カテゴリー: FIA(国際自動車連盟)

  • クリスチャン・ホーナー 中国BYDと協議 12番目のF1チーム構想が浮上

    クリスチャン・ホーナー 中国BYDと協議 12番目のF1チーム構想が浮上

    クリスチャン・ホーナーが、中国EV大手BYDの副社長ステラ・リーと複数回にわたって会談したことが明らかになり、F1復帰に向けた新たな可能性が浮上している。

    BYDはF1参入に関心を示しており、既存チームの少数株取得ではなく、新たなF1チームとしてグリッド参戦を目指す可能性を探っているとされる。ホーナーにとっては、レッドブル離脱後に求めている所有権や株式を伴う役割と合致する道筋となり得る。

    BYDが見据える12番目のF1チーム構想
    BYDは現在、アルピーヌF1チームの株式取得をめぐる動きにも関連して名前が挙がっているが、現時点での主な関心は既存チームへの少数出資ではなく、独自のF1チーム設立にあるとされている。

    ホーナーは先週末、南フランスのカンヌを訪れ、BYD副社長のステラ・リーと2日間にわたって複数回の会談を行ったとされる。BYDが公開した「カンヌ・ナイト」の映像にも、ホーナーが同社のゲストとして参加している姿が確認されている。

    リーは先月、F1グループCEOのステファノ・ドメニカリと上海で会談していることを認め、BYDがF1参入の可能性について「議論している」と発言していた。

    「F1が好きなのは、情熱と文化があり、人々がF1にいることを夢見るからだ」

    リーは、F1参入がBYDにとって自社技術を試す機会になるとも語っている。

    ホーナーにとって所有権付き復帰の現実的な選択肢
    ホーナーは2025年夏にレッドブルF1のチーム代表兼CEO職を離れた後、ガーデニングリーブ期間を経て、5月8日以降はF1での活動再開が可能になっている。

    その間、ホーナーはドメニカリやFIA会長モハメド・ビン・スライエムとも複数回会談しているとされ、12番目のF1チーム構想も話題に上がっていたという。レッドブルを成功に導いた実績は、投資家や新規参入を目指すメーカーにとって大きな魅力となる。

    ホーナーは次の役割について、単なるチーム代表職ではなく、所有権や株式を伴うポジションを望んでいるとされる。BYDのような巨大メーカーがF1参入を検討する場合、ホーナーの経験とF1内での人脈は、プロジェクトを現実化するうえで強力な武器になる。

    アルピーヌ株式争奪とは別の“より大きな道”
    ホーナーは現在、アルピーヌF1チームの24%株式を保有するオトロ・キャピタルの持ち分取得をめぐっても名前が挙がっている。ルノー・グループは、単なる受動的投資家ではなく、スポーティング面で関与できるパートナーを求めているとされ、ホーナーはその条件に合う候補と見られている。

    一方で、メルセデスもアルピーヌ株式取得に関心を示しているとされる。アルピーヌはメルセデス製パワーユニットを使用しており、その既存関係が交渉に影響する可能性もある。

    ただし、メルセデスによるアルピーヌ出資案には、共通所有構造への懸念も出ている。マクラーレンCEOのザク・ブラウンは、FIAに対して共通所有構造を規制する議論を求める書簡を送ったとされ、仮にそうした規制が進めば、メルセデスの選択肢は制限される可能性がある。

    その場合、ホーナーはアルピーヌ側の有力候補としてさらに浮上することになるが、BYDとの新規チーム構想は、それとは別に、より大きな裁量と所有権を伴う復帰ルートとなる。

    FIAとFOMが重視する“価値を加えるチーム”
    FIA会長モハメド・ビン・スライエムは以前、中国からのF1参入案について、適切な条件を満たせばFOMも前向きに受け止めるだろうとの見方を示していた。

    「中国からチームが来るとしよう。FOMが承認すれば、私は100%承認すると考えている。中国が加われば、より多くの収益を生むのではないか。私はそう思う」

    ただし、ビン・スライエムは12番目のF1チームについて、単にグリッドを埋めるためのものではなく、F1の事業と選手権の長期的価値を高める存在でなければならないとも強調している。

    ドメニカリも、新規チームについては慎重な姿勢を示しており、物流面ではすでに限界に近いとして、極めて重要な意味を持つ申請だけを評価する考えを示している。

    BYDは世界有数の自動車メーカーであり、EVやバッテリー技術で強い存在感を持つ。中国市場の戦略的重要性を考えても、BYDが本格的なF1参入案をまとめた場合、FIAとFOMにとって無視しにくい候補になる。

    BYDとホーナーの組み合わせが持つ説得力
    BYDは2025年に世界販売台数を伸ばし、EVと新エネルギー車分野で急速に存在感を拡大している。高性能ブランド「仰望(ヤンワン)」では、量産車の最高速記録やニュルブルクリンクでの電動スポーツカー記録も打ち立てており、F1参入に必要な技術的ストーリーも持っている。

    一方のホーナーは、レッドブルをF1のトップチームへと押し上げた実績を持ち、新規プロジェクトの顔として投資家、FIA、FOM、商業パートナーを説得できる存在だ。

    アルピーヌ株式取得、アストンマーティンとの関係、そしてBYDとの新規チーム構想。ホーナーのF1復帰には複数の道が残されているが、BYDとの連携は、その中でも最も野心的で、F1全体の勢力図を変える可能性を持つシナリオといえる。

    【関連】
    ・BYD アルピーヌF1買収に関心 ルノー旧PU工場も取得検討か

  • FIA会長スライエムがF1“V8回帰”を再主張「780馬力と美しいサウンドを」

    FIA会長スライエムがF1“V8回帰”を再主張「780馬力と美しいサウンドを」

    FIA(国際自動車連盟)のモハメド・ビン・スライエム会長が、将来的なF1エンジンとして“V8回帰”構想を改めて強調した。

    2026年F1レギュレーション導入直後にもかかわらず、すでに2027年以降の方向性を巡る議論が活発化しているなか、ビン・スライエムは「シンプルさ」と「コスト削減」をキーワードに、持続可能燃料を組み合わせた軽量V8ハイブリッドを理想像として提示した。

    “V8回帰”を諦めないFIA会長
    モハメド・ビン・スライエムは『Forbes』のロングインタビューで、将来のF1パワーユニットについて次のように語った。

    「モータースポーツ全体の環境負荷を考えれば、年間で0.02%程度だと思う。しかし我々FIAには責任がある。我々は常に“問題の一部ではなく、解決策の一部でなければならない”と言っている」

    「そして現在は、すでに利用可能な持続可能燃料がある。我々は正しい形で未来を構築できる」

    「以前のエンジン(2014〜2025年のV6ターボハイブリッド)は、実質的には現在のエンジンとほぼ同じだ。ただMGU-Hを取り除き、MGU-Kだけを残した。しかし我々にはシンプルさが必要だ。それこそが前進するための鍵だ」

    「だからこそ、新しいエンジンとしてV8について議論している」

    FIA内部では以前から“V8回帰論”が存在していたが、今回の発言では単なる懐古主義ではなく、“軽量・低コスト・持続可能燃料”を組み合わせた現代型V8構想として位置付けられている点が特徴だ。

    2030年 コンコルド協定後を見据えた布石
    ビン・スライエムは、2030年末に期限を迎えるコンコルド協定後を強く意識していることも明かした。

    「2030年末には、FIAはチーム投票を経ずにエンジンを決定する権限を取り戻す」

    「しかし我々は1年前倒しで実現したい。なぜならコスト削減という財務的メリットがあるからだ」

    現在のF1パワーユニット開発費は、メーカー間競争の激化によって年間2億ユーロを超えるとも言われている。ビン・スライエムは、これをF1最大級の問題として捉えている。

    「研究開発費は2億ユーロを超えている。今のパワーユニットは市販車にも反映されていない」

    「世界全体でも、EVへの考え方が変わり始めている」

    「環境改善の方法はEVだけではない。持続可能燃料もあるし、小型の電動システムを組み合わせることもできる」

    現在のF1では“電動化=正義”という流れが続いてきたが、ここに来てFIAトップ自らが“完全電動偏重への疑問”を公然と口にし始めた形だ。

    国際自動車連盟 F1 V型8気筒

    “780馬力・600kg台”という理想像
    今回の発言で特に注目を集めたのは、ビン・スライエムが将来のF1マシン像をかなり具体的に語った点だ。

    「我々は、エンジン価格が150万ユーロもしないようにしたい」

    「現在はトランスミッションだけで900万ユーロもする。これが現実だ」

    「だからこそFIAが介入する必要がある」

    「我々は競技レベルに見合った、持続可能なエンジンを実現できると確信している」

    「そして軽量であるべきだ。私は元ドライバーだから分かるが、重量はドライバーにとって最悪の要素のひとつだ」

    「現在のマシンはあまりにも巨大だ。30kg軽量化されたとはいえ、まだ十分ではない」

    「600〜620kg程度まで戻そう」

    「780馬力、美しいサウンド、そして手頃なコスト。それこそがF1を最も良い形で支える方法だ」

    この“600kg台・780馬力・V8サウンド”という構想は、現在の重量級ハイブリッドF1マシンへの反動とも言える。

    F1は“V8回帰”へ本当に動くのか
    現時点で2026年F1レギュレーションは始まったばかりであり、メーカー各社は巨額投資を続けている。特にアウディやホンダは、新世代パワーユニット計画を前提にF1参戦を決断しており、短期間での方向転換は簡単ではない。

    一方で、FIAとFOM内部では「現在のパワーユニットは複雑すぎる」「コストが高すぎる」「車重増加が限界に達している」という危機感が急速に強まっている。

    ビン・スライエムの発言は単なる理想論ではなく、2030年前後を見据えた“次のF1哲学”を示し始めたものと言えそうだ。

  • F1 2027年エンジン変更案は“メルセデス潰し”? 開発現場に混乱も

    F1 2027年エンジン変更案は“メルセデス潰し”? 開発現場に混乱も

    FIA(国際自動車連盟)が進める2027年F1パワーユニット規則の見直しについて、元Wシリーズドライバーで現在はSky Sports F1の解説者を務めるナオミ・シフが「メルセデスを罰することになるかもしれない」との見解を示した。

    現在検討されている案では、2026年に導入される新世代PUの“電動50%:内燃50%”という構成から、2027年には“内燃60%:電動40%”へ移行する方向で議論が進められている。

    FIAは電動出力を50kW削減し、その分を内燃エンジン側で補うことで、ドライバーにとって「より自然で直感的なドライビング」を実現したい考えだ。

    ナオミ・シフ「メルセデス時代を潰す可能性もある」
    ナオミ・シフは『Up To Speed』ポッドキャストで、今回の変更案には技術面だけでなく政治的側面も絡んでいると指摘した。

    「この件には本当にいろいろな要素が絡んでいると思います。政治的側面もあります。メルセデスは現在エンジン面で先行していて、自分たちのパフォーマンスにも満足しているはずです」

    「だから、“これは彼らを罰することになるのでは?”と言う人もいます。もしかしたら、またメルセデスの支配時代になるはずだったのかもしれません。でも実際には、多くのことが変わろうとしています」

    シフは特に、現在の電動比率ではバッテリー効率に限界があり、ドライバーのエネルギーマネジメント負担が大きすぎる点を問題視した。

    「現状のバッテリーは十分に効率的ではありません。そのせいでドライバーは延々とマネジメントを強いられています」

    「もし60:40へ変更すれば、バッテリー管理は減ると思います。バッテリーの持続性が改善され、より効率的になるからです」

    燃料タンク変更でシャシー設計にも影響
    一方で、シフはこの変更が単なるPU調整では済まない可能性も警告した。

    内燃機関側の比率が増えれば、当然ながら燃料消費量も増加する。その結果、一部チームではより大容量の燃料タンクが必要になり、シャシー全体の再設計につながる可能性があるという。

    「ただし、それはより多くの燃料を燃やすということでもあります」

    「そして燃料が増えるということは、一部のチームでは新しい燃料タンクが必要になるかもしれません。すべてのチームではありません。どこまで燃料セルを限界まで小型化しているかは分かりませんから」

    「でも新しい燃料タンクが必要になれば、シャシーに劇的な変更が必要になる可能性があります」

    2027年変更案が各チームの開発計画を混乱させる可能性
    シフはさらに、各チームがすでに2027年マシン開発をかなり進めている時期であることにも言及した。

    「チームはすでに来季マシンの設計をかなり進めている段階だと思います」

    「風洞用モデルの製作プロセスに入っているチームもあるはずです。通常、風洞モデルを投入する期限は6月頃になります」

    「となると、今からまた設計をやり直すのか? どうやってスケジュールを維持するのか? という話になります」

    2026年レギュレーションは、アウディやレッドブル・フォード、キャデラックF1など新規・新体制メーカーの参入を前提に長期間かけて策定された経緯がある。それだけに、導入からわずか1年後に大幅な方向転換を行えば、PUメーカー間の勢力図だけでなく、各チームの車体開発スケジュールそのものにも大きな影響を及ぼす可能性がある。

  • アストンマーティンF1スポンサーJCB 水素エンジンで世界最速挑戦

    アストンマーティンF1スポンサーJCB 水素エンジンで世界最速挑戦

    アストンマーティンF1のスポンサーを務める英国メーカーのJCBが、水素燃焼エンジンを搭載した専用車両で陸上速度記録に挑戦する。舞台は米ユタ州のボンネビル・ソルトフラッツで、FIAが公式に記録挑戦を認定する。

    JCBにとっては、2006年にディーゼル車両「ディーゼルマックス」で世界記録を樹立して以来、20年ぶりの記録挑戦となる。今回の新型車「ハイドロマックス」には、JCBが開発した水素内燃エンジン技術が投入される。

    水素エンジンで挑む“次の速度記録”
    JCBのハイドロマックスは全長32フィートの専用車両で、生産ベースのJCB製水素燃焼エンジンを2基搭載する。合計出力は1,600bhpに達し、5年間で1億ポンドを投じて進められてきたJCBの水素プログラムの一環として開発された。

    ステアリングを握るのは、アンディ・グリーン空軍中佐。グリーンは地上で音速の壁を破った唯一の人物であり、2006年8月にはJCBディーゼルマックスを駆り、350.092mphのFIA世界ディーゼル陸上速度記録を樹立した。この記録はいまも破られていない。

    FIAが認定する歴史的な挑戦
    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、この挑戦を「スピード、技術、革新にとって歴史的な瞬間」と位置づけた。

    「JCBが水素による陸上速度記録挑戦のためにボンネビル・ソルトフラッツへ戻ることは、決定的な章になる。これは空力、エンジニアリングの卓越性、人間の勇気の限界を押し広げる試みであり、野心と革新が結びついたときに何が可能になるかを示すものだ」

    「ブルーバードからスラストSSC、そして新たなJCBハイドロマックスまで、FIAにはこうした歴史的瞬間を認定してきた誇るべき歴史がある。これらの車両は、未来の革新者、科学者、エンジニアに刺激を与える。この水素車両は単に世界記録を破ろうとするだけでなく、高速で持続可能なモビリティの未来そのものを形づくることになる」

    英国でのテストを経てボンネビルへ
    チームはまず英国でテストを開始し、その後、世界有数の陸上速度イベントであるボンネビル・スピードウィークへ向かう。記録挑戦はFIAレギュレーションの下で行われ、正式に認定される世界記録を目指す。

    FIAスポーツ担当副会長のマルコム・ウィルソンも、JCBの復帰が持つ意味を強調した。

    「JCBがボンネビル・ソルトフラッツへ戻ることは、非常にエキサイティングな瞬間だ。同社がディーゼルマックスで成し遂げた過去の成功だけでなく、このプロジェクトが記録挑戦というものが今もエンジニアリングと革新の限界を押し広げ続けられることを示しているからだ」

    JCB会長「これはスピードだけの話ではない」
    JCB会長のアンソニー・バンフォードは、今回の挑戦を英国の技術力を示す機会と位置づけた。

    「英国には速度記録を樹立してきた誇るべき伝統があり、英国企業として、水素を使って新たな記録に挑戦できることをうれしく思う」

    「これは単にスピードだけの話ではない。英国にある世界水準のエンジニアリング人材と、我々の新しい水素エンジンの堅牢性を世界に示すためのものだ」

    アストンマーティンF1のスポンサーでもあるJCBにとって、今回の挑戦はモータースポーツの枠を超えた技術発信の場となる。20年前にディーゼルで築いた記録の歴史を、今度は水素燃焼エンジンで更新できるかが注目される。

  • 2027年F1に“レース短縮案”浮上 60/40新PU構想に深刻な壁

    2027年F1に“レース短縮案”浮上 60/40新PU構想に深刻な壁

    FIA(国際自動車連盟)が2027年F1レギュレーションに向けて推進する“60/40”パワースプリット構想が、新たな現実的問題に直面している。

    現在の2026年規則では、内燃エンジン(ICE)と電力の出力比率は「50対50」が大きな柱となっている。しかし、実走データの分析が進むにつれ、エネルギー不足による“失速問題”や不自然なドライビングが懸念材料となり、FIAとメーカー陣営は早くも方向転換を模索している。

    その結果として浮上したのが、ICE側を強化した“60/40”構成への変更案だ。しかし、The Raceによると、その実現にはシャシー設計、燃料搭載量、ADUO(追加設計・アップグレード機会)制度など、多数の障害が存在しているという。

    FIAとメーカーは“原則合意” しかし詳細は未定
    今回、FIAと各メーカーが合意したのは、あくまで「50/50構造を見直す」という方向性に過ぎない。

    具体的には、燃料流量を増加させることでICE出力を50kW引き上げる一方、電力側のデプロイメントを50kW削減する案が検討されている。

    さらに議論の対象には以下も含まれている。

    ■ エネルギー回生上限の引き上げ(現行350kW以上)

    ■ バッテリー容量拡大(4MJ→5MJ案)

    FIAとしては「より自然な速度プロファイル」を取り戻し、予選やレースで発生する極端なエネルギー不足状態を解消したい考えだ。

    最大の問題は“燃料タンク”だった
    しかし、燃料流量を増やすということは、その分だけ燃料消費量も増えることを意味する。

    通常なら翌年用シャシーで燃料タンクを大型化すれば済む話だが、2027年には特殊事情が存在する。

    2026年の完全新規レギュレーション導入によって、各チームはすでに莫大な開発費を投じており、コストキャップ下では2027年の出費抑制を望む声が強い。

    The Raceによると、複数チーム――場合によってはグリッドの半数近く――が「2026年型シャシーを2027年も継続使用する」ことを検討していたという。

    しかし、燃料タンク大型化が必要になれば、その構想は成立しなくなる。

    “レース距離短縮”という衝撃案
    その結果として、現在3つの解決策が浮上している。

    1つ目は、FIAがコストキャップ特例を認め、新型シャシー開発を許可する方法。

    2つ目が、最も議論を呼びそうな“レース距離短縮案”だ。

    報道では、50kW増加を実現するには燃料流量を約10%増やす必要があるとされており、その場合、燃料消費量を合わせるために「レース距離を約10%短縮する必要がある可能性」が指摘されている。

    現在のF1は305km前後が標準距離となっているため、実施されれば約30kmの短縮になる計算だ。

    これはF1の伝統そのものに関わる問題であり、ファンやチームの反発も予想される。

    予選だけ“60/40化”する折衷案も
    もう1つの現実的選択肢として浮上しているのが、“予選のみ燃料流量アップ”という案だ。

    土曜日だけICE出力を強化し、日曜日の決勝では現行水準へ戻すことで、燃料消費問題を回避する構想である。

    これにより、予選で問題視されている“エネルギー不足による失速”を改善しつつ、レース距離や燃料タンク設計への影響を最小限に抑えられる。

    FIA内部では、この案を2028年完全移行への“橋渡し”として活用する可能性も検討されているという。

    ホンダ救済措置との衝突
    さらに複雑なのが、ADUO制度との整合性だ。

    ADUOは、性能で出遅れたPUメーカーに追加開発時間や予算を与える“救済制度”であり、現在ホンダが最大恩恵を受ける立場にある。

    しかし、燃料流量増加によってPU設計そのものが再構築される場合、既存のADUO優遇を維持すれば、一部メーカーだけが“再設計済みPU”をより長く開発できる不公平状態が生まれる。

    そのため、一部メーカーからは「2027年開始時点でADUOを完全リセットすべき」という声も出始めている。

    ただし、それを実施すれば、振動問題や信頼性不足に苦しむホンダにとっては極めて厳しい状況になる。

    FIAが会合後の声明で「原則合意(in principle)」という慎重な表現に留めた背景には、こうした政治的対立の深さがある。

    今後、詳細技術会議が本格化することで、“60/40化”が本当に2027年から実施可能なのか、その現実性が問われることになる。

  • デンマークF1開催構想が再始動 約790億円サーキット計画

    デンマークF1開催構想が再始動 約790億円サーキット計画

    デンマークで、再びF1開催構想が動き出した。

    かつて頓挫したコペンハーゲン市街地レース計画に代わり、今度は南ユトランド地方パドボーに新サーキットを建設する「Circuit of Denmark」プロジェクトが浮上。製薬大手ノボ・ノルディスク創業家の資金支援を背景に、総額5億ドル(約790億円)規模とも報じられる大型計画だ。

    F1開催を最終目標に掲げる一方で、関係者からは“立地問題”や“国家レベルの規制”を懸念する声も上がっている。

    頓挫したコペンハーゲン計画から6年
    2020年には、デンマーク首都コペンハーゲンでのF1市街地レース構想が大きく報じられた。当時はFIAの支援もあり、著名サーキットデザイナーのヘルマン・ティルケもレイアウト案を承認していた。

    しかし、政治的支援を失ったことで計画は崩壊。元デンマーク閣僚ヘルゲ・サンダーが主導していたプロジェクトは、実現目前で消滅した。

    今回浮上した「Circuit of Denmark」は、その失敗とは異なるアプローチを取る。

    舞台となるのは、ドイツ国境に近いパドボー。元F1ドライバーのアレックス・ブルツが設計を担当する近代的サーキット建設構想であり、将来的なF1招致を視野に入れている。

    英『Ekstra Bladet』紙は、「すべてが順調に進めば、数年以内にパドボーでF1開催の可能性がある」と報じている。

    “北欧に足りないもの”を埋める計画
    現時点では、計画はまだ初期段階にある。ただし、すでに政治家へのプレゼンテーションは行われているという。

    プロジェクトディレクターのレベッカ・スティーラは、デンマークサッカー協会やFCコペンハーゲンでの経歴を持つ人物だ。

    「北欧に欠けているのは、ヨーロッパ全体を引き寄せる国際的な推進力です」

    「我々には、国内の莫大な才能を解き放つ“モータースポーツの本拠地”がありません」

    「私たちは、その空白を埋めようとしているのです」

    当初のサーキット仕様はF1開催基準(ホモロゲーション)を満たさない見通しだが、長期的にはF1開催可能な施設への発展を目指している。

    “市長が前向きでも建設できるとは限らない”
    かつてのF1計画責任者ヘルゲ・サンダーも、新プロジェクトに期待感を示した。

    「この記事を読んだとき、私は小躍りしたよ。実現してほしいと思っている」

    一方で、実現までの困難さも熟知している。

    「ただ、自分の経験から言えば、これは非常に大きなプロジェクトだ。完成までの道のりは長い」

    サンダーは今後、F1側へ直接コンタクトを取り、現時点でどれほど本気の関心があるのか確認する意向も示している。

    さらに彼は、サーキット建設には自治体だけでなく国家レベルの厳しい規制が存在すると警告した。

    「完全新設なのか、既存アスファルトを利用するのかで、まったく別のプロジェクトになる」

    「モータースポーツ施設には、自治体だけでなく国からの厳しい制限も存在する」

    「市長がどれだけ前向きでも、どこにでも建てられるわけではない」

    F1が求める“デスティネーション都市”とのズレ
    現在のF1は、単なるレース開催地ではなく、“都市型エンターテインメント”としての価値を重視している。

    ラスベガス、マイアミ、シンガポールのように、観光・ナイトライフ・高級ホスピタリティを組み合わせた「デスティネーション都市戦略」が近年のF1拡大路線の中心だ。

    その視点で見ると、パドボーという立地には疑問符も残る。

    サンダーも、「世界最高の場所とは言えないかもしれない」と認めている。

    「願わくば、“良い話だけ”で終わらないことを祈っている」

  • FIA会長「我々にファンは必要ない」発言が波紋 F1統治を巡る緊張が再燃

    FIA会長「我々にファンは必要ない」発言が波紋 F1統治を巡る緊張が再燃

    FIA(国際自動車連盟)のモハメド・ビン・スライエム会長が、批判の高まりにも動じない姿勢を鮮明にした。

    統治問題や政治的対立、F1関係者との摩擦などを巡って就任以来たびたび物議を醸してきたビン・スライエムだが、米Forbesのインタビューでは「我々にファンは必要ない」と語り、FIAの役割は人気取りではなく公平性にあると主張した。

    「FIAはF1だけではない」
    モハメド・ビン・スライエムは、FIAが単なるF1統括団体ではなく、世界規模のモータースポーツ連盟であることを強調した。

    「人々はFIAを理解していない」とビン・スライエムは語った。

    「FIAは連盟だ。149か国に245のメンバーがいる。FIAはF1だけではない」

    さらに、F1は数ある選手権のひとつに過ぎないと説明した。

    「F1はFIAの下にある世界選手権だ」

    「我々にはカートがあり、ラリーがあり、クロスカントリーがあり、GTがあり、フォーミュラEがある。本当に多くの選手権を運営している」

    「我々に必要なのは人気ではなく敬意」
    ビン・スライエムは、FIAの使命は“公平性”であり、その結果として不人気になることは避けられないとの考えを示した。

    「我々の使命は何か? すべての人に対して公平であり、このスポーツにとって最善を尽くすことだ」

    「私は決してファンを得られないだろう」

    その理由として、スチュワードの裁定に対する反発を挙げた。

    「我々のレフェリーであるスチュワードが、ドライバーのミスに対して5秒ペナルティを科せば、人々は怒る」

    そのうえで、FIAにとって人気は重要ではないと断言した。

    「我々はファンを得るために存在しているわけではない。我々はすべての人に公平であるために存在している」

    「我々に必要なのはファンではない」

    「必要なのは敬意だ。公平性と透明性が必要なんだ」

    F1との力関係にも言及
    ビン・スライエムは、リバティ・メディアや各F1チームとの間で続く権限争いについても、FIAの優位性を強調した。

    「F1からFIAがなくなれば、F1そのものが消える」

    「とても単純な話だ。FIAがなければF1は存在しない」

    さらに、商業権保有者やチーム、会長職は移り変わっていく存在だと語った。

    「プロモーターは変わる可能性がある。チームは現れては消え、ドライバーも同じだ」

    「会長も入れ替わる。しかしFIAは常に存在し続ける」

    「私を排除してもF1は残る。しかしFIAを取り除けばF1は存在できない。それだけ単純なことだ」

    FIA(国際自動車連盟)

    統治姿勢への反発は今後も続く可能性
    モハメド・ビン・スライエムは再選を果たした一方で、近年のFIAはチームやドライバー、さらにはファンとの関係悪化がたびたび指摘されている。

    特にペナルティ運用や政治的発言、F1商業側との主導権争いは2026年に入っても火種となっており、今回の「ファンは必要ない」という発言は、FIAの統治姿勢を象徴するコメントとしてさらに議論を呼びそうだ。

  • FIA、F1エンジン救済制度をカナダGP後に適用 ホンダに追加開発の可能性

    FIA、F1エンジン救済制度をカナダGP後に適用 ホンダに追加開発の可能性

    2026年F1シーズンで導入された新パワーユニット規則をめぐり、FIA(国際自動車連盟)はパフォーマンスで遅れを取るメーカーを対象とした追加開発制度「ADUO(追加開発・アップグレード機会)」の適用時期を明らかにした。

    当初はマイアミGP以降に発動する予定だったが、バーレーンGPとサウジアラビアGPの中止によって評価期間が再編され、最初の判定はF1カナダGP終了後に行われることになった。

    最初の評価期間は5戦に短縮
    FIAは声明で、2026年F1技術規則の付録C5第4.2条に基づき、シーズンを3つの期間に分けて内燃エンジンの性能を分析すると説明した。

    「これら3つの期間は、それぞれ第1〜6戦、第7〜12戦、第13〜18戦を対象とする。しかし、オーストラリア、中国、日本、バーレーン、サウジアラビア、マイアミの各グランプリを含む最初の期間は、中東で続く情勢によって混乱した」

    「そのため、最初の期間は調整され、現在はシーズン最初の5戦(オーストラリア、中国、日本、マイアミ、カナダ)で構成される。結果はカナダGP後、遅くとも2週間以内に通知される」

    これにより、ADUOの最初の対象メーカーはカナダGP後に確定する。対象となったパワーユニットメーカーには、通常のコストキャップやテスト制限を超えた追加開発枠が認められる。

    ホンダF1が対象候補、アウディとフェラーリも可能性
    ADUOは、最も性能の高いエンジンに対して性能指数が2%以上、4%未満劣っているメーカーを対象とする制度だ。

    2026年F1では新たな50対50のハイブリッド・パワーユニットが導入され、メーカー間の性能差が顕在化している。メルセデスが性能と信頼性の両面で好調な一方、ホンダは開幕から苦戦しており、ADUOの対象となる可能性が高いとみられている。

    さらに、フェラーリや新規参入のアウディも、最初のADUOリストに含まれる可能性がある。

    FIAは今後の評価期間についても説明している。

    「第2期間は第6〜11戦(モナコからハンガリー)、第3期間は第12戦(オランダ)から第18戦(メキシコシティ)までを対象とする」

    「結果が通知されると、ADUO対象のパワーユニットメーカーには、認められる開発枠の詳細が個別に通知される」

    「対象メーカーは、早ければ次戦からアップグレードを投入できる」

    救済ではなく競争均衡を保つための開発枠
    ADUOは単なる救済措置ではなく、2026年F1の新パワーユニット規則で生じたメーカー間格差を一定範囲に収めるための制度だ。

    ただし、対象となるには明確な性能基準があり、最下位メーカーに無制限の開発を認めるものではない。あくまで、最良のパワーユニットに対して一定以上の遅れが確認された場合に限り、追加開発の機会を与える仕組みとなる。

    ホンダにとっては、アストンマーティンとの2026年F1プロジェクトを立て直すうえで重要な機会となる。一方で、ADUOが認められたとしても、その効果が即座にパフォーマンスへ反映されるとは限らない。追加開発枠をどの領域に使い、どのタイミングで実戦投入できるかが、シーズン中盤以降の競争力を左右することになる。

  • アルピーヌF1チーム 元FIA空力責任者ジェイソン・サマービルを獲得

    アルピーヌF1チーム 元FIA空力責任者ジェイソン・サマービルを獲得

    アルピーヌF1チームは5月15日、FIA(国際自動車連盟)で空力部門責任者を務めていたジェイソン・サマービルを副テクニカルディレクターとして迎え入れることを発表した。新設されたポジションで、デビッド・サンチェス(エグゼクティブ・テクニカルディレクター)の直属となる。

    サマービルは1999年にウィリアムズでF1キャリアをスタートし、2003年にトヨタF1へ加入。空力部門でキャリアを積み、最終的には副責任者を務めた。その後、2010年から2011年にかけてエンストンのチームに在籍しており、今回が古巣復帰となる。

    その後はウィリアムズで空力部門を率いたほか、フォーミュラワン・マネジメント(FOM)では2022年F1レギュレーション策定にも関与。2022年からはFIAで空力部門責任者として、複数のレギュレーションサイクルを監督していた。

    今回の副テクニカルディレクター職は、アルピーヌの設計・空力グループをさらに強化する目的で新設されたものだという。RacingNews365によると、サマービルは今週前半にFIAでの職務を終えており、以前からアルピーヌ加入が報じられていた。

    アルピーヌは2026年シーズン序盤で競争力を示しており、開幕4戦終了時点でコンストラクターズ選手権5位の23ポイントを獲得。これは2025年シーズン通算ポイントをすでに上回る数字となっている。

    チームは昨夏以降、主要人材の補強を進めており、フラビオ・ブリアトーレとスティーブ・ニールセン体制のもとで技術組織の強化を加速させている。サマービルの加入によって、現行マシンだけでなく将来コンセプトの開発もさらに推し進める狙いだ。

    ジェイソン・サマービルは次のように語った。

    「エンストンに戻り、フラビオ、スティーブ、そしてデビッドとこの新しい役職で働けることを本当に楽しみにしている」

    「ここ数年はチーム環境での競争の最前線から離れていたので、再びその渦中に戻り、コンマ数秒を追い求め、ライバルとポイントやトロフィーを争えることに大きなやりがいを感じている」

    「ファクトリーの優秀なエンジニア、デザイナー、空力担当者たちと仕事を始め、近い将来のチーム成功に貢献できることを願っている」

    ジェイソン・サマービルとデビッド・サンチェス(アルピーヌF1チーム)

    サンチェスもサマービル加入を歓迎した。

    「ジェイソンのような経験と実績を持つ人物を迎えられることを非常に嬉しく思っている。我々は継続的な前進を続けている」

    「今季ここまでのチームの仕事は素晴らしいものだったが、これはまだ始まりに過ぎない。誰ひとり現状に満足してはいない。ジェイソンが加わることで、現在のF1開発競争の中でさらにパフォーマンスを引き上げることができるだろう」

    アルピーヌF1は“技術組織の再構築”を加速
    2026年F1シーズンのアルピーヌは、単なるパフォーマンス向上だけでなく、組織そのものの強化に力を注いでいる。昨年からデビッド・サンチェスやスティーブ・ニールセンらを招へいしてきた流れに続き、今回のサマービル加入によって空力部門の体制はさらに厚みを増すことになる。

    特に2026年F1レギュレーションをFOMやFIA側で経験してきたサマービルの知識は、現行マシン開発だけでなく、中長期的な技術戦略においても大きな武器となりそうだ。現在コンストラクターズ5位につけるアルピーヌは、勢いを一時的なものに終わらせず、本格的な上位争いへの足場固めを進めている。

  • ザク・ブラウン FIA会長に書簡 “レッドブルF1の2チーム体制”に異議

    ザク・ブラウン FIA会長に書簡 “レッドブルF1の2チーム体制”に異議

    マクラーレンのCEOを務めるザク・ブラウンが、FIA会長モハメド・ビン・スライエムに対し、F1における“複数チーム所有”の規制強化を求める書簡を送っていたことが明らかになった。

    現在、レッドブル社はレッドブルとレーシングブルズの2チームを所有しており、ブラウンは以前からこの体制について「スポーツの公正性を損なうリスクが高い」と批判を続けてきた。RacingNews365が確認した書簡では、近年の具体例を挙げながら、現行ルールへの問題提起を行っている。

    “チーム間連携”を問題視したシンガポールGP
    ブラウンが特に問題視したのは、2024年F1シンガポールGPでの出来事だ。

    当時レーシングブルズに所属していたダニエル・リカルドは、レース最終盤にファステストラップ狙いのピットストップを実施。その結果、マクラーレンのランド・ノリスからボーナスポイントを奪う形となり、タイトル争いを展開していたマックス・フェルスタッペンに有利な状況を生み出した。

    結果としてフェルスタッペンは、残りレースでノリスに次ぐ順位でもタイトル獲得が可能な条件を維持することになり、ブラウンはこの件を“系列チームによる競技介入”の象徴例として挙げた。

    マイアミGPのローソン指示も槍玉に
    ブラウンはさらに、先日のF1マイアミGPで発生したレーシングブルズの対応についても言及した。

    レース序盤、ターン2で360度スピンを喫したマックス・フェルスタッペンは順位を落としたが、その後リアム・ローソンとの争いの中でコース外へ押し出したように見える場面があった。

    その後、レーシングブルズはローソンに対してフェルスタッペンへポジションを返すよう指示。ブラウンは、この対応が結果的にレッドブル側を利するものだったとして、競技の独立性に疑問を投げかけている。

    ローレン・メキース移籍問題も指摘
    書簡では、人材移動の扱いについても問題視された。

    2025年7月、レーシングブルズ代表だったローラン・メキースは、解任されたクリスチャン・ホーナーの後任として即座にレッドブルへ昇格。当時、一般的に適用される“ガーデニング休暇”は課されなかった。

    ブラウンはこれに対し、マクラーレンがレッドブルからロブ・マーシャルを引き抜いた際には、9か月のガーデニング休暇と高額補償が必要だったと比較。さらに、レーシングブルズからアンドレア・ランディがレッドブル入りした件も挙げ、「本当に独立した競争相手同士で許容されるレベルのファイアウォールが機能しているとは思えない」と主張した。

    また、風洞利用やソフトウェア開発などにおいても、複数チーム所有による潜在的な優位性が存在する可能性があると指摘している。

    FIA会長も“2チーム所有”に疑問
    こうした問題提起に対し、FIA会長モハメド・ビン・スライエムも、F1マイアミGPでRacingNews365などに対して見解を示していた。

    「2チーム所有については、その理由が正しいものである限り問題ないとも言える。だが、“正しい理由”とは何か?」

    「他チームに買われたくないから保有する、あるいはレギュレーション投票で影響力を得るためという理由であれば問題だ」

    「個人的には、2チーム所有は正しい形ではないと思っている。ただ非常に複雑な問題なので、現在FIA内部で調査を進めている。可能なのか? 許されるべきなのか? 本当に正しいのか? を検討している」

    ブラウンは書簡の中で、FIAとのさらなる協議にも前向きな姿勢を示している。

    “レッドブルモデル”への包囲網は強まるのか
    これまでF1では、レッドブルとレーシングブルズの関係性についてたびたび議論が巻き起こってきた。

    特に2026年F1シーズンは、新レギュレーションやPU勢力図の変化により、チーム間協力や技術共有への視線がこれまで以上に厳しくなる可能性がある。ザク・ブラウンの書簡は、単なる政治的牽制ではなく、F1全体の競技構造そのものに一石を投じる動きとなりそうだ。