FIA F3第11戦マドリードの予選が9月11日(金)にマドリンクで行われ、ARTグランプリの加藤大翔が予選1でトップタイムを記録。FIA F3参戦初のポールポジションを獲得した。
初開催となるマドリンクでは予選が2セッションに分けて実施され、予選1がフィーチャーレース1、予選2がフィーチャーレース2のグリッドを決定。予選2ではMPモータースポーツのトゥッカ・タッポネンが最速タイムを記録した。
予選1:加藤大翔が0.012秒差でF3初ポール
予選1では加藤大翔が最初にタイムを記録し、1分51秒127でトップに立った。アレックス・パウエルが0.161秒差の2番手につけ、序盤から加藤が速さを見せた。
一方、トライデント勢にはトラブルが発生。ノア・ストロムステッドはウォームアップラップでリー海夏澄(Kanato Le)と接触してサイドポッドが外れ、タイトルリーダーのフレディ・スレーターもマシンの問題を無線で訴えた。
2回目のアタックで加藤は1分50秒639までタイムを短縮。中村仁が0.218秒差の2番手に入り、日本人ドライバーが一時1-2を形成した。
しかし、ロダン・モータースポーツのペドロ・クレロが1分50秒547を記録してトップへ浮上。タイトルを争うスレーターは11番手にとどまり、引き続きマシンの問題を訴えていた。
トライデントはスレーターをピットへ戻して新品ハードタイヤを投入。その間にも加藤はアタックを続け、1分50秒535を叩き出してクレロをわずか0.012秒上回った。
終盤にはブランド・バドエルがバリアにヒットし、左リアサスペンションを損傷。ロダンは予選2までの短いインターバルで修復を迫られた。
加藤は最後のアタックでは自己ベストを更新できなかったものの、ライバル勢もタイムを上回れず、そのままトップを確保。FIA F3で自身初となるポールポジションを手にした。
2番手はクレロ、3番手タッポネン、4番手ウーゴ・ウゴチュク、5番手エンツォ・デリニー。中村仁も6番手と好位置につけた。
12番手にはジェームス・ウォートンが入り、リバースグリッドが適用される土曜日のスプリントではポールポジションからスタートする。一方、スレーターはターン1でロックアップするなど苦戦が続き17番手に終わった。

予選1ポール 加藤大翔「壁にキスすることもあった」
F3初ポールを獲得した加藤は、予選1後の記者会見でマドリンクを限界まで攻めたアタックを振り返った。
「最高の気分です。F3で初めてのポールポジションです。モンツァでは素晴らしい週末を過ごせましたし、それに続いて今週末のマドリードでもいい流れで来られています。僕たちはいいマインドセットを持てていると思いますし、予選ではマシンが素晴らしくて、ここで走るのは本当に楽しかったです」
「マドリードでは壁との距離が本当に近いです。限界までプッシュしていて、ときには壁にキスすることもありました。それがすごくよかったです。最終的にポールポジションを獲得できて、本当にうれしいです」
ARTグランプリにとっても2024年ハンガリー以来となるF3のポールポジション。加藤はマシン自体にはシーズンを通して速さがあったと説明した。
「マシンは今年ずっと本当に良かったと思います。ただ、僕自身のミスだったり、トラフィックだったり、少し運がなかったりしました。F3では1周ですべてをまとめるのが本当に難しいです。それに運がなければ、ポールポジションを獲るのは本当に難しいです」
「だから、ようやくF3でポールポジションを獲得できてうれしいです。チームにも本当に感謝しています。チームのみんなに心からありがとうと言いたいです。マシンは素晴らしかったです」
初めてF3の予選が行われたマドリンクについては「本当にいいです。走っていて本当に、本当に楽しいです。マシンの中で感じるアドレナリンはすごかったです」と語った。
予選2:タッポネンが最終アタックでポール
短いインターバルを挟んで予選2がスタート。マシンの問題に苦しんだスレーターも、トライデントによる作業を経てコースへ復帰した。
そのスレーターは序盤に1分49秒972を記録してトップに立ち、ウゴチュクに0.5秒以上の差をつけた。
クレロと、予選1でクラッシュしたバドエルも上位へ進出。修復を終えたバドエルは3番手まで浮上したが、その後、中村仁が2台のロダン勢の間に割って入った。
2回目のアタックでは加藤が一時トップに浮上。しかし直後にウゴチュクが1分49秒901を記録して加藤を上回った。
さらにクレロが1分49秒830で首位に立つ一方、スレーターは最速のセクター1を刻みながらターン5への進入でロックアップし、5番手に後退した。
ウゴチュクは続くアタックで1分49秒771まで更新して再びトップへ。スレーターはアタックを中断してピットへ戻り、クレロが0.069秒差の2番手につけた。
だが、最後のアタックでタッポネンが1分49秒750をマーク。ウゴチュクを0.021秒上回り、フィーチャーレース2のポールポジションを奪った。
ウゴチュクは最後のアタックで更新できず2番手。クレロはさらに速いタイムを狙っていたものの、最終コーナーでリアを失ってバリアにクラッシュし、そのままセッション終了となった。
予選2はタッポネン、ウゴチュク、クレロのトップ3。加藤は4番手につけ、予選1のポールに続いて両セッションで上位に入る力強いパフォーマンスを披露した。
5番手マッティア・コルナギ、6番手デリニー、7番手アレッサンドロ・ジュスティと続き、スレーターは8番手。イェバン・デイビッドが9番手、エルネスト・リベラが10番手となった。

予選2ポール タッポネン「最後にいいラップをまとめられた」
今季2度目のポールポジションを獲得したタッポネンは、予選2後の記者会見で最終アタックを振り返った。
「いい気分だ。予選1は3番手で、予選2では1番手だった。正直に言えば、ドライビングの感触自体は予選1の方が良かった。でも幸い、予選2ではポールポジションを獲るのに十分だった。日曜日のレースをポールからスタートできるのは本当にうれしい」
最後のアタックを開始する時点ではトップから約0.1秒差で、順位も5、6番手付近だったという。
「最後のプッシュを始める前は0.1秒くらい遅れていて、5番手か6番手だった。本当に僅差だった」
「今週はずっとセクター1で苦戦していたから、そこで失うタイムをできるだけ少なくして、残りのラップをうまくまとめることだけを考えていた。それができた。最後はいいラップだった」
タイトル争いはウゴチュクが好位置
2回の予選を終え、タイトル争いではランキング首位のスレーターが予選1で17番手、予選2で8番手と苦戦した一方、ライバルのウゴチュクは予選1で4番手、予選2で2番手を確保した。
ウゴチュクは「2回ともいい予選ができたのは、まさに僕たちが必要としていたことだ」と振り返り、レースではタイトル争いを意識しながらポイントを最大化することが最優先だと語った。
加藤は予選1でクレロとの0.012秒差の接戦を制してF3初ポールを獲得し、予選2でも4番手。初開催のマドリンクで2セッションを通じて速さを示した。
マドリードのF3最初のレースとなるスプリントは9月12日(土)現地時間11時05分にスタートする。