カテゴリー: FIA(国際自動車連盟)

  • 2026年F1レギュレーション微調整へ マルコ懐疑「ドライバーが主役ではない」

    2026年F1レギュレーション微調整へ マルコ懐疑「ドライバーが主役ではない」

    FIA(国際自動車連盟)は4月9日、2026年F1レギュレーションの変更可能性について協議する一連の会議の初回を開催し、現時点ではエネルギーマネジメント領域の一部に「微調整」を加える方向で一致したと明らかにした。

    ただし、今回示されたのはあくまで限定的な見直しにとどまっており、現行の方向性そのものを問う声はすでに広がっている。

    特に予選でのエネルギー配分が走り方そのものを変えてしまっていることに対し、ヘルムート・マルコは「ドライバーが主役ではなくなっている」との見方を示し、修正の効果には懐疑的な姿勢を崩していない。

    FIAはまず“微調整”で対応へ
    FIAは会合後の声明で、2026年F1レギュレーションの変更可能性について協議する一連の会議の初回を開催したと説明した。

    そのうえで、エネルギーマネジメントの領域における規則の一部について調整を行うというコミットメントが共有されたとしている。

    今後は4月15日と16日に技術会合が予定されており、4月20日には「望ましい選択肢」を協議する重要会合が開かれる予定となっている。

    争点は“全開で走れない予選”にある
    今回の議論の中心にあるのは、2026年F1マシンが強く依存するエネルギーマネジメントだ。

    とりわけ予選では、ドライバーがストレートや高速コーナーで常に全開で攻めるのではなく、エネルギーを残すためにアクセルを緩める必要がある場面が生じており、この特性が従来のF1像を大きく変えているとの見方が強まっている。

    この点は、すでにドライバーの役割や競技の見え方そのものに関わる問題として受け止められている。

    マルコは“ドライバー主導”の喪失を問題視
    レッドブルの元アドバイザーであるヘルムート・マルコは、この変化がF1の本質を揺るがしているとみている。

    マルコは「マックスは生粋のレーサーだ」と語り、現行レギュレーションについて「現在の規則はエネルギーマネジメントに極端に重点を置いている。これはソフトウェアエンジニアと連動して初めて機能する。ドライバーは支配的な役割を奪われた」と指摘した。

    さらに、今回の修正議論についても「適応は行われるだろうが、再びドライバーが決定的な要因になることを確保できるかどうかは、現時点では判断できない」と述べ、見直しが十分な水準に達するかどうかには慎重な見方を示した。

    技術側からは比較的シンプルな解決策も
    一方で、より実効性のある修正は可能だとみる声もある。

    元F1エンジニアのトニ・クケレラは、システム全体を作り直すのではなく、ハイブリッドシステムのバランスを見直すことで十分に改善できる可能性があると語った。

    クケレラは「最小限の変更でも、レースの進み方や予選のやり方に非常に大きな影響を与えることができる」と説明した。

    さらに「現在は350キロワットだが、それではストレートの途中までしか持たない。電動モーターの出力を下げれば、ストレート全体でもつようにできる」と述べ、出力の使い方を再配分することで競技の見え方を変えられるとの見解を示した。

    説明不足も反発拡大の一因か
    元F1ドライバーで、現在はフォーミュラEに参戦するジャン=エリック・ベルニュは、そもそも今回のコンセプトが十分に理解されていない可能性があると指摘した。

    ベルニュは、F1がなぜ50%電動化へ向かおうとしたのか、そしてその結果として何が変わるのかを適切に説明できていないのかもしれないと語っている。

    2026年F1レギュレーションをめぐる議論は、すでに単なる技術的調整の段階を超えつつある。4月20日の会合では、エネルギーマネジメントの運用をどう見直すのかだけでなく、F1において何をドライバーの価値として残すのかが問われることになりそうだ。

    Source: GMM

  • FIA 2026年F1規則調整で一致 エネルギー管理見直し 4月20日が判断の焦点

    FIA 2026年F1規則調整で一致 エネルギー管理見直し 4月20日が判断の焦点

    FIA(国際自動車連盟)は、2026年F1レギュレーションをめぐる初回会合を受け、「建設的な対話」が確立されたと発表した。新世代パワーユニットにおけるエネルギーマネジメントと安全性への懸念が高まるなか、具体的な調整に向けたプロセスが本格的に動き出している。

    2026年F1シーズン序盤は、電動エネルギー依存の高さによるレースの“人工化”や、速度差の拡大による危険性が指摘されてきた。

    鈴鹿でのオリバー・ベアマンの大クラッシュは、その問題を象徴する出来事となり、議論を一気に加速させた。

    「建設的対話」で一致 エネルギー管理の調整へ
    木曜日に開催された会合では、FIAと各チーム、パワーユニットメーカーの技術責任者が参加し、現行レギュレーションの見直しについて議論が行われた。

    FIAは声明の中で、これまでのレースが一定の興奮を提供していると評価しつつも、エネルギーマネジメントに関する規則の一部については調整が必要との認識で一致したと明らかにした。

    「これまでのイベントはエキサイティングなレースを提供してきたが、エネルギーマネジメントの領域における規則の一部について調整を行うというコミットメントが共有された。競争関係にある当事者間での難しい議題にもかかわらず、建設的な対話が行われた」

    議論の中心は、予選および決勝におけるエネルギー管理の負担であり、現状ではドライバーと戦略の自由度を大きく制限している点が問題視されている。

    また、技術的な検討項目としては、電動エネルギー使用量の上限見直しや、「スーパークリッピング」領域での回生能力の強化といった方向性も議論されたとされる。

    “クリッピング問題”と安全性への懸念
    今回の議論を後押しした最大の要因は、エネルギー切れによって急激に速度が低下する“クリッピング”現象だ。これによりマシン間の速度差が極端に拡大し、特に高速域での追突リスクが現実的な問題として浮上している。

    鈴鹿で発生したベアマンのクラッシュは、このリスクを可視化する形となり、関係者の間で安全面への危機感が共有された。FIAが早期の対話に踏み切った背景には、この安全問題がある。

    F1レギュレーション 国際自動車連盟

    4月20日が判断の焦点 データ主導の“調整”へ
    FIAは今後のスケジュールとして、4月15日にスポーティングレギュレーション会合、16日に技術会合を実施し、最終的に4月20日のハイレベル会合で方向性を固める方針を示している。

    「今後2週間にわたり追加の会合が予定されている。4月20日には全ステークホルダーが参加する会合が開かれ、技術チームが共同提案した優先案が検討され、今後の進め方についてコンセンサスが模索される見込みだ」

    重要なのは、FIAが今回の変更を“抜本的な見直し”ではなく、データに基づく調整と位置づけている点だ。マイアミGP前に導入される可能性のある変更も、大規模なレギュレーション改定ではなく、あくまで「微調整」にとどまる見通しとなっている。

    協調路線を維持 規則の正当性も強調
    FIAは声明の中で、2026年レギュレーションがチーム、OEM、パワーユニットメーカー、F1、そしてFIAが共同で策定したものであることを改めて強調した。

    「2026年レギュレーションはすべての関係者が同じテーブルにつき、緊密な協力のもとで策定された。我々はその協調の精神のもとで変更の議論を進めている」

    最終的な変更は電子投票を経て、FIA世界モータースポーツ評議会の承認を受ける必要があるが、今回の一連の動きは、2026年F1の競技構造そのものに対する初の実質的な修正プロセスとなる。

    エネルギーマネジメントという根幹に踏み込む議論が始まったことで、2026年F1は“設計されたレース”からの脱却に向けた分岐点に差し掛かっている。

  • F1レギュレーション会議 今週は結論見送り 速度差問題で改定は4月後半へ

    F1レギュレーション会議 今週は結論見送り 速度差問題で改定は4月後半へ

    FIAとF1関係者によるレギュレーション見直し会議が4月9日にスタートするが、今週中に具体的な変更が決まる可能性は低い。これはあくまで議論の第一段階に過ぎず、実際の決定は後日の会合に持ち越される見通しだ。

    今回の議題は、2026年F1レギュレーションがもたらした問題点の洗い出しと改善案の検討にある。安全性や競技性に関わる重要テーマが含まれているものの、拙速な結論は避けられる方向だ。

    決定は4月20日以降 ミーティングは段階的プロセス
    今回の4月9日の会議は、FIAのニコラス・トンバジス主導のもと、各チームおよびパワーユニットメーカーの技術責任者が参加するオンライン形式で行われる。

    ここではテストおよび開幕3戦から得られたデータをもとに改善案が議論されるが、最終決定は4月20日に予定されているチーム代表会議に委ねられる。

    さらに、その内容は世界モータースポーツ評議会の承認を経て正式決定となるため、仮に合意に至った場合でも即時導入とはならず、最短でもマイアミGPが初適用のタイミングとなる可能性がある。

    安全性が議論を加速 ベアマンの事故が転機に
    議論を加速させている最大の要因は、安全性への懸念だ。

    日本GPで発生したオリバー・ベアマンのクラッシュは、エネルギー回生中のマシンとデプロイ中のマシンの速度差が引き起こすリスクを明確に示した事例となった。

    この「速度差問題」は以前から指摘されていたが、実際の事故によって現実的な危険として認識されることになった。

    ステラ「問題は想定内」 解決は単純ではない
    マクラーレンのアンドレア・ステラは、この速度差の問題について「驚きではない」と明言している。

    「片方のマシンがリフトしている、あるいはスーパークリップ状態にある一方で、もう一方がデプロイしている状況では、これほど大きな速度差が生じ得るというのは予想されていたことだ」

    「これはすでにテストの段階から議題に上がっていた。2026年レギュレーションで改善すべき項目としてFIAのアジェンダに含まれている。我々は問題が起きてから対応するのではなく、先に手を打つ必要がある」

    さらにステラは、単純な解決策では不十分であるとの見方も示した。

    「データを見て判断する必要がある。チームはそれぞれの状況を共有しなければならない。350kWのスーパークリップ導入は、リフト・アンド・コーストを減らすための案だが、それだけで解決するとは限らない」

    「単純な答えはない。複数の要素を組み合わせる必要があるだろう」

    “拙速な改定”は否定 データ蓄積を重視
    一方で、ハースF1チーム代表の小松礼雄は、冷静な判断の必要性を強調している。

    「我々はスポーティングと安全性を慎重に切り分ける必要があります。安全性は最優先であるべきですが、それを理由に拙速な判断をするべきではありません」

    「まだ3戦を終えた段階で、十分なデータが揃っているとは言えません。F1コミュニティ全体で冷静に議論することが重要です」

    F1レギュレーション 国際自動車連盟

    焦点は“速度差”とエネルギー運用
    現在の議論の中心にあるのは、ストレート終盤で発生する極端な速度差だ。

    特に問題視されているのが、エネルギー残量の差によって発生する最大50km/h規模の速度差であり、ドライバーからも強い懸念が示されている。

    また、これに関連して以下のような改善案が検討されている。

    ■ スーパークリップ出力を250kWから350kWへ引き上げ
    ■ リフト・アンド・コーストの発生抑制
    ■ 予選におけるエネルギー回生制限の見直し

    予選フォーマットも見直し対象に
    もう一つの重要テーマが、予選のあり方だ。

    現在の2026年仕様では、エネルギー管理が大きな要素となり、「純粋なパフォーマンス勝負」としての性質が薄れているとの指摘がある。

    鈴鹿ではすでにエネルギー回生上限を9.0MJから8.0MJへ引き下げる暫定措置が取られており、さらなる調整も議論されている。

    短期修正と長期改革 二段構えの議論
    今回の会議は、短期的な修正と中長期的な改革の両面で進められている。

    マイアミGPに向けた即効性のある対策と並行して、2027年に向けたより抜本的な見直しも視野に入っている。

    ただし、後者については各チームやメーカーの利害が複雑に絡むため、合意形成は容易ではないと見られている。

    結論として、今週の会議は「決定の場」ではなく「方向性を定める場」であり、実際のレギュレーション変更は段階的に進められることになる。

  • ヘルムート・マルコ FIAに緊急提言「F1はドライビング取り戻すべき」

    ヘルムート・マルコ FIAに緊急提言「F1はドライビング取り戻すべき」

    元レッドブルのヘルムート・マルコは、2026年F1の方向性に強い懸念を示した。複雑化したレギュレーションがドライバーの役割を希薄化させているとして、FIAに対して早急な対応を求めている。

    ハイブリッドシステムの影響が拡大し、エネルギー管理とソフトウェア戦略がレースの主導権を握る現状に対し、ドライバー側からの不満が噴出している。マックス・フェルスタッペンの苛立ちはその象徴であり、競技の方向性そのものが問われている。

    技術偏重がドライバーの役割を侵食
    マルコは現状について、マシン開発の課題を認めつつも、問題の本質はより構造的な部分にあると指摘する。

    「シャシー面ではかなり大きな遅れがある。しかしレッドブルにはそれを巻き返してきた伝統がある」

    「ただ、あまりにも複雑すぎるし、ソフトウェアの役割が大きくなりすぎている」

    この発言が示すのは、単なる競争力不足ではなく、F1という競技の性質そのものが変質しているという認識だ。ドライバーの技量よりもシステムの最適化が勝敗を左右する状況に対し、強い違和感がにじむ構造だ。

    「ドライビングを取り戻すべき」緊急提言
    マルコは現状を放置すべきではないとし、FIAに対して具体的な是正を求めた。

    「1シーズンのうちに修正できるかどうかは分からない。しかし、何かをしなければならないし、ドライビングの要素を再び前面に戻す必要がある」

    「ドライバーの雰囲気はネガティブだ。今すぐ調整が必要であり、FIAがバッテリーの影響を減らし、内燃エンジンの比重を高めるためにあらゆることをすることを期待している」

    現状のF1は、アルゴリズムによって支配される競技へと傾きつつある。マルコはその流れが続けば、ドライバーが主役であるという前提が崩れると警鐘を鳴らす。

    フォーミュラ1カー

    フェルスタッペンの不満が示す構造問題
    今季のフェルスタッペンはトップ5入りを逃すレースが続き、マシンの難しさにも苦しんでいる。しかしマルコの指摘は、単なる成績不振ではなく、より根深い問題に向けられている。

    楽しさ、コントロール感、そして競技としてのアイデンティティ。そのいずれもが揺らいでいるという点で、ドライバーの不満は一過性のものではない。

    結果として、F1に対するモチベーションそのものに影響が及びかねない状況となっている。

    中止レースが与えた“猶予”
    一方で、カレンダー上の変化が思わぬ余白を生んでいる。

    「そういう意味では、2つの中止されたレースは悪いことではない」

    この発言は、現在の混乱を立て直すための時間的猶予として、スケジュールの空白を前向きに捉えるものだ。

    短期間での抜本的な解決は難しいとしても、このインターバルは方向性を見直す貴重な機会となる。

    FIAがどこまで迅速に対応できるかによって、2026年F1の評価は大きく変わる可能性がある。現状のまま進めば、性能差だけでなく競技そのものの魅力が損なわれるリスクをはらんでいる。

    ドライバーが主役であるべきという原点に立ち返れるかどうか――その分岐点に、今のF1は立たされている。

  • メルセデスF1 予選エンジン手法に波紋 フェラーリがFIAに説明要求

    メルセデスF1 予選エンジン手法に波紋 フェラーリがFIAに説明要求

    メルセデスおよびレッドブルのパワーユニットに関する新たな運用手法が明らかとなり、フェラーリがFIAに対して説明を求めている。問題は予選における電動エネルギーの使い方に関するもので、現行レギュレーションの解釈を巡る論点として浮上した。

    この手法は現時点で合法とされる一方、FIAが導入した安全保護の意図と整合するのかが焦点となっている。予選の僅差勝負において影響し得る要素であることから、各メーカーの対応や規制の方向性にも関心が集まる状況となっている。

    フェラーリが問題視した予選時のエネルギー運用
    メルセデスとレッドブルのエンジンが、予選で電動パワーを最大限に活用するための手法を用いていることに対し、フェラーリF1は懸念を示している。この件は専門メディアによって報じられ、パワーユニットの制御に関する新たな論点として取り上げられた。

    報道では、ブリックスワースとミルトンキーンズのパワーユニットが、予選中に“緊急モード”に相当する挙動を活用していると説明されている。現行のレギュレーション解釈では合法とされているが、フレデリック・バスールが率いるフェラーリは、電動出力が350kWから0kWへ急落する際に作動する保護機構の本来の目的と整合していない可能性があると見ている。

    段階的出力低下を回避する仕組み
    メルセデスおよびレッドブル製エンジンを搭載したマシンは、最大出力を放出した後のMGU-Kの出力低下を段階的に進めるのではなく、一定時間にわたり最大出力を維持し、その後に一気に保護状態へ移行させることができる。

    この挙動自体は禁止されていないが、FIAは安全対策として、電動出力が350kWから0kWへ急落した場合にMGU-Kを60秒間停止させる“安全ロック”を設けている。このためレース中の継続使用は難しい一方で、フィニッシュライン直前の短い区間では予選において有効となり得る。

    フェラーリの問い合わせの意図
    報道によれば、この手法はすでに各エンジンメーカーの間で知られており、ソフトウェア制御によって再現可能かどうかの検討が進められているという。

    フェラーリは、現時点で他チームの使用停止を求めているわけではなく、この手法が安全面の観点から将来的に制限される可能性があるのかを確認する目的でFIAに問い合わせを行った。鈴鹿のQ1では、アレクサンダー・アルボンがラップ終盤に急減速を強いられ、システムリセットのために停止する場面も見られたとされる。

    パフォーマンスへの影響は限定的か
    この手法がラップタイムに与える影響については、現時点で明確な数値は示されていない。

    影響の大きさは、最終コーナーからフィニッシュラインまでの直線距離や、最終コーナーの速度特性に依存する要素が大きいとされる。大幅なタイム短縮には至らないものの、予選が僅差で争われる状況においては、ポールポジション争いやセッション通過に影響を与える可能性がある。

    また、アンドレア・キミ・アントネッリおよびジョージ・ラッセルが鈴鹿のQ3でこの手法を使用したかどうかは確認されていない。フェラーリは引き続き、FIAからの見解を待っている状況にある。

  • F1アルゼンチンGP復活構想が前進 サーキット改修10%完了

    F1アルゼンチンGP復活構想が前進 サーキット改修10%完了

    アルゼンチンGPのF1復帰に向けた動きが現実的な段階に入っている。ブエノスアイレスの伝統的なサーキットでは、大規模な改修工事が進行中だ。

    すでに工事は約10%が完了しており、2028年のF1復帰を視野に入れたプロジェクトは着実に前進している。

    では、改修はどこまで進み、何が変わろうとしているのか。

    改修は10%まで進行
    アウトドローモ・オスカル・イ・フアン・ガルベスでは、既存インフラの大規模な解体が進められている。

    ピットビル、グランドスタンド、パドック、そして旧アスファルトの大部分がすでに撤去され、全面的な再建段階に入っている。

    F1基準への再構築
    新たな路面にはGIMAの高分子アスファルトが採用される予定で、これは現在のF1開催サーキットと同等の仕様となる。

    まずはFIAグレード2の取得を目指し、その後レイアウトの再設計やストレート延長を含めた改修を経て、最終的にF1開催に必要なグレード1認証を取得する計画だ。

    2028年復帰を視野
    主催者は2027年のMotoGP復帰を目標に年内完成を目指しており、その後のF1復帰は最短で2028年が想定されている。

    物流面を考慮し、ブラジルGPとの併催も検討されている。

    コラピント効果で関心高まる
    今回の復活機運の背景には、フランコ・コラピントのF1参戦による国内の関心の高まりがある。

    ただし本人は、F1復帰はMotoGPよりも難易度が高いと冷静な見方も示している。

    約30年ぶりの開催へ
    アルゼンチンで最後にF1が開催されたのは1998年で、このレースではミハエル・シューマッハが優勝している。

    長い空白期間を経て、アルゼンチンGP復活は現実味を帯び始めている。

  • 新F1レギュレーションにドライバー反発 安全懸念で緊急会議へ

    新F1レギュレーションにドライバー反発 安全懸念で緊急会議へ

    2026年F1レギュレーションをめぐり、ドライバーたちの不満が一気に噴出している。鈴鹿での週末を経て、安全面への懸念が現実の問題として浮き彫りとなった。

    エネルギー管理を軸とした現行規則は、これまでにない速度差を生み出し、レースのあり方そのものを変えつつある。その影響は単なるパフォーマンスの問題にとどまらず、ドライバーの安全に直結するレベルに達している。

    事態を受け、FIAは4月に緊急会議を開き、レギュレーションの見直しを検討することになった。

    では、何がここまでの反発を招いたのか。

    50km/h差が生んだ危険な状況
    転機となったのは、日本GPで発生したオリバー・ベアマンのクラッシュだった。

    ヘアピンでフランコ・コラピントに接近した際、両者の間には50km/hを超える速度差が生じていた。急激な接近によりコントロールを失ったベアマンはクラッシュし、脚に軽傷を負った。

    この状況についてコラピントは、現行システムの危険性を強く訴えている。

    「まるで一方がアウトラップで、もう一方がアタックラップのようだ」

    「0.6秒の差があっても、数メートルで一気に縮まる。ブーストは非常に強力だが、動きは人工的で危険だ」

    GPDAが警告「事故は時間の問題だった」
    GPDAディレクターのカルロス・サインツJr.は、今回の事故が予見されていたものだと明かした。

    「こうした事故が起きるのは時間の問題だと我々は警告していた」

    「30、40、50km/hの速度差が生まれる。今回はランオフエリアがあったが、市街地コースでは大事故になる」

    「これを防ぐためには迅速に何かを変えなければならない」

    「ラップタイムが1秒遅くなっても構わない。我々は解決策を見つける必要がある」

    ノリス「何を言っても意味がない」
    ドライバーたちの不満は、単なる安全面にとどまらない。

    ランド・ノリスはフェルスタッペンの発言を受け、皮肉を込めてこう語った。

    「これまでで最高のレースだ」

    その後、より踏み込んだ本音を明かしている。

    「僕たちが何を言っても意味がない」

    「ファンが楽しめていればそれでいい」

    「ドライバーの意見は、明らかに重要ではない」

    FIAが緊急対応へ
    事態の深刻化を受け、FIAは迅速に動いた。

    「4月には新レギュレーションの運用を評価し、必要に応じて調整を検討するための複数の会議を予定している。安全性は常に中核的な要素であり続ける」

    また、4月9日にはチームの技術責任者とFIAによる重要な会議も予定されている。

    レーシングブルズのピーター・バイエルは、改善案の一例としてライトシグナルの導入を挙げている。

    「後続ドライバーが前方の状況をより理解できるようにするための仕組みを検討している」

    F1の構造的対立が浮き彫りに
    元F1ドライバーのクリスチャン・アルバースは、この状況を「ドライバーとFOM、FIAの対立」と表現した。

    また、アンドレア・キミ・アントネッリも、早期の改善が必要であるとの認識を示している。

    「FIAはすでにマイアミに向けて改善策を検討している。予選とレースの両方での対応が必要だ」

    2026年F1レギュレーションを巡る問題は、安全、競技性、そして統治の在り方を問うものへと発展している。単なるルール調整では収まらない段階に入っている可能性が高い。

  • フェルスタッペン FIAに提案「“安全”を理由にすればF1規則変更は話が早い」

    フェルスタッペン FIAに提案「“安全”を理由にすればF1規則変更は話が早い」

    マックス・フェルスタッペンは2026年F1レギュレーションに強い不満を示す中、その改善に向けた“現実的な方法”を提示した。鍵になるのは「安全」という言葉だという。

    バッテリー回生やスーパークラッピングといった現行レギュレーションは、レースの在り方そのものを変えており、ドライバーの間でも違和感が広がっている。そうした中で、その問題が単なる議論ではなく、実際の危険として顕在化した。

    日本GPでは、オリバー・ベアマンがフランコ・コラピントとの大きな速度差によりクラッシュ寸前の状況に陥り、最終的には50Gの衝撃を伴う事故が発生。新レギュレーションの危険性が現実のものとなった。

    では、この状況をどう変えるのか。フェルスタッペンは、その答えを極めてシンプルな形で示している。

    フェルスタッペン「安全なら変えられる」
    フェルスタッペンは、現在のレギュレーションが持つ危険性について明確に言及した。

    「とても危険になり得る。ブレーキング中の動きやライン変更のように見えるかもしれないが、加速が速い場合にも起きる。大きな事故につながる可能性がある」

    予選だけでなくレースそのものにも問題があるのではないかと問われると、彼はその構造的な矛盾を指摘した。

    「僕にとってはすべて同じだ」

    「予選ではこういうリフト主体の走り方は望ましくないし、他にも多くのルールがある」

    「リフトだけの問題ではない。全開で走れない区間が多く、少し踏んでまた緩めるようなことをしなければならない。すべてがとても分かりにくいし、あるべき姿ではない」

    「予選では速く走るために、実際には遅く走らなければならない。それは本来あるべき姿ではない」

    現行レギュレーションがもたらす“逆転した論理”を、ドライバーの視点から明確に言語化した形だ。

    マックス・フェルスタッペンがF1レギュレーション変更を国際自動車連盟に提案

    鍵は“安全” FIAが動ける唯一の領域
    フェルスタッペンは、レギュレーション変更の現実的なハードルにも言及する。通常、シーズン中の変更にはチームの合意が必要となり、利害や政治が絡むことで実現は容易ではない。

    しかし彼は、その状況を打破する方法として「安全」という概念に着目する。

    「すべてが安全の問題であれば、物事を変えるのは簡単だ」

    「安全という言葉は多くのことに使える。だからそれを使うべきかもしれない」

    FIAは安全を理由とする場合、例外的に規則変更を主導する権限を持つ。サーキットの改修やマシンの使用制限など、過去にも安全を根拠にした介入は数多く行われてきた。

    つまりフェルスタッペンの提案は、単なる批判ではなく、現実的に機能し得る“ルート”を示したものでもある。

    ドライバーの不満と変わらぬ構造
    とはいえ、ドライバーたちはFIAの会合に大きな期待を寄せていない。

    ルイス・ハミルトンは、ドライバーが意思決定に関与できない現状を明かしている。

    「僕たちには権限がない。まったくない。委員会にも入っていないし、投票権もない」

    カルロス・サインツJr.も、チームの意見ばかりが優先されている現状に疑問を呈した。

    「問題は、チームの声だけを聞いていることだ。彼らはテレビで見て楽しんでいるかもしれないから、レースは問題ないと思うだろう」

    「しかしドライバーの立場では、互いにレースをしている中で50km/hもの速度差があると、それはもはやレースではない」

    「このような速度差があるカテゴリーは世界に存在しない。驚くような形で接近されることで大事故が起きる可能性があるからだ」

    ドライバーの声と現行の意思決定構造の間には、依然として大きな隔たりが存在している。

    フェルスタッペンが提示した「安全」というキーワードが、実際にレギュレーション変更への引き金となるのか。4月9日の会合は、その方向性を占う重要な機会となる。

  • マックス・フェルスタッペン F1日本GPで取材拒否 記者団がFIAに対話要求

    マックス・フェルスタッペン F1日本GPで取材拒否 記者団がFIAに対話要求

    F1のジャーナリストたちは、日本GP週末を通じてメディアとチームの関係が「悪化している」として、FIAに対しチームおよびメディアとの「対話を開始する」よう求めた。

    この状況は、4度のF1ワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンが、鈴鹿のレッドブル・ホスピタリティで木曜日に行われた決勝前の記者会見において、恒常的なアクレディテーションを持つ記者の出席を禁止したことに端を発している。

    メディアセッションが始まった直後、フェルスタッペンは最初の質問を遮り、ガーディアン紙のF1特派員ジルズ・リチャーズの姿を確認すると、その場で「出て行け」と命じた。

    フェルスタッペンはその後、この対応について、昨年のアブダビGP後のFIA記者会見で、ランド・ノリスに2ポイント差でタイトルを逃した直後にリチャーズが行った質問の際の態度に対する反応であると説明した。

    リチャーズはその後、オンライン上で激しい誹謗中傷を受けているとみられている。また、彼を擁護した他のジャーナリストも同様に批判の対象となっている。

    この件を受け、複数のベテランF1記者で構成されるF1メディア諮問委員会は週末の間にFIAと協議を実施した。FIAはこの問題についてレッドブルと話し合う見通しとされている。

    これと並行して、イタリア自動車ジャーナリスト連盟(UIGA)は、鈴鹿で起きた出来事に対して「深い懸念」を表明する強い声明を発表した。

    UIGA声明全文
    「言葉による攻撃や、ジャーナリストおよびフォトグラファーに対する敵対的な空気は容認できず、職業的敬意と報道の自由という基本原則を損なうものである」

    「現場にいた人々の証言は、広く流布されているいくつかの説明と食い違っており、それはメディア関係者の職業的評価を損なう恐れがある」

    「同時に、ドライバーとフォトグラファーの間の緊張関係は、報道の仕事に不釣り合いな形で影響を与える、より制限的な措置へとつながる危険がある」

    「相互の敬意は不可欠であるが、それはメディアが自由かつ独立して報道する権利を制限するものであってはならない」

    「したがって我々は、FIAに対し、メディア代表から各チームに至るまで、関係するすべての当事者との対話を開始するよう求める。労働環境および情報アクセスのさらなる悪化を防ぐためである」

    「自由で、尊重され、守られた報道は、副次的な要素ではなく、あらゆるスポーツ、そしてフォーミュラ1における透明性と信頼性の根本的な柱である」

  • ルイス・ハミルトン F1日本GP後 FIAを批判「ドライバーに発言権はない」

    ルイス・ハミルトン F1日本GP後 FIAを批判「ドライバーに発言権はない」

    ルイス・ハミルトン(フェラーリ)はF1日本GP後、2026年F1レギュレーションをめぐる議論について、ドライバーには意思決定の権限がなく、FIAはチームの意見ばかりを聞いていると批判した。

    鈴鹿ではエネルギーマネジメントによる速度差が問題となっており、ドライバー側からは安全面への懸念が強まっているが、その声が反映されていない現状が浮き彫りとなった。

    ハミルトン「ドライバーに発言権はない」
    ルイス・ハミルトンは、レギュレーション変更に関する議論にドライバーが関与できていない現状を明言した。

    「ドライバーには発言権がない」

    「僕たちには力がない。委員会にも入っていないし、投票権もない」

    ドライバーが意見を出しているにもかかわらず、意思決定に関与できない構造が問題として指摘された。

    サインツJr.「チームだけを見れば問題に見えない」
    カルロス・サインツJr.も、現在の状況はチームの視点だけで判断されていることが原因だと指摘した。

    「それが、チームの声だけを聞いたときに起こる問題だ。テレビで見ていれば、彼らはレースは問題ないと思うのかもしれない」

    「でもドライバーの立場でレースをしていて、50km/hもの速度差が生まれると分かれば、それはレースではない」

    「こんな速度差があるカテゴリーは世界中にない。大きな事故が起きるのはそういうときだ。意表を突かれるし、遅れてディフェンスしたときに、自分か後ろのクルマが巻き込まれる」

    さらにサインツJr.は、FIAに対して改善を求めた。

    「僕たちのフィードバックに耳を傾けてほしい。チームの声だけではなくてだ」

    「マイアミまでに状況を改善するプランを出してほしいし、このレギュレーションを今後も改善し続けるための中期的なプランも必要だ」

    ベアマンの事故で問題が顕在化
    日本GP決勝ではオリバー・ベアマンがクラッシュを喫し、フランコ・コラピントとの間に約50km/hの速度差があったとされる。この事故により、ドライバーが指摘してきたリスクが現実のものとなった。

    ベアマンに深刻なけがはなく、ハースF1チームはコラピントに責任はないと説明している。

    FIAは事故後、関係者とともに今後の対応を協議していく方針を示しており、2026年F1レギュレーションをめぐる議論は今後さらに重要性を増すことになる。