カテゴリー: FIA(国際自動車連盟)

  • FIA、2026年F1エンジンでメルセデスの「2014年再来」懸念を否定

    FIA、2026年F1エンジンでメルセデスの「2014年再来」懸念を否定

    FIA(国際自動車連盟)シングルシーター部門ディレクターのニコラス・トンバジスは、2026年に導入される新しいF1パワーユニットが、2014年のような一強時代を再現する可能性があるとの見方を否定した。

    F1は今季、過去12年で最大規模となるパワーユニットの変更を迎えている。内燃エンジンとバッテリーの出力比重がほぼ同等となり、電動要素の重要性が大きく高まった。

    こうしたレギュレーション変更は新規メーカーの参入も後押ししており、トンバジスはこの点を大きな成果だと評価している。

    「我々は各メーカーの性能数値に直接アクセスできるわけではない」とトンバジスはRacingNews365に語った。

    「ただ、新規参入をより現実的にするため、レギュレーションはいくつかの点で簡素化されている。実際に新規メーカーが加わっていること自体が成功の証だ」

    「忘れてはいけないのは、もしこのレギュレーション変更がなければ、現在F1にパワーユニットを供給しているメーカーは2社しかなかったという事実だ。それはスポーツにとって健全ではない。我々は今、5社に加えて、さらに1社(GM)が控えている。これは今回の変更があったからこそだ」

    エンジン F1 国際自動車連盟

    2014年にはメルセデスが圧倒的に優れたパワーユニットを投入し、その後数年にわたってF1を支配した。しかし今回は、同様の事態を防ぐための仕組みが導入されている。その中心となるのが、開発が遅れているメーカーに追加の開発機会を与えるADUOシステムだ。

    また、新世代パワーユニットではMGU-Hが廃止されるなど、構成自体も簡素化されている。こうした点を踏まえ、トンバジスは「2014年型の支配構造は再現されない」との見方を示した。

    「スタート時点で巨大な性能差が生まれないよう、ルールには意図的な簡素化を盛り込んだ」とトンバジスは述べた。

    「この簡素化によって、性能差は以前より小さくなるはずだ」

    「加えて、当時とはシミュレーション技術の水準がまったく違う。2014年には、最適解を大きく見誤ったメーカーがあった。単に細部が劣っていたのではなく、まったく別の次元に外れていた」

    「今年はそうはならないと考えている」

    さらに、コストキャップ下での開発規定も、後れを取ったメーカーが追いつくための余地を確保しているという。

    「開幕戦の時点で全員が数馬力差に収まるとは思っていない。もちろん、非常に良い位置にいるメーカーもいれば、苦戦するところもあるだろう」

    「それでも、できるだけ早くキャッチアップできるよう、必要な要素はすべて整えてある」

  • F1エンジン圧縮比論争 メルセデスの“マイクロ燃焼室”をFIAが容認した理由

    F1エンジン圧縮比論争 メルセデスの“マイクロ燃焼室”をFIAが容認した理由

    メルセデスの2026年F1エンジンを巡る圧縮比論争は、日を追うごとに沈静化しつつある。週初めに行われた新車発表の場で、トト・ヴォルフはメルセデスAMG F1 M17 E Performanceが完全にレギュレーションに適合していると改めて強調し、他メーカーに対して「行動を起こすべきだ」と強気の姿勢を崩さなかった。

    FIA(国際自動車連盟)は、メルセデス製6気筒エンジンが高温状態に達した際に圧縮比18:1相当へ到達することを可能にする技術について、合法との判断を下している。

    一方で、ジョー・バウアー率いる技術委員による静的検査では、エンジンが常温の状態で新レギュレーションに定められた16:1の圧縮比を満たしている。

    メルセデスが揺るぎない自信を示す背景には、規則文言そのものがある。国際自動車連盟が策定したパワーユニット規則は、常温状態での計測を基準としており、運転時の挙動について明確な制限を設けていない。PU部門を統括するニコラス・トンバジスのスタッフには、元フェラーリ所属でプジョーでの経歴も持つヴァンサン・ペレームが名を連ねており、メルセデス側は規則の解釈に一切の曖昧さはないと主張している。さらに、仮に規則が見直される事態となれば、法的措置も辞さない構えだとされている。

    Auto Motor und Sportによると、論点は金属の熱膨張によってシリンダーヘッドが変形し、圧縮比が上昇するという単純な仕組みではないという。メルセデスのエンジンには、各シリンダーごとに第2の「マイクロ燃焼室」が存在するとされている。この副燃焼室は、冷間時には燃焼室容積を確保することで16:1の圧縮比を成立させる役割を果たし、エンジンが高温状態になると、極めて高い圧力によって事実上機能を停止する構造だと伝えられている。

    理論上、この仕組みによる出力向上は約10馬力と試算されており、ラップタイム換算ではコンマ2秒程度に相当すると見られている。しかし、メルセデスの優位性はそれだけに留まらない。新たに導入される持続可能燃料は、18:1という高い圧縮比で最大効率を発揮する分子構造を前提に設計されている可能性があり、これによりさらなる性能向上が見込まれるという。発熱量の高い燃料は、重量面でも利点をもたらす可能性がある。

    この冬の間、メルセデスの圧倒的な優位性がたびたび指摘されてきたのは、こうした複合的な要因が背景にある。FIAは議論の的となっている技術に合法性のお墨付きを与えたが、他のエンジンメーカーは納得しておらず、開幕戦オーストラリアGPで抗議を提出する可能性も取り沙汰されている。

    こうした状況の中で、F1のCEO兼会長であるステファノ・ドメニカリは、極めて難しい立場に置かれている。俊敏なマシンによる新時代が始まろうとしているまさにその時に、エンジンを巡る全面対立が起きかねないからだ。ホンダ、フェラーリ、アウディ、そしてRBPTもまた、脇役に甘んじる意思はない。RBPTは、メルセデスの発想自体は以前から把握していたものの、自社のパワーユニットに実装する時間がなかったとも言われている。

    圧縮比 F1 エンジン

    この日はPUAC(パワーユニット・アドバイザリー・コミッティー)の会合が予定されているが、全会一致で可決されるような解決策が見出される可能性は低いと見られている。FIAがこれまでの判断を覆すことはできない以上、エンジン戦争という最悪の事態を回避するための“落としどころ”を探る必要がある。

    その一つとして挙げられているのが、ADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities)の活用だ。これは、内燃エンジンの開発を一定の財政支援付きで進めることを認める枠組みで、仮に第6戦マイアミGPの時点で、FIAが最も高性能なユニットとの差を2%と測定した場合、競争力回復のためにコスト上限を超えるリスクを回避する狙いがある。

    すべてのエンジンメーカーが、メルセデスに倣って第2のマイクロ燃焼室を設計しようとしているのは明らかだが、追いつくまでには時間を要する。早くても2027年以降と見る向きがある一方で、鋳造や切削加工ではなく、金属積層造形、いわゆる3Dプリンティングを活用すれば、より早期の実装も可能だという見方もある。デジタルモデルから複雑な三次元形状を短期間で製造できるこの技術により、早ければ夏の半ばにも導入できるのではないか、とも言われている。

    それまでの間の暫定策として、メルセデスが使用する燃料の発熱量を引き下げるという妥協案も浮上している。今季、FIAのフローメーターは燃料流量ではなくエネルギー量を測定する方式を採用しており、各e-fuelには、メーカーがホモロゲーションを申請するサンプルに基づいて発熱量が割り当てられる。この分野でも性能差が生じる可能性があり、エンジン開発競争は燃焼技術だけでなく、燃料の特性を巡る争いへと広がっていくことになりそうだ。

    この圧縮比論争がどのような形で決着するのか、その答えが見えてくるのは、まだ先のことになりそうだ。

  • 南アフリカF1復帰は遠のく?政府が認めた「2027年開催は不可能」

    南アフリカF1復帰は遠のく?政府が認めた「2027年開催は不可能」

    南アフリカのF1復帰プロジェクトは前進しているものの、その歩みは当初想定よりも遅い。南アフリカのスポーツ大臣ゲイトン・マッケンジーは進行中の協議について現実的な見解を示し、2027年にグランプリを開催する可能性はもはやないと認めた。

    1993年を最後にF1カレンダーから姿を消している南アフリカは、数年前からF1との合意を模索してきた。F1側はアフリカ大陸への復帰を明確に望んでいるが、南アフリカはモロッコやルワンダといった、同じく開催を狙う国々との厳しい競争に直面している。

    F1人気が世界的に高まる中、すでに飽和状態にあるカレンダーに滑り込もうと、多くの開催地が名乗りを上げている。この状況は南アフリカにとって不利に働いており、F1はすでにベルギーGPのように、2027年以降は隔年開催とするローテーション制度の導入を進めている。

    マッケンジー大臣は、当初の見通しが楽観的すぎたことを認めた。

    「来年は、間違いなく無理だ」

    さらに、次のように続けている。

    「我々は、F1イベントを開催するために何が必要なのかを過小評価していた」

    それでも同大臣は、F1首脳陣との関係は良好だと強調し、この複雑なプロセスにおいて支援を受けていることを明らかにした。

    「F1は我々の手を取り、導いてくれている」

    「そして今、南アフリカは次の段階に進もうとしている。より強固な招致計画を構築しているところだ」

    「現在は専門家も揃っており、彼らが断れないようなオファーを準備している」

    具体的なスケジュールはまだ定まっていないが、南アフリカがF1復帰の野心を捨てていないことは明らかだ。数シーズン待つことになったとしても、信頼性と持続性のあるプロジェクトを構築する方針に切り替えている。

    一方、キャラミ・サーキットではFIAグレード1取得に向けた高額な改修プロセスが進行中だ。投資額は500万〜1000万ドルと見積もられており、ランオフエリア、バリア、デブリフェンス、縁石、排水設備が対象となる。レイアウト自体の変更は行われない。

    こうした進展がある一方で、最大の障壁となるのはカレンダーそのものだ。2026年のF1はすでに24戦が予定されており、各サーキットは複数年契約に縛られている。唯一、バルセロナの契約が満了を迎えるが、同サーキットもFIAとの再交渉の余地を残している。

    さらに状況を複雑にしているのが、ポルトガルがすでに2027年と2028年の開催地として確定している点だ。加えて、ベルギーGPは2027年からローテーション方式へ移行するため、新規開催枠は極めて限られている。

    南アフリカの自動車ジャーナリストで、「ダブル・エイペックス」編集長のスディール・マタイは、マッケンジー大臣の進捗評価に懐疑的な見方を示している。

    「大臣は以前、F1を南アフリカに戻せなければ失敗だと語っていた」とマタイは記した。「それによってファンの間では英雄になったが、楽観的な発言が数多くあったにもかかわらず、実際にアフリカの地でレースが開催されるには、まだ程遠い」

    それでもキャラミ側は準備が進んでいると主張している。サーキット運営陣によれば、施設はすでに約90%完成しており、仮にカレンダーに空きが生まれれば、2027年または2028年にも理論上はF1開催が可能だという。

    なお、アフリカでF1を狙っているのは南アフリカだけではない。ルワンダも招致を検討しており、現在は2029年開催を目標としている。この場合、キャラミと直接的な競合関係になる見通しだ。

  • FIAがF1エンジン圧縮比論争に介入 メルセデスの“怪物PU”に不満噴出

    FIAがF1エンジン圧縮比論争に介入 メルセデスの“怪物PU”に不満噴出

    FIA(国際自動車連盟)は、メルセデスとレッドブルが2026年F1パワーユニット規則の抜け穴を突いているとライバル勢が主張している件について、最新の見解を明らかにした。

    問題となっているのは、内燃エンジン(ICE)の圧縮比だ。従来のF1レギュレーションでは18:1だったが、2026年からは16:1に引き下げられている。

    現在、この圧縮比は静的テストでのみ測定可能とされており、メルセデスとレッドブルはいずれも、静的条件下では規定の16:1を満たしている。

    一方で、エンジンが高温状態で稼働している際には、両チームがより高い圧縮比を実現できている可能性があると指摘されており、その効果は1周あたり最大0.3秒に及ぶとも報じられている。

    バルセロナでのシェイクダウンテストに先立ち、FIAは他のパワーユニットメーカーと会合を開き、高温状態での圧縮比を測定する方法について協議した。しかし、その場では実際に新たなテストを導入する合意には至らなかったため、現時点ではメルセデスとレッドブルのエンジンは合法とされている。

    その後、バルセロナ・シェイクダウン終了後に、FIAが改めて会合を開き、高温時の圧縮比を将来的にどのような枠組みで測定するかについて、技術専門家を交えて議論したことも報じられた。

    さらに、F1のパワーユニット諮問委員会(PUAC)の次回会合でも、このいわゆる「パワーユニットのトリック」について議論される予定だという。

    FIAの広報担当者は、GPFansに対して次のように説明している。

    「月曜日に、前回の会合を受けた形で、技術専門家を交えたテクニカル・ワークショップを開催し、加熱状態における圧縮比の測定方法について議論を行った」

    「木曜日の会合は、F1パワーユニット諮問委員会(PUAC)の定例会合であり、圧縮比の議論を受けて急きょ設定されたものではない」

    「PUACは、パワーユニットメーカーがレギュレーションについて意見交換を行う場として、年間を通じて定期的に開催されている」

    FIAからは、圧縮比に関するさらなるアップデートが今後発表される見込みだ。

    エンジン F1 国際自動車連盟

    トト・ヴォルフ、ライバル勢に強いメッセージ
    このエンジンの抜け穴を巡る騒動はメディアにも波及しており、メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、ライバルに対して厳しい言葉を投げかけた。

    「なぜ一部のチームが、ここまで明確で透明な事案について、他人のことばかりに気を取られて議論を続けているのか、正直理解できない」とヴォルフは、メルセデスのシーズンローンチの場で語った。

    「FIAとのコミュニケーションは、圧縮比に限らず、他の事項についても常に非常に良好だった。特にこの件に関しては、レギュレーションに何が書かれているのか、標準的な手続きが何なのかは、非常に明確だ」

    「だから、いい加減に自分たちのやるべきことに集中すればいい。存在しないテスト方法を考え出したり、秘密裏の会合や書簡を重ねたりするよりもね。我々としては、余計な雑音を減らし、自分たち自身に目を向けることに努めている。それだけだ」

  • F1エンジン圧縮比問題が山場へ メーカーとFIAが2つの重要会合

    F1エンジン圧縮比問題が山場へ メーカーとFIAが2つの重要会合

    2026年F1レギュレーションを巡り浮上している「エンジン圧縮比の抜け穴」問題について、F1のパワーユニットメーカーとFIAが、決定的となり得る2つの会合を行うことが分かった。

    FIAと各メーカーは、圧縮比に関する解釈と測定方法を巡る対立を解消するため、週明けから段階的に議論を進める予定だ。関係者の間では、2026年シーズン開幕前に問題へ一定の線引きを行えるかどうかの正念場になると見られている。

    月曜は技術専門家会合、木曜はPUAC
    まず月曜日、FIAはエンジン技術の専門家を集めた2回目の技術会合を開催する。ここでは、エンジンが高温状態で稼働している際の圧縮比をどのように測定・評価するか、その枠組みについて合意形成を目指す。

    続いて木曜日には、F1パワーユニット諮問委員会(PUAC)の定例会合が予定されており、この圧縮比問題が正式な議題として取り上げられる見通しだ。PUACでは、今後どのような対応を取るのか、より踏み込んだ議論が行われる可能性がある。

    焦点は「高温時の圧縮比」
    今回の論争の中心にあるのは、新レギュレーションで定められた圧縮比16:1の上限が、実際の運用でどこまで厳密に守られているかという点だ。

    現行の検査は常温環境で行われているが、メルセデス、そして程度は小さいもののレッドブルが、パワーユニットが高温になった状態でより高い圧縮比を実現できる手法を見出しているのではないか、という疑念が一部陣営から示されている。

    FIAはこの問題を2026年開幕前に沈静化させたい意向だが、短期的にレギュレーションそのものを変更する考えはないとされている。代わりに、すべてのメーカーが納得できる「高温時における圧縮比測定方法」を確立できるかが最大の争点となっている。

    合意はまだ限定的
    すでにFIAと技術専門家による初回会合は行われ、一定の方向性は共有されたものの、すべての要素で一致には至っていない。関係筋によれば、意見が概ね一致しているのは4社のみで、どのメーカーかは明らかにされていない。

    一方で、フェラーリ、アウディ、ホンダはこの問題について協議を重ね、クリスマス前にはFIAに対して共同書簡を提出し、明確な説明を求めていたことが分かっている。

    FIAは初回会合後、圧縮比チェックに関する追加データが必要と判断し、さらなるテストの実施を要請。その結果を踏まえたうえで、月曜の技術ワークショップが招集されたとみられている。

    エンジン F1

    フェラーリも「建設的」と評価
    今月初め、フェラーリのエンジン部門責任者エンリコ・グアルティエリは、FIAとの協議について前向きな手応えを語っていた。

    「我々はFIAと引き続き議論を続けている。技術ワークショップを1度行い、今後数日のうちに追加の会合も予定されている。それは次回のPUAC会合まで続く流れだ」

    「規定に基づく手続きとガバナンスを通じて、FIAが適切にこの問題を管理してくれると信頼している。このプロセスは、今後数日から数週間のうちに結論へ近づいていくはずだ」

    PUACで初めて“実装”が議論か
    技術専門家レベルでは、新たな測定手法を実際に導入するかどうかは議論されておらず、その判断はPUACの場で初めて検討されるとされている。

    ただし、もし新たな手法がメルセデスやレッドブルの競争力を損なう可能性がある場合、両陣営がルール変更に賛成しないことは明らかだ。

    開幕後の抗議の可能性も
    現時点では、メルセデスやレッドブルの手法に不満を持つメーカーが、2026年シーズン開幕後に正式な抗議を提出し、合法性の判断を求めるかどうかは不透明なままだ。

    来週の2つの会合は、圧縮比論争が技術的合意によって収束するのか、それともシーズン中の抗議合戦へ発展するのか、その行方を左右する重要な局面となりそうだ。

  • クリスチャン・ホーナーがFIA会長と面会 F1復帰を巡る憶測が再燃

    クリスチャン・ホーナーがFIA会長と面会 F1復帰を巡る憶測が再燃

    クリスチャン・ホーナーが、FIA(国際自動車連盟)の本部(パリ)でFIA会長のモハメド・ビン・スライエムを訪問したことが明らかになり、F1復帰をめぐる憶測がさらに強まっている。

    ホーナーは昨季のF1イギリスGP後、レッドブルから突然解任されて以降、メディアやF1の表舞台から姿を消していた。

    正式な発表はないものの、水面下では復帰に向けた動きを続けており、夏休み明け以降は複数チームと接触していたとされる。アストンマーティンとの協議は一時有望視されたが実現には至らず、1月中旬にはアルピーヌが2026年に向けた最有力候補として浮上しているとの噂が流れた。

    これについては今週、アルピーヌ側が事実関係を認め、ホーナーが投資会社オトロ・キャピタルからチームの株式26%を取得する交渉を進めていることが明らかになっている。

    こうした動きの延長線上として、ホーナーがパリのFIA本部を訪れ、FIA会長と面会したことが確認された。

    クリスチャン・ホーナー F1 国際自動車連盟

    FIA会長のSNSには、パリのFIAオフィス内でホーナーと会話を交わす様子が投稿され、「今日はFIAパリ本部でクリスチャン・ホーナーを迎えることができて素晴らしかった。会えてうれしい、友よ」とコメントが添えられている。

    この訪問の性質については、F1復帰に関する協議ではなく、あくまで社交的な訪問だったとの見方が強い。ホーナーは同時期にパリで開催されるヒストリックカーショーに出席しているためだ。

    すでにレッドブルとは完全に関係を断っているものの、契約上、ホーナーが新たな役職に就くことが可能になるのは少なくとも4月以降とされている。そのため、仮にF1復帰が実現したとしても、2026年シーズン開幕後になる見通しだ。

  • FIAが「コストキャップ割引」を説明 F1参戦メーカー撤退を防ぐ救済策の全容

    FIAが「コストキャップ割引」を説明 F1参戦メーカー撤退を防ぐ救済策の全容

    FIA(国際自動車連盟)シングルシーター部門責任者のニコラス・トンバジスは、今季パワーユニットメーカーに与えられている「キャッチアップ機会」の狙いについて説明し、メーカーが早期にF1から撤退する事態を防ぐための仕組みであると語った。

    今季から導入された新パワーユニット規則では、内燃機関と電動の比率が50対50となり、メーカー勢力図は大きく変化している。GMはキャデラック参戦の原動力となり、フォードはレッドブルと提携、ホンダは5年ぶりにF1へ復帰した。

    こうした大変革では、メーカーごとに性能差が生じる可能性が高い。そこでFIAは、競争力の差を時間とともに是正するため、昨年後半にADUO(Additional Development and Upgrade Opportunities/追加開発・アップグレード機会)プログラムを導入した。

    この制度では、1シーズン24戦という史上最多タイのカレンダーを前提に、6戦・12戦・18戦終了時点でFIAが状況を評価し、必要に応じて複数の救済措置を適用できる仕組みとなっている。

    ADUOの仕組みと狙い
    RacingNews365の独占取材に対し、トンバジスはADUOの具体的な適用方法を次のように説明した。

    「我々はパワーユニットの性能を、非常に堅牢な方法で評価している。6戦ごとの3つのバッチ、計18戦を平均する形だ」

    「このプログラムはADUOと呼ばれている。その評価に基づき、内燃機関の出力で2%、4%、あるいは6%以上遅れているメーカーには、段階的により多くの恩恵が与えられる」

    「その恩恵とは、ダイノ(ベンチ)稼働時間の増加、ホモロゲーション機会の拡大、そしてコストキャップの段階的な引き上げだ」

    さらに、コストキャップ制度下における必然性についても強調した。

    「コストキャップという現実の中では、これは必要な仕組みだ。なぜなら、もし出遅れた状態でスタートした場合、そのままでは“内側の苦境”に永遠に縛られることになるからだ」

    信頼性問題に対する“コストキャップ割引”
    トンバジスは、深刻な信頼性問題を抱えたメーカーに対して、追加の救済策も用意されていることを明かした。

    「我々は、深刻な信頼性問題が発生した場合に、いわば“コストキャップ割引”を与える計画も持っている。これらのパワーユニットは非常に高価なツールだからだ」

    「想像してほしい。エンジンが次々と壊れていけば、シーズン半ばにもならないうちにコストキャップを使い切ってしまう。そうなれば、もう資金は残らず、深刻な問題に直面する」

    「その結果、残された選択肢が“撤退”しかなくなってしまう可能性もある」

    FIAとしては、そうした事態を絶対に避けたい考えだという。

    「我々は、パワーユニットメーカーが『もう競争力を持つ希望がない』と感じてF1を去らざるを得なくなる状況を、決して望んでいない。それは、彼らが参戦する意義そのものを完全に否定することになる」

    国際自動車連盟 F1 フォーミュラ1エンジン

    BoPではないと強調
    一方でトンバジスは、これらの措置がBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)とは異なるものであると強く主張した。

    「私が述べたすべてを踏まえた上で、『バランス・オブ・パフォーマンス』という言葉や、それに類する表現には、非常に強く反対したい」

    「最終的に忘れてはならないのは、サーキットを走るマシンは、すべて同じ技術レギュレーションの下で戦っているということだ」

    「誰かに人工的に性能を与えるような仕組みは存在しない。全員が同じ規則に従っている。ただ、出遅れた場合に、キャッチアップの機会が与えられているだけだ」

    そして、新規参入メーカーの困難さにも言及した。

    「F1では、シャシーでもエンジンでも、膨大なノウハウ、蓄積された経験と知識、インフラが存在する。それが、新規参入者が短期間で競争力を持つことを極めて難しくしている」

    「本当にゼロからのスタートになる。だからこそ、チームとパワーユニットの両方において、新規参入者を支援することが、当初からの目的の一つだった」

  • FIA、2026年F1マシンの最低重量引き上げを否定「ダイエットが必要だ」

    FIA、2026年F1マシンの最低重量引き上げを否定「ダイエットが必要だ」

    FIA(国際自動車連盟)は、2026年F1レギュレーションで定められたマシンの最低重量について、チーム側から引き上げを求める声が出ているにもかかわらず、変更する考えがないことを明確にした。

    2026年F1シーズンに向けた大規模なレギュレーション変更の一環として、最低重量は現行より32キロ軽い768キロに設定されている。2025年の最低重量が800キロだったことを考えると、大幅な軽量化だ。

    ただし、すべてのチームが開幕時点でこの数値を達成できるとは限らず、実際には数キロ重い状態でスタートするマシンも出てくると見られている。その結果、重量削減を巡る開発競争が激化し、コスト増につながる可能性があるとして、一部チームが最低重量の引き上げを求めていた。

    しかしFIAは、その要望を受け入れない姿勢を示している。

    「我々はF1をダイエットさせたい。肥満から過体重へ、そして将来的にはさらにもう一段階進める必要がある」とFIAのシングルシーター部門ディレクター、ニコラス・トンバジスは語った。

    トンバジスによれば、F1マシンは過去15年でおよそ180キロも重くなっており、それは明らかに行き過ぎだという。

    「だからチームの要請で重量を調整するつもりはない。この点については非常に断固としている。ダイエットと同じで、結果を出すには規律とプレッシャーが必要だ」

    トンバジスは、重量増加の背景として、性能向上のために次々と追加されてきたシステムの存在を挙げた。

    「過去には、チームがパフォーマンスを高めるために多くのシステムをマシンに載せてきた。これらのシステムは、クルマを走らせるために必須というわけではないが、段階的に性能を向上させてきた。その結果、現代のF1マシンは20年前に比べて、もしかすると50倍も複雑になっている」

    そうした流れの中で、システムを追加した後に重量増を理由に最低重量の引き上げを求めるケースが続いてきたという。

    「チームは『クルマが5キロ重すぎる。最低重量を上げるべきではないか』と言ってくる。過去には我々も柔軟に対応し、歩み寄ったことがあった。しかし今年は違う。『これが限界だ。これでやりなさい』と伝えている」

    FIAの把握では、すでに最低重量を下回っているチームも存在しており、768キロは十分に達成可能だとしている。

    「設計段階で、各システムについてより意識的に考える必要がある。『このシステムはラップタイムをX向上させるが、1.5キロ重くなる。それだけの価値があるのか』と。その判断をきちんとしなければならない」

    フォーミュラ1カー 自動車競技 国際自動車連盟

    FIAは将来的にさらなる軽量化を目指す
    FIAの考えでは、軽量化は2026年にとどまらない。

    「軽いクルマは運動性能が高まる。将来的には、さらに最低重量を下げていきたいし、実際そうなると確信している」とトンバジスは述べた。

    重量増加の要因としては、安全性の向上が大きな割合を占めてきたが、そこについて妥協するつもりはないという。

    「この20年で重量が増えた理由はいくつかある。まず安全性だ。クルマは格段に安全になったし、そこは決して譲らない。ただし、安全面で増えた重量の中には、すでに“確保しきった”部分もある」

    そのほかにも、持続可能なパワーユニット、バッテリーやターボ、そしてマシンの大型化が重量増につながってきたと説明した。

    「大まかに言えば、それらが主な要因だ」

  • エイドリアン・ニューウェイ、2026年F1エンジン規則のFIA判断に激怒

    エイドリアン・ニューウェイ、2026年F1エンジン規則のFIA判断に激怒

    F1のデザイン界のレジェンドであるエイドリアン・ニューウェイが、2026年F1パワーユニット規則に関するFIAの最新判断に激怒していると報じられている。

    ニューウェイは2025年3月にアストンマーティンにマネージング・テクニカル・パートナーとして加入し、その後チーム代表という異例の役職にも就任した。

    ウィリアムズ、マクラーレン、レッドブルでのキャリアを通じて、彼が設計に関わったマシンは25のチャンピオンシップを獲得しており、現在はアストンマーティンをタイトル争いに導くことを目標としている。

    2026年の新レギュレーションは、昨季コンストラクターズランキング7位に終わったアストンマーティンにとって、上位進出のチャンスとなる可能性がある。しかし今回、パワーユニット規則に存在するとされた“抜け道”をめぐるFIAの判断が、ニューウェイの怒りを買ったと伝えられている。

    問題となっているのは圧縮比に関する解釈だ。報道によれば、メルセデスとレッドブルは、エンジン停止時には規定どおり16:1で検査を通過しつつ、走行中には従来上限だった18:1まで圧縮比を高める設計を可能にしているとされる。これにより、最大で約15馬力の上積みが見込めるという。

    FIAはこの件について協議を行った結果、これを「トリック」とは認定せず、合法であるとの判断を下した。仏紙『L’Equipe』は、この裁定にニューウェイが「激怒している」と報じており、ホンダは2026年用パワーユニットにこの手法を採用していないと理解されている。

    アストンマーティン ホンダ F1 国際自動車連盟

    2026年からホンダと新たに組むアストンマーティンは、ニューウェイに加え、2度の世界王者であるフェルナンド・アロンソを擁し、陣容面では期待が高い。一方でホンダは近年までレッドブルと提携し、コンストラクターズタイトル2回、ドライバーズタイトル4回を獲得してきたが、同社のレーシング部門トップである渡辺康治は、先日のエンジンローンチイベントで「新レギュレーションは極めて挑戦的だ」と述べ、楽観的とは言えない見解を示している。

    そのため、アストンマーティンが2026年に再び苦戦する可能性は否定できない。ただしチームとしては、2027年、2028年に向けてチャンピオンシップ獲得を狙う長期的なビジョンを描いている。

  • FIA、2026年F1エンジン規則を巡る訴訟リスク回避を最優先に

    FIA、2026年F1エンジン規則を巡る訴訟リスク回避を最優先に

    FIA(国際自動車連盟)のシングルシーター部門ディレクターであるニコラス・トンバジスは、2026年F1パワーユニット規則に存在するとされる“抜け穴”を巡り、FIAが法廷闘争に巻き込まれる事態を回避することが「最優先事項」だと語った。

    2026年F1シーズンからは、レギュレーションが大きく刷新され、1.6リッターV6ターボハイブリッドは電動要素が大幅に強化される。電気出力は現在の約3倍となり、内燃機関は100%持続可能燃料での走行が認められる。

    一方で、新時代に向けて各チームが優位性を探る中、メルセデスとレッドブルがレギュレーションの抜け穴を突く手法を試しているのではないか、という噂が浮上している。

    問題とされているのは幾何学的圧縮比だ。報道によれば、両チームはエンジン停止時には規定どおり16:1に適合しつつ、走行時には従来認められていた18:1まで圧縮比を高める方法を見つけた可能性があるとされ、これにより約15馬力の上乗せが可能になるとも言われている。

    この件を受け、アウディを含む他のパワーユニットメーカーからは、FIAが規則についてより明確な説明を行う必要があるとの声が上がっている。FIAはこの潜在的な抜け穴と、より広範なレギュレーション変更について協議する会合を開くことをすでに確認している。

    トンバジスはこの問題について、ロイターに対して次のように語った。

    「もちろん、誰もが非常に情熱的で競争心が強い。そうした精神状態にあると、他の見方に対して少し盲目的になることもある。」

    「その結果、自分たちの主張だけが唯一の真実であるかのように提示する人もいる。残念ながら、物事は決してそこまで単純ではない。だからこそ、我々が介入し、明確化する必要がある。」

    「いずれにしても、現在メディアで言われているほど大きな問題だとは私は思っていない。」

    また、もし特定のチームが大きく抜け出した場合、開幕戦オーストラリアGPで抗議が提出される可能性について問われると、トンバジスは次のように述べた。

    「我々は問題なく対処できると考えている。最優先事項は、論争を生まないことだ。初戦後に法廷や公聴会に座るのではなく、レースをしたい。」

    エンジン F1 国際自動車連盟

    報じられているところでは、レッドブルとメルセデスが見つけたとされるこの手法は、1周あたり約0.3秒のアドバンテージをもたらす可能性があるという。

    実際、アウディのマッティア・ビノットは、この幾何学的圧縮比トリックが事実であれば、他チームにとっては「ゲームオーバー」になりかねないと示唆していた。

    この噂が出る以前から、メルセデスは2014年と同様に、大幅なレギュレーション変更を最もうまく乗りこなす立場にあると見られていた。

    2026年F1開幕戦オーストラリアGPでの勢力図がどうなるかは、現時点では不透明だ。ただし、2025年シーズン終盤とは異なる競争序列になることは間違いなさそうだ。