カテゴリー: メルセデスF1

  • メルセデスF1、2026年F1シーズンに向け新ロゴを公開

    メルセデスF1、2026年F1シーズンに向け新ロゴを公開

    メルセデスF1チームは、2026年F1シーズンに投入される新車「W17」の発表を前に、新たなチームロゴを公開した。

    メルセデスは、2014年から2021年にかけてコンストラクターズタイトル8連覇という記録的な成功を収め、F1近代史で最も成功したチームのひとつとして知られている。

    この期間には、当時メルセデスに所属していたルイス・ハミルトンが2014年、2015年、2017年から2020年までの6回、そしてニコ・ロズベルグが2016年にドライバーズタイトルを獲得した。

    しかし、2022年から2025年にかけて続いたグラウンドエフェクト時代では成績が落ち込み、直近4シーズンでの勝利数はわずか6勝にとどまっている。

    2025年はラッセルが2勝、コンストラクターズ2位
    その6勝のうち2勝は2025年にジョージ・ラッセルが挙げたもので、メルセデスはシーズンを通して安定した戦いを見せ、独走優勝を果たしたマクラーレンに次ぐコンストラクターズランキング2位でシーズンを終えた。

    2026年シーズンのドライバーラインアップは、ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリのコンビとなる。

    F1 2026年レギュレーションとメルセデスの準備
    2026年F1シーズンからは、電動化比率50%、完全持続可能燃料、そしてアクティブエアロダイナミクスの導入など、大幅なレギュレーション刷新が行われる。

    メルセデスの新規則対応は順調に進んでいると広く見られており、先月には、同じく2026年から新体制となるレッドブル・パワートレインズとともに、エンジン規則の“抜け穴”を見つけたとの噂も浮上していた。

    そうした新時代を前に、メルセデスは木曜日の朝、ソーシャルメディアへの投稿を通じて新ロゴを披露した。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1

    カラーリング継続を示唆する新ロゴ
    公開されたロゴは、近年のメルセデスのカラースキームであるブラック、ホワイト、そしてタイトルスポンサーであるペトロナスのティールカラーが、2026年も引き続き採用される可能性を示唆している。

    メルセデスは2020年、世界的な反人種差別運動を背景にブラックリバリーへと変更。その後2022年にシルバー基調へ回帰したが、2023年には再びブラックを主体とするカラーリングを採用した。

    さらに2024年と2025年には、シルバーとブラックを融合させたリバリーで戦っている。

    W17の発表時期と2026年シーズン日程
    現時点で、W17の正式な発表日は明らかにされていない。

    F1は1月26日から30日にかけて、非公開のテストをバルセロナで実施。その後、来月にはバーレーンで2回の公式プレシーズンテストが行われる予定だ。

    2026年F1シーズンは、3月8日に開催されるオーストラリアGPで開幕する。

  • 2026年F1最大の落とし穴 シミュレーションと現実の乖離にメルセデスが警鐘

    2026年F1最大の落とし穴 シミュレーションと現実の乖離にメルセデスが警鐘

    2026年に控えるF1史上最大級の技術革命を前に、メルセデスF1チーム代表のトト・ヴォルフは、各チームにとって最大の危険は「シミュレーション、開発ツールと実際のサーキットとの間に生じる大きな乖離」だと警鐘を鳴らした。

    来季は、シャシー規則とパワーユニット規則が同時に刷新される、世界選手権の歴史でも例を見ない大転換点となる。

    新世代マシンにはアクティブエアロダイナミクスが導入され、エンジン側では電動システムが大幅に強化される。バッテリーから供給される出力は、2025年の120kWから最大350kWへと引き上げられ、同時にMGU-Hは廃止される。

    こうした背景から、2014年のターボハイブリッド導入時に圧倒的な成功を収めたメルセデスが有力視されることも多い。しかし同チームは、前回の大きなレギュレーション変更で苦い経験も味わっている。2022年にグラウンドエフェクトカーが導入された際、8年連続で獲得していたコンストラクターズタイトルの連続記録は途絶えた。

    そのためヴォルフは、新型マシンが実際に走り出すまでは、いかなる予測も不確かなものに過ぎないと強調する。

    「将来になってみないと分からない」と、メルセデスが再びトップに返り咲くという予測について問われた際、ヴォルフは答えた。

    「人は成功や失敗を、すべてを決定づける一つの要素に還元したがる傾向がある。そしてそれをエンジンだと考えがちだ。しかしエンジンは決してすべての基盤ではない。むしろエネルギーマネジメントの方が、確実により重要になるだろう」

    さらに、分析における短絡的な見方に対しても注意を促す。

    「新しい経営陣やチーム代表、テクニカルディレクター、空力責任者が来たとか、天才が加わった、あるいは天才ではない人間がチームの運命を変えた、といった話がよく出る。それらは要因ではあるが、それだけではない」

    「本質的には、正しいデータセットを基に、適切なインフラを備え、そして何よりも仮想世界と現実世界との間で最高の相関を持ちながら、集団として正しい判断を下せる人々の集まりなのだ」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1

    そしてヴォルフは、まさにこの点こそが2026年に向けた準備における最大のリスクだと指摘する。

    「なぜなら、今日では数多くの制限がある中で、クルマというものはこれらのツールの中で発見されるからだ」

    「そして、そこで見えているものが、実際にクルマをサーキットに持ち出したときの現実を反映していなければ、それこそが、どのチームにとっても最大の危険になる」

    メルセデスのトップとして知られる慎重な姿勢は、将来の勢力図に対しても変わらない。

    「私は決して自信満々になることはない。常にコップは半分空だと見る人間だ」

    「だから我々は、チャンピオンシップを争えるだけの競争力を持つシャシーとパワーユニットを生み出すために、できることをすべてやるだけだ」

  • メルセデスの2026年F1エンジン最強説にボウルズが疑問「ライバルの策略」

    メルセデスの2026年F1エンジン最強説にボウルズが疑問「ライバルの策略」

    2026年F1レギュレーションを前に、メルセデスのパワーユニットが「最強候補」と見なされている現状について、ウィリアムズF1のチーム代表であるジェームス・ボウルズが慎重な見方を示した。

    ボウルズは、現在広がっているメルセデス優位論について「前提そのものが根拠薄弱だ」とし、一部のライバルが意図的にナラティブ(物語)を作ろうとしている可能性に言及している。

    「誰も結果は分からない」ボウルズの警鐘
    2026年に向けて、メルセデスは最有力エンジンサプライヤーと目されてきた。カスタマーチームであるウィリアムズも、その恩恵を受ける立場にある。

    しかしボウルズは、この見方そのものに疑問を投げかける。

    「誰も分からない。どのエンジンメーカーも、自分たちがどこに位置するか分かっていない」とボウルズは語っている。

    さらに、現在流布している憶測の一部について、次のように踏み込んだ。

    「正直に言えば、あるチームとパワーユニットメーカーが、規則変更を引き出すために物語を作ろうとしている部分もあった」

    そのうえで、他メーカーを軽視する見方を明確に否定している。

    「フェラーリが悪い仕事をしているとは到底思えない。彼らは毎年この分野を非常にうまく仕上げてくる」

    「ホンダは今年、ベンチマークとなるエンジンを作ってきた。2014年のように、1社が独走して全チームを引っ張る状況にはならないと思う」

    ここで言及されたフェラーリとホンダは、それぞれフェラーリ、ホンダとして、2026年に向けて依然として強力な存在感を放っている。

    ウィリアムズとメルセデスの2026年準備
    ボウルズは、ウィリアムズとメルセデスが2026年に向けて早期から協力してきた点についても説明している。

    「我々は2024年初頭、契約を結んだ時点からメルセデスと2026年に特化して作業してきた。言えるのは、彼らはしっかり準備をしてきたということだ。それが何を意味するかは、実際に走ってみないと分からない」

    ウィリアムズは2025年シーズンのコンストラクターズランキングで5位に入り、規則変更前としては異例の好位置につけた。さらに、過去12か月間はアップグレード投入をほぼ抑え、2026年マシン開発に集中してきた点も注目を集めている。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1

    2014年の再来はないのか
    アナリストの多くが、メルセデスの信頼性と実績を理由に、再びベンチマークになると予想しているのも事実だ。

    ただし、2014年のハイブリッド導入時のような圧倒的優位を再現するのは難しいと見られている。当時のメルセデスは、他メーカーを大きく引き離す準備期間を確保していた。

    それでも、2026年に向けた立ち位置という点では、メルセデスは新規参入組より優位にある。アウディやレッドブルと比べると、人的規模や開発施設の差は依然として大きい。

    一方で、ホンダは当初2026年F1参戦を見送る意向を示しており、その後の方針転換によって数か月の開発遅れが生じたとされる。致命的ではないものの、無視できない中断だった。

    フェラーリについても、近年は高水準のエンジンを供給してきたが、直近の報道ではいくつかの小さな問題を抱えているとされている。シーズンを左右するレベルではないものの、リスクの高いアプローチであることを示唆している。

    評価はテストまで持ち越し
    結局のところ、メルセデスが「強力で電動効率が高く、信頼性のある」パワーユニットを持つという見方は、まだ証明されていない。

    「すべてはマシンが走り出してからだ」

    というのが、ボウルズの一貫したスタンスである。

    興味深いのは、こうした慎重論がある一方で、ドライバー側からは前向きな声も出ている点だ。アルピーヌF1のピエール・ガスリーも、メルセデスの2026年エンジン開発について良好な情報を得ていると明かしている。

    それでもなお、ボウルズの言葉が示すのは明確だ。

    現在語られている「メルセデス最強説」は、事実ではなく物語に過ぎない可能性がある。そして、その物語を覆すかどうかは、他メーカー次第だ。

  • キミ・アントネッリ 激動の2025年F1ルーキーイヤー「全てが成長の糧だった」

    キミ・アントネッリ 激動の2025年F1ルーキーイヤー「全てが成長の糧だった」

    アンドレア・キミ・アントネッリは、F1デビューシーズンとなった2025年を振り返り、成功と挫折、プレッシャーと批判のすべてが自身を大きく成長させたと語った。

    10代でトップチーム・メルセデスのシートを任され、ルイス・ハミルトンの後継という重圧を背負った1年は、アントネッリにとって結果以上に「精神的な成熟」をもたらしたという。

    「メルボルンの自分とは別人だ」
    シーズン開幕戦メルボルンを振り返り、アントネッリは自身の変化を率直に認める。

    「今振り返ると、当時はクルマの中でとても緊張していた。今はまったく違う。精神的に大きく成長したし、この1年は自分をあらゆる面で成熟させてくれた旅だった。」

    「順調な序盤、そして突然訪れた停滞」
    メルボルンからカナダGPまでは、F1という新しい世界を学ぶ前向きな時間だったという。

    「想像していた以上に多くの新しい経験があった。とにかく学ぶことが多かった。」

    しかしモントリオール以降、流れは一変する。

    「期待していた進歩が見えなくなり、精神的にもかなりきつかった。自分が望んでいたシーズンの形から外れてしまった感覚があった。」

    「モンツァで失った方向性と、ゼロからの再出発」
    母国イタリアGPのモンツァは、キャリア初年度で最も厳しい週末だった。

    「その時期はフラストレーションが多く、結果ばかりを考えていた。クルマに乗るたびに自分に強いプレッシャーをかけすぎていた。」

    モンツァ後、チーム代表のトト・ヴォルフ、そしてレースエンジニアのボノ(ピーター・ボニントン)とのミーティングが転機となった。

    「思っていることを率直に言われた。でも建設的な批判だった。それを前向きに受け止めて、『ゼロからやり直そう』と決めた。」

    「噂と外圧は、確実に心に残る」
    不調期には、将来を巡る噂や外部からの声も重なった。

    「長期契約があることは分かっていた。でも、そういう噂はどうしても考えてしまう。精神的に厳しい瞬間で、クルマに乗っている時にも影響する。」

    それでも、1年を経て考え方は変わったという。

    「成長するというのは、こうした側面と向き合うことでもある。今は、1年前よりも先がはっきり見えている。」

    「忘れられない“トンネル”の感覚」
    数々のハイライトの中でも、ラスベガスGPでの体験は特別だった。

    「リズムをつかんで、まるでトンネルの中にいるような感覚だった。すべてが自動的で、考えず、本能だけで走っていた。」

    その集中状態は、無線すら現実に引き戻す存在に感じたという。

    「ボノの無線が聞こえると、トンネルから引き戻される感じがした。それくらい特別な感覚だった。」

    アンドレア・キミ・アントネッリ F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    「ラッセルは最高の基準点」
    チームメイトのジョージ・ラッセルの存在も、成長を加速させた。

    「彼は本当にグリッドで最も強いドライバーの一人だと思う。テレメトリーを見ると、『もっとプッシュできた』と気づかされることが何度もあった。」

    「比較することで、自分がやりすぎている時、足りない時が分かった。多くを学べたし、一緒に仕事をするのが楽しかった。」

    「F1は想像以上にエネルギーを消耗する」
    F1での生活そのものも、大きな試練だった。

    「体力だけでなく、精神的なエネルギーをものすごく使う。クルマに乗る時に100%でなければ、パフォーマンスは確実に落ちる。」

    トップチームで走る重圧についても、率直に語る。

    「メルセデスというブランドを背負って走る以上、プレッシャーは常にある。でも、その責任を果たしたいと思っている。」

    「2026年は、すべてがチャンスになる」
    新レギュレーションを迎える2026年に向け、アントネッリは前向きだ。

    「全員がゼロからのスタートになる。それがとてもモチベーションになっている。」

    「競争力のあるクルマがあれば、あとは自分次第だ。早く正しい方向性を見つけた者が、大きなアドバンテージを得る。」

    2025年のルーキーシーズンを通じて、アンドレア・キミ・アントネッリは結果以上に“耐える力”と“立て直す力”を身につけた。
    本人の言葉が示す通り、この1年は「苦しかったが、確実に未来につながる一年」だった。

  • メルセデスF1はFIAのフレキシウイング規制にどう対応したのか

    メルセデスF1はFIAのフレキシウイング規制にどう対応したのか

    フレキシウイングは、メルセデスがF1マシン開発を立て直すうえで助けとなったが、その一方でFIAの介入に対してより脆弱になることも意味していた。

    8年連続でコンストラクターズタイトルを獲得した後、メルセデスは2022年にグラウンドエフェクト時代を出遅れた状態で迎えた。いわゆるゼロポッドコンセプトはポーパシング現象に対してより敏感であり、その後のシーズンを通してチームは追いつくために懸命に戦う必要があった。

    F1マシンのパフォーマンスを改善するためにチームが検討した解決策の一つがフレキシブルウイングであり、トラックサイド・エンジニアリング・ディレクターのアンドリュー・ショブリンによれば「かなりうまく機能していた」という。

    「ここ数年、低速コーナーでマシンを効果的に曲げることに苦労してきた」とショブリンは説明する。

    「リアタイヤの温度に関する問題の一部は、ドライバーがマシンを回頭させるためにアクセルを使わなければならなかったことに起因していた。そこから有益な開発の方向性が見えてきて、フロントウイングをしならせるようにした。それによって低速では助けになり、高速ではリアが安定し、うまく機能していた。ただし、FIAは今年、その点をかなり制限するルールを導入した」

    FIAは2025年のF1シーズン中に、フレキシウイングとして知られる柔軟なウイングに対する取り締まりを強化した。この措置によりフロントおよびリアウイングに許容される弾性が制限され、最も厳しいテストはスペインGPの週末に導入された。これらのテストは各チームに異なる影響を及ぼした。一部ではマクラーレンのウイングが制限され、同チームの支配が終わると予想する声もあったが、その予測は的中しなかった。一方で、新しいテストがメルセデスにとって不利に働いたのは事実だった。

    「バルセロナでそのルールが導入された後、適応するのに少し時間がかかった」とショブリンは認める。

    「最速のマシンを持っていないときは、最速のチームが誰で、何をしているのかを見ることになる。我々はマクラーレンのリアサスペンションを観察し、アンチリフトを使って、コーナー進入時にリアをいかに低く保とうとしているのかが見えてきた」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1

    メルセデスがフレキシブルウイングというアイデアを検討するに至った問題は、2022年にF1のレギュレーションが変更された際にドイツのチームが直面した数多くの課題の一つにすぎなかった。そしてショブリンは、メルセデスがその変化を「過小評価していた」とまでは言わないものの、レギュレーションのいくつかの側面については「十分な努力を払っていなかった」と認めている。

    「これらのレギュレーションが導入された当初、コーナー全体で良好なバランスを作るという課題、つまりターンイン時の安定性、エイペックスでの回頭性、立ち上がりでの良好なトラクションを過小評価していたとは言わない。ただ、2020年と2021年のマシンが持っていた強みを十分に引き継ぐことに、我々は十分な注意を払っていなかったのは明らかだ」とショブリンは語る。

    「今ではすべてのチームが、コーナーでは似たような速度で走っている。違いは、そのバランスが特定のサーキットにどれだけ適しているかにあり、それこそが今、チーム同士を分けている要素だ」

    メルセデスは現在、2026年に予定されている次のF1レギュレーション変更に向けて準備を進めている。この新ルールではマシンとパワーユニットが大きく変わることになる。ショブリンはチームに「まだやるべきことは多い」としつつも、今回の変化については「1か月前よりも脅威に感じなくなっている」と認めている。

  • ジョージ・ラッセル、F1タイトル争いに自信「フェルスタッペンと戦いたい」

    ジョージ・ラッセル、F1タイトル争いに自信「フェルスタッペンと戦いたい」

    メルセデスのジョージ・ラッセルは、2025年F1シーズンを非常にポジティブな形で終えたことを受け、自身には世界タイトルを争うだけの才能があると確信していると語った。

    ルイス・ハミルトンと3年間チームメイトとして戦い、獲得ポイント数や勝利数でほぼ互角の成績を残したラッセルは、ブラックリーのチームにおけるエースドライバーとしての地位を確立。2026年はルーキーのアンドレア・キミ・アントネッリとコンビを組む。

    2025年、ラッセルはタイトル争いを繰り広げた3人を除けば、唯一グランプリ優勝を挙げたドライバーだった。24戦中18回でトップ5フィニッシュを果たし、ポイントを逃したのはモナコで11位に終わった1度だけ。さらに、レースを完走できなかった原因となる接触やアクシデントなしで45戦連続を記録するなど、その安定感がメルセデスのコンストラクターズランキング2位に大きく貢献した。

    自身最高のシーズンだったのか
    「間違いなく、パフォーマンスという意味では最も堅実なシーズンだった。最も安定していて、ミスも一番少なかった。だから、全体として見てもそう言えると思う」

    “マックスと戦いたい”という思い
    「自分にはそれができると確信している。トップドライバーたちと競える。マックス(フェルスタッペン)は、今この瞬間の基準となる存在だ。彼こそが、僕が戦いたい相手だし、誰も疑問を挟まない唯一の存在だと思う。自分の競争力を試すために、チームメイトになってみたいと思える唯一のドライバーでもある」

    もっとも、これまでラッセルはフェルスタッペンと本格的なタイトル争いを演じるまでには至っていない。オランダ人ドライバーが、通常はより競争力のあるマシンを手にしてきたためだ。ただし2025年は、シルバーアローが過去よりも頻繁にトップレベルに近づいたシーズンでもあった。

    ジョージ・ラッセル メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    シューマッハから得た教訓
    来季でF1参戦8年目、メルセデス加入5年目を迎えるラッセルは、ミハエル・シューマッハのキャリアにインスピレーションを見出している。シューマッハはフェラーリで勝てるチームを築き上げ、マラネロ加入5年目に初のタイトルを獲得。その後、1996年から1999年までの無冠時代を経て、5連覇を達成した。

    「シューマッハがフェラーリで最初のタイトルを獲るまでに5年かかったことを、いつも思い出す。人々は栄光の時代だけを覚えているけれど、タイトルを獲れなかった最初の4年間を覚えている人はほとんどいない」

    「正直に言えば、選手権2位で終わろうが20位で終わろうが、僕にとってはほとんど同じだ。勝てていないという点では変わらない。ウィリアムズにいた頃、毎週末最下位争いをしていたけれど、それは本当にフラストレーションが溜まった。でも今の立場でも、タイトルを争っていないという意味では大きな違いはない。タイトルを争うか、争わないか。そのどちらかで、2位争いをしたいと思う人なんて誰もいないんだ」

  • メルセデスF1代表 ジョージ・ラッセルの2025年を評価「彼がいることは幸運だ」

    メルセデスF1代表 ジョージ・ラッセルの2025年を評価「彼がいることは幸運だ」

    トト・ヴォルフは、ジョージ・ラッセルの2025年F1シーズンを高く評価し、メルセデスはこの英国人ドライバーを擁していることを「幸運だ」と語った。

    ラッセルは2025年シーズンにおいて、最も安定したパフォーマンスを見せたドライバーのひとりとなった。ドライバーズランキングでは、タイトル争いを繰り広げた3人に次ぐ4位でシーズンを終えた。

    27歳のラッセルは、カナダとシンガポールでの2勝を含む9回の表彰台を獲得した。両レースではいずれもポールポジションから勝利を飾っている。

    彼のシーズンを象徴したのは一貫性だった。モナコで2周を残した以外、全レース周回を完走し、予選では1戦を除いてすべてトップ6以内に入った。

    ルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍を受け、ラッセルはルーキーのアンドレア・キミ・アントネッリとともに、自然な形でチームリーダーの役割を引き受けた。

    「彼のパフォーマンスは本当に際立っていた」とヴォルフはシーズン終了後の総括で語った。

    「我々は常に、彼とアントネッリにとって運転しやすいクルマを与えられていたわけではなかった」

    「ある週末では、最初のフリープラクティスからクルマは素晴らしかったが」

    「別の週末では、まったくコントロールできず、速さがあり、安定したプラットフォームを与えられる領域に持ち込むことができなかった」

    「それでも彼は、ほとんどの場面でそれを乗り越えて走っていた。表彰台や勝利は、その証だ」

    2025年におけるラッセルのカナダでの勝利は、メルセデスにとってリアサスペンションに関する判断を誤らせる要因となったが、それでも彼は同年に2勝を挙げた。

    ジョージ・ラッセル メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    メルセデスが評価するラッセルの価値
    メルセデスは、マックス・フェルスタッペンの動向を注視していたため、ラッセルとの契約延長交渉を一時的に遅らせていた。

    最終的にフェルスタッペンはレッドブル残留を選択し、ブラックリーを拠点とするチームはラッセルの将来を確保することができた。

    将来的にフェルスタッペンが再び選択肢となる可能性は残されているものの、ヴォルフはラッセルのチームにおける価値は明白だと強調した。

    「ドライバーズランキングを見れば、我々が常にトップにいたわけではない中で、彼がどこでシーズンを終え、コンストラクターズ選手権(メルセデスはマクラーレンに次ぐ2位)にどれだけのポイントをもたらしたかが分かる」とヴォルフは語った。

    「それは彼が誇りに思うべきことだし、我々にとっても、彼を持っていることは幸運だ」

  • メルセデス 2026年F1エンジンの優位性を否定「ゴシップには流されない」

    メルセデス 2026年F1エンジンの優位性を否定「ゴシップには流されない」

    メルセデスF1の代表を務めるトト・ヴォルフは、2026年F1パワーユニットを巡る“優位性”の噂について語り、いかなる楽観論も否定した。

    近ごろ、メルセデスとレッドブルが、2026年F1レギュレーションのグレーゾーンを突くことでアドバンテージを得たのではないか、という報道が注目を集めている。報道によれば、ブラックリーとミルトンキーンズの両拠点で、内燃エンジンの圧縮比を“違法とは断定しにくい形”で引き上げる方法を見出した可能性があるという。

    新レギュレーションでは圧縮比は16:1に制限されているが、メルセデスとレッドブルは、2025年に求められていた18:1に近い水準を、特定の作動条件と熱状態のもとで維持できる“トリック”を発見したのではないか、とも言われている。その余剰分を測定・制限することは可能なのか、それとも開幕戦メルボルンにおいて把握できないのか、という疑問も浮上している。

    こうした“本命視”について、ヴォルフはF1公式サイトのポッドキャスト『Beyond The Grid』で問われ、次のように語った。

    「決して油断してはいけない。我々は常にコップは半分空だと見る人間で、半分満ちているとは考えない」とこの時期に出回るのは、あくまで噂話に過ぎないとヴォルフは語った。

    「すべては身内の敵から始まる。マクラーレンは今年、メルセデスのパワーユニットを使って最良のチームだった。もし仮に、我々が優れていると感じたことのないそのパワーユニットが本当に上回っているのだとしたら、まず倒さなければならないのはウィリアムズ、マクラーレン、アルピーヌだ」

    フォーミュラ1エンジン F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    彼は、メルセデスのユニットが何らかの優位性を持ってシーズンを迎える可能性自体は、否定しなかった。一方で、他チームの準備についても警戒を示す。

    「実際、彼らの一部、ウィリアムズやアルピーヌは、コンストラクターズ選手権で上位にいなかったため、風洞開発により多くの時間を使えている。こちらが把握していない革新を持ち込んでくるチームもあるかもしれない」と各チームのマシン開発は一様ではない、と評価した。

    そしてヴォルフは、噂話の危険性を皮肉交じりに指摘する。

    「だから、たとえメルセデスのパワーユニットが最も強力だったとしても、何も確実なことは言えない。こうした噂は常に危険だ。なぜなら、どこかの別チーム、別のパワーユニットメーカーや燃料サプライヤーが、『好都合だ。彼らが本命扱いされるのは歓迎だが、最終的にやるのは我々だ』と考えるからだ」。

    最後に、オーストリア人の代表は印象的な表現で締めくくった。

    「だから我々は、理髪店で交わされるようなゴシップには流されない」

    実際の力関係が明らかになるのは、1月26日から30日にかけてバルセロナで行われる非公開テストでマシンが走り出してからだ。それまで、この話題がクリスマスから年末年始にかけての“格好のネタ”であり続けることだけは確かだ。

  • メルセデス、ライバルがF1エンジン規則の「抜け穴」を見つけることを警戒

    メルセデス、ライバルがF1エンジン規則の「抜け穴」を見つけることを警戒

    2026年の大規模な規則改革を目前に控え、あるチームが決定的なアドバンテージを見つけ、F1の他チームに対して大きな先行を築くリスクを巡る議論が激しさを増している。

    新レギュレーションにはセーフガードが盛り込まれているものの、パドックの複数の技術責任者は、そのようなシナリオが依然として起こり得ると見ている。メルセデスF1のエンジン部門であるメルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズの責任者、ハイウェル・トーマスもその可能性を確信している一人だ。

    しかもこの発言は、メルセデスがレッドブル・フォードとともに、将来のエンジンの圧縮比に関するグレーゾーンの活用を巡る論争の渦中にある中で語られたものでもあり、いっそう重みを持つ。

    この話題がメディアで表面化する前、あるチームが抜け穴を見つけたり、規則のグレーゾーンを突いたりする可能性について問われたトーマスは、次のように迷いなく答えていた。

    「それは常に可能だ。本当に可能だ。エンジン規則全体はそれを避けるように設計されているし、やり方をある程度限定する制約もある。それでも、だ」

    それらの制約は“魔法の解決策”の出現を防ぐことを狙ったものだが、トーマスはF1がしばしば予想外の発見の舞台になってきたことを強調する。

    「もしそれがうまく機能していれば、誰かが大きく先行している可能性は低くなる。でも、誰も見ていない抜け穴や、誰も気づいていない信じられないトリックを見つけた人がいないと、誰が言える?」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ フォーミュラ1エンジン

    これほど大きな変化を迎えるにあたり、メルセデスはどのような姿勢で臨んでいるのか。ここでもトーマスは過度な楽観を戒している。

    「12月の時点で、パワーが足りない、信頼性が足りない、システム間の相互作用が十分ではない、そう感じなかったシーズンは一度もなかったと思う。そして、すべてを解決するために3か月が残されている」

    もっとも、数年にわたるパワーユニット凍結があった2025年については、懸念がやや小さかったことも認めている。サーキットでの負担が軽減された分、工場では新しいパワーユニットに全面的に集中できたからだ。

    「もしかすると、今のパワーユニットに関して、そう感じなかったのはこのシーズンが初めてだったかもしれない。それでも、最後の瞬間に必ず何かが驚きをもたらす。最適化すべき点や、発生するトラブルがある。我々のカスタマーチームでも、実際にいくつか起きている。F1は決して穏やかな流れではない」

  • マックス・フェルスタッペンはなぜ去らなかったのか メルセデスF1接触の真相

    マックス・フェルスタッペンはなぜ去らなかったのか メルセデスF1接触の真相

    2025年シーズン中盤、パドックを駆け巡った「マックス・フェルスタッペンがメルセデスに移籍するのではないか」という噂は、いつの間にか立ち上がり、そして静かに消えていった。

    その沈黙を破るように、フェルスタッペンが初めて当時の状況と自身の価値観について語った。そこにあったのは、単なる契約やパフォーマンスを超えた、レッドブルとの深い結びつきだった。

    噂が広がった2025年中盤と「一線」
    2025年F1シーズン中盤、2026年F1レギュレーション大改革を前に不確実性が高まる中で、フェルスタッペンの将来を巡る噂が一気に加速した。

    フェルスタッペンはレッドブルと2028年末まで契約を結んでいるが、それでも彼の名前はグリッド最大の「もしも」の中心に置かれた。

    この噂は8月のハンガリーGPを前に、公の場でいったん終止符が打たれる。

    「今こそ噂を止める時だと思う。僕にとっては、残ることはずっと明確だった」

    そう語り、2026年もレッドブルにとどまる意思を明言した。

    だが、明確さは「会話が一切なかった」ことを意味するわけではなかった。

    フェルスタッペンが語る“決断の基準”
    フェルスタッペンはBBC Sportのインタビューで、仮に将来を考えるとき、F1での速さだけでは決断に至らないと強調した。

    「僕にとってはF1だけの話じゃない。何かを変えるには、いろいろな要素がすべて揃わないといけない。将来の役割だったり、そういうことも含めてだ」

    「もし何かを変えるとしたら、それは本当に大きなことになる。ここは第二の家族のような存在だから、それを簡単に他で再現することはできない」

    「速いF1マシンが欲しいからとか、環境を変えたいからという理由だけで動くことはない。F1の外でやっていることも含めて、すべてが噛み合わないといけない」

    この言葉から浮かび上がるのは、フェルスタッペンの忠誠心が契約ではなく、文化的で感情的な結びつきに根ざしているという事実だ。

    マックス・フェルスタッペン メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    「話し合いはあった」──しかし意味合いは
    では、メルセデスとの話し合いは本当にあったのか。その問いに対し、フェルスタッペンは否定しなかった。

    「正直に言えば、話し合いは確かにあった。でも同時に、とてもフレンドリーでオープンなものだった。それ以上のものではない」

    興味や対話と、迷いは別物だという姿勢が、そこにはにじむ。

    フェルスタッペンにとって、価値を理解した上での対話は自然な行為であり、それが今いる場所への疑念を意味するわけではない。

    F1の外でも続く“完成形”への探求
    フェルスタッペンの視線は、常にF1の枠内だけに収まっていない。9月にはニュルブルクリンク北コースでGT3デビュー戦勝利を挙げ、その後も多様なカテゴリーで走り続けている。

    「常に細部を探し続けている。クルマを学び、自分自身を学ぶためだ。F1の外でもいろいろなことをしている」

    「いろいろなクルマを走らせることは、F1でレースをする上でも決してマイナスにはならない。より完成度の高い、オールラウンドなドライバーになるためだ」

    この姿勢もまた、彼が“今すぐ環境を変える理由がない”ことを物語っている。

    メルセデスとの話し合いは、確かに一瞬背景に存在した。しかし、レッドブルとの信頼、歴史、共有されたビジョンは揺らいでいない。

    速さと憶測に支配されがちなF1の世界で、フェルスタッペンのメッセージは静かだが明確だ。

    レッドブルを去るには、速いマシン以上の理由が必要になる。それは「家族」を書き換える決断に等しいのだから。