カテゴリー: ル・マン24時間レース

  • ル・マン24時間レース 決勝:トヨタ 7号車が僅差の2位表彰台獲得

    ル・マン24時間レース 決勝:トヨタ 7号車が僅差の2位表彰台獲得

    2024年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦となる第92回ル・マン24時間レースがフランス現地時刻の6月16日(日)にフィニッシュを迎えた。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のGR010 HYBRID 7号車がクラス最後尾から追い上げ、最後まで首位を争い2位表彰台を獲得。8号車は5位フィニッシュを果たした。

    WECのディフェンディングチャンピオンであるTGRは、ル・マンの頂点を目指したが、厳しい結果に終わった予選や、悪天候に見舞われた決勝レースなど様々な試練に直面しながらも、ドライバーのスキル、効率的なピットストップと着実なレース戦略、そして力強いチームスピリットを駆使して乗り越えながら、23台のハイパーカーによる激戦に挑んだ。

    小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車は勝利を目指し最後まで果敢に戦ったが、惜しくも勝利には手が届きなかった。クラス最後尾となる23番手スタートから見事な追い上げを見せ、24時間、311周の死闘の末に、僅か14.221秒差の2位フィニッシュとなった。

    セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車はレースの大半をリードしたが、残り2時間というところで他車との接触によるスピンを喫し、勝利のチャンスを逃すこととなった。それでも諦めることなく最後まで戦い続けた8号車は5位フィニッシュを果たした。

    30万人を超える大観衆が見守る中、2台のGR010 HYBRIDはハイパーカークラスの後方グリッドからのスタートとなったが、めまぐるしく変わる天候をものともせぬファイティングスピリットを披露し、順位を上げていった。

    スタートから2時間、そして6時間経過時に降雨に見舞われる中、8号車は表彰台争いまで浮上し、7号車もトップ6を狙える位置まで大きく順位を上げた。その後、6時間半を経過したところでセーフティカーが導入されたことで、レースが大きく動いた。

    日没を迎えて夜間走行に入り、加えて雨が降り始めたことで、1時間以上にわたるセーフティカーランが続き、各車間のタイムマージンはなくなった。レースが再開されると、ドライバーたちは難コンディションの中で持てるスキルの全てを尽くしてのバトルを繰り広げ、2台のGR010 HYBRIDはトップ争いに加わった。

    8号車は9時間目から18時間目まで、雨の中で平川が素晴らしいパフォーマンスを見せ、ピットストップのタイミング以外の大半でレースをリードし、トップを走行。7号車も3位と好位置で上位争いを繰り広げた。レースが折り返しを迎えた夜間走行時間帯には、激しい雨により4時間以上にわたるセーフティカー導入もあった。

    キャデラック、フェラーリ、ポルシェとTGRの4マニュファクチャラーによる接戦が続き、コース上のトラフィック(周回遅れ車両の追い越し)やスローゾーンのタイミングなどにより順位が入れ替わった。19時間目に出されたセーフティカーのあと、再スタート時にはトップ7台がわずか4秒の中に入る接戦となり、レース終盤まで激戦は続いた。

    レースが残り3時間を切っても、激しい首位争いは続いた。8号車を駆るハートレーはハイペースで周回を重ね、首位を行くフェラーリ50号車を猛追。残り2時間15分ほどで強い雨が降り始め、ほとんどの車両が一斉にピットインし、ウェットタイヤへと交換し更なるバトルが繰り広げられる中、残り2時間というところで8号車のハートレーはフェラーリ51号車にミュルサンヌ・コーナーで接触されてスピン。6位へと無念のポジションダウンを余儀なくされた。

    7号車は2度にわたるパンクで大きくタイムを失いながらも、終盤圧倒的なハイペースでの追い上げを見せたロペスに、チームは勝利の望みを託した。3位を走行していたロペスは、フェラーリ51号車をパスし、2位へと浮上。残り2時間で一旦はトップに立った。

    しかし、7号車はゴールまでにもう1回の給油のためのピットインが必要だったその最後のピットインを終えた時点から、レース終了までのおよそ30分間は、ぎりぎりの残り燃料で首位を逃げるフェラーリ50号車と、それを猛追する7号車のバトルになった。7号車のロペスは、当初40秒あった首位フェラーリ50号車との差をじりじりと詰めていったが、惜しくも逆転には至らず。フェラーリ50号車に次ぐ2位でチェッカーを受け、8号車はブエミが最後のステアリングを握り、5位でフィニッシュした。

    ル・マン24時間レース

    豊田章男(TOYOTA GAZOO Racingチームオーナー)
    今年のル・マンはレースが始まる前から、そしてスタート後もずっとなにかが起きていました。
    しかし一度も不安に感じることはありませんでした。
    なぜなら可夢偉のチームだから…。
    可夢偉がつくってきたチームを心から信じていたから…。

    24時間、最後の最後まで極限の戦いをチームのみんなは戦い続けてくれました。
    素晴らしいレースでしたが、結果は本当に悔しい!

    「世界一のメカニックたち、世界一のエンジニアたち、世界一のドライバーたち」と、レース前に私からみんなに語りかけたけど、この悔しさをパワーに変えて、世界中からも、そう呼んでもらえるようなチームをもう一度目指していこう!
    可夢偉代表よろしく頼みます!

    追伸1
    ホセがいてくれてよかった!
    ありがとう!引き続きレクサスもよろしく。

    マイク、戻ってくるのを待ってるよ。
    四輪に乗ってる君の方が僕は好きだから。
    そして可夢偉、予選はちゃんと完走しよう!

    最後に7号車のメカニックたち。
    残業ばかりのレースウィーク本当におつかれさま。
    やんちゃなドライバーばかりの7号車が僕は大好きです。
    大変なことは多いけど、引き続き7号車をよろしく頼みます。
    今日は、ゆっくり休んでください!

    追伸2
    アスリート同士が戦う本当に素晴らしい24時間レースでした。フェラーリの皆さんおめでとうございます!
    最後の最後まで本気で戦ってくれたポルシェ、キャデラックの皆さんも、ありがとうございました。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    我々にとって非常に厳しいレースでした。勝てそうでしたが、幾つかのトラブルで叶いませんでした。我々の7号車にとって順調な24時間ではありませんでしたが、チーム全員が、この大変だった一週間を通して、素晴らしい仕事をしてくれました。全てのマニュファクチャラーが、24時間ずっと最後まで戦い続ける、信じられないようなレースでした。全てのチームが望む勝利に、我々はあと一歩のところまで近付きました。こんな接戦での今日の結果に、来年こそはもっと強くなって帰って来るという意欲が沸いてきましたし、そのために全力を尽くします。ハードワークと応援で支えてくれた日本とドイツのTGRの皆さまに感謝します。また、モリゾウさんにも改めて感謝します。モリゾウさんはマイクの骨折が明らかになってからも、また、レースウィークを通して大変なサポートを頂きました。我々はモリゾウさんと、TOYOTA GAZOO Racingとして共に戦いました。そして、来年はさらに強くなって戻って来ます。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
    私を信頼してこのチャンスを与えてくれて、ハードワークで支えてくれた日本やドイツ・ケルンのチームスタッフ全員に感謝します。素晴らしい仕事をしてくれた可夢偉とニック、そして、メカニックにも感謝しています。僅か10日前に、マイク(コンウェイ)が負傷し、私がその代役を任されることになって以来、私の気持ちはジェットコースターのように揺れ動きました。この場で戦うことは嬉しかったのですが、彼にとっては残念なことです。そして、最後尾からスタートしたレースは天候に翻弄され、スローゾーンやパンク、その他のトラブルなどでタイムを失ったこともあり、私がこれまでに経験してきた中で最も過酷なレースでした。そのたびになんとか復帰し、力強いスピリットを証明してきました。この結果を成し遂げた全員を誇りに思います。ル・マンの総合優勝を争えるチャンスはそうあるものではないので、今日は忘れられない一日になるでしょう。

    ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー)
    まず可夢偉とホセ、そして休みなく働き続け、この本当に難しいル・マン24時間レースで素晴らしい努力をしてくれたチーム全員に感謝したいです。こんなに難しいコンディションで、こんなに接近戦になるとは、信じられないようなレースでした。あと一歩の所までいきながら、届かなかった目標は本当に遠く感じます。それでも、チームの皆の力強いパフォーマンスのおかげで、TOYOTA GAZOO Racingのレースドライバーとして初めて参加したル・マンで表彰台に上ることができ、特別な瞬間になりました。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
    正直なところ、5位という結果は少し残念です。我々は長時間にわたって首位を走っていましたし、終盤のアクシデントがなかったら勝てていたと思います。我々のペースは良く、ミスも無かっただけに、この結果はとても悔しいです。チームは素晴らしい仕事をしてくれましたし、エンジニアも的確な戦略判断をしてくれました。ブレンドンと亮の走りも素晴らしく、我々のパフォーマンスはとても良かったと思います。今は次戦ブラジルへ向け気持ちを切り替えて頑張るだけです。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    ファンの皆様にとっては最高のレースでしたが、この結末は本当に悔しいです。我々はレースの大半で勝利を争える位置にいましたが、セーフティカー導入時に幾つかポジションを下げ、その後再び2位まで巻き返して首位を狙いましたが、接触されてしまいました。その結果、レースの残り数時間というところで勝利の権利を失ってしまいました。掴みかけていた勝利が逃げていってしまった感じでした。チーム全員での努力の結果として、1台が表彰台に上がれたことは嬉しいですが、あと少しだったのに、という悔しさもあります。この悔しさを忘れるには、数日かかりそうです。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    何と言っていいかわかりません。この難しいコンディションの中で、我々はチーム一丸となって全力を尽くしました。レースウィーク中はずっと頑張ってきましたし、昨年の雪辱を果たしたかったです。チャンスはありましたが、運がありませんでした。特に長時間にわたってレースをリードし、本当に必死で頑張ってきただけに、悔しいです。我々は強くなくてはなりません。残りのシーズンへ向けて気持ちを切り替え、巻き返しを図るべく、より強くなって戻って来ます。

    2024年 ル・マン24時間レース 結果

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 周回 トップとの差
    1 50 アントニオ・フオコ
    ミゲル・モリーナ
    ニクラス・ニールセン
    フェラーリAFコルセ/
    フェラーリ 499P
    311
    2 7 小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    ニック・デ・フリース
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    311 14.221
    3 51 アレッサンドロ・ピエール・グイディ
    ジェームス・カラド
    アントニオ・ジョビナッツィ
    フェラーリAFコルセ/
    フェラーリ 499P
    311 36.730
    4 6 ケビン・エストレ
    アンドレ・ロッテラー
    ローレンス・バンスール
    ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/
    ポルシェ 963
    311 37.897
    5 8 セバスチャン・ブエミ
    ブレンドン・ハートレー
    平川亮
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    311 1:02.824

  • 2024年 ル・マン24時間レース:フェラーリ 50号車が優勝

    2024年 ル・マン24時間レース:フェラーリ 50号車が優勝

    2024年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦 第92回ル・マン24時間レースの決勝が6月15日(土)から16日(日)にかけて開催され、フェラーリの50号車(アントニオ・フオコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン)が優勝した。

    終盤にも雨が降る波乱の展開となった2024年のル・マン24時間レース。フェラーリAFコルセの50号車は燃料が2%というギリギリの状態でチェッカー。恵みの雨となり、フェラーリとして2連覇を達成した。

    2位には14.221秒差でトヨタ 7号車(小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス/ニック・デ・フリース)が続き、昨年のリベンジを果たすことはできなかった。3位にはフェラーリ 51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/アントニオ・ジョビナッツィ)が入った。

    トヨタ8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)は終盤に悔しい接触もあり、5位でフィニッシュした。

    2024年のレースには、62台の車と、かつてF1に参戦していた18人を含む、驚異的な118人のドライバーが参加。かつてF1で活躍した18人のドライバーは、いずれもこの有名なレースの最高峰クラスであるハイパーカーで競い合った。


    ル・マン24時間レース ハイパーカー
    ル・マン24時間レース LMP2
    ル・マン24時間レース LMGT3

  • 2024年 ル・マン24時間レース:18人の元F1ドライバーが出場

    2024年 ル・マン24時間レース:18人の元F1ドライバーが出場

    第92回ル・マン24時間レースが、今週末、伝説的なサーキット・ド・ラ・サルトで開催される。

    2024年のレースには、62台の車と、かつてF1に参戦していた18人を含む、驚異的な118人のドライバーが参加することになる。

    かつてF1で活躍した18人のドライバーは、いずれもこの有名なレースの最高峰クラスであるハイパーカーで競い合う。

    ニック・デ・フリースは、同じく元F1ドライバーの小林可夢偉を含む#7トヨタGR010の3人編成のラインナップの一員となり、最新のF1経験ドライバーとなる。

    また、元ハースF1のドライバーであるミック・シューマッハもル・マン初参戦となる。

    2024年ル・マン24時間レースに出場する元F1ドライバーの全リストは以下。

    2024年ル・マン24時間レースに出場する元F1ドライバー

    Name Car Class Car number
    セバスチャン・ブルデー キャデラック Hypercar #3
    フェリペ・ナッセ ポルシェ Hypercar #4
    アンドレ・ロッテラー ポルシェ Hypercar #6
    小林可夢偉 トヨタ Hypercar #7
    ニック・デ・フリース トヨタ Hypercar #7
    セバスチャン・ブエミ トヨタ Hypercar #8
    ブレンド・ハートレー トヨタ Hypercar #8
    ウィル・素ティーブンス ポルシェ Hypercar #12
    ロマン・グロージャン ランボルギーニ Hypercar #19
    ミック・シューマッハ アルピーヌ Hypercar #36
    ジェンソン・バトン ポルシェ Hypercar #38
    アントニオ・ジョビナッツィ フェラーリ Hypercar #51
    ダニール・クビアト ランボルギーニ Hypercar #63
    ロバート・クビサ フェラーリ Hypercar #83
    ジャン・エリック・ベルニュ プジョー Hypercar #93
    ステフェル・バンドーン プジョー Hypercar #94
    ポール・ディ・レスタ プジョー Hypercar #94
    ジャック・エイトケン キャデラック Hypercar #311
  • マックス・フェルスタッペン F1王者にル・マン参戦チームから「オファー」

    マックス・フェルスタッペン F1王者にル・マン参戦チームから「オファー」

    マックス・フェルスタッペンは、ル・マン24時間レースにハイパーカーで出場することについて世界耐久選手権のチームからオファーがあったことを明らかにした。

    3度のF1ワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンは、過去に何度もこの名誉ある耐久レースへの出場を望んでいると発言しており、チーム・レッドラインの一員としてバーチャル版にも参加したこともある。

    しかし、今年のサーキット・ド・ラ・サルテでのレースを前に、マックス・フェルスタッペンは、将来の勝利を目指して彼を獲得しようとしているチームからのアプローチについて言及した。

    会話が行われたと質問されたフェルスタッペンは「もちろん、特定のチームから連絡を受けることもあるが、適切なタイミングで適切な方法で行われなければならない」とAutosportに語った。

    「僕も決断を急ぐつもりはない。新しいマシンに関しては、最終的に Balance of Performance の問題が残っているし、それは難しい問題なので、すべてが完全に理解されるまでには少なくともあと1~2年はかかるだろう」

    F1とル・マンを同じシーズンに戦った最後のドライバーは、2015年のポルシェで優勝したニコ・ヒュルケンベルグだった。

    以前、マックス・フェルスタッペンは、ル・マンへの参戦はF1でのキャリアを終えた後になると以前示唆していたが、その姿勢を若干和らげたようだ。

    「うまくいくかどうかは準備次第だ」とフェルスタッペンはコメント。

    「僕が普段シミュレーターでやっていることと少し似ている。イモラ・サーキットでの週末に、きとんと準備ができていなければ、そのシミュレーターレースには出場しなかっただろうね。でも今回は準備ができたので、可能だった」

    「もちろん、ル・マンとF1を同じ週末に走らせることはできないけど、うまく組み合わせることができれば、F1シーズン中にできると思う」

    ハイパーカーのレギュレーションは、2021年の最初の適用以来、まだ発展途上にある。その後、LMDhとの収束が進み、トップクラスのエントリーリストが急増している。

    しかし、フェルスタッペンは、ルールセットの特定の欠陥が解消されるまで、シートに飛びつく前にじっと待つことに満足している。

    「新しいレギュレーションもあるし、僕にとっては参戦するにはまだ早いと思う。クルマ間のBOPをもう少しうまく整理する必要があると思う」

    この質問はF1モナコGPの木曜記者会見で行われた。同じ会見には角田裕毅が出席していた。

    「裕毅、僕のチームメイトになってくれない? 君はかなり軽いので、きっと飛ぶように走れると思う。君なら僕の体重を補ってくれるはずだ!」と語った。

    「あちこちで当たり外れがあるように思う。それに、僕にとってはドライバーの体重も気になる。僕はキットを装着すると80キロになるかもしれないけれど、55キロや60キロになるドライバーもいる。裕毅に悪気がわるわけじゃないけどね!」

    「でも、それではル・マンに行っても、チャンスはない。1周あたりすでにコンマ数秒の差がある。その差は驚くほど大きい」

    「だから、それを解決する必要がある。遵守すべき平均重量または最低重量を設定する必要がある。しかし、将来は間違いなくレースに参加したいと思っている。ああ、素晴らしいイベントだ」

    2025年のル・マン24時間レースは、カナダグランプリと同じ週末に行われるという日程の衝突により、来年のフェルスタッペンの出場はすでに除外されている。

  • ミック・シューマッハ F1とル・マン24時間には「奇妙な違い」

    ミック・シューマッハ F1とル・マン24時間には「奇妙な違い」

    ミック・シューマッハは、ル・マン24時間レースへのデビューを前に、F1との「奇妙な」違いを強調した。

    元F1ドライバーのミック・シューマッハは、今週末、今年WECで参戦しているアルピーヌからル・マン24時間レースにデビューする。ル・マンでのレースは、象徴的なレースに向けて行われるすべてのテストやメディア業務により、「10日間のマラソン」となる。

    2024年までのミック・シューマッハのキャリアは、すべてシングルシーターでのものだったため、WECへの転向は彼にとって大きな転換となった。しかし、今週末、伝説のサルト・サーキットでレースを戦うことを彼は待ちきれないでいる。

    「そうだね、実際、少し奇妙なコンセプトだと感じている」とミック・シューマッハはRacingNews365に語った。

    「なぜなら、この一回限りのイベントでは、誰もがただそれに向けて準備していて、他のレースはむしろそれに向けたウォーミングアップのようなものだからだ」

    「でも、素晴らしいレースだと思う。僕にとっては初めての経験だし、すべてが初めての体験だ。レースに情熱を傾ける人たちがここにいることがよくわかる。それは見ていてとても嬉しいことだ」

    「だから、個人的にはレースに参加できることにとても興奮しているし、どんな気分になるか見てみたいと思っている。24時間緊張しっぱなしなのは確かだ。これまでで一番長い時間になるだろう。だから、とても楽しみだ。」

    「比較できない」
    当然、メルセデスF1のテストドライバーとしてF1マシンを運転する方法と、アルピーヌのWECハイパーカーを運転する方法には大きな違いがある。

    明らかに、この2つのカテゴリーは似ておらず、シューマッハも比較できないと考えている。

    それにもかかわらず、彼は異なるマシンを乗りこなすことに問題を感じていない。それは今年培ったスキルだ。

    「2つの異なる選手権という意味では比較できない。そういうものだから、私もそう捉えている」と元ハースのF1ドライバーは付け加えた。

    「だから、例えばテストでF1マシンに乗る時は、2つのカテゴリーを完全に切り離して考えることができる」

  • ル・マン24時間 僅差の予選でトヨタは2台共にハイパーポール進出ならず

    ル・マン24時間 僅差の予選でトヨタは2台共にハイパーポール進出ならず

    6月12日(水)、FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦となる第92回ル・マン24時間レースの練習走行に予選と公式なセッションが開始された。

    この日、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のGR010 HYBRIDは、予選で苦戦を強いられ、ハイパーポール進出を逃すこととなった。

    昨年のWEC世界チャンピオンチームであるTGRは、23台のハイパーカーによる接近戦となった予選で、2台共にハイパーポールへの進出を逃すという厳しい結果となったが、今週末の決勝レースに向けて、力強いパフォーマンスを発揮し挽回を図るべく、チームの士気は高まっている。

    セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車にとって厳しい予選となった。ハートレーがアタックするも、セッションを通して終始コース上のトラフィック(車両の混雑)に苦しみ、ハイパーカークラスのトップドライバーであるハートレーでも、その真のパフォーマンスを発揮することができなかった。結果、8号車は11番手グリッドからのスタートとなる。

    小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペス、ニック・デ・フリースのGR010 HYBRID 7号車は、小林が予選アタックを担当。小林は4番手と好タイムをマークしたが、セッション終盤にコースオフを喫し、赤旗中断の原因となったとして全周回のラップタイムが抹消され、7号車はハイパーカークラス最後尾グリッドとなることが決定した。

    予選の前後には、2回の練習走行が実施された。23台で争われるハイパーカーの本当の実力が明らかになるのは決勝レースであり、チームはこの2回の練習走行でどちらもトップタイムをマークし、決勝へ向けた準備を着実に進めた。

    9日(日)のテストデーのあと、チームは2台のGR010 HYBRIDを組み立て直し、更なる調整を行うための作業に集中した。11日(火)には恒例のピットストップチャレンジにピットクルーが出場。昨年の同大会で優勝している7号車のピットクルーは、10秒以内でタイヤ交換を行う迅速な作業を見せたが、更なる速さを見せたライバルに僅差で及ばず、2連覇は叶わなかった。

    12日(水)は曇り空の下、過ごしやすいコンディションで午後2時から3時間にわたる練習走行1回目が開始された。このセッションは2度の短い赤旗中断に見舞われたものの、2台のGR010 HYBRIDは決勝レースを見据えたセットアップの最適化と、予選のための1周アタックへ向けた準備を進めた。このセッションでは8号車のハートレーがトップタイムをマーク。7号車はデ・フリースのタイムで5番手となった。

    午後7時からの予選では、各クラスの上位8台が翌日のハイパーポールへの進出権を獲得することになる。1時間のこの予選セッションでは、LMP2クラスやLMGT3クラスの車両を含む62台もの車両が一斉にアタックするため、コース上のトラフィックをいかに避けるかが大きなポイントだった。7号車は小林、8号車はハートレーがステアリングを握り、他の車両よりもやや遅れて、ソフトタイヤでコースイン。小林はトラフィックに遭遇することなくアタックでき、その時点での暫定トップに立った。

    タイヤが最適な温度まで上昇し、各車はさらにラップタイムを更新。20分を経過した時点で、小林の7号車が3番手、ハートレーの8号車は他車に押し出される形でトップ8圏外へと後退した。

    ピットインしたあと、ミディアムタイヤへと交換し、アタックを継続。ハートレーは再びアタックラップ中に遅い車両に引っかかり、小林もタイム更新はならず。残り20分を切ったところで、小林の7号車は3番手、ハートレーの8号車は12番手で、新品のミディアムタイヤへと履き替え、最後のアタックに向かった。

    最後までコース上のトラフィックに苦しんだハートレーは、スティントの序盤でスピンし、タイム更新ならず。小林は更なるタイムアップを目指しアタックしたが、カーティングコーナーで痛恨のスピンを喫し、コースアウト。幸いにどこにも接触はしなかった、グラベル上で止まってしまい、再発進できず。これにより赤旗が出され、残り時間が3分を切っていたため、予選セッションはここで終了となった。7号車は赤旗の原因を作ったとして、全てのラップタイムが抹消。8号車は11番手。8番手とは0.301秒差で惜しくもハイパーポール進出を逃すこととなった。

    夏至に近いこの時期、ル・マンの位置する地方では、日没は午後10時近くになる。日が落ちた午後10時、練習走行2回目として、このイベント初となる夜間走行が実施された。7号車は予選中のアクシデントにより、軽微な修復と砂利の除去などでセッション開始から25分ほどしてから走行を開始。このセッションでは昼間の1回目よりも全体的にラップタイムは低下したが、8号車はブエミがこのセッションのトップタイムをマーク。7号車はデ・フリースのタイムで9番手となった。

    決勝レースへ向けた準備作業は13日(木)も継続され、合計4時間にわたる2回の練習走行を経て、15日(土)の決勝レーススタートを迎える。

    コース上で熱い走行が繰り広げられる一方、サーキット内にはTGRのファンの皆様へ向けたアクティビティがオープン。水素ビレッジにはGR H2レーシングコンセプトをはじめとする水素社会へ向けた最新技術が展示され、マニュファクチャラーズビレッジでは様々なモータースポーツ車両やグッズショップなどが設置され、早くも注目を浴びている。

    ル・マン24時間

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    予選は上手く行きませんでした。パフォーマンスという面ではとても良かったのですが、残り2分というところで私がコースオフを喫し、赤旗中断となってしまいました。全周回のラップタイムが抹消されたことで、ハイパーポール進出は叶わず、ハイパーカークラスの最後尾グリッドからのスタートとなり、非常に厳しい状況ではありますが、仕方ありません。決勝レースは長いですし、最善を尽くします。クルマにはとても満足していますし、予選でのラップタイムも競争力があるものだったので、週末は良い結果が出せることを期待しています。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
    浮き沈みの激しい一日でしたが、練習走行では幾つか良い手応えも得られました。クルマの感触はとても良く、特に夜間走行で快調です。我々のGR010 HYBRIDは予選でも速く、可夢偉が素晴らしい走りを見せてくれましたが、残念な結果になってしまいました。とは言え、正直なところそんなに大きな影響はありません。誰もがハイパーポールを目指していますが、とても長いレースですので何も心配していませんし、失望もしていません。決勝が楽しみです。

    ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー)
    夜間走行のセッションは順調で、全員が必要な走行をこなすことができました。メカニックが素晴らしい仕事でクルマを再び走れるようにしてくれたので、予定していたプログラムの大半を完了できました。競争力はかなり高いと思います。幾つか異なるセットアップを比較しましたが、決勝レースへ向けた準備としては正しい方向へ進んでいると感じています。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
    良いクルマであっただけに、ハイパーポールを逃すことになり、残念な一日になってしまいました。無論、練習走行2回目では予選のことは忘れ、セッションを最大限に活かすべく努力しました。ル・マンでまた夜間走行が出来るのは嬉しいですし、決勝へ向けた準備は着実に進んでいます。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    ハイパーポール進出を逃し、11番手という結果に終わったことにとてもがっかりしています。最初のアタックラップで上手く行かず、周回の終盤に他の車両に引っかかってしまいました。結局そのあとタイム更新はならず、最初のそのラップが私のベストでした。その後もコース上のトラフィックに苦しみ、ミスしスピンしてしまいました。運に恵まれず、クリーンなラップを得られませんでしたがこれもレースですし、他のドライバーも皆同じような経験をしてハイパーポールに進出するはずだった、と思っているでしょう。今は気持ちを切り替え、決勝レースへ向けて集中するだけです。クルマは競争力があると思いますので、全力で戦います。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    今日は幾つかの点で難しい一日になりましたが、クルマの感触はとても良く、今大会初の夜間走行も順調でした。異なる仕様のタイヤを試しながらロングランを実行し、タイヤについて理解を深めました。予選のことは忘れて決勝へ向けての準備に専念しています。セットアップをさらに改善して、週末へ向けた完璧なプランが立てられることを期待しています。

    WEC第4戦ル・マン24時間 公式予選結果

    順位 No. ドライバー名 チーム/車種 ベストタイム
    1 15 ドリス・ファントール
    ラファエル・マルチェッロ
    マルコ・ウィットマン
    BMW M TEAM WRT/
    BMW M Hybrid V8
    3:24.465
    2 3 セバスチャン・ブルデー
    スコット・ディクソン
    レンガー・バン・デル・ザンデ
    キャデラック・レーシング/
    キャデラック V-Series.R
    3:24.642
    3 50 アントニオ・フオコ
    ミゲル・モリーナ
    ニクラス・ニールセン
    フェラーリAFコルセ/
    フェラーリ 499P
    3:24.731
    4 35 ポール=ルー・シャタン
    フェルディナンド・ハプスブルク
    シャルル・ミレッシ
    アルピーヌ・エンデュランス・チーム/
    アルピーヌA424
    3:24.872
    5 2 アール・バンバー
    アレックス・リン
    アレックス・パロウ
    キャデラック・レーシング/
    キャデラック V-Series.R
    3:24.993
    11 8 セバスチャン・ブエミ
    ブレンドン・ハートレー
    平川亮
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
    3:25.446
    61 7 小林可夢偉
    ホセ・マリア・ロペス
    ニック・デ・フリース
    TOYOTA GAZOO Racing/
    トヨタ GR010 HYBRID
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  • ニック・デ・フリース 「ル・マン制覇は新たな章の最大の功績になる」

    ニック・デ・フリース 「ル・マン制覇は新たな章の最大の功績になる」

    ニック・デ・フリースは今週末、伝説のル・マンに向かい、第92回ル・マン24時間レースに出場する。ちょうど1年前、自宅でレースを観戦した。RacingNews365のインタビューで、トヨタWECドライバーがこのイベントへの期待と、日曜日に優勝する可能性について語った。

    近年、デ・フリースには多くの変化があったが、最も顕著なのは2023年シーズン開幕10戦後にアルファタウリF1から解雇されたことだろう。その後、彼はマヒンドラとともにフォーミュラEに復帰し、最近上海で今シーズン初のポイントを獲得した。

    今週末はデ・フリースにとって初めてのル・マン参戦ではない。彼はこれまでにも2019年、2020年、2021年、2022年と4回この名誉あるレースに出場している。これまでの4回の出場はすべてLMP2カテゴリーで、最高成績は2022年のクラス4位、総合8位だった。

    ル・マン復帰にあたり、デ・フリースはTOYOTA GAZOO Racingからハイパーカー部門のトップクラスに参戦し、チームメイトの小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスとともに、2024年の世界耐久選手権全体に7号車で参戦する。

    「残念ながら昨年は参加できなかったので、ル・マンに戻れることをとても楽しみにしている」と、デ・フリースは RacingNews365 に語った。「ほとんどを自宅から観戦していたけれど、このレースが極めて権威があり象徴的なレースであることは明らかだ。

    「そして、そう、長いマラソンだ。僕たちは今、ル・マンに向かっている。誰もが参加したいと思うようなイベントだ。そして、トヨタとともにトップクラスで参加できるなんて、さらに興奮する。とても楽しみだ」

    「山」を避ける
    デ・フリースは今年WECに復帰して以来、4月に開催されたイモラ6時間レースですでに勝利を味わっている。

    そのレースで、デ・フリースはバーチャルセーフティカー解除後に素晴らしい追い越しを披露し、その瞬間は笑顔がこぼれたと以前 RacingNews365 に語っていた。

    WECだけでなく、フォーミュラEでも、オランダ人ドライバーのデ・フリースは、レーシングドライバーとしての才能を存分に発揮している。特にF1では、短期間で多くの障害を乗り越える必要があったが、彼は過去を振り返ることは望んでいないと強調している。

    「その道には進まない。なぜなら、そのように考え始めるには乗り越えなければならない山があまりにも多いからだ」とデ・フリースは述べた。

    「あまり関連性はないと思う。しかし、ル・マンは勝者を選ぶレースだと言われている。今年は我々がその番になることを願っている」

    ル・マン24時間レースは、人とマシンの究極のテストとしてよく知られている。どちらも限界まで追い込まれるからだ。

    驚くべきことに、デ・フリースによると、このイベントで最も過酷なのは、レース中ではなく、レースが始まる前の数日間に行われるメディア対応やテストで疲労を管理することだという。

    「1週間という長い期間にわたるため、実際には10日間のマラソンのようなものなので、主に疲労が問題になると思う」とデ・フリーズは説明する。「レースが始まる頃には、1週間ずっと行われてきたことすべてから、間違いなくすでに疲労しているだろうね」

    「だから、それをうまく管理することが非常に重要だと思う。そして、その周りのすべてに慣れていく。幸いにも、僕はさまざまな種類のレースを経験する機会があり、大きなイベントも見てきたが、もちろん初めての場合は、ある意味では少し威圧的だ」

    「威圧感はないかもしれないが、とにかく少しは緊張する。でも、時間が経つにつれて慣れてくる。僕たちは仕事をしに来ているんだからね」

    ニック・デ・フリース ル・マン24時間レース

    「子供の頃の夢」を実現
    デ・フリースがWECのトップチームでレースに出場していることを考えると、世界で最も有名なレースで優勝できる可能性は十分にある。

    彼はすでに2019年にF2のタイトルを獲得し、2021年にはフォーミュラEの王座を獲得するなど、多大な栄誉を獲得している。

    すでに明らかになっているように、デ・フリースはF1でポイントを獲得するという「子供の頃の夢」もすでに叶えている。この偉業は、2022年のイタリアグランプリでウィリアムズに直前にデビューしたことによって達成された。

    実際、29歳の彼はこれまでのキャリアを「新たな章」とみなしており、フォーミュラEとル・マンへの復帰が現在の章となっている。

    日曜日にル・マンで勝利することは、当然ながら、彼の「新たな章」における「最大の功績」となるだろう。

    「私のキャリアは、私のキャリア全体が、ある意味で、いくつかの章に分かれている」とデ・フリースは語った。

    「もし2020年か2022年の終わりに最大の功績は何かと尋ねたらなんと答えるだろう?F2で優勝したとか、フォーミュラEで優勝したとかは言わないだろうね」

    「なぜなら、子供の頃の夢は常にF1ドライバーになることだったからだ。だから、モンツァでレースを走れるチャンスを得て、ポイントを獲得できたことが、僕にとって最大の功績だった」

    「それが僕が人生をかけて追い求めてきたすべてだ。でも、その章は終わった。だから、僕はキャリアの新たな章に入っている」
    「新しい章での最大の功績は間違いなくそれになるだろう。しかし、どの時代にも異なる目的、異なる目標、異なる夢があると思う」

  • トヨタ 2024年ル・マン24時間レース テストデーレポート

    トヨタ 2024年ル・マン24時間レース テストデーレポート

    TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、6月9日(日)に行われた2024年シーズンFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間レースのテストデーに参加し、1週間後に控えるシーズン最大のイベントへ向け更なる準備を進めた。世界チャンピオンとして直近の6戦中5戦でル・マン優勝を誇るTGRは、アルピーヌ、BMW、キャデラック、フェラーリ、イソッタ・フラスキーニ、ランボルギーニ、プジョー、そしてポルシェと共に、ル・マンでのトップカテゴリー参戦数が今世紀最多となる23台のハイパーカーの一員として、今年初めてサルト・サーキットを走行した。

    負傷したマイク・コンウェイに代わって出場することとなったホセ・マリア・ロペスにとっては、GR010 HYBRID 7号車で今季初となる走行を行った。テストドライバーの宮田莉朋も、初めてのサルト・サーキットでハイパーカーでの走行機会を得て、経験を積んだ。本戦にエントリーしている6名のドライバー全員が、次の週末の決勝レース出場資格を得るために義務づけられている10周(うち5周の計測ラップ)を走行した。

    セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮のGR010 HYBRID 8号車は、3分27秒615のベストタイムで、この日3番手。小林可夢偉、ニック・デ・フリースとホセ・マリア・ロペスのGR010 HYBRID 7号車はこの日の総合で9番手となった。2台のGR010 HYBRIDはこの日合計144周(1962km)を走破し、レースウィークへ向けた準備に大きく貢献するデータを収集した。

    1周13.626kmのサルト・サーキットは、その一部で公道を使用しているため、レースウィークの前にフルコースを走ることができるのは、この日3時間ずつ2回走行するテストセッションが唯一の機会となる。好天に恵まれ、暖かな気候の下で午前10時に最初のセッションが開始され、7号車は小林、8号車はブエミのドライブで2台のGR010 HYBRIDが2024年初めてのサルト・サーキットでの走行に向かった。

    約10分後には、8号車は宮田へとドライバー交代。今大会LMP2クラスのCOOL Racingから出場する宮田は、5周のみだったがGR010 HYBRIDで走行し、ル・マンでのハイパーカー初走行を果たしたあと、COOL Racingへと戻った。

    このテスト走行1回目のセッションでは、メカニカルなセットアップの比較に重点が置かれた。赤旗や長いセーフティカー導入などによって中断も多かったこのセッションでは、序盤の赤旗中断からの再開でコースが空いているタイミングに、小林がトップタイムをマークした。8号車はブエミのアタックしたタイムで6番手となった。

    2時間半のインターバルを経て、午後3時半からテスト走行2回目が開始。このセッションでは2台共にセットアップの分析を継続すると共に、ミディアムとソフトの、2種類のタイヤコンパウンドをテストし、性能と摩耗について比較を行った。このセッションでは序盤にハートレーがマークしたタイムが8号車にとってこの日最速となり、3番手。7号車は10番手で終えた。

    計6時間のテスト走行を終え、ドライバーとエンジニアは、12日(水)午後に開始される公式練習走行へ向け、次の数日間は車両セットアップの最適化作業を行うことになる。この12日の2回の練習走行の間に挟まれる形で1時間の予選が行われ、この予選上位8台が13日(木)のハイパーポールに進出。このハイパーポールで決勝のスターティンググリッドが決定される。24時間の長い決勝レースは15日(土)午後4時(日本時間午後11時)にスタートが切られる。

    レースとは別に、11日(火)よりサーキット内には、水素ビレッジでGR H2レーシングコンセプトをはじめとする水素社会へ向けた最新技術が展示される他、マニュファクチャラーズビレッジでは様々なモータースポーツ車両やグッズショップなどが設置されるなど、TGRのファンの皆様へ向けたアクティビティがオープンする。

    2024年 ル・マン24時間レース トヨタ

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    ル・マンに戻り、再びこのコースを走れることができ楽しかったです。ここへ戻ってくるのはいつでも最高です。我々はクルマの適切なバランスを見出すことに専念しました。ここは特に周回を重ねるごとにコースのコンディションが変わっていくので、良いセットアップを見出すのは簡単ではありませんでした。更にスピードを増すためにすべきことをまとめ、次の週末へ向けてもっと良くなるよう頑張ります。

    ホセ・マリア・ロペス(7号車 ドライバー)
    テスト初日が終わりましたが、またGR010 HYBRIDに戻れて本当に嬉しいです。チームメンバーみんなも、クルマもよく知っているので、まるで、ずっと変わらず同じ家に居たような感覚でした。分析すべき大量のデータがありますが、これからの数日、その全てのデータを確認するという最も重要な作業が待っています。順調なスタートを切ることができ、チームの働きにはとても満足しています。

    ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー)
    私にとってハイパーカーでのル・マン初走行でしたが、本当に最高でした。ここル・マンでの自分自身の基準を見出し、リズムをつかむのに数周かかりました。自分の走りには満足しています。今日のように、時間が限られ、3人のドライバーでシェアしながら1周の長いコースを走らなくてはならないという状況では、当然ながら走れる時間はそれほど多くありません。ハイパーカー間の戦いは非常に接近していますが、次の週末になればそれも明らかになるでしょう。今から楽しみです。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
    ル・マンに戻ってくるのは、いつだってとても素晴らしい気分です。今日は天候にも恵まれました。レースウィークを通してそうなるとは限りませんが、私自身はかなりの周回を走ることができました。私はテスト走行1回目の最初と、2回目の最後に走行したので、路面コンディションが大きく向上したことを確認できました。クルマの感触はとても良く、今日の走行には満足しています。これから得られたデータを分析し、水曜日までに改善できる点を探っていくことになります。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    ル・マンに戻って来られて本当に嬉しいです。毎年、ここに戻ってくると最高の気分で、まるで家に帰ってきたかのようです。今日は大きなトラブルも無く,スムーズな一日で、予定していたプログラムの大半をこなすことができました。何度か赤旗やセーフティカーも出ましたが、それはどのチームにとっても同じことです。現段階では我々にとって期待の持てる状況だと思います。他のチームがどんなことをしているのかはわかりませんが、まずは良いスタートを切れました。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    今日は多くの異なるオプションをテストし、有意義な一日でした。予定されていたプログラムをこなし、これからの数日間は、今日得られたデータの精査とレースウィークへ向けた車両セットアップ改善に専念することになります。これまでのところは全て順調ですが、ライバルに追いつくにはまだもう少し改善が必要です。レースウィークまでには更なる改善ができるはずです。

    宮田莉朋(テストドライバー)
    ル・マンで初めてGR010 HYBRIDをドライブしたフィーリングは最高でした。私にとってここル・マンでの初走行でもあり、忘れられない特別な瞬間に今日はなりまし、本当に楽しみました。私自身はGR010 HYBRIDでは午前中数周したのみで、その後はCOOL RacingのLMP2車両に乗り換えることとなり、忙しい一日でしたが、素晴らしい経験でしたし、多くのことを学ぶことができました。この機会を与えてくれたTGRに心から感謝しています。

  • ポルシェ 元F1王者ベッテルの将来的なル・マン起用のドアを閉ざさず

    ポルシェ 元F1王者ベッテルの将来的なル・マン起用のドアを閉ざさず

    セバスチャン・ベッテルが、伝説のル・マン24時久レースを制覇できるマシンで挑む準備が整うまでに「さらなる時間」が必要だ。

    F1復帰の可能性も取り沙汰されていた引退した4連覇のF1ワールドチャンピオンであるベッテルは最近、ポルシェのハイパーカー「963」をテストした。

    しかし、ポルシェは最終的に36歳のセバスチャン・ベッテルを3台目のラインナップから外し、代わりにル・マンで経験を積んだマチュー・ジャミネ、フェリペ・ナスル、ニック・タンディを起用することを決めた。

    「最終的には、ル・マンの経験があることが決め手のひとつだった」とボスのウルス・クラトレは語った。

    しかし、クラトレはベッテルにドアを閉めたわけではないと主張する。

    「ポルシェのようなOEMチームにとって、これは言うまでもなく議論のテーマであり続ける」とベッテルについて尋ねられたクラトレはmotorsport-total.comに語った。

    「それはベッテルにも当てはまる。彼にはその気があると思う。彼はテスト後に自らそのことを示した」

    「したがって、それはまだ話題のままだが、いつ、どのような形でそれが実現するかはまだわからない。現時点では何も決まっていない」

    クラトレは、キャリアを通じてオープンホイールにしか乗ったことのないベッテルにとって、スピードアップに乗るまで時間がかかるのは十分に理解できると語る。

    「今日の最大の違いは、おそらくマシンの重量だろう」とクラトレは説明した。「ハイパーカーとF1はどちらも非常に複雑だが、設計が異なる」

    クラトレはまた、ベッテルには夜間レースや、異なる世界耐久選手権カテゴリーでかなり遅いマシンとコース上でのレース経験が不足しているとも語った。

    「この問題についてはこれまで取り上げられていなかったと思う」とクラトルは語った。「これは、ベッテルが以前よりも慣れるまでにもう少し時間が必要だということを意味する」

  • セバスチャン・ベッテル ポルシェでル・マン24時間レース参戦は見送り

    セバスチャン・ベッテル ポルシェでル・マン24時間レース参戦は見送り

    セバスチャン・ベッテルは、2024年のル・マン24時間レースで最高峰のモータースポーツに復帰することはなくなったようだ。

    引退した4度のF1ワールドチャンピオンであるセバスチャン・ベッテルは最近、ポルシェのル・マン仕様ハイパーカー963をテストしており、同ブランドの3台目のマシンエントリーのドライバーラインナップに加わるのではないかとの憶測が広がっていた。

    36歳のベッテルの決断を待っている間に、ポルシェは予定していた3台目のドライバーラインナップの発表を延期したのではないかとさえ示唆された。

    しかし、モータースポーツ専門誌Motorsport Aktuellは「ポルシェのファクトリードライバーたちは、当初の計画通り、3台目のマシンがマシュー・ジャミネ、フェリペ・ナスル、ニック・タンディによって運転されることをすでに知らされていたようだ」と報じた。

    このことはポルシェによって最終的に認められたが、公式声明ではベッテルについては言及しなかった。

    「ル・マンに3台目のマシンが参戦することを発表した後、我々にはまだ2つのドライバーポジションが空いていた」とボスのウルス・クラトルは語った。 「非常に強力で同様にスキルのあるチームを考えると、この決断は私たちにとって簡単ではなかった」

    「最終的には、ル・マンの経験が決め手の一つだった」