カテゴリー: ル・マン24時間レース

  • ル・マン24時間 ハイパーポール結果 キャデラックが歴史的フロントロウ独占

    ル・マン24時間 ハイパーポール結果 キャデラックが歴史的フロントロウ独占

    “ゴールデンアワー”に行われたハイパーポールで、金色に輝くヘルツ・チームJOTAのキャデラックが“黄金の走り”を見せた。イギリス人ドライバーのアレックス・リンが#12 Vシリーズ.Rで3分23秒166を記録し、2025年ル・マン24時間レースのポールポジションを獲得。アメリカブランドにとって、初のハイパーポール前列独占という快挙となった。チームメイトのアール・バンバーがわずか0.167秒差の2番手に続いた。

    各クラスのポールポジション獲得車
    ■ ハイパーカー:キャデラック Vシリーズ.R #12(キャデラック・ヘルツ・チームJOTA)
     ウィル・スティーブンス/ノルマン・ナト/アレックス・リン – 3:23.166
    ■ LMP2:オレカ07-ギブソン #29(TDSレーシング)
     ロドリゴ・セールス/マティアス・ベシェ/クレモン・ノバラック(LMP2 Pro/Am) – 3:35.062
    ■ LMGT3:アストンマーティン・バンテージ AMR LMGT3 #27(ハート・オブ・レーシング)
     イアン・ジェームズ/マッティア・ドルディ/ザカリー・ロビション – 3:52.789

    昨日の劇的な予選を経て迎えたハイパーポール。サルト・サーキットは静まり返り、すべての注目がこの一発勝負に集まった。ハイパーポール1で各クラスの上位車両が絞り込まれ、ハイパーポール2では“手加減無用”の最終決戦が展開された。

    アレックス・リンのコメント
    「ル・マンのような魔法のようなサーキットでこうした走りができるのは本当に特別なことだ。大好きな場所だからね。あとは残り24時間を戦い抜くだけ!」

    ハイパーカー
    ハイパーポール1では、予選を勝ち上がった15台が少燃料仕様で激しいアタック合戦を繰り広げた。まず#5ポルシェがフリープラクティス3の勢いそのままに、3分23秒979で基準タイムを刻んだ。2周目では#20 BMWや#50フェラーリも好タイムを記録し、わずか0.1秒以内に3台がひしめく展開となった。

    そんな中、#5ポルシェはピットレーン進入時に右リアタイヤが外れるという衝撃のトラブルに見舞われるが、なんとか最終セッションに進出。

    地元フランスに希望を与えたのはアルピーヌ。ミック・シューマッハが一時トップに立つも、その後のタイム更新ラッシュに沈む。#20 BMW、#38キャデラック、そして#311キャデラックのジャック・エイトケンが3分22秒742の驚異的なタイムでハイパーポール1を制した。

    イギリス勢にとっては厳しい結果に。唯一の#009アストンマーティン・ヴァルキリーは15番手に終わり、#101キャデラック、#35アルピーヌ、さらには#83 AFコルセのフェラーリ(これまで上位常連だった)と、昨年優勝車#51フェラーリも決勝進出を逃した。

    ハイパーポール2では、#8トヨタを駆るセバスチャン・ブエミがムルサンの急制動で制御を失いグラベルに飛び出すという場面も。幸いコース復帰できたが、これでトヨタはポール争いから脱落。

    そしてステージはキャデラックのものに。アレックス・リンが前日の予選タイムがまぐれではないことを証明し、3分23秒166で堂々トップに立つ。一方で、当初10番手に沈んでいたアール・バンバーが最後の1周でリンに肉薄する3分23秒333を記録し、見事ワン・ツー体制を築いた。

    「ル・マンで少燃料のハイパーカーを運転できる機会は、いつだって名誉であり特権だ。観客の前でこの結果を出せて本当に特別な瞬間だ。キャデラックは本当に努力してきたし、この結果はその報いだ。大好きなこの特別な夜に特別なサーキットでやれたことが嬉しい。今夜はしっかり寝て、土曜のビッグレースに備える」とリンは語った。

    LMP2とLMGT3
    LMGT3では、#54ヴィスタAFコルセ・フェラーリがポルシェカーブで停止し赤旗が出され、残り11分で中断。#78レクサスはムルサンのシケインでグラベルに飛び出すトラブル。

    LMP2では#199 AO by TFと#22ユナイテッド・オートスポーツが一騎打ちの様相を見せる中、#43インター・ユーロポル・コンペティションが見事な走りで0.641秒の差を築きトップ通過。

    LMGT3では#46チームWRTが再びセッション最速を記録し、ヴァレンティーノ・ロッシにポールのチャンスを与える。#81 TFスポーツ・コルベットが3番手につけると、#95マクラーレンのショーン・ゲラエルが最後の最後で8位に滑り込み、#193ジグゴ・スポーツ・フェラーリや#88プロトン・フォード、#59マクラーレンを振り落とした。

    ハイパーポール2では激戦が続き、4台がトップを入れ替える中、LMP2はFP3でも最速だった#29 TDSレーシングがマティアス・ベシェの好走でトップ。だが、ルイ・デレトラズがタイム内で最終アタックに入り全セクターで好タイムを刻むも、タイヤが限界を迎えパワースライドの連続で3位にとどまった。

    LMGT3ではヴァレンティーノ・ロッシがトップ3に入る走りを見せたが、ポールはハート・オブ・レーシングの#27アストンマーティン。歴史的快挙となった。

    ル・マン24時間レース キャデラック

    ハイパーカー最終上位10台
    1.#12 キャデラック(ヘルツ・チームJOTA)– 3:23.166
    2.#38 キャデラック(ヘルツ・チームJOTA)– 3:23.333
    3.#5 ポルシェ(ペンスキー)– 3:23.475
    4.#15 BMW(チームWRT)– 3:23.659
    5.#4 ポルシェ(ペンスキー)– 3:23.983
    6.#20 BMW(チームWRT)– 3:24.009
    7.#50 フェラーリ(AFコルセ)– 3:24.213
    8.#311 キャデラック(ウェーレン)– 3:24.380
    9.#36 アルピーヌ – 3:24.398
    10.#8 トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing)– タイムなし

    LMP2 最終上位8台
    1.#29 TDSレーシング – 3:35.062
    2.#43 インター・ユーロポル – 3:35.333
    3.#14 AO by TF – 3:35.421
    4.#23 ユナイテッド・オートスポーツ – 3:35.459
    5.#22 ユナイテッド・オートスポーツ – 3:35.615
    6.#37 クール・レーシング – 3:36.184
    7.#183 AFコルセ – 3:36.993
    8.#16 RLR Mスポーツ – 3:38.922

    LMGT3 最終上位8台
    1.#27 アストンマーティン(ハート・オブ・レーシング)– 3:52.789
    2.#21 フェラーリ(ヴィスタAFコルセ)– 3:53.085
    3.#46 BMW(チームWRT)– 3:54.966
    4.#61 メルセデスAMG(アイアン・リンクス)– 3:54.998
    5.#92 ポルシェ(マンタイ)– 3:55.140
    6.#81 コルベット(TFスポーツ)– 3:55.740
    7.#95 マクラーレン(ユナイテッド・オートスポーツ)– 3:55.965
    8.#78 レクサス(アッコディスASP)– 4:03.660

  • ル・マン24時間 トヨタ8号車は予選10位通過 7号車はハイパーポール逃す

    ル・マン24時間 トヨタ8号車は予選10位通過 7号車はハイパーポール逃す

    2025年6月11日(水)、フランス・サルト・サーキットでFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦「第93回ル・マン24時間レース」の公式走行セッションが開始された。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、この耐久レース界最大のイベントに向けて本格的な戦いをスタートさせた。

    8日(日)のテストデーでトップタイムを記録したTGRは、トヨタがル・マン初参戦から40周年を迎える今大会で、6度目の総合優勝を狙う。

    11日は2回の公式練習走行と予選セッションが行われ、2台のGR010 HYBRIDが12日(木)のハイパーポール進出をかけてタイムアタックに挑んだ。

    予選では、GR010 HYBRID 8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)が10番手タイムをマークし、トップ15によるハイパーポール1への進出を決定。一方、7号車(小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ニック・デ・フリース)は黄旗の影響を受けたことで16番手に終わり、惜しくもハイパーポール進出を逃した。

    なお、7号車は昨年23番手スタートから追い上げて2位でフィニッシュした実績があり、今回も決勝での巻き返しが期待される。

    午後2時からの公式練習1回目は、気温30度近くまで上昇する中で行われ、両車ともに44周を走破。メカニカルセットアップや制御系の比較など、決勝を見据えたマシンバランスの確認に重点が置かれた。8号車は終盤にスローパンクチャーに見舞われたが、全体としては順調な滑り出しとなった。

    午後7時半から30分間にわたって実施された予選セッションには21台のハイパーカーが出走。搭載燃料の関係で後半にタイムが集中する中、8号車のハートレーが再アタックでタイムを更新し、10位に滑り込んだ。7号車のデ・フリースも2度目のアタックで好タイムを狙ったが、他車のアクシデントに伴う黄旗によりラップを中断。その後もタイム更新には至らず、16番手にとどまった。

    午後10時からの公式練習2回目は、ドライバーが今大会初めて夜間走行を経験するセッションとなった。TGRの6名全員が規定の5周を消化し、ソフト/ミディアム両タイヤの比較も実施。セッション終盤には、8号車がLMGT3クラスの車両と接触し、右側に軽微なダメージを受けるアクシデントが発生したが、大きな問題には至らなかった。

    12日(木)には午後2時45分(日本時間午後9時45分)から3回目の公式練習が行われ、午後9時5分(日本時間13日午前4時5分)からハイパーポール1がスタート。ここで上位10台が、午後9時40分(日本時間13日午前4時40分)からのハイパーポール2に進出し、決勝のトップ10グリッドを争う。さらに、深夜0時まで最終のナイトセッションも予定されている。

    決勝レースは、6月14日(土)午後4時(日本時間午後11時)にスタート予定。TGRは、困難な状況の中でも常に上位争いに食い込んできた経験を活かし、最後まで勝利を目指して戦い抜く構えだ。

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    総合的に見て、パフォーマンス面では満足のいく結果ではありませんでした。我々の7号車は期待していた速さを発揮できず、残念ながら明日のハイパーポールには進出できませんでした。土曜日の決勝に向けて、レースペースの向上に全力で取り組み、より多くのクルマのポテンシャルを引き出すために最善を尽くします。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
    予選の結果を振り返ると、理想的な一日とは言えませんでした。ハイパーポールに進出できなかったのは少し残念です。これからは決勝に向けて集中するだけです。実際、次の公式練習走行では我々のタスクが少し楽になります。まだラップタイムの改善の余地があり、決勝で速いクルマにしていくために努力を続けます。ナイトセッションでクルマは少し良くなりましたし、まだやれることはあります。

    ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー)
    もっとタイムを上げられるポテンシャルがあったので、予選でトップ15に入れなかったことはとても残念です。私のベストラップは黄旗によって遮られ、とても不運なタイミングとなってしまいました。あのアタックラップは、最後まで走り切れていればハイパーポールに進出できる十分なペースだったと思います。翌周もアタックを続けましたが、残念ながらタイヤの性能のピークを過ぎてしまい、タイムを更新するのは難しい状況でした。おそらく、あのラップをクリーンに走り切れていれば、トップ15に入るチャンスがあったと思いますが、最終シケインで他の車両に引っかかってしまい、それで終わってしまいました。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
    我々にとって最高の一日にはなりませんでした。8号車がハイパーポールに進出できたのは良かったですが、予選ではもう少し上位に行けると思っていたので、期待通りではありませんでした。ただ、それだけが最優先事項ではないことも理解しています。決勝に向けた準備ができる練習走行セッションは、あと2回残っています。もちろん、ハイパーポールでもできるだけ上位グリッドを目指しますが、それが簡単な挑戦ではないことは分かっています。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    我々8号車にとっては、うまくいったセッションでした。最初にクリーンにアタックラップをこなし、2度目のアタックも悪くありませんでしたが、タイムを更新することはできませんでした。ペース面では、上位勢には及びませんでしたが、トップ15に入れたことは嬉しいです。ただ、コースコンディションが大幅に変わらない限り、ポールポジション争いは難しいでしょう。ポジティブな点として、公式練習1回目でのロングランのペースがとても良かったので、それを優先して活かしていきたいと思います。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    今日は我々にとって厳しい一日でした。8号車はハイパーポールに進出できましたが、7号車はわずかにハイパーポール進出を逃してしまいました。競争は非常に接戦なので、決勝に向けてすべてを最適化する必要があります。まだ練習走行が2回残っているので、改善点を見つけて良い戦略を立てるために最善を尽くします。引き続き努力を続け、次はもっと良い一日になることを期待しています。

    トヨタ ル・マン24時間レース

    WEC 第4戦 ル・マン24時間 公式練習第1回目 結果
    1.アール・バンバー/セバスチャン・ブルデー/ジェンソン・バトン(キャデラック・ハーツ・チームJOTA/キャデラック V-Series.R)
    2.アントニオ・フオコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン(フェラーリAFコルセ/フェラーリ 499P)
    3.マット・キャンベル/ケビン・エストレ/ローレンス・バンスール(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ポルシェ 963)
    4.セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮(トヨタ・ガズー・レーシング/GR010 HYBRID)
    5.ジュリアン・アンドラウアー/ミカエル・クリステンセン/マシュー・ジャミネ(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ポルシェ 963)
    11.マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース(トヨタ・ガズー・レーシング/GR010 HYBRID)

    WEC 第4戦 ル・マン24時間 公式予選 結果
    1.アレックス・リン/ノルマン・ナト/ウィル・スティーブンス(キャデラック・ハーツ・チームJOTA/キャデラック V-Series.R)
    2.ドリス・バンスール/ラファエル・マルチェッロ/ケビン・マグヌッセン(BMW M TEAM WRT/BMW M ハイブリッドV8)
    3.アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/アントニオ・ジョビナッツィ(フェラーリAFコルセ/フェラーリ 499P)
    4.アール・バンバー/セバスチャン・ブルデー/ジェンソン・バトン(キャデラック・ハーツ・チームJOTA/キャデラック V-Series.R)
    5.アントニオ・フオコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン(フェラーリAFコルセ/フェラーリ 499P)
    10.セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮(トヨタ・ガズー・レーシング/GR010 HYBRID)
    16.マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース(トヨタ・ガズー・レーシング/GR010 HYBRID)

    WEC 第4戦 ル・マン24時間 公式練習第2回目 結果
    1.セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮(トヨタ・ガズー・レーシング/GR010 HYBRID)
    2.アレックス・リン/ノルマン・ナト/ウィル・スティーブンス(キャデラック・ハーツ・チームJOTA/キャデラック V-Series.R)
    3.ロバート・クビサ/イーフェイ・イエ/フィル・ハンソン(AFコルセ/フェラーリ 499P)
    4.フェリペ・ナッセ/ニック・タンディ/パスカル・ウェーレイン(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/ポルシェ 963)
    5.アントニオ・フオコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン(フェラーリAFコルセ/フェラーリ 499P)
    14.マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース(トヨタ・ガズー・レーシング/GR010 HYBRID)

  • ル・マン24時間 予選首位はキャデラック トヨタはハイパーポール進出逃す

    ル・マン24時間 予選首位はキャデラック トヨタはハイパーポール進出逃す

    2025年6月11日、ル・マン24時間レースの予選が行われ、キャデラックがデビュー75周年の節目に強烈なインパクトを残した。#12 キャデラック・ハーツ・チームJOTAのアレックス・リンが昨年のポールタイムをほぼ2秒も上回る驚異的なラップを記録し、ハイパーカークラスの首位に立った。

    セッション序盤は2025年のFIA世界耐久選手権(WEC)をリードするフェラーリが順調な滑り出しを見せたが、残り時間が少なくなるにつれてラップタイムが次々に更新され、他の有力勢が上位を争う展開となった。

    ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ、キャデラック・ウィレン(IMSAエントリー)、BMW MチームWRTなどが一時トップに立ったが、終盤残り2分を切ったところでリンが快走。セットアップを変えずに臨んだ2回目のアタックでさらに自身のパフォーマンスを引き上げ、「最高のスタートだ」と満足げに語った。

    リンのタイムにわずか0.040秒差で続いたのは、#15 BMW MハイブリッドV8を駆るドリス・ファントール。セッション残り10分までタイム計測がなかったが、プレッシャーの中で見事なラップを決め、最下位から首位にジャンプアップした後、リンに僅差で抜かれ2番手となった。

    3番手には、選手権首位を走る#51 フェラーリAFコルセ499Pのアントニオ・ジョビナッツィが続いた。昨年のポールシッターであるケビン・エストレはタイヤ1セットのみで4番手に入り、今季苦戦中のポルシェ・ペンスキー・モータースポーツにとって明るい材料となった。

    FP1で速さを見せたセバスチャン・ブルデーは、2台目のキャデラック・ハーツ・チームJOTAで5番手。#50フェラーリのアントニオ・フオコが6番手だった。

    一方、大きな波乱となったのは#7 トヨタ・ガズー・レーシング GR010ハイブリッド。ニック・デ・フリースが黄旗やトラフィックの影響で2回の最速ラップが妨げられ、16位に沈みハイパーポール進出を逃した。

    LMGT3はBMWが逆転で首位 王者アストンとフェラーリは苦戦
    LMGT3クラスでは、アフマド・アル・ハーシーが終盤に鮮やかな「フライヤー」を決め、チームWRTのBMW M4 LMGT3をトップタイムへ導いた。これにより、9ブランドすべてがハイパーポール進出を果たした。

    セッション中盤までは、FP1で好調だった#78 アッコディスASPチームのレクサスRC F LMGT3(アーノルド・ロバン)が先行していたが、昨年ル・マンで表彰台争い中にリタイアを喫したアル・ハーシーがリベンジに向け最高のスタートを切った。彼のマシンにはバレンティーノ・ロッシも名を連ねている。

    2番手には#27 ハート・オブ・レーシング・チームのアストンマーティン・バンテージAMRを駆るイアン・ジェームスが入り、昨年王者のマンタイはライアン・ハードウィックの走りで3番手を確保した。

    4番手はロバンが守り、TFスポーツ・コルベットの中で最上位となったトム・ファン・ロンプイが5番手に入った。一方、大きな番狂わせとなったのは、選手権首位の#33 TFスポーツ・コルベットに乗るベン・キーティングが17位に終わり、まさかの予選敗退となったことだ。

    プロトン・コンペティションの#88 フォード・マスタングLMGT3(ステファノ・ガットゥーゾ)が6番手。ビスタAFコルセのフェラーリ2台、ユナイテッド・オートスポーツのマクラーレン2台も順当に通過し、明日のハイパーポールで再び戦いの火蓋が切られる。

    一方、アイアン・リンクスにとっては試練の1日となった。FP1ではスティーブン・グローブがクラッシュし、予選ではアンドリュー・ギルバートのトラブルで赤旗が提示されたが、マーティン・ベリーがメルセデスAMG LMGT3を初めてハイパーポールへ導き、チームに明るい話題をもたらした。

    2025年ル・マン24時間 予選順位(ハイパーカークラス)
    1.アレックス・リン/ニコラ・ナト/ウィル・スティーブンス(キャデラック・ハーツ・チームJOTA/#12)
     3:22.847

    2.ドリス・ファントール/ケビン・マグヌッセン/ローレンス・マルチェロ(BMW MチームWRT/#15)
     +0.040秒(3:22.887)

    3.アントニオ・ジョビナッツィ/アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームズ・カラド(フェラーリAFコルセ/#51)
     +0.316秒(3:23.163)

    4.ケビン・エストレ/マット・キャンベル/ローレンス・ファントール(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/#6)
     +0.513秒(3:23.360)

    5.セバスチャン・ブルデー/ジェンソン・バトン/アール・バンバー(キャデラック・ハーツ・チームJOTA/#38)
     +0.620秒(3:23.467)

    6.アントニオ・フオコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン(フェラーリAFコルセ/#50)
     +0.667秒(3:23.514)

    7.マシュー・ジャミネ/マイケル・クリステンセン/ジュリアン・アンドラウアー(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/#5)
     +0.697秒(3:23.544)

    8.ロビン・フラインス/シェルドン・ファン・デル・リンデ/レネ・ラスト(BMW MチームWRT/#20)
     +0.958秒(3:23.805)

    9.フェリペ・ドルゴビッチ/ジャック・エイトケン/フレデリック・ヴェスティ(キャデラック・ウィレン/#311)
     +1.043秒(3:23.890)

    10.ミック・シューマッハ/ジュリアン・グーノン/フレデリック・マコヴィッキ(アルピーヌ・エンデュランス・チーム/#36)
     +1.098秒(3:23.945)

    11.平川亮/セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー(トヨタ・ガズー・レーシング/#8)
     +1.141秒(3:23.988)

    12.ロバート・クビサ/パトリック・ハンソン/イーフェイ・イェ(AFコルセ/#83)
     +1.147秒(3:23.994)

    13.フィリペ・アルバカーキ/リッキー・テイラー/ジョーダン・テイラー(キャデラックWTR/#101)
     +1.183秒(3:24.030)

    14.ニック・タンディ/フェリペ・ナッサー/パスカル・ウェーレイン(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ/#4)
     +1.737秒(3:24.584)

    15.フランツ・ハプスブルク/シャルル・ミレジ/ポール・シャタン(アルピーヌ・エンデュランス・チーム/#35)
     +1.820秒(3:24.667)

    16.ラファエレ・デ・アンジェリス/マルコ・ソーレンセン/アレックス・リベラス(アストンマーティン・ソー・チーム/#009)
     +2.022秒(3:24.869)

    17.ニック・デ・フリース/小林可夢偉/マイク・コンウェイ(トヨタ・ガズー・レーシング/#7)
     +2.215秒(3:25.062)

    18.ストフェル・バンドーン/マリウス・ヤコブセン/ロイック・デュバル(プジョー・トタルエナジーズ/#94)
     +2.393秒(3:25.240)

    19.ポール・ディ・レスタ/ジャン-エリック・ベルニュ/ミケル・イェンセン(プジョー・トタルエナジーズ/#93)
     +2.647秒(3:25.494)

    20.ニコ・ジャニ/ニコラス・バローネ/ニコラス・ピノ(プロトン・コンペティション/#99)
     +2.680秒(3:25.527)

    21.ハリー・ティンクネル/リチャード・ガン/トム・ギャンブル(アストンマーティン・ソー・チーム/#007)
     +3.502秒(3:26.349)

  • トヨタ 液体水素を燃料とする「GR LH2 Racing Concept」をル・マンで初披露

    トヨタ 液体水素を燃料とする「GR LH2 Racing Concept」をル・マンで初披露

    TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、モータースポーツにおける水素技術の開発を進めるため、液体水素(LH2)を燃料とするテストカー「GR LH2 Racing Concept」を初めて公開した。このテストカーは、6月11日(水)から15日(日)にかけて第93回ル・マン24時間レースが開催されるフランス・ル・マンのサルト・サーキット内、フランス西部自動車クラブ(Automobile Club de l’Ouest: ACO)が設置するH2ビレッジで展示される。

    トヨタは、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」と、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みの一環として、日本国内のスーパー耐久シリーズを含むモータースポーツの厳しい環境下で水素技術を磨いてきた。また、業界内外のパートナーと連携し、水素の生産、輸送、利用の拡大を進めながら、カーボンニュートラル社会の実現を目指している。

    日本のスーパー耐久シリーズでは、ROOKIE Racingが走らせている水素エンジンカローラが、2021年のデビュー当初は気体水素を燃料としていたが、2023年からは液体水素を搭載するようになった。2022年には、GRヤリスH2がFIA世界ラリー選手権(WRC)のイプルー・ラリーでデモンストレーション走行を行い、ラリーの世界における水素エンジンの可能性を示した。2023年には、水素エンジンカローラがル・マンの舞台でデモ走行を行い、将来的な水素カテゴリーの導入を見据えて、水素エンジンを搭載したコンセプトカー「GR H2 Racing Concept」もル・マンで発表された。

    さらに技術開発が進む中で、液体水素を燃料とする「GR LH2 Racing Concept」が新たなステップとして披露された。このテストカーは、現在FIA世界耐久選手権(WEC)で戦っている「GR010 HYBRID」をベースに開発されたものだ。「GR LH2 Racing Concept」は、今後の実走テストを通じてトヨタの水素技術やインフラの継続的な開発を担い、モータースポーツを通じて水素の可能性を広げる仲間づくりを目指していく。

    トヨタ 液体水素を燃料とする「GR LH2 Racing Concept」をル・マンで初披露(1)トヨタ 液体水素を燃料とする「GR LH2 Racing Concept」をル・マンで初披露(2)

    「GR LH2 Racing Concept」のカラーリングは「未来」を象徴しており、トヨタのル・マン参戦40周年のコンセプトである「過去」「現在」「未来」を結びつける3つ目の重要な要素となっている。小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースがドライブするGR010 HYBRID 7号車は、1998年のル・マンを戦った伝説的なトヨタGT-One(TS020)をモチーフにした赤と白のカラーリングを採用している。一方、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮がドライブするGR010 HYBRID 8号車は「現在」を象徴し、勝利への決意を示すマットブラックのリバリーを纏っている。このカラーリングはまた、「負け嫌い」というチームの精神を表現しており、GRロゴを中心に、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」と、進化を続ける「プロトタイプ」コンセプトを反映している。

    [GR LH2 Racing Concept 車両概要]
    ■ パワートレーン:水素エンジン+ハイブリッドシステム
    ■ 搭載燃料:液体水素
    ■ 仕様:全長 5100mm / 全幅 2050mm

  • ザク・ブラウン 2027年マクラーレンのル・マン復帰にアロンソ起用を希望

    ザク・ブラウン 2027年マクラーレンのル・マン復帰にアロンソ起用を希望

    マクラーレンCEOのザク・ブラウンは、2027年に予定されているマクラーレンのル・マン24時間レース復帰に向けて、フェルナンド・アロンソの起用を強く望んでいることを明かした。

    マクラーレンは2027年にハイパーカークラスへのフルワークス参戦を発表しており、1995年にマクラーレンF1 GTRで総合優勝を果たして以来となるル・マン挑戦が注目を集めている。

    アロンソは2018年と2019年にトヨタからル・マンを連覇しており、2018年の勝利は現役F1ドライバーとしてはニコ・ヒュルケンベルグ以来3年ぶりの快挙だった。

    ブラウンはスペイン紙『Marca』に対し、次のように語っている。

    「アロンソは最高のドライバーの一人であり、それは彼がマクラーレンで走っていた時に私はよく分かっている。彼は並外れたアスリートだ。F1でのキャリアはそろそろ終盤だが、我々はすでにル・マン復帰を発表している」

    「彼はすでにル・マンを制しており、再びマクラーレンで走る姿をぜひ見たいと思っている」

    一方で、マクラーレンの現F1ドライバーであるオスカー・ピアストリは、ル・マン参戦についての関心はあるものの、現時点ではF1に集中していると述べた。

    「いつかは走ってみたいけど、それはまだ先の話だ。今はF1に満足している」とピアストリ。

    「両方のシリーズを同時にこなすのは、どちらにとっても良いことではないと思う。F1チャンピオンシップに対しては実際それほど影響はないかもしれないけど、今みたいに賭けるものが大きい状況では、ル・マンに対して万全の準備ができないのは良くない。ル・マンはそれにふさわしいリスペクトを持って挑まなければならない」

  • トヨタ ル・マン24時間テストデーで好発進 8号車が最速タイムを記録

    トヨタ ル・マン24時間テストデーで好発進 8号車が最速タイムを記録

    TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、6月14日~15日に開催されるFIA世界耐久選手権(WEC)第4戦ル・マン24時間に向け、6月8日に実施された公式テストデーに参加した。チームは6度目のル・マン制覇を目指し、8号車がこの日の最速タイムを記録する好発進を見せた。

    今年のル・マン24時間には全クラス合わせて62台がエントリー。トヨタは、参戦40周年を記念した特別カラーリングを施した2025年仕様の2台のGR010 HYBRIDで臨んだ。

    8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)は、午後のセッションで3分26秒246を記録し、この日のトップに立った。一方、1998年のGT-One(TS020)に敬意を表した伝説的カラーをまとった7号車(小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ニック・デ・フリース)は、2回目セッションで14番手タイムの3分28秒385にとどまった。

    チームは数日前から現地入りし、スパ・フランコルシャンでのシェイクダウンテスト直後にル・マン入り。ピットやパドックの設営を進めた。7日にはル・マン市内での公開車検に参加し、小林のドライブによるパレードランも行われた。

    テスト当日は、午前10時から3時間のセッションがスタート。気温は15度と肌寒く、一部に公道を使用する13.626kmのサルト・サーキットの特性により、走行を重ねるごとに路面状況は変化した。午前中のセッションでは開始から1時間の時点で40分間のセーフティカー走行が入ったが、チームはソフト/ミディアムタイヤの比較やサスペンションの評価など多岐にわたるプログラムを順調に消化した。

    午後のセッションでは気温が20度に上昇し、タイムも大幅に改善。しかし赤旗中断が3度発生し、最終的に予定より早く終了した。GR010 HYBRID 8号車では、ブエミがパンクに見舞われるトラブルがあったものの、スローダウンしてピットへ戻ることで大事には至らなかった。

    テストデー終了後の9日と10日は走行セッションは行われないが、チームは整備やデータ分析に集中する予定。11日にはフリープラクティスと予選が控えており、チームは車両バランスやタイヤの最適化など、週末の本番に向けて準備を進めていく。

    以下はテストデーでの主な結果。

    テストデー1回目結果(上位抜粋)
    1位 No.83 AFコルセ/フェラーリ 499P 3:27.010
    2位 No.8 TOYOTA GR010 HYBRID 3:28.000
    3位 No.38 キャデラック V-Series.R(JOTA) 3:28.491
    9位 No.7 TOYOTA GR010 HYBRID 3:29.277

    テストデー2回目結果(上位抜粋)
    1位 No.8 TOYOTA GR010 HYBRID 3:26.246
    2位 No.51 フェラーリ 499P(AFコルセ) 3:26.777
    3位 No.83 フェラーリ 499P(AFコルセ) 3:26.902
    14位 No.7 TOYOTA GR010 HYBRID 3:28.385

    TGRは順調なスタートを切ったが、8つのメーカーが参戦するハイパーカークラスの競争は激しく、決勝に向けての課題も残されている。次なる走行セッションは11日、ル・マン・ウィーク本番がいよいよ幕を開ける。

    トヨタ ル・マン24時間

    小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー)
    このコースに戻ってくることができ、嬉しい気持ちです。我々のクルマはル・マンを目指した作りで、他のコースを走るのとは違った印象があります。ル・マンはシーズンでのハイライトであり、ラップタイムにかかわらず、ここで走ることをいつも楽しんでいます。今日の2度のテスト走行はとても順調で、決勝レースへ向けた準備を進めることができました。まだいくつかやることや改善点はありますが、この時点では通常のことです。今のところ順調で楽しめています。

    マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー)
    再びル・マンのコースに戻れて最高です。昨年は走れなかったので、なおさら嬉しいです。ここは高速で、楽しく、いくつもの良い思い出があります。再びこのコースのリズムを掴み、ポジティブなスタートが切れたと思います。今日は多くのことを試しましたが、まだいくつかの点でやるべきことが残っています。クルマの感触はテストの最後には良くなりましたが、100%我々が望むレベルにはまだ達していないので、さらにプッシュを続けます。

    ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー)
    とても大変な一日でした。クルマのバランスを適切に調整するために多くの作業が必要でした。週末に向けたクルマの改善点を見つけるため、今日行ったすべてのことを分析しなければなりません。2回目のセッション終盤で赤旗による中断があったため、全プログラムをこなせなかったことは少し残念ですが、これは全チームに共通することです。改善すべき点は明確なので、レースで力強く戦えるよう全力で取り組んでいきます。

    セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー)
    このコースに戻ってくるのはいつも楽しみですし、ここでハイパーカーをドライブすることが本当に嬉しいです。もちろんベストタイムをマークできたことは嬉しいですが、速いライバルがたくさんいます。我々は多くの周回をこなし、いい変更もあれば、そうでないのもありましたが、それもプロセスの一部です。すべてを分析し、改善点を見つけていきます。週末の気象条件が少し異なる可能性があるため、それに適応する準備も必要です。

    ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー)
    GR010 HYBRIDで再びル・マンを走ることができて、とても嬉しいです。今日は大きな問題もなく、成功裏に終わり、ポジティブな一日だったと思います。クルマの感触も良かったですし、亮とセブも同じように感じていると思います。競争は明らかに激しく、ロングランでは我々が最速のクルマとは言えませんが、戦える位置にはいると思います。週末に向けてさらにやるべきことがありますが、これからの数日間でしっかり睡眠を取り、充電して、大きな仕事へ向けて備えたいと思います。

    平川亮(8号車 ドライバー)
    これまでのところは順調で、満足しています。予想通りとても忙しい一日でしたが、多くのテスト項目をこなし、スローゾーンやフルコースイエロー、赤旗といろいろ経験できました。今日の目標は達成できたので、良い一日だったと思います。この時点でのタイムは参考にはならないとはいえ、最速タイムをマークできるのはいつでも嬉しいことです。クルマの感触はとても良いですが、まだやるべきことや改善できる点が多く、さらに良い結果が期待できます。明日からの2日間でデータを分析し、週末に向けて最善の状態で臨めるよう準備します。

  • フェリペ・ドルゴヴィッチ F1カナダGPで代役出場ならル・マン24時間は辞退

    フェリペ・ドルゴヴィッチ F1カナダGPで代役出場ならル・マン24時間は辞退

    フェリペ・ドルゴヴィッチは、F1カナダGPで負傷欠場の可能性があるランス・ストロールの代役として出走できるなら、ル・マン24時間レースの参戦を辞退する用意があることを示唆した。彼は「自分の最優先は常にF1だ」と語っている。

    ストロールは、2023年のプレシーズン中に自転車事故で骨折した右手首の痛みが悪化し、スペインGPの予選後に欠場を決定。予選14番手という結果の後だったため、F1の規定上、アストンマーティンは代役ドライバーを起用できず、チームはフェルナンド・アロンソ1台体制でレースに臨むこととなった。

    アロンソは、マックス・フェルスタッペンの終盤のペナルティもあり、9位でフィニッシュしている。

    ドルゴヴィッチはアストンマーティンのリザーブドライバーとしてスペインGP現地にいたが、ストロールの欠場決定が遅れたため出走の機会はなかった。

    ストロールが手術を受けた箇所の回復時期は不透明で、6月13日~15日に開催される母国カナダGPに間に合うかは微妙な状況となっている。

    ドルゴヴィッチは当初、同週末にル・マン24時間レースへキャデラック・ウィレンの#311ハイパーカーで出場する予定だった。同車のラインアップにはジャック・エイトケンとフレデリック・ヴェスティも含まれている。

    ドルゴヴィッチがアストンマーティンとの契約においてF1参戦を優先できる条項を持っているかは明らかになっていないが、2022年F2王者である彼は、F1出走のためにル・マン欠場も辞さない姿勢を示している。

    ブラジルのテレビ局「バンデ」の記者チアゴ・ファニャーニとの会話で、ドルゴヴィッチは次のように語った。

    「現時点では、これからどうなるのか正直なところ自分でもよく分かっていない。ただまずは、ランスの回復を願いたい。ル・マンについて言えば、自分にとって最優先なのは常にF1であり、その方針は今後も変わらないはずだ」

    フェリペ・ドルゴヴィッチ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    なお、アストンマーティンのもう1人のリザーブドライバーであるストフェル・バンドーンも、同じ週末にプジョーの#94ハイパーカーでル・マンに出場する予定であるため、出場が難しい可能性が高い。

    その他の候補としては、開発ドライバーのジャック・クロフォードがいるが、彼はまだF1出走に必要なFIAスーパーライセンスを取得していないとされている。

    別の選択肢として、アストンマーティンのエンジンパートナーであるメルセデスから、リザーブドライバーであるバルテリ・ボッタスの起用を打診する可能性もある。ボッタスにはカナダGPと重なるレース予定はない。

  • メルセデスAMG 26年ぶりのル・マン復帰 伝説のC9オマージュで3台体制

    メルセデスAMG 26年ぶりのル・マン復帰 伝説のC9オマージュで3台体制

    メルセデスAMGは、カスタマーレーシングチーム「アイアン・リンクス」と共に、2025年のル・マン24時間レースに26年ぶりとなる復帰を果たす。6月11日から15日にかけて開催されるこの伝統の耐久レースに、3台のメルセデスAMG LMGT3がグリッドに並ぶ。

    今回の参戦に際し、特別なデザインコンセプトが用意された。

    3台のマシンには、1989年に伝説の1-2フィニッシュを飾ったザウバー・メルセデスC9をモチーフにしたカラーリングが施される。当時、優勝を飾った#63号車には、先日逝去したヨッヘン・マスも搭乗していた。

    3台のドライバーラインアップ
    #60号車は、マッテオ・カイローリ、マッテオ・クレッソーニ、クラウディオ・スキアボーニのイタリア人トリオが担当。いずれもル・マン出場経験が豊富なベテランだ。

    #61号車には、オーストラリアのマーティン・ベリー、18歳で今大会最年少ドライバーのオランダ人リン・ホーデニウス、そして経験豊富なメルセデスAMGパフォーマンスドライバーのマキシム・マルタン(ベルギー)が名を連ねる。

    #63号車は、前年のヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)で出場権を獲得したマシンで、オーストラリアの父子コンビ、スティーブン&ブレントン・グローブと、2018年にもル・マンを走ったルカ・シュトルツ(ドイツ)がドライブする。

    デザインはC9へのオマージュ
    3台のメルセデスAMG LMGT3は、1989年の伝説的マシン「ザウバー・メルセデスC9」へのオマージュとして、当時のデザインを再現。シルバーベースのボディに、サイドミラーには識別用のカラーが施されるなど、歴史への敬意が表現されている。

    メルセデスAMG ル・マン24時間レース

    ル・マン24時間レース 基本データ
    ・ サーキット:サルト・サーキット
    ・ 全長:約13.626km(公道 約9km+常設コース 約4.5km)
    ・ コーナー数:38
    ・ メルセデスの前回参戦:1999年
    ・ アイアン・リンクスのル・マン初参戦:2020年(LMGTE-Amクラス)
    ・ チームの最高成績:2021年 LMGTE-Amクラス3位(クレッソーニ、イロット、マストロナルディ)

    各ドライバーの注目実績
    #60号車
    ・ カイローリ:2017年から連続出場中(9回目)
    ・ クレッソーニ:2015~2024年で7回出場、2021年にクラス3位
    ・ スキアボーニ:2019年から連続出場(7回目)

    #61号車
    ・ ベリー:2025年が初出場
    ・ ホーデニウス:2025年が初出場&最年少ドライバー
    ・ マルタン:2025年で10回目の出場、2020年にGTE Proクラス優勝

    #63号車
    ・ ブレントン・グローブ/スティーブン・グローブ:ともに初出場
    ・ ルカ・シュトルツ:2018年に初出場(クラス3位)、今回は2回目

    関係者コメント
    クリストフ・ザーゲミュラー(メルセデスAMGモータースポーツ部門責任者)
    「メルセデスAMGにとって、26年ぶりのル・マン参戦は非常に重要な瞬間です。1989年の1-2フィニッシュという偉業を称える形で、当時のC9に敬意を表した特別なデザインで挑みます。この3台は現在のカスタマーレーシングを代表する存在であり、同時に歴史への敬意を体現しています。ル・マンでこの伝統を継続できることを嬉しく思います」

    シュテファン・ヴェンドル(メルセデスAMGカスタマーレーシング責任者)
    「WECプロジェクトとアイアン・リンクスとの連携は当初から非常に密なものでした。着実な成長と学びの積み重ねが今の礎となっています。ル・マンのようなレースでは、タイムだけでなくチーム・技術・ドライバーの完璧な連携が求められます。我々はこの挑戦に大きな期待を寄せています」

    マッテオ・カイローリ(#60)
    「ル・マンのすべてが好きです。1週間前の伝統的なドライバーズパレードも含め、何万人ものファンが集まる姿は、このレースの特別さを象徴しています。9回目の出場となる今年は、ミスのない強い走りを目指します。メルセデスAMGが26年ぶりにル・マンに戻ってくるのは本当に特別なこと。必ず価値ある復帰にしたいです」

    マキシム・マルタン(#61)
    「ル・マンは毎回特別な感情が湧くイベントです。初出場となるチームメイトと共に、しっかり準備を進めています。1989年のC9をオマージュした今回のカラーリングは、ブランドの歴史に対する素晴らしい敬意であり、その一員になれることは光栄です」

    ルカ・シュトルツ(#63)
    「ル・マンは、ドライバーにとって最も名誉あるイベントの1つ。雰囲気はF1にも匹敵するほどです。今年は3週連続の24時間レースの最初の舞台でもあり、体力的にも挑戦となるでしょう。ブレントンとスティーブン・グローブとのレースを楽しみにしています」

  • TOYOTA GAZOO Racing ル・マンでトヨタ参戦40周年を祝う記念カラー

    TOYOTA GAZOO Racing ル・マンでトヨタ参戦40周年を祝う記念カラー

    TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、トヨタがル・マン24時間レースに初参戦してから40周年を迎えることを記念し、今大会に参戦するGR010 HYBRIDに特別なカラーリングを施した。1台は過去の印象的なカラーリングを称えたものであり、もう1台は現行ハイパーカーの戦う精神を表現したデザインとなっている。この2台は、6月14日(土)から15日(日)にかけて開催される第93回ル・マン24時間レースに参戦する。

    小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースがドライブするGR010 HYBRID 7号車には、1998年と1999年のル・マンに参戦したTS020をモチーフとした赤と白のカラーリングが施されている。この特別カラーリングは、耐久レースの長い歴史とファンの熱狂を結びつけ、モータースポーツへの情熱を一層高めることを狙いとしている。

    トヨタ ル・マン GR010 HYBRID 7号車トヨタ ル・マン24時間レース GR010 HYBRID 7号車

    トヨタGT-Oneとして知られるTS020は、その特徴的な空力デザインでファンを魅了しただけでなく、ゲームソフト「グランツーリスモ」初代で中心的な役割を果たすことで、新たな世代のファンをル・マンに引き寄せた。今回のGR010 HYBRID用に再設計された赤と白のカラーリングは、ベースカラーの赤に、車体前方から後方にかけて白い炎のようなダイナミックなパターンを配し、TS020とのつながりを明確に示している。

    GR010 HYBRID 7号車は「過去」を象徴する特別なカラーリングで参戦する一方で、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮がドライブするGR010 HYBRID 8号車は、「現在」を表現したマットブラックのカラーリングで挑む。このなじみ深いカラーリングは、「スピード」と「負け嫌い」というチームの精神を表現するGRロゴを中心に据え、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を体現する進化の象徴、「プロトタイプ」コンセプトを反映している。両車両には、トヨタのル・マン参戦40周年を記念する新たなロゴも配されている。

    このようにTGRは、象徴的なカラーリングを通じてル・マンにおける「過去」と「現在」を結びつけながら、同時に「未来」にも目を向けている。TGRは耐久レースにおける水素技術の開発を推進する活動を通じて、モータースポーツがカーボンニュートラルで持続可能な未来の実現に貢献していることを示す方針である。

    ル・マンにおける40年間、トヨタとそのドライバー、チームメンバー、そしてファンは共に喜びや悲しみを分かち合い、レースの長い歴史を築いてきた。トヨタが公式にル・マンに参戦した1985年から今大会に至るまで、合計61台のトヨタ車が26回ル・マン24時間レースに参戦し、5度の総合優勝、18回の表彰台、8度のポールポジションを記録している。これらの参戦を通じて、16か国から62名のドライバーがトヨタのル・マン遺産の構築に貢献してきた。

    トヨタのル・マン参戦は1985年の85Cから始まった。この車両は市販車由来のエンジンを搭載し、トヨタが1992年に初めて表彰台に立つまで、そのパフォーマンスを着実に向上させていった。初期10年間はプロトタイプカーでの参戦が続いたが、その後のレギュレーション変更により、1995年から1996年にはトヨタ・スープラで戦うこととなった。続く1998年から1999年にはTS020で総合優勝を目指し、1999年には初のポールポジションを獲得した。

    トヨタは2000年から2011年までル・マンから一時撤退したが、2012年に復帰。ハイブリッド車両の技術を新たなレベルへと引き上げ、2018年には初の総合優勝を果たした。この勝利はTS050 HYBRIDによるル・マン3連覇の始まりとなり、その流れは現行のハイパーカー時代にも受け継がれた。2021年と2022年にはGR010 HYBRIDがさらに2勝を挙げたが、その後の2大会では連続して準優勝に終わっている。

  • ヨス・フェルスタッペン 息子とアロンソのF1王者組とのル・マン出場に消極的

    ヨス・フェルスタッペン 息子とアロンソのF1王者組とのル・マン出場に消極的

    マックス・フェルスタッペンは、父親であるヨス・フェルスタッペンがアストンマーティンのドライバーであるフェルナンド・アロンソとともにル・マン24時間レースに挑むことに興味を失ったことを明らかにした。

    マックス・フェルスタッペンは、近年、F1史上最高のドライバーたちと肩を並べる存在となり、2024年のF1で4年連続の世界チャンピオンに輝いた。

    これにより、マックス・フェルスタッペンは、2010年から2013年にかけてF1を席巻したレッドブルの象徴であるセバスチャン・ベッテルに続き、4年連続でドライバーズタイトルを獲得した史上2人目のドライバーとなった。

    このような驚異的な成功を収めているにもかかわらず、マックス・フェルスタッペンは、世界耐久選手権のハイライトであるル・マン24時間レースを含む、他のモーターレースにも挑戦したいと度々表明している。

    マックス・フェルスタッペン、フェルナンド・アロンソがル・マンでの新たなチームメイトを模索中
    27歳のマックス・フェルスタッペンは、2018/19年にトヨタでル・マンを2度制した2度のF1ワールドチャンピオンのフェルナンド・アロンソと、1994年から2003年の間にF1で106回出場し2度の表彰台を獲得した父のヨスと共にマシンをシェアするつもりだった。

    しかし、来月53歳になる父親がル・マンへの挑戦への意欲を失っていることを認めたことで、フェルスタッペンとアロンソは新しいチームメイトを見つけなければならないことが明らかになった。

    フェルナンド・アロンソとともにル・マンで戦う計画について尋ねられたマックス・フェルスタッペンは「頭の片隅にはある。やりたいと思っている」とMirrorに語った。

    「ヨスはまだとても上手だ。でも、彼はやりたくない。もうやりたくないみたいだ」

    「いいだろう、どうなるか見てみよう。いろんなことが起こり得る」

    「代わりに選べる素晴らしいドライバーはたくさんいる。レースをしている友人もたくさんいるので、1人を選ぶのは難しいだろう」

    マックス・フェルスタッペンは、ル・マンではドライバーの最低体重制限がないため、父親の代わりに軽量ドライバーを起用することを望んでいると明かした。

    「ただ、ル・マンではドライバーの最低体重制限がないんだ」と語った。

    「僕はかなり体重が多いから、それを補うために軽量のチームメイトを見つけなければならない」

    「フェルナンドはかなり軽量なので、我々にとっては非常に都合が良いが、もう一人見つけなければならない」

    また、昨年のフランスGPでは、体重の軽い理想的なドライバーとして角田裕毅の名前を挙げていた。

    「裕毅、僕のチームメイトになってくれない? 君はかなり軽いので、きっと飛ぶように走れると思う。君なら僕の体重を補ってくれるはずだ!」と角田裕毅一緒に記者会見に出席していたフェルスタッペンは語った。

    「あちこちで当たり外れがあるように思う。それに、僕にとってはドライバーの体重も気になる。僕はキットを装着すると80キロになるかもしれないけれど、55キロや60キロになるドライバーもいる。裕毅に悪気があるわけじゃないけどね!」

    「でも、それではル・マンに行っても、チャンスはない。1周あたりすでにコンマ数秒の差がある。その差は驚くほど大きい」

    「だから、それを解決する必要がある。遵守すべき平均重量または最低重量を設定する必要がある。しかし、将来は間違いなくレースに参加したいと思っている。ああ、素晴らしいイベントだ」

    フェルスタッペンとアロンソ

    マックス・フェルスタッペンのコメントは、現世界チャンピオンのアストンマーティンへの移籍が噂されてからわずか数週間後のものとなった。レッドブルとの契約が2028年のF1シーズン終了前に満了する前に、移籍する可能性がある。

    先月の新聞報道によると、アストンマーティンはフェルスタッペンが近い将来チームに加わるだろうと主張することで、潜在的なスポンサーを魅了しようとしているという。

    この主張はチームによって明確に否定され、PlanetF1.comに対して、アストンマーティン・アラムコの広報担当者は「この話を明確に否定する」と発表した。

    一方、フェルスタッペンの関係者はこの報道に対して「それは素晴らしい」とコメントしたと伝えられている。

    PlanetF1.comは、アストンマーティンの現レースドライバーであるアロンソとチームメイトのランス・ストロールは、少なくとも今後2シーズンは契約を結んでいると理解している。

    しかし、最近、尊敬されているF1レポーターが、マックス・フェルスタッペンをアストンマーティンに迎え入れるための話し合いが「進行中」であると主張した。

    これは、元レッドブルのドライバーでオランダ人F1解説者のロバート・ドーンボスが昨年夏、アストンマーティンのオーナーであるローレンス・ストロールが「一切の費用を惜しまず」、フェルスタッペンをワールドチャンピオンに「昇進」させるために努力していると明かした後に語られたものだ。

    マックス・フェルスタッペンは、2021年に自身初となるタイトル獲得シーズンを終えた後、レッドブルと長期契約延長に署名し、2028年末まで正式にチームに所属することとなった。

    しかし、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、昨年のオランダグランプリでPlanetF1.comを含むメディアに対して、フェルスタッペンの契約には「パフォーマンス要素」が含まれており、チームが競争力のあるマシンを提供できない場合は、彼がチームを離れる可能性があることを認めた。

    マックス・フェルスタッペンは、2025年のF1シーズンがかなりの部分を終えた時点でドライバーズランキングで3位以下に沈んだ場合、契約解除条項を発動できると推測されている。

    ここ1か月間、メルセデスへの移籍がたびたび取り沙汰されているが、アストンマーティンは昨年、F1界の伝説的人物であるエイドリアン・ニューウェイをレッドブルから引き抜いたチームであり、魅力的な代替オプションである。

    PlanetF1.comは最近、エイドリアン・ニューウェイが3月2日に新設された役職であるテクニカルパートナーの管理職として勤務を開始する予定であることを明らかにした。66歳のニューウェイは、2026年の新しいF1ルールに向けたチームのマシン開発を主導することになる。

    アストンマーティンは、レッドブルの現在のエンジンサプライヤーであるホンダとも来年から技術提携を結ぶ予定であり、ストロール氏は今後数年間でタイトル獲得を狙っている。

    マックス・フェルスタッペン氏は、将来アロンソのF1チームメイトになる可能性について尋ねられた際には口をつぐんだ。

    スペインの出版社マルカの取材に対し、「将来、何が起こるかは非常に難しい」とフェルスタッペンはコメント。

    「フェルナンドとレースができてとても嬉しい。」