カテゴリー: FIA F3

  • 山越陽悠 F3モナコGPスプリントレース優勝 日本人ドライバーがモナコ制覇

    山越陽悠 F3モナコGPスプリントレース優勝 日本人ドライバーがモナコ制覇

    山越陽悠(ファン・アメルスフォールト・レーシング)が2026年FIA F3モナコGPスプリントレースで圧巻の走りを見せ、シリーズ初優勝を飾った。

    モンテカルロ市街地サーキットで行われた週末最初のレースは序盤から波乱の展開となったが、山越陽悠は冷静なレース運びを披露。難攻不落のモナコで主導権を握り続け、後続を寄せ付けない完勝を収めた。

    モナコの市街地コースで初勝利
    レースはグリッド上での混乱により慌ただしいスタートとなったが、山越陽悠はそうした状況にも動じなかった。

    ファン・アメルスフォールト・レーシングのドライバーはレースを通じて安定したペースを維持し、市街地コース特有のプレッシャーの中でもミスのない走りを披露。後続に付け入る隙を与えずトップチェッカーを受けた。

    FIA F3参戦後初となる優勝を、世界でも最も格式の高いレースのひとつとされるモナコで達成したことは、山越陽悠にとって大きな節目となった。

    表彰台争いは接戦に
    2位にはジェラード・シエ、3位にはブルーノ・デル・ピノが入り、表彰台を獲得した。

    優勝争いでは山越陽悠が主導権を握り続けた一方、2位以下では激しいポジション争いが繰り広げられた。しかし最終的にはシエとデル・ピノが表彰台圏内を守り切った。

    4位はペドロ・クレロ、5位はアレッサンドロ・ジュスティ、6位はノア・ストロムステッドだった。

    日本勢は中村仁がポイント獲得
    日本勢では優勝した山越陽悠に加え、中村仁が8位でフィニッシュしてポイントを獲得した。

    一方、加藤大翔は23位でレースを終えている。

    モナコは予選結果がレース展開を大きく左右するサーキットとして知られるが、その中で山越陽悠が見せた完璧なレース運びは大きなインパクトを残した。


    2026年F3モナコGP スプリントレース結果
    1位 山越陽悠
    2位 ジェラード・シエ
    3位 ブルーノ・デル・ピノ
    4位 ペドロ・クレロ
    5位 アレッサンドロ・ジュスティ
    6位 ノア・ストロムステッド
    7位 ウーゴ・ウゴチュク
    8位 中村仁
    9位 マチェイ・グワディシュ
    10位 りー海夏澄
    11位 ニコラ・ラコルテ
    12位 マッテオ・デ・パロ
    13位 ルイス・シャープ
    14位 シン・ウヒョン
    15位 エンツォ・デリニー
    16位 ホセ・ガルフィアス
    17位 マッティア・コルナギ
    18位 ナンダブド・ビロムバクディ
    19位 フェルナンド・バリチェロ
    20位 イェヴァン・デイビッド
    21位 フィオン・マクラフリン
    22位 ジェームズ・ウォートン
    23位 加藤大翔
    24位 フレディ・スレーター
    25位 テオフィル・ナエル
    26位 エルネスト・リベラ
    27位 トゥッカ・タポネン
    28位 ブランド・バドエル
    29位 ブラッド・ベナビデス
    30位 クリスチャン・ホー

  • F2とF3が新ロゴ発表 F1への育成ピラミッドを明確化

    F2とF3が新ロゴ発表 F1への育成ピラミッドを明確化

    FIA F2とFIA F3は、F1への育成カテゴリーとしての位置づけをより明確にするため、新たなチャンピオンシップロゴを発表した。

    新ロゴは単色デザインに簡素化され、よりクリーンで現代的な印象を打ち出すものとなる。F2は従来のブルーを継続し、F3はこれまでのグレーとレッドに代わって、新たにオレンジを採用した。

    F3は新たにオレンジを採用
    F3の新しいオレンジは、シリーズが持つ「ダイナミックでエネルギッシュ、そして活気ある性質」を反映するために選ばれた。若いドライバーたちが競い合う選手権の精神を表すカラーとして位置づけられている。

    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、F2とF3がF1と世界のモータースポーツの将来を担う人材を育てる重要なカテゴリーだと強調した。

    「FIA F2とFIA F3は、我々のグローバルなシングルシーター育成経路における基本的な柱であり、F1と世界のモータースポーツの未来を形作る才能を育てている」とモハメド・ビン・スライエムはコメント。

    「これらの新しいビジュアルアイデンティティは、両選手権を現代化すると同時に、FIAピラミッド内での重要な位置づけと、我々のスポーツの頂点とのつながりを強化するものだ」

    F1への道筋を視覚的に示す狙い
    F1会長兼CEOのステファノ・ドメニカリも、F2とF3がF1へ到達するための訓練と枠組みを提供する重要な存在だと語った。

    「F2とF3は我々のスポーツにとって極めて重要な部分であり、ドライバーがF1に到達するための訓練と枠組みを提供している」

    「ファンに対して、このピラミッドがどのように機能しているのかを明確にすることは重要だ。F1を補完するクリーンで現代的なビジュアルアイデンティティを持つことは、その実現に役立つ」

    F2は2017年にGP2から名称変更され、現在の形で運営されている。FIA F3はその2年後、2019年にスタートした。

    F2とF3のCEOを務めるブルーノ・ミシェルは、今回の新ロゴがF1とFIAとの密接な協力のもとで開発されたものだと説明した。

    「F1とFIAとの緊密な協力のもとで開発された、新しいF2とF3のロゴを発表できることをうれしく思う」とブルーノ・ミシェルはコメント。

    「我々の狙いは、エリート・モータースポーツ・ピラミッドを通じてF1へ向かう道のりを、より視覚的に伝えることだった。ブルーは常にF2のカラーであり、ファンにもよく認識されている。そしてF3については、新しく鮮やかでダイナミックなオレンジをロゴに取り入れる機会とした。ファンにも気に入ってもらえると考えている」

    新しいブランディングは今後、デジタルチャンネル、放送グラフィック、サーキットの看板、プロモーション素材などに順次展開される。

    国際自動車連盟 フォーミュラ2 フォーミュラ3

  • F2とF3出身者はなぜF1で通用するのか 若手が即戦力になる理由

    F2とF3出身者はなぜF1で通用するのか 若手が即戦力になる理由

    FIAの下位カテゴリーであるF2とF3が、単なる登竜門ではなく、F1で通用するための実戦的な準備の場として機能していることが、近年あらためて注目されている。

    インディカーからF2に転向したコルトン・ハータの挑戦も、スーパーライセンスポイントの問題だけではなく、F1に必要な環境へ適応する意味合いを持つ動きとして位置づけられる。

    実際、2025年にF2からF1へ昇格したルーキーたちは高い適応力を示した。キミ・アントネッリ、オリー・ベアマン、アイザック・ハジャー、ガブリエル・ボルトレトらの好走は、F2とF3がドライバーに対して、単に速さを競わせるだけでなく、F1に必要な操作、判断、対応力を段階的に身につけさせる場になっていることを裏付けている。

    F2とF3はF1のシステムに慣れるための土台
    F2のテクニカルディレクターを務めるピエール=アラン・ミショは、F2とF3の役割について、F1に上がる前の段階で必要な道具を与えることにあると説明した。

    「我々にとって重要なのは、彼らをしっかり準備させ、フィーダーシリーズの段階でシステムやあらゆるものに慣れるためのツールを与えることだ」とミショはRACERに語った。

    「だからこそ、F3やF2でもバーチャル・セーフティカーを使用するすべてのマーシャリングシステムを導入している。昨年末まではDRSも使っていて、そうしたシステムに慣れるようにしていた」

    「つまり、F1で経験することを学べるようにするため、舞台裏では多くのことが行われている」

    F3ではすでにソフト、ミディアム、ハードという異なるタイヤコンパウンドが用意されている一方で、1大会で使うのは1種類のみとなる。これに対してF2では週末を通じて2種類のコンパウンドが用意され、フィーチャーレースではピットストップを行ってタイヤを交換しなければならない。

    「F3ではすでに異なるコンパウンドがある。我々にはソフト、ミディアム、ハードがあるが、週末ごとに使うのは1種類だけだ。そしてF2では週末の間に2種類のコンパウンドを使い、フィーチャーレースではコンパウンドを変えるためにピットストップを行わなければならない」

    「だから彼らは、すべてを管理しなければならないし、あらゆる変化やクルマに備わる機能に素早く適応しなければならない」

    「それは彼らにとって段階的に良い学習曲線になる。そしてF1に到達する頃には、かなり良い準備が整っている。昨年そこに進んだルーキーたちがどういうパフォーマンスを見せたかを見ると、我々としても彼らがそこで戦っているのを見て非常に満足している」

    公平なワンメイクを成り立たせるための細かな配慮
    フィーダーシリーズの役割は、ドライバーを育てるだけではない。同時に、できる限り平等な条件のもとで才能を示せる舞台を提供することにもある。ただし、全員にまったく同じマシンを与えるだけでは、身長や体格の差がそのまま不利として現れてしまう。

    その例のひとつとして挙げられるのが、F3でタイトル争いに挑むウーゴ・ウゴチュクだ。若いアメリカ人ドライバーであるウゴチュクについては、昨季にマシンから塗装を落とした時期と成績向上が重なったことで、体格面の不利が話題になった。ただ、状況はそれほど単純ではない。実際にウゴチュクは、今季はフル塗装のカンポス車でメルボルンを制し、シーズン序盤のランキング首位にも立っている。

    こうした背景もあり、F2とF3では、さまざまな体格のドライバーができる限り快適な着座姿勢を得られるよう、FIAと連携しながらコクピット設計が進められている。

    「これは、あらゆるドライバーをクルマに適合させるために何が必要かを定義するべく、FIAと緊密に進めてきた作業だ」とミショは説明する。

    「FIAは“3種類のマネキン”と呼ぶものを定義した。1.55メートルから1.95メートルまでの3サイズのマネキンを我々に示し、それをもとにクルマの設計を始めた」

    「それに沿って作業し、異なるペダル位置や異なるシートシェルフを用いることで、どのドライバーでもきちんと収まり、期待どおりのパフォーマンスを発揮できるコクピットを実現するようにしている」

    40センチもの身長差に対応するのは簡単ではなかったが、細部に至るまで調整が加えられてきたという。エンジン始動やブレーキバランス変更に必要なスイッチ類、さらにはステアリングホイールの扱いやすさに至るまで、標準部品でありながら幅広い体格に対応する工夫が施されている。

    「これはかなり大きな挑戦だった。想像できるように、2人のドライバーの間に40センチの差があるというのは非常に大きい。それでも我々はそれを実現し、多くの作業を重ねてきた」

    「さらに、クルマの中のあらゆるコンポーネントの位置、たとえば始動やブレーキバランス変更のためのスイッチ、そしてステアリングホイールについても、ドライバーが道具の扱いに苦労しすぎないようにしている。ステアリングホイールは全員共通の標準品だから、それにすべてのドライバーを合わせなければならない」

    「小さな手の者にも、大きな手の者にも対応しなければならない。結局のところ、手が小さすぎてステアリングホイールを握れないようでは困る。まだ若く成長途中のドライバーもいるから、最初にクルマへ座った時点では大人の手の大きさに達していないこともある」

    そのため2年前には、より小さなハンドル形状も導入された。手の大きいドライバーはテープで太くして対応できるようにし、小さな手のドライバーでも無理なく扱えることを優先したという。

    「だからこそ、2年前にいくつか変更を行い、より小さなハンドルを用意した。そうすることで誰でも扱えるようにし、手が大きいドライバーはテープを巻いて太くして自分の手に合わせることができる。そうやって、誰もが満足してクルマに座れるようにしたいんだ」

    F1 フォーミュラ2/フォーミュラ3

    男女差を含む体格差にもほぼ対応
    ミショによれば、フィーダーシリーズは身長だけでなく、男女による体格差も含めて、着座姿勢やコクピット設定に対応できるよう取り組んでいる。そのうえで、特別な変更なしで対応できる割合は99.5%に達するという。

    これは、ドライバーがマシンに合わせるのではなく、可能な限りマシン側がドライバーに合わせることで、純粋な才能がより表れやすい環境を目指していることを意味する。ワンメイクの公平性を保ちながら、個々のフィジカル差を極力パフォーマンス差へ直結させないという考え方だ。

    F3からF2への移行を容易にした共通コクピット
    近年は、F3王者が翌年にF2へ上がり、そのままルーキーイヤーでタイトルを獲得する流れも目立っている。これまでのF2王者9人のうち5人が、前年にF3を制したルーキーだった。こうした流れは、両シリーズが移行しやすい設計を整える前から見られていたものだ。

    そして現在では、その流れをさらに後押しするため、F3とF2のコクピット内寸が共通化されている。

    「この2年間で我々が行った良いことのひとつは、F3とF2のコクピットを同じにしたことだ」とミショは語る。

    「モノコックそのものは、エンジンや燃料タンクなどの関係で外側は異なる。だから外殻には違いがあるが、ドライバーが乗る内側、つまりコクピット部分は2台でまったく同じだ」

    「だからF3でシーズンを終えたドライバーは、自分のシートやペダル、ステアリングホイールの寸法をそのままF2チームへ持ち込み、すぐに作業を始められる。シートを作り直す必要もない」

    「もちろん成長して体格が変われば別だが、そうでなければすぐに移行できるし、これはとても良いことだ。この冬、初めてF2チームでそれを実際にやってみたが、彼らはとても満足していたし、メカニックたちも非常に喜んでいた」

    ハータにとっては険しい挑戦 だが後続には希望もある
    F2がF1での成功に直結する有力な準備の場になっているのだとすれば、F3もまた、将来のF2王者を育てる舞台として同じ役割を果たしていることになる。そう考えると、インディカーからF2へ飛び込んだコルトン・ハータに待ち受ける課題の大きさは明らかだ。

    一方で、それは若い世代にとって希望でもある。ウーゴ・ウゴチュクのようなドライバーにとって、F3とF2は単に速さを示す場所ではなく、F1に必要な技術、適応力、レース運営への理解を積み上げるための現実的なステップとして機能している。

    近年のF1ルーキーたちの適応ぶりは、その仕組みが確かに成果を生み始めていることを示している。F2とF3は、もはや下位カテゴリーというだけではない。F1で戦うための“準備された環境”として、その価値を強めている。

  • ペドロ・デ・ラ・ロサの甥 ブルーノ・デル・ピノがF3デビュー戦優勝

    ペドロ・デ・ラ・ロサの甥 ブルーノ・デル・ピノがF3デビュー戦優勝

    2026年F1オーストラリアGPのサポートレースとして開催されたFIAフォーミュラ3で、ブルーノ・デル・ピノがデビュー戦で優勝を飾った。デル・ピノはアストンマーティンのアンバサダーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサの甥で、今回がF3初参戦だった。

    19歳のデル・ピノは、ペドロ・デ・ラ・ロサ自身が共同設立したドライベックスでスペインF4を戦った経験を持つ。

    今回のメルボルンではファン・アメルスフォールト・レーシングから参戦し、ポールポジションを獲得するとスプリントレースをスタートからフィニッシュまでリードした。

    レースは予定20周のうち8周目に、シャープとウォートンの接触事故でバリアが損傷したため赤旗中断となった。F1予選開始が迫っていたこともあり、レースはそのまま再開されずデル・ピノの優勝が確定した。

    この勝利の瞬間、ピットウォールで歓声を上げていた人物の一人が、現在ファン・アメルスフォールト・レーシングのCEOを務めるオットマー・サフナウアーだった。かつてアルピーヌやアストンマーティンでF1チーム代表を務めたサフナウアーも、デビュー勝利を祝福した。

    デル・ピノ『このトロフィーは家族のため』
    ブルーノ・デル・ピノはレース後、DAZNのインタビューでペドロ・デ・ラ・ロサへ感謝の言葉を述べた。

    「フィニッシュした瞬間、僕は家族のことを思い浮かべた。両親や、そしてあなたのことも」

    「勝ったあとに戻ったとき、あなたがそこにいて本当に嬉しそうに祝ってくれていたのが最高だった」

    「僕はあまり泣くタイプじゃないから涙は出なかった。でも、最高の笑顔だった。これ以上ない瞬間だった」

    「このトロフィーは、あの場にいてくれたすべての人のものだ。そしてあなたもその一人なんだ」

  • ホンダF1育成の加藤大翔 F3メルボルンで表彰台デビュー「次は自力で」

    ホンダF1育成の加藤大翔 F3メルボルンで表彰台デビュー「次は自力で」

    ARTグランプリの加藤大翔が、2026年FIAフォーミュラ3開幕戦メルボルンで印象的なデビュー週末を飾った。スプリントレース5位、フィーチャーレース3位と2戦連続でポイントを獲得し、初参戦ながら表彰台にも上がった。

    チームとしても昨年とは対照的なスタートとなった。2025年はメルボルンでポイントを獲得できず苦戦したが、2026年は開幕2レースでトップ6フィニッシュを4回記録し、明確な前進を示した。

    加藤大翔「信じられないような気持ち」
    「信じられないような気持ちです。正直言って、まだ現実じゃないみたいです」と加藤大翔は語った。

    「僕は5位でフィニッシュして、少し運もあって3位に上がりました。だから、これが自分が望んでいた初めての表彰台の形というわけではありません」

    「次の目標は自分の力で表彰台を取ることです。でもF3初めての週末で、昨日は5位で1ポイント、そして今日は表彰台という形で終えられたので、とてもポジティブな一日だったと思います」

    加藤大翔は、バルセロナテストからメルボルンまでの進歩にも手応えを感じていると説明した。

    「バルセロナテストからここまで、とてもいい流れでしたし、将来に向けてかなり自信があります」

    「バトルにもかなりうまく適応できたと思います。でも僕はバトルは好きじゃないんです。ポールポジションからスタートして、レースを1位で終えたいです」

    ARTグランプリ 2025年の教訓が生んだ改善
    ARTグランプリのチーム代表セバスチャン・フィリップは、2025年の苦戦から学んだことが今回の結果につながったと説明した。

    「今年はずっといい位置にいることができた。特に今年の3人のドライバーが全員ルーキーだったことを考えると、なおさらだ」とフィリップは語った。

    「彼らはこのサーキットを知らなかった。それは去年ここを走ったドライバーたちに比べてかなり不利だった」

    「幸いフリープラクティスは赤旗があまり出ず、周回数を重ねることができた。それが予選でいい位置につける助けになった」

    「大翔もマチェイ・グラディッシュも予選ではいいペースを見せた。彼らはまだ若く、経験も多くないが、速さは示してくれた」

    加藤大翔 F3

    経験は不足も才能は十分
    フィリップはまた、若いドライバーたちのポテンシャルを強調し、今後は安定性が鍵になると指摘した。

    「彼らがそれをできる能力を持っていることは示されたと思う。私は彼らに大きな期待を背負わせすぎないようにしていた。まだとても若いし、前のカテゴリーも1年しか経験していない」

    「彼らには才能がある。ただ、安定した結果を出すには経験が必要だ」

    「我々は彼らが力を発揮できるクルマを提供できたと思う。そして彼らはそれを証明した。ここからは結果を積み重ねていくことが重要だ」

    2025年の失敗を繰り返さなかったART
    フィリップはまた、2025年のメルボルンでの苦戦を振り返りながら、チームの理解が大きく進んだと説明した。

    「12か月前、我々は理解すべき完全に新しいクルマでここに来た。オーストラリアの初戦前にはテストもほとんどできなかった」

    「そのため、セットアップの面でもある意味手探りだった」

    「昨年メルボルンでいくつかミスをしたことは明らかで、それを繰り返さないようにした。2025年を通してクルマの理解を深めてきた」

    「正しい方向を見つけられればすべてが楽になるが、間違えたときはなぜ間違えたのかを理解しなければならない」

    「今年は同じミスを繰り返さなかった。クルマの理解は昨年より確実に進んでいる」

    フィリップは最後に、F3の競争が非常に接近していることにも触れつつ、今回のスタートはチームにとって大きな自信になったと語った。

    「小さなことで週末の結果は大きく変わっていたかもしれないが、今年のような形でシーズンを始められたことは良かったと思う」

    「昨年よりもずっといい精神状態で、より自信を持ってシーズンを進めることができる」

  • 元F1チーム代表オトマー・サフナウアー ファン・アメルスフォールトのCEO就任

    元F1チーム代表オトマー・サフナウアー ファン・アメルスフォールトのCEO就任

    オランダのジュニアカテゴリー名門チーム、ファン・アメルスフォールト・レーシングは、元F1チーム代表のオトマー・サフナウアーをCEO兼マネージングパートナーに任命した。サフナウアーは2026年2月1日付で正式に職務を開始している。

    創設50周年を迎えたばかりの同チームにとって、今回の人事は組織の次の成長段階に向けた重要な一手と位置づけられている。

    F1経験豊富なリーダーを迎えたVAR
    今回の任命により、ファン・アメルスフォールト・レーシングは国際モータースポーツ界で30年以上の経験を持つ人物を経営陣に迎えることになった。

    ルーマニア系アメリカ人のサフナウアーは、F1では複数のチームで指導的役割を担ってきた人物だ。フォース・インディア(後のレーシングポイント)ではチーム代表を務め、その後はアルピーヌでもチーム代表としてチームを率いた経験を持つ。

    こうした豊富な経験を背景に、VARは組織運営と競技面の双方で新たな発展を目指す。

    創設者の退任後に進む組織改革
    今回の人事は、チームの体制が変化するタイミングで行われた。

    創設者のフリッツ・ファン・アメルスフォールトとロブ・ニースシンクはすでに日常業務から退き、現在は強化された経営チームがチーム運営を担っている。

    組織はチーム代表ブラッド・ジョイスのもとで運営されており、クラウディヤ・ヤカイ、フランシスコ・フレイタス、アンネリーン・ウォルフらが主要ポジションを務めている。

    サフナウアーはこのマネジメントチームと緊密に連携し、チームのさらなる発展を主導する役割を担うことになる。

    オトマー・サフナウアー

    若手育成で知られる名門チーム
    ファン・アメルスフォールト・レーシングは、ジュニアカテゴリーにおける有力チームとして知られている。

    現在は以下のカテゴリーに参戦している。

    ■ FIA F2
    ■ FIA F3
    ■ フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権
    ■ 複数のF4シリーズ

    これらのシリーズでは基本的に同一仕様のマシンとパワーユニットが使用されるため、結果を左右するのはチームの準備、運営、そして組織力とされている。

    これまでに同チームからはマックス・フェルスタッペン、シャルル・ルクレール、オリバー・ベアマン、フランコ・コラピントなど、多くのドライバーがF1へと羽ばたいている。

    サフナウアー「次の成長段階に貢献したい」
    サフナウアーはVARの伝統と実績を高く評価し、新たな挑戦への意欲を語った。

    「ファン・アメルスフォールト・レーシングは、ドライバー育成と各カテゴリーでの高い競争力において強い評価を築いてきたチームだ」

    「マネジメントチームと組織のメンバーとともに、このチームの次の発展段階を築いていくことを楽しみにしている」

    チーム代表のブラッド・ジョイスも、経験豊富なリーダーの加入を歓迎している。

    「オトマーは非常に豊富な経験とリーダーシップを持っている」

    「彼の加入は、我々が長期的なビジョンに向けて組織を発展させていくうえで大きな力になる」

  • マクラーレンとアウディ フレディ・スレーターのF1育成契約を巡り争奪戦?

    マクラーレンとアウディ フレディ・スレーターのF1育成契約を巡り争奪戦?

    マクラーレンとアウディが、ジュニアカテゴリーで圧倒的な実績を残してきた英国の新星フレディ・スレーターを巡り、将来の囲い込みを視野に入れた駆け引きを繰り広げている。

    17歳のスレーターは、高級トイレタリーブランド「Baylis & Harding」のオーナー兼マネージングディレクターであるエイドリアン・スレーターの息子で、7歳からカートレースを始めた。

    以降、2023年ジネッタ・ジュニア選手権、2024年イタリアF4、2025年フォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権(FRECA)を次々と制覇。2026年にはトライデントからF3にステップアップする。

    とりわけ2024年のイタリアF4では15勝を挙げ、アンドレア・キミ・アントネッリのシーズン最多勝記録(13勝)を更新。ランキング2位のジャック・ビートンに161ポイント差をつける圧倒的な内容だった。さらに昨季にはAIXレーシングからF3にスポット参戦し、サクヒールでのデビュー戦でいきなり2位表彰台を獲得している。

    どのF1育成プログラムがスレーターを獲得するのか
    ジュニアでの輝かしい戦績を持ちながらも、スレーターは現在、特定のF1育成アカデミーに所属していないフリーの立場にある。だが、その状況は長く続かない可能性が高い。

    F1事情通のジョー・サワードによれば、昨年のサクヒールでの走りが高く評価され、3年目のF3シーズンを戦っていたフェルナンド・アロンソ門下のニコラ・ツォロフと真っ向勝負を演じたことで、「バーレーンでは近いうちにパパイヤカラーを身にまとうのではないかという噂が広がっていた」という。スレーターはADDマネジメントに所属しており、同社はランド・ノリスのマネジメントも手掛けている。

    一方で、状況を変えたのがアウディF1の動きだ。仏誌『Auto Hebdo』によると、アウディはスレーターに強い関心を示しており、2028年にガブリエル・ボルトレトと組ませる将来構想まで浮上しているという。両者が現在の勢いを維持できれば、大きな投資に値すると見られている。

    アウディが有力視される背景には、FRECAで2025年にスレーターに次ぐ2位となり、2026年はF3で同じくトライデントから参戦するマッテオ・デ・パロの存在もある。デ・パロは2025年末にマクラーレンF1の育成プログラム入りが発表されており、これがマクラーレンとアウディの思惑をより複雑にしている。

    ジュニアフォーミュラでタイトルを総なめにしてきたスレーターを、最終的にどのF1陣営が取り込むのか。マクラーレンとアウディによる静かな争奪戦は、今後さらに注目を集めそうだ。

  • ホンダF1育成加藤大翔、2026年にARTグランプリからFIA F3参戦決定

    ホンダF1育成加藤大翔、2026年にARTグランプリからFIA F3参戦決定

    加藤大翔が、2026年FIA F3選手権にARTグランプリから参戦することが正式に発表された。これにより、チームの来季ラインアップはカナト・レ、マチェイ・グラディシュとともに確定。3名はいずれもルーキーシーズンを迎える。

    加藤大翔は2025年にARTからフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権(FRECA)に参戦し、ランキング7位でシーズンを終えた。2度の表彰台と5度のトップ5フィニッシュを記録し、安定したパフォーマンスを見せている。

    2024年にはフランスF4選手権でデビューし、5勝を挙げてシリーズチャンピオンに輝いた実績を持つ。

    「来年の新しい挑戦に本当にワクワクしています。F3で再びART GPとともに走ることができるのは嬉しいですし、FRECAのときと同じチームで次のステップに進めるのは心強いです」と加藤大翔はコメントした。

    チーム代表のセバスチャン・フィリップは次のように語った。

    「加藤は今季、FRECAでチームに完全に溶け込んだ。強い適応力、優れた規律、そして高いポテンシャルを見せてくれた。FIA F3へのステップアップは我々の協力関係における自然な次の段階だ。彼はまだ若いが、すでに成熟した走りを見せており、常に向上しようとする姿勢を持っている。2026年もともに歩めることを嬉しく思う」

    若手日本人ドライバーの新たな躍進
    加藤大翔は2024年のフランスF4王者として注目を集め、FRECAを経て早くもFIA F3へと進む。ARTグランプリは近年、F2やF3で数多くのトップドライバーを輩出しており、チーム体制や育成環境の整備にも定評がある。

    2026年シーズンは、同じくルーキーのレとグラディシュとともに切磋琢磨する形となり、チームとしても将来を見据えた布陣となった。

    ARTの継続的な育成方針
    フィリップ代表の発言にもある通り、ARTは若手を下位カテゴリーから段階的にステップアップさせる方針を強化している。加藤大翔がFRECAからF3へと進むことで、チーム内部での学習プロセスを維持しつつ、彼の成長を長期的に支援する狙いが見える。

    2026年の焦点
    来季のFIA F3は、複数の有望ルーキーの台頭が予想される。加藤大翔にとっては、初年度から表彰台争いを目指すと同時に、ヨーロッパでのレース経験をさらに積み上げる重要なシーズンとなる。

    日本人ドライバーとしてF3の強豪チームで走る姿は、将来的なFIA F2、さらにはF1へのステップアップへの期待を大きく高めるものとなりそうだ。

  • フェラーリF1育成のF3王者ラファエル・カマラ 2026年はF2にステップアップ

    フェラーリF1育成のF3王者ラファエル・カマラ 2026年はF2にステップアップ

    2025年のFIA F3チャンピオン、ラファエル・カマラが2026年シーズンにインヴィクタ・レーシングからFIA F2にステップアップすることが発表された。フェラーリ・ドライバー・アカデミー所属のブラジル人ドライバーが、いよいよ次のカテゴリーに挑む。

    カマラは今季のF3で圧倒的な速さを見せ、ポール・トゥ・ウィンを含む4度のフィーチャーレース勝利を含む5回の表彰台を獲得。史上初めて1戦を残してチャンピオンを確定させた。

    2022年にカート界で数々のタイトルを獲得した後、F4 UAE選手権でシリーズ2位を記録。その年にイタリアおよびADAC F4選手権でも3位に入ると、翌年から参戦したフォーミュラ・リージョナル・ミドルイーストでも2年連続3位を獲得した。2024年にはフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権で初のシングルシータータイトルを手にしている。

    インヴィクタ・レーシングは、これまでにもガブリエル・ボルトレトやレオナルド・フォルナローリといった歴代F3王者を迎え入れ、F2での成長を支えてきた名門チームだ。カマラもその系譜を継ぐことになる。

    「インヴィクタ・レーシングでF2デビューを迎えられることを誇りに思う」とカマラは語った。「ここ数年でこのチームは若手ドライバーが成長する理想の場所として知られるようになり、結果でそれを証明してきた。ボルトレトやフォルナローリに続いてF3王者としてステップアップできるのは大きな名誉だ。今年のF3で素晴らしいシーズンを送ることができ、自分が次の挑戦に向けて準備ができていると感じている。早くチームとともに新しい戦いを始めたい」

    チーム代表のジェームス・ロビンソンも高く評価する。「ラファエルを2026年のチームに迎えられることを嬉しく思う。彼はこれまでのキャリアのあらゆる段階でスピード、安定感、成熟度を示し、卓越した結果を残してきた。3年連続でF3王者を受け入れることは、我々がトップレベルで若手の才能を育てるという姿勢の表れだ。来季の彼の活躍を楽しみにしている」

    ラファエル・カマラ(フェラーリ育成ドライバー)

    F2で問われる“安定感と対応力”
    F2ではF3よりも長いレース距離と戦略の幅、タイヤマネジメントが求められる。インヴィクタ・レーシングはここ数年、F3王者をF2でも表彰台争いに導いており、その育成環境には定評がある。カマラにとっては、これまでのスピードだけでなく、変化への柔軟さとレースマネジメント能力が問われる1年になりそうだ。

    フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)では、シャルル・ルクレールやミック・シューマッハに続く若手の期待株としてカマラの評価は高い。F2初年度から上位争いに絡むことができれば、2027年以降のF1昇格に向けて大きな一歩となる。

  • りー海夏澄 2026年にARTグランプリからFIA F3に参戦

    りー海夏澄 2026年にARTグランプリからFIA F3に参戦

    ARTグランプリは、2026年のFIA F3選手権でりー海夏澄を起用すると発表した。

    りー海夏澄は2022年にシングルシーターにステップアップし、2023年のイギリスF4選手権では2勝と2度の表彰台を獲得。シーズンランキング7位で終え、好成績を収めた。

    日本出身のりー海夏澄は2024年にフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権(FRECA)に参戦し、翌2025年にはARTグランプリから同シリーズに継続参戦している。
    今季はすでに複数のポイントフィニッシュを記録しており、ドライバーズランキングでは現在13位につけている。

    さらに、2025年にはGB3選手権にも9レースに出場し、1勝と2度の表彰台を獲得している。

    18歳のりー海夏澄は、ARTとともにF3へ昇格することが決まり、その喜びを次のように語った。

    「来季、ART GPとともにFIA F3でレースができることにとてもワクワクしています。」

    「この選手権で走るチャンスを与えていただいたことに本当に感謝しています。」

    「今シーズン、FRECAでチームとともに過ごしてきて、とても良い1年だったので、F3での挑戦を楽しみにしています。」

    「これまで僕を支えてくださったすべての方々に感謝したいですし、信頼してもらえたことを誇りに思います。」

    「チームと一緒に良い結果を出せるよう全力で取り組みます。本当に楽しみにしています。」

    ARTグランプリ代表のセバスチャン・フィリップも次のようにコメントした。

    「海夏澄のF3昇格は、ARTグランプリでのキャリアの自然なステップだ」

    「FRECAでの2シーズンを経て、彼はいま非常に要求の高いカテゴリーに挑むことになる。このカテゴリーでは、ほんのわずかな差が結果を左右する」

    「海夏澄はすでにチームのやり方を理解しており、そのことがスムーズな適応につながるだろう。彼はドライビングに集中できるはずだ」

    「この継続性は彼にとっても我々にとっても重要であり、今後の成長を楽しみにしている」