マクラーレンF1代表のアンドレア・ステラが、F1モナコGPの裁定を巡ってアルピーヌのフラビオ・ブリアトーレが示した「判事とマクラーレンに深いつながりがある」との主張に強く反論した。ステラは一連の発言を「マクラーレンに対して侮辱的」と表現し、公の場で重大な主張をする以上、その発言には責任を負わなければならないと警告した。
マクラーレンとレッドブルの控訴が認められ、ピエール・ガスリーに科されていた2件の5秒ペナルティが再適用されたことで、アルピーヌはモナコGPの3位を失った。
判決後、ブリアトーレは国際控訴裁判所(ICA)の審理を担当した判事の1人とマクラーレンとの関係を問題視。これに対し、同じF1イタリアGPのチーム代表記者会見に出席していたステラが真っ向から反論した。
ステラ「マクラーレンに対して侮辱的だ」
モンツァで行われた記者会見には、ブリアトーレとステラに加え、フェラーリF1代表のフレデリック・バスールも出席していた。
ブリアトーレは、ICAの審理を担当した4人の判事のうち1人がマクラーレンと関係を持っていると主張。その判事が審理中に「検察官のように振る舞っていた」と述べ、中立性に疑問を投げかけた。
ステラは当初、この主張について反応することは「適切ではない」としてコメントを控えていた。しかし、記者から改めて質問を受けると、強い言葉でマクラーレンを擁護した。
「この記者会見がこういう方向に進んでいることは、マクラーレンにとって、そして十分な敬意を受けるに値するチームの評判にとって、かなり侮辱的だと感じている」
「そして、もし誰かがこのような主張をするのであれば、それはかなり重大な主張に見える以上、公の場で自分が発言したことに対して責任を負わなければならない」
ステラはさらに、ICAで行われた審理そのものについても全面的に擁護した。
「審理、そして国際控訴裁判所のすべてのプロセスは最高水準で実施された。このような形で、その場の正当性に疑問を投げかけるべきではない」
モナコGP裁定を巡って両者の主張が真っ向から対立
今回の対立の発端となったのは、モナコGPでガスリーに科された2件の5秒ペナルティだった。
モナコのピットレーンでは、FOMが管理するタイミングループに問題があり、実際には速度違反をしていないにもかかわらず、速度超過として検出されるケースが発生していた。
ガスリーに対するペナルティはいったん取り消されたものの、マクラーレンとレッドブルがICAに控訴。ICAは両チームの主張を認め、ペナルティを復活させた。
これによってガスリーは3位から後退し、レッドブルのアイザック・ハジャーが最終結果で3位に戻った。
判決を受けたブリアトーレは、決定自体については「受け入れる」としながらも、審理を担当した判事の1人とマクラーレンとの関係について強い疑念を表明していた。
一方のステラは、問題を判事と特定チームとの関係ではなく、F1におけるルール適用の一貫性と公平性という観点から捉えている。
マクラーレンが控訴した理由「スポーツ上の平等と公平性」
ステラはICAの判決を歓迎し、マクラーレンが控訴に踏み切った理由についても説明した。
「我々にとって間違いなく歓迎すべき決定だ」
「非常に重要なものだ。まず第一に、FIA国際スポーティングコード第1.1.1条の適用について明確さが加わったからだ。これは根本的な条項であり、そこから派生するあらゆるものの基礎となる」
マクラーレンにとって、今回の控訴は単純に選手権ポイントを取り戻すためのものではなかったとステラは強調する。
「我々が控訴したのは、この点について明確な判断を得る必要があると考えたからだ。我々が抱いていた懸念は、選手権の2ポイントを失う可能性があるということを超えたものだった」
「おそらく、この2ポイントが最終的に何かを左右することはないだろう。我々が懸念していたのは、スポーツ上の平等と公平性がどのように適用されるのかということだった。それが重要なんだ」

全F1チームが審理に参加
ステラによれば、今回の問題に関心を持っていたのはマクラーレンとレッドブルだけではなかった。
「これはマクラーレンだけにとって重要なことではない。実際、控訴したのはレッドブルと我々だが、審理にはすべてのチームが出席していた」
「ルールをどのように適用するのか、一貫性をどのように確保するのかを明確にするという意味で、非常に重要な機会だったからだ」
「そして今回の具体的なケースでは、レースウイークを通じて有効とされる手法について、一貫性をどのように保つのかという問題でもあった」
つまりステラは、今回のICA判決にはガスリーの順位だけでなく、F1全体における計測方法とスポーティングレギュレーションの適用基準を明確化する意味があったと主張している。
ブリアトーレの発言はFIA法務部門が確認か
ブリアトーレの発言は、単なる裁定への批判からさらに踏み込み、審理を担当した判事の独立性を問題視するものだった。それに対してステラは、ICAの手続きが「最高水準」で行われたと強調し、マクラーレンへの疑惑を明確に否定した。
PlanetF1.comによると、ブリアトーレの一連の発言についてはFIAの法務部門に報告され、確認の対象になっているとみられている。
現時点でFIAがブリアトーレの発言について何らかの正式な措置を取るかは明らかになっていない。また、ブリアトーレが主張した判事とマクラーレンとの過去の関係が、ICAの審理における利益相反に当たると認定されたわけでもない。
モナコGPの順位を巡る争いはICAの判決によって決着した一方、その後に飛び出したブリアトーレの主張によって、新たに審理の独立性を巡る論争へと発展した。ステラが「発言には責任を負わなければならない」と強く牽制したことで、今後はFIAがこの問題をどのように扱うのかにも注目が集まる。




















