カテゴリー: メルセデスF1

  • メルセデス会長 フェルスタッペンとの交渉決裂「信念を売ることになる」

    メルセデス会長 フェルスタッペンとの交渉決裂「信念を売ることになる」

    2027年シーズンのドライバーラインアップをジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリで固めたメルセデスF1。その裏では、マックス・フェルスタッペンとの交渉が進められていたものの、最終的には契約条件を巡る考え方の違いが決裂の要因となったようだ。

    イタリア人ジャーナリストのフランコ・ヌニェスは、メルセデス会長オラ・ケレニウスが「信念を売ることになる(sell his soul)」と感じたことが、交渉打ち切りにつながったと明かしている。

    フェルスタッペンは大幅減俸も受け入れる姿勢
    Motorsport ITのYouTubeチャンネルでフランコ・ヌニェスは、フェルスタッペンがオラ・ケレニウス会長と直接交渉を行っていたと報告した。

    メルセデスはF1チームの株式を3分の1保有しており、ジム・ラトクリフが同じく3分の1を所有。残る28.3%をチーム代表のトト・ヴォルフが保有している。

    ヌニェスによると、フェルスタッペンはレッドブルで受け取っている年間約8000万ユーロ(約145億円)から、約5000万ユーロ(約91億円)まで大幅な減俸を受け入れる用意があったという。

    これまでメルセデスの給与体系ではフェルスタッペンの高額年俸が障害になると報じられていたが、本人は移籍実現のために条件面で譲歩する姿勢を示していたとされる。

    3年契約を巡る考え方の違いが決定打
    しかし、交渉は契約期間を巡って行き詰まった。

    フェルスタッペンは3年契約を希望していた一方、ケレニウス会長の任期は残り約2年。そのため、自身の任期を超える長期契約を結ぶことは「信念を売ることになる」と考えたという。

    こうした原則的な判断から交渉は決裂し、ヴォルフ代表はチームの安定性を優先。ジョージ・ラッセルとアントネッリのコンビを2027年も継続する決断を下したと報じられている。

    ラッセル自身も最近、「来季も100%メルセデスのドライバーだ」と語っており、契約延長への自信を示している。

    移籍先候補はマクラーレンのみとの見方
    メルセデスとの交渉が実現しなかったことで、フェルスタッペンの移籍先候補はさらに限られることになった。

    フェラーリは2027年も現行ラインアップを維持する見通しであり、仮にレッドブルを離れるとしても、有力候補はマクラーレンくらいしか残されていない。

    しかし、マクラーレンもランド・ノリスとオスカー・ピアストリが長期契約下にあるとみられており、ヌニェスは「フェルスタッペンのマクラーレン移籍を語る人は幻を見ているようなものだ」と否定的な見方を示した。

    今回の報道が事実であれば、メルセデスはフェルスタッペン獲得という大きなチャンスよりも、組織としての原則と長期的な安定を優先したことになる。一方で、フェルスタッペンの将来については依然として不透明な部分も多く、今後の動向に引き続き注目が集まりそうだ。

  • メルセデス会長に社内外から圧力 フェルスタッペン獲得反対派に逆風

    メルセデス会長に社内外から圧力 フェルスタッペン獲得反対派に逆風

    メルセデスF1によるマックス・フェルスタッペン獲得の可能性を巡り、親会社メルセデス・ベンツの会長オラ・ケレニウスが社内外から強い圧力を受けていると報じられた。

    チーム代表のトト・ヴォルフは近年フェルスタッペン獲得への関心を公言してきたが、最近ではその可能性を否定する姿勢を見せており、ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリの現ラインアップを維持する意向を示している。

    その背景には、フェルスタッペン獲得に慎重な姿勢を取るケレニウス会長の意向もあるとみられている。

    ケレニウス会長に高まる社内の不満
    ドイツメディア『F1 Insider』のラルフ・バッハによると、ケレニウス会長はアントネッリを「理想的な社員」の模範として社内で紹介するほど高く評価しているという。

    メルセデスは19歳のアントネッリを将来のスター候補と位置付けており、チームメイトのキャリアに大きな影響を与えてきたフェルスタッペンを迎え入れれば、その成長を妨げる可能性があると考えているようだ。

    また、フェルスタッペンとの契約には数年に及ぶ総額1億ドル規模ともされる大型契約が必要になる可能性があり、任期を2年残すケレニウス会長は、そのような長期的なコミットメントにも慎重な姿勢を示していると報じられている。

    しかし、バッハによれば現在のケレニウス会長は社内外から大きなプレッシャーを受けているという。

    「メルセデスは今、別の問題を抱えている」とバッハは語った。

    「ケレニウスは従業員から非常に強い圧力を受けている。3週間前にはメルセデス博物館や工場の前で抗議活動まで行われた」

    さらに在宅勤務制度の見直しなど会社運営を巡る方針にも反発が広がっているとされる。

    「一貫性がない。今度は在宅勤務も廃止して全員を出社させようとしている。何の計画があるのか誰にも見えていない。従業員だけでなく監査役会もそれに気付き始めており、彼は大きなプレッシャーを受けている」

    F1より本業優先を求める声も
    バッハは、ケレニウス会長がイギリスGPを訪問した際の行動についても批判的に言及した。

    「本来の業務よりもシルバーストンへ行くことを優先している。そして現地ではプレッシャーが大きすぎたため、予定されていたSkyのインタビューもキャンセルしたと聞いている」

    また、アントネッリへの評価は依然として非常に高いという。

    「彼はアントネッリの熱烈な支持者だ。従業員向けのメルセデスの動画でも、理想的な社員の例としてアントネッリを取り上げている。彼がいる限り、フェルスタッペンに居場所はない」

    経営トップ交代ならF1戦略も変化する可能性
    メルセデス・ベンツはメルセデスF1チームの株式の3分の1を保有しており、親会社トップの交代はF1チームの意思決定にも影響を与える可能性がある。

    仮にケレニウス会長の立場が変化すれば、フェルスタッペン獲得に対する障壁の一つが取り除かれる可能性もある。一方で、チーム首脳陣はアントネッリを中心とした長期的なプロジェクトを高く評価しており、経営体制が変わったとしても方針が直ちに転換するとは限らない。

    なお、週末にはレッドブルがフェルスタッペンに対し、2029年までの契約延長を提示したとの報道も浮上している。ただし、その条件として、今季終了後にも行使可能とされる成績条項による離脱オプションを放棄する必要があると伝えられている。

    メルセデスを巡る経営環境の変化は、フェルスタッペンの将来にも少なからず影響を及ぼす可能性があり、今後の動向が注目される。

  • メルセデスF1 マクラーレン躍進の要因分析「アップデートだけではない」

    メルセデスF1 マクラーレン躍進の要因分析「アップデートだけではない」

    マクラーレンがF1第11戦ハンガリーGPで今季初優勝を飾ったことについて、メルセデスF1はアップデートの効果を認めつつも、「それだけでは説明できない」と分析した。

    マクラーレンはブダペストで大規模なアップデートを投入。ランド・ノリスがポールポジションを獲得すると、そのまま決勝も制して今季初優勝を挙げた。これは2026年シーズンにおけるメルセデス勢以外では3勝目となる。

    アップデートだけでは説明できない
    メルセデスF1の副テクニカルディレクターを務めるシモーネ・レスタは、『Nu Silver Arrows Radio Show』で、マクラーレンの進歩にはアップデートが大きく貢献したと認めながらも、それだけが要因ではないとの見方を示した。

    「アップデートパッケージは間違いなく重要なものだったし、彼らのパフォーマンス向上に貢献したはずだ」

    「ただ、2台のタイム差を見ると、アップデートだけでは説明できない部分が明らかにある」

    レスタは、今季のマクラーレンはドライバーごとにパフォーマンスの波が見られることにも言及し、今回のハンガリーGPではノリスが特に高いレベルの走りを見せたと分析した。

    「今年のマクラーレンは非常に高い競争力を発揮してきたが、2人のドライバーのパフォーマンスバランスはレースごとに変化している」

    「ランドが今季何度も素晴らしい走りを見せてきたことも分かっている」

    「ブダペストは、彼がマシンやセットアップ、そしてタイヤマネジメントと特にうまく噛み合った週末だったのかもしれない」

    「おそらくアップデートとドライバーのパフォーマンス、その両方が組み合わさった結果だったのだと思う」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    メルセデスはドライバーラインアップにも自信
    ここ数戦でメルセデスの優位性はやや縮まりつつあるものの、チームは依然としてドライバーズ、コンストラクターズの両ランキングで首位を維持している。

    レスタは、ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリという強力なドライバーラインアップが、タイトル争いにおける大きな武器になっていると強調した。

    「私たちも非常に強力なドライバーラインアップに恵まれている。ジョージもキミも驚くほど速く、2人とも今季ポールポジションを獲得し、優勝も果たしている」

    「それぞれ異なる週末、異なる状況でチームに素晴らしいパフォーマンスをもたらしてくれた。それは私たちにとって非常に大きな強みだ」

    「2人が互いに競い合うことでチーム全体のレベルも引き上げられ、最終的にはより良い結果につながっている」

    マクラーレンのアップデートによって勢力図に変化の兆しが見え始めた一方で、メルセデスは依然としてチャンピオンシップの主導権を握っている。残るシーズンでは、両チームの開発競争とドライバーのパフォーマンスがタイトル争いの行方を左右する重要な要素となりそうだ。

  • ジョージ・ラッセルのアウディF1移籍をシュタイナー予想「新たな機会を探している」

    ジョージ・ラッセルのアウディF1移籍をシュタイナー予想「新たな機会を探している」

    メルセデスF1のジョージ・ラッセルが、2028年にアウディF1へ移籍する可能性がある――。そんな見方を示したのは、元ハースF1代表のギュンター・シュタイナーだ。

    アンドレア・キミ・アントネッリの急成長によってメルセデス内の勢力図が変わるなか、ラッセルは長期的な将来を見据えて新たな選択肢を探しているのではないかと分析した。

    シュタイナー「ラッセルは新たな機会を探している」
    シュタイナーは『The Red Flags Podcast』で、アウディF1には2028年に向けて多くのドライバーが関心を寄せていると語った。

    「2028年にアウディへ行きたいと考えているドライバーはたくさんいる。来年のラインアップはほぼ固まっているが、2028年には可能性があるかもしれない」

    アウディF1のプロジェクトについても、高く評価している。

    「彼らは順調に前進しているように見えるし、計画どおり進んでいるようだ。候補者はかなり多いだろう。カルロス(・サインツJr.)は間違いなくその一人だ」

    そして、ラッセルについて次のような見方を示した。

    「ジョージも今は周囲を見渡していると思う。キミと組むことになった今、彼は一生キミと同じチームで過ごしたいとは思っていないはずだ。そこにいれば、自分の立ち位置がずっと決まってしまうことも分かっている。だから新たな機会を探しているんだ」

    アントネッリの台頭が将来に影響?
    2026年シーズン前半、アントネッリは中国GPや日本GPでの勝利を含む快進撃を見せ、史上最年少でドライバーズランキング首位に立った。夏休み前の時点で219ポイントを獲得し、169ポイントのルイス・ハミルトン、160ポイントのラッセルを上回っている。

    ラッセルも安定したパフォーマンスを見せているが、チーム内ではアントネッリの存在感が急速に高まっている。さらに、マックス・フェルスタッペン獲得の噂もたびたび浮上しており、メルセデスでの将来的な立場を巡る憶測は絶えない。

    アウディ F1

    アウディF1で中心人物となる可能性
    シュタイナーの見立てでは、アウディF1はラッセルにとって魅力的な新天地となり得る。

    アウディは2026年からザウバーを完全買収し、マッティア・ビノットの下でワークス体制を構築。2022年から独自パワーユニットの開発も進めており、長期的なプロジェクトへの期待は大きい。

    メルセデスではアントネッリとの競争が続く一方、アウディF1へ移籍すれば、ワークスチームの中心ドライバーとして新たな時代を築く役割を担える可能性がある。

    もちろん、これは現時点ではシュタイナー個人の見解に過ぎず、ラッセルの移籍を裏付ける事実はない。それでも、2028年に向けたドライバー市場を考えるうえで、興味深いシナリオの一つとして注目を集めそうだ。

  • フラビオ・ブリアトーレ メルセデスF1エンジンを絶賛「チーム全体の雰囲気が一変」

    フラビオ・ブリアトーレ メルセデスF1エンジンを絶賛「チーム全体の雰囲気が一変」

    アルピーヌF1のエグゼクティブアドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレは、2026年からメルセデス製パワーユニット(PU)へ切り替えたことで、チーム全体の雰囲気が「完全に変わった」と語った。

    2025年までワークス体制だったルノーPUでは性能不足に苦しみ、チーム内でも将来への不安が広がっていたという。

    しかし、メルセデスPUの採用によって開発の方向性が明確になり、スタッフの意識にも大きな変化が生まれたと明かしている。

    メルセデスPUでチームの雰囲気が一変
    2025年のアルピーヌは、ピエール・ガスリーが22ポイントを獲得した一方、フランコ・コラピントは無得点に終わり、コンストラクターズランキング最下位に沈んだ。

    当時はルノー製PUがライバルより約20馬力劣るとされ、マシン全体の競争力を大きく制限していた。

    しかし2026年はメルセデスPUへ切り替えたことで状況は一変。アルピーヌはコンストラクターズランキング5位につけ、表彰台も獲得するなど復調を見せている。

    ブリアトーレは『The Race』のインタビューで、現在のチーム状況について次のように語った。

    「満足しているかと聞かれれば、もちろん完全に満足することはない。トト(ヴォルフ)だって、常にもっと良く、もっと良くと求め続けている」

    現在のアルピーヌを10点満点で評価すると「6.5点」とした上で、その理由を説明した。

    「前に進めば進むほど難しくなる。でも、メルセデスとは素晴らしい関係を築いている」

    「今はメルセデスのパワーユニットを使っていて、それがチーム全体の雰囲気を完全に変えた。少なくともチームの一部分については、最高のものを手にしていると分かっている。ギアボックスもメルセデス製だ」

    「だから今、我々のスタッフはノーズからドライバーまで、つまりシャシー側の改善に集中できている。後ろ側についてはメルセデスのエンジンとギアボックスがあるので心配していない」

    アルピーヌF1チーム

    「ルノーへの信頼を失っていた」
    ブリアトーレは、ルノー時代の組織運営にも厳しい評価を下した。

    「工場では多くの優秀な人材を失った。ある時期には、チームとして進むべき明確な方向性がなかったからだ」

    さらに、その背景についても率直に語っている。

    「強いマネジメントが存在せず、人々はルノーに対する信頼を失っていた。ルノーという会社は本当に特殊なんだ。何をやっても『ルノーはF1に本気ではない』と報じられてしまう」

    ブリアトーレは、2005年と2006年にフェルナンド・アロンソとともにワールドチャンピオンを獲得した当時を振り返り、ルノーが成功を収めても周囲の見方は変わらなかったと明かした。

    「フェルナンドとタイトルを獲った後、カルロス・ゴーンと一緒に記者会見を開いたことがあった。その時、ある記者は『チームの財政状況について教えてほしい』と質問してきた」

    「我々はワールドチャンピオンだった。それなのに、記者たちはルノーに疑念を抱かせるような話ばかり探していたんだ」

    メルセデスPUへの変更は単なるパフォーマンス向上だけではなく、組織全体の士気や開発体制にも大きな好影響をもたらしたようだ。現在のアルピーヌは、信頼できるパワーユニットを得たことで、シャシー開発へリソースを集中できる環境を手にしており、さらなる上位進出を目指している。

  • メルセデスF1代表 アントネッリ成長で「フェルスタッペン獲得はもう急務ではない」

    メルセデスF1代表 アントネッリ成長で「フェルスタッペン獲得はもう急務ではない」

    トト・ヴォルフは、アンドレア・キミ・アントネッリの急成長によって、メルセデスF1が2027年にマックス・フェルスタッペンを獲得する必要性は以前ほど高くなくなったとの見解を示した。

    ヴォルフは、将来的にフェルスタッペンとアントネッリをコンビにする可能性を完全には否定していないものの、現時点では若きイタリア人ドライバーの成長がチームの長期計画において大きな意味を持っていると強調している。

    フェルスタッペン獲得は「もはや急務ではない」
    ベルギー紙『La Derniere Heure』の取材に応じたトト・ヴォルフは、F1界の基準であり続けるフェルスタッペンを高く評価しながらも、メルセデスの状況は以前とは変わったと語った。

    「常に最高のドライバーをマシンに乗せようとするものだ」

    「マックスは今でもドライバーの基準となる存在だ。しかし、彼ほどのドライバーを獲得しなければならないという切迫感は、もはや以前ほどではないかもしれない」

    ヴォルフは、その理由としてアントネッリの台頭を挙げるとともに、チームは短期的ではなく長期的な視点で将来を見据えていると説明した。

    「我々は3年後、5年後、あるいは10年後に誰がトップに立っているのかを考えなければならない」

    「だからこそ、10歳ほどの子どもたちがカートで競う段階から育成する若手プログラムを構築している」

    アントネッリを絶賛「F1のために育てられてきた」
    今季6勝を挙げてランキング首位に立つアントネッリについて、ヴォルフは精神面の成熟ぶりを特に高く評価した。

    「シーズンを通して浮き沈みをどう管理しているかが印象的だ」

    「彼は走っている間は完全に自分の世界に入っている。そしてピットへ戻ると感情を表に出さず、すべてを分析して前へ進んでいく」

    「彼は感情的なイタリア人ドライバーという固定観念とは正反対だ。F1のために育てられてきた存在なんだ」

    ヴォルフによれば、アントネッリの育成は8歳の頃から始まっていたという。

    「トップドライバーでは、パフォーマンスの90%は生まれ持った才能によるものだ。残りの10%が努力だ」

    「キミのF1への準備は8歳のときに始まった。そして、その頃から彼は特別な存在だった」

    さらに、若手ながら精神的な強さも兼ね備えていると称賛した。

    「時には挫折や悪いレースもあるが、それを切り替えて前へ進んでいく」

    「誰もここまでやるとは思っていなかった。チームメイトでさえそうだった」

    マックス・フェルスタッペン

    アップデート不足を認めるメルセデス
    一方で、ハンガリーGPではメルセデスの競争力低下も浮き彫りとなった。アントネッリは予選4番手に終わり、ジョージ・ラッセルはエンジントラブルに見舞われた。

    アントネッリは、ライバル勢の開発が進んでいる一方で、メルセデスは大型アップデートを投入できていないことが影響していると説明した。

    「最近はトップチームが次々とアップデートを投入しているけど、僕たちはダウンフォース面で大きなアップデートをしばらく投入していない」

    「これは予想していたことだ。他のチームはいくつかアップデートを投入してきたけど、僕たちはそれを待っている状態だ。ここまでは間違いなく厳しい週末になっている」

    今季のアントネッリは速さだけでなく精神的な成熟も高く評価されており、ヴォルフの発言は、メルセデスが将来のエース候補として強い信頼を寄せていることを改めて示す内容となった。一方で、開発競争ではライバル勢に後れを取っており、今後予定されるアップデートがタイトル争いの行方を左右する重要な要素となりそうだ。

  • FIA黄旗ルールに波紋 アントネッリのペナルティでF1ドライバーも意見割れる

    FIA黄旗ルールに波紋 アントネッリのペナルティでF1ドライバーも意見割れる

    F1ハンガリーGP予選でアンドレア・キミ・アントネッリに科されたグリッド降格ペナルティをきっかけに、黄旗区間で「どこまで減速すれば十分なのか」というFIAの運用基準を巡る議論が再び活発化している。

    元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソンは、現在のルールについて「ドライバーの間でも意見が一致していない」と明かし、今後も論争が続く可能性を示唆した。

    アントネッリの減速は「十分ではなかった」
    アントネッリはハンガリーGP予選Q3終盤、マックス・フェルスタッペンがスピンして黄旗が提示された区間を通過した際、十分に減速しなかったとして3グリッド降格処分を受けた。

    この裁定により、4番手タイムを記録していたアントネッリは降格となった。

    このケースは、数週間前のオーストリアGP予選でチームメイトのジョージ・ラッセルが似た状況で処分を免れた事例とも比較されている。

    オーストリアではフェルスタッペンがターン9でスピンした際、ラッセルは黄旗区間でアクセルを緩め、スチュワードは十分に減速したと判断してポールポジションを認めた。一方、アントネッリはその周回自体を中止していた。

    PlanetF1.comのデータ分析によれば、ラッセルは自己ベストと比較して約0.08秒タイムを失ったのに対し、アントネッリは約0.6秒遅くなっていたという。

    それでも今回のハンガリーでは、アントネッリの減速は十分ではないと判断された。

    「15メートル早くアクセルを戻した」
    メルセデスのポッドキャスト『Silver Arrows Radio Show』で、元F1ドライバーのアンソニー・デビッドソンは当時の状況を振り返った。

    「映像を見返したとき、どちらの判断になるか本当に分からなかった。非常に際どいケースだった」

    「キミは黄旗を確認すると通常より早くアクセルを戻し、コーナー進入も早い段階で減速に移っていた」

    これに対し、副チーム代表のブラッドリー・ロードは次のように説明した。

    「通常より約15メートル手前でアクセルを戻し、そのまま惰性でコーナーへ進入していた。しかしスチュワードは、その減速では規則を満たしていないと判断した」

    「オーストリアでは周回を完全に諦めていたが、今回は減速量が十分ではないと結論づけられた」

    比較対象となった基準ラップにも問題
    メルセデスの副テクニカルディレクターを務めるシモーネ・レスタは、今回の判定には別の要因もあったと説明する。

    「比較対象となった基準ラップ自体が理想的なラップではなかった。その区間ではキミ本来の速さを示すラップではなく、それが状況を複雑にした」

    「減速していても、比較対象が本来より遅いセクターだったため、十分なタイムロスとして認識されなかった」

    さらにアントネッリ自身も、FP3の燃料を多く積んだ状態のラップと比較しても、減速しながらなお速いタイムだったと指摘していたという。

    「さまざまな条件が重なった結果だった。キミは確かに反応したが、比較基準との関係で必要な減速量には達していないと判断された」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    明文化されない「十分な減速」が議論に
    現在のFIA規則では、黄旗区間で具体的に何km/h減速すればよいかは明文化されていない。

    スチュワードが各ケースごとに「十分に減速したかどうか」を判断する仕組みとなっており、この裁量の大きさが議論を呼んでいる。

    そのため、一部では黄旗ではなく常にダブルイエローを提示すべきだとの意見も出ているが、この案についても意見は割れている。

    デビッドソンは、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の理事を務めるラッセルとの会話を紹介しながら次のように語った。

    「オーストリアの後にジョージとも話したが、予選中の黄旗運用についてパドック内でもまだ意見はまとまっていない」

    「マシンがコース上で停止したら常にダブルイエローにすべきだというドライバーもいる。それなら全員が何をすべきか明確になる」

    「一方で、自分とは関係ない場所で起きたインシデントのせいでラップを犠牲にするのは不公平だと考えるドライバーもいる」

    「ドライバー同士でも正しい運用について共通認識はできていない」

    メルセデス「一貫性を保つのは簡単ではない」
    2人のドライバーで異なる裁定を経験したロードは、レースコントロールとスチュワードの難しい立場にも理解を示した。

    「レースコントロールやスチュワードの立場は非常に難しい。すべてのインシデントは状況が異なり、コーナー速度やランオフエリア、発生した文脈も毎回違う」

    「我々も時には判断に不満を感じ、時には納得することもある。一貫性を維持するのは簡単ではない。まったく同じケースは存在しないからだ」

    アントネッリは決勝で3位表彰台を獲得し、ランキング首位を維持したものの、今回の一件はFIAの黄旗運用と裁定基準を巡る議論を再び浮き彫りにする結果となった。

  • マックス・フェルスタッペン トト・ヴォルフ夫妻との休暇が話題

    マックス・フェルスタッペン トト・ヴォルフ夫妻との休暇が話題

    マックス・フェルスタッペンを巡る移籍憶測が再び過熱している。メルセデスF1代表トト・ヴォルフ夫妻との休暇中の様子が撮影されたことに加え、フェルスタッペンのプライベートジェットがレッドブルの本拠地ザルツブルクを訪れていたことも判明し、様々な憶測を呼んでいる。

    ただし、現時点ではメルセデス移籍やレッドブル離脱を裏付ける具体的な証拠はなく、いずれも昨年と同様の「夏休み中の出来事」とみられている。

    サルデーニャ島でヴォルフ夫妻と休暇
    SNSでは今週、フェルスタッペンがパートナーのケリー・ピケとともにイタリア・サルデーニャ島で休暇を楽しむ様子が公開された。

    写真にはメルセデスF1代表のトト・ヴォルフと妻スージー・ヴォルフの姿も写っており、ヴォルフ夫妻がジェットスキーを楽しむ一方で、フェルスタッペンとピケは海で過ごしていた。

    この写真は瞬く間に「メルセデス移籍交渉ではないか」と話題になったが、GPblogによると、今回も昨年と同様に友好的な交流だった可能性が高いという。

    実際、フェルスタッペンのスーパーヨット「Unleash the Lion」とヴォルフのヨットはいずれもサルデーニャ島沖に停泊していたことが確認されている。同地は両者が毎年休暇を過ごすお気に入りの場所として知られている。

    昨年も同じ憶測を否定
    実は両者が夏休みに同じ場所で過ごしたことで移籍説が浮上したのは今回が初めてではない。

    2025年の夏休みにも同様の報道が流れたが、その際も契約や移籍について話し合った事実はないと報じられていた。

    フェルスタッペン自身も昨夏の騒動について、レッドブル残留を明言していたにもかかわらず憶測が広がったことを振り返っている。

    「僕は残留すると明確に言っていた。それでもトトと休暇中に隣同士だったことが、もちろん騒ぎを大きくしてしまった」

    そして、実際の交流について次のように説明している。

    「僕はサルデーニャ島が好きだし、彼も好きなんだ。手を振って、一緒にランチをして、子どもたちも一緒に遊んだ。あそこではF1以外の話ばかりしているよ。トトやスージーとは、いろいろ楽しい会話ができるんだ」

    一方のヴォルフも当時、「休暇先が同じだからといって、一緒にF1で働くことを意味するわけではない。我々は以前から良い関係を築いているだけで、たまたま同じような場所で休暇を過ごしている」と説明し、移籍説を否定していた。

    マックス・フェルスタッペン

    フェルスタッペン機はザルツブルクにも飛行
    一方で、新たな注目を集めたのがフェルスタッペンのプライベートジェットの飛行ルートだ。

    飛行記録によると、火曜日に航空機はニースからサルデーニャ島へ向かい、その後レッドブルの本拠地があるオーストリア・ザルツブルクへ飛行。数時間後には再びニースへ戻っている。

    GPblogは、この際にフェルスタッペンが家族とともにサルデーニャ島で降機し、その後マネージャーのレイモンド・フェルミューレンだけがザルツブルクへ向かった可能性があると伝えている。

    もっとも、この行程について公式な確認はなく、実際に誰が搭乗していたのかも明らかになっていない。

    なお、フェルスタッペン機がザルツブルクを訪れたのは今回が初めてではない。今年6月にも同地へ飛行しており、その際にはフェルミューレンとレッドブル首脳陣を交えた会談が行われたとされる。ただし、その会談の内容については現在まで明らかにされていない。

    移籍説を裏付ける材料は依然としてなし
    今回の一連の出来事は、メルセデスF1移籍説とレッドブルとの将来を巡る憶測を再燃させるには十分だった。

    しかし、現時点で確認されている事実は、フェルスタッペンがサルデーニャ島で休暇を過ごし、ヴォルフ夫妻と交流したこと、そしてプライベートジェットがザルツブルクへ飛行したことのみである。

    GPblogも、現段階では契約交渉や移籍協議が行われたことを示す情報はないとしており、今回も夏休み中の偶然の重なりが憶測を呼んだ可能性が高いと伝えている。

  • メルセデスF1 ADUO改良版をモンツァ投入か 信頼性問題で開発方針転換

    メルセデスF1 ADUO改良版をモンツァ投入か 信頼性問題で開発方針転換

    メルセデスF1は、2026年シーズン序盤の好調から一転して深刻化する信頼性問題への対応として、モンツァで開催されるイタリアGPに向けて改良版ADUOパワーユニットを投入する準備を進めていると報じられている。

    当初はADUOの開発を打ち切り、2027年マシンへ資源を集中させる方針だったとされるが、相次ぐトラブルとライバル勢の開発継続を受けて戦略を見直したようだ。

    燃焼室やターボを改良した新仕様を準備
    報道によると、新しいADUOパワーユニットには燃焼室やターボチャージャーに加え、パートナーであるペトロナス製燃料にも改良が施される見込みだ。

    FIAの評価では、レッドブル・フォードが現時点で最も優れた内燃エンジン性能を持つとされる一方、ADUOの合法性や運用方法については依然として議論が続いている。

    マックス・フェルスタッペンも、レッドブル・レーシングがFIAとの協議を継続していることを明かした。

    「エンジンの話が出たけど、僕たちにもADUOが欲しいよ。何とかしてね。でも、それがどうなるかは分からない」

    「夏休みの後に、もう一度状況を見ていく」

    また、フェラーリもモンツァでADUOアップグレードと低ダウンフォース仕様のリアウイングを投入するとみられている。

    予算制限も開発判断に影響
    Sky Deutschlandの解説者で元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、メルセデスはこれ以上アップグレードを先送りできないと指摘した。

    「アップグレードの話になると、トト・ウォルフの発言が興味深かった」

    「彼はすぐに予算上限について考えなければならないと言っていた」

    「7月や8月の段階で本当に資金が厳しいとは信じ難いが、そういう状況なのだろう」

    「ウォルフはフェラーリについても『なぜあれほど開発を続けられるのか理解できない』と話していた。メルセデスは早急にアップグレードを投入する必要がある」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    アントネッリはモンツァでPU交換ペナルティの可能性
    一方で、信頼性の問題は依然として深刻だ。

    ランキング首位のキミ・アントネッリとジョージ・ラッセルは、すでに年間使用上限となる4基目のパワーユニットを使用している。

    ラッセルはハンガリーGP予選後に冷却水漏れが見つかり、パワーユニットを交換。トト・ウォルフ代表は損傷したユニットについて「かなり深刻なダメージを受けており、再使用できない可能性がある」と説明した。

    メルセデスはこれまで使用したユニットを再利用することでペナルティ回避を目指しているものの、ウォルフ代表はモンツァが追加パワーユニット投入の適切なタイミングになる可能性を認めている。

    「キミにとって特別なレースが1つあるが、エンジン交換ペナルティを受けるには良い場所かもしれない」

    「マルコ(アントネッリの父)と話をして、モンツァでペナルティを受けるべきか相談する必要がある。最後尾スタートなら、かえって彼のプレッシャーを軽くできるかもしれない」

    ウォルフ代表は冗談交じりにそう語った一方で、チームの現状については厳しく総括した。

    「事実として、我々の信頼性は単純に十分ではなかった。ペナルティを受け入れるかどうかは、これから判断することになる」

  • メルセデスF1代表 フェラーリのアントネッリ獲得を警戒「全力で来る」

    メルセデスF1代表 フェラーリのアントネッリ獲得を警戒「全力で来る」

    2026年F1ドライバーズ選手権をリードするキミ・アントネッリの活躍を受け、メルセデスF1代表のトト・ウォルフは、フェラーリが将来的にイタリア人エースの獲得へ動く可能性を認めた。

    一方でウォルフは、アントネッリは幼少期からメルセデスが育成してきた才能であり、フェラーリが今になって関心を示しているに過ぎないと強調。また、アントネッリの快進撃の裏側や、ジョージ・ラッセルが直面している不可解なパフォーマンス差についても率直に語った。

    ウォルフ「フェラーリは全力でアントネッリ獲得を狙う」
    ベルギーGP予選でポールポジションを獲得したキミ・アントネッリは、F1タイトル争いをリードするだけでなく、イタリア国内でもトップアスリートの一人として注目を集めている。メルセデス所属でありながら、その活躍はフェラーリにとっても見過ごせない存在となっている。

    RTBFからフェラーリの関心を懸念しているかと問われたウォルフは、次のように答えた。

    「もちろん認識している」

    「でも、キミは11歳の頃からメルセデスのドライバーだ。フェラーリは6〜7年前に動くべきだった。今になって優秀なイタリア人ドライバーがいることに気づいたということだ」

    「もちろん、彼らはイタリア人ドライバーを獲得するために全力を尽くすだろう」

    ウォルフは、トップドライバーの育成には長い時間と継続的な投資が必要だと説明した。

    「若い才能を見極めるには時間がかかる。10歳前後のミニカート時代から始まるんだ」

    「見つけるだけではなく、人間性や技術面、そして人格まで育てていかなければならない」

    「キミ・アントネッリとジョージ・ラッセルという、メルセデス育成の2人を擁していることをとても誇りに思っている」

    想像以上だったアントネッリの成長
    ウォルフは、アントネッリの才能を以前から高く評価していたものの、ここまで早く結果を残すとは予想していなかったことも認めた。

    「私たちは常に彼を信じていた。でも、それが実際にうまくいくかどうかは誰にも分からない」

    「昨年は9戦連続でノーポイントだった。その時は経験不足のドライバーを起用したことを批判され、『間違った判断だ』と言われた」

    「今季ここまで強いとは予想していなかった。でも、彼の才能は以前から分かっていた」

    デビューイヤーの苦戦を経て、今季はタイトル争いをリードするまでに急成長したアントネッリの姿は、メルセデスの育成方針が実を結んだことを示している。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    ラッセルを悩ませる原因不明のストレート速度差
    その一方で、アントネッリの好調はジョージ・ラッセル側のガレージが抱える課題も浮き彫りにしている。

    ラッセルは現在、チームメイトと対等に戦える状況ではないと認めた。

    「シルバーストンでも同じ問題があった。だからハンガリーまでには解決策を見つけられることを期待している」

    ウォルフも、原因はいまだ特定できていないと説明した。

    「新しいレギュレーションが原因だとは思っていない」

    「ジョージはコーナーでも改善すべき点があるが、ストレートだけでもコンマ25秒失っている。その原因を分析しているところだ」

    「エンジンだけが原因なのか、それとも別の要因があるのか。正直なところ、まだ結論には至っていない」

    「パワーユニットは非常に複雑で、どこからこの差が生まれているのかを正確に特定できていない」

    ラッセルも、当初考えられていたドライビングスタイルの問題ではないとの見解を示した。

    「最初はドライビングスタイルやマシンの問題だと思っていた。でも最終的には違うという結論になった」

    「この状況が続けば優勝争いはできない」

    「チームメイトと公平に戦うことが難しい。今は公平な戦いではない。誰かの責任ではなく、そういう状況になっているだけだ。だから解決策を見つけようと取り組んでいる」

    メルセデスは、アントネッリという将来のエースを確保しながらも、ラッセルの原因不明のパフォーマンス低下という課題にも直面している。ハンガリーGPでは、この問題にどこまで改善の兆しを見せられるかが注目される。