カテゴリー: FIA(国際自動車連盟)

  • F1カナダGP後の混乱が再燃させたスチュワード裁定の信頼性問題

    F1カナダGP後の混乱が再燃させたスチュワード裁定の信頼性問題

    スチュワードの一時的な職務停止に加え、2025年F1カナダGPの結果が5時間以上も確定しなかったことで、再びF1におけるスチュワードの裁定の信頼性が注目を集めている。

    ルールはいくら明確に定めても、その解釈や適用には常に主観的な要素が入り込む。だからこそ、F1におけるスチュワードの裁定の信頼性は、たびたび議論の中心に据えられる。正当な理由によってというよりは、大抵は過剰に騒がれる形でだが。

    一部の論者は、カナダGP直前にデレク・ワーウィックがスチュワードの職務から外されたことと、決勝後に結果が確定するまでの5時間半の長い待機時間を関連づけている。だが、これは因果関係と相関関係を混同しているに過ぎない。

    ワーウィックに代わって、エンリケ・ベルノルディがFIAのジュネーブにあるリモート・オペレーション・センターからビデオリンクを通じてスチュワードの一員として参加した。このプロセスは、理想的とは言えないまでも、十分に機能したと理解されている。今回の大きな遅れの主因は、レッドブルがジョージ・ラッセルに対する抗議を即座に提出しなかったことに加え、終盤のセーフティカー導入のきっかけとなった2台のマクラーレンによる接触事故の検証だけでなく、レースコントロールがすでに指摘していたフルコースイエロー中のいくつかの違反行為もスチュワードが確認する必要があったことだ。

    つまり、問題は2つあったということだ。そしてそのうちの1つは、他よりもはるかに簡単に解決できるものだった。

    デレク・ワーウィックは、モータースポーツ界における重鎮だ。ル・マン優勝経験者であり、グランプリドライバーでもあり、さらに英国レーシングドライバーズクラブ(BRDC)の元会長でもある。そんな彼が、F1カナダGPのスチュワード職から突然外されたのは、あるギャンブル関連のウェブサイトにインタビューを提供し、F1における様々な話題について意見を述べたことが理由だった。その中には、スペインGPでのラッセルとフェルスタッペンの接触についての言及も含まれていた。

    ちなみに今年1月には、元F1ドライバーのジョニー・ハーバートがスチュワード名簿から完全に外されている。この件についてFIAは、「FIAスチュワードとしての任務と、メディア解説者としての職務は両立できない」と説明していた。

    F1では、毎戦4人のスチュワードが配置されており、そのうち1人は2010年以降、必ず元F1ドライバーが務めている。これは、当時のFIA会長ジャン・トッドが、スチュワードの裁定が一貫性に欠ける、レース現場の実情を理解していないという現役ドライバーたちの不満を受けて導入した制度だ。

    だが、そのスチュワードたちでさえ、元F1ドライバーであっても、実はボランティアである。彼らは、自分の時間と専門知識を善意で提供しているのであって、有償のポジションではない。もちろん経費は支給されるが、それも豪華なものではない。マックス・モズレー体制下のように、FIA幹部がワインリストの下段から注文できた時代は、もはや過去の話だ。

    その視点から見ると、無報酬のボランティアがPRインタビューに報酬を受け取って出演するのは理解できる。しかし、スチュワードという職務の性質上、その見た目は決して良くない。特に今回のように、カナダGP直前の政治的に敏感な状況下では、なおさらだ。レッドブルは、フェルスタッペンがペナルティポイントの危機に瀕している中で、他のドライバーがそれを狙ってくることを恐れていた。

    こうした状況への解決策として、F1ドライバーたち自身が提案しているのが「常勤スチュワード制度」だ。これは、報酬を支払うことで、彼らを正式な職業として雇うという案だ。もちろんこれで、ネット上の一部で飛び交う「不正」や「偏向判定」といった的外れな中傷がなくなるわけではない。しかし、少なくともチームや関係者たちの信頼を得るという意味では、有効な方策だ。

    とはいえ、最大の問題は「誰がその給料を払うのか」という点にある。FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、「新しい家電製品をAmazonで買うように、新しい審判を簡単に手配することなどできない」と繰り返し述べてきた。また彼は、レース審判に対するオンライン上の中傷を抑制する取り組みを始めるとともに、FIAの「スチュワードおよびレースディレクター育成制度(パスウェイ)」を立ち上げ、キャリアパスの構築を図ってきた。

    だが、F1スチュワードに報酬を支払うべきかという議論が昨年持ち上がった際、スライエム会長は「FIAにはそれだけの財源がない。ドライバーがその費用を払ってくれるなら話は別だ」と返答したという。また、グランプリ中の判断が議論になるたびに、FIAは「スチュワードはFIAから独立している」という理由で「ノーコメント」を貫くのが常だ。

    常勤スチュワード制度は、ここ数ヶ月で指摘された問題への明確な解決策になり得る。だが、その実現には関係者たちが妥協する覚悟を持たなければならない。

    カナダグランプリ

    一方で、チェッカーフラッグ後に長時間レース結果が確定しないという状況を避けるために、もっと簡単に導入できる改善策もある。その1つが、審議する事案の優先順位を柔軟に変更できるようにすることだ。

    レース結果に直接関わる案件を優先して処理するのは、商業的にもスポーツ的にも、そして論理的にも理にかなっている。チェッカーフラッグが振られてから数時間経っても結果が確定しないというのは、F1にとっても良い印象を与えない。

    今回のようなケースで、すでに召喚されていたドライバーやチーム代表が決まった時間まで待機を求められたとしても、それは「より大きな目的」のために甘受すべきだろう。

    また、現在2000ユーロとなっている抗議申し立て時の保証金の金額を見直すのも一案だ。たとえ予算制限があるとはいえ、F1チームにとってこの額は微々たるものでしかない。

    今回のレッドブルによる抗議は、好意的に見てもかなり楽観的かつ強引だった。これは、人間の認知バイアスがいかに判断を誤らせるかを示す例でもある。レッドブルは、セーフティカー導入中にラッセルがフェルスタッペンを挑発して無謀な行動を引き出し、ペナルティに追い込もうとしていたと見なした。

    この事例は、オンボードカメラの映像というものが、いかに「証拠」としての価値を持っているように見えて、実際には先入観を補強する材料になり得るかを示している。だが今回メルセデスは、ラッセルがセーフティカー中のデルタを守っており、加減速も通常の範囲内であることをデータで容易に証明できた。

    実際に加減速が不規則だったのはセーフティカー側であり、その様子は映像にも収められていたが、やはり認知バイアスが影響していた。

    このように大騒ぎになったが、実のところFIAのスポーティングディレクター、ティム・マリオンは、いわゆる「ブレーキテスト」や「10台分の車間距離違反」といった件は、レースコントロールがリアルタイムでデータを見た結果、スチュワードに報告する必要はないと判断していたと明言している。

    つまり、プロセスを改善するためのもう1つのアイデアは「スチュワードの時間を無駄にするのをやめよう」ということだ。

  • F1南アフリカGP復活に追い風 キャラミがFIAグレード1を取得

    F1南アフリカGP復活に追い風 キャラミがFIAグレード1を取得

    F1南アフリカGPの復活に向けて、大きな前進があった。1967年から1985年、そして新レイアウトで1992年と1993年に開催されたキャラミ・グランプリ・サーキットが、FIAからグレード1の認可を取得。これにより、F1開催に必要な最高ランクの基準を満たすこととなり、F1カレンダー復帰の可能性が一気に高まった。

    この朗報に、サーキットのオーナーであるトビー・ヴェンターは喜びを語っている。

    「これは南アフリカ・モータースポーツにとって歴史的な瞬間だ」とヴェンターは述べた。

    「2014年にキャラミを取得したとき、我々は世界トップクラスの施設として復元するだけでなく、アフリカ大陸全体のモータースポーツの象徴にするという使命を掲げた。今回のFIAによるグレード1設計の承認は、その旅路における大きな前進だ」

    グレード1取得はF1開催に必要な条件であり、今後3年間の猶予期間で残された改修工事を完了する必要がある。その内容は主にバリアフェンスや縁石、排水、ランオフエリアといった安全面の調整で、設計を担当するApex Circuit Designの創設者クライブ・ボウエンは「工学的には軽微なアップグレードだが、既存の高水準な設備を現代のF1基準に引き上げるものだ」と説明している。

    キャラミ F1 キャラミ

    南アフリカ開催は依然不透明 ケープタウン案と競合
    グレード1の認可によってキャラミがF1を開催する資格を得たのは事実だが、実際にF1カレンダーに南アフリカが追加されるかどうか、そして開催地としてキャラミが選ばれるかはまだ確定していない。

    発表文でも「南アフリカがF1カレンダーに採用され、キャラミが開催地に選定された場合に限り、選定された改修工事が実施される」と記されており、F1運営側の最終決定を待つ必要がある。

    すでに南アフリカ政府のスポーツ・芸術・文化省(DSAC)では、F1招致に向けた入札委員会が設立され、国内外のプロモーターを募る文書も公開されているが、キャラミの最大のライバルとして名前が挙がっているのがケープタウンの市街地コースだ。こちらはフォーミュラEで使用されたレイアウトの一部を活用する案が検討されている。

    南アフリカでF1が最後に開催されたのは1993年。31年ぶりの復活を目指すキャラミにとって、今回のグレード1取得は大きな一歩となるが、最終的な開催地決定にはまだいくつもの障壁が残されている。

  • レッドブルF1 ホーナーがFIAに訴え「フェルスタッペンが標的にされている」

    レッドブルF1 ホーナーがFIAに訴え「フェルスタッペンが標的にされている」

    レッドブルF1のチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、マックス・フェルスタッペンが他のF1ドライバーたちから「標的」にされているとの懸念から、カナダGPを前にFIAと話し合いを行ったことを明かした。

    フェルスタッペンは現在、F1での出場停止処分の瀬戸際に立たされており、スペインGPでメルセデスのジョージ・ラッセルと接触したことで、あと1点でペナルティポイントが累積上限に達する状況だ。

    4度のF1ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンは、モントリオールの週末を無事に乗り切ったものの、6月末にペナルティポイントが期限切れとなる前に、次戦オーストリアGPを無傷で終える必要がある。

    そして今になって、レッドブルがFIAのレースディレクターであるルイ・マルケスに接触し、この微妙な状況にあるフェルスタッペンが「駆け引き」の標的にならないように保護を求めていたことが明らかになった。

    「ジョージの予選後の記者会見を聞けば分かると思う。彼の目的はかなり明確だった」とホーナーは語った。

    「見ての通り、ある程度の駆け引きが行われるのは避けられないと思う」

    「我々はドライバーズブリーフィングの後にレースディレクターと話をして、この件について彼らにも意識してもらえるように伝えた。なぜなら、そういったことが行われるのは明白だからだ」

    「でもマックスは週末を通して非常にクリーンに走っていたと思うし、今日は素晴らしいレースをしていた」

    レッドブルがマルケスに何を伝えたのか問われると、ホーナーはこう答えた。

    「メディアでそういうコメントが出ていることもあったので、『気を付けて見ていてほしい』とだけ伝えた」

    レッドブル、抗議は不発に終わる
    カナダGPの終盤、セーフティカー中のラッセルの走行に対してレッドブルが2件の抗議を行ったが、いずれも却下された。

    モントリオールでラッセルはフェルスタッペンを抑えて優勝を果たしたが、レッドブルはラッセルが2点においてレギュレーションに違反しており、故意にフェルスタッペンにペナルティを与えようとしていたと主張した。

    しかし、レーススチュワードは数時間にわたる調査の末、両方の訴えを却下。レース結果が正式に確定したのは、チェッカーフラッグから5時間以上経った後だった。

    この結果、フェルスタッペンは現在ランキング首位のオスカー・ピアストリから43ポイント差、2位ランド・ノリスとの差は21ポイントに縮まっている。

  • FIA 角田裕毅についてメディアに語ったワーウィックをF1スチュワードから外す

    FIA 角田裕毅についてメディアに語ったワーウィックをF1スチュワードから外す

    FIA(国際自動車連盟)は、今週末のF1カナダGPにおけるドライバースチュワードの任務からデレク・ワーウィックを一時的に外す処分を発表した。処分理由は「最近の無許可メディア発言」によるものとされている。

    ワーウィックに代わって、元F1ドライバーのエンリケ・ベルノルディがスイス・ジュネーブにあるFIAのリモート審議拠点から審判業務を担当する。

    FIAの声明では、問題となった具体的な発言内容には触れられていないが、『The Race』によれば、スペインGP終了後にワーウィックがベッティング・プラットフォームを通じて発信した一連のコメントが対象となっているという。

    その中でワーウィックは、マックス・フェルスタッペンへのペナルティに対する私見、ルイス・ハミルトンのフェラーリ離脱を示唆する発言に加え、角田裕毅の近況についても厳しく言及した。

    角田裕毅については「最近のパフォーマンスは“災難”だ」とし、「レッドブルは2台目のクルマを速くする方法を見つける必要がある。明らかにフェルスタッペンと同じマシンを他のドライバーに渡しても、うまくいかない」「何人もドライバーを試したが、角田が速いことは我々も知っている。ただ、現時点ではうまくいっていない」と語っている。

    さらに、放出されたセルジオ・ペレスについて「我々が思っていた以上に良い仕事をしていた可能性がある」「ペレスを放出したのはミスだったのか?今となっては、そう見えてしまう」と述べた。

    また、角田裕毅に対するチームの不確実な態度がパフォーマンスに悪影響を与えている可能性を指摘し、「今こそチームは『角田裕毅は今季いっぱいこのシートにいる』とはっきり言うべきだ」と主張。「たとえ毎戦クラッシュしても、最下位でも構わない。彼を信じて支えると公言すれば、精神的に安定して走れるようになる」と強調した。

    FIAは「ワーウィックは自身の立場を考慮すれば不適切な発言だったことを認めており、謝罪している」と説明している。

    ワーウィックは直近ではF1マイアミGPでスチュワードを務めており、今回のカナダGPを経て、F1オーストリアGPで職務復帰する見込み。

    なお、今年初めにはジョニー・ハーバートもメディア活動との「適合性の欠如」を理由にFIAスチュワード職を退いたが、今回の件では発言内容自体が問題視されていると考えられている。

  • FIA 17歳のアービッド・リンドブラッドにF1スーパーライセンスを特例付与

    FIA 17歳のアービッド・リンドブラッドにF1スーパーライセンスを特例付与

    FIA世界モータースポーツ評議会は6月10日、F2ドライバーでレッドブル・ジュニアチーム所属のアービッド・リンドブラッドに対し、18歳の誕生日を迎える前にF1スーパーライセンスを発給する要請を承認したと発表した。

    従来の規定では、F1グランプリへの出場や金曜フリー走行への参加に必要なスーパーライセンスを取得するには満18歳以上かつ有効な運転免許証の保有が必須とされていた。

    しかし昨年、FIA国際スポーティングコードに改訂が加えられ、「FIAの裁量により、最近かつ継続的にシングルシーターで卓越した能力と成熟度を示したドライバーに対しては、17歳でもスーパーライセンスを付与できる」との条文が新たに盛り込まれた。これにより、当時まだ運転免許を取得していなかったキミ・アントネッリが、昨年中にF1金曜フリー走行への出場を許可され、今季メルセデスからF1デビューを果たしている。

    今回のFIAの決定により、リンドブラッドも17歳でF1レース週末への出場資格を獲得したことになる。FIAはこの特例について、「リンドブラッドはシングルシーター・フォーミュラで、最近かつ継続的に卓越した能力と成熟度を示している」と評価し、要請を承認したことを明らかにしている。

    スーパーライセンス F1 アービッド・リンドブラッドリンドブラッドはF2デビューシーズンで好調なスタートを切り、現在ランキング3位につけている

    現在リンドブラッドはカンポス・レーシングからFIA F2に参戦中で、2025年がデビューシーズンながら、ランキング3位につけており、これまでに2勝と1ポールポジションを記録している。直近のスペイン・バルセロナではF2フィーチャーレースを制し、改めて実力を証明した。

    リンドブラッドは2024年にはFIA F3でランキング4位に入り、2023年末にはマカオF4ワールドカップを制覇するなど、ジュニアカテゴリーで着実な成果を積み重ねてきた。レッドブル・ジュニアチームには2021年に加入しており、クリスチャン・ホーナーは過去に彼を「非常に有望な若手タレント」と評している。

    今回のスーパーライセンス特例は、アントネッリに続く2人目の事例であり、将来的にF1チームが未成年ドライバーの起用に柔軟性を持たせる先例となる可能性もある。レッドブルおよび姉妹チームであるレーシングブルズが、今季後半戦あるいは来季に向けてリンドブラッドの起用を検討する可能性もある。

  • F1 2026年カレンダーの注目ポイント キャデラック参入&マドリード初登場

    F1 2026年カレンダーの注目ポイント キャデラック参入&マドリード初登場

    2026年のF1シーズンは、シリーズ全体に大きな変化が訪れる年となる。キャデラックがF1に新規参戦し、グリッドはついに22台に拡大。さらに、スペイン・マドリードでの新グランプリ開催や、持続可能燃料を使用する新レギュレーションの導入など、新時代の幕開けを象徴する要素が多数盛り込まれている。

    F1はこのたび、全24戦からなる2026年の年間スケジュールを公開。

    3月にオーストラリアで開幕し、続いて中国、そして第3戦として日本グランプリが単独開催される構成となっている。桜の季節に重なる鈴鹿での一戦に続き、欧州・アメリカ・中東を巡る構成も一部見直されており、本記事ではカレンダーの主な変更点や注目ポイントをまとめて紹介する。

    メルボルンが再び開幕戦に
    2026年シーズンは3月6~8日にオーストラリア・メルボルンで開幕する。前年と同様、アルバートパークでの市街地レースがオープニングラウンドを飾ることとなった。今年のオーストラリアGPは週末の観客数が過去最多の465,498人を記録し、前年の記録をさらに1万3000人以上上回った。

    開幕戦の翌週には中国GP、そして第3戦には引き続き日本GPが組まれているが、2026年は単独開催となる。開催時期は桜の季節に重なり、再び鈴鹿で満開の花が見られる可能性が高い。

    2026年のF1世界選手権 日本グランプリ2026年もF1シーズンはオーストラリアGPで開幕。前年同様、3月にメルボルンで開催される。

    中東ラウンドはラマダン考慮で4月に移動
    ラマダン(断食月)期間が2月から3月にかけて設定されているため、バーレーンとサウジアラビアの2戦は2026年も4月にスケジュールされ、2週連続の開催となる。

    カナダGPは5月に前倒し、マイアミの直後に
    カナダ・モントリオールで開催されるカナダGPは、これまで通例だった6月開催から5月に前倒しされる。これはマイアミGPとの物流効率を考慮した動きで、F1が進めるカーボンニュートラル戦略の一環でもある。

    これにより、北米2戦(マイアミ→カナダ)は移動距離を最小限に抑えたスケジュールとなり、欧州への逆戻りを回避する構成となる。

    2026年のF1世界選手権 自動車競技カナダGPは2026年に5月開催へ移動。マイアミGPの翌週に組まれる。

    モナコGPが6月開催に移行し欧州ラウンドの幕開けに
    カナダGPの前倒しに伴い、モナコGPは6月にスライド。2026年以降もF1がモナコでの開催を継続することを保証する6年契約延長が決まっており、2031年まで開催が確約されている。

    この日程変更により、モナコGPは欧州ラウンドの開幕戦となり、翌週にはバルセロナとの2連戦が組まれている。その後もオーストリア&イギリス、ベルギー&ハンガリーの2連戦が続き、夏休みに突入する。

    2026年のF1世界選手権 モータースポーツモナコGPは6月に開催され、欧州ラウンドのスタートを切る。

    マドリードGPが初開催 欧州ラウンド最終戦に
    F1はすでに、2026年から2035年までの間、スペインGPをマドリードで開催すると発表しており、現在は市街地と専用区画を組み合わせた新サーキットの建設が進行中。

    2026年のマドリードGPは9月に初開催され、イタリア・モンツァとの2連戦で欧州ラウンドを締めくくる。

    2026年のF1世界選手権 マドリードモンツァは欧州シーズン終盤の2連戦の一戦として、マドリードGPと並んで開催される。

    アジア・アメリカ・中東へと向かう終盤戦
    その後はアジアに戻り、アゼルバイジャン(バクー)とシンガポールでのレースを経て、アメリカ大陸での3連戦が始まる。

    オースティン(COTA)を皮切りに、メキシコシティ、サンパウロ(インテルラゴス)と続き、ラスベガスGPが第22戦として登場。

    そして最終盤はカタールとアブダビの中東2戦で締めくくられ、アブダビGPが12月6日に2026年シーズンのフィナーレを飾る。

    2026年のF1世界選手権 カレンダー

  • 2026年F1カレンダーが発表 新レギュレーションと持続可能燃料の時代へ

    2026年F1カレンダーが発表 新レギュレーションと持続可能燃料の時代へ

    F1とFIA(国際自動車連盟)は、2026年FIAフォーミュラ・ワン世界選手権のカレンダーを発表し、新たな技術規則と100%先進的な持続可能燃料の導入とともに、ドライバーとチームは再び全24戦のシーズンに挑むことになる。

    シーズンは3月6~8日のオーストラリアGPで開幕し、12月4~6日のアブダビGPで幕を閉じる予定で、F1コミュニティは1年を通じて世界7大陸のうち5つを訪れる。

    2026年は、ラマダンが2月から3月にかけて行われるため、バーレーンGPとサウジアラビアGPは再び4月に開催される。

    カレンダーでは、レースの地理的流れのさらなる改善が見られ、カナダGPはマイアミGPに続く日程に移動し、5月22~24日に開催される。この変更により、一部の機材を直接次の開催地へ運搬できるようになり、大幅な輸送効率の向上が実現される。

    この変更によって、ヨーロッパを舞台にした夏の一連のラウンドが形成されることになり、6月5~7日のモナコGPから始まり、スペインで開催される9月11~13日のマドリードGPで締めくくられる。マドリードは今回がF1カレンダー初登場となる。

    その後、選手権はアジアに戻り、アゼルバイジャンGPとシンガポールGPを経て、アメリカでの3連戦へと続く。シーズン終盤は、ラスベガス、カタール、アブダビで構成されている。

    2026年のF1世界選手権 自動車競技 モータースポーツ

    F1の社長兼CEOであるステファノ・ドメニカリは、次のように述べた。

    「2026年は、我々のスポーツ、マシン、そして100%持続可能燃料で駆動されるエンジンに関する全く新しいレギュレーションが導入される、F1の新時代になる」

    「マドリードがカレンダーに加わることを歓迎し、アウディ、キャデラック、フォードといった巨大自動車ブランドがF1グリッドに加わるのを見るのが楽しみだ」

    「このシーズンは忘れがたいものになるはずだ。再び、世界中の24の素晴らしい開催地で、世界最高のドライバーたちが限界まで自らを押し上げ、驚異的なホイール・トゥ・ホイールのバトルを世界中のファンに届けてくれるだろう」

    「情熱的なサポートを送ってくれる全てのファン、FIA、ボランティア、マーシャル、オフィシャル、そしてプロモーター、パートナー、スポンサー、開催都市、地元のモータースポーツ連盟の皆さんに感謝したい。このスケジュールを実現するための尽力に心から敬意を表する。2026年はF1にとって再び歴史的な1年になるだろう」

    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムも次のように述べた。

    「来年のFIAフォーミュラ・ワン世界選手権は、我々のスポーツにとって重要な新章の幕開けとなる。新たなレース、新たなチーム、新たなマニュファクチャラーの登場が、新時代のイノベーションと競争をもたらす」

    「5大陸を巡る全24戦のグランプリは、我々のコミュニティのグローバルな性質を反映しており、カレンダーの地理的構成の改善は、選手権をより効率的かつ持続可能なものにするという我々の共同の取り組みを示している」

    「マドリードのデビュー、アウディ、キャデラック、フォードといった象徴的ブランドの登場、そして100%先進的な持続可能燃料で走る次世代F1マシンの導入は、F1にとって刺激的な新時代の到来を意味している」

    「この素晴らしいシーズンを実現し、スポーツのあらゆる側面を前進させるこのカレンダーを届けてくれたすべての関係者に感謝したい。そして、常に情熱と揺るぎないサポートを送り続けてくれるファンの皆さんに、心から感謝している」

    2026年 F1 カレンダー

    日付 国 開催地
    3月6日~8日 オーストラリア メルボルン
    3月13日~15日 中国 上海
    3月27日~29日 日本 鈴鹿
    4月10日~12日 バーレーン サクヒール
    4月17日~19日 サウジアラビア ジェッダ
    5月1日~3日 アメリカ マイアミ
    5月22日~24日 カナダ モントリオール
    6月5日~7日 モナコ モナコ
    6月12日~14日 スペイン バルセロナ・カタルーニャ
    6月26日~28日 オーストリア シュピールベルク
    7月3日~5日 イギリス シルバーストン
    7月17日~19日 ベルギー スパ・フランコルシャン
    7月24日~26日 ハンガリー ブダペスト
    8月21日~23日 オランダ ザントフォールト
    9月4日~6日 イタリア モンツァ
    9月11日~13日 スペイン マドリード*
    9月25日~27日 アゼルバイジャン バクー
    10月9日~11日 シンガポール シンガポール
    10月23日~25日 アメリカ オースティン
    10月30日~11月1日 メキシコ メキシコシティ
    11月6日~8日 ブラジル サンパウロ
    11月19日~21日 アメリカ ラスベガス
    11月27日~29日 カタール ルサイル
    12月4日~6日 アブダビ ヤス・マリーナ

    *マドリードはFIAサーキットホモロゲーションの取得が条件

    カナダGPがインディ500と日程衝突
    2025年カレンダーとの最も顕著な違いは、5月に現れる。以前から発表されていた通り、モントリオールのカナダGPはマイアミGPとの輸送効率を高める目的で前倒しされる。しかし、3週間の間隔は両イベントが依然として単独開催であることを意味し、5月24日に行われるインディアナポリス500とカナダGPが日程上で衝突することになる。

    この間隔の一因となっているのが、エミリア・ロマーニャGP(イモラ)のカレンダー除外である。契約更新に至らず、当面の間は公式に削除されることが確定した。

    モナコGPは伝統的な5月末から外れ、6月最初の週末へと移動した。これはF1側がマイアミとカナダの間隔を近づける狙いに沿った調整である。これに続くのがまだ正式名称が決定していないバルセロナのレースであり、スペインGPの名称はマドリードに引き継がれる予定だが、現行契約によりあと1回はバルセロナでの開催が続く。

    夏休み前のスケジュールは7月末のハンガリーGPまでは大きな変更はなく、ここでシーズン前半が終了する。

    キャンペーン後半は、ザントフォールトでの最後のオランダGPで再開され、イタリアとスペイン(マドリードの市街地とサーキットのハイブリッドレイアウトによる)で構成されたダブルヘッダーが続く。

    2024年と同様に、シーズンは7週間で6レースという過密日程で終盤を迎える。アメリカ大陸ではオースティン、メキシコ、ブラジルが続く3連戦が行われ、その後ラスベガス、カタール、アブダビの3連戦でシーズンを締めくくる。

    F1は2026年も6つのスプリントイベントを維持すると見られており、新型車と新パワーユニットに対応するために、バルセロナとバーレーンで3回の3日間テストが計画されている。

  • FIA会長モハメド・ビン・スライエムが石破茂総理と会談 JAFの功績を称賛

    FIA会長モハメド・ビン・スライエムが石破茂総理と会談 JAFの功績を称賛

    FIA(国際自動車連盟)のモハメド・ビン・スライエム会長が東京を訪問し、石破茂総理および日本自動車連盟(JAF)の坂口正芳会長と会談を行った。

    会談では、日本の自動車技術革新やモータースポーツの歴史、そして安全で持続可能かつ包括的なモビリティの実現に向けた取り組みについて幅広く意見が交わされた。

    ビン・スライエム会長は、JAFがFIA傘下で主催する4つの国際選手権を含めたモータースポーツ分野での貢献や、2,000万人以上の会員を擁する国内最大級のモビリティ団体として果たす役割に対し、深い敬意を表した。また、トヨタ自動車会長の豊田章男氏がFIA上院の一員として参加していることにも触れ、日本との関係の強さを強調した。

    Instagramに投稿された公式メッセージの中で、ビン・スライエム会長は次のように述べている。

    「東京で石破茂総理、そして日本自動車連盟(JAF)の坂口正芳会長にお会いできたことは大変光栄でした」

    「私たちは、日本が世界をリードする自動車技術革新、豊かなモータースポーツの伝統、そしてより安全で、持続可能かつ包摂的なモビリティの実現に向けた共通の取り組みについて意見を交わしました」

    「JAFが4つのFIA選手権を主催し、2,000万人を超える会員を代表してモビリティの分野で重要な役割を果たしていることを、私はとりわけ誇りに思います」

    「また、トヨタ自動車会長の豊田章男氏がFIA上院の名誉ある一員であることも、私たちにとって大きな特権です」

    「温かい歓迎に心より感謝するとともに、日本とFIAの強固な関係がさらに深まることを楽しみにしています」

    さらにビン・スライエム会長は、記念として石破総理にFIAヘルメットを贈呈。この場面は投稿された写真にも収められており、両者の友好的な関係を象徴するシーンとして注目を集めている。

    今回の訪問は、FIAと日本の協力関係をさらに強化する象徴的な機会となった。

    FIA(国際自動車連盟) モハメド・ビン・スライエムFIA(国際自動車連盟) 石破茂総理

  • F1フロントウイング規制さらに強化へ FIA が「動的テスト」導入も視野

    F1フロントウイング規制さらに強化へ FIA が「動的テスト」導入も視野

    FIA(国際自動車連盟)は、F1におけるフレキシブルウイング対策として、さらなる強化策として「動的テスト」の導入を排除していない。

    バルセロナでの週末、FIAでシングルシーター部門を統括するニコラス・トンバジスは非常に忙しい日々を過ごしていた。マクラーレン式の「しなる」フロントウイングに対し、より厳格な柔軟性チェックが新たに導入されたためだ。

    だが、勢力図にはほとんど影響が見られず、マクラーレンは予選で引き続き1-2を維持した。

    「金の無駄だよ」と語ったのは、7度のワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトン。イタリア紙『ラ・ガゼッタ・デロ・スポルト』によると、ハミルトンは次のように続けた。

    「何も変わっていない。みんなのウイングは今でもしなってる。今はしなりの“途中”までしかいかないだけで、みんなが新しいウイングを作って金をかけただけ」

    「その金を全部チャリティに寄付したほうがよかったんじゃないかな」と、フェラーリ所属のハミルトンは付け加えた。

    トンバジスも、各チームがバルセロナでも巧妙な柔軟性のトリックを使っていることを否定しなかった。

    「各チームは、より剛性の高いウイングといくつかの空力的変更を施して対応してきた」と、土曜日にイタリア『Sky』に語っている。

    そして、動的テスト――つまり実際にマシンが走行している最中の挙動を評価する形式のチェック――も現在「検討中の選択肢」だと明かした。

    「まずは、計測の精度をどこまで高められるかを理解することが課題だ。現時点では、静的テストのキャリブレーション(較正)目的で動的テストを使っている」

    さらに今週末、各チームはFIAの要請により、通常使われているチタンの代わりに鋼鉄製の素材を車体下部に用いる実験も行っていた。

    「現時点ではまだ実験段階なので、評価するには時期尚早だ」とトンバジスは語る。

    「鋼鉄は重いが、これは全チームにとって同じ条件だ。我々としては、消耗率はチタンと大差ないと考えている」

    一部からは「鋼鉄では従来のような派手な火花が出ないのが残念だ」との声もあるが、トンバジスは次のように説明している。

    「これはあくまで、火災のリスクがあるサーキットでのみ使用することを想定している」

  • サウバーF1代表ウィートリー FIAの裁定手順を擁護 ホーナーの批判に反論

    サウバーF1代表ウィートリー FIAの裁定手順を擁護 ホーナーの批判に反論

    サウバーF1のチーム代表であり、元レッドブルF1のスポーティングディレクターを務めたジョナサン・ウィートリーが、FIA(国際自動車連盟)のスチュワード運用について擁護の姿勢を示した。

    これは、前職の同僚であるレッドブルF1代表クリスチャン・ホーナーが最近の裁定方針に苦言を呈したことを受けての発言である。

    ウィートリーは、昨年まで18年間にわたってレッドブルF1に在籍したのち、今季よりサウバー(将来的にアウディへ移行)に加入。4月にチーム代表へ正式就任した。

    サウバーは2025年シーズン序盤に苦戦を強いられていたが、スペインGPではニコ・ヒュルケンベルグが見事なレースペースを披露し、終盤にはルイス・ハミルトンをオーバーテイクして6位を獲得。その後、マックス・フェルスタッペンがジョージ・ラッセルとの接触で10秒加算ペナルティを受けたことで、ヒュルケンベルグは最終的に5位に繰り上がった。

    この混乱のきっかけとなったリスタート直後のインシデントでは、ヒュルケンベルグがまさに間近でその一部始終を目撃していたはずだ。

    ホーナーの「先読みしなければならない」発言に対して
    フェルスタッペンがターン2でランオフエリアに飛び出した際、レッドブルF1のピットウォールはポジションを返すよう指示を出したが、最終的にこの判断は不要であったことが判明。スチュワードはこのケースに関してフェルスタッペン側の明確な違反はなかったと結論づけた。

    これに対しホーナーは、チームがスチュワードの裁定を「先読み」せざるを得ない状況にあると批判。その点について問われたウィートリーは、FIAレースコントロールの判断には十分な理解が必要だと語った。

    「スポーティングディレクターとして19年間にわたりFIAと協働してきた経験から、彼らがレースコントロールでどれほどのプレッシャーを受けているかを深く理解しようと努めてきた」とウィートリーは複数メディアに対して語った。

    「特にスタート直後は一度に複数のインシデントが発生することもあり、必ずしもそれだけを見ているとは限らない。クリスチャン(・ホーナー)が何を問題にしたのか具体的には分からないが、私は自分たちのレースに集中していた」

    ザウバーF1チーム

    「スチュワード制度は大きく進歩した」
    フェルスタッペンにポジションを返すように指示したレッドブルの判断が最終的に誤りだったとはいえ、ウィートリーは「基本的にチーム側の判断で状況に応じた対応が可能だ」とし、ホーナーの主張に対して冷静に反論した。

    「チームには常に、自分たちで判断して行動するオプションがある。F1チームは非常にプロフェッショナルであり、ピットレーンのどのチームもスチュワードからの助言をもとに状況を読んで決断していると思う」

    「我々もターン1の件をしっかり分析した。もし少しでも疑念があったら違った対応をしていたかもしれないが、自信を持って判断できた」

    そのうえでウィートリーは、FIAによる裁定制度の進歩を評価した。

    「私は以前から、スチュワード制度は近年非常に進歩したと公言してきた。FIAはこの分野で本当に良い仕事をしていると思う。ただ、まだ発展途上の部分もある」