カテゴリー: FIA F3

  • ウィリアムズF1育成の中村紀庵ベルタ 2027年FIA F3昇格 トライデントから参戦

    ウィリアムズF1育成の中村紀庵ベルタ 2027年FIA F3昇格 トライデントから参戦

    ウィリアムズ・ドライバー・アカデミーに所属する中村紀庵ベルタが、2027年にFIA F3へステップアップし、トライデント・モータースポーツから参戦することが決定した。

    18歳の中村紀庵ベルタは、2026年のフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権(FREC)で3勝を含む8度の表彰台を獲得し、ランキング3位でシーズンを終えた。その実績を評価され、ウィリアムズの育成プログラムから引き続き支援を受けながら、次のステップとなるFIA F3に挑む。

    F4王者からFRECを経てFIA F3へ
    日本とスロバキアにルーツを持つ中村紀庵ベルタは、2023年にF4東南アジア選手権でシングルシーターデビューを果たした。

    2024年にはF4 UAE選手権でランキング2位を獲得。そして2025年には飛躍のシーズンを迎え、F4選手権とイタリアF4で立て続けにタイトルを獲得した。

    2026年はフォーミュラ・リージョナルへとカテゴリーを上げ、フォーミュラ・リージョナル・ミドルイースト・トロフィーを制覇。さらにFRECでは3勝を挙げ、合計8回の表彰台を記録してランキング3位に入った。

    その結果、2027年はトライデントからFIA F3に参戦することになった。

    トライデントは若手育成で高い実績を持ち、2025年のFIA F3王者ラファエル・カマラやランキング2位のフレディ・スレーターも、FRECから同チームを経てF3へステップアップしている。中村紀庵ベルタも同じルートをたどることになる。

    中村紀庵ベルタ FIA F3選手権

    「F3デビューに向けて大きな自信になる」
    中村紀庵ベルタは、ウィリアムズの支援を受けながらFIA F3へ昇格できることへの喜びを語った。

    「ウィリアムズのプログラムから引き続きサポートを受けながら、F3へステップアップできることをうれしく思います」

    「FRECで力強いシーズンを終え、F3でこれほど競争力のあるチームに加入する機会を得られたことは、来年のF3デビューに向けて大きな自信になります。ここまで来るために力を貸してくださったすべての皆さんに心から感謝しています」

    ウィリアムズ「次世代に機会を生み出している証」
    ウィリアムズのスポーティングディレクターを務めるスヴェン・スメーツも、アカデミー所属ドライバーの新たな昇格を歓迎した。

    「キーンがルーキーシーズンに向けてトライデント・モータースポーツからF3へステップアップする姿を見ることができるのは、我々にとって誇らしい瞬間だ」

    スメーツは今回の昇格について、ウィリアムズのドライバー育成プログラムが「次世代の才能あるドライバーに機会を生み出している」ことを示すものだと評価している。

    ウィリアムズ育成で次のステップへ
    ウィリアムズはF1チームの将来を見据え、アカデミーを通じて若手ドライバーの発掘と育成を進めている。中村紀庵ベルタにとって、FIA F3への昇格はその育成過程における重要な一歩となる。

    F4でタイトルを獲得し、フォーミュラ・リージョナルでも結果を残してきた18歳は、2027年からF1への登竜門のひとつであるFIA F3に舞台を移す。

    ラファエル・カマラやフレディ・スレーターも歩んだFRECからトライデントへのルートを経て、中村紀庵ベルタがFIA F3でどのような結果を残すかが注目される。

  • ウーゴ・ウゴチュクウ FIA F3王座獲得「これが今年最大の目標だった」

    ウーゴ・ウゴチュクウ FIA F3王座獲得「これが今年最大の目標だった」

    ウーゴ・ウゴチュクウが、2026年FIA F3ドライバーズチャンピオンに輝いた。マドリンクで行われた最終戦でフレディ・スレーターとの直接対決を制し、キャリア最大の目標だったタイトルを手にした。

    カンポス・レーシングにとってもFIA F3初のドライバーズタイトルとなった。19歳のウゴチュクウは、年初のフォーミュラ・リージョナル・オセアニア選手権に続いて2026年2冠を達成。「キャリアの中でも最高のシーズンのひとつ」と振り返った。

    最終レースを同点で迎えたスレーターとの王座決戦
    ウゴチュクウは日曜日のフィーチャーレース2を、スレーターと同ポイントで迎えた。最後の一戦でウゴチュクウは2位、スレーターは8位となり、タイトル争いに決着がついた。

    「本当にうれしい。もちろん、これがシーズン開幕時からの最大の目標だった。チャンピオンシップを獲得することだった」

    「予選を終えた時点で、自分たちがやるべき仕事、最大の仕事はできたと分かっていた。昨日と今日は、それをきちんと実行して、ポイントを獲得して、最後まで持ち帰るだけだった」

    最終戦特有のプレッシャーもあった。

    「多少のプレッシャーはあった。それは当然だと思う。この最終週末はフィーチャーレースが2つあったから、間違いなくチャンピオンシップで最も重要な週末だった」

    「予選では仕事をやり遂げなければならないというプレッシャーがあったけど、その中でもうまく走れたと思う。リスクとリターンのバランスを適切に取って、ミスもしなかった。最終的に今日は、その良い予選結果を生かすことができた」

    「今日はチャンピオンになるために何をすればいいか分かっていた。だから、自分の手の中にあった。クリーンに走って、後ろのマシンを抑えて、そのままフィニッシュまで持っていくだけだった」

    モンツァから15ポイント差まで挽回
    タイトル争いの流れを大きく変えたのが、その前戦モンツァだった。

    ウゴチュクウは日曜日のフィーチャーレースを後方からスタートした一方、スレーターはポールポジションから出走。しかし、スレーターがリタイアし、ウゴチュクウはポイント圏まで挽回。マドリードには15ポイント差で乗り込むことができた。

    「この週末を迎えるにあたって、15ポイント差まで縮められたのはかなり幸運だったと思う」

    「15ポイントはまだそれなりの差だけど、ライバルに少しプレッシャーをかけるには十分だと分かっていた。最終的に、この最後の週末を完璧にまとめ、しっかり実行できた。それがチャンピオンシップにつながった」

    スレーターとの一騎打ち「最後に同点なんてクレイジー」
    ウゴチュクウとスレーターのタイトル争いはシーズンを通じて続いた。両者は年初にニュージーランドで行われたフォーミュラ・リージョナル・オセアニア選手権でもタイトルを争い、そこでもウゴチュクウが頂点に立っている。

    「一年を通して素晴らしい戦いだったし、本当に楽しめた。シーズン序盤のテストや第1戦の時点から、最後には僕たち2人がチャンピオンシップを争うことになるかもしれないと思っていた」

    「でも、最終レースを同ポイントで迎えるほど最後の最後までもつれるなんて、かなりクレイジーだった。だから、やり遂げてタイトルを獲得し、トップに立てたことが本当にうれしい」

    ウーゴ・ウゴチュクウ FIA フォーミュラ3選手権

    王者会見「P2で十分だと分かっていた」
    タイトル獲得後のFIA公式記者会見でも、ウゴチュクウは最終レースで冷静さを保つことを最優先していたと説明した。

    Q:フレディ・スレーターとの非常に僅差のタイトル争いでマドリードを迎えました。どのような気持ちでしたか?

    ウーゴ・ウゴチュクウ:「最終レースを同ポイントで迎えるとは思っていなかったけど、それによってすごくエキサイティングになった。この週末はずっと良い仕事ができたと思う。予選で良い位置につけて、レースでも良いポジションにいた。だから今日は、自分たちの仕事をきちんと遂行するだけだった」

    「2位は悪い結果ではなかった。タイヤをマネジメントしようとしていただけだ。それでチャンピオンになれると分かっていたから、とにかく最後まで持っていくことだけを考えていた」

    Q:今季は2勝、7回の表彰台を獲得しました。特に印象に残っている瞬間はありますか?

    ウーゴ・ウゴチュクウ:「いくつかある。第1戦メルボルンは間違いなく特別だった。F3での初勝利だったし、チャンピオンシップを争えると分かって、その後もプッシュし続けるための大きな自信になった」

    「モンツァも重要だった。そこから挽回して何ポイントか獲得できた。15ポイント差だけでこの週末を迎えられたのは幸運だったし、それによってプレッシャーをかけて攻めることができ、最終的にチャンピオンシップを獲得できた」

    苦しいルーキーイヤーから大きく成長
    2025年のルーキーシーズンを経てF3参戦2年目を迎えたウゴチュクウは、自身の成長がタイトルという結果につながったと語った。

    Q:厳しいルーキーイヤーを経て2年目を戦いました。どれほど成長したと感じていますか?

    ウーゴ・ウゴチュクウ:「すごくうれしい。全体として、ドライバーとして成長し、進化できたと思う。これからの数年間も、さらに良いパフォーマンスを発揮し続けることが目標だ」

    「このタイトルは、その成長を証明するものでもある。チームと一緒に積み重ねてきた仕事を本当にうれしく思っている。昨日はチームズチャンピオンシップを決めて、今日はドライバーズタイトルも獲得できた。僕たちにとって、ほぼ完璧なシーズンだった」

    カンポス・レーシング初のFIA F3王者
    カンポス・レーシングにとって、ウゴチュクウはFIA F3で初めて誕生したドライバーズチャンピオンとなった。

    Q:カンポス・レーシング初のFIA F3チャンピオンになったことには、どのような意味がありますか?

    ウーゴ・ウゴチュクウ:「本当に特別だ。チーム全員がとても喜んでいる。シーズン開幕時の僕たちの目標はチャンピオンシップを争うことだった。そして実際にそれをやり、トップに立つことができた」

    「一人ひとりのハードワークには感謝してもしきれない。シーズンが始まる前から一緒にうまく仕事をしてきて、それが結果につながったと思う。チャンピオンシップを良い形でスタートすることはいつだって重要だし、この週末は良い形でシーズンを締めくくることもできた。カンポスに初めてのタイトルをもたらせて本当にうれしい」

    次のステップはF2「F1への論理的な道」
    FIA F3王者となったウゴチュクウにとって、次に見据えるカテゴリーはFIA F2となる。

    Q:FIA F3チャンピオンとして、次は何を目指しますか?

    ウーゴ・ウゴチュクウ:「これから分かると思う。もちろんF2は、誰もが夢見るF1へ向かう階段の中で、次の論理的なステップだ」

    「今はこのタイトル、このチャンピオンシップを楽しんでいる。2026年全体が僕にとって本当に良い一年だった。2つのチャンピオンシップを獲得できたし、2027年に何が待っているのか楽しみにしている」

    2026年に2つのタイトルを手にし、FIA F3ではカンポス・レーシングに初のドライバーズ王座をもたらしたウゴチュクウ。本人が「本当に、本当に獲りたかった」と語るタイトルは、F1を目指すキャリアにおける大きな一歩となった。

  • ウーゴ・ウゴチュクウ F3王座獲得 最終戦マドリンクでスレーターとの激戦制す

    ウーゴ・ウゴチュクウ F3王座獲得 最終戦マドリンクでスレーターとの激戦制す

    ウーゴ・ウゴチュクウが、2026年FIA F3選手権のドライバーズタイトルを獲得した。マドリンクで行われた最終ラウンドでフレディ・スレーターとのタイトル争いを逆転で制し、F3王者に輝いた。

    最終ラウンドをランキング2位で迎えたウゴチュクウは、首位スレーターに15ポイント差をつけられていた。しかし、今大会はフィーチャーレースが追加されたことで通常より多くのポイント獲得機会があり、タイトル争いはシーズン最終レースまでもつれ込んだ。

    スレーターが失速 ウゴチュクウが15点差を逆転
    アウディF1のジュニアドライバーであるスレーターにとって、マドリードでの週末は厳しいスタートとなった。予選で苦戦して後方グリッドに沈み、最初の2レースではポイントを獲得できなかった。

    最初のフィーチャーレースでは、ポイント圏外を走行していたスレーターがスピンしてウォールにクラッシュ。一方、ウゴチュクウは最初の2レースを8位、4位で終え、シーズン最終レースを前にスレーターと同ポイントまで追いついた。

    タイトル決定戦ではウゴチュクウが2番グリッド、スレーターが8番グリッドからスタート。オーバーテイクが非常に難しいマドリンクでは、このグリッド差が大きな意味を持った。

    スレーターは順位を大きく上げることができず8位でフィニッシュ。一方のウゴチュクウは2位をキープし、タイトル獲得へ大きく前進した。

    最終周セーフティカー再スタートを耐えて王座
    それでも最後まで緊張感は途切れなかった。最終周にセーフティカーからの再スタートが行われ、2番手を走るウゴチュクウには大きなプレッシャーがかかった。

    しかし、ウゴチュクウはポジションを守り切って2位でチェッカーフラッグ。スレーターに14ポイント差をつけ、2026年FIA F3選手権のチャンピオンを決めた。

    ウゴチュクウは、かつてマクラーレンの育成プログラムに所属していたアメリカ人ドライバー。今回のタイトル獲得によって、オスカー・ピアストリやガブリエル・ボルトレトらに続き、F3王者の歴代リストにその名を刻むことになった。

    ウーゴ・ウゴチュクウ FIA フォーミュラ3選手権

  • 加藤大翔 F3マドリード予選1で初ポール獲得 予選2はタッポネンが最速

    加藤大翔 F3マドリード予選1で初ポール獲得 予選2はタッポネンが最速

    FIA F3第11戦マドリードの予選が9月11日(金)にマドリンクで行われ、ARTグランプリの加藤大翔が予選1でトップタイムを記録。FIA F3参戦初のポールポジションを獲得した。

    初開催となるマドリンクでは予選が2セッションに分けて実施され、予選1がフィーチャーレース1、予選2がフィーチャーレース2のグリッドを決定。予選2ではMPモータースポーツのトゥッカ・タッポネンが最速タイムを記録した。

    予選1:加藤大翔が0.012秒差でF3初ポール
    予選1では加藤大翔が最初にタイムを記録し、1分51秒127でトップに立った。アレックス・パウエルが0.161秒差の2番手につけ、序盤から加藤が速さを見せた。

    一方、トライデント勢にはトラブルが発生。ノア・ストロムステッドはウォームアップラップでリー海夏澄(Kanato Le)と接触してサイドポッドが外れ、タイトルリーダーのフレディ・スレーターもマシンの問題を無線で訴えた。

    2回目のアタックで加藤は1分50秒639までタイムを短縮。中村仁が0.218秒差の2番手に入り、日本人ドライバーが一時1-2を形成した。

    しかし、ロダン・モータースポーツのペドロ・クレロが1分50秒547を記録してトップへ浮上。タイトルを争うスレーターは11番手にとどまり、引き続きマシンの問題を訴えていた。

    トライデントはスレーターをピットへ戻して新品ハードタイヤを投入。その間にも加藤はアタックを続け、1分50秒535を叩き出してクレロをわずか0.012秒上回った。

    終盤にはブランド・バドエルがバリアにヒットし、左リアサスペンションを損傷。ロダンは予選2までの短いインターバルで修復を迫られた。

    加藤は最後のアタックでは自己ベストを更新できなかったものの、ライバル勢もタイムを上回れず、そのままトップを確保。FIA F3で自身初となるポールポジションを手にした。

    2番手はクレロ、3番手タッポネン、4番手ウーゴ・ウゴチュク、5番手エンツォ・デリニー。中村仁も6番手と好位置につけた。

    12番手にはジェームス・ウォートンが入り、リバースグリッドが適用される土曜日のスプリントではポールポジションからスタートする。一方、スレーターはターン1でロックアップするなど苦戦が続き17番手に終わった。

    加藤大翔 予選1ポール

    予選1ポール 加藤大翔「壁にキスすることもあった」
    F3初ポールを獲得した加藤は、予選1後の記者会見でマドリンクを限界まで攻めたアタックを振り返った。

    「最高の気分です。F3で初めてのポールポジションです。モンツァでは素晴らしい週末を過ごせましたし、それに続いて今週末のマドリードでもいい流れで来られています。僕たちはいいマインドセットを持てていると思いますし、予選ではマシンが素晴らしくて、ここで走るのは本当に楽しかったです」

    「マドリードでは壁との距離が本当に近いです。限界までプッシュしていて、ときには壁にキスすることもありました。それがすごくよかったです。最終的にポールポジションを獲得できて、本当にうれしいです」

    ARTグランプリにとっても2024年ハンガリー以来となるF3のポールポジション。加藤はマシン自体にはシーズンを通して速さがあったと説明した。

    「マシンは今年ずっと本当に良かったと思います。ただ、僕自身のミスだったり、トラフィックだったり、少し運がなかったりしました。F3では1周ですべてをまとめるのが本当に難しいです。それに運がなければ、ポールポジションを獲るのは本当に難しいです」

    「だから、ようやくF3でポールポジションを獲得できてうれしいです。チームにも本当に感謝しています。チームのみんなに心からありがとうと言いたいです。マシンは素晴らしかったです」

    初めてF3の予選が行われたマドリンクについては「本当にいいです。走っていて本当に、本当に楽しいです。マシンの中で感じるアドレナリンはすごかったです」と語った。

    予選2:タッポネンが最終アタックでポール
    短いインターバルを挟んで予選2がスタート。マシンの問題に苦しんだスレーターも、トライデントによる作業を経てコースへ復帰した。

    そのスレーターは序盤に1分49秒972を記録してトップに立ち、ウゴチュクに0.5秒以上の差をつけた。

    クレロと、予選1でクラッシュしたバドエルも上位へ進出。修復を終えたバドエルは3番手まで浮上したが、その後、中村仁が2台のロダン勢の間に割って入った。

    2回目のアタックでは加藤が一時トップに浮上。しかし直後にウゴチュクが1分49秒901を記録して加藤を上回った。

    さらにクレロが1分49秒830で首位に立つ一方、スレーターは最速のセクター1を刻みながらターン5への進入でロックアップし、5番手に後退した。

    ウゴチュクは続くアタックで1分49秒771まで更新して再びトップへ。スレーターはアタックを中断してピットへ戻り、クレロが0.069秒差の2番手につけた。

    だが、最後のアタックでタッポネンが1分49秒750をマーク。ウゴチュクを0.021秒上回り、フィーチャーレース2のポールポジションを奪った。

    ウゴチュクは最後のアタックで更新できず2番手。クレロはさらに速いタイムを狙っていたものの、最終コーナーでリアを失ってバリアにクラッシュし、そのままセッション終了となった。

    予選2はタッポネン、ウゴチュク、クレロのトップ3。加藤は4番手につけ、予選1のポールに続いて両セッションで上位に入る力強いパフォーマンスを披露した。

    5番手マッティア・コルナギ、6番手デリニー、7番手アレッサンドロ・ジュスティと続き、スレーターは8番手。イェバン・デイビッドが9番手、エルネスト・リベラが10番手となった。

    タッポネン 予選2 ポール

    予選2ポール タッポネン「最後にいいラップをまとめられた」
    今季2度目のポールポジションを獲得したタッポネンは、予選2後の記者会見で最終アタックを振り返った。

    「いい気分だ。予選1は3番手で、予選2では1番手だった。正直に言えば、ドライビングの感触自体は予選1の方が良かった。でも幸い、予選2ではポールポジションを獲るのに十分だった。日曜日のレースをポールからスタートできるのは本当にうれしい」

    最後のアタックを開始する時点ではトップから約0.1秒差で、順位も5、6番手付近だったという。

    「最後のプッシュを始める前は0.1秒くらい遅れていて、5番手か6番手だった。本当に僅差だった」

    「今週はずっとセクター1で苦戦していたから、そこで失うタイムをできるだけ少なくして、残りのラップをうまくまとめることだけを考えていた。それができた。最後はいいラップだった」

    タイトル争いはウゴチュクが好位置
    2回の予選を終え、タイトル争いではランキング首位のスレーターが予選1で17番手、予選2で8番手と苦戦した一方、ライバルのウゴチュクは予選1で4番手、予選2で2番手を確保した。

    ウゴチュクは「2回ともいい予選ができたのは、まさに僕たちが必要としていたことだ」と振り返り、レースではタイトル争いを意識しながらポイントを最大化することが最優先だと語った。

    加藤は予選1でクレロとの0.012秒差の接戦を制してF3初ポールを獲得し、予選2でも4番手。初開催のマドリンクで2セッションを通じて速さを示した。

    マドリードのF3最初のレースとなるスプリントは9月12日(土)現地時間11時05分にスタートする。

  • ホンダF1育成の加藤大翔 F3初優勝 モンツァのスプリントで9番手から逆転

    ホンダF1育成の加藤大翔 F3初優勝 モンツァのスプリントで9番手から逆転

    ARTグランプリの加藤大翔が、2026年FIA F3第9戦モンツァのスプリントレースで初優勝を飾った。

    9番グリッドからスタートした加藤大翔は、モンツァでライバルを次々と攻略。終盤には選手権リーダーのフレディ・スレーターから激しいプレッシャーを受けたものの、最後まで首位を守り切り、F3参戦初勝利を手にした。

    9番グリッドから鮮やかな追い上げ
    ホンダF1育成の加藤大翔はスタート位置の9番手から着実にポジションを上げていった。高速コースのモンツァでオーバーテイクを重ね、レース終盤にはトップへ浮上した。

    最後の2周では、12番グリッドから追い上げてきたトライデントのフレディ・スレーターが背後に迫った。しかし、加藤大翔はプレッシャーのかかる状況でもミスを犯さず、スレーターを抑え切ってトップでチェッカーを受けた。

    これが加藤大翔にとってFIA F3での記念すべき初優勝となった。

    スレーターは12番手スタートから2位まで挽回。優勝には届かなかったものの、選手権リーダーとしてポイントを積み重ね、日曜日のフィーチャーレースを前にランキング2位との差を17ポイントに広げた。

    ホンダF1育成 加藤大翔 F3初優勝

    山越陽悠も3位で表彰台
    3位にはファン・アメルスフォールト・レーシングの山越陽悠が入り、日本人ドライバー2人が表彰台に立つ結果となった。

    AIXレーシングのイェヴァン・デイビッドは最終ラップでアレッサンドロ・ジュスティをオーバーテイクして4位を獲得。レースの大半で首位を走っていたジュスティは最終的に5位となった。

    6位にはジュスティのMPモータースポーツのチームメイト、マッティア・コルナギが続き、カンポス・レーシングのエルネスト・リベラが7位に入った。

    8位はファン・アメルスフォールト・レーシングのエンツォ・デリニー。DAMSルーカスオイルのニコラ・ラコルテが9位、チームメイトのブルーノ・デル・ピノが10位となり、ポイント圏内を締めくくった。

    りー海夏澄はフィーチャーレースでフロントロー
    日曜日に行われるフィーチャーレースでは、選手権リーダーのスレーターがポールポジションからスタートする。

    その隣の2番グリッドにはARTグランプリのりー海夏澄が並ぶ予定で、日本勢にとってはスプリントレースに続く好結果への期待が高まる。

    モンツァのスプリントレースでは、加藤大翔が9番グリッドから見事な追い上げでF3初優勝を達成し、山越陽悠も3位表彰台を獲得。日本人ドライバーが強烈な存在感を示すレースとなった。

  • ランド・ノリス 若手をF1へ導く新チーム「LN4 Fusion」設立 2027年F3参戦

    ランド・ノリス 若手をF1へ導く新チーム「LN4 Fusion」設立 2027年F3参戦

    ランド・ノリスが、若手ドライバーをF1へと送り出すことを目的とした新レーシングチーム「LN4 Fusion」を共同設立した。2027年からイタリアF4、フォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権、FIA F3への参戦を予定し、将来的なFIA F2進出も目指す。

    チーム代表には、ジュニアカテゴリーの名門プレマで長年チームを率いてきたルネ・ロシンを招聘。さらに、才能ある若手を資金面から支援する「LN4 Legacy Programme」も立ち上げ、レーシングチームと育成プログラムという2つの柱から次世代のF1ドライバーを支援する。

    ノリスが若手育成に本格参入
    LN4 Fusionは、モータースポーツ界で経験を積んだ人材を集めて新たに設立されたチームだ。2027年シーズンにはイタリアF4、FIAフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権、FIA F3に参戦する計画で、すでに英国F4への参戦を視野に入れたテストプログラムも開始している。

    さらに将来的にはFIA F2への参戦を目指しており、すでに参戦申請のプロセスをスタートさせている。

    ノリスは、新プロジェクトについて「次の世代のために、コース上でもコース外でも機会を作りたい。そして、このスポーツで上を目指している若いドライバーたちに、本当の意味で違いを生み出せたらと思っている」と説明した。

    ノリス自身、家族からの支援を受けてジュニアカテゴリーを戦い、その後マクラーレンのサポートを得ながらF1まで到達した。その経験から、速さだけではF1への道を切り開けないことを理解しているという。

    「僕はキャリアを通じて、本当に素晴らしい人たちに恵まれてきた。F1にたどり着くためには、才能だけでは足りないということも分かっている。周囲に適切な人たちがいて、適切なサポートがあり、そして適切なタイミングでチャンスを得る必要がある。この2つのプロジェクトは、まさにそのためのものなんだ」

    ランド・ノリス LN4 Fusion

    元プレマ代表ルネ・ロシンがチーム代表
    LN4 Fusionの競争力を支える中心人物となるのがルネ・ロシンだ。ロシンは、世界有数のジュニアフォーミュラチームとして知られるプレマで長年チーム運営を担い、さまざまなカテゴリーで40以上のタイトル獲得に関わってきた。2026年にプレマを離れた後、その去就が注目されていたが、LN4 Fusionのチーム代表に就任することになった。

    さらに、プレマで長年エンジニアとして活動してきたギヨーム・カピエットも加入する。

    ノリスはチームの狙いについて、「LN4 Fusionでは、ジュニアモータースポーツのトップチームと競えるレーシングチームを作りたい。優秀な人たちを集め、ドライバーが成長できる素晴らしい環境を作ることが目標だ」と語った。

    AIX RacingのF3関連資産を取得
    LN4 Fusionには、ダン・リチャーズが率いる投資グループも参画している。チームはAIX Racingから一部資産を取得しており、その中には2027年末まで有効なFIA F3参戦ライセンスに関連するものも含まれる。新規チームがゼロから参戦枠を確保するのではなく、既存のF3参戦基盤を活用する形でトップジュニアカテゴリーへ進出する。

    欧州の本拠地はイタリア北部ベネト州に置かれ、現在新施設を建設している。一方、英国ではケンブリッジシャーに拠点を構え、これまで国内外のカート選手権で実績を残してきたFusion Motorsportを率いるダン・ヘイズルウッドが運営を担当する。

    LN4 FusionのCEOを務めるリチャーズは、「さまざまな要素をひとつにまとめるために、非常に大きなチームワークが必要だった。しかし、最初からの目標は、正しい方法で組織を作り、長期的に発展させていくことだった」と語った。

    ランド・ノリス フォーミュラ3 LN4 Fusion

    若手を完全支援する「LN4 Legacy Programme」
    ノリスが立ち上げるもうひとつの柱が「LN4 Legacy Programme」だ。これは才能を持ちながら、資金面などの理由で十分なチャンスを得られない若手ドライバーを対象とする完全支援型の育成プログラムで、元アルピーヌのスポーティングディレクターであるジュリアン・ラウズが責任者を務める。

    ノリスは、「LN4 Legacy Programmeは、才能ある若いドライバーに、普通なら得られないかもしれないチャンスを与えるためのものだ」と説明している。

    現在のジュニアフォーミュラでは、ドライバーの能力だけでなく、F4、フォーミュラ・リージョナル、F3、F2とカテゴリーを上がるごとに必要となる多額の参戦資金を確保できるかどうかもキャリアを左右する。自身もジュニア時代から支援を受けてF1まで進んだノリスが、今度は支援する側に回ることになる。

    F1の育成ピラミッド強化にも期待
    LN4 Fusionの設立には、F1のステファノ・ドメニカリCEOも期待を寄せている。

    ドメニカリは、「ランド・ノリスがこの新しいプロジェクトに関わるということは、F3とF2のピラミッドがF1の未来にとってどれほど重要なのかを示す素晴らしいメッセージだ。ランドの投資と経験を通じて、新しいドライバー、エンジニア、メカニックを育て、モータースポーツファンに受け継がれていく新しい伝統を築いていくことができる」と語った。

    LN4 Fusionが特徴的なのは、単に現役F1ドライバーが自身の名前を冠したチームを設立するだけではない点にある。プレマで実績を残したロシンをチーム代表に据え、F4からF3まで実際の参戦基盤を構築し、その先にはF2まで見据えている。

    さらにLN4 Legacy Programmeを組み合わせることで、才能の発掘、資金支援、実戦環境の提供までを一体化する構想となっている。

    現役F1ドライバーであるノリスの経験と知名度に、ジュニアカテゴリーで実績を積んだロシンらのノウハウを融合したLN4 Fusion。2027年から始まるプロジェクトが、将来のF1ドライバーを生み出す新たな育成ルートとなるか注目される。

  • マドリンク F1スペインGP開催へ前進 F3テストで安全確認を完了

    マドリンク F1スペインGP開催へ前進 F3テストで安全確認を完了

    2026年F1スペインGPの舞台となる新サーキット「マドリンク(Madring)」で、FIA F3による2日間の公式テストが行われた。9月11~13日のF1開催を前に実施された重要な実走確認となり、FIAから安全要件やマーシャルの対応について問題は報告されなかった。

    マドリードに建設されたマドリンクで公式カテゴリーのマシンが走行するのは今回が初めて。FIA F3のドライバーたちは新コースの評価を行うと同時に、サーキット側にとっても安全設備や運営手順を実戦に近い環境で確認する機会となった。

    F1スペインGPを前にマドリンクで初の公式テスト
    FIA F3のテストは月曜日と火曜日の2日間にわたって行われた。2026年F1スペインGPの開催まで3週間を切るなか、マドリンクにとっては本番に向けた重要な準備段階のひとつとなった。

    今回の走行では単にFIA F3各チームがマシンのテストを行っただけではなく、コースが求められる安全要件を満たしているかについても確認が行われた。

    さらに、コース上でインシデントが発生した場合のマーシャルの反応や各種手順についてもチェックされた。Mundo Deportivoによれば、FIAからこれらの安全面や運営面に関する問題は公式には報告されていない。

    F1開催に向けて最終的な準備が続く新設サーキットにとって、実際のフォーミュラカーを使った2日間のテストを大きな問題なく終えたことは重要なステップとなる。

    スレーター「走ったことがある中で最高のサーキットのひとつ」
    ドライバーからもマドリンクには好意的な評価が寄せられた。

    FIA F3選手権リーダーで、初日のテストで最速タイムを記録したアウディの育成ドライバー、フレディ・スレーターは、月曜日の最終セッションを終えた後、FIA F3公式サイトで新コースへの強い印象を語った。

    「全部が大好きだよ」

    「素晴らしいと思う。僕がこれまで走ったサーキットの中でも最高のひとつだと思う」

    スレーターは、マドリンクの特徴としてコースそのものが持つ「キャラクター」を挙げた。

    「マカオやモナコのような最高のサーキットには、どれもキャラクターがある。ここで彼らが作り上げたものの中で、それが一番特別な部分だと思う」

    「お気に入りの場所をひとつ選ぶことはできないけど、ターン5とターン6のシケインはすごく気に入っている」

    市街地コースとして独特の個性を持つマドリンクを、マカオやモナコと比較しながら高く評価した。

    マドリンク F1 スペイングランプリ

    ウゴチュクウが2日間の総合最速
    2日目となった火曜日は、カンポス・レーシングのウーゴ・ウゴチュクウが午前のセッションで1分49秒034を記録。このタイムが2日間を通じた最速タイムとなった。

    午後のセッションではトライデントのスレーターが1分49秒685でトップに立ったが、この日は午前中のコンディションの方が速く、1日の上位9タイムはいずれも午前のセッションで記録された。

    VARの山越陽悠が1分49秒227で2番手、同じくVARのエンツォ・デリニーが1分49秒501で3番手につけた。

    以下、4番手にカンポス・レーシングのエルネスト・リベラ、5番手にMPモータースポーツのトゥーカ・タポネン、6番手にVARのブルーノ・デル・ピノ、7番手にAIXレーシングのイェヴァン・デイビッド、8番手にARTグランプリのりー海夏澄、9番手に同じくARTグランプリの加藤大翔が続いた。

    スレーターのタイムはこの日の10番手だった。

    F1初開催へ実走によるチェックを完了
    マドリンクでは9月11~13日に2026年F1スペインGPが開催される。新設サーキットだけに、F1マシンが本格的に走行する前に、安全設備だけでなくマーシャルを含めた運営体制を実走環境で確認することは重要な意味を持つ。

    今回のFIA F3テストでは、ドライバーからコースレイアウトに好意的な評価が寄せられ、安全面や運営手順についてもFIAから問題は報告されなかった。

    FIA F3による史上初の公式テストを終えたマドリンクは、2026年F1スペインGP開催に向けて重要な事前確認をひとつ完了した。

  • レッドブルF1 ウーゴ・ウゴチュクウ獲得へ F2昇格を支援との報道

    レッドブルF1 ウーゴ・ウゴチュクウ獲得へ F2昇格を支援との報道

    2026年FIA F3選手権でタイトル争いを繰り広げるウーゴ・ウゴチュクウが、2027年からレッドブルの支援を受けてFIA F2へ参戦する見通しとなった。

    PlanetF1.comによると、2025年限りでマクラーレン育成プログラムを離れたウゴチュクウは、現在所属するカンポス・レーシングに残留したままF2へ昇格し、レッドブルの育成ドライバーとして新たなキャリアを歩む見込みだという。

    b style=”font-size:1.1em;”>レッドブル育成入りでF2昇格へ
    19歳のアメリカ人ドライバーであるウーゴ・ウゴチュクウは、F3参戦2年目となる2026年シーズンで大きく飛躍した。

    現在はアウディ育成のフレディ・スレーターをわずか1ポイント差で抑え、ランキング首位に立っている。その活躍が評価され、2027年からレッドブルの支援を受けてF2へステップアップする方向で話が進んでいるという。

    PlanetF1.comは、ウゴチュクウが引き続きカンポスから参戦する予定だと伝えている。

    本人はF1よりF3タイトルを優先
    F1昇格への期待が高まるなか、ウゴチュクウ本人は現時点ではF3タイトル獲得に集中していると強調している。

    「いろいろな話があるのは分かっているけど、今の僕にとって一番大事な話題ではない」

    「まずはF3シーズンを最高の形で終えたい。その次のステップはF2で、それが先に来る。だから今はそこに集中している」

    来季については次のようにも語っている。

    「毎年この時期になると、みんな翌シーズンについて決め始める」

    「僕のほうではまだ何も決まっていないし、発表できることもない」

    ウーゴ・ウゴチュクウ

    レッドブル育成の将来像にも影響
    今回の動きは、レッドブルの若手育成体制にも新たな変化をもたらしそうだ。

    マックス・フェルスタッペンにはマクラーレン移籍の可能性が取り沙汰されており、ハンガリーGP終了後には契約解除条項を行使できる状況になると報じられている。

    一方で、レッドブル育成にはF2ランキング首位のニコラ・ツォロフも所属している。レーシングブルズ昇格候補として名前が挙がっているものの、PlanetF1.comによればリアム・ローソンの後任に関する具体的な協議はまだ行われていないという。

    現在のレーシングブルズはリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドのコンビが好結果を残しており、すぐにシートが空く状況ではない。

    そのため、ウゴチュクウがレッドブル育成に加わることで、将来的なF1シート争いに向けた有力な選択肢がもう一人増えることになる。

    なお、ウゴチュクウは今年6月にモンツァで実施されたアルピーヌのTPC(旧型車テスト)で、初めてF1マシンをドライブしている。

  • 元FIA F3ドライバーのズデニェク・ホヴァネツが21歳で死去

    元FIA F3ドライバーのズデニェク・ホヴァネツが21歳で死去

    元FIA F3ドライバーのズデニェク・ホヴァネツが、2026年7月18日に21歳で死去したことが明らかになった。死因は公表されていない。

    ベネズエラ生まれで、チェコとポルトガルで育ったホヴァネツは、2021年と2022年にシャルーズ・レーシング・システムからFIA F3選手権に参戦したことで知られる若手ドライバーだった。

    カートからFIA F3まで駆け上がったキャリア
    ズデニェク・ホヴァネツ・ロペスは2004年10月9日、ベネズエラ・プエルト・ラ・クルスで誕生。幼少期に父親の母国チェコのプラハへ移住し、2018年にはポルトガルへ移り住んだ。

    同年にポルトガル国内選手権ジュニアクラスで9位となりカート競技を本格的に開始。2019年にはX30カテゴリーで6位に入り、スペイン・カート選手権にも参戦した。

    2020年にシングルシーターへ転向し、F4 UAE選手権ではXcel Motorsportから参戦。3位表彰台を2度獲得してランキング7位となった。その後はイタリアF4選手権にBhaitechから参戦し、フルシーズンではなかったもののランキング17位を記録。イモラでの5位が最高成績だった。

    2021年はF3アジア選手権でリージョナルF3デビューを果たし、その後はダブルRレーシングからユーロフォーミュラ・オープンに参戦。18レースで33ポイントを獲得し、ランキング15位となった。

    シーズン終盤にはチェコのシャルーズからFIA F3選手権へ昇格。レシャド・デ・ジェラスの後任として8レースに出場し、全戦で完走を果たした。最高位は20位でランキング34位だった。

    Boss GPや耐久レースにも挑戦
    2022年はMMインターナショナル・モータースポーツからBoss GP選手権に参戦し、フォーミュラクラスで6戦中5勝を挙げる活躍を見せた。

    しかしシーズン途中でBoss GPを離れ、再びシャルーズからFIA F3へ復帰。当時のチームは苦戦が続き、ホヴァネツは4戦に出場して2度リタイア。最高位はシルバーストン・フィーチャーレースでの24位、ランキング40位でシーズンを終えた。

    現役最後のレースは2023年9月のアルティメット・カップ・シリーズ(エストリル)だった。TS CorseからLMP3クラスに参戦し、元シャルーズのチームメイトであるエアトン・シモンズ、ポルトガル・モザンビーク出身のペドロ・ペリーノとともに11位総合、クラス4位でフィニッシュ。年間ランキングはLMP3クラス15位となった。

    一方で、実現しなかった計画もあった。2021年にはポルトガルGT選手権でフェラーリ458チャレンジをドライブする予定だったほか、2023年にはGetSpeedからGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ耐久カップへの参戦が計画されていた。また2025年にはARCAメナーズ・シリーズのデイトナ合同テストにFast Track Racingから参加予定者として名を連ねていた。

    元FIA F3ドライバーのズデニェク・ホヴァネツが21歳で死去

    「優しさとユーモア」で愛された青年
    ホヴァネツはポルトガル・ポルト近郊のコレージオ・ノヴォ・ダ・マイア校の卒業生だった。

    周囲からは思いやりがあり、ユーモアのある人物として親しまれ、レース活動の傍らロードカーの整備を楽しみ、クラシックピアノの演奏も学んでいたという。

    訃報は現地時間7月21日に発表された。地元メディアによると、通夜は7月22日にポルトガル・マトジニョシュで営まれ、葬儀は23日に執り行われる予定となっている。

    21歳というあまりにも早すぎる別れとなったホヴァネツの訃報に対し、モータースポーツ関係者から追悼の声が寄せられている。

  • 中村仁がFIA F3初優勝 スパのスプリントで鮮やかな逆転勝利

    中村仁がFIA F3初優勝 スパのスプリントで鮮やかな逆転勝利

    中村仁(ハイテックTGR)が、スパ・フランコルシャンで行われた2026年FIA F3第6戦ベルギー大会のスプリントレースで優勝。スタート直後に2番手へ浮上すると、再開後にブランド・バドエルをオーバーテイクし、FIA F3参戦初年度で待望の初勝利を飾った。

    レースは2度のセーフティカーによって展開が大きく左右されたが、中村仁はスタート、リスタート、終盤のプレッシャーという異なる局面で落ち着いた走りを披露。最後はペドロ・クレロを抑え、ハイテックTGRに力強い勝利をもたらした。

    ロダン勢がフロントロウを独占
    スプリントレースは、ブランド・バドエルがポールポジション、チームメイトのペドロ・クレロが2番手に並び、ロダン・モータースポーツ勢がフロントロウを独占してスタートを迎えた。

    長いフォーメーションラップを終えてシグナルが消えると、バドエルが首位を維持。一方、好スタートを決めた中村仁はオー・ルージュからケメルストレートにかけてクレロを攻略し、2番手へ浮上した。

    しかし、後方ではタイトルを争うウーゴ・ウゴチュクとフレディ・スレーターがレ・コームで接触。スレーターはその場でリタイアし、ウゴチュクもサスペンションの損傷を訴えた。

    さらに、山越陽悠とマッティア・コルナギもケメルストレート終端で接触。山越は26番手まで後退し、一連の事故によってセーフティカーが導入された。

    中村仁がバドエルをアウト側から攻略
    3周目終了時にセーフティカーが退場すると、バドエルが首位からレースを再開した。しかし、中村仁はリスタート直後からバドエルに強いプレッシャーをかけた。

    中村仁はケメルストレートでバドエルに並びかけると、レ・コームのアウト側から鮮やかにオーバーテイク。難しいラインを使いながらマシンを前に出し、首位を奪った。

    トップに立った中村仁は、すぐにバドエルとの差を0.6秒まで拡大。一方のバドエルは、後方から迫るチームメイトのクレロへの対応を迫られた。

    5周目にはバドエルと中村仁の差が0.5秒まで縮まったが、バドエルは最終シケインでクレロに攻められ、首位を追うことよりも2番手を守る必要が生じた。

    加藤大翔は一時4番手を争う
    日本勢では加藤大翔(ARTグランプリ)も上位争いを展開した。

    6周目、加藤は4番手のコルナギに接近し、レ・コームでオーバーテイクを狙った。しかし、コルナギがイン側を閉じたため、順位を上げることはできなかった。

    翌周にはテオフィル・ナエルがDRSを使って加藤に接近。ケメルストレートで前に出て、5番手を奪った。

    その後方では、トゥーカ・タポネンがラ・ソースでエルネスト・リベラのイン側へ飛び込んだものの、リベラがケメルストレートで順位を奪い返すなど、各所で激しいポジション争いが続いた。

    2度目のセーフティカーで差が消滅
    レース中盤、ナンダヴッド・ビロムバクディがラ・ソース出口のグラベルを走行。コース上の安全を確保するため、再びセーフティカーが導入された。

    これによって中村仁が築いていたリードは消滅。首位の中村仁、2番手バドエル、3番手クレロという上位勢が再び接近した状態で、レースは終盤を迎えた。

    10周目にセーフティカーが退場することが発表され、残されたレースはわずか2周。最初の1周はDRSを使用できず、最終周のみDRSが使用可能となる状況で再開された。

    残り2周のリスタートを制する
    11周目、中村仁が首位からフィールドを引っ張った。バドエルはオー・ルージュを上りながら中村仁の背後に迫り、再逆転の機会をうかがった。

    それでも中村仁はケメルストレートからレ・コームまでポジションを守り切った。後方では加藤がナエルをレ・コームで抜き返し、5番手へ浮上した。

    最終周に入った時点で、中村仁はクレロに対して0.9秒のリードを確保。DRS圏内に入られる可能性がある緊迫した状況だったが、ミスなく首位を守った。

    一方、加藤とナエルは最終シケインで並走。ナエルはコース外へはみ出しながら加藤の前でフィニッシュし、順位を戻す必要があるかどうかが注目される形となった。

    中村仁がFIA F3初優勝
    中村仁は最後までクレロの追撃を封じ、トップでチェッカーフラッグを受けた。2026年からハイテックTGRでFIA F3に参戦している日本人ルーキーが、スパ・フランコルシャンでFIA F3初優勝を達成した。

    2位にはバドエル、3位にはクレロが入り、ロダン・モータースポーツがダブル表彰台を獲得。コルナギが4位、加藤が5位、ナエルが6位で続いた。

    7位はタポネン、8位はリベラ、9位はアレッサンドロ・ジュスティ、10位はノア・ストロムステッドとなった。

    中村仁はスタートでクレロを抜き、最初のリスタートではバドエルをアウト側から攻略。最後のリスタートでも背後からのプレッシャーに動じず、速さと冷静さの両方を示して初勝利をつかみ取った。

    中村仁 FIA フォーミュラ3

    FIA F3ベルギー大会 スプリントレース 結果
    1. 中村仁(Hitech TGR)
    2. ブランド・バドエル(Rodin Motorsport)
    3. ペドロ・クレロ(Rodin Motorsport)
    4. マッティア・コルナギ(MP Motorsport)
    5. 加藤大翔(ART Grand Prix)
    6. テオフィル・ナエル(ART Grand Prix)
    7. トゥーカ・タポネン(Campos Racing)
    8. エルネスト・リベラ(Campos Racing)
    9. アレッサンドロ・ジュスティ(MP Motorsport)
    10. ノア・ストロムステッド(Trident)
    11. チャーリー・ホー(DAMS Lucas Oil)
    12. ミハウ・グワディシュ(Rodin Motorsport)
    13. ルーク・シャープ(AIX Racing)
    14. ニコラ・ラコルテ(DAMS Lucas Oil)
    15. ブルーノ・デル・ピノ(MP Motorsport)
    16. ジェームズ・ウォートン(ART Grand Prix)
    17. ユヴァン・ダビド(VAR)
    18. エンツォ・デリニー(Hitech TGR)
    19. リー海夏澄(PREMA Racing)
    20. ハビエル・ガルフィアス(AIX Racing)
    21. フェルナンド・バリチェロ(Trident)
    22. ガオ・シエ(Hitech TGR)
    23. マッテオ・デ・パロ(Trident)
    24. ラファエル・エスコット(Campos Racing)
    25. フィオン・マクローリン(PREMA Racing)
    26. ウィル・シン(PREMA Racing)
    27. ナンダヴッド・ビロムバクディ(Trident)
    28. 山越陽悠(VAR)
    29. ウーゴ・ウゴチュク(PREMA Racing)※1周遅れ
    30. フレディ・スレーター(Hitech TGR)※リタイア