カテゴリー: メルセデスF1

  • ジョージ・ラッセルは圏外 エクレストンが2026年F1王者候補を断言

    ジョージ・ラッセルは圏外 エクレストンが2026年F1王者候補を断言

    ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、2026年F1第4戦マイアミGP終了時点でランキング2位につけているにもかかわらず、元F1最高責任者バーニー・エクレストンからタイトル候補として名前を挙げられなかった。

    2026年シーズンのメルセデスは開幕4連勝と圧倒的な強さを見せており、19歳のアンドレア・キミ・アントネッリが3連勝を達成。ランキング首位を走るアントネッリは、チームメイトのラッセルに20ポイント差をつけている。

    エクレストンは“2人だけ”をタイトル候補に指名
    元F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、スイス紙『ブリック』に対し、今季のタイトル争いはアントネッリとマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の2人に絞られるとの見解を示した。

    「アントネッリかフェルスタッペンがワールドチャンピオンになるだろう」

    「レッドブルは明らかに低迷を脱した。マックスは再び火がついた状態だ。そうなると彼は危険だ」

    一方で、ラッセルについては明確に選外扱いとなった。

    フェルスタッペンは74ポイント差でも警戒対象
    マックス・フェルスタッペンは開幕序盤に苦戦し、ランキング7位。アントネッリとは74ポイント差を抱えている。

    しかし、マイアミGPで投入されたアップグレードによってレッドブルRB22の競争力は改善。フェルスタッペン自身のパフォーマンスも上向いたことで、エクレストンは逆転の可能性を警戒している。

    実際、2025年シーズンにもフェルスタッペンは後半戦で大逆襲を見せた。

    オランダGP終了時点では首位と104ポイント差まで後退していたが、その後の8戦とスプリントで差を大幅に縮め、最終戦アブダビGPまでタイトル争いを持ち込んだ。

    最終的にはランド・ノリスにわずか2ポイント届かず5連覇を逃したものの、終盤3連勝を飾るなど驚異的な巻き返しを見せていた。

    ラッセル軽視は“実績差”の現れか
    現時点でランキング2位につけるラッセルを完全に外したことは、エクレストンが“勝負強さ”やタイトル争いの経験値を重視していることの表れとも言える。

    アントネッリはすでに3連勝で主導権を握り、フェルスタッペンは過去に何度も逆境からタイトル争いを成立させてきた。一方のラッセルは、安定して上位に入りながらも、ここ数戦ではアントネッリの勢いに押される展開が続いている。

    メルセデス内部では依然としてラッセルが経験面でチームを支える存在だが、2026年F1タイトル争いの主役として見られているのは、すでにアントネッリとフェルスタッペンなのかもしれない。

  • ジョージ・ラッセルに正念場 トト・ヴォルフ「F1カナダGPで反撃する」

    ジョージ・ラッセルに正念場 トト・ヴォルフ「F1カナダGPで反撃する」

    ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、F1カナダGPで反撃を狙う。メルセデスは開幕4戦を全勝し、コンストラクターズ選手権でフェラーリに70ポイント差をつけているが、チーム内ではキミ・アントネッリが急速に存在感を高めている。

    アントネッリは中国GP、日本GP、マイアミGPで3連勝を飾り、ラッセルに20ポイント差をつけてタイトル争いをリード。開幕戦オーストラリアGPを制したラッセルにとって、モントリオールは流れを取り戻す重要な一戦となる。

    アントネッリ3連勝で変化したチーム内の勢力図
    トト・ヴォルフは、ラ・ガゼッタ・デロ・スポルトに対し、アントネッリの直近3戦の勝利を率直に認めた。

    「このスポーツで我々が愛しているのは、レースの最後に時計が嘘をつかないことだ。そして時計は、キミが直近3つのグランプリで勝つにふさわしかったことを示している」

    一方で、ラッセルの不振がすべて本人の責任だったわけではない。中国GPではQ3で電気系のトラブルに見舞われ、マシンが1速に固定される問題を抱えながらも2位でフィニッシュした。日本GPではセットアップ変更が裏目に出たうえ、セーフティカーのタイミングと再スタート時のバッテリー充電問題が重なり、勝機を逃した。

    マイアミでは本人のミスも指摘
    マイアミGPでは状況がさらに厳しかった。ラッセルは中盤のテクニカル区間でバランスとタイヤのオーバーヒートに苦しみ、予選5番手、決勝4位。優勝したチームメイトのアントネッリから43秒遅れてチェッカーを受けた。

    ヴォルフは、ラッセルの停滞についてチーム側の問題や不運もあったとしながら、マイアミでは本人のミスもあったと認めた。

    「ラッセルはうまくいかなかった。場合によってはチームの問題や不運が原因であり、マイアミでは彼自身のミスによるものだった」

    トト・ヴォイルフ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    カナダGPから巻き返しへ
    それでもヴォルフは、ラッセルの実力に対する信頼を崩していない。カナダGPの舞台となるジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで、ラッセルが再び本来の競争力を取り戻すと見ている。

    「とはいえ、我々はジョージの価値を知っている。そして彼がカナダから戻ってきて、非常に競争力を発揮し、ライバルたちを苦しめる準備ができていることも分かっている」

    メルセデスが圧倒的な序盤戦を築くなか、焦点はチーム内のタイトル争いに移りつつある。アントネッリが勢いで先行する一方、ラッセルには経験と実績がある。カナダGPは、その均衡が再び動き出す最初の分岐点になる。

  • ジョージ・ラッセル FIAのF1レギュレーション協議を高評価「声を聞いてくれた」

    ジョージ・ラッセル FIAのF1レギュレーション協議を高評価「声を聞いてくれた」

    ジョージ・ラッセルが、2026年F1レギュレーションを巡るFIA(国際自動車連盟)との協議について「これまでで最も協力的だった」と異例とも言える高評価を与えた。

    FIAは2026年F1パワーユニットレギュレーションに対する懸念を受け、4月を通じてドライバー、チーム、関係者を交えた会合を実施。バーレーンGPとサウジアラビアGPの中止によって生まれた空白期間も利用され、議論が本格化した。

    “ドライバー不在”だった2026年レギュレーション策定
    今回の議論で焦点となったのは、2026年F1マシンで問題視されていた極端な速度差だった。

    特に日本GPで発生したフランコ・コラピントとオリバー・ベアマンの場面は、電力回生やエネルギー配分の影響によって、接近速度が危険なレベルに達する可能性を示したケースとして関係者の間でも議論になっていた。

    GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の理事を務めるラッセルは、もしドライバーが当初からレギュレーション策定に関与していれば、こうした問題は事前に予見できたと指摘する。

    「FIAと何人かのドライバーの間で本当に良い話し合いができたと思うし、彼らは懸念に耳を傾けてくれた」

    「この件に関して言えば、これまでで最も協力的だったと思う。それはポジティブなことだ」

    “閉鎖的なFIA”からの変化
    FIAとドライバー側の関係は近年、必ずしも良好とは言えなかった。

    特に2026年F1レギュレーション策定では、メーカーや技術側の議論が優先され、実際にマシンを走らせるドライバー側の意見が十分に反映されていないとの不満が以前から存在していた。

    そのため、ラッセルがここまで明確にFIAの姿勢を評価したこと自体が、現在の協議体制の変化を象徴している。

    「将来のレギュレーション策定でも、もっと我々を関与させたいという結論になった」

    「我々なら、実際に問題が起きる前に、いくつかの課題を予見できたかもしれない」

    今回マイアミGPから導入される修正では、過度なエネルギーハーベストによる速度差を抑制する方向へ調整が進められている。

    ラッセルも、その効果に一定の期待を示した。

    「主な目的は、フランコ・コラピントとオリバー・ベアマンの件で見られたような大きな接近速度をなくすことだった」

    「この新しいルールなら、あのインシデントは起きなかったと思う。それはポジティブなことだ」

    2026年F1レギュレーションは“完成形”ではない
    今回の動きは、2026年F1レギュレーションが依然として“調整段階”にあることも浮き彫りにしている。

    FIAはすでにマイアミGPでエネルギー運用ルールを一部修正しており、さらに2027年以降には内燃エンジン比率拡大や電動出力縮小など、より大規模な見直し案も議論されている。

    その中で重要になっているのが、“実際に運転する側”の視点だ。

    FIAがドライバーをレギュレーション議論に本格的に組み込もうとしている現在の流れは、2026年F1の混乱を受けた軌道修正とも言える。今後のレギュレーション議論では、これまで以上にGPDAの存在感が増していく可能性がありそうだ。

    Source: RacingNews365

  • F1 ドメニカリCEO アントネッリ過熱論に警鐘「レジェンドと比較すべきではない」

    F1 ドメニカリCEO アントネッリ過熱論に警鐘「レジェンドと比較すべきではない」

    F1 CEOのステファノ・ドメニカリが、2026年シーズンで躍進を続けるキミ・アントネッリへの期待を率直に語った。19歳のイタリア人ルーキーは開幕から鮮烈なパフォーマンスを披露しており、イタリア国内ではテニス界のスター、ヤニック・シナーになぞらえる声も高まっている。

    一方で、急激な期待の高まりに対しては慎重な姿勢も示した。ドメニカリは、過去のF1レジェンドとの安易な比較は本人にとっても不公平だと指摘しつつ、それでもアントネッリが特別な資質を持っていることは認めている。

    “過剰な期待”への警鐘
    ステファノ・ドメニカリは、イタリア人ジャーナリストのレオ・トゥッリーニとの対談の中で、アントネッリに向けられる熱狂について冷静な見解を示した。

    「キミを過去の偉大なドライバーたちと比較すべきではない」

    「それは彼に対して不公平だし、モータースポーツのレジェンドたちに対しても敬意を欠くことになる」

    「私はセナからシューマッハ、ライコネン、アロンソ、そしてハミルトンやフェルスタッペンに至るまで、彼ら全員を知っている」

    「彼らはそれぞれF1に消えることのない足跡を残した」

    2026年シーズンのF1では、新レギュレーション時代の主役候補としてアントネッリへの注目が急上昇している。メルセデス代表のトト・ヴォルフも先日、“期待の城”を築きすぎる危険性について言及していた。

    ドメニカリの発言は、その流れに同調するものだった。

    ドメニカリが感じる“特別な才能”
    その一方で、ドメニカリはアントネッリが持つ資質について高く評価した。

    「アントネッリについて印象的なのは、生まれ持ったスピードの感覚だけではない。ミスから学ぶ速さだ」

    「多くのイタリア人が彼をシナーと比較し、彼が呼び起こす感情に共感しているのも当然だと思う」

    さらに、F1 CEOという中立的立場を一瞬忘れるような場面もあった。

    「私の立場上、そんなことは言えない」

    そう笑ったあと、ドメニカリは本音を口にした。

    「でも言おう。もし彼がワールドチャンピオンになったら、私は本当にうれしいだろう」

    「同じ方言を話すし、彼は息子みたいなものだからね」

    イタリア国内では、フェラーリ以来となる“自国のスター候補”としてアントネッリへの期待が急激に高まっている。ドメニカリの言葉は、その熱狂を象徴するものでもあった。

    フェラーリへの複雑な思い
    ドメニカリは同時に、自身がかつて率いたフェラーリについても振り返った。

    「私がマラネロでチーム代表を務めていた時、2008年、2010年、2012年にドライバーズタイトルをわずかなポイント差で逃した」

    「もしあのタイトルを獲得していたら、私自身の物語も跳ね馬の歴史も変わっていただろうと、君は以前書いていたね。たぶんその通りかもしれない。でも、それは重要ではない」

    フェラーリF1は2026年シーズンでもタイトル争いに踏みとどまっているが、直近ではマクラーレンやレッドブルの勢いが目立っている。一方、メルセデスが選手権をリードしている状況だ。

    それでもドメニカリは、選手権争いはまだ終わっていないと強調した。

    「今のフェラーリに必要なのは、一貫性だと思う」

    「それに私は個人的に、この選手権はまだ開かれていると確信している。マクラーレンは戻ってきたし、フェルスタッペンもいる」

    「もしフェラーリが6月末までに1勝できれば、流れは変わるだろう。熱狂は力になるからだ」

  • メルセデスF1元エンジニア暴露「カスタマーPU供給には政治的判断がある」

    メルセデスF1元エンジニア暴露「カスタマーPU供給には政治的判断がある」

    メルセデスF1の元エンジニアが、カスタマーチーム向けPU(パワーユニット)の供給を巡る“政治的判断”の存在を明かした。

    2026年F1シーズン開幕後、マクラーレンはメルセデス製PUに関する情報共有の不足を示唆し、「同じ条件で戦っていない」と不満を漏らしていた。これに対し、トト・ヴォルフは「全チームを満足させることはできない」と説明していたが、今回の証言は、その背景にある“現実”を浮き彫りにしている。

    “速すぎるPU”は弱いチームへ? 元メルセデスF1エンジニアが証言
    元メルセデスF1エンジニアのホセマ・ガランは、ポッドキャスト「Minimo Comun Multiplo」で、自身が担当していたPU分析業務について詳細を語った。

    ガランは、PUの性能や信頼性を分析する役割を担っていたと説明。その中では、わずかに性能差のあるPUをどのチームへ供給するかという判断も行われていたという。

    「僕はその役割が本当に好きだった。パフォーマンスだけでなく、信頼性も含めて分析する必要があったからだ」

    「そこで常にジレンマがあった。『これは少し性能がいい。でも別の欠陥も見つかった。これをワークスに渡すのか? それともカスタマーに渡すのか?』という感じだ」

    さらにガランは、最終的な判断には“政治的要素”も存在していたと明かした。

    「通常はカスタマー側に渡していた。選手権順位に関係していたかどうかは言わないけどね」

    「ただ、その意味で政治的な判断は確実にあった。『このチームは基本的に成績が悪いから、一番いいものを渡しても我々を脅かさない』という考え方だ」

    「もちろん差は1000分の数秒レベルだ。FIAがこれを管理することはできない。これが現実の世界なんだ」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    マクラーレンF1は“知識不足”を克服?
    2026年シーズン序盤、マクラーレンは新世代メルセデスPUへの適応に苦しみ、ワークスとの差が指摘されていた。

    しかし、マイアミGPでは状況が一変。マクラーレンは大幅なパフォーマンス向上を見せ、逆にメルセデス側が「マクラーレンは何を変えたのか」を分析するためデータ確認を希望したとも報じられている。

    報道では、マクラーレンが短期間で“7分の1秒”近い改善を果たしたとの見方もあり、メルセデスにとっては警戒材料になりつつある。

    もちろん、メルセデスが意図的にマクラーレンへ“劣るPU”を供給していたと断定する材料は存在しない。現時点でそのような推測を行うのは危険だ。

    ただ、元内部関係者による今回の証言は、F1のカスタマーPU供給が単純な“完全イコール条件”ではない可能性を改めて示唆するものとなった。

    2026年F1で再燃する“ワークス優位”論争
    2026年F1レギュレーションではPU依存度が大幅に高まっており、エネルギーマネジメントやソフトウェア制御の重要性も増している。

    その中で、ワークスチームとカスタマーチームの間にどれほどの“見えない差”が存在するのかは、今後さらに大きな議論になりそうだ。

  • メルセデスF1 アルピーヌ株取得でも“支配否定” FIAは独立性を警戒

    メルセデスF1 アルピーヌ株取得でも“支配否定” FIAは独立性を警戒

    アルピーヌF1の株式売却問題が、新たな“マルチチーム化”論争へ発展している。

    ルノー傘下のアルピーヌF1では、24%の株式を保有するオトロ・キャピタルが持ち分売却を検討しており、その有力候補としてメルセデスF1の名前が浮上している。だが、この動きに対してFIA内部では「競技の独立性」を巡る懸念が強まっている。

    メルセデスF1による“アルピーヌ支配”を否定
    ザク・ブラウンは以前からレッドブルとレーシングブルズの関係性を批判してきた立場であり、今回のメルセデスによるアルピーヌ株取得についても「健全ではない」と警戒感を示している。

    FIA会長モハメド・ビン・スライエムも最近、この問題について公に言及。「マルチチーム所有」の問題を調査中であることを認めた。特定勢力が規則投票で過剰な影響力を持つことや、“スポーツとしての公平性”が損なわれればファン離れにつながるとの懸念を示している。

    そんな中、RACERによると、メルセデスは依然としてルノー側が最優先とする買い手候補だという。

    ただし、関係者は今回の取引について「純粋な金融投資」であり、メルセデスがアルピーヌを支配することにはならないと強調している。

    仮に取引が成立しても、ルノーは引き続き76%を保有する見込みで、メルセデス側に“支配権”は渡らない構図だ。

    トト・ヴォルフも以前、「アルピーヌをジュニアチーム化するつもりはない」と説明しており、レーシングブルズのような立場にはしない考えを示している。

    それでもFIA側が納得するかは未知数だ。現行レギュレーションでは、各F1チームが“独立した競技主体”として運営されることが求められている。

    約443億円規模の大型案件に
    今回売却対象となっている24%株式の評価額について、双方はまだ正式合意に至っていない。

    しかし、ブラックブック・モータースポーツによる試算では、その価値は約6億ドル(約443億円)規模に達すると見られている。

    なお、この案件には元レッドブルF1代表クリスチャン・ホーナーも関心を示しているという。

    レッドブル退団時の契約制限が今週で解除され、ホーナーは他チームでの活動が可能となった。アルピーヌ以外ではアストンマーティンとの関連も報じられているほか、自身のチーム設立やMotoGP転向など複数の可能性が取り沙汰されている。

    F1の“マルチチーム化”問題はさらに拡大か
    今回の案件は、単なる投資案件にとどまらない。

    2026年からアルピーヌはメルセデス製PUを搭載することが決まっており、そこへ資本関係まで加われば、“事実上の提携チーム化”との見方が強まる可能性がある。

    FIAが問題視しているのは、単純な株式保有そのものではなく、技術・政治・投票力が複数チーム間で連動する構造だ。

    レッドブルとレーシングブルズの関係性が長年議論されてきたなか、今後はメルセデスとアルピーヌの関係も、新たな焦点になっていく可能性がある。

    Photo:Getty Images

  • ジョージ・ラッセル 次世代F1レギュレーションにV8熱望「軽量化も必要」

    ジョージ・ラッセル 次世代F1レギュレーションにV8熱望「軽量化も必要」

    メルセデスのジョージ・ラッセルが、将来のF1レギュレーションについて自身の理想像を語った。2026年F1レギュレーション導入からわずか4戦ながら、すでにFIA内部やメーカー間では“次の時代”を見据えた議論が始まっている。

    FIA会長モハメド・ビン・スライエムが2030年までにV8エンジン復活の可能性に言及したことで、パドックでは次世代パワーユニット論争が活発化。そんな中、ラッセルは「V8」「持続可能燃料」「軽量化」を次のF1に必要な要素として挙げた。

    ジョージ・ラッセル「V8はかなりクール」
    ジョージ・ラッセルは次世代レギュレーションについて問われると、まずV8エンジン復活への期待を隠さなかった。

    「もちろん、話すべきことはたくさんある」とジョージ・ラッセルは語った。

    「V8に戻るというのは、かなりクールだと思う」

    「持続可能燃料というテーマも素晴らしいものだし、F1にとってすごく良い方向性だと思う」

    近年のF1はハイブリッド化と電動化を強く推し進めてきたが、2026年F1レギュレーションでは“電動比率50%”が過度になりすぎたとして、すでにエネルギー配分の見直し議論が進んでいる。

    その流れの中で、V8回帰論は単なるノスタルジーではなく、“よりシンプルで軽量なF1”を求める流れとも重なり始めている。

    「もっと軽いF1マシンが必要」
    ジョージ・ラッセルが特に強調したのがマシン重量だった。

    「もっと軽いマシンにする方法を見つける必要があると思う」

    「マシン重量を減らすことは、レースやドライバビリティの面でポジティブな影響があったと思うし、お互いに接近して戦えることにもつながっている」

    現在のF1マシンは安全装備やハイブリッドシステム大型化の影響で、20年前と比べて大幅に重量が増加している。特に2026年F1マシンでは大型バッテリーやエネルギー回生システムの存在が重量問題をさらに複雑化させている。

    その一方で、FIAとFOMは“オーバーテイク可能なF1”を維持したい考えも強く持っている。ラッセルも、単純に2000年代マシンへ回帰すればいいわけではないと語った。

    F1レギュレーション V型8気筒

    “黄金時代”でもオーバーテイクは少なかった
    ジョージ・ラッセルは、ファンから“F1黄金時代”と語られる2000年代初頭についても冷静な視点を示した。

    「20年前のF1は史上最高のマシンだったと言われているし、僕もあれはF1史上最もクールなマシンだったと思う」

    「でも、2000年代前半はほとんどオーバーテイクがなかった」

    「そこは忘れてはいけないし、次のステップを考える上で重要なことだと思う」

    近年のF1は空力規則変更によって接近戦を増やす方向へ進化してきた。一方で、“音”“軽さ”“シンプルさ”を求める声も根強い。

    2026年F1レギュレーションを巡る混乱が続く中、すでにパドックでは“2030年のF1”を巡る議論が始まっている。ラッセルの発言は、その流れを象徴するものとなった。

  • メルセデスF1 カナダGPで“0.3秒改善”狙う大型アップデート投入

    メルセデスF1 カナダGPで“0.3秒改善”狙う大型アップデート投入

    メルセデスF1は、2026年F1カナダGPで今季初となる本格的な大型アップデートを投入し、タイトル争いでの優位性をさらに強固にしようとしている。

    キミ・アントネッリが開幕4戦で3勝を挙げ、ジョージ・ラッセルとともにメルセデスをコンストラクターズ選手権首位へ押し上げるなか、チーム代表のトト・ヴォルフは「このアップデートは機能しなければならない」と明言。

    マクラーレンの追い上げが現実味を帯びる中、メルセデスは空力だけでなく、軽量化やスタート性能の改善にも踏み込んだ包括的パッケージで対抗する構えだ。

    メルセデスがカナダGPで投入する“大型進化版W17”
    イタリアメディア『アウトスプリント』によると、メルセデスはモントリオールでシモーネ・レスタ主導によるW17初の大規模空力アップデートを投入する。

    開幕からメルセデスは高い競争力を見せてきたが、マイアミGPではマクラーレンが大幅アップグレードを投入。トト・ヴォルフも「我々のマシンは、おそらくマクラーレンほどアップグレードのレベルに達していなかった」と認めていた。

    そのためカナダGPは、今季の勢力図を左右する重要な転換点になる可能性がある。

    「カナダで大型アップデートが入る。我々はそれが機能するようにしなければならない」

    「紙の上では『そうなればさらに速くなる』と言うのはいつでも簡単だ。しかし、それが実際にレーストラック上でそうならなければならない」

    今回のアップデートでは、フロントウイングから始まる気流制御の見直しが中心になるとされる。

    新しいフロント周辺のフロー構造に合わせて、フロントサスペンションのカーボンカバー形状やフロア設計も再構築される見込みで、風洞ではコンマ3秒前後の改善効果が期待されているという。

    “ブラックホール”だったスタート性能の改善
    メルセデスが今回重視しているのは空力だけではない。

    ヴォルフが「ワールドチャンピオンシップを勝ちたいなら、それは受け入れられない」と語ったように、今季のW17はスタート性能に深刻な課題を抱えている。

    「これは完全にチーム側の責任だ。ドライバーのミスではなく、我々のミスだった」

    「2人のドライバーがともに損をしており、それは受け入れられない。我々はチームとしてこれを制御できるようにしなければならない」

    報道によると、メルセデスのエンジニア陣は“大型ターボ”による影響低減に取り組んでいるという。

    同じPUを使用しながら、マクラーレンはスタート局面でより優れた制御を実現しているとされ、メルセデスは電子制御面の最適化によって改善を狙っている。

    マイアミではアントネッリが勝利したものの、スタートや序盤の加速では依然として不安定さを見せており、タイトル争いを本格化させる上でこの弱点克服は不可欠とみられている。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1 カナダグランプリ

    軽量化による“最低重量到達”も重要テーマ
    もうひとつの重要テーマが軽量化だ。

    メルセデスは軽量化されたギアボックスなどを導入し、W17を最低重量へ近づける作業を進めているとされる。

    最低重量に到達できれば、バラストを搭載できるようになり、重量配分の自由度が増す。これはセットアップの幅を広げるだけでなく、マシンバランスの最適化にも大きく寄与する。

    2026年型マシンは新レギュレーションによって電動比率が大きく増え、各チームが重量管理に苦しんでいる。その中でメルセデスは、パフォーマンスだけでなく運動性能面でも一歩先を行こうとしている。

    マクラーレンの接近にメルセデスが警戒感
    マクラーレンCEOのザク・ブラウンも、開発競争がさらに激化すると予告している。

    「もちろん、まだ投入するものはある。ただ残念ながら、他も同じことをしてくる」

    「メルセデスはここでまだアップグレードを持ち込んでいなかった。だから、彼らが何を持ってくるかを見てみよう。我々にもまだ手の内に残しているものがある」

    実際、マイアミではマクラーレンの進化幅がパドック内でも高く評価されていた。

    イタリア紙『ラ・ガゼッタ・デロ・スポルト』は、アントネッリの勝利について「最速のマシンを持たずに勝った」と評し、「この週末はマクラーレンの復活を示すものだった」と分析している。

    レッドブルのマックス・フェルスタッペンも、マイアミで投入した改善版パッケージについて「もちろん違う。僕は40秒遅れでフィニッシュした。スピンだけで40秒にはならない」と語り、依然としてトップ争いには届いていない現状を認めた。

    6月以降のPU規則変更も新たな火種
    さらに6月1日以降は、エンジン規則の運用変更も控えている。

    これまで常温で行われていた圧縮比の検査が、今後はオイル温度130度の状態で実施されるようになる。

    メルセデス陣営は「性能への影響はない」との立場を取っているが、パドック内では今後さらに厳格化される可能性を指摘する声もある。

    2026年F1は、電動と内燃の50対50構成を巡る議論や、エネルギーマネジメント問題、さらには将来的なV8回帰論まで含め、レギュレーションそのものが流動化している。

    その中でメルセデスは、シーズン序盤の優位を一時的なものに終わらせないためにも、カナダGPで“決定的な一手”を打とうとしている。

  • アントネッリ メルセデスF1で10年ぶり“開幕4戦100点” 王者級スタート

    アントネッリ メルセデスF1で10年ぶり“開幕4戦100点” 王者級スタート

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、2026年F1第4戦終了時点で100ポイントを獲得し、ここ10年で最も強力なシーズン序盤を記録したドライバーとなった。

    19歳のアントネッリは日本GPで今季2勝目を挙げたことで史上最年少の選手権リーダーとなり、続くマイアミGPでも勝利。これにより、自身最初の3回のポールポジションをすべて勝利につなげた史上初のドライバーとなった。

    F1公式サイトは、この100ポイント到達が2016年のニコ・ロズベルグ以来の記録であると特集している。

    ロズベルグ以来となる“開幕4戦100点”
    アントネッリは今季ここまで3勝を記録。さらに開幕戦オーストラリアGPで2位、中国とマイアミのスプリントでそれぞれ5位と6位に入ったことで、合計100ポイントに到達した。

    これは2016年のニコ・ロズベルグ以来となる数字だった。

    当時のロズベルグは、ルイス・ハミルトンとのタイトル争いに敗れ続けた状況から強烈なスタートを切り、オーストラリア、バーレーン、中国、ロシアで4連勝。開幕4戦で100ポイントを獲得していた。

    その勢いは第5戦スペインGPで止まることになる。ハミルトンとの有名な同士討ちにより両者リタイアとなり、そのレースでは18歳のマックス・フェルスタッペンがF1初優勝を飾った。

    一方、アントネッリも上海で初優勝を記録した際、フェルスタッペンの“史上最年少優勝記録”更新には届かず、史上2番目の若さでの優勝となっている。

    ただし、もし今後の流れまでロズベルグの2016年シーズンと重なるならば、アントネッリは史上最年少F1ワールドチャンピオン誕生という歴史的瞬間に近づくことになる。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ハミルトンの“王者パターン”とも一致
    アントネッリの序盤戦の成績は、2021年のルイス・ハミルトンとも一致している。

    ハミルトンは2021年、開幕バーレーンGPで勝利を挙げた後、イモラでマックス・フェルスタッペンに敗れて2位。しかしその後、ポルトガルとスペインで再び勝利を記録した。

    つまり、開幕4戦で「3勝+1回2位」という並びが、現在のアントネッリと完全に一致している。

    ただし、2021年当時にはスプリント制度が存在しておらず、ハミルトンのポイントは94点。スプリント込みの現行制度により、アントネッリはそれを上回る数字を記録している。

    しかし2021年のハミルトンは、最終的に8勝を挙げながらも、アブダビGP最終戦でフェルスタッペンにタイトルを奪われた。

    つまり、ハミルトン型の流れをなぞった場合、アントネッリが王座に届かない可能性も存在する。

    ベッテルや過去王者たちとも重なる序盤戦
    さらにF1公式サイトは、2015年のハミルトン、2011年のセバスチャン・ベッテルとも比較している。

    2015年のハミルトンは開幕4戦で3勝+1回2位を記録し、93ポイントを獲得。その年は最終的に10勝を挙げてタイトルを獲得した。

    また2011年のベッテルも、オーストラリア、マレーシア、トルコで勝利し、中国GPで2位となる“3勝+1回2位”の流れを記録。最終的には11勝で自身2度目のワールドチャンピオンに輝いている。

    つまり、アントネッリが今季ここまで見せているスタートは、過去10年以上のF1において“王者級シーズン”と重なるケースが極めて多い。

    メルセデスF1の新時代を象徴する存在へ
    2026年F1シーズンは、新世代パワーユニット時代への移行とともに勢力図が大きく変化している。

    その中で、19歳のアントネッリが開幕4戦で100ポイントという数字を叩き出した事実は、単なる“ルーキー旋風”では片付けられない。

    しかも、その比較対象として並ぶ名前はニコ・ロズベルグ、ルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテル、そしてマックス・フェルスタッペンといった歴代王者ばかりだ。

    F1公式サイトが特集を組んだ背景には、“次の時代の王者”が本当に誕生しつつあるという空気感があるのかもしれない。

  • トト・ヴォルフ レッドブルF1の急浮上に驚き「大きなサプライズ」

    トト・ヴォルフ レッドブルF1の急浮上に驚き「大きなサプライズ」

    トト・ヴォルフは、F1マイアミGPでマクラーレンが前進することは予想していた一方で、レッドブルの急激な改善は「大きなサプライズ」だったと語った。

    レッドブルはフロリダでRB22に7つのアップデートを投入。マックス・フェルスタッペンはグランプリ予選でメルセデスのキミ・アントネッリとフロントローを分け合い、スプリントと決勝でいずれも5位を獲得した。

    ヴォルフ「レッドブルは大きなサプライズだった」
    「我々はまだこの新しいレギュレーションサイクルの始まりにいる。開発曲線は非常に急なので、マクラーレンが大規模なアップデートパッケージで、半秒ほどでも稼ぐことは予想していた」とヴォルフは『La Gazzetta dello Sport』に語った。

    「言わなければならないのは、レッドブルが大きなサプライズだったということだ。彼らは非常に大きな前進を果たし、トップから1秒以上遅れていたところから、フェルスタッペンとともに先頭で戦う位置まで来た」

    マクラーレンはランド・ノリスがスプリントポールを獲得し、スプリントでは1-2フィニッシュを達成。決勝でもノリスが2位、オスカー・ピアストリが3位に入り、メルセデスが予想していた通りの前進を見せた。

    一方で、レッドブルの改善幅はパドックの予想を上回った。ローラン・メキースも、日本と中国でポールポジションから1秒以上離されていた状況から、マイアミでは一気に差を縮めたことを認めている。

    「日本を終えた時点で我々はポールから1.2秒遅れ、中国では1.0秒遅れだった」とメキースは語った。

    「だから今週末、金曜日にポールからコンマ6秒差、土曜日にはコンマ2秒以内で予選を終えたことは、我々の進歩の大きさを示す大きな指標だ」

    カナダで続く開発競争
    ヴォルフは、勢力図が今後も変動していくと見ている。

    「我々もカナダで開発を持ち込む。ただ、今年を通じて、レースごとにパフォーマンスが変化するのを見るのは普通のことだと思う」

    マイアミGPは、2026年F1レギュレーション下での開発競争が早くも激化していることを示す週末となった。マクラーレンの前進は予想の範囲内だったが、レッドブルの急浮上はメルセデスにとっても警戒すべき変化となった。