カテゴリー: マクラーレンF1チーム

  • ランド・ノリス F1スペインGPでVSCに勝利阻まれる「完璧なレースだった」

    ランド・ノリス F1スペインGPでVSCに勝利阻まれる「完璧なレースだった」

    ランド・ノリスは、2026年F1スペインGPで勝利を逃したことに強い悔しさを示した。ポールポジションからレースを支配していたマクラーレンのノリスだったが、バーチャル・セーフティカー(VSC)のタイミングに翻弄されて3位。「今日は完璧なレースをした」と語り、自分にもチームにも落ち度はなかったと強調した。

    マドリンクで初開催されたF1スペインGPで、ノリスはスタートから首位をキープ。

    序盤にアンドレア・キミ・アントネッリの攻撃を退けると、その後はタイヤを管理しながらリードを築き、勝利に向けてレースをコントロールしていた。

    しかし、ランス・ストロールがマシントラブルでコース脇にストップしたことでVSCが導入されると状況が一変。ノリスはVSC発動時にすでにピット入口を通過しており、その直後にアントネッリとマックス・フェルスタッペンがタイムロスの少ないピットストップを行った。

    「完璧なレース」もVSCで約20秒を失う
    ノリスはレース後、自身のパフォーマンスについて迷いなく言い切った。

    「今日は完璧なレースをしたと感じている。タイヤマネジメントもすごく良かったし、他のみんなより一歩先にいたと感じていた」

    「予選は完璧だった。パフォーマンスという意味ではレースも完璧だったし、大きな差で僕たちが一番速かった」

    それだけに、ドライビングとは無関係の要因で勝利を失ったことへの落胆は大きかった。

    「パフォーマンスとはまったく関係のない形で負けるのは、とにかくフラストレーションがたまる。グリッド全体で、VSC中にピットストップをするチャンスがなかったのは僕だけだった。それによってレースタイムを20秒くらい失った」

    FIAのレース後記者会見でも、ノリスは今回の敗戦について、自分たちが勝利を「逃した」という表現とは少し違うとの考えを示した。

    「僕たちが何かをして勝利を失ったわけではない。今日はただ、信じられないほど不運だった」

    「これまでのレースでは、それで得をしたこともあれば、損をしたこともある。それもレースだ。でも、勝利を争っているときにはなかった。VSCだけが理由で勝利を失ったのは、おそらく今回が初めてだと思う」

    ノリスは「今日はもっといい結果に値したと思う」としながらも、優勝したアントネッリと2位のフェルスタッペンの走りには敬意を示した。

    「キミとマックス、おめでとう。2人ともいいレースをした。ただ今日は運が僕たちの側になかった」

    ランド・ノリス(スペイングランプリ)

    ピット入口通過のわずか5秒後にVSC
    ノリスにとって決定的だったのは、VSCが導入されたタイミングだった。

    記者会見では、ノリスがピット入口を通過してからわずか約5秒後にVSCが発動したことについて、ストロールの停止を見て事前にピットへ入る判断はできなかったのかとの質問が出た。

    これにノリスは反論した。

    「僕にどうやって分かるんだ? 答えが必要だよ」

    ピットウォールから情報を受け取る可能性を指摘されると、ノリスはチームと確認する必要があるとしながら、自身やマクラーレンに責任があるとの見方を否定した。

    「それならピットウォールと話さないといけない。僕はただマシンを運転しているだけで、そういうことは分からない」

    「チームのせいではないし、僕のせいでもない。それだけだ。ただ不運だった」

    VSCが終了したあとも、そのまま走り続けることは現実的な選択肢ではなかったという。

    「そのラップの終わりにはピットに入らなければならなかった。それが唯一のチャンスだった」

    「それでも全員のタイヤが冷えているから、ある程度はピットロスを減らすことができた。ミディアムは完全に終わっていて、ハードは素晴らしかった」

    ノリスはVSC終了後にハードタイヤへ交換したが、アントネッリとフェルスタッペンの後方へ下がることになった。

    13~14秒を取り戻してフェルスタッペンに迫る
    ハードタイヤに交換したノリスは、そこから猛烈な追い上げを開始した。

    前方ではシャルル・ルクレールがハードタイヤでロングスティントを続けており、アントネッリとフェルスタッペンがその後方でタイムを失ったこともあって、ノリスは急速にギャップを縮めた。

    「ペースはものすごく強かった。ハードでは、彼らが前で詰まっていたこともあるけど、13秒か14秒、あるいはそれ以上を取り戻したと思う」

    最終的にはフェルスタッペンの背後まで迫ったものの、オーバーテイクが難しいマドリンクでは決定的なチャンスを作れなかった。

    「マックスを捕まえようとして、いい戦いはできた。でも、ここでは抜くのが難しい。彼もほとんどミスをしなかった」

    フェルスタッペン自身も「マシンを真ん中に置いておけばうまくいく」と語っており、ノリスを抑え切るにはコース特性が有利に働いたことを認めている。

    ノリスは3位という結果を受け入れながらも、純粋な速さでは勝利できるレースだったとの考えを変えていない。

    「僕たちが今日勝利に値したとは思っているけど、こういうこともレースでは起こる。受け入れて、次でもう一度やるしかない」

    ランド・ノリス(マクラーレン)

    VSCルールに「もっと公平にできる」
    今回の出来事を受け、ノリスはVSC中のピットストップを巡るルールについても問題を提起した。

    VSCやセーフティカーの導入タイミングによってピットストップの損失時間が大幅に変化する問題は、以前からドライバー間で議論されてきたという。

    「これについては何年も前から、いろいろなドライバーが何度も話してきた。もちろん、変更することによるデメリットもあると思う」

    「過去には僕もこれで勝ったことがあるし、負けたこともある。シーズン全体で見れば、それがいいことなのか悪いことなのかは分からない。時間が経てば均等になるのかもしれない」

    それでも今回は、単なる数ポイントではなく勝利そのものを失った。

    「もちろん今回は勝利を失ったから、余計につらい」

    「今日はドライバーとして、これ以上いい仕事をするためにできることは文字どおり何もなかった。ポールを獲って、レースをリードして、それでも自分ではコントロールできないことで負ける。それがレースの勝敗を決めるべきではないと思う」

    ノリスは改善策として、VSC発動後に全員が一度ピットストップの機会を得られるようにする方法や、原則としてピット入口を閉鎖する案などを挙げた。

    「少なくとも1周はカバーして、全員にピットストップをする機会を与えることもできる。あるいはピット入口を閉じて、パンクなどの場合を除いて誰も入れないようにすることもできる」

    「もっとシンプルで、全員にとって公平にするためにできることはいくつかあると思う。ただ、これはもっと大きな議論が必要だ」

    一方で、雨天時にVSCが出た場合など、タイヤ交換を認める必要が生じるケースもあり、単純にピットを閉鎖すれば解決する問題ではないことも認めている。

    「雨が降っていてVSCが出て、自分がスリックを履いていたらピットに入れるのか、という問題もある。複雑なテーマだ」

    「でも、ドライバー全員で話せば、みんなが求めているのは同じだと思う。それは全員にとって公平であることだ」

    フェルスタッペンもノリスの意見に同調し、自身も過去に同様の状況で勝ったことも負けたこともあるとしたうえで、「将来的にもっと良くできるかもしれない」と語った。

    「こんな形で勝利を失うべきではない」
    ノリスは今回、自分が不利益を受けたからといって一方的にルール変更を要求しているわけではないことも強調した。

    「今日は僕が文句を言っているけど、次は僕がその恩恵を受けて勝つかもしれない。だから受け入れるしかない」

    それでも、ドライバーのパフォーマンスとは関係のないタイミングだけで勝敗が大きく動く状況には疑問を残した。

    「僕はただ、こんなことが誰にも二度と起きてほしくない。こういう形で勝利を失うべきではないと思う」

    結果は3位に終わったものの、ノリスにとってマドリンクで示した速さは大きな収穫だった。

    「この週末から持ち帰れるポジティブなものはたくさんある。日曜日のペースがあることは明らかだし、今日は僕たちが誰よりも良かった。それは安心できることだ」

    「チームは素晴らしい仕事をしている。僕たちは懸命に取り組んでいるし、これからもそうしなければならない。トップで戦うのは簡単ではない」

    ポールポジションからレースを支配しながら、わずかなVSC発動のタイミングによって勝利を逃したノリス。それでも、マクラーレンの純粋なレースペースには確かな手応えを得た。

    「ポジティブなことだらけの一日だった。ただひとつのことが、すべてを台無しにした」

  • マクラーレンF1 ノリスのVSCピット判断を説明「首位を守る選択肢はなかった」

    マクラーレンF1 ノリスのVSCピット判断を説明「首位を守る選択肢はなかった」

    マクラーレンF1のチーム代表アンドレア・ステラは、2026年F1スペインGPでランド・ノリスをVSC(バーチャル・セーフティカー)終了間際にピットインさせた判断について説明。「首位を守る選択肢はなかった」と明かした。

    ポールポジションからレースをリードしていたノリスは、勝利が有力視される展開だった。しかし、ランス・ストロールのマシン回収のために導入されたVSCのタイミングに翻弄され、ピットストップ後に5番手まで後退。最終的に3位まで挽回したものの、優勝を逃した。

    VSC発動時にはピット入口を通過
    ノリスは予選で最後のアタックを決め、マドリンクで初開催されたF1スペインGPでポールポジションを獲得。決勝でもスタートでアンドレア・キミ・アントネッリを抑えると、その後はタイヤを管理しながらリードを広げていった。

    レースの流れが変わったのは、ランス・ストロールがマシントラブルによってランオフエリアにマシンを止め、VSCが導入された場面だった。

    アントネッリとマックス・フェルスタッペンはVSCによる減速中にピットストップを行うことができたが、ノリスはその恩恵を受けられなかった。VSCが発動した時点で、ノリスはわずか数秒前にピット入口を通過していたためだ。

    そのためノリスはもう1周してからピットへ向かったが、今度はピットインするタイミングでVSCが終了。通常のレーシングスピードに戻った状況でピットストップを行うことになった。

    さらにピットでは約7秒を要し、ノリスは5番手まで後退した。

    「本来なら何秒もの差をつけて勝てた」
    ノリスはそこから追い上げて3位まで挽回したが、ステラは本来なら勝利できるだけのペースがあったと振り返る。

    「ポールポジションからスタートしてレースをリードし、素晴らしいペースがあった。本来なら何秒もの差をつけて勝てたレースだった。それが最終的には3位になった」

    「現実として、レースには自分たちでコントロールできる要素と、できない要素がある。VSCが出たタイミングは数秒遅すぎた。ランドはすでにピット入口を通過していたからだ」

    「そして今度は数秒早すぎた。ランドがピットに入ったところでVSCが終了してしまった」

    つまりマクラーレンにとっては、VSCの発動があと数秒早ければノリスをすぐにピットへ入れることができ、解除があと数秒遅ければ次の周でもVSC中にタイヤ交換を完了できた可能性があった。

    しかし、実際にはその両方から外れるタイミングとなった。

    ステイアウトしても首位は守れなかった
    一方、VSCが終了するタイミングでノリスをピットへ入れず、そのままコース上に残すという選択肢も考えられた。

    だが、ステラによれば、それでも首位を維持することはできなかったという。

    ノリスが使用していたミディアムタイヤにはすでにグレイニングが発生しており、最後まで走り切ることは現実的ではなかった。そのため、一時的に首位を維持したとしても、その後に通常のレーシングコンディションでピットストップを行う必要があった。

    「そのまま走り続ければ、すでにグレイニングが出ている中古のミディアムで走ることになる。そして、どこかの段階でピットに入れば、すでにハードタイヤへ交換したドライバーたちの後ろに出ることになる。そうなればシャルル・ルクレールと似たようなレースになっていただろう」

    「実際にはミディアムの方が早く終わるので、我々はもっと早くピットに入れる必要があった。つまり、首位を維持するための選択肢は本当になかった」

    VSC中にハードタイヤへ交換したライバルに対し、ノリスだけが中古ミディアムでステイアウトすれば、後のピットストップで大きなタイムロスを負う。マクラーレンは、VSCが解除されようとしていてもタイヤ交換を行うことが最善だったと判断した。

    「信じられないほど不運だった」
    ステラは今回の結果について、戦略そのものではなく、VSCのタイミングというチームがコントロールできない要素が決定的だったとの認識を示した。

    「タイミングが信じられないほど不運だったことを受け入れる必要がある。それでも、全体としてはポジティブなレースだった」

    「我々がコントロールできなかった要素が結果を左右した。しかし、自分たちでコントロールできた部分については、今後に向けて非常に楽観的になれる」

    実際、マドリンクでのマクラーレンのペースはライバルからも高く評価された。

    レース終盤にノリスを抑えたフェルスタッペンは、ノリスについて「僕たち全員より速かった」と認め、アントネッリもノリスは「勝利に値していた」と語った。

    アンドレア・ステラ(マクラーレン)

    異なるコースでも示したマクラーレンの競争力
    マクラーレンにとって結果以上に重要なのは、特性の異なるマドリンクでも高い競争力を発揮できたことだった。

    ノリスはハンガリーGPとオランダGPで勝利を挙げており、マドリンクでもポールポジションを獲得して決勝をリード。VSCがなければ勝利できた可能性が高いレース内容だった。

    「本当に不運だった。ただ、ザントフォールトやハンガリーとは非常に異なるレイアウトで、マクラーレンがこれほど競争力を発揮できたというポジティブなメッセージを受け取りたい。今後に向けて非常に心強い」

    ステラは最後に、今回の不運を冗談交じりに表現した。

    「これは受け入れるしかない。今日はレースに勝つには速すぎたんだ。もう少し遅ければ、ピットに間に合っていたのだから!」

    「我々は笑顔で受け止めているし、残りのシーズンを楽しみにしている」

    F1スペインGPでノリスが勝利を逃した背景には、VSC発動時にはすでにピット入口を通過し、次の周にピットへ向かうとVSCが終了するという数秒単位の不運があった。中古ミディアムでステイアウトしても後にピットストップが必要だったため、マクラーレンには首位を守れる現実的な選択肢はなかったというのがステラの説明だ。それでも、異なる特性を持つマドリンクで優勝を狙える速さを示したことは、残るF1シーズンに向けて大きな手応えとなった。

  • ランド・ノリス F1スペインGPで渾身のポール「キャリア最高のラップのひとつ」

    ランド・ノリス F1スペインGPで渾身のポール「キャリア最高のラップのひとつ」

    ランド・ノリスは、2026年F1スペインGPの予選で今季3回目となるポールポジションを獲得。マドリンクで決めた最後のアタックを「キャリアで最高のラップのひとつ」と表現した。一方で決勝については「僕たちが最速のマシンではない」と警戒している。

    マクラーレンのノリスはQ3最後のアタックで1分31秒824を記録。メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリをわずか0.011秒上回り、F1通算19回目、今季3回目のポールポジションを手にした。

    「キャリア最高のラップのひとつ」
    ノリス自身にとっても会心の1周だった。

    「このラップをものすごく誇りに思っている。すべてが噛み合って、自分が達成しようとしていたことを正確に引き出せた瞬間だった」

    「マシンの感触はよかったし、自信もあった。このサーキットで自分が走ったなかでは、あの最終ラップは限りなく完璧に近かった」

    予選後、「F1でこれまで走ったなかで最高の予選ラップか」と尋ねられたノリスは、「そうだと思う」と答えた。

    「ほとんどのコースでは、完璧とはどういうものなのか、自分が完璧なラップで何を達成したいのかは分かっている」

    「すごくいい日というのは、それにかなり近づけた日だ。でも今日は、最終コーナーまでは、ほぼすべてのコーナーで自分がやりたかったこと、その完璧なレベルに到達できたと思う」

    「こういうラップを達成するのは夢みたいなことだ。間違いなく、これまで走ったなかで最高のラップのひとつだった」

    縁石もブレーキングも「すべて完璧にまとまった」
    マドリンクでは縁石への乗せ方やブレーキングポイントなど、小さな違いがラップタイムを大きく左右する。

    ノリスはQ3最後の1周で、それらの要素をほぼ狙い通りにまとめた。

    「すべてが完璧にまとまった。縁石に当てるタイミング、どう縁石に乗るか、ブレーキングポイント、そういうすべてのタイミングを本当にうまく合わせることができた」

    「今日みたいな日、こういうコースではミスをするのは本当に簡単だ。でも、一番重要なラップでちゃんと決めることができた」

    公式記者会見では、その最終アタックでそれまでの自己ベストから約0.7~0.75秒もタイムを縮めたことを明かしている。

    「最終ラップでは、0.7秒とか0.75秒くらい改善した。それ自体は誇るようなことじゃないけど、それを最も重要なQ3でできたことは誇っていいと思う」

    特に、それまで慎重になっていたシケインで一気に限界へ踏み込めた。

    「シケインは初めてちゃんとうまくいった。ずっと少し慎重になっていたんだけど、縁石を使うという意味では、慎重すぎることが逆に悪くなる場合もある」

    最終コーナーでは「ウォールに当たったと思った」
    ほぼ完璧だったラップで唯一、ノリス自身が失敗したと感じたのが最終コーナーだった。

    「最終コーナーでちょっとした瞬間があった。マシンの中で少し興奮してしまったのか、エントリーでプッシュしすぎた」

    「正直、ウォールに当たったと思ったよ」

    パルクフェルメでも「今夜みんながマシンを修理することになると思った」と振り返ったが、接触を回避してフィニッシュラインを通過。0.011秒差でポールを奪った。

    「こういうラップを達成できることは滅多にない。だから、実際にできたときの感覚は本当に最高だよ」

    初開催となるマドリンクでポールを獲得したことも、ノリスにとって特別な意味を持つ。

    「マドリンクで行われる最初のF1レースでポールポジションを獲得できたことで、さらに特別なものになった。チームのみんなのハードワークに心から感謝している」

    FP2をギアボックス問題で失う
    今回のポールをさらに印象的なものにしたのが、金曜日に十分な走行時間を確保できなかったことだ。

    ノリスはギアボックスの問題によってFP2で走行できず、新設されたマドリンクで貴重な経験を積む機会を失った。

    「FP2でラップを走れなかったから、少し追いつく必要があった」

    新しいサーキットでは、単純な走行距離だけでなく、バンプの位置、縁石の使い方、スロットルを開けられるポイントなど、ドライバーが実走から得る情報も重要になる。

    「特に新しいコースでは経験を失うことになる。小さな部分だけど、どこにバンプがあるのか、新しいタイヤを履いたときにどこでもっと積極的にスロットルを開けられるのか、シケインの縁石をどう使うのか。ドライバーとしてそういうタイミングを学ぶ機会を失う」

    それでもFP3と予選で遅れを取り戻し、最も重要なQ3最後のアタックで結果につなげた。

    ランド・ノリス(マクラーレン)

    「ポールだけど僕たちが最速ではない」
    一方、ノリスはポールポジションを獲得したからといって、マクラーレンが決勝で最も速いマシンだとは考えていない。

    「明日はかなり厳しい一日になると思う」

    「ザントフォールトやブダペストほど単純にはいかない。あそこでは僕たちが最速のマシンだった。でも、確かに今は僕がポールにいるけど、僕たちが最速のマシンというわけではない」

    ノリスが強調したのは、ポール獲得にはほぼ完璧な1周が必要だったという事実だ。

    「今日は完璧なラップを走って、それでようやく100分の1秒差でポールを取れた」

    決勝では予選とは異なり、純粋なレースペースとタイヤマネジメントが問われる。その点でノリスには大きな未知数が残されている。

    高燃料走行なし 決勝前に「宿題」
    FP2を失ったことで、ノリスは決勝を想定した高燃料でのロングランをほとんど行えていない。

    「まだ高燃料ではほとんど走っていない。だから宿題をしないといけない」

    「昨日オスカーが何をやったのかを見て、何を準備できるか確認する必要がある。データを全部見て、チームと一緒に分析しないといけない」

    タイヤデグラデーションが大きいと予想されるだけに、どのコーナーでタイヤを守り、どこでプッシュするかも事前に把握しておく必要がある。

    「長いレースだし、新しいコースだ。どのコーナーでプッシュして、どこで抑えるべきなのか、バッテリーがどうなるのか。今夜やらなければならないことはたくさんある」

    それでも、オーバーテイクが難しいと予想されるマドリンクで先頭グリッドを確保した意味は大きい。

    「明日に向けて自分たちを可能な限り最高のポジションに置くことができた。今はそれを決勝で強い結果につなげることに集中している」

    FP2で貴重な走行時間を失いながら、Q3最後の1周ですべてをまとめたノリス。自身が「夢」と表現するほどの渾身のラップで初開催のマドリンクでポールを手にした。ただし、決勝では最速マシンではないとの認識を持っており、高燃料走行を経験していないことも不確定要素となる。アントネッリとマックス・フェルスタッペンを背後に従え、ポールを勝利へ変えられるかが注目される。

  • オスカー・ピアストリ ノリスとの関係悪化を否定「一緒にパデルもした」

    オスカー・ピアストリ ノリスとの関係悪化を否定「一緒にパデルもした」

    オスカー・ピアストリは、F1イタリアGPで繰り広げたランド・ノリスとの激しいバトルを受け、マクラーレンのチームメイトとの関係が悪化したとの見方を否定した。「僕たちはまったく問題ない」と強調し、レース後には一緒に空港へ向かい、その後パデルも一緒にプレーしたことを明かした。

    モンツァでは両者が何度も接近する場面があり、最終ラップにはノリスがピアストリを抜いて4位を獲得。

    ピアストリにとっては、予選でリアム・ローソンを妨害したとして3グリッド降格を受けたことも含め、フラストレーションの残る週末となった。

    モンツァで接近戦も「僕たちはまったく問題ない」
    ピアストリは予選で3番手タイムを記録したものの、ローソンへのインピーディングにより3グリッド降格。決勝では順位を取り戻しながら上位へ浮上し、終盤にはノリスとの直接対決となった。

    両者のバトルでは、ノリスがタイヤを芝生に落とすほど接近した場面もあり、ノリスは無線で不満を口にした。ただし、レース後にはノリス自身もピアストリに問題があったとは考えていないと認めている。

    今週末のF1スペインGPを前に、ピアストリはモンツァでの出来事によって2人の関係に亀裂が入ったとの見方を一蹴した。

    「うん、僕たちはまったく問題ない。僕の側のオペレーションという意味では、間違いなく一番スムーズな週末ではなかったし、フラストレーションを感じる瞬間もいくつかあった」

    「レースでは何度かかなり接近したのは確かだけど、僕たちは何も問題ない」

    さらにピアストリは、レース後の2人の様子を紹介し、関係悪化とは程遠いことを強調した。

    「ランドと僕は一緒に空港へ行ったし、今週は一緒にパデルもした。それに、同じチームになることを僕たち自身が選んだんだ! だから、僕たちはまったく問題ないよ」

    ピアストリは、マクラーレンの2人が近いパフォーマンスで争っている以上、ときには緊張感のある瞬間が生まれることは避けられないと考えている。

    「お互いが近いところを走っていれば、少しストレスのかかる瞬間は必ずある。たぶんマシンに乗っている僕たちより、ピットウォールの方がストレスを感じていると思う。でも、僕たちは問題ないよ」

    オスカー・ピアストリとランド・ノリス(マクラーレン)

    2026年型マクラーレンへの適応には苦戦
    ノリスとの直接対決では最終的に敗れたものの、ピアストリはモンツァで自身のパフォーマンスについて前向きな材料を得たという。

    ピアストリはここ数戦、マクラーレンの2026年型F1マシンから十分なパフォーマンスを引き出すことに苦戦してきた。本人も、昨年のマシンと比べて今年のパッケージにはうまく適応できていないことを認めている。

    「昨年のマシンほど、今年のマシンにはしっくりきていないのは確かだ」

    「毎年、誰もが多少はドライビングスタイルを変えなければならないと思う。それが僕たちの仕事だし、適応しなければならないからこそ、僕たちはここにいる」

    「今年はいくつかのことを乗り越えようとするなかで、かなり難しい部分があった。いくつか違う方向性も試してきた。正しい方向を見つけるには時間が必要なこともある」

    それでも、モンツァではマシンを必ずしも運転しやすくするわけではないものの、ラップタイムにつながる方向性を見つけられたという。

    「モンツァでは、少なくともいくつかのことを見つけられたと思う。それによって必ずしも物事が簡単になったわけではないけど、僕たちを速くしてくれた」

    「そこが一番大きい。これを今後につなげていければと思っている」

    初開催マドリンクは「実際に走れば違う」
    25歳のピアストリは、ドライバーズランキング7位でF1スペインGPを迎える。首位のメルセデスのキミ・アントネッリとは151ポイント差がついているが、初開催となるマドリンクは、モンツァで見つけた改善をさらに前進させる機会となる。

    他のドライバーと同様、ピアストリが新しい半市街地サーキットを経験したのは、これまでシミュレーター上だけだ。金曜日の走行開始を前に、実際のコースでは印象が変わる可能性があると語った。

    「どんな感じになるのか興味深いね」

    「もちろんシミュレーターでは走っているけど、特にストリートサーキットでは、実際に走るといつも少し違う。特に、本物のウォールには実際にぶつかることになるからね」

    「いいコースになると思うよ」

    モンツァではノリスとの激しいチーム内バトルが注目を集めたピアストリだが、本人は両者の関係に問題があるとの見方を明確に否定した。それ以上に本人が課題として捉えているのは2026年型マシンへの適応であり、モンツァで見つけた改善の方向性を初開催のマドリンクでも結果につなげられるかが焦点となる。

  • オスカー・ピアストリ F1イタリアGPで“転機” F1TV記者「今季初めて本来の走り」

    オスカー・ピアストリ F1イタリアGPで“転機” F1TV記者「今季初めて本来の走り」

    オスカー・ピアストリにとって、2026年F1第13戦イタリアGPは今季の転機となるレースだったのかもしれない。F1TVのローレンス・バレットは、モンツァでのピアストリについて、今季初めてマクラーレンのマシンで「自分ができると分かっている走り」ができたように感じたと指摘した。

    2026年の新レギュレーションへの適応に苦しんできたピアストリだが、イタリアGPでは予選でリアム・ローソンを妨害したとして3グリッド降格ペナルティを受けながら、決勝では5位まで挽回。

    終盤にはチームメイトのランド・ノリスと激しい4位争いを繰り広げ、最終的には敗れたものの、レース後には自身のパフォーマンスに前向きな手応えを示していた。

    2026年で初めて見えたピアストリ本来の走り
    ピアストリは今季、マクラーレンMCL40から安定してパフォーマンスを引き出すことに苦戦してきた。特にレースペースは本人も課題として認めており、ブレーキングスタイルがエネルギーマネジメントにも影響を及ぼしているとされている。

    その一方で、ノリスはハンガリーGPとオランダGPで優勝。チームメイトが結果を積み重ねるなか、ピアストリにとってモンツァは重要な週末になっていた。

    F1TVのレポーターとしてシーズンを通してピアストリを取材してきたバレットは、『F1 Nation』で、その表情や言葉にこれまでとは異なるものを感じたと語った。

    「オスカーにとって非常に大きな週末だった。彼自身も本当に必要としていたと思う。ランドはハンガリーとザントフォールトで2勝を挙げていたからね」

    「才能が突然なくなるわけではない。だから、彼にとって重要な週末だったと思う。金曜日から感触が良かった。それが非常に重要だったと思う」

    「予選では徐々に調子を上げて、ポールポジション争いに加われるところまで来ていた」

    ピアストリは予選Q2でローソンを妨害したとして3グリッド降格を科され、決勝ではノリスより後方からスタート。それでも順位を上げ、終盤にはノリスと直接対決するところまで追い上げた。

    2人の争いではノリスが一時コース外の芝生に出る場面もあったが、ピアストリはポジションを守る権利を持ちながらフェアにバトルした。最終ラップにノリスの先行を許し、4位と5位でチェッカーを受けた。

    「今日のレースでの彼の対処の仕方は印象的だった」とバレットは続ける。

    「TVペンで話したとき、コース上ではまたチームメイトに負けたにもかかわらず、自分自身のレースの進め方や、非常にフェアにバトルできたことにかなり満足していた」

    そして、バレットが最も大きな変化として挙げたのが、ピアストリがMCL40を自分の望むようにドライブできているように見えたことだった。

    「彼は今年、自分にはできないのではないかと個人的には心配していたかもしれないような方法で、マシンをドライブすることができた」

    「まだひとつのサーキットにすぎないから、あまり興奮しすぎるつもりはない。ただ、今年ずっと彼と話してきた僕にとっては、オスカーがこのマクラーレンで、自分ができると分かっていることをできたと感じたのは初めてだった」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

    ノリスに敗れても得られた手応え
    結果だけを見れば、ピアストリはイタリアGPでもノリスの後塵を拝した。しかし、モンツァで重要だったのは5位という順位以上に、2026年型マシンを自分のスタイルで操れる感覚をつかみ始めたことだった。

    ピアストリは2026年シーズンを通じて新世代F1マシンへの適応という課題と向き合ってきた。モンツァだけで復調を断定することはできないものの、金曜日から競争力を示し、予選ではポール争いが視野に入るペースを発揮。決勝でもノリスと直接争えるところまで持ち込んだ。

    次戦F1スペインGPの舞台となるマドリンクは、全ドライバーにとって未知の新コースとなる。イタリアGPで得た感触を異なる特性のサーキットでも再現できれば、モンツァはピアストリにとって2026年シーズンの転機だったと振り返られる一戦になるかもしれない。

  • マクラーレンF1 スペインGPでMCL40に小規模アップデート Hウイングは撤去

    マクラーレンF1 スペインGPでMCL40に小規模アップデート Hウイングは撤去

    マクラーレンは、2026年F1第14戦スペインGPでMCL40に小規模なアップデートを投入する。一方、前戦イタリアGPのモンツァで導入した「Hウイング」は、マドリンクの特性に適さないことから使用しない方針だ。

    F1がマドリードで開催されるのは1981年以来45年ぶり。今回の舞台となるマドリンクは完全な新設サーキットであり、各チームには過去のレースデータが存在しない。マクラーレンにとっても、金曜日のフリー走行で路面のグリップレベルやタイヤの挙動をいかに早く把握できるかが重要になる。

    過去データのないマドリンク シミュレーターを軸に準備
    マドリンクはF1にとってまったく新しい市街地サーキットだ。既存の開催地とは異なり、マクラーレンには過去のレースから得られたデータがなく、セットアップを比較するための基準も存在しない。そのため、走行するすべてのラップが学習の機会となり、最初のフリー走行から重要な意味を持つ。

    マクラーレンは主にシミュレーターを使ってスペインGPへの準備を進めてきた。シミュレーションによってMCL40のセットアップの出発点を定めるとともに、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリもマドリンクのレイアウトへの習熟を進めている。

    ただし、実際にMCL40をコースへ送り出さなければ分からない要素も多い。実際のグリップレベル、タイヤの挙動、エネルギーデプロイメント、オーバーテイクの可能性、そして週末を通じた路面の進化などは、実走データによって確認する必要がある。

    過去のデータがないからこそ、マクラーレンには素早く学習し、それに応じてマシンを適応させる能力が求められる。シミュレーターで得た情報とサーキットで収集したデータを早い段階で照合し、セットアップを煮詰めながら実際の勢力図を把握していくことになる。

    また、走行プログラムを効率的に消化すると同時に、セッションごとに明らかになる新たな情報にも対応しなければならない。未知のサーキットでは、マシンそのものの速さだけでなく、チームの適応速度も結果を左右する要素となりそうだ。

    MCL40に小規模アップデート モンツァのHウイングは使用せず
    マクラーレンはスペインGPで、MCL40に小規模な空力アップデートを投入する予定だ。

    その一方で、イタリアGPで登場したHウイングは使用しない。モンツァの高速・低ドラッグ特性に合わせて採用されたエアロパーツであり、マドリンクのコース特性には適していないと判断された。

    マクラーレンでパフォーマンス担当テクニカルディレクターを務めるマーク・テンプルは、完全な新設サーキットで戦うことには大きなチャンスがある一方で、相応のリスクも伴うと説明する。

    「マドリードの完全に新しいサーキットに挑むことは、大きなチャンスであると同時に、大きなリスクでもある。レイアウト、エネルギーデプロイメント、空力面での要求についてはシミュレーションから確かなデータを得ているが、最大の不確定要素は、この新しいアスファルトでタイヤがどのように機能するかだ」

    「金曜日のフリー走行でコースのグリップレベルと路面コンディションを理解することが、その後の週末を組み立てるうえで非常に重要になる」

    マクラーレン スペイングランプリ

    「狭くブレーキング安定性が必要」マドリンクの特徴
    未知数なのは新しいアスファルトだけではない。テンプルによれば、マドリンクそのものもドライバーにとって難しいレイアウトになるという。

    低速区間では縁石を正確に使うことが求められる一方、いくつかの高速コーナーも存在し、そこでドライバーやマシンの差が表れる可能性がある。

    「サーキット自体は狭く、特にコーナーへ進入する際には非常に高いブレーキング時の安定性が求められる。また、低速セクションでは縁石に対する高い精度が必要で、それに加えていくつかの重要な高速コーナーもある」

    こうした組み合わせにより、最初のフリー走行では限界を探る作業も難しくなりそうだ。ノリスとピアストリはMCL40の挙動を確認すると同時に、グリップの限界を探りながら、新しいコースそのものを学習していかなければならない。

    空力とメカニカルの改良を継続「一歩ずつ前進」
    マクラーレンはマドリードでも、ここ数戦で進めてきたMCL40の継続的な開発を続ける。

    空力面とメカニカル面の双方で段階的な改良を進めており、今回の小規模アップデートもその一環となる。トップチーム間の差が依然として小さい状況では、わずかな改善でも結果を左右する可能性がある。

    「MCL40に対する継続的な空力面とメカニカル面の改良によって、我々は一歩ずつ前進している。ただ、トップチーム間の差は依然として非常に小さい」

    「新しいサーキットでは、最も素早く適応したチームが報われる。我々の目標は、各セッションを重ねるごとに自信とパフォーマンスを高め、日曜日の重要な場面で可能な限り最高の結果を手にすることだ」

    過去の実走データが存在しないマドリンクでは、金曜日からどれだけ早くシミュレーションとの相関を取り、MCL40を最適な状態へ近づけられるかが鍵になる。小規模なアップデートも投入するマクラーレンにとって、F1スペインGPはマシン性能だけでなく、チームの対応力も試される週末となる。

  • マクラーレンF1 ノリスとピアストリの同士討ちを容認「レースをさせる方が重要」

    マクラーレンF1 ノリスとピアストリの同士討ちを容認「レースをさせる方が重要」

    マクラーレンは、2026年F1イタリアGP終盤にランド・ノリスとオスカー・ピアストリが激しく4位を争った場面について、チームオーダーを出さなかった判断を擁護した。アンドレア・ステラ代表は、同じマシン、同じタイヤ条件で走る2人の争いに介入する必要はなかったと説明している。

    一方で、2人を自由に戦わせたことで前を走るマックス・フェルスタッペンを攻略するチャンスを失った可能性については、レース後に検証する方針を示した。

    ノリスが芝生に押し出されたと訴えた際の攻防についても確認したが、ステラは「その瞬間に見えたほど深刻なものではなかった」との見解を示している。

    ノリスとピアストリが終盤に4位を巡って激突
    マクラーレン勢は、予選でピアストリが3番手から6番手に降格し、ノリスが8番手からスタート。決勝ではともに順位を上げ、終盤には3番手を走るフェルスタッペンの直後まで迫った。

    48周目、ノリスがまずピアストリをかわしたものの、ピアストリが反撃。その後も2人の接近戦は続き、51周目には大きな緊張が走った。

    ノリスはクルバ・グランデでピアストリのアウト側から仕掛けたが、ピアストリが左へ寄せてポジションを守ったことで、ノリスは左側のタイヤを芝生に落とした。

    ノリスは無線でピアストリにコース外へ押し出されたと訴え、マクラーレンもピアストリに対してクリーンなバトルを続けるよう伝えた。

    それでもチームは順位を固定することなく、2人に自由に争わせた。最終的にはノリスがファイナルラップで4位を奪い返し、ピアストリが5位でチェッカーを受けた。

    ステラ「介入する必要はないと考えた」
    アンドレア・ステラは、マクラーレンがチームオーダーを出さなかった理由について、ノリスがフェルスタッペンを追うためには、まず自力でピアストリを抜く必要があったと説明した。

    「この状況では、ランドがマックスに挑戦するチャンスを得るためには、まずオスカーを抜けなければならないと考えていた」

    「そして2台は同じタイヤで、タイヤの使用年数も同じ、マシンも同じだった。だから、レースの自然な展開に介入する必要はないと考えた。我々は彼らにレースをさせた」

    「それが正しい判断だったと考えている。全体的に見ればマックスの方が速かったと思う。モンツァではスリップストリームを失うと、後ろの相手からポジションを守るためにエネルギーを使わなければならなくなる。彼はそういう状況に陥っていただけだ」

    結果的にノリスとピアストリは4位と5位に終わり、フェルスタッペンを攻略することはできなかった。

    同士討ちでフェルスタッペン攻略の機会を失った?
    ステラは、2人を争わせたことでタイムを失い、フェルスタッペンに仕掛ける可能性を自ら小さくしたのではないかという点については、検証が必要だと認めた。

    「互いに戦い始めれば、当然ながらタイムを失う可能性がある」

    「では、マクラーレンがフェルスタッペンと戦うために、もっと良い方法があったのか。それについては検証する」

    「ピットウォールから見て、それは明白ではなかった。我々としては、自分たちのレース哲学に従い、彼らにレースをさせることの方が重要だと考えた」

    マクラーレンはドライバー同士を可能な限り自由に競わせる方針を掲げており、今回もその原則を優先した形だ。

    ノリスの芝生走行「見た目より穏やかな出来事」
    ノリスが芝生にタイヤを落とした場面についても、ステラは映像を確認した結果、重大な問題とは捉えていない。

    「ランドが芝生にタイヤを落とした瞬間、彼は無線で『押し出された』というようなコメントをしていた」

    「だが実際に確認してみると、その瞬間の緊張感の中で見えたものより、はるかに穏やかな出来事だったと思う」

    「もちろん、これは検証する。そして、このようなレースをどのように行うべきなのかという文脈の中でも検証する」

    アンドレア・ステラ マクラーレン F1

    ノリス「ピアストリは何も悪くなかったと思う」
    レース直後のノリス自身も、無線で示した不満からトーンを変え、ピアストリに問題があったとは考えていないと語った。

    「映像を見ないといけない。でも、正直なところ、そうではないと思う。マシンに乗っていると、すべてが本当に一瞬で起きるからね」

    「僕が少し左に動いて、彼が右側に戻ってきて、そのあと真っすぐにした。だから、ときには何かされたような感覚になることもある。でも、彼が何か悪いことをしたとは思っていない」

    「いい激しいバトルだった。僕たち2人ともいいレースをしたし、楽しかった。僕にとって4位で終えられたのは、今日はいい結果だった」

    「だから満足している」

    ピアストリもレース後、最終的にポジションを失ったものの、ノリスとの攻防を良いバトルだったと振り返っている。

    予選ではピアストリがリアム・ローソンを妨害したことで3番手から6番手へ降格し、ノリスも8番手にとどまったが、決勝では4位と5位まで挽回した。ステラは予選よりもレースでチームの力を引き出せたと評価する一方、モンツァ特有のストレート性能が要求される状況では、上位を走ったメルセデス勢に挑むだけのペースはなかったと認めている。

    マクラーレンにとって今回の焦点は、ノリスとピアストリの接触寸前の攻防そのものだけではない。ドライバーを自由に競わせるというチームの基本方針を維持しながら、前方のライバルを攻略するためにどこまで戦略的な介入を行うべきなのか。ステラはイタリアGPでの一件を材料に、そのバランスを改めて検証することになる。

  • ランド・ノリス F1イタリアGPで4位「必要なレベルにまったく届いていない」

    ランド・ノリス F1イタリアGPで4位「必要なレベルにまったく届いていない」

    ランド・ノリスは、2026年F1第13戦イタリアGP決勝を4位で終えた。終盤にはチームメイトのオスカー・ピアストリと激しいバトルを繰り広げて先着したが、マクラーレンの現状について「必要なレベルにまったく届いていない」と厳しい評価を下した。

    ハードタイヤを機能させるまでに苦戦したノリスだったが、レース後半にはペースを上げ、スリップストリームを利用しながら前方との差を縮めた。最終盤にはピアストリとの直接対決を制し、6番グリッドから4位まで順位を上げた。

    ピアストリとの激しいバトル「いい戦いだった」
    ノリスはレース終盤、ピアストリとホイール・トゥ・ホイールの攻防を展開。一時は芝生にタイヤを落とす場面もあったが、最終的にチームメイトを攻略して4位を手にした。

    「レースには満足している。今日の4位は僕たちにとっていい結果だった。タフなレースだったし、マシンも扱いづらかったけど、持っているものを最大限に生かすためにうまく走れたと思う」

    「後半はすごく強かった。スリップストリームを使ったことで再び戦いに戻ることができたし、最終ラップでのルイス(ハミルトン)やオスカーとのバトルも楽しかった。いいハードレーシングだったし、その争いを前で終えられたのは満足だった」

    レース後のインタビューでも、ピアストリとの攻防について「ところどころ楽しかった」と笑顔を見せた。

    「まあまあかな。ところどころは楽しかったよ。もちろん、かなりの部分が誰がいつボタンを押すか、みたいな戦いでもあるけど、それでも楽しかったし、いいバトルだった」

    「最終的にこのポイントを獲得できたことには満足している」

    「必要なレベルにまったく届いていない」
    一方、4位という結果とは対照的に、ノリスはマクラーレンの純粋な競争力について厳しい見方を示した。

    モンツァはマクラーレンに適したサーキットではないと予想されていたが、今回のパフォーマンスが今後のより一般的なコースに向けた好材料になるかと問われても、ノリスは慎重だった。

    「いや、いくつかのサーキットではまだ強いと思う。でも、僕たちは必要なところにはまったく届いていない。だから、実際のところ何も変わっていないと思う」

    「ここにはウイングとか新しいパーツをいくつか持ち込んだ。それらはすべて機能したし、僕たちの助けにもなった。でも、必要なレベルには明らかに近づけていない。だから新しい話ではないよ」

    ノリスは公式コメントでも、予選でのパフォーマンスとストレートスピードを弱点として挙げた。

    「結果にかかわらず、僕たちがいるべき場所にいないことは明らかだ。今週末は僕たちの弱点が浮き彫りになった。全体的なパフォーマンスが不足しているし、特に予選がそうだ。ストレートスピードも不利になっている」

    「最近勝っているとはいえ、チームとしてやらなければならないことはまだたくさんある。自分たちの強みと弱みは分かっているし、これからの課題は残りのシーズンに向けて改善していくことだ」

    ランド・ノリス(マクラーレン)

    マクラーレンはバクーにアップデートを投入予定
    マクラーレンF1代表のアンドレア・ステラも、モンツァではメルセデスが明確に一歩先を行っていたと認めた。

    「今日のレースは予選よりも高いレベルで遂行できた。予選で6番手と8番手だったことで、オーバーテイクが難しいフィールドの中では代償を払うことになった」

    「ここではスリップストリームとエネルギーマネジメントの影響によって、より速いマシンでも引き離すのが難しい。そしてメルセデスには明確なアドバンテージがあったため、我々は優勝争いには加われなかった」

    ステラは残り10戦について、マレーシア、オースティン、ブラジルなどはマクラーレンにより適していると予想。また、次戦バクーにはアップデートを投入する予定であることも明らかにしている。

    モンツァではピアストリとの激しいバトルを制して4位を手にしたノリスだが、その評価基準は順位以上に高い。最近の勝利にもかかわらず、マクラーレンはまだ求める競争力に達していないとして、残り10戦でのさらなる改善を求めている。

  • オスカー・ピアストリ F1イタリアGPで5位「ノリスとのバトルはいいレースだった」

    オスカー・ピアストリ F1イタリアGPで5位「ノリスとのバトルはいいレースだった」

    オスカー・ピアストリは、2026年F1第13戦イタリアGP決勝を5位で終えた。終盤にはマックス・フェルスタッペンやチームメイトのランド・ノリスと激しいポジション争いを繰り広げ、マクラーレン勢は4位と5位でフィニッシュした。

    ピアストリは週末を通して最近では最も手応えのあるペースを示し、決勝では表彰台争いにも加わった。最終的にはノリスに先行を許したものの、「チームとして得られる最高の結果だった」とレースを振り返った。

    フェルスタッペンやハミルトンとの攻防で「判断が難しかった」
    ピアストリは序盤から上位争いに加わり、ルイス・ハミルトンやフェルスタッペンとのバトルを展開。特にスリップストリームの影響が大きいモンツァでは、一度前に出ても再び抜き返される「ヨーヨー」のような展開となり、レースタイムを失わずにポジションを守る判断が難しかったという。

    「間違いなく厳しいバトルだった。ルイス、そしてマックスとの間で行ったり来たりするような展開になって、引き離すのが難しかった」

    「簡単にオーバーテイクを許すわけにはいかないけど、同時にレースタイムを失いたくもない。戦っている相手についていきたいわけだから、そのあたりをどう判断するかはかなり難しかった。今回のレースから学んだことはいくつかある」

    一方で、ピアストリは自身のペースについて大きな手応えを感じている。

    「今週末は、ここしばらくの中では間違いなく一番いい感触だったと思う。ペースも最近では一番励みになるものだった」

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

    最終盤にノリスと激しいチームメイト対決
    レース終盤にはノリスがピアストリとの差を縮め、マクラーレン同士による直接対決に発展した。2台はホイール・トゥ・ホイールで争い、一時はノリスがコース外の芝生にタイヤを落とすほど激しい攻防となった。

    ピアストリは、チームメイトとのバトルについて肯定的に受け止めている。

    「間違いなくタフなバトルだった。特に最後の数周は、僕たち2人のペースはかなり互角だったと思う」

    「だから、いつバッテリーを使うのか、いつ使わないのかを判断するのも難しかった。でも、いいバトルだったと思う。僕の立場からすれば、いいレースだった。間違いなくエキサイティングだったよ」

    最終的にノリスが4位、ピアストリが5位となり、マクラーレンは2台を続けてフィニッシュさせた。

    「最終的には、これがチームとして得られた最高の結果だったと思う。だからかなり満足している」

    「今日は3番目に速いチームだった」
    ピアストリは、優勝したアンドレア・キミ・アントネッリを擁するメルセデスとの差も認めている。

    「結局のところ、今日は僕たちが3番目に速いチームだった。メルセデスは明らかに他のみんなよりかなり速かったし、マックスにも予想していた以上のペースがあった」

    「チームにとってはいい結果だったし、おそらくこれ以上の結果は得られなかったと思う。激しくて暑いレースだったけど、感触はずっと良くなった。このポジティブな流れをこれからも続けていければと思う」

    マクラーレンF1代表のアンドレア・ステラも、ノリスとピアストリの攻防について、チームとして自由に戦わせる方針だったと説明した。

    「ランドとオスカーはレースを通して同じように高いレベルのパフォーマンスを見せていた。今日見られたのは、ファンにエキサイティングなショーを届ける、いいハードレーシングだった」

    「我々は彼らを戦わせた。ランドが芝生に出た場面はライブ映像ではかなり劇的に見えたが、確認した限りでは問題のないものだった。この方針にはリスクもあるので、常にチームの利益を最優先にしながら慎重に検証していく」

    予選8番手から決勝5位まで順位を上げ、最近では最も強い手応えを得たピアストリ。勝利争いには届かなかったものの、モンツァで見せたレースペースと激しいバトルは、シーズン終盤に向けたポジティブな材料となった。

  • オスカー・ピアストリ F1イタリアGPで3グリッド降格 ローソン妨害で6番手へ

    オスカー・ピアストリ F1イタリアGPで3グリッド降格 ローソン妨害で6番手へ

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、2026年F1イタリアGPの予選でリアム・ローソン(レッドブル・レーシング)の走行を妨害したとして、3グリッド降格ペナルティを科された。予選3番手を獲得していたピアストリは、決勝を6番グリッドからスタートする。

    問題となったのは、ピアストリがピットアウトした直後のレッティフィーロ・シケイン(ターン1)。スチュワードは、ピアストリにローソンを意図的に妨害する意思はなかったと認める一方、「不必要な妨害」に該当すると判断した。

    ピットアウト直後にフェルスタッペンとローソンが接近
    インシデントは、ピアストリがピットレーンからコースへ復帰するタイミングで発生した。

    その際、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンとリアム・ローソンが後方から接近。フェルスタッペンはピアストリをかわすことができたものの、その直後を走っていたローソンはピアストリの影響を受ける形となった。

    スチュワードの裁定文によれば、ピアストリはピットを離れる際、レースエンジニアから次の情報を伝えられていた。

    「フェルスタッペン、ローソン、サインツがちょうど通過している。サインツはピットに入った。フェルスタッペンとローソンだけだ。合流するときに彼らに注意して」

    しかし、フェルスタッペンとローソンがプッシュラップ中であることまでは明確に伝えられていなかった。

    ピアストリはターン1に近づいた段階でフェルスタッペンがプッシュラップ中だと認識。大きく減速して右側に寄り、フェルスタッペンを先行させた。

    だが、ローソンがそのすぐ後方を走っていたため、ピアストリはローソンへの妨害を避けることができなかった。

    スチュワード「他に選択肢はなかった」も妨害と認定
    スチュワードは、ピアストリが置かれていた状況について一定の理解を示した。

    「スチュワードは、彼が持っていた情報と置かれていた状況を考慮すれば、この段階で81号車のドライバーには他に選択肢がなかったことを認める」

    その一方で、結果としてローソンの走行を妨げた事実については明確に認定した。

    「したがって、81号車は意図せず、かつ不必要に30号車を妨害した」

    意図的な行為ではなく、ピアストリ自身も回避を試みていたものの、予選中のアタックを妨害したという結果を重く見て、3グリッド降格が科された。


    ピアストリ6番手降格 ルクレールが3番グリッドへ
    このペナルティにより、予選3番手だったピアストリは決勝で6番グリッドへ降格する。

    これに伴い、後方のドライバーがそれぞれひとつずつ繰り上がり、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が3番グリッド、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)が4番グリッド、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が5番グリッドからスタートすることになる。

    予選でフロント2列目を確保していたピアストリにとっては、決勝を前に大きな痛手となった。一方、フェラーリはホームレースのモンツァでルクレールが3番手、ハミルトンが4番手へと繰り上がり、2列目を独占する形となる。

    日本GPでもヒュルケンベルグ妨害でペナルティ
    ピアストリが走行妨害を理由にペナルティを受けるのは今季初めてではない。

    2026年F1日本GPでは、フリー走行3回目でニコ・ヒュルケンベルグの走行を妨害したとしてペナルティを受けている。

    今回のイタリアGPでは、スチュワード自身が「他に選択肢はなかった」と認める特殊な状況だったものの、最終的にはローソンへの不必要な妨害が成立すると判断された。予選3番手から6番手へ降格するピアストリにとって、決勝ではスタート直後から順位を取り戻すことが求められる。