセルからトウの提案があり、その後はラッセルが自身にトウを求めるというチーム内協力もあった。

    アントネッリはこう振り返る。

    「予選の序盤はリズムをつかむのに苦労した。その影響でQ3には新品タイヤが1セットしか残らず、あまり理想的ではなかった。中古と新品では結構な差があったからね」

    「全体としては、まずまず満足できるパフォーマンスだった。まだタイムを削れそうな部分はあったけど、明日はレースペースが重要になる」

    「レースは最も暑い時間帯に行われるから、デグラデーション(タイヤの熱劣化)は大きな課題になると思う。簡単な展開にはならないだろうけど、長いスティントのデータはしっかり取れているし、準備はできている。他チームもかなり速いから、どうなるか見てみよう。ベストを尽くすつもりだ」

  • ジョージ・ラッセル F1スペインGP初日「ロングランが課題」

    ジョージ・ラッセル F1スペインGP初日「ロングランが課題」

    ジョージ・ラッセルはF1スペインGP金曜プラクティスを2番手で終え、メルセデスにとってまずまずの一日となったことに安堵を示しながらも、決勝に向けたロングランペースについては依然として課題があると認めた。

    前戦モナコGPで苦戦を強いられたメルセデス勢は、バルセロナ=カタルーニャ・サーキットでのFP1ではソフトタイヤを使用せず、ラッセルは11番手、チームメイトのキミ・アントネッリは18番手と控えめなポジションにとどまった。

    しかし、FP2では状況が一変。ラッセルは一時トップタイムを記録し、最終的にはマクラーレンのオスカー・ピアストリに抜かれたものの、2番手をキープ。アントネッリも6番手に順位を上げた。

    ラッセルは一日の走行を振り返り、「予選シミュレーションではまずまずだったので、ここ最近の難しいレースを経てクルマの本来の位置に戻ってこれた気がする。ただし、ロングランペースはあまり良くなくて、それが最近の課題でもある。改善しようと取り組んでいるが、まだ十分ではない」とコメント。

    「データを見直して、ライバルと比較しながら分析する必要がある。正直、ロングランペースには少し不安がある」と認めた。

    土曜の予選に向けてロングランの改善が重要か問われると、27歳のラッセルは前向きな姿勢を見せた。

    「いい感触を持っているし、このサーキットを走るのが楽しい。今日は走っていて気持ちよかった。暑かったけどね。明日以降どうなるか、楽しみにしているよ」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1 スペイングランプリ

    一方、アントネッリにとっては完全に順調な日とはならなかった。イタリア人ルーキーはW16の跳ね(バウンシング)に悩まされ、ターン9のバンプで一瞬ヒヤリとする場面もあった。

    「フロアの状態をチェックする必要があるけど、特に高速域でかなりバウンシングがあった。いつもより強く感じたので、何かがフロアに影響を及ぼしていないか確認しないといけない」と語った。

    「シングルラップの段階から高速コーナーでのバウンシングに苦しんでいた。でもFP2ではマシンのフィーリングがかなり良くなって、自信を持って走れるようになった。特にシングルラップではリズムが掴めたと思う」

    「ロングランでは、ジョージとは少し違うアプローチをとっていて、序盤は自分の方がかなり速かったけど終盤には逆に遅れてしまった。そのバランスを今夜しっかり確認して、日曜日に向けた最適なセッティングを見つけたい」

    ラッセルとの差を詰め、マクラーレンに挑むことができるかと問われたアントネッリは自信をにじませた。

    「それが目標だ。チームと一緒に正しい方向に進んでいるし、自分自身がどこを改善すべきかも見えてきた。明日がまた新しい1日だから、ベストを尽くして臨みたい」

  • F1モナコGP後にロブスター奢ったアルボン ラッセルは「まだ足りない」

    F1モナコGP後にロブスター奢ったアルボン ラッセルは「まだ足りない」

    ジョージ・ラッセルは、モナコGPの週末にアレックス・アルボンと一緒に夕食を取った際、メニューで最も高価な料理を注文したかもしれないが、メルセデスのドライバーは「レース中におばあちゃんみたいなチンタラ運転をしていた」と冗談めかして語り、それでもその料理では腹いせにならなかったと語った。

    予選で電気系のトラブルに見舞われ14番手に終わったラッセルは、レース前から「週末はもう台無しになった」と述べていたが、実際にその通りの展開となった。

    決勝ではチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリとともに、ウィリアムズのアルボンとカルロス・サインツの後ろで動けずにいた。

    今回モナコで初めて導入された「2回の義務ピットストップ」ルールにより、サインツとアルボンは互いに後続とのギャップを作るために意図的にペースを落とし、ピットイン後にラッセルとアントネッリの前でコースに戻れるようにしていた。

    この戦略に業を煮やしたラッセルは、ヌーヴェルシケインでわざと直進してアルボンを追い越すという手段に出た。その結果、彼にはドライブスルーペナルティが科された。

    2人は私生活では友人同士であり、レース後のモナコでの夕食ではアルボンが勘定を持つ形で和解した。その席では、ラッセルがその申し出を最大限に活用したことが明かされている。

    アルボンは夕食について問われ、次のように答えた。

    「最高だったよ。彼はメニューの中で一番高いものを頼んでた。本当に。ロブスターパスタだった。デザートはスキップしてたから、ある意味では釣り合いが取れてたけどね。楽しい夜だったよ」

    「もちろん僕が払った。払うつもりだったし、それが当然だと思った。だってレースは本当に最悪だったから。レースの話はほとんどしなかったね」

    ジョージ・ラッセル アレクサンダー・アルボン

    一方でラッセルは、日曜の夕食代ではまだアルボンの“借り”は返しきれていないと冗談交じりに語り、シケインをカットしてペナルティを受けた背景についても説明した。

    「高価とはいえなかったね。あれじゃ全然チャラにはならないよ」

    「正直なところ、50周もウィリアムズのリアウイングを見続けるのにうんざりしてたんだ。皮肉なのは、あの動きをしたおかげで最終的に順位が上がったこと。あれをせずにただアルボンの後ろにい続けていたら、あそこまで順位は上がらなかった。3周でピットストップ1回分の差を稼げて、自分のレースができるようになった」

    「でも僕たちにとっては、週末は早い段階で終わってた。何も争っていなかったし、11位でも20位でもポイントは同じゼロだ。それならせめてモナコを楽しみたかった。土曜日にはそれができなかったからね」

    「せめて最後の25周は楽しめた。これは“反逆者ジョージ・ラッセル”の一環じゃないし、コースカットを正当化したいわけでもない。ただ単に、アレックスがおばあちゃんみたいなチンタラ運転をしてるのを見続けるのに飽きただけなんだ」

  • ラッセルとの契約停滞の背景に?メルセデスF1に“フェルスタッペン待ち”説

    ラッセルとの契約停滞の背景に?メルセデスF1に“フェルスタッペン待ち”説

    2025年シーズン、メルセデスF1で安定した結果を出し続けているジョージ・ラッセル。ランキングではマックス・フェルスタッペンとマクラーレン勢に次ぐ4位につけ、チーム内で最も高いパフォーマンスを発揮しているにもかかわらず、いまだ契約延長には至っていない。

    こうした交渉停滞を巡り、関係者の間では“フェルスタッペン待ち”ではないかという憶測が広がっている。

    チーム代表のトト・ヴォルフは、モナコGPの週末にその見方を否定。「そんなに長くはならない」と断言した。

    「ジョージと私は、これがどう進むかについて完全に理解し合っているし、100%同じ方向を向いている。この件を引き延ばすなんてことは絶対にしない。我々のやり方ではないからね」

    だが一方で、ヴォルフが過去にも似た対応をとったことを思い出す者も少なくない。昨年、ルイス・ハミルトンの後任としてキミ・アントネッリと契約したのは9月のモンツァ。今回も“保留”の理由が別のトップドライバーの動向にあるのではと見る声があるのだ。

    オランダのレーシングパーソナリティ、トム・コロネルは、ラッセルの新契約は近くまとまると予想する。ただしそのタイミングは、フェルスタッペンが契約に含まれる特定の解除条項を行使できる時期と一致すると指摘。

    「関係者は皆、状況を見守っている」とコロネルはViaplayで語る。

    「マックスはすでにトト・ヴォルフと話をしている。我々もそれは知っている。選択肢を広げておいて、最終的にマックスが選ぶ時が来る。その時期はモナコGPの後になるだろう」

    今のところすべては推測の域を出ない。しかし、ラッセルの契約が進まないこと、そしてヴォルフの慎重な姿勢が、フェルスタッペンの将来と無関係とは言い切れない。

  • キミ・アントネッリ F1モナコGP決勝「最後は楽しかった でも悔しさが残る週末」

    キミ・アントネッリ F1モナコGP決勝「最後は楽しかった でも悔しさが残る週末」

    メルセデスのルーキー、キミ・アントネッリは、F1モナコGPで今季最も悔しい週末のひとつを経験した後、立て直しを誓ってモンテカルロを後にした。シルバーアローズはこの週末、無得点に終わった。

    イタリア人ドライバーであるアントネッリは、予選中にタイム短縮を狙ってアタックしていた際にウォールに接触し、競技続行が不可能に。これにより予選Q1での脱落が確定し、決勝は15番グリッドからのスタートとなった。

    一方、チームメイトのジョージ・ラッセルも技術的トラブルに見舞われ、14番手に沈むなど、メルセデスは不本意な形で2台とも後方グリッドからのスタートを強いられた。そこでチームは、モナコGPで新たに導入された2回の義務ピットストップ規則を考慮し、代替戦略を選択。レース終盤のセーフティカーや赤旗に賭け、できるだけ引っ張ってからピットインする作戦を採用した。

    しかしその好機は訪れず、アントネッリはタイヤ交換を最後まで引っ張った数少ないドライバーのひとりとなり、コース上の最下位に転落した。

    「正直言って、かなりリラックスしたレースだった」と18歳のアントネッリは前向きに語った。「アクションがあったのは1周目だけだったし、その後はすぐに“引っ張る”作戦に入ったんだ」

    「チームが求めることをやって、少なくとも1台をポイント圏に入れることを目指していた。残念ながらうまくいかなかったけど、あれ以上自分にできることはなかったと思う。とにかくチームのために最善を尽くすことに徹した」

    「少なくとも最後の5周くらいはプッシュできて楽しかった。モナコで後方からスタートすれば、ポジションを上げるのは難しいと分かっているけど、そもそもそういう位置にいるべきじゃなかった。昨日のミスがすごく痛かったし、二度と同じ過ちは繰り返さないつもりだ」

    アンドレア・キミ・アントネッリ モナコGP F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツアントネッリはマイアミGP以来ポイントを獲得できていない

    レーシングブルズやウィリアムズと同様、アントネッリもチームの戦略に協力し、後続を抑える“盾役”として機能。これによりラッセルは、タイムロスを最小限に抑えつつ2回のピットストップを完了し、11位でチェッカーを受けた。

    ポイント獲得には至らなかったが、アントネッリはこの週末から得た学びにフォーカスしており、それを今後の糧にしたいと語った。

    「難しい週末だった」とアントネッリは振り返る。「特にセットアップの選択に関して、学ぶことが多かったと思う。どう振る舞えばいいのか、チームにどんなフィードバックを返すべきかについても、理解が深まった」

    「週末を通して、一度はある方向に進んだんだけど、最終的には元の方向に戻っていった感じだった。だから、個人的には将来に向けて良い学びになったと思う。レース中のフラストレーションのコントロールという面でも意味のある経験だった」

  • ジョージ・ラッセル F1モナコGPで故意のコーナーカット「やらなくても詰んでた」

    ジョージ・ラッセル F1モナコGPで故意のコーナーカット「やらなくても詰んでた」

    ジョージ・ラッセルは、F1モナコGPでアレクサンダー・アルボンを追い越すために意図的にコーナーをカットしたことについて、後悔はしていない。

    ラッセルは数周にわたりアルボンの後方に詰まり続けていた。アルボンはウィリアムズのチームメイトであるカルロス・サインツを助けるためにペースを落としていた。

    モナコ市街地でのオーバーテイクがほぼ不可能な状況で、ラッセルは自らの手で打開策を講じた。

    彼はヌーヴェルシケインを意図的にショートカットし、アルボンを追い越した。

    この動きによってラッセルはクリーンエアを得て、アルボンに対してピットストップ1回分のギャップを築くことができた。

    しかし、ラッセルには通常の10秒ペナルティより重いドライブスルーペナルティが科された。

    レース後、Sky Sportsのインタビューでラッセルは、アルボンの後ろに詰まっていた時に「どうでもいいや」と思った理由を語った。

    「これがモナコだよ。そういうゲームなんだ」とラッセルは語った。

    「朝の時点でキミ(アントネッリ)と僕の間で戦略を立てていたけど、ウィリアムズやVisa Cash Appが同じことをやってくるとは思ってなかった。結局、モナコでまともなポイントを取るには、そうするしかなかったんだ。

    やってもやらなくても詰んでた。ある時点で『もうどうでもいい』って気持ちになった。ポイント圏外だったし、どのみち何にもならなかったから、ただモナコを走るのを楽しみたかった。昨日のトラブルで全てを失って、予選を戦う機会すらなかったんだから。

    モナコで全開で25周も走れたし、皮肉なことにドライブスルーを受けたとしても、そのまま走っていた場合よりも良い順位で終わったと思う。あのままだったらアルボンの後ろで詰まって、角田(裕毅)やヒュルケンベルグの後ろでピットしてたはずだから。正直、このシステムにはちょっと問題があるよね」

    ジョージ・ラッセル モナコGP F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    FIAの見解
    FIAは、このペナルティが通常より厳しいものになった理由として、ラッセルのオーバーテイクが「故意」であったことを挙げている。

    ラッセルはレースを11位でフィニッシュし、あと一歩でポイント圏に届かなかった。

    スチュワードの裁定にはこう記されている。

    「63号車はターン10でコースを外れ、23号車を追い越した。その後も順位を戻さずに走行を続けた」

    「無線のやり取りからも分かる通り、彼は『ペナルティを受ける』と言っており、自らが23号車の“異常な走行”に妨害されていると感じ、意図的に追い越しを行ったことは明白だった」

    「このような事態を想定し、スチュワードの要請でレースディレクターは全チームに対して、今回のモナコGPではターン10での故意のコース逸脱による追い越しに関して厳しく判断すること、また、通常の10秒ペナルティでは不十分と見なす可能性があることを事前に通知していた」

    「そのため、63号車の故意による違反はドライブスルーペナルティに値すると判断し、その処分を科した」

  • ラッセル F1モナコGPで“壁”になったアルボンに「夕食の会計は彼持ち」

    ラッセル F1モナコGPで“壁”になったアルボンに「夕食の会計は彼持ち」

    ジョージ・ラッセルは、モナコでのフラストレーションの多い週末を経て、「もっとできたはずだった」と複雑な思いを抱えた。予選では早々に敗退し、決勝ではウィリアムズ勢のカルロス・サインツとアレクサンダー・アルボンの後ろで身動きが取れないままレースを過ごすこととなった。

    予選Q2ではマシンが電力を失ってストップし、ラッセルはここで敗退。同僚のアンドレア・キミ・アントネッリもQ1でクラッシュしており、メルセデスにとって厳しい展開だった。

    14番手と15番手からスタートしたラッセルとアントネッリは、今大会から導入された「義務的2回ピットストップルール」を活かし、入賞圏内を狙っていたが、サインツとアルボンの“壁”によってその戦略は阻まれた。

    序盤はサインツの後ろに、後半はアルボンの背後に張り付くかたちとなり、ラッセルは次第にフラストレーションを募らせる。ついにはヌーヴェルシケインでショートカットしてアルボンを追い越し、そのポジションを戻すことを拒否した。

    スチュワードは、コース外走行によって得たアドバンテージを返さなかったとして、ラッセルにドライブスルーペナルティを科した。ラッセルは無線で「ペナルティを受けた方がマシだ」と語っていたが、最終的に彼は11位でフィニッシュし、ポイントには届かなかった。

    ラッセルは「今までで一番フラストレーションの溜まった周回だったか」と問われると、こう答えた。

    「そうだね。でもそうなるってことは最初から分かっていたよ。僕たちもキミと一緒にそれを計画していたんだ。僕がピットに入って、キミが後続を抑え、その後ポジションを交代して僕が同じことをやるってね」

    「でもそれをやったのはレーシングブルズとウィリアムズだった。1周目にピットに入ってもポイント圏外、引っ張ってもポイント圏外。ある時点で『もうどうでもいいや』って思ったんだ。モナコを楽しみたかったし、予選ではそのチャンスがなかったからね」

    「だから25周にわたって、まるで予選のようなアタックラップを連続で走れたのは少なくとも楽しかったよ。皮肉だけど、あのドライブスルーペナルティを受けたことで、受けなかった場合よりも順位が上がったんだ。システムに欠陥があるってことだよね」

    ジョージ・ラッセル モナコGP F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ペナルティを受けるのが最初からチームの計画だったのか問われると、こう続けた。

    「それが計画だったわけじゃないよ。計画はあくまでオーバーテイクを狙うことだった。チームは木曜日にこう言ってたんだ。前のクルマとの差が3秒未満なら、追い抜きの可能性は0%、4.5秒あれば50%って。

    「カルロスとアレックスは頭がいいから、守りやすいポジションにクルマを置いていた。特にアレックスは、ブレーキングの仕方がちょっと危険だった時もあった。あのシケインをカットするつもりはなかったし、そんな計画でもなかったけど、77周もずっと誰かのリアウイングの後ろで走るのは嫌だったし、自分自身を危険にさらすことにもなる。直線でブレーキ踏まれたり、チームプレイの犠牲になるのも避けたかった」

    モナコに住むF1ドライバーも多い中、ラッセルは最後に笑顔を見せてこう締めくくった。

    「今夜はアレックスと夕食を一緒にする予定なんだ。だから彼にお会計をお願いするつもりだよ」