カテゴリー: メルセデスF1

  • トト・ヴォルフがクリスチャン・ホーナーを批判「特権意識が命取りになった」

    トト・ヴォルフがクリスチャン・ホーナーを批判「特権意識が命取りになった」

    メルセデスF1チーム代表のトト・ヴォルフが、長年F1のパドックで対立してきた元レッドブル代表クリスチャン・ホーナーに対し、辛辣な言葉を投げかけた。

    ホーナーは今季のF1イギリスGP後、20年間務めたレッドブルのチーム代表職を解任されたが、ヴォルフはその背景について「彼の特権意識が最終的に破滅を招いた」と語っている。

    ヴォルフは英紙『The Telegraph』の取材に応じ、2021年F1アブダビGPの結末について振り返る中で、この発言を行った。同レースでは、セーフティカー再スタート時のマイケル・マシによる判断ミスにより、ルイス・ハミルトンがタイトルを失い、マックス・フェルスタッペンが初のワールドチャンピオンに輝いた。

    2021年アブダビGPの記憶はいまも消えない
    ヴォルフは、この一件が今なお自身とハミルトンの心に深く残っていると明かした。

    「昨日もルイスとその話をした。私は毎日のように考えているし、彼も同じだ」

    「チームにとっても忘れられない出来事だ。どちらもチャンピオンにふさわしかったが、サッカーに例えるなら、審判が悪い判定を下した。ゴールは決まり、試合は終わってしまった」

    そう語ったうえで、ヴォルフはホーナーが当時の出来事について誤りを認めたことがあったかを問われ、次のように答えている。

    「彼がそれを認めることは一度もなかった」

    「他人の立場に立てない性格的欠陥」
    ヴォルフは、ホーナーの姿勢そのものに問題があったと指摘する。

    「私は常に反対側の立場からも考えようとする。彼らの視点に立てば、彼らが世界チャンピオンに値すると考える理由も理解できる。不公平な出来事もシーズン中にはあったし、あのレース結果は年間のパフォーマンスを反映しているとも言える」

    「だが、クリスチャンはその逆の立場を認めることができなかった。もしあの日、立場が逆だったら大惨事だったはずだし、彼はあらゆる侮辱の言葉を並べ立てていただろう」

    「内省する力や、少しでも相手の立場を思いやる姿勢が、彼には決定的に欠けている。それは彼の性格的な欠陥だ」

    そして、ヴォルフはこう結論づけた。

    「彼には特権意識があった。すべての権力を自分が持っていて当然だと思っていた。その結果、レッドブルは彼にそこまでの権力を与えたくなかった。それが最終的に彼自身に跳ね返った」

    絶えなかった両者の対立
    ヴォルフとホーナーは、F1の熾烈なタイトル争いとともに、コース外でも幾度となく衝突してきた。2024年シーズン終盤、マックス・フェルスタッペンとジョージ・ラッセルの件を巡る騒動では、ヴォルフがホーナーを「キャンキャン吠える小型テリア」と呼び、話題を集めたこともある。

    ホーナーは現在、レッドブルと退職金を含む合意に達しており、2026年には再びF1のパドックに戻ることが可能な状況だ。次の居場所を探す中で、かつての宿敵から投げかけられたこの厳しい評価は、今後も尾を引くことになりそうだ。

  • キミ・アントネッリ F1冬休みに“ヘンリー・ショブリン”の偽名で極秘カート参戦

    キミ・アントネッリ F1冬休みに“ヘンリー・ショブリン”の偽名で極秘カート参戦

    レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが、今年初めに「フランツ・ヘルマン」の偽名でニュルブルクリンクのGTカーをテストし話題を集めたが、今度はメルセデスの若きスター、アンドレア・キミ・アントネッリが“覆面ミッション”を敢行した。

    F1のウインターブレイク最初の土曜日、アントネッリは英国ミルトンキーンズにあるデイトナ・モータースポーツのカートコースに、突如として姿を現した。その名は「ヘンリー・ショブリン」。

    メルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクターとして長年チームを支えてきたアンドリュー・ショブリンへのオマージュとみられている。

    F1ルーキーイヤーで示した存在感
    アントネッリは2025年、ルイス・ハミルトンの後任としてメルセデスに加入。F1デビューからわずか6戦目のマイアミGPスプリント予選で初ポールポジションを獲得すると、数戦後のカナダGPで初表彰台を手にした。

    シーズン中盤の試練を経て後半戦で再浮上し、ブラジルGPでは自己最高位となる2位、ラスベガスGPでは17番手スタートから3位まで追い上げる走りを披露。最終的にドライバーズランキング7位でルーキーシーズンを終えた。

    雨のカートレースで圧倒的最速
    そのアントネッリが、F1のオフに入った直後もレース勘を鈍らせていないことを示したのが、今回のカート走行だった。

    デイトナ・モータースポーツによると、アントネッリは事前ブリーフィングでも目立たず、キャップを深く被り、静かに隅に座っていたという。しかしレースが始まると状況は一変した。

    ウエットコンディションの中で、アントネッリはレース最速ラップを記録。2位以下に3秒差をつける圧倒的な速さだった。ベストラップは1分24秒5で、過去に同コースを走ったウィリアムズのアレクサンダー・アルボンのタイムよりも5秒以上速かった。

    正体が明かされた瞬間
    デイトナ・モータースポーツはSNSで当日の様子を次のように伝えている。

    「今日の午後、“ヘンリー・ショブリン”と名乗る静かな若者が、デイトナ・ミルトンキーンズにSODI D40を走らせにやってきた。キャップを低く被り、騒がず、ブリーフィング中も隅に座っていた」

    「ライトアウト。レース後、ピットレーンでヘルメットが外され、グリッドの全員が、自分たちが誰とレースをしていたのかを悟る。キミ・アントネッリがパビリオンに戻ってきた」

    「ウエットでレース最速、2位以下に3秒差。1分24秒5。アレクサンダー・アルボンより5秒以上速い」

    「デイトナでは、よくある午後のひとコマだ。退屈な日はない。」

    投稿には、アントネッリがリーダーボードを指さして笑顔を見せる写真も添えられていた。そのボードには、角田裕毅、アイザック・ハジャー、さらには2026年キャデラックF1加入が決まっているセルジオ・ペレスなど、F1ドライバーの名前が並んでいる。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    フェルスタッペンに続く“覆面ドライバー”
    このサーキットには、元レッドブル・レーシング代表のクリスチャン・ホーナーや、俳優トム・クルーズ、元イングランド代表主将のサー・アラステア・クックといった著名人も訪れてきた。上位にはアイザック・ハジャーと角田裕毅の名前も。ハジャーが角田裕毅を0.01秒上回っている。

    フェルスタッペンに続き、アントネッリもまた偽名でサーキットに現れ、その実力を隠しきれなかった。F1ルーキーとして印象的なシーズンを送った19歳は、オフシーズンに入ってもなお、“弱肉強食の世界”での鋭さを失っていないことを、カートコースで証明してみせた。

  • メルセデスF1代表がルイス・ハミルトンの“フェラーリ初写真”に不満な理由

    メルセデスF1代表がルイス・ハミルトンの“フェラーリ初写真”に不満な理由

    ルイス・ハミルトンが今年初めに公開したフェラーリ加入後初の公式写真。その服装について、メルセデスF1代表のトト・ヴォルフが「実は気に入らなかった」と明かした。

    ハミルトンは2025年1月にフェラーリへ加入し、シーズン開幕前、マラネロにあるエンツォ・フェラーリのオフィス前で撮影された写真がフェラーリの公式SNSに投稿された。この写真は瞬く間に拡散され、インスタグラムでは約600万件の「いいね」を記録し、F1関連投稿としては異例の反響を呼んだ。

    「なぜフェラーリではスーツなんだ?」
    ハミルトンとヴォルフは2013年から2024年までメルセデスでタッグを組み、ドライバーズタイトル6回、コンストラクターズタイトル8回という歴史的な成功を収めてきた。

    その長年の関係を振り返りつつ、ヴォルフは英紙『The Telegraph』の取材で、件の写真について次のように語っている。

    「彼がエンツォ・フェラーリの家の前で、まるで『ゴッドファーザー』みたいなスーツ姿で写っていた、あの有名な写真だ」

    さらにヴォルフは、メルセデス時代の裏話を明かした。

    「何年もの間、僕は特定の写真撮影ではスーツを着るように彼に勧めてきた。でも彼はいつも拒んで、自分のスタイルを貫いていたんだ。それなのに、新しい仲間と過ごす初日にはスーツを着ているんだからね」

    「しかも、あれはソーシャルメディア史上でも、最も多く公開された写真のひとつになったはずだ」

    フェラーリ移籍初年度は苦戦
    2024年末にハミルトンとメルセデスが袂を分かった際、その別れは円満なものだったが、11年に及ぶパートナーシップの終焉には、双方にとって少なからず感慨があったはずだ。

    一方でメルセデスは2025年シーズンに向けてうまく世代交代を果たした。ジョージ・ラッセルが新たなチームリーダーとして2勝を挙げ、ルーキーのアンドレア・キミ・アントネッリも初年度から順調な適応を見せ、チームはコンストラクターズランキング2位でシーズンを終えている。

    対照的に、ハミルトンのフェラーリ移籍初年度は厳しい結果となった。2025年シーズン、ハミルトンは一度も表彰台に立つことができず、ドライバーズランキング6位に終わった。

    40歳となったハミルトンは、フェラーリとの契約をあと1年残しており、2026年の巻き返しに期待がかかる。新レギュレーションが導入される2026年は、大きな転機となる可能性があるが、現行規則下でもハミルトンは過去4シーズンでわずか2勝にとどまっている。

    フェラーリでの2年目、そして新時代のF1で、ハミルトンが再び前線に戻ってくることができるのか。その行方が注目される。

  • メルセデスF1代表 「エンジンカスタマーを2~3チームに削減する」方針を明言

    メルセデスF1代表 「エンジンカスタマーを2~3チームに削減する」方針を明言

    メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、現在供給しているF1エンジンの顧客チーム数を、次の契約サイクルで「最低1つ減らす」意向を示した。

    2021年以降、メルセデスはマクラーレン、アストンマーティン、ウィリアムズという3つの顧客に加え、自らを含めて計4チームにパワーユニットを提供。グリッドのほぼ半数を占める状況となっている。

    2025年限りでアストンマーティンはホンダへとスイッチするが、代わりにアルピーヌがメルセデス製PUを採用するため、来季も供給先は3チームを維持する。しかしヴォルフは、F1公式ポッドキャスト『Beyond the Grid』の中で、メルセス会長オラ・ケレニウスと「供給数削減」を協議していると認めた。

    ヴォルフ「理想は2〜3チーム。4チーム供給は今後あり得ない」
    ヴォルフは「次のサイクルでは供給数を減らすつもりだ」と明言し、理想値について「2〜3チームの間だろう」と語った。

    また、新規則後の開発アプローチとの関連性を示しながら、設計凍結や学習機会のバランスを考慮する必要があると説明した。

    「新しい規則がどうなるかにもよるが、多くのチームに供給することで得られる学びと、設計を早い段階で固める必要性、その両方を考えないといけない」

    この文脈でヴォルフは、2026年からアストンマーティンにのみパワーユニットを供給するホンダを例に挙げた。

    「我々は合計16基のPUを製造する必要があるが、ホンダが供給するのは4〜5基程度だ。これはリードタイム、生産サイクルの長さに直結する。そうした観点からも、今後“4チーム供給”はあり得ない」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    アルピーヌ加入で再び3チーム供給に それでも“メルセデス優位”の見方強まる
    アストンマーティンの離脱により一時は供給先が減るかに見えたが、アルピーヌの加入によりメルセデスは引き続き3顧客体制を維持する。アルピーヌは長年続いた“ルノー製PUの自社供給”を終え、OEM(自前エンジンメーカー)としての地位を離れることになる。

    それでも、パワートレイン分野ではメルセデスが2026年規則に向けて「最有力」との評価を受けており、来年メルボルンでシーズン開幕を迎える際には、同陣営の4チームが注目を集めるのは間違いない。

  • メルセデスF1 2026年可動フロントウイングを評価「まだ楽観視できない」

    メルセデスF1 2026年可動フロントウイングを評価「まだ楽観視できない」

    メルセデスがアブダビのポストシーズンテストで、2026年レギュレーションを見据えた“アクティブ・フロントウイング”の試作仕様を公開し、来季のF1に最も鮮明なヒントを与えた。同時にチーム代表トト・ヴォルフは、メルセデスが新時代の本命と見なされることを強く否定し、慎重な姿勢を貫いている。

    今回投入されたフロントウイングはFIA承認のテスト項目で、ノーズから伸びる2本のプラスチック製チューブによって作動し、ストレートでは角度をフラットにする“ストレートラインモード”を再現する極めて原始的な構造だ。

    フェラーリも、より控えめな形で同様の機構を評価したとみられる。

    ピレリのマリオ・イゾラは、火曜日に2026年タイヤを披露した際、このテストの重要性を強調した。

    「FIAはチームに、フロントウイングでストレートラインモードを再現するシステムを開発する機会を与えている」とイゾラは述べている。

    一方で、ヴォルフはメルセデスが2014年のような“圧倒的黄金期”に入るという観測を一蹴した。

    「P2、P4、P3、P2……壊滅的というわけではない。しかしチャンピオンシップを逃したことに変わりはない。ようやくこのグラウンドエフェクト時代が終わることに満足している」と語り、2022年以降の迷走を振り返った。

    メルセデスはこの4年間、空力の根本的な問題を解決できず、風洞やCFDなど“ツールそのもの”の誤差に長く悩まされてきたという。

    「最後のレースが示したように、我々は依然としてこのマシンを完全には理解できていない。2022年に悪いスタートを切り、問題を修正しようとするたびに新たな問題が生まれた」とヴォルフは説明する。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ただし、2025年終盤になってようやく開発基盤が整ったという手応えを語った。

    さらにヴォルフは、当時の2014年とは状況が根本的に異なると強調した。

    「2014年のときは事前に良い感触があった。しかし今は比較にならない。当時に比べて全チームの準備が格段に整っている」と述べ、2026年メルセデスPUと新車のパフォーマンスについても慎重な姿勢を崩さない。

    「私は決して楽観主義者ではない。グラスは常に半分空の状態だ。我々は正しい方向に進んでいるが、目標が十分に野心的なのかどうか、それを判断するのは時間だけだ」

  • メルセデスF1代表 角田裕毅にピットレーン接触で謝罪「我々のミスだ」

    メルセデスF1代表 角田裕毅にピットレーン接触で謝罪「我々のミスだ」

    2025年F1アブダビGPのフリー走行3回目(FP3)終盤、ピットレーンで起きたキミ・アントネッリ(メルセデス)と角田裕毅(レッドブル)の接触事故について、メルセデスF1チーム代表トト・ヴォルフが角田とレッドブル陣営に正式に謝罪した。

    セッション後半、角田裕毅はすでにピットレーンを走行中だったが、ガレージから発進したアントネッリのマシンが右側面に接触。RB21のフロアは大きく損傷し、角田は予定していたソフトタイヤでの最後のアタックを完了できなかった。

    ヴォルフはSky Sports F1の取材に対し、次のように語った。

    「まず最初に裕毅に申し訳ないと言いたい。彼のマシンの“良いパーツ”をすべて壊してしまったと思う。我々のミスであり、何が起きたのかを特定しなければならない。まだ完全には分かっていない」

    そのうえで、FP3のチーム状況についても言及した。

    「冒頭は最悪のセッションだったが、ジョージ(ラッセル)がしっかりしたラップを決めてトップだった。キミについては、ピットレーンでの接触の後は混乱したが、大丈夫になるだろう」

    角田裕毅はこの接触により旧仕様フロアへの交換を余儀なくされ、予選では不利な状態で走ることになったが、Q3進出とチームメイトの支援を果たしている。

    動画の公開は終了しました
  • ジョージ・ラッセル F1アブダビGP初日「予選はサプライズがあるかもしれない」

    ジョージ・ラッセル F1アブダビGP初日「予選はサプライズがあるかもしれない」

    日没とともに涼しくなったヤス・マリーナ・サーキットで、メルセデスのジョージ・ラッセルはFP1の6番手からFP2で3番手へ順位を上げた。

    しかしトップのランド・ノリスとは0.379秒差と開きが残り、マクラーレンが一歩リードしたまま初日を終えた。一方でベアマン(ハース)が4番手、ヒュルケンベルグとボルトレト(キック・ザウバー)が5・6番手に並ぶなど、中団勢が僅差で迫る混戦状態となった。

    こうした状況を受け、ラッセルは「サプライズが起きるだろう」と予選の接戦を予想しつつ、メルセデスにはまだ改善すべきポイントがあると率直に認めている。

    ラッセル:予選は“接戦”、ロングランに不満も
    ラッセルはFP2後、マシンのフィーリングが良くなったとしながらも、依然として十分ではないと分析する。

    「今夜は確かに良くなった。暗くなって気温が下がると、いつも走りやすく感じるんだ」

    予選については、複数チームが絡む接戦になると見ている。

    「予選は僕たち、レッドブル、フェラーリの争いになると思う。他にも予想外のチームがいる。ベアマンが上位にいたし、ヒュルケンベルグもそうだ。何かサプライズがあるかもしれない」

    特に懸念していたのが、決勝を想定したロングランだ。

    「正直言ってレースペースは良くなかった。今夜しっかり確認して改善しなければならない。C5タイヤはグリップが高くてミスも起きやすい。僕のラップは力強かったし、もうあまり残っていなかったと思う。でも3番手だ。まだ少しペースを見つける必要がある」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) アブダビグランプリ

    アントネッリ:FP1は好走、FP2は最終コーナーのミスで10番手
    メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリは、非代表的なコンディションのFP1で4番手と上々の滑り出しを見せた。トップのノリスからわずか0.1秒強でまとめ、手応えを口にした。

    しかしFP2では10番手。トップとの差は0.667秒まで広がったが、ラッセルとのギャップは0.3秒未満で、ミスがなければ順位はさらに上だった。

    「最初のセッションは本当によかった。FP2は実力を示せたとは言えない。ソフトでの最後のラップはかなり良かったけど、最終コーナーでミスして大きくタイムを失った」

    それでも方向性は悪くないと強調する。

    「僕たちはしっかり戦えている。もちろんマクラーレンは一歩先にいるけど、ギャップはとても小さく、ミスがすぐ響く。ロングランはFP1よりFP2の方が良かった。セットアップをいろいろ試していて、方向性は良い。まだやるべきことは多いけどね」

    ポイントは“夜の路面”とC5タイヤの扱い
    決勝と同条件となる夜間の路面への最適化が、メルセデスの最重要課題だ。気温低下と高いグリップにより、C5タイヤは一発の速さを発揮する反面、スライドやオーバーシュートが起きやすいピーキーな挙動を示す。

    ラッセルの指摘した「ミスしやすい」挙動は、アントネッリの最終コーナーでの失速にも直結しており、セットアップの微調整が大きなタイム差に繋がる状況だ。

    さらに中団勢も接近しているため、わずかな失敗で3列目から5列目以降まで後退する可能性がある。メルセデスは予選に向けた一発の仕上げと、レースペース改善という二つの課題を短時間でクリアする必要に迫られている。

  • ジョージ・ラッセル 「メルセデスF1はコンストラクターズ2位を狙える」

    ジョージ・ラッセル 「メルセデスF1はコンストラクターズ2位を狙える」

    メルセデスのジョージ・ラッセルは、シーズン最終戦アブダビGPに向け、チームがコンストラクターズ2位を確保できる「非常に良いチャンスがある」と自信を示した。

    現在メルセデスはランキング2位をキープしているが、後半戦で勢いを取り戻したレッドブルが33ポイント差で追い上げており、最終戦での直接対決が決定打となる。

    ラッセルは木曜メディアデーで、目標は明確だと語る。

    「正直、また1レースにすぎないけれど、もちろんコンストラクターズ2位を確保したい。カタールで決められなかったのは残念だったけれど、今週末は大きなチャンスがある。シーズン最後のレースを楽しみたい」

    前戦カタールでは6位に終わったが、ラッセルはパフォーマンス自体はもっと良かったと振り返る。

    「アイザック(ハジャー)のおかげで長い時間トラフィックに捕まることになったね。でも僕らはとても競争力があった。基本的にはオスカー(ピアストリ)だけが僕らより強かったと思う。

    「9回のうち9回は、競争力があれば結果はついてくる。でもこれは10回のうちの1回で、速さがあっても結果が望んだ方向に転がらなかった。7周目のセーフティカーと、イン側スタートだったことも影響した。最初の4列でイン側からスタートしたドライバーは全員少なくとも1つ順位を落としていたから、あれで週末が難しくなった」

    ラッセルは今年ドライバーズランキング4位を確定させ、2022年のキャリアベストに並んだ。シーズン比較を問われ、今年がより充実していたと断言する。

    「どちらのシーズンも強かったけれど、今年は間違いなく僕が最も競争力を発揮した年だ。2022年は初めてポーポイズに直面してチームも自分も苦しんだし、初めてルイスと同じチームだった。でも今年は本当に強かった」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    アントネッリはルーキーイヤー最終戦へ「成長し続けた1年だった」
    メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリは、アブダビでF1初年度を締めくくる。現在ランキング7位と堂々たる位置につけており、メルセデスのコンストラクターズ2位争いの重要な要素にもなっている。

    初年度を振り返り、アントネッリはこう語る。

    「すごく速かった1年だった。メルボルンはそんなに前のことに思えないのに、もうシーズンが終わってしまうのは正直さみしい。もっとレースがしたい気持ちもあるけれど、もちろん無理だね。

    「アップダウンのあるシーズンだったけれど、後半戦はとても良かった。ポジティブなことが多かったし、難しい瞬間があっても、学んだことは本当に大きかった。人としても大きく成長した一年だったと思う。最後をしっかり締めくくって、2026年に集中したい」

    メルセデスの2位争いは「実力vs勢い」
    メルセデスは純粋なパフォーマンスの面では安定しており、ラッセルもアントネッリも後半戦で確実にポイントを積み上げてきた。一方レッドブルは、フェルスタッペンの怒涛の巻き返しでランキングを押し上げており、勢いの面では脅威となる。

    最終戦アブダビはタイヤデグラデーションとトラックポジションが重要で、序盤の混乱やセーフティカーが結果を大きく左右する。それはカタールのラッセルが示したとおりだ。

    メルセデスがクリーンなレース展開を得られれば、依然として優位に立つ。しかしレッドブルが前でフィニッシュする組み合わせが生まれれば、33ポイント差は決して安全とは言えない。

  • アントネッリ SNS中傷に苦悩…F1王者フェルスタッペンが裏で“救いの一言”

    アントネッリ SNS中傷に苦悩…F1王者フェルスタッペンが裏で“救いの一言”

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、カタールGP後に自身のSNSへ殺害予告を含む1100件以上の攻撃的メッセージが寄せられた件について、「つらかった」と胸中を明かした。一方で、家族や友人の支え、さらにはマックス・フェルスタッペンから直接励ましの連絡があったことで、「すぐ前を向くことができた」と語った。

    カタールGP終盤、アントネッリがミスした直後にランド・ノリスが前に出た場面を巡り、レッドブル側の一部コメントが“意図的に譲った”と示唆したことで誤解が拡散。

    これを受けてSNSでは激しい誹謗中傷が飛び交い、レッドブルは後日「明確に誤りであり、後悔している」と声明を出す事態となった。

    アントネッリ「絶対にわざと譲っていない。P3を争っていた」
    アントネッリは木曜のメディアセッションで当時を振り返り、「ああいうコメントを受けたのはつらかった。僕は絶対にあんなこと(意図的に譲る)をしない」と強調した。

    「僕はP3を争っていたし、サインツのDRS圏内に入ろうと必死にプッシュしていた。何周も汚れた空気の中で走り続け、少しずつ攻める度合いを高めていった結果、タイヤが限界を迎え、あのミスをしてしまった。だからレース後にあんなコメントを見て、正直すごく傷ついた」

    レッドブルの声明、そしてジャンピエロ・ランビアーゼ(フェルスタッペンのレースエンジニア)が直接謝意を伝えに来たことも「うれしかった」と語った。

    フェルスタッペンがDMで励まし「気にするな、相手は“脳みそがない”人たちだ」
    アントネッリによれば、フェルスタッペンはSNS中傷の件が公になった後、本人に直接メッセージを送ったという。

    「マックスは何が起きたかを見てくれていて、“気にするな。ああいう人たちは脳みそがないんだから、仕事に集中しろ”と言ってくれた。ちょっと悪い言葉も入っていたから詳しくは言えないけど(笑)、本当に励まされた」

    また、ランビアーゼともすでに“誤解は完全に解消した”と話した。

    「GP(ランビアーゼ)も話しに来てくれて、マックスともクリアにした。それはよかった。あの件のあと、本当にたくさんのサポートが届いたし、それで気持ちを切り替えることができた」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    SNSとの向き合い方「週末は極力見ない。友人から連絡が来て初めて状況を知った」
    アントネッリは普段からレース週末はSNSをほとんど見ないと語る。

    「週末は集中したいのでSNSはあまり見ない。でもレース後に友達から“こんなことになってるよ”とメッセージをもらって、初めて状況を知った。見たときはつらかったけど、今はもう忘れたよ」

    一時、Instagramのプロフィール画像を黒い画面に変更したが、現在は元に戻している。

    誤解から中傷へ──19歳のルーキーが抱えた重圧と、それを超えて迎える最終戦
    今回の騒動は、誤解に基づく批判がSNS上で急速に増幅され、若いドライバーを追い詰める典型例と言える。一方で、レッドブル自身が誤った示唆を撤回し、フェルスタッペンらが直接サポートしたことは、F1界全体として若手を守る姿勢を示した形となった。

    19歳のアントネッリは、つらい経験を経ながらも「この週末に集中するだけ」と語り、ルーキー最終戦となるアブダビGPへ気持ちを切り替えている。

  • ペプシコがメルセデスF1チームと大型契約 7UPジョーダン以来の本格復帰

    ペプシコがメルセデスF1チームと大型契約 7UPジョーダン以来の本格復帰

    メルセデスF1チームは2026年に向け、ペプシコ(PepsiCo)と新たな大型パートナー契約を締結した。ペプシコがF1チームの正式スポンサーとなるのは、アイコニックな“7UP×ジョーダン”タイトルスポンサー以来となる。

    今回の契約は、Gatorade、Sting、Doritosという同社の主要ブランドを軸に展開され、ファン向けアクティベーションのほか、Gatorade Sports Science Instituteの知見を取り入れたパフォーマンス向上プロジェクトも共同で進める計画だ。

    ペプシコがメルセデスと本格タッグ F1とのグローバル契約を拡張
    ペプシコは今季初めにF1公式パートナー契約(2030年まで)を結んでおり、今回のメルセデスとの提携はその活動を拡張するものとなる。対象ブランドは同じくGatorade、Sting、Doritosで、ファン体験とチーム支援の両面で連携を強めることになる。

    契約内容の詳細やロゴ掲出場所については現時点で最終決定しておらず、マシン、ドライバーのレーシングスーツ、チームウェアのどこにブランドを配するかは今後詰められていく。

    メルセデス代表トト・ヴォルフは次のように述べた。

    「ペプシコのように強力なブランドポートフォリオを持つ企業を我々のパートナーエコシステムに迎えることは、チームとスポーツの強さを示すものだ。
    彼らは革新と卓越性を追求する我々の姿勢と完璧に一致している」

    ペプシコの国際飲料部門CEOユージーン・ウィレムセンはこうコメントした。

    「Gatorade、Sting、Doritosを通じて、我々はこのスポーツの文化の内側にいる。アスリートとファン、双方がF1のスリルを求めるその瞬間を支えている」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    “7UP×ジョーダン”以来の本格チームスポンサー復帰
    ペプシコがF1チームと大規模な契約を結ぶのは、1991年に7UPがジョーダンのタイトルスポンサーを務めて以来のことだ。

    ジョーダン191の鮮やかなグリーン×ブルーのカラーリングは今もなお人気の高い名車であり、エンジンカバーに大きく描かれた7UPロゴは象徴的な存在だった。このパートナーシップは1991年シーズン限りで終了したものの、F1史に残る名コラボとして語り継がれている。

    その後、ペプシコは2002年にウィリアムズとマーケティング契約を結び、7UPがチームの「公式ソフトドリンクパートナー」となったが、マシンやチームウェアにロゴが掲出される本格的なスポンサー契約ではなかった。

    ペプシコは年間約920億ドルの収益規模
    ペプシコはGatorade、Pepsi-Cola、Mountain Dew、SodaStreamなどの巨大ブランドを抱え、2024年には約920億ドルの純収益を計上している。今回のメルセデスとの大型契約により、同社のF1市場での存在感は一段と強まることになる。