カテゴリー: メルセデスF1

  • メルセデスF1がマクラーレンを“逆研究” PUソフトウェア戦争が激化

    メルセデスF1がマクラーレンを“逆研究” PUソフトウェア戦争が激化

    2026年F1マイアミGPで最も印象的だったのは、メルセデスPU勢の圧倒的な競争力だった。特にマクラーレンのパフォーマンス向上は急激で、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』によれば、その背景には“ソフトウェア制御の理解”があるとみられている。

    興味深いのは、そのマクラーレンの進化を、供給元であるメルセデス自身が分析対象として見始めている点だ。

    現在の2026年F1レギュレーションでは、内燃エンジンと電力エネルギーを高度に統合管理する必要があり、単純なハードウェア性能だけでは差がつかない時代になっている。

    マクラーレンが“本家メルセデス”を上回った理由
    報道によると、メルセデスのエンジニアはカスタマーチームであるマクラーレンに対し、最新仕様PUの運用方法について追加情報を求めているという。特に焦点となっているのは、エネルギーマネジメントを司るソフトウェア面だ。

    皮肉なのは、シーズン序盤にはマクラーレン側が「メルセデスから十分な運用ガイダンスが得られていない」と不満を漏らしていたことだ。

    しかし現在は立場が逆転しつつある。マイアミGPでは、マクラーレンがアップグレードだけでなく、PU制御の理解度でも一歩先に進んだ可能性が指摘されている。

    2026年F1では、50対50の電動・内燃配分により、エネルギー回生、放出タイミング、コーナー進入時のデプロイ制御などが極めて重要になっている。単純な最高出力よりも、“どう使うか”がラップタイムを左右している状況だ。

    フェラーリF1はADUO判断待ち ベルギーGP投入説も
    一方でフェラーリは、FIAが近く下すとみられるADUO(追加開発・アップグレード機会)判断に神経を尖らせている。

    イタリアメディアによれば、現在の基準エンジンは事実上メルセデスであることが明確になっているという。

    ADUOは、性能不足に陥ったPUメーカーに対し、追加開発やアップグレード自由度を与える救済制度だ。補正幅は2〜4%になるとみられており、フェラーリがどこまで修正を許可されるかが焦点になっている。

    さらにイタリア国内では、もしADUO適用が認められた場合、フェラーリが2026年F1ベルギーGPに向けたアップグレードパッケージを準備しているとの報道も出ている。

    フレデリック・バスールは逆転を諦めず
    フェラーリF1代表フレデリック・バスールは、マイアミでメルセデスPU勢が優位に立ったあとも、タイトル争い継続への自信を崩していない。

    「昨年のフェルスタッペンはモンツァ以降から勝負していた」

    そう語ったバスールは、「私はまだ選手権を信じている」と強調した。

    2026年シーズンは、レギュレーション変更直後ということもあり、勢力図が固定化されていない。特にPU制御とソフトウェア運用は、数か月単位で勢力を入れ替える可能性を秘めている。

    ニコ・ロズベルグ「フェラーリはあと一歩」
    2016年F1ワールドチャンピオンのニコ・ロズベルグも、フェラーリの完全復活は近いとみている。

    「勝利のために何かが足りないが、昨年と比べれば素晴らしい仕事をしている」

    「彼らは近いうちに再びグランプリで勝つようになると思う」

    さらにロズベルグは、2025年シーズン序盤に苦戦していたルイス・ハミルトンについても、「ようやく適応できたように見える」と評価した。

    2026年F1の戦いは、単なるマシン開発競争ではなく、“ソフトウェア戦争”の色合いを急速に強めている。マクラーレンが示した進化は、その象徴と言えるかもしれない。

  • メルセデスF1内部でアロンソ熱望 ハミルトン後任候補で圧倒的支持

    メルセデスF1内部でアロンソ熱望 ハミルトン後任候補で圧倒的支持

    ルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍が決まった際、メルセデス内部では後任候補をめぐり、フェルナンド・アロンソを望む声が圧倒的だったという。

    現在はキミ・アントネッリが開幕から歴史的な活躍を見せ、メルセデスの選択は成功した形になっている。しかし、当時のファクトリー内では経験豊富なアロンソを求める空気が強かったことを、元メルセデスのエンジニアであるホセマ・ガランが明かした。

    ハミルトン移籍後の全体会議で起きた“挙手”
    ガランはポッドキャスト『Minimo Comun Multipla』で、ハミルトンがフェラーリ移籍を告げた直後に開かれたメルセデスの全体会議を振り返った。

    「ひとつ話をしよう。ハミルトンが『フェラーリに行く』と言った日だ。すでにいろいろな街でX上に噂が流れていた。そして突然、全体会議が開かれて、全員がそこにいた」

    「そこにトトが来た。彼は本当にショーマンだ。何が起きたのか、どう知らされたのかを説明した。でもその後で、『今、我々は後任について考えている』と言った」

    トト・ヴォルフはキミ・アントネッリを高く評価しつつ、契約のないドライバーのリストを示し、社員に意見を求めたという。

    「セルジオ・ペレス。誰も手を挙げなかった。キミ・アントネッリでも何も起きなかった。沈黙と居心地の悪さがあった」

    「カルロス・サインツになると、少し手が挙がった。部屋の5%くらいだったと思う。とても控えめな挙手だった」

    最後に出たアロンソの名前で空気が一変
    最も大きな反応を引き出したのは、最後に名前が出たフェルナンド・アロンソだった。

    「そして最後に取っておいた。最後にフェルナンド・アロンソと言った。すると、全員が手を挙げた。すごい瞬間だった」

    「しかも我々は何年もアロンソを批判してきた。彼はいつも我々の表彰台を奪っていた。この男は本当に厄介だ、と」

    「イギリスにいると、アロンソへの批判や冗談を常に耳にする。『君はアロンソが好きなんだろう? でも彼はそんなに良くない』といった具合だ。なのに突然、工場全体がそれまでの言葉を飲み込み、アロンソを見たいと手を挙げた」

    ガランはさらに、メルセデスのエンジン部門が2007年にマクラーレンへエンジンを供給していたことにも触れ、長く在籍するスタッフにとっては特別な意味を持つ瞬間だったと語った。

    結果的にアントネッリ起用は成功
    当時、アロンソ待望論が強かったとしても、現在の結果を見ればメルセデスがキミ・アントネッリを選んだ判断は成功している。

    アントネッリは開幕4戦で3勝を挙げ、すべてのレースで表彰台を獲得。F1史上最年少の選手権リーダーとなり、メルセデスの新時代を象徴する存在になりつつある。

    経験と実績を持つアロンソは、ハミルトン後任として理にかなった選択肢だった。しかしメルセデスは即戦力よりも未来を選び、その決断は想定以上の速さで成果に変わっている。

  • ジョージ・ラッセルにF1界から辛辣批判 アントネッリに敗北後の“最悪の言い訳”

    ジョージ・ラッセルにF1界から辛辣批判 アントネッリに敗北後の“最悪の言い訳”

    ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、2026年F1マイアミGPで再びチームメイトのキミ・アントネッリに後れを取った。

    開幕戦オーストラリアGPを制したラッセルだったが、その後は勢いを失い、アントネッリは直近3連勝を達成。ランキングでも20ポイント差を築き、メルセデス内の主導権は完全にイタリア人ルーキー側へ傾きつつある。

    マイアミGPで際立ったアントネッリとの差
    マイアミGP週末、ラッセルは終始アントネッリの後塵を拝した。

    予選では約0.4秒差をつけられ、決勝でもトップ争いから完全に脱落。チェッカー時にはアントネッリから43秒遅れの4位に終わった。

    ラッセル自身はレース後、「マイアミのような低グリップ路面は自分のドライビングスタイルに合わない」と説明したが、この発言が元F1ドライバーのロバート・ドーンボスから厳しく批判された。

    「それは最悪のコメントだ」
    ドーンボスは『The Pit Talk Podcast』で、ラッセルのコメントについて次のように語った。

    「正直、この週末のラッセルは“見えなかった”」

    「そして唯一目立ったのは、“こういうサーキットは自分のスタイルに合わない”というコメントだった」

    「これは最悪の発言だ。低グリップ路面が苦手? ならシンガポールやバクー、ラスベガスでも同じことになるという話だ」

    ドーンボスは、タイトルを狙うドライバーが“苦手コース”を理由にパフォーマンス不足を説明すること自体が問題だと指摘した。

    「彼は『バランスを見つけられなかった。でも必ず立て直す』と言うべきだった」

    「今のアントネッリは彼を完全に打ち負かしている」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    ラッセルに求められる“王者の姿勢”
    元インディカードライバーのジェームズ・ヒンクリフも、ラッセルが“言い訳”を使うべきではないと指摘している。

    同じメルセデスW17を駆るアントネッリが結果を出している以上、問題はマシンではなく適応力にあるという見方だ。

    2025年にオスカー・ピアストリがタイトル争いで苦戦した際にも、“低グリップ路面への適応不足”が弱点として挙げられていた。カルン・チャンドックは、ラッセルにも同じ傾向があると分析している。

    アントネッリは現在、ポールポジション獲得と3連勝という勢いに乗っている。

    ラッセルにとって重要なのは、“苦手”を受け入れることではなく、そこを克服していく姿勢を示せるかどうかだ。今の流れが続けば、メルセデス内で“ナンバー1”の序列が完全に逆転する可能性も現実味を帯びてくる。

  • メルセデスF1 ボノの手腕を評価「アントネッリの成功を支えている」

    メルセデスF1 ボノの手腕を評価「アントネッリの成功を支えている」

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、キミ・アントネッリの快進撃の裏側に、レースエンジニアを務める“ボノ”ことピート・ボニントンの存在があると明かした。

    マイアミGPで3連勝を達成し、F1史上最年少のランキング首位に立ったアントネッリ。ヴォルフは、その成長を支えているのが、かつてミハエル・シューマッハやルイス・ハミルトンを担当したベテランエンジニアだと強調した。

    “ボノ”が支えるアントネッリの急成長
    ピート・ボニントンは、メルセデスで長年にわたってトップドライバーたちを支えてきた名エンジニアとして知られている。

    ミハエル・シューマッハの復帰時代にレースエンジニアを務め、その後はルイス・ハミルトンと12年間にわたりコンビを組み、数々のタイトル獲得を支えてきた。

    ハミルトンがフェラーリへ移籍した後、ボニントンは2025年からキミ・アントネッリを担当。アントネッリは今季、3連勝を達成し、わずか19歳でF1史上最年少のランキング首位に立っている。

    トト・ヴォルフ「良きメンターであり、厳しいボスでもある」
    マイアミGP後、アントネッリへの無線対応について質問されたヴォルフは、ボニントンの手腕を高く評価した。

    「ボノはシューマッハ、そしてハミルトンから長年学んできた。そして今はキミを担当している」とトト・ヴォルフは語った。

    「彼はキミにとって良きメンターである一方で、厳しいボスでもある」

    ヴォルフは、決勝中にアントネッリがトラックリミット違反の警告を受けていた場面についても言及した。

    「今日はすでに2回警告を受けていたので、僕はボノに『あと1回で僕が無線に入るぞ』と言ったんだ」

    「すると彼は『いや、いや、それは私に任せてください』と言った。彼はどう扱うべきかを理解している。それが成功の一部なんだ」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    “才能”だけではなく“育成”も重要視
    ヴォルフは、アントネッリのマイアミGPを「これまでで最高のレースだった」と評価する一方で、まだ育成段階にあることも強調した。

    「カート時代からジュニアカテゴリーまでの軌跡を見れば、彼が特別だったことは明らかだった」

    「そして昨年我々が話していた通りの成長曲線を描いている。素晴らしい瞬間もあれば、ミスを許容される瞬間もある」

    ヴォルフは、若手ドライバー育成では“プレッシャーとの向き合い方”が重要だと説明する。

    「我々は彼を導き続ける必要があるし、プレッシャーも与えなければならない」

    「彼は自分自身で分析できる。でも考えすぎない。“ミスをした。切り替える”という整理ができている」

    「彼の近くにいる我々全員が、同じメッセージを繰り返し伝え続ける必要がある。これは長期的なプロジェクトなんだ」

    メルセデスが描く“次世代王者育成”の理想形
    アントネッリの3連勝は、その才能だけでなく、メルセデス側の育成体制の成熟も浮き彫りにしている。

    特にボニントンのような経験豊富なエンジニアを若手ドライバーに組み合わせたことは、単なる速さだけでなく、精神面やレースマネジメントまで含めて育てるという明確な意図が見える。

    ヴォルフが「長いゲームだ」と繰り返したように、メルセデスは短期的な結果だけではなく、“次の時代を支配する存在”としてアントネッリを育てようとしている。

  • メルセデスF1が“アントネッリ・フィーバー”を警戒 イタリアメディア対応を制限

    メルセデスF1が“アントネッリ・フィーバー”を警戒 イタリアメディア対応を制限

    メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフが、2026年シーズンのF1で急速に“イタリアの新たなスター”となったアンドレア・キミ・アントネッリを守るため、イタリアメディアとの接触を制限していることが明らかになった。

    19歳のアントネッリは、マイアミGPで3連勝を達成。ランキング首位を快走しており、ジョージ・ラッセルに20ポイント差をつけてカナダGPを迎える。母国イタリアでの人気は急激に高まり、“アントネッリ・フィーバー”とも呼べる状況になりつつある。

    “イタリア全体が注目している”
    スペイン『Marca』によると、トト・ヴォルフはアントネッリを“イタリアからの過剰な雑音”から守るため、イタリアメディアとの接触を制限しているという。

    ヴォルフは現在のイタリアについて、サッカー代表の低迷もあり、テニス世界王者のヤニック・シナーとアントネッリが“国民的スター”になっていると説明した。

    Sky Sportsによると、ヴォルフは次のように語った。

    「一番簡単なのは、彼がチームの中でしっかり地に足をつけていられるようにすることだ。彼の両親は、彼を落ち着いた状態に保つ素晴らしい仕事をしている」

    「もっと大きな問題はイタリアの世論だ。彼らはサッカーW杯に出場できなくなっているから、今はシナーとアントネッリ一色になっている。シナーはマドリードで優勝したと思うし、今やイタリアには2人のスーパースターがいる。それは我々が抑えなければならないものだ」

    “ハンドブレーキをかける必要がある”
    ヴォルフは、アントネッリに対する取材やイベント出演依頼が急増している現状にも触れ、チームとして慎重に対応していく必要性を強調した。

    「彼の時間を求める依頼は本当に多い。我々がそこに“ハンドブレーキ”をかける役割を果たさなければならない」

    「本当に冷静さを保つ必要がある。これほど若い人間が、この段階でこれだけの成功を収めれば、イタリア全体の注目を背負うことになる」

    「シナーとアントネッリ、アントネッリとシナー。我々はすでに3勝していて、シナーは世界ランキング1位でグランドスラムをいくつも制している」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    アントネッリ本人は“まだ不安定”と自己分析
    一方で、アントネッリ本人は現在の好調にも浮かれてはいない。マイアミGP決勝ではターン1でロックアップを喫したこともあり、自身のドライビングにはまだ改善点があると認めている。

    F1公式に対してアントネッリは次のように語った。

    「まだ少し不安定なんです。特にクラッチスタートの部分ですね」

    「そこに関しては、まだ安定した自信を持てていない。不確実さが残っているので、大きく改善しなければいけないポイントです」

    「でも今日は昨日よりもうまく対処できたと思う。昨日はすごくフラストレーションを感じていたけど、今日はもっと冷静でいられたし、気持ちを切り替えてレースに集中できた」

    “守られながら育てられる次世代スター”
    アントネッリの3連勝は、単なるルーキー旋風の域を超えつつある。イタリアではすでにヤニック・シナーと並ぶ“国民的スター”として扱われ始めており、その熱狂をメルセデスが警戒するのも当然と言える。

    一方で、アントネッリ本人は浮かれることなく、自身の弱点や未熟さを冷静に分析している。ヴォルフがメディア露出を制限している背景には、才能だけでなく精神面まで含めて長期的に育てていきたいという意図が透けて見える。

    2026年F1シーズンは、単なるタイトル争いではなく、“次世代の絶対的スター誕生”を見守る一年になりつつある。

  • メルセデスF1 V8復活論に警鐘「電動化を捨てれば時代遅れに見える」

    メルセデスF1 V8復活論に警鐘「電動化を捨てれば時代遅れに見える」

    メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、F1が将来的にV8エンジンへ回帰する可能性に前向きな姿勢を示しつつも、電動化を大きく後退させるべきではないと警告した。

    FIA会長モハメド・ビン・スライエムが2030年または2031年のV8復活を目指す考えを示すなか、メルセデスF1のチーム代表であるヴォルフは、F1が現実社会とのつながりを失えば「少し馬鹿げて見える」リスクがあると語った。

    V8復活には前向きも「100%内燃機関」は否定
    メルセデスはV8エンジンそのものには好意的だ。F1は2013年までV8自然吸気エンジンを使用しており、その高回転サウンドは今も多くのファンに支持されている。

    「メルセデスの立場から言えば、新しいエンジンレギュレーションにはオープンだ」とトト・ヴォルフはマイアミでPlanetF1.comなどに語った。

    「我々はV8が大好きだ。素晴らしい思い出しかない。我々の視点では、あれは純粋なメルセデスエンジンで、高回転まで回る」

    ただし、ヴォルフが強調したのは、F1が単純に内燃機関だけへ戻るべきではないという点だった。

    「どうやってそれを作るのか。現実世界とのつながりを失わないために、バッテリー側から十分なエネルギーをどう与えるのか。もし100%内燃機関に振れば、2030年や2031年には少し馬鹿げて見えるかもしれない」

    「800馬力のICE+400馬力の電動」なら歓迎
    ヴォルフは、F1がよりシンプルで迫力あるエンジンを目指すことには賛成している。その一方で、電動エネルギーを完全に脇へ追いやる案には慎重だ。

    「そこは考慮する必要がある。よりシンプルにして、メガエンジンにすることだ」

    「ICEから800馬力を引き出し、その上に400馬力、あるいはそれ以上の電動エネルギーを載せることができるかもしれない。我々は完全に前向きだ」

    ヴォルフは、議論が構造的に進められ、各メーカーの事情が考慮されるなら、メルセデスとして参加する用意があるとした。

    「その議論が構造的な形で行われ、人々の考えが取り入れられる限り、我々は前向きだ。我々はOEMの財政的な現実も認識している」

    「簡単な状況ではない。しかし、しっかり計画され、実行されるなら、我々メルセデスは本物の、本物のレーシングエンジンで戻ってくる準備がある」

    F1 V8 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    短期的なエンジン変更には強く反対
    一方で、現在の2026年F1パワーユニット規則を短期的に大きく変更する案について、ヴォルフは否定的な姿勢を示した。

    「短期的にエンジンレギュレーションを変えることを語る人は、その時点でのF1の評価の仕方を疑うべきだ」

    マイアミGPではアントネッリが勝利し、4人のドライバーがレースをリードした。ヴォルフは、現行規則にも改善余地はあるとしながら、ショーとしての可能性はすでに示されていると見ている。

    「素晴らしいレースだった。首位争いがあり、中団でもバトルがあった。我々はエネルギーマネジメントとエネルギー部門で、他より後手に回った部分があった。そして、それは見事だった」

    中期的な改善案はストレートラインモード強化
    ヴォルフは、短期的な規則変更には反対しながらも、中期的な微調整には前向きだ。特にストレートラインモードの強化を求めている。

    「中期的に調整し、最適化できるか。私は絶対にできると思う。我々はショーをさらに良くすることに反対することは決してない」

    「私はSMモードのことを考えている。SMモードでは、もっとストレートスピードが必要だ。そこは勇気を持ってやる必要がある」

    「中期的には反対していない。ICEからもう少しパフォーマンスを引き出せるなら素晴らしい。ただし、実際にそれを行えるだけの十分な準備期間を与えてほしい」

    メルセデスは開幕4戦を終えてコンストラクターズ選手権をリードし、ドライバーズ選手権でもアントネッリが100ポイントで首位、ジョージ・ラッセルが80ポイントで続いている。F1のV8復活論は勢いを増しているが、ヴォルフの発言は、単なるノスタルジーではなく、メーカー参戦の現実と技術的な方向性を両立させる必要があることを示している。

  • トト・ヴォルフ F1批判派に反論「マイアミGPに文句を言うなら隠れるべき」

    トト・ヴォルフ F1批判派に反論「マイアミGPに文句を言うなら隠れるべき」

    2026年F1マイアミGPでメルセデスのキミ・アントネッリが優勝を飾るなか、メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフが、新世代F1マシンへの批判に対して強い反論を展開した。

    2026年F1レギュレーションでは電動パワー比率の増加によって“ヨーヨーレース”とも呼ばれる新たなレース展開が生まれており、マックス・フェルスタッペンら一部ドライバーは「マリオカートのようだ」と不満を表明していた。

    “文句を言うなら隠れるべき”とヴォルフ
    トト・ヴォルフはレース後、2026年型F1への批判論に真正面から反論した。

    「もし今日のレースに文句を言う人が1人でもいるなら、正直言って隠れるべきだと思う」

    「もちろん、このコースはエネルギー依存が比較的少なくて走りやすい側面はある。良いゲームもあれば悪いゲームもある。でも今日は素晴らしかった。F1にとって最高の広告だったと思う」

    2026年型F1マシンは、電動エネルギーの使用比率拡大によって従来とは異なるバトル展開を生んでいる。

    一方で、急激な速度差や“スーパークリッピング”と呼ばれるエネルギー切れ現象への批判も強く、FIAとF1はマイアミGP前に小規模なレギュレーション修正を実施していた。

    2027年に向けたさらなる変更も議論
    現在、パドック内部では2027年F1レギュレーションに向けて、現行の“50対50”に近いハイブリッド比率を見直す議論も進んでいる。

    内燃エンジン寄りの「60対40」あるいは「70対30」への変更案が有力視されており、ヴォルフも中長期的な修正には前向きな姿勢を示した。

    「短期間でエンジン規則を変えろと言う人は、F1の評価の仕方を考え直した方がいい」

    「今日はスペクタクルなレースだった。首位争いも、中団争いもあった。本当に素晴らしかった」

    「中期的に調整して最適化できるか? もちろん可能だ。我々はショーをさらに良くすることに反対ではない」

    “SMモード強化”にも言及
    ヴォルフは特にストレート性能向上の必要性を強調し、“SMモード”と呼ばれるストレート専用エネルギーモードの強化にも触れた。

    「SMモードでは、もっと大きなストレートスピードが必要だと思う。我々はもっと大胆になる必要がある」

    「中期的な変更には反対していない。ICE(内燃エンジン)からもう少しパフォーマンスを引き出せるなら、それも素晴らしい」

    「ただし、それをやるなら十分な準備期間を与えてほしい。実際に開発できる時間が必要だからだ」

    マイアミGPではアントネッリが今季3連勝を達成し、メルセデスはコンストラクターズランキング首位を維持。2026年F1マシンへの評価を巡る議論は続いているが、少なくともマイアミでの激しいレース展開は、F1側にとって大きな追い風となった。

  • アントネッリ F1マイアミGP勝利も課題はスタート「大きく改善が必要」

    アントネッリ F1マイアミGP勝利も課題はスタート「大きく改善が必要」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、2026年F1マイアミGPで3戦連続優勝を飾り、チームメイトのジョージ・ラッセルに対する選手権リードを20ポイントに広げた。

    だが、19歳のイタリア人ルーキーは、タイトル争いをリードする立場にありながらも、スタート手順、とりわけクラッチドロップの安定性を「大きく改善が必要」な課題として挙げた。

    3戦連続ポールから露呈したスタートの課題
    アントネッリは直近3戦すべてでポールポジションを獲得しているが、決勝やスプリントのスタートでは順位を落とす場面が続いている。マイアミGP決勝でもスタート直後にポジションを失いかけ、スプリントではさらに大きく後退した。

    「今日は正直、それほど悪くはなかった。2つポジションを失ったと思う。スプリントでは6つ失ったから、少しは良くなった」

    「でも、それでも受け入れられるものではない。特に今回のように差がかなり接近している週末では、レースを大きく変えてしまう可能性がある」

    「だから、チームと一緒に取り組む必要があるポイントだと思う。昨日のスプリントでは、例えば手順としては良かったけど、我々があると思っていたグリップレベルが、実際にはそこになかった」

    メルセデス代表のトト・ヴォルフは、スプリントでの出遅れについて、アントネッリ側の操作ではなく「我々側の不具合」だったと説明している。ただし、アントネッリ自身もスタートの一貫性にはまだ課題があると認めている。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) / F1 マイアミグランプリ

    「クラッチドロップにまだ確信が持てない」
    マイアミGP決勝では、アントネッリはランド・ノリスの追撃を抑えて勝利したが、スタート直後にはマックス・フェルスタッペンやシャルル・ルクレールに先行される可能性もあった。結果的には混乱の中で大きな損失を避けたものの、本人は改善点を明確にしている。

    「チームと一緒にという部分もあるけど、間違いなく主に僕自身のところだ。特にクラッチドロップで、まだ少し一貫性がない」

    「そこに対して、まだ自信を持って安定してできていない。まだ少し不確実さがある。だから、大きく改善が必要なポイントだ」

    「でも、今日は昨日よりうまく対処できたと思う。昨日はかなりフラストレーションがあったけど、今日は少し冷静に、少し良く対応できた。そして気持ちを切り替えて、レースに集中できた」

    速さだけでは守れない選手権リード
    アントネッリは開幕から圧倒的な速さを見せ、マイアミで3連勝を達成した。しかし、スタートで順位を落とす傾向は、中国、日本、オーストラリアでも見られており、今後ライバルとの差がさらに接近すれば、同じ弱点が勝敗を分ける可能性がある。

    王座争いの主導権を握る一方で、アントネッリは自らの課題を隠していない。メルセデスのマシン性能と予選での速さに、スタートの安定性が加われば、19歳のルーキーはさらに盤石な立場を築くことになる。

  • メルセデスF1 アントネッリのスタート失敗は「完全にチームの責任」

    メルセデスF1 アントネッリのスタート失敗は「完全にチームの責任」

    メルセデスF1は、2026年F1マイアミGPでキミ・アントネッリがスプリントと決勝のスタートで順位を落とした件について、ドライバーではなくチーム側に責任があると認めた。

    メルセデスは今季ここまで4戦すべてでポールポジションを獲得しているが、オープニングコーナーを先頭で通過できていない。圧倒的な速さを見せる一方で、スタート手順とクラッチ制御は明確な弱点として浮上している。

    ヴォルフ「彼の責任ではまったくない」
    メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、マイアミでのアントネッリの出遅れについて、本人を責める考えを明確に否定した。

    「彼の責任ではまったくない」とヴォルフは語った。

    「土曜日も日曜日も、チームのミスだったと思う。我々全員が、それが十分ではないことを分かっている」

    「クラッチであれ、グリップの見積もりであれ、我々は彼らの手に適切な道具を与えるという点で十分な仕事ができていない」

    「そして、ここ数戦でそれを正しくできていないのは、言ってみれば我々だけだ」

    アンドレア・キミ・アントネッリ F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    速さで覆い隠せないメルセデスの弱点
    メルセデスはグランプリ決勝で無敗を維持しているが、ヴォルフはその速さに頼ってスタートの問題を放置することはできないと強調した。

    「我々はさらに深く掘り下げて、どうすれば修正できるのかを理解しなければならない」

    「差は、悠々と逃げ切れるほど大きくはない。だから、スタートを失敗している余裕はない」

    アントネッリのミスではなく、メルセデスのシステム側の問題として整理された今回の発言は、今季の勢力図を見るうえで重要な意味を持つ。マシンには勝てる速さがある一方で、スタートで先頭を守れなければ、その優位は一気に消える。

    メルセデスにとってマイアミGPは勝利だけでなく、2026年F1シーズンを支配しきるために修正すべき弱点を突きつけられた週末でもあった。

  • キミ・アントネッリ F1史上23人目の3連勝 20人がワールドチャンピオン

    キミ・アントネッリ F1史上23人目の3連勝 20人がワールドチャンピオン

    キミ・アントネッリ(メルセデス)は、2026年F1マイアミGPで今季3勝目を挙げ、F1史上初となる記録を樹立した。

    これまで初ポールから3戦連続でポールポジションを獲得したドライバー、あるいは初優勝から3戦連続でグランプリを制したドライバーは存在した。しかし、その両方を同時に達成したドライバーは一人もいなかった。

    初ポールから3連続ポール、初優勝から3連勝
    アントネッリは中国GPでF1初ポールポジションを獲得し、翌日の決勝で初優勝を飾った。その後、日本GPでもポールポジションと優勝を記録し、マイアミGPでも同じ結果を繰り返した。

    2026年シーズンは開幕から4戦を終えた段階で、アントネッリがドライバーズランキング首位に立っており、タイトル争いの有力候補としての立場を固めている。

    「クールな記録だ」とアントネッリはマイアミGP後に語った。

    「知らなかったけど、あまり考えすぎたくはない。今この瞬間を楽しむつもりだ。でも、うん、クールだと思う」

    セナ、シューマッハ、ハッキネンと並ぶ系譜
    統計的に見ても、アントネッリの達成は大きな意味を持つ。初ポールポジションから3戦連続でポールを獲得したのは、これまで1985年のアイルトン・セナと1994年のミハエル・シューマッハだけだった。

    一方、初優勝から3戦連続でグランプリを制したのは、1993年のデイモン・ヒルと、1997年から1998年にかけてのミカ・ハッキネンだった。

    セナ、シューマッハ、ヒル、ハッキネンはいずれも後にF1ワールドチャンピオンとなっている。アントネッリがその2つの系譜を同時に結びつけたことは、単なる若手の勢いを超えた記録として受け止められる。

    さらに、アントネッリはF1史上23人目となる「3連勝達成ドライバー」にも名を連ねた。このリストには、マックス・フェルスタッペン、ルイス・ハミルトン、アラン・プロスト、ニキ・ラウダ、フアン・マヌエル・ファンジオら歴代王者が並んでいる。

    そして、その23人のうち20人がF1ワールドチャンピオン経験者という事実は、アントネッリの現在地をより際立たせている。現役勢ではオスカー・ピアストリも名を連ねているが、アントネッリはわずかシーズン4戦目でこの領域に到達した。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) F1 マイアミグランプリ

    ヴォルフ「最も重要なのは浮かれないこと」
    この結果は、トト・ヴォルフが10代のアントネッリをメルセデスのワークスチームに昇格させた判断を裏付けるものになっている。アントネッリは2年目のシーズンで、その賭けがすでに大きな成果を生み始めていることを示した。

    ただし、ヴォルフはマイアミGP後、期待の高まりを抑える姿勢も見せた。

    「彼がこのポジティブな流れを続けられることを願っている。最も重要なのは、浮かれないことだ」

    それでも、ヴォルフはアントネッリの将来に強い手応えを示している。

    「彼にはスピードがある。そしてそこに、これからさらに経験が加わっていく。将来的には多くの成功について話すことになると思う」

    アントネッリが打ち立てた記録は、過去の偉大な王者たちが残した足跡と重なるだけでなく、その両方を同時に上回るものだった。マイアミGPの勝利は、単なる今季3勝目ではなく、F1史に新たな基準を刻む一戦となった。