カテゴリー: マクラーレンF1チーム

  • アンドレア・ステラ ブリアトーレのマクラーレンF1批判に反論「侮辱的だ」

    アンドレア・ステラ ブリアトーレのマクラーレンF1批判に反論「侮辱的だ」

    マクラーレンF1代表のアンドレア・ステラが、F1モナコGPの裁定を巡ってアルピーヌのフラビオ・ブリアトーレが示した「判事とマクラーレンに深いつながりがある」との主張に強く反論した。ステラは一連の発言を「マクラーレンに対して侮辱的」と表現し、公の場で重大な主張をする以上、その発言には責任を負わなければならないと警告した。

    マクラーレンとレッドブルの控訴が認められ、ピエール・ガスリーに科されていた2件の5秒ペナルティが再適用されたことで、アルピーヌはモナコGPの3位を失った。

    判決後、ブリアトーレは国際控訴裁判所(ICA)の審理を担当した判事の1人とマクラーレンとの関係を問題視。これに対し、同じF1イタリアGPのチーム代表記者会見に出席していたステラが真っ向から反論した。

    ステラ「マクラーレンに対して侮辱的だ」
    モンツァで行われた記者会見には、ブリアトーレとステラに加え、フェラーリF1代表のフレデリック・バスールも出席していた。

    ブリアトーレは、ICAの審理を担当した4人の判事のうち1人がマクラーレンと関係を持っていると主張。その判事が審理中に「検察官のように振る舞っていた」と述べ、中立性に疑問を投げかけた。

    ステラは当初、この主張について反応することは「適切ではない」としてコメントを控えていた。しかし、記者から改めて質問を受けると、強い言葉でマクラーレンを擁護した。

    「この記者会見がこういう方向に進んでいることは、マクラーレンにとって、そして十分な敬意を受けるに値するチームの評判にとって、かなり侮辱的だと感じている」

    「そして、もし誰かがこのような主張をするのであれば、それはかなり重大な主張に見える以上、公の場で自分が発言したことに対して責任を負わなければならない」

    ステラはさらに、ICAで行われた審理そのものについても全面的に擁護した。

    「審理、そして国際控訴裁判所のすべてのプロセスは最高水準で実施された。このような形で、その場の正当性に疑問を投げかけるべきではない」

    モナコGP裁定を巡って両者の主張が真っ向から対立
    今回の対立の発端となったのは、モナコGPでガスリーに科された2件の5秒ペナルティだった。

    モナコのピットレーンでは、FOMが管理するタイミングループに問題があり、実際には速度違反をしていないにもかかわらず、速度超過として検出されるケースが発生していた。

    ガスリーに対するペナルティはいったん取り消されたものの、マクラーレンとレッドブルがICAに控訴。ICAは両チームの主張を認め、ペナルティを復活させた。

    これによってガスリーは3位から後退し、レッドブルのアイザック・ハジャーが最終結果で3位に戻った。

    判決を受けたブリアトーレは、決定自体については「受け入れる」としながらも、審理を担当した判事の1人とマクラーレンとの関係について強い疑念を表明していた。

    一方のステラは、問題を判事と特定チームとの関係ではなく、F1におけるルール適用の一貫性と公平性という観点から捉えている。

    マクラーレンが控訴した理由「スポーツ上の平等と公平性」
    ステラはICAの判決を歓迎し、マクラーレンが控訴に踏み切った理由についても説明した。

    「我々にとって間違いなく歓迎すべき決定だ」

    「非常に重要なものだ。まず第一に、FIA国際スポーティングコード第1.1.1条の適用について明確さが加わったからだ。これは根本的な条項であり、そこから派生するあらゆるものの基礎となる」

    マクラーレンにとって、今回の控訴は単純に選手権ポイントを取り戻すためのものではなかったとステラは強調する。

    「我々が控訴したのは、この点について明確な判断を得る必要があると考えたからだ。我々が抱いていた懸念は、選手権の2ポイントを失う可能性があるということを超えたものだった」

    「おそらく、この2ポイントが最終的に何かを左右することはないだろう。我々が懸念していたのは、スポーツ上の平等と公平性がどのように適用されるのかということだった。それが重要なんだ」

    アンドレア・ステラ(マクラーレン)とフラビオ・ブリアトーレ(フェラーリ)がF1イタリアGPの記者会見に参加

    全F1チームが審理に参加
    ステラによれば、今回の問題に関心を持っていたのはマクラーレンとレッドブルだけではなかった。

    「これはマクラーレンだけにとって重要なことではない。実際、控訴したのはレッドブルと我々だが、審理にはすべてのチームが出席していた」

    「ルールをどのように適用するのか、一貫性をどのように確保するのかを明確にするという意味で、非常に重要な機会だったからだ」

    「そして今回の具体的なケースでは、レースウイークを通じて有効とされる手法について、一貫性をどのように保つのかという問題でもあった」

    つまりステラは、今回のICA判決にはガスリーの順位だけでなく、F1全体における計測方法とスポーティングレギュレーションの適用基準を明確化する意味があったと主張している。

    ブリアトーレの発言はFIA法務部門が確認か
    ブリアトーレの発言は、単なる裁定への批判からさらに踏み込み、審理を担当した判事の独立性を問題視するものだった。それに対してステラは、ICAの手続きが「最高水準」で行われたと強調し、マクラーレンへの疑惑を明確に否定した。

    PlanetF1.comによると、ブリアトーレの一連の発言についてはFIAの法務部門に報告され、確認の対象になっているとみられている。

    現時点でFIAがブリアトーレの発言について何らかの正式な措置を取るかは明らかになっていない。また、ブリアトーレが主張した判事とマクラーレンとの過去の関係が、ICAの審理における利益相反に当たると認定されたわけでもない。

    モナコGPの順位を巡る争いはICAの判決によって決着した一方、その後に飛び出したブリアトーレの主張によって、新たに審理の独立性を巡る論争へと発展した。ステラが「発言には責任を負わなければならない」と強く牽制したことで、今後はFIAがこの問題をどのように扱うのかにも注目が集まる。

  • フラビオ・ブリアトーレ F1モナコGP裁定に激怒「判事はマクラーレンと深い関係」

    フラビオ・ブリアトーレ F1モナコGP裁定に激怒「判事はマクラーレンと深い関係」

    アルピーヌのエグゼクティブアドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレが、F1モナコGPの結果を巡る国際控訴裁判所(ICA)の審理について、判事の1人とマクラーレンとの関係を問題視した。ブリアトーレは判決を受け入れるとしながらも、審理の公平性に疑問を呈している。

    マクラーレンとレッドブルの控訴が認められたことで、アルピーヌのピエール・ガスリーには2件の5秒ペナルティが再適用され、モナコGPで獲得していた3位を再び失うことになった。

    アルピーヌは判決後、今後取り得る対応について検討している。

    ブリアトーレがICA判事とマクラーレンの関係を問題視
    モンツァで行われたF1イタリアGPのFP1終了後、ブリアトーレは記者会見でICAの判断について言及。4人で構成された審理パネルのうち、フィリッポ・マルキーノ判事について、マクラーレンとの過去の関係があったと主張した。

    「まず第一に、非常に不公平だと思う。ただし、我々は決定を受け入れる」とブリアトーレは語った。

    「非常に奇妙だったのは、パネルの4人目の判事だ。判事の1人がまるで検察官のように振る舞っていた」

    ブリアトーレが問題視したのは、審理での態度だけではない。マルキーノ判事とマクラーレンとの過去の接点についても具体的に言及した。

    「それ自体は大きな問題ではない。問題なのは、彼がマクラーレンという会社と非常に深いつながりがあることだ。2018年にMSOビバリーヒルズで行われたマクラーレンのイベントで、彼がスピーチしている写真もある」

    「彼は『One Drop Foundation』という財団を設立している。そしてマクラーレンは、その財団に2台か3台のマクラーレン車を提供している。我々に対する抗議に関与しているチームとつながりのある人物が判事の1人だったというのは、かなり不公平だと思う」

    ここでブリアトーレが述べている内容は、あくまでアルピーヌ側から示された主張である。今回の発言だけをもって、マルキーノ判事の独立性やICAの判断に実際の問題があったと断定できるものではない。

    「判事は完全に独立していなければならない」
    ブリアトーレはさらに、マルキーノ判事の審理中の態度について強い不満を表明した。

    「不公平なのは、判事の1人がマクラーレンとつながっていたことだ。判事は通常、完全に独立していなければならない」

    「この判事は、イタリア系の名前だがアメリカ人で、フィリッポ・マルキーノという。審理中の態度は非常に悪意のあるものだった」

    「彼はまるで検察官のように振る舞っていた。そして審理が終わってから、『なぜ彼はあれほど攻撃的だったのか』という話になった。彼はマクラーレンと非常に深いつながりがある」

    ブリアトーレが名指ししたマルキーノ判事を含む4人の判事によって審理された今回の控訴では、マクラーレンとレッドブルの主張が認められた。

    その結果、ガスリーに科されていた2件の5秒ペナルティが復活。ガスリーはコース上では3位でフィニッシュしていたものの、最終的な結果から表彰台を失うことになった。

    ピエール・ガスリー(アルピーヌF1チーム)

    アルピーヌは審理後に関係を把握 今後の対応を検討
    ブリアトーレによれば、アルピーヌがマルキーノ判事とマクラーレンとの関係を把握したのは審理が終了した後だったという。

    「判事の1人がマクラーレンと非常に良好な関係、仕事上の関係とも言えるものを持っていたと後になって知り、我々は非常に失望した」

    「パネルは完全に独立している必要があると思う。特定のチームとつながりのある人物が入るべきではない。ましてや今回のように、そのチームが我々と争っている当事者であればなおさらだ」

    そして、アルピーヌがこのまま問題を終わらせるとは限らないことも示唆した。

    「これから我々が何をするのかを考えているところだ」

    現段階でアルピーヌが具体的にどのような手続きを検討しているのかは明らかになっていない。ただし、ブリアトーレの発言は単なる判決への不満にとどまらず、審理を担当した判事の独立性そのものに疑問を投げかける内容となった。

    一方で、ブリアトーレ自身もICAの判決については「受け入れる」と明言している。したがって焦点は、ガスリーへのペナルティの是非とは別に、アルピーヌが主張する判事とマクラーレンとの関係が利益相反に当たるのか、そして今後アルピーヌが正式な手続きに踏み切るのかに移ることになる。

  • ランド・ノリス F1イタリアGP初日「ポール争いにはまったく加われていない」

    ランド・ノリス F1イタリアGP初日「ポール争いにはまったく加われていない」

    マクラーレンのランド・ノリスは、2026年F1イタリアGP初日のフリー走行を4番手で終え、現状ではポールポジションを争える状態ではないとの厳しい見方を示した。

    モンツァで行われた金曜日の走行で、ノリスはトップから0.384秒差。メルセデスのジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリ、フェラーリのシャルル・ルクレールに続く4番手となった。

    ハンガリーGPとオランダGPで2戦連続のポール・トゥ・ウインを飾ったマクラーレンだが、ロードラッグ仕様が求められるモンツァでは苦戦を強いられている。

    予想とは異なるコーナーで苦戦
    初日の2セッションを振り返ったノリスは、MCL40のペース不足を率直に認めた。

    「そんなに良くなかった。とにかくペースの面で、いつも以上にかなり苦戦している」

    「正直に言うと、僕たちが速いと思っていたコーナーでは遅くて、逆に苦戦すると思っていたコーナーではそれほど悪くない。でも、それでもまだ足りていない。今のところ、あまりいい状態ではない」

    「一晩で何ができるか見てみるけど、これまでより厳しくなるのは間違いないと思う」

    マクラーレンは高いダウンフォースが要求されるハンガロリンクとザントフォールトで強さを発揮し、ノリスは両レースでポールポジションから優勝。しかし、長いストレートと低ダウンフォース特性を持つモンツァは、その2コースとは大きく性格が異なる。

    「ポール争いにはまったく加われていない」
    セットアップ変更によって土曜日にどこまで改善できるかと問われたノリスは、予選での巻き返しについても慎重な姿勢を崩さなかった。

    「分からない。トップでは多くのドライバーが接近しているし、その後ろもそれほど離れていない。だから、彼らが僕たちを驚かせることだって十分にあり得る」

    「分からないけど、少なくとも今はポール争いにまったく加われているとは感じていない。僕たちはまず、きちんとした結果を残すことに集中する必要がある。それだけだ」

    ノリスが警戒するように、初日の上位勢は僅差となっており、マクラーレンにとっては後方からの追い上げにも注意が必要な状況となっている。

    ランド・ノリス(マクラーレン) イタリアグランプリ

    マクラーレン技術陣も「ポール争いは厳しい」
    マクラーレンのアプライド・エンジニアリング担当テクニカルディレクター、ニール・ホールディも、FP2終了後にノリスと同様の見解を示した。

    予選では「もう少し近づけるのは間違いない」としながらも、ポールポジションを争うことについては「今週末は間違いなく厳しい」と認めている。

    それでも、金曜日には明確な収穫もあった。マクラーレンはMCL40に複数の新パーツを投入し、その中にはチームが「Hウイング」と呼ぶ回転式リアウイングも含まれていた。

    新型「Hウイング」は狙い通りに機能
    ホールディは、注目を集めるHウイングについて、初日の走行では期待通りの結果が得られたと説明した。

    「Hウイングは我々が意図した通りに機能した。ここでは空力的にも良さそうだし、メカニカル面でも非常に満足している」

    「もう少し検査する必要はあるが、週末の残りでも引き続き使用できると考えている。それによってパフォーマンスも向上するはずだ」

    一方、トップから約0.4秒というギャップについては、まだ埋めるべき差があることも認めた。

    「全体として4分の4秒差というのは、少し取り戻す必要がある。高速コーナーと低速コーナーのバランスについては良いところにいると思う」

    「まだ取り組まなければならないのは、エネルギーをどう最大限に活用するかだ。ここでは常に難しい課題になる。もう少し回生を増やし、もう少しデプロイメントを改善することで、ラップタイムを縮める余地はまだあると思う。ドライバー側からも少しある」

    「タイムシートでもう少し上、つまりトップにもう少し近い位置にいられれば良かった。ただ、我々は大きく離されているわけではない。明日に向けてマシンからもう少しパフォーマンスを引き出せると確信している」

    マクラーレンにとって初日は期待通りのスタートとはならなかったものの、新型Hウイングは予定通りに機能した。ノリスが否定したポール争いに食い込むには、エネルギーマネジメントを含め、予選までに約0.4秒のギャップをどこまで縮められるかが焦点となる。

  • オスカー・ピアストリ F1不振の原因はブレーキング? バッテリー消費でノリスと差

    オスカー・ピアストリ F1不振の原因はブレーキング? バッテリー消費でノリスと差

    オスカー・ピアストリが2026年F1マシンへの適応に苦しんでいる背景には、ランド・ノリスとは異なるブレーキングスタイルがあると報じられている。その違いはコーナリングだけでなく、バッテリーエネルギーの使い方や最高速、さらにはタイヤデグラデーションにも影響を及ぼしているという。

    2025年にはマクラーレンでノリスとタイトルを争ったピアストリだが、2026年はここまで12戦を終えてノリスに55ポイント差をつけられている。

    ノリスが直近のハンガリーGPとオランダGPで連勝した一方、ピアストリは今季、安定してトップ争いに加わることができていない。

    ノリスとのブレーキング操作の違い
    オランダ版Motorsport.comによると、ピアストリが抱える問題のひとつが、2026年型F1マシンに対するブレーキングの方法だという。

    ノリスはコーナー進入時にブレーキを残しながらスロットル操作を重ねる場面があり、これによってフロントを旋回させながらマシン姿勢を整えている。

    一方のピアストリは、基本的にブレーキ操作とアクセル操作をより明確に分けるスタイルを取っているとされる。

    この違いによってピアストリのマシンはコーナー進入からリアが滑りやすくなり、それがラップタイムのロスにつながっているという。特に安定したリアを好むピアストリにとって、2026年型マシンの挙動は扱いにくいものになっているとみられる。

    さらに問題なのは、そのコーナーで失ったタイムをストレートで取り戻そうとすることで、ピアストリがノリスより多くの電気エネルギーを使用している点だ。

    結果としてストレート後半では使用可能なバッテリーエネルギーが減り、ノリスほど高い最高速を維持できないケースが生じているとされる。

    リアのスライドがタイヤにも影響
    リアタイヤのスライドは、エネルギーマネジメントだけでなくタイヤにも悪影響を与えている。

    ピアストリはコーナーでリアを滑らせることでタイムを失うだけでなく、ノリスよりタイヤを消耗させる傾向があるという。

    ノリスはリアが動くマシンに対する適応力が高く、ある程度のスライドを許容しながら走ることができる。一方、ピアストリはマシン後部の安定性をより必要とするため、同じMCL40でもドライビング上の負担が大きくなっている。

    マクラーレンは2026年序盤、短いホイールベースによってフロア面積が制限され、MCL40のダウンフォース不足に苦しんでいた。しかし、その後のアップグレードによってダウンフォースは増加し、マシン自体の競争力は大幅に改善している。

    その成果を最大限に引き出しているのがノリスだ。ハンガリーGPとオランダGPを連勝し、ザントフォールトではピアストリが6位、優勝したノリスから32.332秒遅れでフィニッシュした。

    つまり、現在のピアストリの差は単純にMCL40の性能不足だけでは説明できなくなりつつある。

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

    2026年F1マシンではエネルギーマネジメントがより重要に
    2026年F1レギュレーションでは電動パワーの比重が大幅に増しており、ドライバーが1周のどこでエネルギーを回生し、どこで放出するかが従来以上に重要になっている。

    そのため、コーナリングで失ったタイムをストレートの電力放出によって補おうとすれば、その後の加速区間で使えるエネルギーが不足する可能性がある。

    ピアストリの場合、ブレーキングから旋回にかけてのスタイルがリアのスライドを誘発し、それによってコーナーでタイムを失う。そして、その損失を補うためにバッテリーを多く使うという悪循環に陥っている可能性が指摘されている。

    モンツァでは問題がさらに表面化する可能性
    この特性は、今週末のF1イタリアGPでさらに大きな問題になる可能性がある。

    モンツァは長い全開区間と強いブレーキングを繰り返す特殊なサーキットであり、2026年型パワーユニットではエネルギーマネジメントが極めて重要になる。

    ストレートで必要以上にバッテリーを使用すれば、後半で電力が不足して最高速を失うリスクがある。また、ピアストリが抱えているとされるリアタイヤのスライドも、タイヤデグラデーションという形でレースペースに影響する可能性がある。

    その先にはバクー、シンガポール、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ、メキシコシティ、サンパウロと、ピアストリが過去にも苦戦した低グリップ特性を含むサーキットが続く。

    2026年の後半戦でノリスとの差を縮めるためには、ピアストリが単純にセットアップを改善するだけでなく、ブレーキングからスロットルへの移行を含めたドライビングそのものを2026年型F1マシンに適応させられるかが重要になりそうだ。

  • ランド・ノリス 若手をF1へ導く新チーム「LN4 Fusion」設立 2027年F3参戦

    ランド・ノリス 若手をF1へ導く新チーム「LN4 Fusion」設立 2027年F3参戦

    ランド・ノリスが、若手ドライバーをF1へと送り出すことを目的とした新レーシングチーム「LN4 Fusion」を共同設立した。2027年からイタリアF4、フォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権、FIA F3への参戦を予定し、将来的なFIA F2進出も目指す。

    チーム代表には、ジュニアカテゴリーの名門プレマで長年チームを率いてきたルネ・ロシンを招聘。さらに、才能ある若手を資金面から支援する「LN4 Legacy Programme」も立ち上げ、レーシングチームと育成プログラムという2つの柱から次世代のF1ドライバーを支援する。

    ノリスが若手育成に本格参入
    LN4 Fusionは、モータースポーツ界で経験を積んだ人材を集めて新たに設立されたチームだ。2027年シーズンにはイタリアF4、FIAフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権、FIA F3に参戦する計画で、すでに英国F4への参戦を視野に入れたテストプログラムも開始している。

    さらに将来的にはFIA F2への参戦を目指しており、すでに参戦申請のプロセスをスタートさせている。

    ノリスは、新プロジェクトについて「次の世代のために、コース上でもコース外でも機会を作りたい。そして、このスポーツで上を目指している若いドライバーたちに、本当の意味で違いを生み出せたらと思っている」と説明した。

    ノリス自身、家族からの支援を受けてジュニアカテゴリーを戦い、その後マクラーレンのサポートを得ながらF1まで到達した。その経験から、速さだけではF1への道を切り開けないことを理解しているという。

    「僕はキャリアを通じて、本当に素晴らしい人たちに恵まれてきた。F1にたどり着くためには、才能だけでは足りないということも分かっている。周囲に適切な人たちがいて、適切なサポートがあり、そして適切なタイミングでチャンスを得る必要がある。この2つのプロジェクトは、まさにそのためのものなんだ」

    ランド・ノリス LN4 Fusion

    元プレマ代表ルネ・ロシンがチーム代表
    LN4 Fusionの競争力を支える中心人物となるのがルネ・ロシンだ。ロシンは、世界有数のジュニアフォーミュラチームとして知られるプレマで長年チーム運営を担い、さまざまなカテゴリーで40以上のタイトル獲得に関わってきた。2026年にプレマを離れた後、その去就が注目されていたが、LN4 Fusionのチーム代表に就任することになった。

    さらに、プレマで長年エンジニアとして活動してきたギヨーム・カピエットも加入する。

    ノリスはチームの狙いについて、「LN4 Fusionでは、ジュニアモータースポーツのトップチームと競えるレーシングチームを作りたい。優秀な人たちを集め、ドライバーが成長できる素晴らしい環境を作ることが目標だ」と語った。

    AIX RacingのF3関連資産を取得
    LN4 Fusionには、ダン・リチャーズが率いる投資グループも参画している。チームはAIX Racingから一部資産を取得しており、その中には2027年末まで有効なFIA F3参戦ライセンスに関連するものも含まれる。新規チームがゼロから参戦枠を確保するのではなく、既存のF3参戦基盤を活用する形でトップジュニアカテゴリーへ進出する。

    欧州の本拠地はイタリア北部ベネト州に置かれ、現在新施設を建設している。一方、英国ではケンブリッジシャーに拠点を構え、これまで国内外のカート選手権で実績を残してきたFusion Motorsportを率いるダン・ヘイズルウッドが運営を担当する。

    LN4 FusionのCEOを務めるリチャーズは、「さまざまな要素をひとつにまとめるために、非常に大きなチームワークが必要だった。しかし、最初からの目標は、正しい方法で組織を作り、長期的に発展させていくことだった」と語った。

    ランド・ノリス フォーミュラ3 LN4 Fusion

    若手を完全支援する「LN4 Legacy Programme」
    ノリスが立ち上げるもうひとつの柱が「LN4 Legacy Programme」だ。これは才能を持ちながら、資金面などの理由で十分なチャンスを得られない若手ドライバーを対象とする完全支援型の育成プログラムで、元アルピーヌのスポーティングディレクターであるジュリアン・ラウズが責任者を務める。

    ノリスは、「LN4 Legacy Programmeは、才能ある若いドライバーに、普通なら得られないかもしれないチャンスを与えるためのものだ」と説明している。

    現在のジュニアフォーミュラでは、ドライバーの能力だけでなく、F4、フォーミュラ・リージョナル、F3、F2とカテゴリーを上がるごとに必要となる多額の参戦資金を確保できるかどうかもキャリアを左右する。自身もジュニア時代から支援を受けてF1まで進んだノリスが、今度は支援する側に回ることになる。

    F1の育成ピラミッド強化にも期待
    LN4 Fusionの設立には、F1のステファノ・ドメニカリCEOも期待を寄せている。

    ドメニカリは、「ランド・ノリスがこの新しいプロジェクトに関わるということは、F3とF2のピラミッドがF1の未来にとってどれほど重要なのかを示す素晴らしいメッセージだ。ランドの投資と経験を通じて、新しいドライバー、エンジニア、メカニックを育て、モータースポーツファンに受け継がれていく新しい伝統を築いていくことができる」と語った。

    LN4 Fusionが特徴的なのは、単に現役F1ドライバーが自身の名前を冠したチームを設立するだけではない点にある。プレマで実績を残したロシンをチーム代表に据え、F4からF3まで実際の参戦基盤を構築し、その先にはF2まで見据えている。

    さらにLN4 Legacy Programmeを組み合わせることで、才能の発掘、資金支援、実戦環境の提供までを一体化する構想となっている。

    現役F1ドライバーであるノリスの経験と知名度に、ジュニアカテゴリーで実績を積んだロシンらのノウハウを融合したLN4 Fusion。2027年から始まるプロジェクトが、将来のF1ドライバーを生み出す新たな育成ルートとなるか注目される。

  • マクラーレンF1 イタリアGPに「Hウイング」投入 低ドラッグ仕様で3連勝狙う

    マクラーレンF1 イタリアGPに「Hウイング」投入 低ドラッグ仕様で3連勝狙う

    マクラーレンF1は、2026年F1第13戦イタリアGPに向け、MCL40にモンツァ専用のロードラッグ仕様を投入する。最大の注目点は、チームが「Hウイング」と名付けたウイングの実戦投入だ。

    マクラーレンはハンガリーGPとオランダGPで2連勝を飾り、MCL40の競争力を大きく引き上げてきた。しかし、長いストレートと低ダウンフォースが特徴のモンツァでは要求される性能が大きく異なる。

    チームは直近2戦の勢力図がそのままイタリアGPに持ち込まれるとは考えておらず、ロードラッグ性能とエネルギーマネジメントを週末の重要課題に挙げている。

    モンツァ専用のロードラッグ仕様と「Hウイング」
    マクラーレンは金曜日から2台のMCL40に小規模な空力アップデートを用意するほか、すでに申告済みの高速サーキット向けパーツも投入する。

    その中でも特徴的なのが「Hウイング」だ。名称は2010年のマクラーレンで話題となった「Fダクト」を意識したものとなっている。

    当時のFダクトは、開口部付近に配置されていたスポンサーのロゴに由来して「F」の名称が定着した。今回のHウイングも同様の発想で、その機構が設置される側に掲出されるエティハド(Etihad)の「H」にちなんで命名された。

    さらにマクラーレンは、モンツァに合わせて新しいロードラッグ仕様のリアウイングも投入する。予選までに複数の空力およびロードラッグ仕様を比較し、最終的なパッケージを決定する計画だ。

    2連勝でもモンツァでは勢力図が変わる可能性
    マクラーレンはハンガリーGPとオランダGPで連勝しているが、チームはモンツァで同じ優位性を期待できるとは考えていない。

    マクラーレンのテクニカルディレクター(エンジニアリング)を務めるニール・ホールディは、直近の結果に手応えを示す一方、イタリアGPはまったく異なる性格の戦いになると警戒する。

    「我々は2連勝を挙げてモンツァにやって来る。今シーズンに積み重ねてきた進歩がコース上で結果として報われたことは、チーム全員にとって素晴らしいことだった。再び勝てたことは最高の感覚だったし、さらにプッシュし続けようというチーム全体のモチベーションを高めてくれた」

    「ここ数戦で速いマシンを持っていたことは分かっているが、我々は何も当然だとは考えていない。ここは最近のサーキットとは大きく異なり、ハンガリーやオランダで見られたものとは必ずしも一致しない勢力図になる可能性がある」

    ライバルもシーズン中の開発を続けており、マクラーレン自身もMCL40の性能をさらに引き出す必要がある。

    「ライバルたちは空力とパワーユニットの開発を続けてくる。我々が再び先頭で戦うためには、セットアップやエネルギーマネジメントから、ドライバーが最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることまで、あらゆる細部を完璧に実行しなければならない」

    ロードラッグだけではないモンツァ特有の難しさ
    モンツァはF1カレンダーを代表する高速サーキットであり、長い全開区間に対応するためドラッグを可能な限り減らす必要がある。

    一方で、単純にリアウイングを寝かせればいいわけではない。高速域からの強烈なブレーキングではマシンの安定性が必要となり、シケインでは縁石を使いながら方向転換するための良好な動的特性も要求される。

    ホールディは次のように説明する。

    「モンツァは独特のチャレンジを突きつけてくる。長いストレートがあるため、ドラッグを減らすことが非常に重要になる」

    「大きなブレーキングゾーンでは安定性が求められ、シケインでは優れた動的挙動が必要になる。また、ラップ全体を通じてエネルギーにも制限があるため、どのように最適な形で回収し、展開するかを理解することがプラクティスでの重要なポイントになる」

    マクラーレン F1 イタリアグランプリ

    エネルギー戦略が生む「ヨーヨー効果」
    2026年F1マシンにとって、モンツァではパワーユニットの電気エネルギーをどこで回収し、どこで使用するかも大きなテーマになる。

    長いストレートが続くため、ライバル同士で異なるエネルギー戦略を採用した場合、同じラップの中でも場所によって加速性能の優劣が入れ替わる可能性がある。

    「その結果、オーバーテイクのマネジメントが特に重要になる。エネルギーの回収と展開について異なるアプローチを取れば、ラップの場所によって各マシンの優位性が入れ替わる『ヨーヨー効果』が生じる可能性がある」

    これは予選の一発の速さだけでなく、決勝でのバトルにも直結する要素となる。ロードラッグ化による最高速、ブレーキング時の安定性、シケインでの挙動、そしてエネルギー展開をどのように両立させるかがMCL40の競争力を左右する。

    新リアウイングを比較して予選仕様を決定
    マクラーレンは事前シミュレーションに加え、金曜日の走行で複数の仕様を比較する。

    「先頭集団の差は依然として非常に小さい。したがって、イベント前のシミュレーションとシミュレーター作業の精度が、しっかりとしたベースラインを作るうえで極めて重要になる。そこからクリーンなプラクティスセッションを重ね、マシンを微調整してマシンとドライバーのパッケージを最大限に引き出す必要がある」

    「今週末は、新しいロードラッグ仕様のリアウイングを含め、競争力を発揮するために必要だと考えているものを持ち込んだ。Hウイングも初めて使用する。それとともに、いくつかの小規模な空力オプションとロードラッグオプションを評価し、予選に向けた最終仕様を決定する」

    MCL40には「まだ引き出せる性能がある」
    マクラーレンにとってイタリアGPは、ハンガリーとオランダで示したMCL40の進歩が、性格のまったく異なる高速サーキットでも通用するのかを測る重要な一戦となる。

    ホールディは、現在のパッケージだけでもまだ性能を引き出せる余地があり、さらに今後のグランプリに向けたアップデートも予定されていると明かした。

    「全体として、MCL40にはまだ引き出せるパフォーマンスがあることが分かっている。すでに持っているパッケージを最大限に活用することでもそうだし、今後のレースに予定しているさらなるアップデートによっても可能だ」

    また、イタリアGPではOKXとのパートナーシップを記念してMCL40のカラーリングにも変更が加えられる。基本デザインを維持しながらOKXロゴ周辺などに専用グラフィックを採用し、ドライバーはオールブラックのレーシングスーツを着用する。

    2連勝という勢いを持ってモンツァに乗り込むマクラーレンだが、低ダウンフォースという特殊な環境では直近の優位性がリセットされる可能性もある。新しいロードラッグ仕様のリアウイングとHウイング、そして2026年F1で重要性を増したエネルギーマネジメントをどこまで最適化できるかが、3連勝を狙うMCL40の鍵となる。

  • マクラーレンF1 イタリアGPとスペインGPでOKX特別カラーのMCL40を投入

    マクラーレンF1 イタリアGPとスペインGPでOKX特別カラーのMCL40を投入

    マクラーレンF1は、オフィシャル・プライマリー・パートナーのOKXとのコラボレーションによる特別カラーを発表した。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリがドライブするMCL40に採用され、今週末のF1イタリアGPと、その後マドリードで開催されるスペインGPの2戦で使用される。

    今回のデザインは、2022年に始まったマクラーレン・レーシングとOKXのパートナーシップを記念したものだ。

    両者はこれまでにも複数の特別カラーやキャンペーンを展開しており、今回のMCL40はその歩みそのものをテーマとしている。

    モンツァとマドリードの2戦で特別カラーを採用
    マクラーレンとOKXの協力関係は2022年にスタートした。それ以来、F1マシンのカラーリングを活用した企画をはじめ、ファン向けのさまざまなキャンペーンやコンテンツを展開してきた。

    特別カラーでの取り組みとしては、2023年シンガポールGPの「ステルスモード」、2024年モナコGPでアイルトン・セナを称えた「McLaren SENNA presented by OKX」、さらに2025年モナコGPとスペインGPで採用されたリビエラをイメージしたカラーリングなどがある。

    今回発表されたデザインは、そうした過去の企画を踏まえながら、マクラーレンとOKXが築いてきたパートナーシップそのものに焦点を当てたものとなる。

    特別カラーは、モンツァで開催されるイタリアGPの週末を通じてノリスとピアストリのMCL40に施され、その後、マドリードで開催されるスペインGPでも再び使用される。

    マクラーレン イタリアグランプリ

    マクラーレン「パートナーシップの大きな価値を示している」
    マクラーレン・レーシングの最高マーケティング責任者(CMO)を務めるルイーズ・マキューエンは、OKXとの特別カラー企画が毎年大きな反響を呼んできたと語った。

    「OKXとのカラーリング・キャンペーンは、毎シーズンのハイライトになっています。象徴的だった2024年のSENNAデザインは、現在までで最も成功したキャンペーンのひとつであり、世代を超えたファンから世界的に非常に大きな反響を得ました」

    「この成功は、我々のパートナーシップが持つ大きな価値を示しています。今年、モンツァとマドリードで、これまで両者がともに成し遂げてきた成果を祝えることを大変うれしく思います」

    マクラーレン スペイングランプリ

    OKX「このデザインはパートナーシップそのものを表現」
    OKXの最高マーケティング責任者(CMO)であるハイダー・ラフィークは、2022年に提携を開始した当時から現在までのマクラーレンの変化を振り返り、今回のデザインには両者が歩んできた道のりが込められていると説明した。

    「2022年にマクラーレン・レーシングとパートナーシップを結んだとき、チームは中団にいて、その先にどんな道が待っているのか、誰にとっても明確だったわけではありません。それでも我々は、このチームがどこまで成長できるのかを信じていました」

    「シンガポールからモナコ、そしてリビエラまで、我々が一緒に作り上げてきたそれぞれのカラーリングは、その道のりにおける異なる瞬間を象徴してきました」

    「今回のデザインが表現しているのは、パートナーシップそのものです。ここまでたどり着くために何が必要だったのか、そしてそれがチーム、我々のブランド、さらにはこの物語を見守ってきたファンにとって何を意味するのかを表しています」

    2022年の提携開始から、マクラーレンとOKXの特別カラーは各シーズンの節目を象徴する企画として展開されてきた。2026年はモンツァとマドリードの2戦でMCL40の外観を変更し、両者が築いてきたパートナーシップの歩みを表現する。

  • ランド・ノリス マクラーレンF1長期契約前に他チーム関心も「離れる魅力なかった」

    ランド・ノリス マクラーレンF1長期契約前に他チーム関心も「離れる魅力なかった」

    ランド・ノリスは、少なくとも2030年までマクラーレンに残留する長期契約を結ぶ前に、他チームから関心を寄せられていたことを認めた。それでも、マクラーレンとの契約延長は自身のキャリアで「最も簡単な決断だった」と振り返っている。

    現F1ワールドチャンピオンのノリスは、年間約4000万ドル(約59億円)規模の契約を結んだと報じられ、2030年以降まで関係を延長できるオプションも含まれているとされる。

    一方、本人はインターネット上で伝えられている金額について「実際とはかなり違う」と説明した。

    ノリス「ルイスやマックスと同じレベルではない」
    F1のトップドライバーを巡って巨額の契約金が取り沙汰されるなか、26歳のノリスは自身の報酬について率直に語った。

    「残念ながら、ネットで見かけるような金額にはまったく近くないよ。もちろん、どんな仕事でも契約を延長すれば多少は上がるものだけどね」

    「ルイスやマックスのレベルにはまったく近くない。それで当然だと思う。僕は彼らがキャリアで成し遂げてきたほどのことを、まだ達成していないからね」

    ここでノリスが比較対象として挙げたのは、7度のF1ワールドチャンピオンであるルイス・ハミルトンと、複数回のタイトルを獲得しているマックス・フェルスタッペンだ。

    ただし、自身の現在のドライバーとしての実力については、トップクラスと戦えるレベルにあるとの自信も示している。

    「一方では、同じくらいであるべきだとも思っている。必要なときには彼らと戦えると思っているし、必要なときには彼らよりいい仕事ができるとも信じているからね」

    「だから、このことについては僕の中に2つの考えがあるんだと思う」

    ノリスは直近2戦のグランプリで連勝しており、現在のF1でも屈指のパフォーマンスを見せている。

    他チームからの関心も「離れる魅力はなかった」
    ノリスは今回の長期契約を結ぶ前、マクラーレン以外からも関心があったことを明かした。ただし、具体的なチーム名については言及していない。

    「他からの関心はあった」

    それでも、2019年のF1デビュー以来所属してきたマクラーレンを離れることは、ノリスにとって魅力的な選択肢ではなかったという。

    「本当に、これまでのキャリアで最も簡単な決断だったよ」

    「キャリアを終えるときに、マクラーレンが僕が所属した唯一のチームだったと言えたら、僕はものすごく幸せだと思う」

    マクラーレンはノリスとの新契約によって少なくとも2030年までその将来を確保したとされ、さらに契約関係を延長できる可能性も残されている。

    ランド・ノリス(マクラーレン)

    ラルフ・シューマッハ「ノリスはいまやチームリーダー」
    元F1ドライバーのラルフ・シューマッハも、マクラーレンがノリスとの長期契約を重視した理由は最近のパフォーマンスを見れば明らかだと評価している。

    オスカー・ピアストリとの比較について、シューマッハはノリスが現在のマクラーレンを牽引する存在になったとの見方を示した。

    「ノリスはいまやチームリーダーだ。それはもう、はっきり言わなければならない」

    「以前の彼は多くのミスを犯していた。しかし、いまはもうそうしたミスをしなくなった」

    さらにシューマッハは、現在のノリスを「いまのF1で最高のドライバーのひとり」と評価する。

    「ノリスは本当にトップレベルだ。一方で、ピアストリはいま苦しんでいる。彼にとっては厳しい状況になっている」

    2025年にF1ワールドチャンピオンとなり、2026年もトップ争いを続けるノリス。ほかのチームから関心を寄せられながらも、本人にとってマクラーレンとの長期契約に迷いはなかった。自身のキャリアをひとつのチームだけで完結させるという可能性も、ノリスにとって現実的な目標になりつつある。

  • ラファエル・カマラ ハースF1テストでフォルナローリと平川亮を上回る

    ラファエル・カマラ ハースF1テストでフォルナローリと平川亮を上回る

    ラファエル・カマラが、2027年のF1昇格に向けた重要な一歩を踏み出した。

    ポルトガルのアルガルヴェ・インターナショナル・サーキット(ポルティマオ)で行われたハースの非公開テストで、比較基準となったオリバー・ベアマンのタイムに最も近いパフォーマンスを示し、レオナルド・フォルナローリと平川亮を上回ったとブラジルのGE.globoが報じている。

    2027年のF1シート候補を評価する今回のテストには、21歳のカマラ、同じく21歳のフォルナローリ、32歳の平川亮が参加。ハースは3人に類似したテストプログラムを与えて比較を行ったが、非公開セッションだったため、それぞれのラップタイムは公表されていない。

    GE.globoが入手した情報によると、そのなかでレギュラードライバーのベアマンが記録した基準タイムに最も近づいたのがカマラだった。その結果、フォルナローリと平川亮を上回る評価につながったという。

    具体的なタイムや差は明らかになっていないものの、2027年のレギュラーシート獲得を目指すカマラにとって重要な結果となった。

    VF-25で3人を比較 カマラがベアマンの基準に最接近
    今回ハースが使用したのは、2025年F1シーズンを戦ったVF-25だった。現行規則で認められている旧型車テスト、TPC(Testing of Previous Cars)の一環として実施され、3人は類似したプログラムをこなした。

    カマラがハースのF1マシンをドライブするのは今回が初めてだった。しかし、F1マシンでの走行自体が初めてだったわけではない。

    フェラーリ・ドライバー・アカデミーに所属するカマラは、これまでハンガロリンク、バルセロナ、ムジェロでフェラーリのF1マシンをドライブしている。

    さらに今回のハースのテスト直前にもフェラーリがカマラの準備を支援した。8月26日(水)にはムジェロで2025年型SF-25を走らせ、その後ポルティマオへ移動してハースの評価に臨んだ。

    GE.globoによると、カマラはそれまでに行ったフェラーリでのテストでも好印象を残しており、高い評価を得た状態で今回のハースのテストに参加した。

    F2王者フォルナローリと経験豊富な平川亮も参加
    フォルナローリは2025年のFIA F2チャンピオンで、現在はマクラーレンのリザーブドライバーを務めている。

    フォルナローリは6月にスペインのヘレスでハースのTPCに参加しており、今回がチームで初めての走行ではなかった。また、数週間前には今回と同じポルティマオで2025年型マクラーレンもドライブしている。

    一方、平川亮は3人のなかでは最も豊富な経験を持つ。ル・マン24時間レースでの優勝をキャリアに持ち、日本のスーパーフォーミュラでは2020年にランキング2位を獲得している。

    F1でも複数のチームでリザーブドライバーを経験してきた。平川亮は昨年、ハースのリザーブドライバーとして契約。それ以前にはマクラーレンのドライバー・デベロップメント・プログラムに所属し、同チームのリザーブドライバーを務めたほか、アルピーヌでもリザーブを担当した。

    つまりカマラにとって今回のテストは、F2タイトルを獲得し、すでにハースとマクラーレンのF1マシンを経験しているフォルナローリ、そしてル・マン24時間レース優勝を含む豊富な実績と複数のF1チームでのリザーブ経験を持つ平川亮との比較でもあった。

    そうしたなか、GE.globoが入手した情報では、カマラが3人のうちベアマンの基準タイムに最も近いパフォーマンスを示した。

    カマラとフォルナローリが2027年シートの有力候補
    ただし、ハースのドライバー評価は今回で終了ではない。

    元アルピーヌF1ドライバーのジャック・ドゥーハンも翌週、スペインのヘレスでVF-25をテストする予定となっている。

    それでもGE.globoは、現時点で2027年のレギュラーシートを獲得する有力候補はカマラとフォルナローリの2人だとしている。

    空く可能性があるとされているのは、現在エステバン・オコンが座っているシートだ。

    GE.globoは以前から、オコンのパフォーマンスにハースが満足しておらず、現在のシートが近く空く可能性があると報じている。

    ベアマンは引き続きチームの中心となる見込みであり、カマラがシートを獲得すれば、ハースはフェラーリ・ドライバー・アカデミー出身の若手2人を並べることになる。

    ラファエル・カマラ

    フェラーリとの契約交渉もカマラの追い風
    カマラには、純粋なドライビングパフォーマンスとは別の強力な追い風もある。

    カマラは2021年、まだカートで戦っていた時期にフェラーリ・ドライバー・アカデミーに加入した。一方、ハースはフェラーリと緊密な技術提携関係にあり、パワーユニットだけでなく、ギアボックスやリアサスペンションなど、FIAの技術規則で認められる範囲のコンポーネントをフェラーリから購入している。

    両者の現在の供給契約は2027年末で満了する。

    GE.globoによると、ハースはこの契約をより有利な条件で更新することを目指しており、フェラーリ側もカマラを2027年のレギュラードライバーとして起用することと関連して、前向きな姿勢を示しているという。

    カマラとの契約が成立すれば、ハースはフェラーリから購入するコンポーネントについて、値引きを含む経済的な恩恵を得られる可能性がある。

    フェラーリにとっても、自ら育成してきたカマラをF1に昇格させ、ベアマンと同様にハースで実戦経験を積ませられるメリットがある。フェラーリとハース双方の利害が一致する構図となっている。

    ハースを逃した場合はフェラーリのリザーブへ
    一方、カマラには2027年にハースのシートを獲得できなかった場合の「プランB」も用意されている。

    GE.globoによると、ハースとの契約が実現しなかった場合、カマラは2027年シーズンにフェラーリのリザーブドライバーを務める見込みだという。

    さらにカマラ自身は、2026年中にフェラーリからF1公式セッションのフリー走行に出走する予定であることも明らかにしている。

    現在カマラはF2で145ポイントを獲得してランキング3位。首位のニコラ・ツォロフが167ポイント、2位のガブリエレ・ミニが147ポイントとなっており、残り5大会でタイトル争いを続けている。

    F2での結果に加え、フェラーリでのF1テスト、そして今回のハースでの直接比較と、カマラのF1昇格に向けた評価材料は着実に積み上がっている。

    特に今回、ラップタイムそのものは非公開ながら、F2王者のフォルナローリと、ル・マン24時間レース優勝や複数のF1チームでのリザーブ経験を持つ平川亮を上回り、ベアマンの基準タイムに最も近づいたというGE.globoの情報は大きい。フェラーリとの技術提携を巡る事情も含め、カマラは2027年のハースF1シート獲得に向けて有力な位置につけている。

  • ランド・ノリス マクラーレンF1と2030年末まで契約延長「ここが僕のホーム」

    ランド・ノリス マクラーレンF1と2030年末まで契約延長「ここが僕のホーム」

    2025年F1ワールドチャンピオンのランド・ノリスが、マクラーレンとの契約を2030年末まで延長した。新契約には2030年以降も継続できる複数年のオプションが含まれており、ノリスは長期的にマクラーレンへ将来を託すことになった。

    26歳のノリスは2017年にテスト兼開発ドライバーとしてマクラーレンに加入し、2019年にF1デビュー。これまで同チームで163戦に出走し、13勝、18回のポールポジション、48回の表彰台を記録している。2025年には自身初のF1ワールドチャンピオンを獲得した。

    ノリスが2030年末まで契約延長 さらに長期のオプションも
    ノリスの従来の契約は2027年末までだったとみられていたが、マクラーレンは契約満了を待たずに新たな長期契約を締結した。

    今回の契約により、ノリスは少なくとも2030年末までマクラーレンに所属する。さらに、その先もチームに残留できる複数年のオプションが設定されている。

    2030年まで契約を全うした場合、ノリスは31歳となり、F1レースドライバーとしてマクラーレンに12シーズン在籍することになる。これはルイス・ハミルトンがメルセデスで過ごした12シーズンと並ぶ長さだ。

    また、ノリスは現在までにマクラーレンから163戦のグランプリに出走しており、すでにチーム史上最多のF1出走記録を持つ。

    ノリス「マクラーレンは僕のホーム」
    「マクラーレンは僕のホームだ。少なくとも2030年までチームに残るための新しい契約を結べたことをとてもうれしく思っている」とノリスは語った。

    「9年前にこの旅を始めたとき、僕が達成したい目標は明確だった。マクラーレンをトップに戻し、チャンピオンシップを勝ち取ることだった」

    「僕たちはその目標を達成した。でも、もっと欲しい。これからも勝ち続けたいし、チームとしてそれができる力があることも分かっている」

    「モンツァでまたマシンに乗るのが待ちきれない。今シーズンの残りについても、これから先の数年間についても、僕たちにどんな未来が待っているのか本当に楽しみにしている」

    2025年タイトル獲得マシン「MCL39」もノリスへ
    契約延長に合わせ、マクラーレンはノリスに2025年のF1タイトル獲得に使用したMCL39を贈ることも明らかにした。

    ノリスは2025年に自身初のドライバーズタイトルを獲得。マクラーレンにとっては17年ぶりとなるF1ドライバーズチャンピオン誕生だった。

    チームとしても2024年と2025年にコンストラクターズ選手権を連覇しており、長く低迷した時代からタイトル争いの中心へと復帰した。その過程を一貫して支えてきたドライバーがノリスだった。

    ランド・ノリス(マクラーレン)

    ザク・ブラウン「新たなパパイヤの成功時代を築いた」
    マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンは、ノリスとの契約延長について次のようにコメントした。

    「ランドと新たな契約を締結し、少なくとも2030年までマクラーレンへのコミットメントを延長できたことを非常にうれしく思う」

    「彼がチームと歩んできた道のりは、世界トップクラスの才能を発掘し、育成し、支援するという我々の取り組みを示す素晴らしい例であり、彼が成し遂げてきたことがすべてを物語っている」

    「アンドレア(ステラ)、オスカー(ピアストリ)、そしてチーム全体とともに、ランドはマクラーレンを新たなパパイヤの成功時代へと導いてくれた。グリッド後方から、2024年と2025年のコンストラクターズ選手権連覇、そして17年ぶりとなるドライバーズ選手権制覇まで押し上げることに貢献してくれた」

    「我々はこれから待ち受ける未来を非常に楽しみにしており、今後も勝利とチャンピオンシップを争い続けることに完全に集中している」

    アンドレア・ステラ「速さだけでなく特別な人間」
    マクラーレンF1代表のアンドレア・ステラも、ノリスがチーム再建の中心的な存在だったことを強調した。

    「ランドは過去9年間、マクラーレンの歩みと成功に欠かせない存在だった。少なくとも2030年まで彼とのパートナーシップを継続できることをうれしく思う」

    「彼は並外れたドライバーだ。卓越した天性のスピードに加え、成熟度、一貫性、そしてマクラーレンに対する強いコミットメントを兼ね備えている。しかし何より、チームのみんなから大切にされている特別な人間だ」

    「ジュニアプログラムの一員としてマクラーレンに加入して以来、彼は我々とともに成長し、チームをF1のトップへ戻すうえで中心的な役割を果たしてきた」

    「今回の契約延長は我々に重要な継続性をもたらすと同時に、ともに進んでいる方向性への自信をさらに強固なものにする」

    「ランドとオスカーがいることで、我々にはF1で最も強力なドライバーラインアップのひとつだけでなく、最も結束し、緊密なチームのひとつがあると確信している」

    フェルスタッペンと同じ2030年末まで契約
    今回の契約延長によって、ノリスの契約満了時期はライバルであり友人でもあるマックス・フェルスタッペンと同じ2030年末となった。

    フェルスタッペンも最近、レッドブル・レーシングとの契約を2030年末まで延長している。2016年からレッドブルでF1を戦ってきたフェルスタッペンと、2019年からマクラーレン一筋で戦ってきたノリスという現在のF1を代表する2人が、それぞれのチームと長期的な関係を築く形となる。

    一方、ノリスのチームメイトであるオスカー・ピアストリは2028年末までマクラーレンとの契約を結んでいる。これによりマクラーレンは、少なくとも2027年と2028年の2シーズンについてノリスとピアストリのラインアップを確定させている。

    2017年に若手ドライバーとしてマクラーレンに加わり、チームの低迷期から復活、そして2025年のF1ワールドチャンピオン獲得までをともに歩んできたノリス。今回の契約延長によって、その関係は少なくとも2030年まで続くことになった。