カテゴリー: メルセデスF1

  • キミ・アントネッリ 黄旗区間の減速不足で3グリッド降格 F1ハンガリーGP予選

    キミ・アントネッリ 黄旗区間の減速不足で3グリッド降格 F1ハンガリーGP予選

    2026年F1第11戦ハンガリーGPの予選後、メルセデスのキミ・アントネッリに対し、黄旗区間で十分に減速しなかったとして3グリッド降格ペナルティが科された。

    FIAスチュワードは、アントネッリがQ3終盤にマックス・フェルスタッペンのスピンによって提示された黄旗に対し減速を試みたことは認めた一方、その減速は「不十分かつ持続性に欠けていた」と判断。スーパーライセンスにはペナルティポイント1点も加算された。

    黄旗で減速も「十分ではなかった」と判断
    アントネッリはQ3最後のアタック中、最終コーナーでスピンしたマックス・フェルスタッペンの影響により黄旗区間を通過。この件について予選後に審議対象となっていた。

    スチュワードはテレメトリーを精査した結果、アントネッリが黄旗を確認してアクセルを戻したこと自体は認めたものの、その減速はごく短時間にとどまり、事故現場を通過した際の速度は前周よりもわずかに高かったと結論付けた。

    ミニセクターのタイム差は自己ベストより0.03秒遅いだけで、黄旗区間進入時には前周より14km/h遅かった一方、ブレーキングを弱めたことで事故現場通過時には逆に3km/h速かったという。FIA側も、この区間全体の速度低下は1%未満だったと報告している。

    スチュワードは「過去におとがめなしとなった事例とは異なり、同様の条件下で十分な速度差が確認できなかった」と説明し、違反が成立すると判断した。

    通常なら5グリッド降格も情状酌量で3グリッドに軽減
    スチュワードによれば、この違反に対するガイドライン上の標準的な処分は5グリッド降格となる。

    しかし今回は、アントネッリが実際には減速を試みていたこと、さらに黄旗提示から反応までの時間と距離が限られていたことを考慮。その結果、「減速は行われたものの不十分で持続性がなかった」と認定し、処分を3グリッド降格へ軽減した。

    これによりアントネッリは予選4番手から7番グリッドへ降格。オスカー・ピアストリが3番グリッド、フェルスタッペンが4番グリッドへ繰り上がることになった。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    アントネッリ「できる限り減速した」
    予選直後、アントネッリは自身の対応について「黄旗がコーナー進入時に提示されたので、できる限り減速しようとした」と説明していた。

    「オンボードを見れば分かるけど、ターン9では追い風の影響でコンマ1秒ほど失い、最終コーナーでも前の周回でタイヤのグリップを最大限に引き出せなかったことでコンマ15秒ほどロスしていた」

    「黄旗はコーナーへ進入するタイミングで提示された。だからできる限りアクセルを戻した。実際にアクセルは戻したし、最低速度も前よりかなり落とした。それでも残念な結果になってしまった」

    さらにタイムへの影響については、「3番手は間違いなく獲得できたと思う。でもポールポジションまでは届かなかったはずだ。ランド・ノリスにはおそらくコンマ05秒ほど届かなかったと思う」と振り返った。

    今回の裁定により、ドライバーズランキング首位を走るアントネッリは、決勝を7番グリッドからスタートすることになった。

  • メルセデスF1 ハンガリーGP初日苦戦の原因を模索「一発の速さが足りない」

    メルセデスF1 ハンガリーGP初日苦戦の原因を模索「一発の速さが足りない」

    メルセデスF1は2026年F1ハンガリーGP初日のフリー走行で、フェラーリに対して明確な後れを取る結果となった。ジョージ・ラッセルはFP2を5番手で終えたものの、トップのルイス・ハミルトンから約1秒差。ランキング首位のアンドレア・キミ・アントネッリも予選シミュレーションをまとめ切れず13番手に沈んだ。

    今季ここまで全戦でポールポジションを獲得してきたメルセデスF1だが、ハンガロリンクでは一発の速さに苦戦。一方でロングランには手応えを得ており、チームは一晩でのセットアップ改善に期待を寄せている。

    フェラーリ優勢を認めたラッセル「かなり強い」
    ジョージ・ラッセルは、再舗装された路面や強い風の影響で、多くのドライバーが苦戦した一日だったと振り返った。

    「今日はみんなにとって少し奇妙な一日だったと思う」

    「ブダペストは運転していて素晴らしいサーキットだけど、コースの半分が再舗装された。かなりバンピーだし、最終コーナー付近では路面が崩れ始めている場所もあって、かなり独特なフィーリングになっている」

    ラッセルは、予選ペースには満足していない一方で、決勝を見据えたロングランには希望を見いだしている。

    「一発のペースは良くなかった。でもロングランはもっと競争力があった」

    「フェラーリが強そうだという事前の予想は、その通りになった。彼らは本当に、本当に強かった」

    さらに、今週末のハンガロリンクは例年以上にタイヤマネジメントが重要になると説明した。

    「今週末はまったく違う戦いになる。パワーユニットはこの短いコースでも非常に力強く、すべてのコーナー立ち上がりで350kWを使うからリアタイヤへの負荷が非常に大きい」

    「チームとしてやるべきことは多い。現時点ではフェラーリが全員より一歩リードしている」

    「キミも僕もクルマにはまったく満足していなかったし、改善できる余地はある。今日は風も非常に強く、その向きも変わっていくはずだから、それによって状況も大きく変わると思う」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    メルセデスF1の課題は予選一発の速さ
    副代表のブラッドリー・ロードは、最大の課題は低燃料時のパフォーマンスだと分析した。

    「問題はグリップ不足と、一発のバランス不足だ」

    「両ドライバーともフロントの反応を少し抑えて、このコースで理想となる穏やかなアンダーステアのバランスを探る必要があった」

    「ただ、その挙動はかなり不安定で扱いづらかった。新しい舗装も難しく、おそらく新品タイヤを最適な作動温度に入れられていなかったことが原因だろう」

    一方で、決勝シミュレーションは悲観する内容ではなかったという。

    「ロングランではかなり安定していたし、フェラーリやフェルスタッペン、マクラーレン勢とも十分戦えるペースだった」

    「つまりクルマ自体は悪くない領域にある。ただ、一発の速さを引き出すことができていない」

    全戦ポール継続へ「徹底的に原因を探る」
    メルセデスF1は今季ここまで全グランプリでポールポジションを獲得している。しかしロードは、その記録がハンガリーで途切れる可能性を認めながらも、最後まで改善を目指す姿勢を強調した。

    「ここまでどのサーキットでも競争力のあるクルマを用意できていた。そして全戦でポールポジションを獲得できた」

    「もちろん、こうした連続記録はいずれ終わるものかもしれない。しかし、それがハンガリーにならないよう全力を尽くす」

    「今夜はやるべきことが山積みだ。頭を悩ませることになるが、FP3までに大きな改善を見つけたい」

    また、シルバーストンやスパでラッセルを悩ませたストレートスピード不足については、すでに解決できたとの見解も示した。

    「今日は両マシンを同条件で比較できなかったので最終的な結論ではない」

    「それでも、問題は解消できたと確信している。もはやジョージのパフォーマンスを妨げる要因ではない」

    予選で本来の速さを取り戻せるかどうかが、メルセデスF1の連続ポール記録継続を左右することになりそうだ。

  • メルセデスF1代表 チームオーダー方針を明言「勝利は奪わない」

    メルセデスF1代表 チームオーダー方針を明言「勝利は奪わない」

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、ベルギーGP後にチームオーダーに対する現在の方針を明かし、ジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリのどちらが前を走っていても「勝利を奪うことはしない」と強調した。

    一方で、スペインGPでの反省を踏まえ、両ドライバーが互いに時間を失うような争いは今後も避ける方針を継続する考えを示しており、ドライバー同士の自由なバトルとチーム全体の利益のバランスを重視する姿勢を打ち出した。

    スペインGPの教訓で「ヨーヨー状態」を禁止
    ベルギーGPでは、メルセデスはジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリに対し、いわゆる「ヨーヨー状態(互いに抜き返し合ってタイムを失う展開)」を避けるよう指示していた。

    ヴォルフは、その背景にはスペインGPでの苦い経験があったと説明した。

    「スペインで大きくタイムを失ったことを教訓に、今回の目標は『お互いとの争いで時間を失わないこと』だった」

    「ヨーヨー状態になり、その間にフェラーリやレッドブルが背後まで迫ってきて勝利を逃すようなことは避けたかった。実際、スペインではそういうことが起きた。リタイアがなければ、キミがあのレースに勝っていただろう」

    スペインGPでは、ラッセルとアントネッリの争いによってタイムを失い、その隙にライバル勢の接近を許したことから、メルセデスは以降のレースで同様の状況を防ぐ方針へと転換している。

    「勝利を奪うチームオーダーは出さない」
    ただしヴォルフは、レース運営を優先することと、チャンピオンシップの順位を理由に勝者を入れ替えることは別問題だと強調した。

    「スペイン以降は、常にレースでの勝利を最優先にする。キミが前ならキミ、ジョージが前ならジョージを優先する。それが我々の考え方だ」

    「F1はドライバーズ選手権であると同時にコンストラクターズ選手権でもある」

    さらに、ベルギーGP終了時点でアントネッリがドライバーズランキングでラッセルに約50ポイントのリードを築いている状況でも、タイトル争いを理由にチームオーダーを出す考えはないと断言した。

    「我々はどちらのドライバーからも勝利を奪うことは決してない。たとえジョージがランキングでは後ろにいたとしても、その時点のシーズンで勝利を譲らせるようなことはしない」

    ヴォルフは、ランキングの状況にかかわらず、レースで先行しているドライバーの勝利を尊重することがメルセデスの基本方針であると改めて強調した。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ラッセルへの全面サポートも約束
    ベルギーGPでラッセルはオープニングラップのアクシデントによりリタイアを喫し、ドライバーズランキングでもアントネッリとの差が広がる結果となった。

    それでもヴォルフは、苦しい状況に置かれたラッセルを全面的に支える姿勢を明確にしている。

    「少なくとも私がこれまで関わってきたドライバーは、誰でも苦しい時期を経験するものだ。それはあらゆるスポーツ選手に起こることであり、そういう時はモチベーションを高め、立て直す方法を見つける必要がある」

    「ジョージには彼なりのやり方があるし、私は間違いなくそれを支えようとしている。彼とは長い付き合いだから、その悔しさも理解している。チームは100%彼を支えている」

    勝利を最優先しながら公平性も維持
    現在のメルセデスは、無制限にチームメイト同士を争わせるのではなく、不要なタイムロスを防ぐためのルールを設ける一方で、ランキングを理由に勝者を入れ替えるチームオーダーは採らないという明確なスタンスを示している。

    コンストラクターズタイトル獲得を最優先事項としつつも、コース上で築いた勝利は尊重する――ヴォルフの発言からは、タイトル争いが本格化しても両ドライバーを公平に扱うというメルセデスの姿勢が改めて浮き彫りになった。

  • メルセデスF1 ジョージ・ラッセル失速の原因を解明 ソフトウェア修正投入

    メルセデスF1 ジョージ・ラッセル失速の原因を解明 ソフトウェア修正投入

    ジョージ・ラッセルはベルギーGPで苦しめられたストレートスピード不足について、メルセデスF1が原因を特定し、ハンガリーGPではソフトウェアの修正を投入すると明かした。

    メルセデスは、パワーユニットのハードウェアには問題はなく、ソフトウェアのキャリブレーション(較正)の不具合が原因だったと説明。

    ラッセルは「これで本来の性能を引き出せるはずだ」と期待を寄せており、チームは週末までに問題を解決できたとの見方を示している。

    ベルギーGPで露呈したストレートスピード不足
    ベルギーGPの週末、ジョージ・ラッセルはチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリに対し、ストレートスピードで大きく劣っていた。

    予選ではアントネッリから0.5秒以上遅れを取り、決勝でもオー・ルージュからケメルストレートにかけて十分なパワーを得られず順位を落とした末、ルイス・ハミルトンとの接触で1周目リタイアを喫した。

    ラッセルはハンガリーGP木曜日の会見で、問題の原因が判明したことを歓迎した。

    「今は気分がいい。スパで僕たちを苦しめた問題の原因を突き止めることができたと思うし、ファクトリーのみんなが懸命に取り組んでくれた成果を見ることができて本当に励みになる」

    今週末までに修正できたのかと問われると、ラッセルは次のように答えた。

    「そう信じている。スパで見つかった主なキャリブレーションの問題については修正できたはずだし、かなり自信を持っている」

    原因はソフトウェアのキャリブレーション
    メルセデスは調査の結果、問題はパワーユニットのソフトウェア設定にあったと結論づけた。

    ラッセルは、その内容を次のように説明している。

    「実質的には、画面上の数値が適切にキャリブレーションされていなかったということだ。ハードウェアが壊れていたわけでも、ハードウェア自体に問題があったわけでもない」

    さらに、ベルギーGPでは2つの要素が重なっていたという。

    「スパでは2つの問題があった。ひとつはエネルギーデプロイメントが1周を通して最適に機能していなかったことだ。同じような問題はオスカー・ピアストリにも見られた」

    「さらに、それとは別の問題も重なっていた。ただ、どちらも同じキャリブレーションの不具合に関連していた」

    「単純に画面上の数字だけと言うつもりはないけれど、どの数値が正しくなかった可能性があるのかは分かった。そこを修正して再キャリブレーションすれば、パワーユニット本来の性能を発揮できるはずだ」

    誤ったデータがドライビングにも影響
    ラッセルは、問題の原因が分からなかったことで、自身のドライビングまで変えようとしていたことを明かした。

    「本当に肩の荷が下りた気分だ。走っている最中もずっとそうだった」

    「シルバーストンの何周か、そしてスパの金曜と土曜のほとんどで、ストレートを速く走るためにどう運転すべきかばかり考えていた。スロットルの開け方やギアの使い方、アクセルを踏み始めるタイミングまで意識していた」

    「データではそれが原因だと示されていたけれど、実際は違った。3回のセッションを通して新しいドライビング方法を試した努力は、結果的には意味がなかった」

    「だから今週末は、純粋に速く走ることだけに集中できるのを楽しみにしている。僕はシンプルなことに集中できた時が一番力を発揮できる。でも、このスポーツは決してシンプルではない」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    無線での怒りも「感情的になっていただけ」
    ベルギーGP決勝では、ラッセルが無線でチームへの不満を口にしたことも話題となった。

    しかし本人は、感情的な状況だっただけでチームを責める意図はなかったと説明している。

    「結局のところ、僕たちは同じチームだ。スパや、その前のシルバーストンでも見えていた問題は、チーム全体として求めるレベルには達していなかった。それは僕だけがチームを責めているという話ではない」

    「1周目でレースを終え、グラベルトラップに座っていれば感情的にもなる。特にターン5までに起きたことを考えればなおさらだ」

    また、問題究明には時間を要したものの、ベルギーGPで得られたデータが決め手になったという。

    「原因を突き止めようという努力が足りなかったことは一度もない。ただ、どこに問題があるのか見つけるのが本当に難しかった」

    「でもスパでは調査すべき場所がはっきり分かり、そこを調べたことで問題を発見できた。今のF1マシンやパワーユニットは非常に複雑で、すべてのパラメータを一つひとつ確認することは現実的にはできないんだ」

    メルセデスは、今回のソフトウェア修正によってラッセル車の本来のパフォーマンスを取り戻せると期待している。ハンガリーGPでは、アントネッリとの差が縮まるかどうかが大きな注目点となりそうだ。

  • メルセデス 新型F1セーフティカーを投入 ハンガリーGPで初実戦へ

    メルセデス 新型F1セーフティカーを投入 ハンガリーGPで初実戦へ

    F1は2026年ハンガリーGPで、新型のメルセデス製セーフティカーを初めて実戦投入する。メルセデスは木曜日、ハンガロリンクで「Mercedes-AMG GT 63 PRO 4MATIC+」を正式発表し、今週末からFIA公式F1セーフティカーとして運用されることを明らかにした。

    メルセデスは1996年から約30年にわたりF1へセーフティカーを供給しており、今回のモデルは「スリーポインテッドスター」を掲げる14代目の公式セーフティカーとなる。四輪駆動システムの採用など、従来モデルから大幅な進化を遂げている。

    四輪駆動を初採用した新型セーフティカー
    新たに投入されるMercedes-AMG GT 63 PRO 4MATIC+は、F1セーフティカーとして初めて可変式四輪駆動(4MATIC+)を採用したモデルだ。これにより、ドライコンディションだけでなくウエット路面でも最適なトラクション性能を発揮する。

    パワーユニットには4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高出力612hp(450kW)、最大トルク850Nmを発生。力強い加速性能と高い安定性を両立している。

    外観はブラックとレッドを基調とした新しいカラーリングが採用され、従来モデルとは印象を大きく変えたデザインとなっている。

    ベルント・マイランダー(F1セーフティカードライバー)

    マイランダー「コーナリングと加速で真価を発揮する」
    1999年からF1セーフティカードライバーを務めるベルント・マイランダーは、新型車の性能を高く評価した。

    「Mercedes-AMG GT 63 PRO 4MATIC+は、FIA公式F1セーフティカーとして最高レベルの安全性と卓越したスポーティさ、そして運転する楽しさを兼ね備えている」

    「ドライバーの操作に対する反応は非常に俊敏で正確だ。これは初めて四輪駆動を採用したセーフティカーであり、その効果は他の技術的な特徴と組み合わさることで、特に優れたトラクションとして実感できる」

    「コーナリングや加速時には、その真価を存分に発揮する。本当に素晴らしいロードカーだ。ハンガリーで実際のレースコンディションの中、この新しいセーフティカーを初めて走らせるのを楽しみにしている」

    F1 セーフティカー メルセデス

    30年続くメルセデスとF1のパートナーシップ
    メルセデスAMGモータースポーツ責任者のサイモン・ウィルバースは、30年にわたるF1との協力関係を振り返りながら、新型モデルへの自信を示した。

    「30年にわたり、メルセデス・ベンツとメルセデスAMGはF1へセーフティカーを供給するという特別な責任を担ってきた」

    「私たちにとって、この長い伝統を、自らの基準をさらに引き上げるクルマで受け継いでいけることは大きな名誉であると同時に挑戦でもある」

    「Mercedes-AMG GT 63 PRO 4MATIC+は、卓越したパフォーマンスと精密なコントロール性、安全性を兼ね備えている。FIA公式F1セーフティカーとしてだけでなく、市販車としても非常に優れた1台だ」

    今回投入される新型セーフティカーは、可変式四輪駆動の採用によってあらゆる路面状況で高い走行安定性を実現しており、2026年ハンガリーGPでその実力が初めて実戦で試されることになる。

  • ジョージ・ラッセル メルセデスF1に要求「アントネッリと同じマシンが欲しい」

    ジョージ・ラッセル メルセデスF1に要求「アントネッリと同じマシンが欲しい」

    2026年F1ベルギーGPでリタイアを喫したジョージ・ラッセルが、チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリとのマシン性能差を示唆する発言を行った。

    レース後には「キミと同じマシンが欲しい」と率直な思いを口にし、メルセデスF1代表トト・ヴォルフも、パワーユニットのソフトウェアトラブルがあったことを認めた。一方で、ラッセル自身にも改善すべき点があるとの見解を示している。

    ベルギーGPで発生した電力喪失「F2より遅かった」
    ベルギーGPでポール・トゥ・ウインを達成したアンドレア・キミ・アントネッリとは対照的に、ジョージ・ラッセルは1周目にルイス・ハミルトンとの接触でリタイアした。

    ラッセルによれば、原因はオー・ルージュからラディオンへ向かう上り区間で発生した電力喪失だった。

    「上りのストレートではバッテリーが完全になくなっていた」

    「F2マシンより遅かったよ」

    ラッセルはハミルトンを責めることはなく、「そもそもあの位置にいるべきではなかった」と説明した。

    「オー・ルージュの頂上に着いた時点でバッテリー残量はゼロだった。正直、あれは危険だった。あんな状況になるべきではなかった」

    「キミと同じマシンが欲しい」 性能差を示唆
    メルセデスF1代表トト・ヴォルフは、問題がチーム側にあったことを認めた。

    「スタート直後にメルセデス製パワーユニット全体でソフトウェアの問題が発生した。影響の度合いはそれぞれ異なったが、対処しなければならない」

    「100%我々の責任だ」

    ラッセルは週末を通じて、特にストレートでアントネッリのマシンより遅いことに不満を漏らしていた。シルバーストンでも同様の問題を訴えており、レース後には次のように語った。

    「僕がメルセデスに求めていること? 一つだけだ」

    「キミと同じマシンが欲しい。それ以外はいらない。同じマシンが欲しいだけなんだ」

    一方で、フェラーリのシャルル・ルクレールとレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは、2026年型パワーユニットは全ドライバーが扱いに苦労していると指摘した。

    フェルスタッペンは「2026年のF1へようこそ。時にはジャングルのようなものだ」と語っている。

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    ヴォルフ「問題は半分がPU 半分はドライバー」
    ヴォルフはラッセルの苦戦について、技術面だけが原因ではないと分析した。

    「おそらく50%は本来あるべき性能を発揮できなかったパワーユニットの問題だった」

    「そして残りの半分はドライバーの仕事によるものだ」

    さらに、ラッセルにはまだ改善の余地があると説明した。

    「ジョージはまだコンマ数秒を見つける必要がある。かなり改善してきたが、いくつかのコーナーでは依然としてコンマ2~0.25秒ほど失っている」

    「全体的には大きく前進したが、まだマシンとの共通言語を見つけるのに苦労している」

    ラッセル自身も2026年シーズンについて、「こういうことが何度も起きると慣れてしまう」と苦しい胸の内を明かした。

    それでもヴォルフはチームの姿勢を強調する。

    「我々はガレージの両側で全力を尽くしている。最もパワフルなパワーユニットと、優勝できるマシンを持っている。全員がミスを減らそうとしているが、人間がやっている以上、ミスは起こるものだ」

    その一方で、現在のタイトル争いについてはアントネッリが一歩抜け出したとの見方も示した。

    「集団全体の差は縮まっているが、キミは全員より一歩先にいると思う」

    また、ラッセルが依然としてアントネッリ最大のライバルかと問われると、ヴォルフは次のように締めくくった。

    「そうであってほしい。なぜなら、それはメルセデスが勝っていて、ジョージが他の全員より優れていることを意味するからだ」

  • メルセデスF1 ラッセルを苦しめる“謎の不具合”「原因を解明できていない」

    メルセデスF1 ラッセルを苦しめる“謎の不具合”「原因を解明できていない」

    ジョージ・ラッセルを悩ませているストレートスピード不足について、メルセデスF1が依然として原因を完全には突き止められていないことを認めた。

    2026年F1ベルギーGPでは、アンドレア・キミ・アントネッリがポールポジションを獲得する一方、ラッセルは予選で0.508秒差の4番手に終わった。決勝ではルイス・ハミルトンとの接触で1周目にリタイアを喫し、タイトル争いでもアントネッリに50ポイント差をつけられる厳しい状況となっている。

    メルセデスF1 ラッセル車のデプロイメント問題を調査継続
    ラッセルはシルバーストン以降、高速区間でチームメイトのアントネッリに対して最高速で劣る状況が続いており、その要因としてエネルギーデプロイメント(電力展開)の異常が指摘されている。

    メルセデスF1の副テクニカルディレクターを務めるシモーネ・レスタは、ベルギーGP後に問題が完全には解明できていないことを認めた。

    「ジョージのマシンではデプロイメントに関する問題が発生しており、次戦までに原因を突き止める必要がある」

    「すべてはシルバーストンから始まった。そこで2台のマシンの間にデプロイメントの違いが見られるようになった」

    レスタによれば、チームは徹底的な解析を進めた結果、その大きな要因の一つが両ドライバーのドライビングスタイルの違いにあると判断したという。

    ラッセル自身もデータを詳細に分析し、ベルギーGPでは走らせ方を修正して臨んだが、それでも差は完全には解消されなかった。

    「多くの分析を行った結果、大きな要因の一つは2台のドライビングスタイルの違いに関連しているという結論に達した」

    「ジョージはそれをかなり詳しく研究し、スパに向けて走り方を変えて適応した。しかし、それでも2台の間にはデプロイメントの違いが残っている」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    新レギュレーション下で原因究明に苦戦
    2026年から導入された新世代パワーユニットはエネルギーマネジメントの重要性がこれまで以上に高まっており、メルセデスもまだ理解し切れていない部分があるという。

    レスタは、この問題はメルセデスだけのものではなく、多くのチームが新レギュレーションへの適応を続けていると説明した。

    「我々はまったく新しいレギュレーションのもとで戦っている。まだこの規則で10戦を終えたばかりで、あらゆる要因を完全に理解できているわけではない」

    「こうした状況にあるのは我々だけではない。他チームも新しいレギュレーションを学び、適応を続けていることが分かっている」

    「この差を生み出している本当の原因を突き止め、ハンガリーGPに向けて最善の準備を整えたい」

    決勝スタート直後にはソフトウェア不具合も発生
    レスタはさらに、チーム代表トト・ウォルフが明かしていたベルギーGP決勝1周目のトラブルについても詳細を説明した。

    メルセデス勢全車でソフトウェアの問題が発生し、ターン1でエネルギー回生の上限に達したことで、本来得られるはずのブーストが使えなくなっていたという。

    「基本的には2台ともソフトウェアの問題が発生し、ターン1で回生の上限に達してしまった」

    「その結果、ターン1からターン5までブーストに問題が発生した。この影響はジョージとキミの両方に及び、好スタートを決めたにもかかわらず、そこで順位を失うことになった」

    原因不明のデプロイメント問題に加え、レースではソフトウェアトラブルまで重なったメルセデスF1。タイトル争いを続けるラッセルにとっては、一刻も早い問題解決が求められる状況となっている。

  • メルセデスF1代表が「最強PU」発言 FIAのADUO判定に新たな疑問

    メルセデスF1代表が「最強PU」発言 FIAのADUO判定に新たな疑問

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフが「メルセデスは最も強力なパワーユニット(PU)を搭載している」と公言したことで、FIA(国際自動車連盟)のエンジン性能均衡制度「ADUO」を巡る議論が再燃している。

    2026年シーズン開幕前のFIAの評価では、レッドブル・フォードが最も高性能な内燃エンジン(ICE)を持つと判定され、メルセデスは2番手と評価された。しかし、ベルギーGP後のヴォルフの発言は、その判断に新たな疑問を投げかけるものとなった。

    ヴォルフ「最も強力なPUを持っている」
    ベルギーGPでキミ・アントネッリが今季8勝目を挙げた一方、ジョージ・ラッセルはルイス・ハミルトンとの接触でオープニングラップにリタイアを喫した。

    レース後、ヴォルフはSky Sportsのインタビューで、メルセデスの競争力について次のように語った。

    「僕たちはチームとしてベストを尽くしている。僕たちは最も強力なパワーユニットを持ち、勝てるだけの強いマシンもある」

    「誰もがミスを最小限に抑えるために全力を尽くしている。それでも人間がやっている以上、ミスは起きるものだ」

    さらにヴォルフは、今季のメルセデスは性能そのものではなく信頼性が最大の課題だと認めた。

    「それが今シーズンの物語だ。僕たちはすでにそのせいで多くのポイントを失っている。本来なら、もっと大きなリードを築いているはずだった」

    ベルギーGPではメルセデス製PUを搭載する全チームに共通するトラブルが発生していたこともヴォルフは明かしており、ラッセルもケメル・ストレートで十分なパワーが得られなかったことで、1周目の接触事故は避けられなかったとの見解を示している。

    ADUO判定との食い違いが論争を再燃
    ヴォルフの「最強PU」発言が注目を集めた理由は、FIAが導入したADUO制度との食い違いにある。

    開幕前の性能評価では、レッドブル・フォードが最も高性能な内燃エンジンを持つと判定され、追加開発の対象外となった。一方、メルセデスは2番手評価だったため、2026年に1回、2027年にも1回の追加開発機会が認められている。

    もっとも、ADUOの評価対象は内燃エンジン単体であり、ハイブリッドシステムやバッテリー性能は含まれていない。このため、総合的なPU性能ではメルセデスが上回っている可能性は以前から指摘されていた。

    レッドブルはFIAの判定に異議を唱え続けており、測定期限前にメルセデスが意図的にエンジン出力を抑えていたのではないかとの見方も一部では取り沙汰されている。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    メキース「トトは正しい」
    ヴォルフの発言について問われたレッドブル・レーシング代表のローラン・メキースは、笑みを浮かべながら同意を示した。

    「トトは正しいと思う」

    「だから彼らはストレートで大きなアドバンテージを持っていた。それはここ数戦ずっと見てきたことだ」

    現時点でFIAがADUOの評価を見直す予定はないとみられるが、ヴォルフ自身が「最強PU」と認めたことで、次回の性能評価に向けた議論はさらに活発になりそうだ。

    また、現在の2026年型PUについては性能以上に、エネルギーマネジメントや信頼性への不満も広がっている。

    マクラーレンのオスカー・ピアストリは「予選前からコンピューターが結果を左右するようでは、まともなレースとは言えない」と厳しく批判。ランド・ノリスも「自分ではどうにもできない要素が多すぎる」と同様の懸念を示している。

    PU性能を巡る議論は、単なる出力競争ではなく、ハイブリッドシステム全体の評価方法やエネルギーマネジメントの在り方へと発展しつつあり、FIAには今後の制度見直しを求める声がさらに高まりそうだ。

  • ウィリアムズF1 メルセデスPUの“裏技”を分析「システムを欺いている」

    ウィリアムズF1 メルセデスPUの“裏技”を分析「システムを欺いている」

    メルセデスが2026年シーズンに見せている予選での圧倒的な加速性能。その秘密とされるパワーユニット(PU)の制御方法について、ウィリアムズF1のチーム代表ジェイムス・ボウルズが興味深い見解を示した。

    メルセデスのカスタマーチームであるウィリアムズも同じPUを搭載しているが、ワークスチームと同等のパフォーマンスを引き出せているわけではない。ボウルズは、メルセデス独自のエネルギーマネジメント手法を分析し、自チームでも再現を目指していることを明かした。

    メルセデスが見つけた「システムを欺く」エネルギー制御
    2026年のF1ではエネルギーマネジメントがラップタイムを左右する重要な要素となっている。メルセデスは、この分野でライバルを一歩リードしているとみられている。

    ボウルズによると、メルセデスはPUのエネルギー使用をより有利な区間へ配分できるよう、「システムを欺く(trick the system)」ような制御を実現しているという。

    その代償として、ドライバーはラップ終盤で一時的にアクセルを戻す必要があると分析している。実際、ベルギーGPのスパ・フランコルシャンでは、アンドレア・キミ・アントネッリとジョージ・ラッセルが最終セクターでリフトしている様子がデータ上でも確認できる。

    しかし、その結果として最終コーナーの立ち上がりでは大きなエネルギーを利用でき、長いホームストレートで卓越した加速性能を発揮していることが特徴だ。

    同じPUでもワークスとの差は埋まらず
    ウィリアムズはメルセデス製PUを使用しているものの、同じ制御戦略をそのまま利用できるわけではない。

    ボウルズはSky F1のインタビューで、その現状を次のように説明した。

    「彼らがやっているのは、実質的にはシステムを欺いて、より効率的な場所でエネルギーを使えるようにしていることだ。その代償としてリフトが必要になる。それが我々の現時点での最も有力な分析だ」

    「我々はメルセデスのカスタマーチームだが、だからといって彼らと同じものが利用できるという意味ではない」

    「だから我々も舞台裏で全力を尽くし、パワーユニットを同じように運用できる方法を見つけようとしている」

    現在のウィリアムズは、カルロス・サインツJr.とアレックス・アルボンの競争力向上に向け、このエネルギーマネジメント技術の再現に取り組んでいるという。

    2026年F1で広がるPUソフトウェア開発競争
    2026年レギュレーションでは、PUそのものの性能だけでなく、回生と放出をどのタイミングで行うかというソフトウェア制御が大きな差を生み出している。

    ボウルズの発言は、同じメルセデス製PUを搭載していても、ワークスチームだけが活用できる運用ノウハウや制御技術が存在する可能性を示唆するものだ。今後、カスタマーチームが同様の手法をどこまで再現できるかは、予選での勢力図を左右する新たな開発競争の焦点となりそうだ。

  • レッドブルF1がメルセデス育成責任者グウェン・ラグリュー獲得との報道

    レッドブルF1がメルセデス育成責任者グウェン・ラグリュー獲得との報道

    メルセデスF1のジュニア育成プログラム責任者を長年務めてきたグウェン・ラグリューが、レッドブルF1へ移籍する見通しであることが報じられた。

    正式発表の時期は明らかになっておらず、メルセデス、レッドブルの両チームも現時点では報道を認めていない。しかし実現すれば、F1パドック屈指の若手育成責任者の移籍となり、レッドブルの育成体制に大きな変化をもたらす可能性がある。

    メルセデス黄金世代を育てた立役者
    複数の海外メディアによると、グウェン・ラグリューは2016年から率いてきたメルセデスのジュニアプログラムを離れ、レッドブルで同様の役割を担う方向で調整が進められているという。

    ラグリューは若手発掘の手腕で高い評価を受けており、2017年初頭にはジョージ・ラッセルをメルセデス育成プログラムへ迎え入れた。ラッセルはFIA F2王者を経て2019年にウィリアムズからF1デビューを果たし、2022年にはメルセデスのレギュラードライバーへ昇格した。

    さらに、その慧眼を最も象徴する存在がキミ・アントネッリだ。メルセデスはアントネッリが11歳でカートを戦っていた頃から契約を結び、一貫した育成を経て2025年にF1デビューへ導いた。

    2026年シーズンのアントネッリは開幕10戦で6勝を挙げ、ドライバーズランキング首位を快走。ラグリューの育成哲学が大きな成果を生んでいる。

    レッドブル・レーシング

    ヴォルフ代表「まだ何も決まっていない」
    ベルギーGP週末、メルセデス代表のトト・ヴォルフはラグリューの去就について質問を受けたが、移籍を認めることは避けた。

    「グウェンとは将来について話し合っているが、まだ何も合意も決定もしていない」

    一方で、ラグリューが築き上げた育成組織を高く評価した。

    「グウェンは素晴らしいチームを作り上げてくれた。現在は7~9人ほどのスタッフでジュニアプログラムを運営している」

    「ブラッドリー(ロード)が副代表へ昇格したこともあり、組織体制を整理する必要がある。私たちはグウェンと協力しながら進めていきたい」

    レッドブル育成改革の切り札となるか
    レッドブルのジュニアプログラムは、ヘルムート・マルコの下でセバスチャン・ベッテル、ダニエル・リカルド、マックス・フェルスタッペンら世界王者やグランプリウイナーを輩出してきた。

    しかし近年は、かつてほど継続的にトップドライバーを送り出せていないとの見方もある。

    ラグリューの加入が実現すれば、レッドブルが若手育成システムの再構築へ本格的に乗り出す意思表示となる可能性が高い。育成部門の強化は将来のF1勢力図を左右する重要な投資であり、その動向に注目が集まっている。