カテゴリー: メルセデスF1

  • F1エンジン圧縮比疑惑 レッドブルF1移籍のメルセデス技術者から技術漏洩?

    F1エンジン圧縮比疑惑 レッドブルF1移籍のメルセデス技術者から技術漏洩?

    2026年F1パワーユニットの圧縮比を巡って浮上しているメルセデスの技術的疑惑について、伊コリエレ・デッロ・スポルト紙がより踏み込んだ内幕を伝えている。それによれば、約7か月前、メルセデスのエンジニアがレッドブル・パワートレインに移籍した際、この仕組みを伝えたとされ、レッドブルは再現を試みたという。

    この移籍エンジニアを通じて伝えられた内部情報を起点に、V6エンジンの圧縮比が走行時に規定値を超えているのではないかという疑念が広がっている。

    FIAは現時点で明確な否定を行っておらず、事実関係次第ではメルセデスPUを使用する複数チームを巻き込む深刻な問題へと発展する可能性がある。

    メルセデスPUを巡る疑惑が拡大 FIAは「禁止」か「容認」かの岐路に
    2026年F1パワーユニットを巡る“圧縮比問題”が、ここに来て一気に緊迫度を増している。メルセデスおよびレッドブルが、新レギュレーション下で想定以上の性能を引き出す手法を見つけたのではないかという疑惑について、チーム側もFIAも明確な否定を行っていないからだ。FIAは水面下で状況を注視していることを認めており、問題は収束するどころか拡大の様相を見せている。

    焦点はV6エンジンの「圧縮比」
    問題の核心は、内燃機関V6の圧縮比にある。圧縮比とは、ピストンの上下運動によってシリンダー内の混合気をどれだけ圧縮できるかを示す重要な指標で、エンジン効率と出力に直結する要素だ。一般に圧縮比が高いほど効率は向上し、同じ燃料量からより多くの出力を得られる一方、部品にはより大きな熱・機械的ストレスがかかる。

    2026年F1レギュレーションでは、電動出力が大幅に増加するのに伴い、内燃機関側の性能を抑制する目的で、圧縮比の上限が従来の18から16へと引き下げられた。

    しかし検証は「冷間状態」で行われるとされており、エンジンが作動して高温状態になると、コンロッドやクランクシャフト、ピストンなどの熱変形によって、実質的な圧縮比が変化する可能性がある。この点に着目し、走行時には事実上18相当の圧縮比に戻る仕組みを構築したのではないか、というのが今回の疑惑だ。

    「決定的な違い」 メルセデスは規定に戻せない可能性
    この問題が事実であれば、影響はメルセデスのワークスチームに留まらない。メルセデスPUを使用するマクラーレン、ウィリアムズ、アルピーヌも同様に直撃を受けることになる。

    伊コリエレ・デッロ・スポルト紙は、この点に決定的な違いがあると指摘する。レッドブルは規定の圧縮比16に戻す余地を残している一方で、メルセデスはすでに1年以上このコンセプトで開発を進めており、もはや規定内の仕様に戻せない可能性がある、というのだ。

    エンジン F1レギュレーション メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    FIAは「禁止」か「容認」か 浮上する妥協案
    報道によれば、先週木曜日にFIA(国際自動車連盟)で全体会議が開かれ、フェラーリやホンダを中心とする他メーカーが強く説明を求めたという。レッドブル自身やアウディも含め、状況に不満を抱く陣営は多い。

    FIAは現在、難しい選択を迫られている。システムを違反と認定すれば、メルセデスPU勢4チームが2026年シーズンに参戦できなくなる可能性がある。一方で、これを容認すれば、他チームからの抗議や、後日の失格処分といった混乱が避けられない。

    そこで浮上しているのが妥協案だ。2026年シーズンに限り、メルセデスPU勢に非適合エンジンでの参戦を認める代わりに、「2027年には必ず規定に完全適合させる」という正式な保証を求めるというものだ。

    しかし、この案は他チームの理解を得られておらず、現時点ではどの陣営も納得していないとされる。

    2026年F1の幕開けを前に、パワーユニットを巡る問題は単なる技術論争の域を超え、シリーズ全体を揺るがしかねない政治的・競技的危機へと発展しつつある。FIAの判断次第で、F1の勢力図そのものが大きく変わる可能性がある。

  • メルセデスとレッドブル 2026年F1エンジン圧縮比を巡る“抜け穴”疑惑

    メルセデスとレッドブル 2026年F1エンジン圧縮比を巡る“抜け穴”疑惑

    2026年F1レギュレーション導入を前に、新パワーユニットを巡る論争が浮上している。焦点となっているのは、エンジンの圧縮比に関する規則の解釈だ。

    独Motorsport Magazinおよび英The Raceによれば、複数のエンジンメーカーが、メルセデス、そしてレッドブル(レッドブル・パワートレインズ)の設計について、FIAに正式な説明を求めたという。

    両社が、2026年規則で定められた上限を超える実質的な圧縮比を、ある方法で実現している可能性が指摘されている。

    圧縮比は常温測定 規則の盲点か
    2026年からF1の内燃エンジンは、最大圧縮比が16.0:1に制限される。これは従来の18.0:1からの引き下げだ。

    問題とされているのは、FIA技術規則C5.4.3条の文言で、圧縮比の測定が常温・静的条件で行われる点にある。情報筋によれば、一部メーカーは、エンジンが実走行で高温状態になった際に部品が意図的に熱膨張するよう設計し、ピストンが上死点により近づくことで、結果的に走行中の実効圧縮比を高めている可能性があるという。

    これは測定条件上は合法であっても、走行時には規則が想定する以上の性能向上、出力増加や燃費改善をもたらす余地がある。

    フェラーリ、アウディ、ホンダが懸念
    こうした疑念を受け、フェラーリ、アウディ、ホンダがFIAに説明を要求したと報じられている。

    論点は、熱膨張を利用した設計が、技術規則第1.5条にある「マシンはレースウイークエンドを通じ、常に規則に適合していなければならない」という原則に抵触するかどうかだ。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ 国際自動車連盟

    FIA 手続きは従来と同じ
    この件についてFIAは、次のような見解を示している。

    「規則は最大圧縮比と、その測定方法を明確に定義しており、測定は常温・静的条件に基づいて行われる。この手続きは、2026年に許容圧縮比が引き下げられた後も変更されていない。

    確かに熱膨張は寸法に影響を与えるが、現行規則では高温状態での測定は想定されていない」

    一方でFIAは、このテーマがPUメーカーとの技術フォーラムで継続的に議論されていることも認めており、公平性と明確性を確保するため、必要であれば将来的に規則や測定手順の修正を検討する可能性があるとしている。

    1kmも走っていない段階で浮上した疑念
    注目すべきは、2026年型パワーユニットがまだサーキットで1kmも走っていない段階で、この問題が表面化した点だ。関係者の間では、エンジニアやスタッフの移籍によって、各メーカーの設計思想や開発方向性がライバルに伝わった可能性も指摘されている。

    新規則時代の序盤で性能差を生む可能性があるだけに、この圧縮比グレーゾーンが単なる憶測に終わるのか、それとも2026年F1最初の大きな技術論争へ発展するのか。判断の鍵を握るのは、今後のFIAの解釈と対応になりそうだ。

  • メルセデスF1代表、2026年F1マシンは「理論上400km/h到達可能」と再主張

    メルセデスF1代表、2026年F1マシンは「理論上400km/h到達可能」と再主張

    メルセデスのチーム代表であるトト・ヴォルフは、2026年に導入される新世代のF1マシンが、理論上はストレートで時速400kmに到達し得るという自身の主張をあらためて強調した。

    この発言は、夏休み期間中に独『Auto Motor und Sport』のインタビューで飛び出したもので、当時は大きな驚きをもって受け止められていた。

    なお、近代F1イベントにおける最高速度記録は、2016年ヨーロッパGP(バクー)予選でバルテリ・ボッタスが記録した時速378km(234.9mph)だ。

    2026年F1マシンは、レギュレーション大改定により電動エネルギーの使用量が増加することが決まっている。ヴォルフは今回、自身の発言について説明を加え、あくまで「すべての利用可能なパワーを一気に使った場合」に限っての話だと強調した。

    「正直に言えば、あのエンジンには少し“マーケティング的な後押し”が必要だと感じたんだ。人々が過小評価していたが、本当に素晴らしい技術の塊だからね」とヴォルフはBeyond The Gridで語った。

    「すべてを組み合わせれば、400km/h、あるいはそれ以上に到達できる可能性はある。ただし当然ながら、次のストレートではエネルギーを使い切ってしまい、十分に速く走れなくなるだろう」と付け加えた。

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    同ポッドキャストには、メルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズのマネージングディレクターであるハイウェル・トーマスも出演し、次のように述べている。

    「ストレート序盤の加速性能については、現在と非常によく似たものになると思う。ターボチャージャーにはもはや電動モーターが付いていないので、ターボラグが発生する可能性があるが、その部分は電動で補うことになるだろう」

    「その結果、ストレートの立ち上がり性能は、今と比べてもかなり強烈なものになる。ただし、電動エネルギーを常に使い続けるだけの余裕がないため、ストレートの途中からは早めに出力を落とす必要があることも分かっている」

    2026年F1シーズンは、75年の歴史の中でも最も注目を集めるシーズンのひとつとされており、史上最大規模のレギュレーション変更が勢力図を大きく塗り替えると見られている。

    F1は水曜日、2026年レギュレーションの主要要素に関する簡素化された新用語を発表した。新たに「オーバーテイクモード」「ブーストモード」「アクティブエアロ」「リチャージ」といった名称が導入されることになる。

  • メルセデスF1代表 「予算上限がF1の“軍拡競争”を止めた」

    メルセデスF1代表 「予算上限がF1の“軍拡競争”を止めた」

    メルセデスF1チーム代表のトト・ヴォルフは、F1に導入された予算上限が世界選手権を「軍拡競争」ではなく「実力主義(メリトクラシー)」の戦いに変えたと語った。

    2025年シーズン、ランド・ノリスはマックス・フェルスタッペンとマクラーレンのチームメイトであるオスカー・ピアストリを抑え、15シーズンにわたってレッドブルとメルセデスしか世界王者を輩出してこなかった時代に終止符を打った。

    長年にわたり、レッドブル、メルセデス、フェラーリはF1で群を抜いて資金力のあるチームだったが、2021年に予算上限が導入されたことで、競争環境はより均等なものになった。

    メルセデスは、2022年に始まりアブダビGPで終わりを迎えたグラウンドエフェクト時代に苦戦を強いられ、その期間に92戦中わずか7勝しか挙げることができなかった。予算上限がなければ、より多くの挽回が可能だったのかと問われたヴォルフは、次のように答えている。

    「予算上限が導入されたとき、我々はそれを強く意識していた。商業的な理由だけではなく、競争の場をより平等にし、同じチームが支出で他を上回り続ける状況を防ぐためだ。我々は金で解決していたか? レッドブルやフェラーリを見てほしい。彼らも我々と同じ財政的な余力を持っている。結局は再び軍拡競争になっていただろう」

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    さらにヴォルフはこう続けた。

    「そうなっていれば、マクラーレンが我々とタイトル争いをすることはなかったかもしれない。今は純粋な実力主義だ。最高のマシンに乗る最高のドライバーが勝つ。そしてそれは我々ではなかった」

    この見解には、マクラーレンのランド・ノリスも同意している。ノリスは、レッドブルがシーズン後半にかけて大部分の遅れを取り戻したものの、開発面では自分たちがライバルを上回ったと語った。

    「2回目のコンストラクターズタイトルも、最初のタイトルと同じくらい特別だ。3年前に僕たちがどこにいたかを考えれば、最初のタイトル自体がとてつもない成果だった」とノリスは10月に語っている。

    「僕たちは開発の面で、すべてのチームを追い抜いた。進歩の幅という点では、他を大きく上回っていたと思う。それも、これまでで最も難しい時代のひとつでだ。制限が増え、風洞使用時間も減り、予算上限もある。そのことが、以前は他チームが使えた潤沢な予算と比べて、結果的に僕たちに有利に働いたのだと思う」

  • エンジンの“抜け穴”が2026年F1開幕を揺るがす? 初戦抗議の可能性も

    エンジンの“抜け穴”が2026年F1開幕を揺るがす? 初戦抗議の可能性も

    2026年F1レギュレーションを巡り、パワーユニット(PU)メーカー間で激しい解釈論争が起きている。

    焦点は圧縮比。関係者の間では、あるメーカーが規定を“満たしつつ”、走行時に実質的な圧縮比を引き上げる手法を見つけたのではないか、という疑念が広がっている。事態が解決しなければ、開幕戦での抗議に発展する可能性もある。

    論点は「16:1」をどう測るか
    2026年の技術規則では、内燃機関の幾何学的圧縮比は16:1に制限される(現行は18:1)。測定手順は技術規則の補足文書(いわゆる手順文書)で常温・静的に定義されている。一方で、高温・高負荷の実走行時には部材の熱膨張などで寸法が変化し得る。

    この“静的合格/動的上昇”のギャップを突く解釈上の余地が問題視されている。

    誰が問題視しているのか
    複数のPUメーカーが、FIAに対し、解釈の明確化を求めている。根拠として挙げられるのが、競技中は常に規則に完全適合していなければならないという総則条項だ。

    一方、名指しは避けられているものの、パドックではメルセデスやレッドブル・パワートレインズが話題に上り、アウディを含む他勢力が是正を求めている、との見方がある。

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    FIAの立場:測定は静的、ただし議論は継続
    FIAは「熱膨張が寸法に影響する可能性はあるが、現行規則は高温下での測定を要求していない」と説明。一方で、「技術フォーラムで継続的に協議し、必要なら規則や測定手順の調整を検討する」ともしており、結論は未定だ。

    なぜ“今”問題になるのか
    ・再設計の時間切れ:2026年3月8日の開幕(メルボルン)までに、PUの大規模な設計変更は現実的でない。
    ・追随困難:仮に手法が合法と確定すれば、他メーカーが短期で同等化するのは不可能に近い。
    ・ダウングレードも重い:信頼性耐久の再検証が必要で、供給数(カスタマー分)も含め調整が難航する。

    性能インパクトはどれほどか
    反対派の試算では、圧縮比の実質引き上げで約15馬力。ラップタイムに換算すると最大0.3秒に達し得る。

    2026年はICE(内燃)比率がシステム出力の約半分強に低下するとはいえ、効率向上の余地は依然としてICEが最大。燃料はエネルギー流量規制に移行し、より希薄燃焼が要求されるため、圧縮比の影響度は大きい。

    抗議は現実になるか
    解釈が不透明なまま開幕を迎えれば、オーストラリアGPでの抗議は避けられない。空力の柔軟性問題で導入された“動的監視”のように、測定手順そのものの進化が求められる局面に来ている。

    行方
    FIAが即時の明確化に踏み切るのか、将来向けの是正で落とすのか。どちらにせよ、2026年F1の序盤勢力図を左右しかねない技術×解釈の攻防は、すでに始まっている。

  • キミ・アントネッリ フェラーリF1移籍は?「今はメルセデスと王者になるのが夢」

    キミ・アントネッリ フェラーリF1移籍は?「今はメルセデスと王者になるのが夢」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、将来的なフェラーリF1移籍の可能性について問われ、「今はメルセデスと一緒にワールドチャンピオンになることが夢だ」と語り、現時点でのスタンスを明確にした。イタリア人ドライバーとして母国チームへの関心を示しつつも、まずはメルセデスでの成功を最優先に考えている姿勢を強調している。

    アンドレア・キミ・アントネッリは、F1ルーキーイヤーとなった2025年シーズンを終え、2026年も引き続きF1に参戦することが確定している。

    母国イタリアで行われた「ACIカスキ・ドーロ(Caschi d’Oro)」授賞式で語った19歳のアントネッリは、フェラーリの魅力を認めつつも、現在の環境に強い満足感を示している。

    フェラーリへの憧れと現在の立ち位置
    「フェラーリは世界的に非常に大きな名声を持つ、信じられないほどのチームだ。だからこそ、フェラーリで走ることが特別なのは間違いない。フェラーリは素晴らしいチームで、フェラーリをドライブするのはきっと素晴らしい経験だと思う。でも、僕は今いる場所にとても満足しているし、メルセデスが与えてくれたこのチャンスに感謝している」とアントネッリは語った。

    「今の僕の夢は、彼らと一緒に世界タイトルを獲得することだ。その後のことは、その時に考えればいい。フェラーリが世界で最も名門のチームであることは疑いようがないけれど、今はイギリスで過ごすこの環境に満足している」と続けた。

    「メルセデスはカート時代からF1に至るまで、ずっと僕のそばにいてくれた。彼らのすべてのサポートに報いるためにも、チャンピオンを獲ることが本当に僕の夢なんだ」とも述べている。

    2026年F1レギュレーションへの期待
    F1初年度を世界選手権7位で終えたアントネッリは、来季に控える大規模なレギュレーション変更についても言及した。

    「来年は、僕たちドライバーにとって素晴らしいチャンスになる。全員がゼロからのスタートになるからね」と語った。

    「このマシンで何が起こるのか、誰にも分からない。シミュレーションはたくさんこなしてきたけれど、実際にコースを走り始めたときにどう振る舞うのかは、まだ判断するには早すぎる。だからこそワクワクしている。風洞での進化も見てきたし、エンジン開発にも立ち会ってきた。すべてがとても有望に見える」と期待を口にした。

    「ライバルがどこにいるのか分からない状況でシーズンを迎えることになるけれど、本当のパフォーマンスが明らかになるのはメルボルンの最初の予選だと思う。それでも、W17を実際に走らせるのが本当に楽しみだし、勝利を争い、できればタイトル争いができたら素晴らしい」と語っている。

    成長の一年とレース前の葛藤
    2025年シーズンを振り返り、アントネッリは「重要な学びの年だった」と総括した。

    「正直に言って、シーズンはかなりポジティブだった。難しい時期もあったけれど、そのネガティブな流れから抜け出すことができた。そのおかげで、人としてもプロとしても大きく成長できたと思う。シーズン後半はとても良かった」と振り返った。

    さらに、レース前の恐怖心についても率直に認めている。

    「スタート前の30分間は本当に重要だ。時には心の中の小さな声が不安を煽って、迷いを生むこともある。でも、一度集中して、自分とマシンだけの世界に入ってしまえば、他のことは何も考えなくなる」とアントネッリは語った。

  • メルセデス、2026年F1パワーユニットのサウンドを公開

    メルセデス、2026年F1パワーユニットのサウンドを公開

    メルセデスは、2026年F1シーズン以降に使用される新パワーユニットのサウンドを公開した。ホンダに続き、F1エンジンサプライヤーとしては2社目の“ファイアーアップ”となる。

    2026年F1では、シャシーとパワーユニットの双方で新レギュレーションが導入される。パワーユニット規則が書き換えられるのは2014年以来で、当時はメルセデスが他陣営に先行し、ワークスチームは8年連続でコンストラクターズタイトルを獲得する礎を築いた。

    再び優位に立つのか
    この経緯から、ブラックリー拠点のメルセデスが、カスタマーチームを含めて再びアドバンテージを得るのではないかとの見方も出ている。新時代の“音”は、その期待をさらに高める材料となった。

    供給体制の変化
    新レギュレーション下でも、メルセデスはマクラーレンとウィリアムズへの供給を継続する。アルピーヌはワークス体制を放棄し、メルセデスのカスタマーに加わる。一方、エンストンのチームに代わり、アストンマーティンはホンダとワークス契約を結ぶ。


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  • メルセデスF1、ターボハイブリッド時代を象徴するパワーユニット12基を公開

    メルセデスF1、ターボハイブリッド時代を象徴するパワーユニット12基を公開

    メルセデスF1は、2025年限りで幕を下ろすターボハイブリッド時代を前に、同チームの成功を支えてきたパワーユニットを一堂に集めた記念イベントを開催した。

    舞台となったのは、英国ブリックスワースにあるメルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズ(HPP)の本拠地。2014年のW05から最新型W16まで、この時代に投入された12基のパワーユニットが屋外展示され、エンジン部門の“時代の節目”が祝われた。

    W05からW16まで、支配の歴史を象徴
    イベントでは、リザーブドライバーのフレデリック・ヴェスティが2014年型W05をデモランさせ、現在のマシンであるW16とともに、メルセデスの支配的な時代を象徴する演出が行われた。

    メルセデスは2014年の新レギュレーション導入と同時に他を圧倒し、ドライバーズタイトル7連覇、コンストラクターズタイトル8連覇を達成。パワーユニットはその成功の中核を担ってきた。

    2014年シーズンには、メルセデス製パワーユニットを搭載した4チームすべてがコンストラクターズランキングのトップ6に入るという記録も残している。

    12年で10度のタイトル、圧倒的な数字
    ターボハイブリッド時代の12年間で、メルセデス製パワーユニットは10シーズンのタイトル獲得に貢献。近年ではマクラーレンの成功も、この栄誉の積み重ねに加わった。

    この期間に行われた252レースで、メルセデスは140勝、150回のポールポジションを記録。勝率は56%に達し、フェラーリやホンダとの激しい競争が続いた中でも、長期にわたる優位性を示してきた。

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    ハイウェル・トーマスが語る「一区切り」と2026年への期待
    「2014年から戦ってきた現在のターボハイブリッド時代の成功を、ここブリックスワースで祝うことができ、本当に素晴らしい一日だった」と、メルセデスHPPのマネージングディレクター、ハイウェル・トーマスは語った。

    「私たちは立ち止まって成果を振り返る機会がほとんどないが、これほど多くの仲間とともにそれを共有できたことは特別だった。数字は驚異的で、ブリックスワース、ブラックリー、そしてマレーシアのペトロナスや世界中の仲間たち全員が、自らの貢献を誇りに思っていい」

    「ここメルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズでF1マシンを走らせたのは今回が初めてで、これ以上ふさわしいタイミングはなかった」

    「今日は過去12年の成功を記念する短い区切りに過ぎない。すぐに2026年に向けた目標に集中していく」

    「我々はいま、スポーツの次なる時代の入り口に立っている。新しいパワーユニットがバルセロナで初走行するまで、あと数週間しかない。2014年当時と同じような期待感をもって、その瞬間を待ち望んでいる」

    ターボハイブリッド時代を締めくくるこのイベントは、メルセデスにとって過去の栄光を称えると同時に、電動比率がさらに高まる2026年F1時代への助走でもあった。

  • メルセデスF1代表ヴォルフ、2026年を前に自問「十分に野心的だったのか」

    メルセデスF1代表ヴォルフ、2026年を前に自問「十分に野心的だったのか」

    2026年F1レギュレーションという大きな技術革命まで、残り1か月あまりとなった。メルセデスF1は新時代の有力候補の一角と見られているが、チーム代表トト・ヴォルフは、自分たちが設定してきた目標が本当に十分に野心的だったのかについて、率直な疑問を口にしている。

    メルセデスは2014年のターボ・ハイブリッド導入時に圧倒的な先行を築いた実績から、2026年に向けても高い評価を受けている。

    しかし今回の変更は、パワーユニットだけでなく、シャシーや空力を含めた全面的な刷新となり、当時以上に規模が大きい。

    新世代パワーユニットは、電動出力が最大350kWに引き上げられ、現在の約3倍の電気エネルギーを使用する。MGU-Hは廃止され、燃料は100%合成燃料となる。これらのマシンは来月、バルセロナでの非公開テストで初走行を迎え、その後2月にバーレーンで公式プレシーズンテストが行われる予定だ。

    W17プロジェクトは順調に進んでいるとされる一方で、ヴォルフは慎重な姿勢を崩さない。

    「これは非常に予測が難しい。我々は設定した目標に向けて順調に進んでいるが、その目標が十分に野心的だったのか、優先順位の置き方が正しかったのかは、将来になってみなければ分からない」

    彼は過去のレギュレーション変更時の経験とも重ね合わせる。

    「2013年のブラジルGPでの記者会見を覚えている。私は紙切れに、コンストラクターズ選手権で2位になるために必要なポイントを計算していた。結果的に我々は3勝を挙げ、その2位は、2025年の2位よりもずっと喜びの大きいものだった。なぜなら、どこから来たのかを分かっていたからだ」

    一方で、2014年を前にした状況とは明確に違うと強調する。

    「2014年の冬には、すでに感覚が違っていた。完全なマシンを最初にベンチで回し、エンジンは他よりも信頼性が高かった。テスト初日から、誰も我々と同じ走行プログラムをこなしていなかったし、それは2日目も同じだった」

    「だから今回は比較できない。今のグリッドは、当時よりはるかに競争力が高い」

    今季序盤、ヴォルフは2026年マシンの潜在能力について「すべてのエネルギーを1本のストレートに使えば、時速400kmに達する」と発言し、パドックで大きな議論を呼んだ。FIAのニコラス・トンバジスは、実際のレースでそのような速度になることはないと説明している。

    この発言の真意について、ヴォルフは次のように説明する。

    「いいえ、2026年に向けて準備ができていると示す意図ではなかった。多くの人がこのエンジンを過小評価していたので、マーケティング的に少し後押しする必要があると感じた。これは本当に驚異的なエンジニアリングの結晶だからだ」

    「もしFIAが、すべてを積み重ねると400km/h、あるいはそれ以上に達し得るという理論上の話を聞いて、サーキットの安全基準に急に不安を抱いたのだとしたら、それはあくまで理論だ。次のストレートにはエネルギーが残らず、十分な速さは出せない」

    2026年のパワーユニットが現行と比べてどれほど強力なのかについても、期待を抑える。

    「最大出力は、常にほぼ同じ水準に保つ意図だった。正確な比較はしていないが、ストレートの入り口では非常に近い」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1

    2026年を前に見えるメルセデスF1の不確実性
    ヴォルフの発言からは、2014年のような明確な手応えではなく、競争環境の読みづらさが強くにじみ出ている。技術的な準備が進んでいても、それが相対的な優位につながるかどうかは、グリッド全体の完成度次第だという認識がある。

    技術面だけでなく、ヴォルフ自身の将来についても話題は及んだ。2012年に株主兼エグゼクティブディレクターとしてメルセデスに加わり、2013年にCEO兼チーム代表に就任。その後、チーム株式の33%を保有するまで影響力を高めてきた。

    最近では、その33%のうち15%を、CrowdStrike創業者でCEOのジョージ・カーツに譲渡し、現在の持ち分は全体で28%となっている。

    「一生この世界にいると思うか?」という問いに、ヴォルフは即答した。

    「何らかの形では、そうだ。スージーと私はチームの一部を所有している。これは我々のスポーツであり、我々の世界だ。将来、エグゼクティブなのか、ノンエグゼクティブなのか、会長なのか、取締役の一員なのかは分からないが、長期的に関わることになると思う」

    「原動力になるのは成功であって、利益ではない。常に新しい目標がある。たとえノンエグゼクティブになったとしても、完全に距離を置けるとは思えない。もっと良いやり方があると、いつも思ってしまうだろうから。ソファに座りながら、後講釈で『自分ならもっと良い決断をしていた』と言う、あの厄介な株主になるだろう」

    2026年F1を前に、メルセデスF1とトト・ヴォルフが抱えるのは、自信と不安が交錯する極めて現実的な問いだ。新時代の答えは、コース上でしか示されない。

  • メルセデスF1代表 アントネッリを評価「F1の弱肉強食の世界で立場を守った」

    メルセデスF1代表 アントネッリを評価「F1の弱肉強食の世界で立場を守った」

    アンドレア・キミ・アントネッリにとって、F1での初シーズンは順風満帆とは言い難いものだった。だがメルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、厳しい評価や外部からの批判がある中でも、この若きイタリア人ドライバーが「F1という世界の弱肉強食の世界の中で、自分の立場を守った」と高く評価している。

    シーズン開幕時点ではまだ18歳だったアントネッリは、全24戦という自身初の長丁場を戦い抜き、150ポイントを獲得。

    チームの前任者であるルイス・ハミルトンとの差は10ポイント未満に抑え、ドライバーズランキング7位でシーズンを終えた。

    好スタートと試練の夏
    序盤戦は上々だった。安定したレースペース、印象的な走り、そしてカナダGPでの初表彰台が、アントネッリの才能を明確に示した。しかし夏場に入ると状況は一変。ヨーロッパラウンドでポイントを獲得できないレースが続き、精神的にも大きな試練を迎えることとなった。

    終盤での巻き返しと復活の証明
    それでもアントネッリは立ち直る。シーズン終盤にはブラジルGPとラスベガスGPで再び表彰台に立ち、特にサンパウロでの2位は、停滞していたシーズンを再び前向きなものへと変えた。

    若すぎるルーキーへの批判
    この回復力は多くのライバルからも評価された一方で、批判の声もあった。レッドブルのアドバイザーを退任するヘルムート・マルコは、これほど若いルーキーをメルセデスのマシンに乗せる判断そのものに疑問を呈していた。

    ヴォルフが語る“予想通りの一年”
    アブダビGP後、ヴォルフはあらためてアントネッリが置かれていた状況と、その中で見せた成熟ぶりを強調した。

    「シーズン前にも言ったように、彼の才能を示す天才的な瞬間もあれば、こちらが頭を抱えるような瞬間もあるだろうと分かっていた。」

    「まさにそういう日々こそが、彼に最も多くを教えてくれる。我々は浮き沈みを経験し、そして非常に多くを学んだ。」

    “F1の弱肉強食の世界”の中で
    ヴォルフは、タスクの難しさを次のように表現している。

    「特にこのようなシーズンを終えたあとで思い出すべきなのは、キミはまだ19歳だということだ。F1という弱肉強食の世界に、初めて放り込まれた。私は、彼は自分の立場をしっかり保ったと思っている。そして将来に対して大きな期待を抱いている。」

    若いドライバーとの向き合い方
    さらにヴォルフは、メルセデスF1としても未経験だった“10代のレギュラードライバー”との関係性について語った。

    「キミと話すとき、うまくいっている時もそうでない時も、我々は非常に率直だ。ただし、相手は大人ではないということを忘れてはいけない。キミはどちらかと言えば大人よりも子どもに近い。彼は19歳なんだ。」

    「確かにクルマの中ではプロだ。ずっとカートやレースをしてきた。ただ、その成熟度を見ていると、あまりにも急激な成長を期待してしまいがちで、それが難しさでもある。彼はこの世界に一気に放り込まれた。」

    批判とプレッシャーの中で
    ヴォルフは続ける。

    「彼の最も苦しかったレースを見ても、あれほどの注目とメディアからのプレッシャーの中で経験を積んでいるのは、本当に印象的だ。あらゆる方向から批判される。しかもチームメイトは非常に速く、経験も豊富だ。それでも彼は常に対処してきた。将来に向けて大きなポテンシャルを示していると思う。」

    アンドレア・キミ・アントネッリ F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    19歳の自分と重ねて
    ヴォルフは、自身の若い頃と比較しながらこう締めくくった。

    「私が19歳だった頃は、正直かなり愚かだった。彼が受けているようなプレッシャーには耐えられなかっただろう。だから彼と話すとき、時々少し厳しくなりすぎる。そこで自分に言い聞かせるんだ。待て、彼はまだ子どもなんだ、と。それは我々にとっても興味深い学びだ。」

    アントネッリ自身が語る疲労
    シーズン最終戦後、アントネッリ本人も、過酷な一年を戦い抜いた疲労を隠さなかった。

    「正直、かなり疲れている。」

    「最後のレース週末は、体調面でも万全ではなかった。健康面でもあまり良い状態ではなかったので、この冬はしっかり休めるのが楽しみだ。」

    「これで初めてのシーズンが終わった。これから1か月かけて振り返り、もっと強くなって戻ってきたい。」