カテゴリー: F1マシン

  • 2026年F1マシン ピレリが直面するタイヤ新難題「スプリットエアロ」

    2026年F1マシン ピレリが直面するタイヤ新難題「スプリットエアロ」

    2026年のF1マシンは、ストレートでの挙動が大きく変わることで、タイヤサプライヤーであるピレリに新たな課題をもたらす見込みだ。

    新レギュレーションにより、エンジン出力は内燃機関とバッテリーの50/50分担となり、これまでとは異なるパフォーマンスプロファイルが生まれる。

    エネルギーマネジメントの制約から、ドライバーはストレート全域で最大出力を維持できず、従来のようにコーナー進入時に最高速へ到達することはなくなる。

    シミュレーションでは、バッテリーの出力が尽きるタイミングによって数百メートル手前で最高速に達し、その後ブレーキング時に可動式エアロがロードラッグモードからハイダウンフォースモードへ切り替わることで、タイヤにこれまでにないピーク荷重が発生することが判明している。

    ピレリのチーフエンジニア、シモーネ・ベッラは「これまでの最もクリティカルな状況はストレートエンドで最高速に達した瞬間だった。しかし次世代マシンでは、最高速はブレーキングの約300メートル手前で記録される。その後、エアロモードを切り替えてブレーキを踏むときに荷重が大幅に増す。これが我々にとって最も重要な状況になる」と説明した。

    F1 タイヤ フォーミュラ1カー

    こうした新たな負荷に対応するため、ピレリは2026年用に全く新しい構造のタイヤを設計。既に複数の旧型車テストを経て仕様を確定しており、さらに最低空気圧を引き上げることで耐性を確保する考えだ。

    ベッラは「構造やサイズが変われば、コンパウンドのメカニカル的・熱的な耐性も異なる話になる。現時点でのテストでは現行車両と同程度のカーカステンパーだが、実際の2026年仕様ではやや上昇すると予想している」と語った。

    また、シーズンを通じて使用されるコンパウンドの開発も継続中で、性能差をより明確化し、戦略の幅を広げる狙いがある。

    「我々は、どこでも明確なワンストップレースにならないよう、一般的に求められるより高いデグラデーションを設定したい」とベッラは締めくくった。

  • ピレリ F1タイヤテストでアクティブエアロをシミュレーション

    ピレリ F1タイヤテストでアクティブエアロをシミュレーション

    ピレリは、F1の次なる技術時代に向けたデータ収集を継続しており、最近ハンガリーとイタリアで行われたタイヤテストではアクティブエアロシステムのシミュレーションを実施した。

    ピレリF1責任者のマリオ・イゾラは、イタリアの『Formula Passion』に対し、セッションで使用された改造車両が「タイヤ開発と2026年レギュレーションの理解の両方において極めて有益な」情報をもたらしたと語った。

    「我々は、修正された空力バランスの影響をテストすることができた。これは新レギュレーションにおける重要な要素だ」と彼は述べた。

    「我々にとって興味深かったのは、リアのみDRSを搭載した仕様と、フロントにもDRSを備えたバージョンとを比較できたことだ。それによって過去のテストとの比較も可能になった」

    イゾラはまた、ピレリが特に注目しているのは、予想される最高速の上昇がタイヤ荷重に与える影響だと説明した。「最終的には正しいバランスが重要だ。もしクルマが非常に速くても同時にタイヤに大きな負荷をかけるようであれば、厳しい状況に直面することになる」と彼は語った。

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  • FIA トト・ヴォルフの“2026年F1マシン400km/h到達”発言を否定「軽い冗談」

    FIA トト・ヴォルフの“2026年F1マシン400km/h到達”発言を否定「軽い冗談」

    FIAシングルシーター部門ディレクターのニコラス・トンバジスは、トト・ヴォルフが2026年F1パワーユニットについて語った衝撃的な主張に対して釈明を行った。

    メルセデスのチーム代表であるヴォルフは最近、ドイツの出版物『Auto, Motor und Sport』に対して「フルパワーが解放されれば、新世代のF1マシンは時速400km/hに近づくだろう」と語っていた。

    当然のことながら、彼のコメントはF1パドック内で注目を集め、現在のマシンがストレートで約370km/hに到達可能であることを考えると、トップスピードが大幅に上昇する可能性についてドライバーたちに意見が求められた。

    オランダGPを前にこの発言についてさらに説明を求められたヴォルフは、楽しそうに笑みを浮かべながら、ある地点ですべてのエネルギーを投入すれば、そのような速度が可能であると詳しく説明した。

    「良さそうに聞こえるだろう?みんなそのエンジンをけなしているから、僕は考えたんだ──何かポジティブなことはあるのか?と」とヴォルフはRacingNews365を含むメディアに語った。

    「つまり、もしも──もちろん皮肉に聞こえるが──もしも1本のストレートで全エネルギーを投入すれば、あのマシンは時速400キロに到達できるんだ」

    「誰かがそれを恐れたのかどうかは分からないが、可能ではある。ただしコース上の他のいくつかのコーナーに残す電力はほとんどなくなるけどね」

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    「軽い冗談だった」
    しかしその後、トンバジスはこうした期待を抑える方向に動き、たとえ理論的に可能であっても、FIAがそのような速度に到達することを許すことはないと強調した。彼の主張によれば、そもそもそれは現実ではない。

    この見解は、ヴォルフのコメントについて意見を求められた際にモータースポーツ統括団体が「それを許さないだろう」と語ったマックス・フェルスタッペンの発言とも一致する。

    トンバジスは4度のF1世界王者であるフェルスタッペンの意見に同意し、必要であればFIAは「介入する」と述べた。

    「400km/hに達することはないと断言できる」と彼はPlanetF1に語った。「僕の理解では、彼(ヴォルフ)は、マシンの持つパワーと低い空気抵抗を組み合わせれば、その速度を超えることも理論的にはあり得る、と言いたかったようだ。つまり、彼の発言はもっと軽い冗談だったと思う」

    「しかし、エネルギーマネジメントに関する規則の仕組みを考えれば、それは物理的にも工学的にも不可能だ。我々FIAはその規則をかなりコントロールしているし、その上で安全のために必要であれば強力なカードを切ることもできる」

    「もし何かがあれば介入することもできるが、我々は規則がそのような速度を許さないとかなり自信を持って確信している」

    「これはマシンのパフォーマンスの限界範囲の話だ。もしマネジメントに関する規則が全くなければ、そのような速度に到達することも可能かもしれない」

  • 2025年F1開発トレンド 「安価で即効」なアップグレードが主流

    2025年F1開発トレンド 「安価で即効」なアップグレードが主流

    2026年に向けたF1のルール革命は非常に大きなものであり、各チームができるだけ早い段階で開発の焦点をそこへ切り替えるのは当然のことだった。そのため、2025年シーズンにおけるシーズン中のアップグレード競争は、例年ほど攻撃的ではなくなっている。

    大半の場合、投入された大きな開発項目は、年初に十分早く取り組まれており、全く新しいマシンからリソースを大きく奪うことはなかった。

    イタリアGPに向けて登場した数多くのモンツァ用特注ローダウンフォース・ウイングのようなものですら、ずっと前に準備されていたものだった。

    しかし、より攻撃的なアプローチを取ったチームもあり、とりわけレッドブルとレーシングブルズはフロア開発を続けてきた。

    忘れてはならないのは、フェラーリもまた、7月のベルギーGPで新しいリアサスペンション・レイアウトを投入することを選択したことだ。

    だが、このような大規模開発は例外であり、F1が最終戦に向けて残りのフライアウェイを迎える今、開発の蛇口が完全に閉じられたと言うのは誤りだ。

    実際のところ、チーム間の差が非常に小さいため、アップデートによるラップタイムのわずかな向上でも相対的に大きな利益を生む可能性がある。そこで「安価で気軽」なアプローチの傾向が現れている。

    焦点は、時間も開発リソースもそれほど必要とせず、それでいて一定の前進を得られる可能性のある領域を活用することにある。

    ザウバーのスポーティングディレクター、イナキ・ルエダは「通常のシーズンなら、『このレースでこのアップグレードを入れて、このレースで別のアップグレードを入れる』という形になる」と語った。

    「だが今は、2025年に関してはほぼ開発が停滞している。つまり、これが2025年のクルマであり、信頼性に関して2つか3つのアップグレードがある程度だ」

    「だが時折『これを試してみてもいいのでは?』というようなものが出てくる。しかし、例年のような計画的な開発はない」

    この「これを試してみよう」という姿勢が表れているのが、チームがしばらく tinkering(微調整)を続けていると思われる領域、すなわちブレーキダクトである。

    フォーミュラ1カー F1 新しいデザイントレンド

    新しいデザイントレンド
    夏休み明けのオランダGPで、2チームがここに手を加えたのは偶然ではない。

    そのひとつがザウバーで、リアブレーキダクトのベーンを修正することを選んだ。

    ルエダは「今は我々の主要な焦点を2026年にすべて移した」と説明した。

    「だがCFDで得られるものもあるし、風洞試験を必要としない。あるいは過去に試してうまくいくか分からなかったものを、CFDで再試行できることもある。つまり手の届きやすい果実なんだ」

    「大きな時間を費やすものではない。見れば分かるが、ブレーキドラム全体を作り直したわけではない。既存のブレーキドラムに付属品を追加しただけだ」

    「だからコストキャップの観点からも、ブレーキドラム全体を作り直しているわけではなく、ただ追加しているだけだ。我々は基本的に既存のブレーキダクトにウイングレットを貼り付けているんだ」

    もうひとつリアブレーキダクトを改良したのはアルピーヌで、こちらは2026年ルールへの切り替えを最優先するために今年の開発を積極的に停止したチームのひとつだ。

    テクニカルディレクターのデビッド・サンチェスは「床のように高コストや高リソースを必要とするものを、本気で開発している人はいないと思う」と語った。

    「だがブレーキダクトのような領域は、安価で迅速に開発や評価ができる」

    「この種の開発はリアブレーキダクトのパネルに過ぎない。大きな部品ではない。設計時間や設計リソースも多く必要としない。だから『安価』だと言っている」

    デビッド・サンチェスは「我々はバックグラウンドで常に人々が考え続けている。そしてアイデアが出て、それを迅速かつ容易にCFDで評価できれば、試してみる。そして気に入れば、レースカーに持ち込めるかどうかを見るんだ」と説明した。

    フォーミュラ1カー F1 強力な変化

    強力な変化
    ブレーキダクト開発が依然として魅力的である理由のひとつは、ここでの小さな改良が多方面にわたる利益をもたらす可能性があるからだ。

    デビッド・サンチェスは「この領域は多くの面で強力だ。ひとつは直接的なダウンフォースのため。もうひとつは気流やホイールウエイクを操作する方法であり、これはフロアの性能に影響を与える」と語った。

    「さらにタイヤ冷却への影響もあるかもしれない。だからすべてがうまく機能すれば、非常に生産的な領域なんだ」

    ルエダも「この領域は多くの目的を果たす。フロアからのフローを逃す役割、ボディワークからのフローを逃す役割、そしてタイヤの熱を利用する役割だ」と付け加えた。

    「タイヤの熱はもちろん接地面から来るが、ブレーキからも来る。ブレーキはタイヤの内側、ホイールの中にある」

    「赤く輝くブレーキからのエネルギーができるだけリムを通して放射されないようにするのは非常に重要な作業だ。これらのウイングレットはその一端を担っている」

    フォーミュラ1カー F1 オープンマインド

    オープンマインド
    明らかなのは、シーズン終盤のこの段階でも、各チームが2025年に向けたアップグレードのアイデアを完全に放棄していないということだ。

    ただし、投入を決断するかどうかは、最小限のリソース使用で最大のリターンをもたらすかどうかにかかっている。

    この状況は、接戦を繰り広げるミッドフィールド勢にとっても、フロントを争うチームにとっても同じだ。

    マクラーレンですら、パーツ投入の流れが早くはないにせよ、思考のプロセスは続いていると語っている。

    COOのピアーズ・シンは「我々は走るたびに学び、進化を続けている」と語った。

    「2026年の課題が迫っているとはいえ、今年のマシンにさらなるパフォーマンスを加えることについて、思考を止めてはいない」

    「それは我々にとっても、全チームにとっても非常に大きな課題であり、我々は今年から来年に向けて、リソースのバランスを現実的に考えている」

    「日が経つごとに、来年の開幕戦はますます近づいてくるのだから」

  • 2026年のF1は大波乱?フェラーリ代表がブラウンGP再来を警告

    2026年のF1は大波乱?フェラーリ代表がブラウンGP再来を警告

    フェラーリ代表フレデリック・バスールは、2026年のF1シーズンがブラウンGPのような支配的かつ予測不能な展開になる可能性があると語った。

    2026年には新たな一連の抜本的な技術レギュレーションが導入される。各チームがマシン開発の最終段階に入る中で、F1全体に極度の不確実性が漂っている。

    新しい50:50のV6ハイブリッドによるさらなる電動化や空力の変更が前面に押し出され、スポーツ全体に大きな変革が訪れる可能性が広く受け入れられている。

    2009年には、レギュレーションの大幅な見直しにより、消滅したホンダのワークスチームを引き継いだ新興のブラウンGPが開幕から圧倒。最終的に両タイトルを制した。

    そしてバスールは、このシナリオのようなことが現実に起こり得ると考えている。

    「誰にも予測はできない」とバスールはThe Raceに語った。

    「2009年にブラウンが他をコンマ4秒速いなんて、誰も予測していなかった。彼らは突然現れたんだ」

    「今回も分からない。タイヤ、燃料、エンジン、シャシーが同時に大きく変わるのは初めてだからだ」

    「スポーティングレギュレーションもエネルギー配分などで異なっていて、そのすべてが重要になる」

    新しいF1のハイブリッドエンジンでは、ほぼすべてのラップでエネルギーをセーブする必要があるだろう。これはドライバーに新たな責任を課すことになる。

    バスールは、これによってF1にユニークな新しいダイナミクスが生まれると認めている。エンジンのパフォーマンスが様々な要素によって良くも悪くもなる可能性があるからだ。

    「今日のエンジンを見れば、パフォーマンスの90%は純粋なパワーの話だ」と彼は言う。

    「だが来年は、よりドライバビリティやターボラグといった要素が重視されると思う。最もパワフルなエンジンを持つチームがドライバビリティもターボラグも最高かもしれないし、そうではないかもしれない」

    「あるエンジンはモンツァで最高のパフォーマンスを発揮し、別のエンジンはモナコやブダペストで強い、というシーズンになる可能性もある」

    「これはターボエンジンと自然吸気エンジンの時代に戻るようなものだ。F1にとってはエキサイティングだと思う」

    2026年 フォーミュラ1カー

    バスールは、2009年の「ダブルディフューザー」のように、新レギュレーションの解釈次第で再び“抜け穴”が見つかり、勢力図を変える可能性があるとも語る。

    「エンジンについて言えば、信頼性や適切な運用を心がけることが重要だ」と彼は説明する。

    「ただ、もうエンジン単体で差をつけられる時代ではない。来年は別の話だ」

    「タイヤでうまくやるチームがあれば、その影響が仮にコンマ5秒あっても、いまのようにエンジンのパワーで埋め合わせることはできない」

    「だから現在と似た部分もあるが、エンジンが新たに重要な要素として加わることになる」

    「さらに、ダブルディフューザーのようなシャシー面での抜け穴もあり得るだろう。それがチャンスを生むかもしれない」

    バスールは、来年のフェラーリはあらゆる面で完璧なマシンでなければならないと認識している。今年マクラーレンが見せた圧倒的な支配力を見てきたからだ。

    マクラーレンMCL39は群を抜いた存在であり、対照的にマラネロのSF-25は数々の設計上の欠陥を抱えてパフォーマンスを損ねている。

    この状況がバスールに、2026年にベストカーとなるための“魔法の弾丸(シルバーバレット)”は存在しないという考えを与え、すべての分野で改善を積み重ねる方針を持たせている。

    「我々は同じアプローチを続ける必要がある」と彼は言う。

    「マクラーレンは今季素晴らしい仕事をしているが、ポテンシャルでは我々に対してコンマ2〜2.5秒先行している」

    「ただしそれは、彼らが0.3秒の魔法の武器を持っているということではない。0.02秒の差を生む要素が10個あるということだ」

    「だからこの考え方を維持しなければならない。誰か一人を替えれば魔法のように0.3秒速くなるわけではない。あらゆる分野で改善を重ねる必要がある。我々は今日、このメンタリティを持っていると思う」

    「もしもある時点で『我々はもうそこに到達した』と確信してしまったら、それは終わりの始まりだと思う」

  • F1 将来的なV8エンジン復活は「原則的にメーカー間で一致」とメルセデス

    F1 将来的なV8エンジン復活は「原則的にメーカー間で一致」とメルセデス

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、F1の将来的なV8エンジン復活について「原則的にメーカー間で一致している」としつつも、2031年以前に前倒しするのは経済的に合理的ではないとの見解を示した。

    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、F1の将来のパワーユニット規則において、よりシンプルで安価、かつ軽量なエンジン導入を推進しており、2029年からの導入を目指していた。これが実現すれば、来年導入される新ハイブリッドPUをわずか3シーズンしか使わないことになる。

    このテーマについては、まずバーレーンで現行および将来のOEMとの会議が行われ、その後ロンドンで詳細を詰める予定だった。しかし、イタリアGP週末の土曜日、FIA会長はPUメーカー各社に書簡を送り、2029年導入に広範な支持が得られていないことを理由に会議の延期を通知した。

    現行のFIAパワーユニット・ガバナンス協定に基づけば、この提案にはFIA、商業権保持者FOM、そして大多数のメーカーの支持が必要となる。しかし、数億ユーロ規模の投資を行ったばかりのアウディとホンダは、2026〜2030年の規則を前提に参入していることから、早期切り替えに強く反対している。

    一方、メルセデスとフェラーリはV型8気筒エンジンへの2030年シーズン前の切り替えに妥協の余地を示していたものの、わずか3シーズンでの再変更は、2026年PU開発と並行して多大な投資を強いることから支持しなかった。

    ヴォルフは「ファンの関心を引く最高のレギュレーションを持つことが我々共通の目的だ」と説明。

    「そして最終的にV8は最良のコンセンサスだった。自然吸気で高回転を誇り、エネルギー回生システムがパフォーマンス差別化の要素になり得る。そして持続可能燃料とも整合している」

    「ほとんどのOEMは『2年後に新エンジンを開発する二重コストのプログラムはやりたくない』と考えている。我々もそれは望まなかった」

    F1 V型8気筒 エンジン

    また、ヴォルフはフォード(レッドブルのパートナー)や2029年から独自PU製造を計画するキャデラックを含め、方向性については足並みが揃っていると述べた。

    「今はビン・スライエムと(F1 CEOの)ステファノ・ドメニカリと対話する段階だ。彼らの期待は何か? そして全てのOEM、PUメーカーをテーブルに集めて『次にどうするのか』を決める。利害は一致している。今は非常にバランスが取れた合理的な会話ができている」

    フェラーリ代表のフレデリック・バスールも「急ぐ必要はない」と強調した。

    「議論はしているが、簡単な選択肢ではない。近いうちに共通プロジェクトを見出せるが、今日や明日すぐに決める必要はない。工場では誰もが2026年に集中している」

    「PUメーカー、FIA、F1の間で合意できる項目はいくつかある。それはF1の利益になるものだ。議論を続けて合意点を見出すことが理にかなっている」

    また、来年からアウディに移行するザウバーのジョナサン・ウィートリー代表も、ドイツメーカーの立場を改めて表明した。

    「アウディがF1参入を決めた際の柱は3つあった。高効率エンジン、先進的なハイブリッド技術、そして持続可能燃料だ。その立場は変わっていないし、長期的に維持されるだろう」

  • 2026年新F1パワーユニット 内燃エンジン優位で1000馬力の大台突破へ

    2026年新F1パワーユニット 内燃エンジン優位で1000馬力の大台突破へ

    2026年から導入される新F1パワーユニット。その出力に関して「現行型より非力になるのでは」というファンの懸念があったが、最新のリーク情報で1,000馬力を超える見通しが明らかになった。

    内燃エンジンが想定以上にパワーを発揮しており、電動モーターとの組み合わせで総出力は1,060馬力に達する可能性もある。ハイブリッド時代の新たな幕開けに向け、技術革新の成果が早くも示されつつある。

    この数日間、パドックでエンジニアと話をすると、その緊張感がはっきりと伝わってくる。パワーユニットの期待される出力について、関係者たちは極めて口が重い。誰もが早い段階で手の内を明かしたくないのだ。競合に余計なヒントを与えることも避けている。

    今になってエンジンメーカーが大きな遅れを抱えているとすれば、もはや挽回は難しいだろう。すでに1月のバルセロナテストという最初の大きな試金石が待っているからだ。そのため各ファクトリーでは現在、試験ベンチがフル稼働している。開発のこの段階では、エンジニアたちは最大出力よりもむしろ信頼性に焦点を当てている。

    燃料パートナーにとっての課題は、持続可能な混合燃料を十分な量生産することだ。そうでなければテスト走行中に燃料が切れてしまう恐れがある。エンジンメーカー側もいよいよ生産の正念場に突入している。特にメルセデスやフェラーリのように複数のパートナーチームに供給する立場であれば、遅れは許されない。

    秘密のパワーデータ
    エンジニアたちが手の内を見せないため、最終的な成果物がどのようなものになるのか、そして新しいパワーユニットがどれほどの出力をクランクシャフトに伝えるのかという点に、大きな関心が集まっている。FIAの当初の目標は、電動出力と内燃出力を50:50に分割することだった。

    電動部分は最大350キロワット(475PS)と規定されている。計算上、システム全体で950PSとなるが、これは現行PUの最高出力(レースモードでは1,000PSを超える)を下回る数値である。

    しかしエンジニアたちは、すでに内燃エンジン側の性能を大きく引き上げている。現行車両と比較してシステム出力がどこに位置するのかという問いに対して、メルセデスのエンジン部門トップであるハイウェル・トーマスは笑みを浮かべながら「現行と同等になる」と答えている。この発言が出たこと自体、新しいPUが決して現行より劣らないことを示している。

    F1 2026年パワーユニット/エンジン

    内燃エンジン優位のパワースプリット
    「auto motor und sport」に寄せられた内部情報によれば、内燃側だけで430キロワット(585PS)に達しているという。そこに電動の475PSを加えれば、最大1,060PSとなり、パワー配分は55:45で内燃エンジン側が優位に立つ計算だ。

    さらに開発はまだ始まったばかりであり、特に燃料の改良によって大幅な進歩が見込まれている。そのため専門家は、新PUが近い将来、現行型を大きく凌駕すると予想している。

    特にコーナーの立ち上がり加速では、ドライバーが適応を迫られることになるだろう。電動モーターが後輪に強烈なトルクを送り込むため、現在よりもはるかに大きな加速力が得られる。予選ではドライバーの笑顔を引き出すことになりそうだ。ただし空力ダウンフォースが大きく削減されるため、出力が上がってもすぐにラップレコード更新とはならない。

    初年度は急激な学習曲線に
    レースにおいては、現行車両との差がさらに大きくなる。燃料使用量が制限されるうえ、内燃エンジンが惰性走行時にバッテリー充電を助ける必要があるため、長いストレートの終わりでは早めにスロットルを戻して「セーリングモード」に入らざるを得ない。効率的な燃焼と充電戦略が、今後はこれまで以上に重要になる。

    シーズン序盤、新しいマシンが期待されるほどのパフォーマンスやエンターテインメントを示さなかったとしても、ファンは性急に批判すべきではない。技術革新の規模があまりに大きいため、とくにエネルギーマネジメントにおける学習曲線は極めて急になる。わずか数か月で状況が一変する可能性もある。

    結論
    ファンの懸念とは裏腹に、新PUはすでに現行型を超える出力を発揮している。もっとも、そのパワーが常時利用できるわけではない。長いストレートの終端では、ドライバーはこれまでよりも早めにアクセルを緩めなければならないだろう。しかし燃料技術やエネルギーマネジメントの進歩によって、短期間でさらなる飛躍が期待できる。

  • F1 V8エンジン復活は見送り 関係者「2031年以降が現実的」

    F1 V8エンジン復活は見送り 関係者「2031年以降が現実的」

    F1で一時浮上していたV8エンジン復活の議論は見送りとなり、早くても2031年以降の導入が現実的だと関係者が明かした。2029年案も取り沙汰されていたが、合意形成には至らず、ロンドンで予定されていた会合も延期された。

    来季からはアウディとレッドブルが新規参入するなど、2026年から新たなパワーユニット時代が始まる。各メーカーはハイブリッド化と持続可能燃料の導入を重視しており、現行計画の2030年までを優先する姿勢が確認されている。

    F1がV8エンジンへ復帰するのは、早くても2031年以降になる見込みだ。関係者が、提案されていたより早い導入について合意が得られなかったと認識したためである。

    次週木曜日にロンドンで予定されていたパワーユニットメーカーとFIA(国際自動車連盟)の会合は、時期尚早と判断され延期されたと、イタリアGPでロイターに語った関係筋が明らかにした。

    FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、7月にモンツァで記者団に対し、完全に持続可能な燃料と小規模な電動要素を備えた騒々しい自然吸気V型8気筒エンジンを2029年に復活させる可能性に言及していた。

    一方で、来季からは新たなエンジン時代が始まり、アウディとレッドブルがエンジンメーカーとして参入する。しかしビン・スライエムは、現在の1.6リッターV6ターボハイブリッド以前に使用されていた自然吸気ユニットへの回帰を強く望んでいる。

    2026年からのエンジンはハイブリッド比率が現在のおよそ20%から50%へと増加し、持続可能な燃料によって駆動される。

    ある関係者によれば、現在の考え方は2026年エンジンを2030年末まで予定された5年間のサイクルを全うさせる方向にあり、今は会合を急ぐ必要性が薄れているという。

    今年4月にバーレーンで開催された会合では、2026年エンジンへのコミットメントが確認された。

    ビン・スライエムはモンツァの週末にメーカー各社と協議を行っており、バーレーンでの合意に従って今後も議論が続けられる予定だ。

    V型8気筒 F1 エンジン

    アウディ、メルセデス、ホンダは、2026年エンジンをフルサイクルで運用すべきだと理解されている。ゼネラルモーターズは2029年からキャデラック向けにエンジンを供給する予定であり、ルノーのアルピーヌは来年からメルセデス製パワーを使用する。

    「2026年に関して言えば、アウディは自らの立場を非常に明確にしている」と、チーム代表ジョナサン・ウィートリーは4月に語っている。

    「彼らがこのスポーツに参入した理由は、我々が非常に重要だと考える三本柱にワクワクしたからだ。第一に高効率のエンジン、第二に先進的なハイブリッドシステム、そしてもちろん、その基盤となる持続可能な燃料だ」

    2026年のパワーユニットには一部改良が必要になる可能性もあるが、その程度がどれほどかは実際に来年稼働してみないと明らかにはならない。

  • ホンダとアウディが猛反対 F1 V8エンジン復活検討会議が中止

    ホンダとアウディが猛反対 F1 V8エンジン復活検討会議が中止

    ホンダとアウディが猛反対したことで、FIA会長モハメド・ビン・スライエムが主導するF1のV8エンジン復活計画は大きく頓挫した。9月11日にロンドンで予定されていたエンジンメーカーとチーム代表を招いた会議は、中止が決定されている。

    検討されていたのは、2.4リッターV8エンジンを完全持続可能燃料で走らせ、一定のハイブリッド要素を加える新規定の導入時期。

    2029年または2030年からの採用案が浮上していたが、ホンダとアウディの強硬な反対によって合意形成は不可能となり、会議そのものが白紙に戻った。

    『The Race』が最初に報じたところによると、当初はエンジンメーカーとチームが集まり、ハイブリッドの出力やターボ要素の有無といった詳細を詰める予定だった。ビン・スライエムは2029年からの導入を望んでいたが、メーカー側はコストや複雑性を理由に慎重な姿勢を示していた。

    2030年導入案が妥協点とみられていたが、F1のパワーユニット・ガバナンス協定では2031年以前の規定変更にはメーカー5社のうち4社の賛成が必要となる。ホンダとアウディが明確に反対したことで、その条件を満たすことが不可能になった。

    このため、ビン・スライエムは出席予定者に「現状では合意は得られない」と伝え、会議を取りやめたとされる。ただし2031年以降については協定が存在しないため、理論上FIAは一方的に規定を決定することも可能だ。しかし急進的すぎる変更はメーカー撤退のリスクを伴う。

    F1 V8エンジン(V型8気筒)

    それでもFIAは、2031年のエンジン規定についてはFOMやメーカーと協力して策定していく方針を強調。今回の会議は「延期」とされ、今後の議論に向けて関係者が改めて案を練る時間が設けられることになった。

    ビン・スライエムは今年初め、F1エンジンの将来像についてこう語っている。

    「我々には、もっと軽い新しいエンジンが必要だ。これが進むべき道だ。ギアボックスは単一サプライヤー。燃料も単一サプライヤーにすることが主要な要素のひとつ。そして電動ハイブリッドも単一サプライヤーだ。それはFOMとチームの支持があって初めて成り立つ。だから我々は彼らに投げかける。そして彼らが受け入れるか見てみる。受け入れなければならない、なぜならそれが常識だからだ」

  • F1 V8エンジン復活案が加速 FIAとメーカーが重要会議開催

    F1 V8エンジン復活案が加速 FIAとメーカーが重要会議開催

    F1は、イタリアGP後にFIAがエンジンメーカーを招集してサミットを開き、V8エンジン復活の計画について協議するなど、V8への回帰に向けた動きを加速させている。

    2026年に導入予定の次世代ターボハイブリッドパワーユニットはまだ実走段階に入っていないものの、完全持続可能燃料の導入が長期的に新たな可能性を開くという認識が広まりつつある。新規則のエンジンは技術が複雑でコストが高いとの懸念から、将来的に切り替えるべきだとの機運が高まっている。

    今年初めにはV10復活案も検討されたが現行メーカーからの支持は得られなかった。しかし最近ではターボハイブリッドに代わる新しいパワーユニット計画の議論が進んでいる。その最有力案は2.4リッターV8内燃機関を完全持続可能燃料で走らせるもので、簡略化されたハイブリッドKERSを組み合わせる形だ。これにより電気的寄与は2026年の約50%から10%程度へと縮小される。

    こうした簡素化と重量級バッテリーパックの撤廃により、コストを最大65%削減しつつ重量も低減できると期待されている。試算では新世代エンジンより最大80kg軽量化できるという。

    FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、ターボハイブリッドは役割を終えたと公言しており、7月のイギリスGPでThe Raceに「チームやPUメーカーも、今のエンジンを続けることはできないと理解している。MGU-Hを含む複雑なエンジンだ。役目は果たしたが期待に応えたか? 3年後には旧型となり、導入から15年になる」と語っている。

    F1 V型8気筒 エンジン FIA(国際自動車連盟)

    導入時期を巡る論点
    長期的な選択肢としてV8復活は支持を集めているが、導入時期については意見が割れている。現行の計画では2026年から2030年末までターボハイブリッドが使用されることになっている。しかしビン・スライエムは変更を早めたい考えで、2031年まで待つつもりはない。

    議論の焦点は、いつ変更するかだ。2029年導入案もあるが、多くのメーカーは早すぎると考え、2030年を望んでいる。さらにV8化には新しいシャシーレギュレーションが不可欠で、2026年の切り替え直後に再び全面刷新を迫られることへの抵抗も強い。

    このためFIAは9月11日にメーカーとチーム代表を集めて会議を行い、現状の意見を集約し次のステップを検討する予定だ。

    将来的に持続可能燃料を用いたV8を導入する構想は、F1 CEOステファノ・ドメニカリからも支持されている。夏休み前にThe Raceへ「持続可能燃料とV8の組み合わせは素晴らしい。そこにハイブリッド化を加えるのが未来の次のステップだと思う」と語った。

    ただし同時に「来年の新世代レギュレーションとPUに焦点を当てるべきで、そこから気を逸らしてはならない。その開発に集中し、その後にV8+サステナブル燃料+ハイブリッドが未来だと考える」と強調した。