カテゴリー: FIA(国際自動車連盟)

  • FIAが2027年F1でエキゾーストウイング禁止へ フェラーリ発の技術戦争に介入

    FIAが2027年F1でエキゾーストウイング禁止へ フェラーリ発の技術戦争に介入

    国際自動車連盟(FIA)は、2027年F1シーズンに向けて「エキゾーストウイング」を禁止する案を各チームと協議する方針だ。フェラーリが今季導入したリア排気管後方の革新的なウイング構造をきっかけに、複数チームが類似コンセプトを採用し始めている。

    現行レギュレーションでは合法と判断されているものの、FIAは排気周辺で空力開発競争が過熱することを望んでいない。安全上の問題ではないため、2027年に禁止するにはチーム側の支持を得たうえで、正式な手続きを通じた規則変更が必要になる。

    フェラーリが開いた排気周辺の新たな開発領域
    フェラーリはプレシーズン最終テストで、リアのテールパイプ後方に新しいウイングソリューションを登場させた。このコンセプトは「フリック・テール・モード」と呼ばれ、熱を帯びた排気ガスを操ることを狙ったものだ。

    本来、この領域での空力的な処理は好ましくないものと見なされているが、フェラーリはギアボックス近くに追加コンポーネントを装着できる規定上の余地を使い、合法範囲内でこの設計を成立させた。

    鍵となったのは、リアクラッシュストラクチャーに対するギアボックスの配置だ。フェラーリ独自のリアエンド設計が、排気管後方にウイングを設けるためのスペースと解釈の余地を生み出した。

    ハースに続き6チームがマイアミで類似案を投入
    フェラーリからリアエンドを購入しているTGRハースF1チームも、中国GPで独自のエキゾーストウイングを採用した。一方で、他チームはギアボックス配置の違いから当初は同じアイデアを導入できなかった。

    しかし、マイアミGPを前にライバルたちは別の方法でエキゾーストウイングを成立させる手段を見いだした。マクラーレン、メルセデス、レッドブル、ウィリアムズ、アルピーヌ、キャデラックの6チームが、それぞれ異なる形のウイング案を投入した。

    各チームは、F1テクニカルレギュレーション第C3.9.2条の解釈を利用している。この条文は単一の排気テールパイプ「サポート」を認めているが、その制限については、排気テールパイプとクラッシュストラクチャーの合法範囲内に収まり、両方にまたがること以上の明確な縛りを設けていない。

    国際自動車連盟 F1

    現行仕様は合法 ただし2027年に規制強化へ
    FIAは、現在各車に搭載されているデザインが現行規則に適合していることは認めている。しかし、関係者によれば、FIAはこの領域を来年に向けて締め付けたい意向を示している。

    背景にあるのは、排気周辺で複雑な空力トリックが次々と登場することへの懸念だ。FIAは、この領域が本格的な技術開発競争に発展する前に歯止めをかける方が望ましいと考えている。

    正式な決定はまだ下されていないが、FIAはすでに意向を明確にしており、今後は各チームのテクニカルチーフと規則変更の文言について協議が行われる。

    安全問題ではないためチームの支持が必要
    エキゾーストウイングの禁止は安全上の問題として扱われるものではない。そのため、FIAが一方的に即時変更するのではなく、正式なルートで規則変更を成立させるにはチーム側の支持が必要になる。

    フェラーリが先鞭をつけたこの開発領域は、すでにマイアミGPで一気に広がりを見せた。FIAは同時に、フェラーリが今季導入したヘイローウイングについても禁止を検討しており、2026年F1レギュレーション下で生まれた細部の空力開発に対して、早くも規制強化の動きが強まっている。

    Source: The Race

  • F1にV8復活へ 2030年導入をFIA会長が断言「反対があっても実現」

    F1にV8復活へ 2030年導入をFIA会長が断言「反対があっても実現」

    FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、F1が次の10年初頭にV8エンジンへ回帰する方針を明確にした。現行のハイブリッド主体のパワーユニットに代わり、よりシンプルで軽量な構成へと転換する可能性が高まっている。

    2026年に導入された新パワーユニットは、熱と電気をほぼ同等に扱う構造でコストや複雑性が課題とされてきた。その流れの中で、持続可能燃料を前提としたV8回帰が現実的な選択肢として急速に浮上している。

    2030年導入を視野 FIAが主導権を握る構図
    スライエムはマイアミでの取材に対し、V8回帰について強い確信を示した。

    「それは起きる。時間の問題だ」と述べ、将来的な方向性が既定路線であることを強調した。

    さらに、レギュレーション上の権限にも言及し、FIAが主導して導入可能である点を明確にした。

    「2031年にはFIAが単独で決定できる。これはルールだ」

    「我々はそれを1年前倒ししたい。外部からはその声が多い。パワーユニットメーカーは反対するが、起きるべきことは起きる」

    この発言は、仮に合意形成が不十分でも最終的には制度的に導入される可能性を示唆している。

    複雑化した現行PUからの脱却
    スライエムは今回の方針を単なるエンジン形式の変更ではなく、F1の「使命」に関わる転換と位置付ける。

    「重要なのは技術ではなくミッションだ。今のような複雑さを減らすことが目的だ」

    過去に存在したMGU-Hについても、その実用性に疑問を呈した。

    「MGU-Hには目的があったが、実際の自動車産業に利益をもたらしたメーカーはなかった」

    現在はMGU-Kのみが残る構成だが、それでもなお複雑性と重量の問題は解消されていないという認識だ。

    V10ではなくV8が現実解とされる理由
    議論の中ではV10復活の可能性も取り沙汰されてきたが、現実的な選択肢はV8に絞られている。

    「現在のメーカーにV10の市販車があるかといえば、答えはノーだ」

    その上で、V8の利点を強調する。

    「最も人気があり、扱いやすいのはV8だ。サウンドがあり、複雑さが少なく、軽量だ」

    また、完全な非ハイブリッドではなく、ごく限定的な電動化は維持される見込みだ。

    「非常に限定的な電動化になる。主役は内燃エンジンだ」

    「現在のような50対50ではない。電気の割合はごくわずかになる」

    自動車業界との整合性と軽量化の狙い
    スライエムはV8回帰の背景として、市販車との関連性も挙げる。

    「フェラーリやメルセデス、アウディ、キャデラックなど、多くのメーカーがV8を採用している」

    この点は、F1が掲げる技術的関連性の観点からも一定の説得力を持つ。また、電動化比率を抑えることでマシン重量の低減にもつながると見られる。

    合意がなくても進む既定路線
    最終的に、スライエムはこの計画が不可逆であることを強調した。

    「彼ら(メーカー)は最終的に望むようになる」

    「仮に反対があっても、2031年には実現する。これは支持が必要な話ではない。実行される」

    この発言は、F1の将来像を巡る主導権がFIAにあることを明確に示している。現行のハイブリッド路線からの大きな転換となるV8回帰は、今後の政治的・技術的議論の中心となることは確実だ。

    Source: motorsport.nextgen-auto.com

  • FIA メルセデスF1の“圧縮比トリック”を不正否定 6月に測定ルール変更へ

    FIA メルセデスF1の“圧縮比トリック”を不正否定 6月に測定ルール変更へ

    FIA(国際自動車連盟)は、メルセデスが2026年F1パワーユニット規則のグレーゾーンを利用していたとの見方について、「不正」ではなかったと否定した。

    問題となっていたのは、圧縮比を測定する際の温度条件だ。FIAは6月から、エンジンが高温の状態だけでなく、室温でも圧縮比を測定する方針で、開幕前から議論を呼んでいた抜け道を封じることになる。

    トンバジス「注目されすぎた話題」
    FIAのシングルシーター部門ディレクターを務めるニコラス・トンバジスは、イタリア紙『コリエーレ・デラ・セラ』に対し、この問題が過剰に扱われてきたと語った。

    「これは大げさに扱われすぎた話題だ」とトンバジスは語った。

    「これほど注目される価値があったとは思わない。我々は、誰かが不正をしようとしていたとは一度も考えていなかった」

    論点は、各チームが異なる温度条件で圧縮比を最適化する方法を探っていたことにあった。特にメルセデスの手法が注目を集めたが、トンバジスはそれがレギュレーション違反ではなかったと説明している。

    「いくつかの判断は、より有利な温度で圧縮比を変化させようとするものだった。そして、それらは合法だった」

    FIAは開発競争の拡大を防ぐために介入
    FIAが対応に動いた理由は、特定チームを罰するためではなく、グリッド全体が同じ方向の開発競争に突入することを防ぐためだった。

    「我々は2月末にいくつかの判断を下した。F1全体が、エキゾチックな素材や解決策を探す競争に入ることを避けるためだ。それはスポーツの精神に反するものになる」

    「これは、特定の状況に直面したときに我々がよく行うことだ。我々はそれを禁止するのではなく、長く引きずられすぎないようにする」

    今回の変更により、FIAは6月から圧縮比の測定条件を明確化する。高温時だけでなく室温でも測定することで、温度変化を利用した最適化の余地を狭める狙いがある。

    国際自動車連盟 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    メルセデスは「不正」ではなくグレーゾーンの範囲内
    トンバジスは、メルセデスが一線を越えたという批判を明確に否定した。

    「誰かが不正をしようとしていたという批判は受け入れられない。たとえその解決策が、レギュレーションが意図していたものではなかったとしてもだ」

    FIAの説明から見えるのは、今回の問題が「違反」ではなく、2026年F1レギュレーションの初期段階で生じた解釈の幅だったという点だ。メルセデスの手法は合法とされる一方で、FIAはその方向に開発が過熱することを望まず、6月から測定基準を広げることで事実上の歯止めをかける。

    2026年F1レギュレーションは、パワーユニットとシャシーの両面で新しい解釈が次々に生まれている。今回の圧縮比問題もその一例であり、FIAは違反認定ではなく、早期の明確化によって競争の方向性を管理しようとしている。

  • 2031年F1エンジンでV8復活案が有力 FIAが方向転換 電動比率も縮小か

    2031年F1エンジンでV8復活案が有力 FIAが方向転換 電動比率も縮小か

    2026年F1レギュレーションで導入された現行パワーユニットは、電動比率の高さやエネルギーマネジメント偏重のレース展開など、開幕直後から課題が噴出している。こうした状況を受け、FIAはすでに次世代エンジン(2031年導入予定)に向けた議論を本格化させている。

    関係者の間では、現行規則が「妥協の産物」となった反省から、コスト削減と簡素化を最優先とした“方向転換”が必要との認識が共有されており、その中核にV8エンジン復活の可能性が浮上している。

    V8ターボ+標準MGU-Kが有力案
    初期段階の議論では、V8ターボエンジンに標準化されたMGU-Kを組み合わせる構成が有力視されている。現行と同様に持続可能燃料を使用する一方で、電動システムの比率は大幅に引き下げられる見通しだ。

    これにより、現在のような電動エネルギー管理に依存したレースからの脱却と、エンジン構造のシンプル化が期待されている。

    FIAのシングルシーター部門テクニカルディレクターであるヤン・モンショーは次のように語る。

    「今後2〜3か月で方向性を固める必要がある。これ以上長引くことは望んでいない。遅くとも年末までには具体的な規則を文書化しなければならない」

    「現行フォーミュラの弱点は明らかだ。我々はそれを修正する必要があるが、最優先はコスト削減だ」

    現行PUは“失敗”との認識が共有
    2026年のエンジン規則は、新規参入メーカーと既存メーカーの利害調整の結果として成立した。しかしその過程で多くの妥協が積み重なり、結果的に複雑でコストの高いパワーユニットとなった。

    FIAのニコラス・トンバジスも当時の状況について次のように振り返っている。

    「現行のエンジン規則を議論していた際、一部の自動車メーカーは今後は内燃機関を開発しないと主張し、いつ完全に電動化するかまで明言していた。しかし、それは現実にはならなかった」

    「次のエンジンでは、我々は世界的な経済環境に振り回されるべきではない。メーカーに依存しすぎることは避けなければならない」

    関係者の間では、この現行フォーミュラが期待された成果を十分に上げていないとの見方が広がっている。マイアミGPで導入される小規模な修正も、問題の本質的な解決には至らないとみられている。

    実際、2029年や2030年への前倒し導入案も議論されたが、アウディやホンダの反対により見送られた。両メーカーは現在のパワーユニット開発に多額の投資を行っており、短期間での再設計には消極的だった。

    フォーミュラ1エンジン 国際自動車連盟

    FIA主導で“メーカー依存”から脱却へ
    今回の議論では、FIAがより主導権を握る姿勢も明確になっている。これまでのようにメーカーの要求を広く取り入れるのではなく、シリーズ全体の持続性を優先する方針だ。

    エンジン開発には長い準備期間が必要であるため、早期の方向性決定は不可欠とされる。FIAは今夏までの合意を目指しており、遅くとも年末までには最終的なレギュレーションを確定させる必要がある。

    すべてのメーカーの要望を満たすことは難しいが、共通の基盤を見出しながら、現行規則の問題点を是正する“現実的な解”が模索されている。

    2031年の次世代エンジンは、単なる技術変更にとどまらず、F1の競技性やコスト構造を左右する重要な転換点となる。V8復活という象徴的な変化が実現するかどうかも含め、今後数か月の議論の行方が注目される。

    Source: Auto Motor und Sport / F1inGenerale

  • F1マイアミGP 雷規制で中断・中止リスク 米特有ルールが直撃か

    F1マイアミGP 雷規制で中断・中止リスク 米特有ルールが直撃か

    2026年F1シーズン第4戦マイアミGPは、雷雨の予報により開催そのものに影響が及ぶ可能性が浮上している。決勝が行われる日曜は降雨確率88%、雷雨の確率も50%を超えるとされ、レース進行に大きな不確定要素が加わった。

    問題は単なる雨ではない。アメリカ特有の「雷リスク時のイベント停止ルール」が適用される可能性があり、F1側の判断を超えてレースが中断、あるいは延期されるシナリオが現実味を帯びている。

    雷が引き起こす“強制ストップ”の仕組み
    アメリカでは屋外の大規模イベントにおいて、落雷の危険がある場合は安全確保のため活動を停止する義務がある。これは労働安全衛生局(OSHA)の規定にも関係しており、現場スタッフの安全確保が最優先される。

    そのため、仮にレース主催者やFIAが続行可能と判断しても、雷のリスクが確認されれば強制的に中断措置が取られる。F1はこのルールを覆す権限を持たない。

    さらにフロリダ州は全米でも有数の落雷発生地域であり、こうした規制は実際の運用でも厳格に適用される傾向にある。

    レース進行への具体的影響
    雷雨が発生した場合、観客は避難を求められ、医療用ヘリコプターの飛行も停止される。これは重大事故発生時の対応能力にも直結するため、レース継続の可否を左右する重要な要素となる。

    すでにレースがスタートしている場合は赤旗中断となり、ドライバーはピットレーンへ戻る必要がある。この間、通常とは異なり各チームはマシンをガレージに戻して作業することが許可される。

    マイアミグランプリ 国際自動車連盟

    決勝時間帯と天候が重なるリスク
    現時点の予報では、雷雨のピークは決勝スタート予定の現地日曜午後と重なる見込みだ。これは最も影響が大きいタイミングであり、スタート遅延やスケジュール変更の可能性も否定できない。

    一方で金曜から土曜にかけてはドライコンディションが予想されており、プラクティスや予選は通常通り進行する可能性が高い。

    FIAは対応策を準備済み
    FIA(国際自動車連盟)はすでに状況を注視しており、必要に応じて対応できるコンティンジェンシープランを用意していると説明している。

    「週末の天候を注意深く監視している。昨年のマイアミでも同様の状況を経験しており、影響を最小限に抑えるための計画を準備している」

    このように、運営側は万全の準備を整えているものの、最終的な判断は天候と安全規制に委ねられる。

    ドライバーも警戒「中止の可能性も」
    エステバン・オコンはマイアミ特有の路面状況と天候について警戒感を示している。

    「かなり難しいレースになるはずだ。去年も非常に滑りやすくて、オイルも多くて視界がぼやけるような状況だった。かなり特殊だった」

    「ポイント獲得のチャンスになると思うけど、来てくれた人たちのためにもレースが中止にならないことを願っている」

    「ここには雷に関する特別なルールがあると聞いている。もしそれが来たら、ブラジルのようにかなり早い段階で動きがあるかもしれない」

    天候と規制という二重の不確定要素を抱えるマイアミGPは、今季でも最も予測が難しい一戦となる可能性が高い。決勝当日の空模様が、そのままレースの運命を左右することになりそうだ。

  • 2027年F1開幕戦はバーレーンGP復帰へ オーストラリアGPは第3戦に後退か

    2027年F1開幕戦はバーレーンGP復帰へ オーストラリアGPは第3戦に後退か

    2027年F1カレンダーをめぐり、近年開幕戦を務めてきたオーストラリアGPがその座を失う可能性が高まっている。複数の報道によれば、開幕戦は再びバーレーンで開催される見通しで、サウジアラビアが第2戦、メルボルンは第3戦へと後退する構図が有力だ。

    現時点でF1は正式な2027年カレンダーを発表していないが、契約条件や宗教行事、物流面の要素が重なり、近年とは異なる開幕構成が検討されている。

    「簡単には譲らない」も流れは変化
    オーストラリアGPの責任者トラビス・オールドは、開幕戦の座を維持するため「簡単には譲らない」との姿勢を示していた。しかし、オーストラリア国内の複数メディアは、2027年にはバーレーンが開幕戦に復帰するとの見方を伝えている。

    この変更が実現すれば、長年にわたり続いてきたメルボルンの“シーズン幕開け”という伝統は再び途切れることになる。

    ラマダンと物流が再編の決め手
    今回の再編の背景には、ラマダンの時期と物流上の合理性がある。2027年はラマダンが3月7日に終了予定とされ、その翌週の3月14日にバーレーンで開幕戦を開催する条件が整う見込みだ。

    バーレーンはプレシーズンテストの開催地でもあり、そのまま開幕戦へ移行できる点で効率的だ。こうした流れは2021年から2024年にかけても採用されていた。

    メルボルンは第3戦へ 契約上の優位は維持
    メルボルンが序盤から外れるわけではなく、2027年は4月4日の第3戦として開催される可能性が高い。これは「シーズン最初の3戦のいずれかを開催する」という契約条件を満たす形となる。

    また、現行契約では2025年から2035年の間に少なくとも5回の開幕戦開催が保証されており、すでに2回を消化。残りの機会は今後に持ち越される。

    トルコ復帰で全24戦が確定へ
    2027年はトルコGPの復帰が決定しており、5年契約によって全24戦の枠が埋まる見通しとなっている。これによりカレンダー構成はより固定化され、各イベントの配置が重要な意味を持つ。

    ポルトガルはスペインGPの不在を埋める形で欧州序盤に組み込まれる可能性があり、トルコは欧州終盤からアジアへの移動をつなぐ位置に配置されるとみられている。

    2027年F1カレンダー予測(暫定)
    ■ 第1戦 バーレーン(3月14日)
    ■ 第2戦 サウジアラビア(3月21日)
    ■ 第3戦 オーストラリア(4月4日)
    ■ 第4戦 中国(4月11日)
    ■ 第5戦 日本(4月25日)
    ■ 第6戦 マイアミ(5月9日)
    ■ 第7戦 カナダ(5月23日)
    ■ 第8戦 モナコ(6月6日)
    ■ 第9戦 ポルトガル(6月13日)
    ■ 第10戦 オーストリア(6月27日)
    ■ 第11戦 イギリス(7月4日)
    ■ 第12戦 ベルギー(7月18日)
    ■ 第13戦 ハンガリー(7月25日)
    ■ 第14戦 スペイン(8月29日)
    ■ 第15戦 イタリア(9月5日)
    ■ 第16戦 トルコ(9月19日)
    ■ 第17戦 アゼルバイジャン(9月26日)
    ■ 第18戦 シンガポール(10月10日)
    ■ 第19戦 アメリカ(10月24日)
    ■ 第20戦 メキシコシティ(10月31日)
    ■ 第21戦 サンパウロ(11月7日)
    ■ 第22戦 ラスベガス(11月20日)
    ■ 第23戦 カタール(11月28日)
    ■ 第24戦 アブダビ(12月5日)

    開幕戦を巡る構図は流動的
    F1カレンダーは契約条項、宗教行事、気候条件、物流効率など複数の要素によって決定される。2027年はそのバランスが再び見直される年となりそうだ。

    正式なカレンダーはまだ発表されておらず、例年通りであれば初夏に確定する見込みだが、開幕戦を巡る構図はすでに大きく動き始めている。

  • F1エンジン見直し協議は決裂 根本変更は2028年以降へ先送り

    F1エンジン見直し協議は決裂 根本変更は2028年以降へ先送り

    F1を統括するFIA(国際自動車連盟)と各チームによるエンジン規則見直しの協議は、最終的に合意に至らなかった。2026年レギュレーションを巡る議論は「妥協」に落ち着き、抜本的な変更は見送られる見通しとなった。

    エネルギーマネジメント偏重によるレース内容への影響が問題視される中、内燃エンジンの比率を高める案も検討されたが、各メーカーの利害が対立。結果として、構造的な改善は2028年以降に持ち越される可能性が高まっている。

    妥協に終わったエンジン規則見直し
    Auto Motor und Sportのトビアス・グリューナーは、今回の議論について「建設的ではあったが、結局はいつものように“最大公約数”で合意した」と報じた。

    議論の中心となったのは、電動要素の比率が高すぎることで発生しているエネルギーマネジメントの問題だ。これを是正するため、内燃エンジン側の出力比率を高める案が浮上していた。

    FIAの技術責任者ニコラス・トンバジスも現状の課題を認めている。

    「エネルギー比率が一定の閾値を下回ると、マネジメントに問題が生じるのは事実だ。我々は当初からそれを認識していたし、多くの妥協を緩和するために取り組んできた」

    「マシンは我々の想定よりもやや速く、チームもより多くのダウンフォースを見つけた。その結果、ブレーキング時に回収されるエネルギーは我々の望む水準より少なくなっている」

    フォーミュラ1エンジン 国際自動車連盟

    燃料流量増加案も合意に至らず
    解決策として検討されたのが、燃料流量を増やし内燃エンジンの出力を高める案だった。これにより電動依存を下げ、レース展開の改善を図る狙いがあった。

    しかし、FIAのジャン・モンショーは合意に至らなかった理由を明かしている。

    「議論では電動要素を減らし、ガソリン流量を増やす案が検討された。しかし、これにはいわゆる“スーパー多数決”が必要だった」

    「つまり、ほとんどのメーカーが同意しなければならないが、それが得られなかった。我々が彼らの頭越しに決定することはできない」

    さらに、各メーカーの立場の違いが障壁となった。

    「ある者は『これは自分に有利だ』と考え、別の者は『今勝っているから変えたくない』と言う。そして別の者は『新エンジン開発には16か月必要で、2027年は現実的ではない』と主張する」

    ドライバーの警告は見過ごされたのか
    結果として、抜本的な変更は少なくとも2028年まで先送りされる見込みとなった。

    元F1ドライバーのパトリック・フリーザッハーは、この状況は回避できた可能性があったと指摘する。

    「マックスは1年半前に同じような問題を指摘していたし、カルロス・サインツもそうだった」

    「もっとドライバーの声に耳を傾けるべきだった。彼らは実際にマシンに乗っている。このような問題は未然に防げたはずだし、少なくとも将来は繰り返されないはずだ」

    Source: GMM

  • フェラーリF1のスタート優位消滅か FIA制御変更でメルセデスに追い風

    フェラーリF1のスタート優位消滅か FIA制御変更でメルセデスに追い風

    フェラーリが2026年シーズン序盤で見せていたスタート性能の優位性が、FIAによるエンジン関連の調整によって打ち消される可能性が指摘されている。元F1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤは、この変更がメルセデスにとって追い風になるとの見解を示した。

    問題となっているのは、レーススタート時の加速特性だ。

    フェラーリは開幕から優れた蹴り出しを見せており、テスト段階から他チームに対して明確なアドバンテージを築いていたが、マイアミGPから導入される新たな安全対策が、この差を縮める可能性がある。

    フェラーリの強みだった“スタートダッシュ”
    今季のフェラーリはスタート直後の加速でライバルを上回っていた。プレシーズンテストではルイス・ハミルトンやシャルル・ルクレールが力強い発進を見せ、ポジションを大きく上げる場面が確認されている。

    この傾向は開幕戦以降も続き、オーストラリアではジョージ・ラッセルがポールポジションからスタートしながらターン1でルクレールに先行を許したほか、中国ではハミルトンがキミ・アントネッリを抜いて序盤の主導権を握った。日本GPでもルクレールはポールのアントネッリをスタート直後に攻略している。

    フェラーリはこの強みの詳細を明かしていないが、ラッセルは「小型ターボの使用」が一因ではないかと指摘していた。

    MGU-H廃止が生んだ“スタートリスク”
    こうしたスタート性能の差は、2026年レギュレーションでMGU-Hが廃止されたこととも関係している。ターボの回転を事前に高めることが難しくなり、発進時のトルク特性が不安定になったためだ。

    実際、スタート直後の加速不足による危険な場面も発生している。オーストラリアではリアム・ローソンが発進に失敗し、後方から通常のスタートを切ったフランコ・コラピントが数センチ差で衝突を回避する場面があった。

    コラピントは「本当に、本当に運が良かった。こういうことは新しいマシンでは起こり得るが、とても危険でかなり不安定だった」と語っている。

    FIAの新対策とその影響
    こうした安全上の懸念を受け、FIAはスタート時の制御システムに変更を加えた。主なポイントは以下の通りだ。

    ■ 異常に加速が遅い車両を検知する「ローパワースタート検出」システムの導入
    ■ 検知時にはMGU-Kが自動展開され、最低限の加速を確保
    ■ 後続車への警告として、車両の後部および側面に点滅ライトを表示
    ■ フォーメーションラップ開始時にエネルギーカウンターをリセット

    これにより、スタート時のばらつきが抑えられ、安全性が向上する一方で、特定チームが持っていた優位性は薄れる可能性がある。

    スクーデリア・フェラーリ 国際自動車連盟

    モントーヤ「メルセデスに有利に働く」
    モントーヤは、この変更がフェラーリのアドバンテージを消すと見ている。

    「個人的には、スタート時の変更とエネルギーの扱い方の調整はメルセデスに有利に働くと思う」とモントーヤは語った。

    「彼らが抱えていた不利を取り除くものだ。そしてメルセデスだけでなく、同じパワーユニットを使う全チームにも影響する」

    「メルセデス系のマシンの多くはスタートが強くなかったし、レッドブルも安定していなかった。この変更はスタート序盤におけるフェラーリの優位性を少し削ることになる」

    タイトル争いへの影響は限定的か
    もっとも、現時点での勢力図を見る限り、フェラーリは総合力でメルセデスに後れを取っている。コンストラクターズランキングでは45ポイント差、ドライバーズでもルクレールはアントネッリに23ポイント差をつけられている。

    スタート性能は序盤のポジション争いに大きく影響する要素ではあるが、レース全体のパフォーマンスを左右する決定的要因ではない。今回の変更によってフェラーリの武器が一つ削がれる可能性はあるものの、タイトル争いの構図そのものを一変させるかどうかは、今後の開発とレースペース次第と言えそうだ。

  • FIAが雨天時のF1ブーストモード使用を禁止 マイアミGPから安全対策を強化

    FIAが雨天時のF1ブーストモード使用を禁止 マイアミGPから安全対策を強化

    FIAは、雨天時のF1マシンにおける安全対策として、ブーストモードの使用を禁止する新たな措置を導入した。今週末の2026年F1マイアミGPから適用される。

    現行マシンでは電気系のトルク特性が攻撃的になっており、雨天時の走行リスクについてドライバーから懸念が示されていた。これを受け、FIAはウェットコンディションでのエネルギー展開と可変空力の使用に制限を加える形でレギュレーションを修正した。

    雨天時のブーストボタン使用を全面禁止
    FIA世界モータースポーツ評議会によって最終的なレギュレーションが承認され、これまで公表されていた対策に加えて、より影響の大きい変更が明らかになった。

    そのひとつが、最大350kWの追加パワーを発生させるブーストボタンの雨天時使用禁止だ。

    新たなテクニカルレギュレーションでは、低グリップコンディションにおけるブーストモードの使用について「抑制され、許可されない」と明記された。

    これにより、ドライコンディションでオーバーテイクを助けるために設定されている車両間のパワー差は、雨天時には発生しないことになる。電気エネルギーの展開は、事前に設定されたエンジンマップを通じて行われる形に限定される。

    ストレートラインモードにも追加制限
    ブーストモードの変更に加え、FIAは雨天時のストレートラインモード使用についても規則を厳格化した。

    改訂されたレギュレーションでは「低グリップコンディションでは、指定された低グリップ作動ゾーンにおいて、ドライバー調整式ボディワークの部分的な作動のみが許可される」と定められている。

    これは、雨天時に可変空力をフルに活用することを制限し、直線での速度差や車両挙動の急激な変化を抑える狙いがある。

    FIAはすでに、インターミディエイトタイヤのタイヤブランケット温度を引き上げる措置や、特定のエネルギーカーブを通じてバッテリー展開量の上限を設ける対策を公表していた。今回のブースト禁止と可変空力制限は、それらを補完する安全対策となる。

    F1 レギュレーション

    雨予報のマイアミGPを前に即時適用
    今回の変更は、雨の可能性が高まっているマイアミGPを前に導入される。現時点の予報では、日曜の決勝が豪雨の影響を受ける確率は75%とされている。

    マイアミでは、雷が発生した場合にセッションを中断しなければならない厳格な地域・国のプロトコルが存在するため、天候リスクは他の開催地以上に重要な意味を持つ。

    米国立気象局のスポーツイベントに関する勧告では、雷雨が予想される場合、主催者は活動やイベントの中止または延期を検討すべきだとしている。

    また、稲妻が見えた場合、雷鳴が聞こえた場合、あるいは空模様が危険に見える場合にも、イベントを停止すべき状況に該当するとされている。

    昨年も決勝日に同様の雷雨リスクがあった際、FIAは各チームに対し、レース中に雷が発生した場合は赤旗中断にすると伝えていた。最終的に天候は回復し、その措置が実際に必要になることはなかった。

    今回のレギュレーション修正は、2026年F1マシンが持つ電気エネルギー展開の大きさと、雨天時の低グリップ環境が重なった場合のリスクを抑えるためのものだ。マイアミGPは、新世代F1の安全対策が実戦で問われる最初の週末となる。

  • 2026年F1レギュレーション変更 チームの“快適圏”を越えた合意と緊急調整

    2026年F1レギュレーション変更 チームの“快適圏”を越えた合意と緊急調整

    2026年F1レギュレーションを巡る混乱を受け、FIA(国際自動車連盟)はマイアミGPを前にパワーユニットと車体規則の一部を修正する手続きを進めている。FIAシングルシーター部門責任者のニコラス・トンバジスは、この議論の中で一部の関係者が「快適圏」から出る必要があったと認めた。

    今回の変更は、予選での全開ラップの復活、安全面で懸念されていた速度差、低速スタート、雨天時の出力レベルなどを対象としたものだ。

    背景には、2026年F1規則が導入からわずか3戦で大きな見直しを迫られたという異例の状況がある。

    トンバジス「一定の措置が必要なのは明らかだった」
    FIAは先週、マイアミGPを前に複数の規則修正を承認する方向で動いた。電気エネルギーの回生量と使用量を調整し、予選での全開走行を取り戻すとともに、安全面の懸念にも対応する狙いがある。

    ニコラス・トンバジスはPlanetF1.comなど招待メディアに対し、今回の協議について次のように説明した。

    「一定の措置を取る必要があることは、かなり明らかだった」

    「こうした議論の一部では、人々が快適圏から出る必要があることもかなり明らかだった」

    「安全のために実施されるものもあったので、人々はそれを理解していた。だが全体として言えば、人々はかなり建設的だったと思うし、到達したものは本物の合意水準だったと思う」

    安全上の強制ではなく合意で進んだ修正
    今回の規則変更は、パワーユニット諮問委員会で特別多数により可決された。F1コミッションに加え、技術諮問委員会やスポーティング諮問委員会などからの意見も反映された。

    FIAは、鈴鹿でのオリバー・ベアマンの50Gクラッシュを受け、安全上の理由で修正を押し通す権限も持っていた。しかし実際には、その権限を使う必要はなかった。

    「チームやパワーユニットメーカーとの会議は、当然ながら常にかなり複雑なものになる。人々は自然に、スポーツにとって何が最善かという見方と、自分たちのチームのパフォーマンスにとって何が最善かという見方を混ぜ合わせるからだ」

    「我々はそれが起きることを想定している。だから、どんな水準であれ合意に到達することは常に少し難しくなる」

    F1レギュレーション 国際自動車連盟

    焦点は予選、スタート、速度差、雨天時出力
    4月を通じた一連の会議では、規則変更が解決すべき課題が整理された。具体的には、予選、低速スタートの危険性、接近速度、そしてドライバー側から提起された雨天時の出力レベルの4項目だった。

    トンバジスは、合意に至るまでの流れを次のように語った。

    「オーストラリアの前にチーム代表との会議があり、その後、中国の後にも会議があった」

    「それから、テクニカルディレクター、チームの代表者、パワーユニットメーカーの代表者との技術会議がいくつかあった」

    「日本の後には、ドライバーたちとも良い議論があり、彼らからもフィードバックを得た」

    「それを基に、我々はパッケージをまとめた。およそ10日前には、妥当な合意水準を得られるだろうと分かった」

    「そして1週間前、再びチームとパワーユニットメーカーの責任者との会議を開き、このパッケージを提示した」

    「その一部は安全に関わるものだったため、承認水準を必要としなかった。その他のものは安全に関わるものではなかったため、パワーユニットメーカーの特別多数による承認が必要だった」

    「そして我々はこれらの承認を得た。現在はワールドカウンシルの手続きを通過しているところだが、承認され、マイアミで導入される可能性はかなり高いと確信している」

    マイアミGPから即時導入へ
    FIA世界モータースポーツ評議会は、規則変更を正式化するうえで最後の手続きとなる。承認されれば、今回の修正は既存規則の解釈を示すテクニカルディレクティブではなく、レギュレーションそのものの一部として即時に組み込まれる。

    マイアミGPはスプリント週末として行われるが、各チームが変更に対応できるよう、フリー走行1回目は通常より30分延長される予定だ。2026年F1規則は開幕直後から批判と擁護が交錯してきたが、今回の修正は、その不安定な出発点を現実的に調整する最初の大きな試みとなる。

    Source: PlanetF1.com