カテゴリー: F1マシン

  • ミナルディ 「オープンソースパーツはF1に大打撃を与える」

    ミナルディ 「オープンソースパーツはF1に大打撃を与える」

    元F1チームオーナーのジャンカルロ・ミナルディは、2021年移行に導入されるオープンソースパーツに不満を抱いており、このルールの導入はF1の基本に反すると考えている。

    F1は、コスト削減の一環として2021年からオープンソースパーツを導入。これにより、ステアリングコラムやペダルなどの標準タイプのアイテムの設計が共有され、小規模チームはより多くのパーツを他チームから購入して研究開発コストを節約できるようになる。

    だが、ジャンカルロ・ミナルディは、オープンソースパーツの導入には反対だと語る。

    「私の見解では、オープンソースパーツはF1にとって大打撃だ。F1はモータースポーツの王様であり、常に自動車開発の最前線にいる。小規模なチームが大規模なチームからパーツを購入できるようになれば、スポーツの基本に反することになる」

    また、2022年に導入される次世代のF1マシンについても「新しいテクニカルルールを実装することが良いアイデアだとは思わない」とジャンカルロ・ミナルディは語る。

    「最近のマシンはすべて同じように見えるが、それらは実際にまったく同じであり、そこが問題の原因だ。レギュレーションによって大幅に拡大するはずだ。マシンの最小重量と最大寸法だけでいい。そうすれば、チームは浮上するチャンスを得られる」

    ジャンカルロ・ミナルディによれば、彼のチームもその意味でF1で役割を果たしていたと語る。

    「私は常にパドックでより優秀なチームに最高のエンジニアを奪われていた。それはエイドリアン・ニューウェイのような誰かがグリッドの後ろにマシンを見に来たことも一因だ。彼と他のトップデザイナーは、小規模なチームもまったく異なる部品を製造していることを知っていた。彼らはそれらの情報を持ち帰るか、または私のエンジニアごとを連れていった」

    「残念ながら、それは選手を売れば、それに見合った金額を得ることができるフットボールとは異なる。彼らは無料で別のチームに向けて移籍するだけではなく、現在の移籍ルールがまだなかったため、すぐにそこで始めることもできた。発効していませんでした。さよなら、ジャンカルロと言って去っていたよ!」

  • F1、シャシー開発の凍結も2021年にむけてマシンの改善は可能

    F1、シャシー開発の凍結も2021年にむけてマシンの改善は可能

    レーシング・ポイントF1のテクニカルディレクターを務めるアンディ・グリーンは、2021年にむけてF1マシンの開発が凍結されるものの、それでも改善できる十分な範囲があると語る。

    新型コロナウイルス危機による財政的な影響を鑑みて、F1チームは、2021年も2020年マシンを継続して使用することに合意。シャシーの開発は凍結される。

    しかし、アンディ・グリーンは「2020年に悪いマシンだったからとしって、自動的に2021年も悪いマシンになるというわけではない」と Auto Motor und Sport にコメント。

    「まだ自ら陥った危機から抜け出すための余地は十分にある」

    アンディ・グリーンによると、例えば、FIAは信頼性の問題を修正する許可を与え、空力開発はまだオープンであり、複雑な“トークン”システムが他のいくつかの変更のために配置されていると説明する。

    「トークンは、シャーシコンポーネント、ギアボックス、サスペンション、燃料システム、ワイヤーハーネスなどにのみ影響を及ぼす。これにより、マシンコンセプトへの大きな干渉が発生するのを防ぐことができる」とアンディ・グリーンは説明しました。

    9ページのFIAドキュメントには、トークンシステムの対象となるコンポーネントのリストが記載されており、チームは2021に変更する小さなコンポーネントを2つまで選択できる。

    「ルールは非常に複雑なので、我々は何ができて、何ができないかを考えることしかできない」

    「制限は非常に厳しいが、賢く、お金があれば、特にサスペンションやギアボックスのパーツを他のメーカーから購入する場合は、まだ2021年マシンを開発できる」

    「我々は1年遅れているため、これらのパーツを変更できる」とアンディ・グリーンは語り、レーシング・ポイントF1の2020マシンには2019仕様のメルセデスのパーツの範囲が含まれているという事実に言及した。

  • F1、“新しい生活様式”での運用でエンジン交換にかかる時間は倍増?

    F1、“新しい生活様式”での運用でエンジン交換にかかる時間は倍増?

    2020年のF1世界選手権でF1チームのメカニックたちは、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにソーシャルディスタンスを守るといった“新しい生活様式”で仕事をしていく必要がある。

    今シーズン、新型コロナウイルスへの対応としてサーキット入りできるF1チームのスタッフは通常よりもかなり少ない最大80名に制限される。また、その結果としてこれまでとは異なる方法で仕事をする必要がある。

    そして、レース週末にF1マシンにダメージを負うと、あらゆる面で代償を支払う可能性がある。10週間で3連戦が2回開催される序盤8戦はスペアパーツ不足という潜在的な問題がすでに懸念されているが、F1チームスタッフの人数が少なく、さらにソーシャルディスタンスを保る必要があるため、修理には時間がかかる。

    レーシング・ポイントF1のテクニカルディレクターを務めるアンディ・グリーンは、ソーシャルディスタンスと安全プロトコルは今年のガレージの仕事に影響を与え、多くのタスクに関連するリードタイムが大幅に増加すると語る。

    レーシング・ポイントF1は、6月17日(水)にシルバーストンでフィルミングデーを利用して2020年F1マシン『RP20』での走行を実施。目的はドライバーとスタッフのウォームアップとシーズン再開後に実施される新型コロナウイルス対策の手順を練習することだった。

    ソーシャルディスタンスから手袋やマスク、フェイスガードといった個人用保護具(PPE)を着用しての作業に至るまで、レーシング・ポイントF1は、ガレージ内の様々なタスクに適用されるプロトコルを試し、多くの知識を得た。

    「非常に異なっており、今後は本当の挑戦になるだろう」とアンディ・グリーンは語った。

    「基本的には、エンジニアが車で作業しているときのエンジニア同士の距離と、身に着けなければならない個人用保護具の種類を尊重することだ。それは事実上マシンで仕事をする際にかかる時間を変えることになる」

    「通常3時間かかる作業が今では6時間くらいかかってしまう。車内での作業が深ければ深いほど、修理にかかる時間は伸びてしまう。効率的に仕事をするためにはもっと要領の良くやっていかなければならないが、ソーシャルディスタンスのルールを尊重する必要がある」

    「特定の仕事は今ではかなり時間がかかるし、それを管理する必要がある。レース環境にいるとき、我々はトラックサイドでマシンで作業するための特定の時間しかなく、適所にカーフュー(門限)がある」

    「そこで、通常、我々が行うマシンのパーツを変更および修正するのにかかる時間を調べ、それらを再スケジュールして、レース週末に必要なことを実行していること、カーヒュー規則に違反していないことを確認する必要がある。それが我々が昨日学ぼうとしていたことの大きな部分だ」

    リードタイムが大幅に増加した現在、予期しない問題(パワーユニットの変更など)がメカニックに挑戦をもたらし、ドライバーのセッションを危険にさらす可能性がある。修理時間が2倍になると、特にフリー走行3回目にマシンのクラッシュやエンジントラブルが発生した場合には予選に出走できなくなる可能性がある。通常、フリー走行3回目から予選までは2時間の作業時間となるが、新しいガイドラインで作業をすれば時間切れになる可能性がある。

    「急いでそれをする必要がないことを願っている。それは確かだ!」とアンディ・グリーンは語った。

    「現在、エンジンを変更すれば、以前の2倍の時間がかかると思う。一度にマシンに取り組むクルーは特定の数だけのため、実際、パワーユニットの交換を行うスピードは制限されている。パワーユニット交換が必要な時期によっては非常に困難になる」

    「今、やりたくないことは、週末にそれをやり過ぎてしまうことだ。それは、私たちがそれから得た明確なメッセージだ」

    「我々は週末の重要な部分に焦点を合わせ、それを正しく実行し、それを効率的に実行し、それから他のすべての領域を確認するように本当に注意深くいる必要がある」

    「通常であれば変更したくないものを変更する必要がないようにしっかりと構築されていることを確認しなければならない」

    「したがって、信頼性は物事をスムーズに実行し続ける上で重要な要素となる。大きな信頼性の問題が発生した場合、それはパーツを時間内に修理または変更しなければならないという負担をチームにかけ始めることになる」

    しかし、アンディ・グリーンはは、不測の事故は多大な努力を要する作業の困難を増すだけなので、ドライバーがトラブルにできるだけ近づかないように注意することの重要性も強調した。

    「2人のドライバーがいるので、プラクティス中にコースオフしてマシンに大きなダメージを与えれば、修理に時間がかかる可能性があることを認識しておく必要がある。彼らはそれをよく知っていると思う」

  • ナイジェル・マンセル、身体的な挑戦とリスクに欠ける現代のF1に物申す

    ナイジェル・マンセル、身体的な挑戦とリスクに欠ける現代のF1に物申す

    元F1ワールドチャンピオンのナイジェル・マンセルは、現在のF1マシンには身体的な挑戦が欠如していると主張。レース後のF1ドライバーはまるで“ヘアーサロンから出てきた”ように見えると苦言を呈した。

    1992年のF1ワールドチャンピオンであるナイジェル・マンセルは、ターボ時代やグラウンドエフェクトカーといった小さなミスが最終結果に大きな違い、さらには生命さえにも危険をもたらすリスクをはらんだ時代に生きてきた。

    F1で31勝を挙げているナイジェル・マンセルは、過去のF1には明確なレベルの差が存在するとして異なる時代のF1ドライバーを比較することには消極的だ。

    それでも、ナイジェル・マンセルは、6回のF1ワールドチャンピオンであるルイス・ハミルトンであれば、1980年代や90年代初頭のF1でもうまくやっていくことができただろうと考えている。

    「ルイスならばあのような環境でもうまくやっていただろう。だが、時代を比較するのは非常に難しい」とナイジェル・マンセルは Daily Mail に語った。

    「当時は、非常に多くの優秀なドライバーが単純な事故に遭い、脚や腕などを骨折し、キャリアを継続できなくなった。今の優れたドライバーは酷いミスを犯しても、怪我はしない」

    「彼らはマシンの中でほとんど汗もかかない。レースの終了後は、まるでヘアーサロンから出てきたようばかりのようだ」

    「私の時代で美かったことはは、180戦を終えてもまだ生きていると自慢でき、素晴らしいキャリアだったと言えることだ」

    ナイジェル・マンセルは、F1におけるルイス・ハミルトンの成功は、彼の才能だけでなく、メルセデスとの関係が大成功している結果でもあると考えている。

    「彼が非常に若い年齢から与えられた機会だ」とナイジェル・マンセルは付け加えた。

    「ミハエル・シューマッハと同じように、彼はその能力を実証するためにメーカーから信じられないほどのサポートを受けてきた。彼はマクラーレンで彼の最初の世界選手権に勝ち、その後チームを移籍してまた5つのタイトルを勝ち取った」

    「歴史は、彼を我々の国の歴史の中で最も偉大なドライバーとは言わないまでも、偉大なドライバーの一人として描写するだろう」

    「彼が引退する前までに7回目もしくは8回目の世界選手権に勝つことができない理由はない」

    それでも、ナイジェル・マンセルは、偉大なファン・マヌエル・ファンジオを彼の“歴代の偉人”リストの最上位に置く。

    「私は常にファンジオと言っている。ルイスも同意すると思うが、その時代に運転した人たちは真のヒーローでした。シートベルト、適切なヘルメット、適切なゴーグル、そして、時にはグローブもなかった」とナイジェル・マンセルは主張する。

    「彼らは足の間に燃料タンクがあった。もし事故に遭えば、生きるか死ぬかは五分五分だった」

    「だが、ルイスはうまくやっている。あのレベルの称賛を得た人は皆、多くのアドバイスを受ける。彼はちゃんと地に足をつけ、自分で決断し、それらに満足しなければならない」

    —

    メインの写真は1984年にダラスで開催されたアメリカGP。最終コーナーでウォールにヒットしてドライブシャフトを破損したナイジェル・マンセルは、観客の声援を受けてマシンを押し始めるも、フィニッシュラインに到達する前に疲労困憊し、熱中症によって倒れてしまった。

  • F1、超過密スケジュールでスペアパーツ不足の懸念

    F1、超過密スケジュールでスペアパーツ不足の懸念

    F1チームは、10週間に8戦という前代未聞の過密スケジュールによって、スペアパーツ不足という問題に直面する可能性がある。

    新型コロナウイルスのパンデミックによって当初カレンダーの序盤10戦がキャンセルを余儀なくされた後、F1は7月5日にF1オーストリアGPで開幕するヨーロッパラウンドの新たなカレンダーを発表した。

    だが、最初の7週間ですでに2つの3連戦を戦うことになり、F1チームとドライバーにとって非常に厳しいチャレンジとなる。

    レッドブル・リンクのダブルヘッダーとハンガリーGPとの3連戦、1週間の間隔をあけて、シルバーストンでのダブルヘッダーとF1スペインGPとの3連戦になだれ込む。そして、再び1週間の間隔を置いて、ベルギー、イタリアで2連戦が行われる。

    また、9月6日のF1イタリアGPの後、ムジェロもしくはイモラでイタリアの第2のレースが開催されるとされており、それが実現した場合、再び3連戦となる。

    3連戦がなくとも、F1チームは大部分のレースをこれまでよりも短い時間枠で準備しなければならない。そのような混乱したスケジュールでは当然ながらF1チームはリソースの負担を懸念している。

    最大の懸念は、マシンが複数の事故によってダメージを負った場合にスペアパーツが不足するリスクだ。

    メルセデスの最高執行責任者であるロブ・トーマスは「これは我々にとって独特の課題を提示する。2レースがある場合、我々はスペアパーツをいくつか持ってレースに臨む。最初のレースで問題が発生した場合でも、スペアが用意されているため、通常は2番目のレースを管理できる」とコメント。

    「そこに3番目のレースを追加されると、突然、3番目のレースのためのスペアがなくなる。

    「サーキットのメンバーが十分なパーツを持っていることをどのように確認するかはファクトリーにとって本当の頭痛の種だ」

    新型コロナウイルスの大流行の中で、F1チームはは63日間のファクトリーの強制シャットダウン期間を守っていたため、スペアパーツの在庫を構築する時間はほとんどなかった。

    現役チャンピオンチームのメルセデスF1は、現在、開幕にむけて、スペアパーツの在庫を確認し、どのようなアプローチが最適であるかについて評価プロセスを進めている。

    レッドブル・リンクは、いくつかのコーナーで高い“ソーセージ縁石”を特徴としており、過去のイベントではマシンに損傷を与えて論争の的となっている。そのため、レッドブル・リングでの連戦はスペアパーツのジレンマをさらに悪化させる可能性がある。

    メルセデスでも懸念するこのような状況では、小規模なチームの予算を考慮では、インシデントのダメージによる痛みは数倍にも及ぶかもしれない。

    ロブ・トーマスは、チームがリソースを無駄にしないようにするためには、バランスを取る必要があると語り、メルセデスは損傷のリスクが最も高いパーツを部分的に構築して、必要に応じて迅速に方向転換できるようにすることを提案した。

    「多くのスペアを用意することもできますが、それは本当に高価であり、無駄にしたくはないので、効率を上げる必要がある。ちょっとした迫られる」とロブ・トーマスは語る。

    「我々が目を向けているのは、レースで一般的に損傷または摩耗するパーツを特定し、それらを迅速に方向転換できる製造フェーズにあることを確認するこだ」

    「パーツの内容に応じて、半分にするか、4分の3にし、反応する。我々のファクトリー全体がスピードと柔軟性を中心に構築されており、確実に反応できるようになっている」

    「幸いなことに、これに慣れているので、問題が発生しても、通常は非常に短時間で問題を解決できる」

    「我々は今後6か月間が全開になることを知っている。そのために準備を整えた最高の状態になることが本当に重要になる」

  • F1マシン列伝:レッドブル・ホンダ RB15 “ホンダF1の13年ぶりの勝利”

    F1マシン列伝:レッドブル・ホンダ RB15 “ホンダF1の13年ぶりの勝利”

    レッドブルF1の2019年F1マシン『RB15』は、ホンダF1に13年ぶりの勝利という大きな節目をもたらした1台だ。

    レッドブルは2019年からルノーに代えてホンダのF1エンジンを搭載。レッドブル・ホンダとして初マシンとなるRB15は“空力の奇才”エイドリアン・ニューウェイが現場に本格復帰という触れ込みで登場した。

    だが、RB15は2019年に新たに導入されたフロントウイングの解釈を誤った。以前のマシンは強力なフロントウイングをベースに構築され、空気を後方にむけ、足回りを密閉していたが、フロントウイングを簡素化しただけの対応でフロントとリアのバランスが崩れた。

    伝統的にレッドブルのマシンは“コーナリングマシン”としての特性があり、ルノーのエンジンパワー不足によるストレートでの赤字を巧妙なダウンフォースによるコーナーでのスピードとトラクションでカバーしてきた。

    また、近年、レッドブルはルノーの非力なF1エンジンでのストレートスピードをカバーするためにドラッグを減らし、ダウンフォースを削る方向でマシンを設計していた。そのため、ダウンフォースが減り、ホンダのF1エンジン搭載によってパワーが増したことで、特にリア周りのバランスがうまく取れないマシンに仕上がってしまった。

    結果として、開幕戦オーストラリアGPと第5戦スペインGPでの3位表彰台を獲得したものの、シーズン前半のRB15は勝利を争える戦闘力はなかった。

    しかし、第9戦F1オーストリアGPで導入したフロントウイングでようやくマシンのフロントとリアが連携するようになった。また、ホンダF1は第8戦フランスGPでジェット機部門と連携して信頼性とパワーに改良が加わった“スペック3”エンジンを投入し、戦えるマシンへと変貌していた。

    F1オーストリアGPでは、マックス・フェルスタッペンが魅せた。

    国際映像で流れた『エンジンモード11 ポジション5』というエンジニアからの“優勝を狙いにいく”メッセージを受け取ったマックス・フェルスタッペンは、フェラーリのシャルル・ルクレールを強引にオーバーテイクし、トップでチェッカー。ホンダF1に13年ぶりの勝利をもたらした。表彰台の頂点で“HONDA”マークを指さすフェルスタッペンにかつてのアイルトン・セナとホンダF1との絆を重ね合わせるファンもいたに違いない。

    その後、第11戦ドイツGPでもマックス・フェルスタッペンは勝利。そして、第12戦ハンガリーGPでは、ポールポジションを獲得。メルセデスのエンジンに冷却問題が発生していたオーストリア、雨で波乱となったドイツとは異なり、ハンガリーでのポールポジションはレッドブル・ホンダ RB15が本格的に戦えるマシンであることの証明となった。

    マックス・フェルスタッペンは第20戦ブラジルGPでも勝利。最終的にレッドブル・ホンダは3勝、9回の表彰台、3回の予選トップタイム、3回のファステストラップを記録する競争力を見せ、特にシーズン後半はメルセデスやフェラーリとコース上で勝利を争えるまで進化を果たして、レッドブル・ホンダはコンストラクターズ選手権3位でシーズンを終えた。

    戦える基盤を整えたレッドブル・ホンダが生み出した2020年F1マシン『RB16』は、エイドリアン・ニューウェイ節が炸裂した空力マシンとしてのルックスが復活しており、7月5日にレッドブル・リンクでいよいよ再開するシーズン開幕戦オーストリアGPでの勝利が期待されている。

    レッドブル・ホンダ RB15レッドブル・ホンダ RB15 ②レッドブル・ホンダ RB15 ③レッドブル・ホンダ RB15 ④レッドブル・ホンダ RB15 ⑤レッドブル・ホンダ RB15 ⑥

  • F1 「2026年のルール変更まで新規エンジンメーカーの参入はない」

    F1 「2026年のルール変更まで新規エンジンメーカーの参入はない」

    F1のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、2026年にルールが変更されるまで、新たなパワーユニットメーカーがF1に参入することはないと認め、新しいフォーマットの選択肢についてはオープンだと付け加えた。

    フォルクスワーゲン/アウディはかなり前にF1への参入を検討外にしており、現時点で潜在的な新規参入者に名乗りをあげているメーカーはいない。

    ロス・ブロウンは、2025年まで継続される現在のレギュレーションの下では状況は変わらないと認める。

    しかし、2026年に新しいパワーユニット仕様にリセットされることにより、フェラーリ、メルセデス、ホンダ、ルノー以外のサプライヤーが長期的なF1参戦の計画を立て始めることが期待されている。

    「新しいエンジンを作らなければならないと思うようになるまでそれほど遠くない」とロス・ブラウンは語る。

    「というのも、新しいエンジンは18か月以内に設計を開始する必要があるからだ」

    「そのため、FIAとメーカーは、次のパワートレインがどのようになるかを検討している。それは、新しいメーカーを参入させるチャンスだと思っている。我々はそのための設計仕様を見つける必要がある」

    「その期間に関連するパワートレインをどのように感じるかに目を向けている。誰も現在のエンジンに投資するつもりはない。その時点で終わることになるからだ。スピードを上げるのは非常に大きな投資だ」

    新しい規制を完全に定義する緊急性はないが、F1とFIAの両方の専門家はすでにアイデアの評価を始めている。

    「我々はそれについて議論していた」とロス・ブラウンは語る。

    「パット・シモンズ、ニック・ヘイズ、ジル・シモン、ファブリス・ロム、ニコラス・トンバジスといった我々全員が、パワートレインが将来どのように見えるべきかについて取り組んでいる」

    「我々が何が目的であるかを把握している。関連性、経済性、そして、良いレーシングエンジンでなければならない。達成したいことは把握しているが、それがどのようなものになるかはまだ定義していない」

    「我々は未来へのソリューションに代替アプローチがあると信じ続けている。1つのソリューションがあるとは思っていない。非常に関連性の高いスペースを占めることができると信じている」

    「持続可能な燃料は我々にとって重要なことだ。なぜなら、どのようなエンジンであれ、それが主要な部分になるからだ」

    「我々は一部のパートナーと協力して、F1に持続可能な燃料を導入するための戦略に取り組んでいる。そこが将来の大きな要素になる。しかし、現時点では、エンジンの外観については考えていない」

    現在のレギュレーションの改正になるのか、もしくはより根本的な変化になるのかと質問されたロス・ブラウンは「今のところ、同様のテクノロジーが維持されると感じている」とコメント。

    「いくつかの急進的なエンジンが出てきてはいるが、それらが18か月でコミットできるほど十分に確立されるとは考えていない」

  • F1マシン列伝:実際にレースでは走ることがなかったカラーリング

    F1マシン列伝:実際にレースでは走ることがなかったカラーリング

    ウィリアムズF1は5月29日(金)にROKiTとのタイトルスポンサー契約を解消することを発表。プレシーズンテストでFW43を彩ったカラーリングを実際にレースで目にすることはなくなった。

    シーズン開幕前のスポンサー契約解消は非常に珍しいことではあるが、過去にはテストだけで使用されたカラーリングは多く存在した。過去のアーカイブを掘り下げてみよう。

    ルノー R27(2007年)
    ルノー R27(2007年)
    マイルドセブンとのタイトルスポンサー契約が終了したルノーがR27を発表した際、暫定的なブルーとイエローのカラーリングが施された。このカラーリングは1月末にINGとのタイトルスポンサー契約が発表されてカラーリングが変更するまでのヘレステストで使用された。

    マクラーレン MP4-22(2007年)
    マクラーレン MP4-22(2007年)
    一見するとこのマクラーレン MP4-22の印象的なクロームカラーリングはレースで走っていたように見えるが正確にはそうではない。シルバーストンでのインシーズンテストではフェルナンド・アロンソがテストしたパーツはボーダフォンの赤がブラックに塗り替えれていた。

    B・A・Rホンダ 006 (2004年)
    B・A・Rホンダ 006 (2004年)B・A・Rホンダ 006B・A・Rホンダ 006
    2004年にいくつかのチームはプラクティスで3台目のマシンを走らせることを許された。BARホンダはテストドライバーのアンソニー・デビッドソンが金曜セッションで数回走行を実施。ハイライトはドライビングポジションを表現したカラーリングだった。F1中国GPではチームオーナーのブリティッシュ・アメリカン・タバコが555を宣伝するためにアンドニー・デビッドソンのサードカー、オーバーオール、ガレージデカールはブルーとイエローの専用カラーとなった。F1トルコGPではローカルスポンサーのために赤が際立ったカラーリングが施された。後のスーパーアグリに似たカラーリングだ。

    レッドブル/ジャガー R5 (2004年)
    レッドブル/ジャガー R5 (2004年)
    レッドブルがジャガーを買収した2004年末の最初の走行では、R5はレッドブルのエナジードリンク缶に似たカラーリングが施された。このカラーリングはレッドブルのコーポレートカラーが施された2005年マシンRB1が登場するまで使用された。

    フォース・インディア VJM10 (2017年)
    フォース・インディア VJM10 (2017年)
    フォース・インディア VJM10は、プレシーズンテストでは2015年以降に使用されたシルバースキームが用いられていた。しかし、開幕戦前にBWTとの契約が決定。ピンクのカラーリングに変更され、このカラーリングがテストで走ったことはなかった。

    マクラーレン MP4-20 (2005年)
    マクラーレン MP4-20 (2005年)
    マクラーレンが現在のパパイヤオレンジを採用するはるか前の2006年、WESTとのスポンサー契約を終了したマクラーレンはテスト用のカラーリングを採用。1997年にもこのカラーリングは使用された。

    ホンダ RA107 / RA108 (2007年/2008年)
    ホンダ RA107ホンダ RA108
    2007年と2008年の冬季テストでホンダF1はテストラーリングを走らせた。1年目はブラックでジェンソン・バトンもそれに合わせたヘルメットを用意。2年目は白。それぞれのマシンはレースではEarth Dreamsコンセプトに置き換えられた。

    フォース・インディア VJM01 (2008年)
    フォース・インディア VJM01 (2008年)
    2007年にビジェイ・マリヤがスパイカーを買収してフォース・インディアが誕生。冬季テストでは現在のアルファロメオのようなワインレッドとホワイトのカラーリングが使用された。レースではゴールド、レッド、ホワイトのカラーリングに変更された。

    アルファロメオ C38/C39 (2018年/2019年)
    アルファロメオ C38アルファロメオ C39
    アルファロメオ C38は、バレンタインデーにフィオラノでシェイクダウンを実施した際、ブラックのボディにハートとアルファロメオの伝説的な“クアドリフォリオ(四つ葉のクローバー)”の紋章が赤いラインで施された。2020年マシン C39のシェイクダウンではsnake(蛇)柄のデザインが施された。

    レッドブル RB11 (2015年)
    レッドブル RB11 (2015年)
    レッドブル RB11のシェイクダウン時に施された“CamoBull”は近年で最も有名なカラーリングかもしれない。市販車の開発などで使用されるダズル迷彩が施されて登場したRB11は、2010年台で唯一勝利を挙げられなかったレッドブルとなった。

    レッドブル RB14 / RB15 (2018年/2019年)
    レッドブル RB14レッドブル RB15
    レッドブルのテスト用カラーリングは非常に人気が高い。2018年マシンRB14はネイビーにブルーの塗装、2019年マシンRB15はネイビーにレッドのカラーリングで登場した。

    ウィリアムズ FW36 (2014年)
    ウィリアムズ FW36 (2014年)
    ウィリアムズは、テストでネイビーの暫定カラーを使用することが多かった。最後にこのカラーが使用されたのはマルティーニとの契約が発表される前の2014年となった。

    ルノー R.S.16 / R.S.20 (2016年/2020年)
    ルノー R.S.16ルノー R.S.20
    ルノーが2016年にワークスチームとしてF1復帰した際、開幕戦でイエローのカラーリングに変更される前、プレシーズンテストではブラックのカラーリングを走らせた。このアプローチは2020年も行われた。ただし、DPワールドをタイトルスポンサーに迎えたカラーリングはまだコース上を走っていない。

  • 2021年からF1に導入される空力テストのハンディキャップシステムの概要

    2021年からF1に導入される空力テストのハンディキャップシステムの概要

    2021年のF1世界選手権には、F1チームのコンストラクターズ選手権の順位に基づいたスライド式の空力開発ハンディキャップシステムが導入される。

    新型コロナウイルスによる財政危機の影響を反映して修正された2021年のF1レギュレーションでは、予算上限を含む規約変更の一部として、F1チームの風洞テストの実行回数とCADによるマシン開発に費やす時間が制限される。

    この制限は、コストを削減し、個々のF1チームとチャンピオンシップの両方をより持続可能にするだけでなく、競争力があり、予測不可能なレースにつながるより平等な競争の場が生み出されることが期待されている。

    数年前までは空力開発の量は無制限だった。一部のF1チームは24時間年中無休で風洞でスケールモデルを走らせることができた。複数の風洞を稼働させているチームさえいたほどだ。

    風洞での開発は、F1チームが0.1秒を獲得するのに役立ったが、非常に高額な費用がかかった。そのため、近年は、風洞に制限が導入され、今年までF1チームは風洞での走行が週に65回に制限されていた。

    しかし、2021年シーズンからは、予算上限の導入と併せて、風洞の走行回数が30%以上削減され、週あたりわずか40回の走行がデフォルトの許容量となる。さらに、F1では初めて、各チームの風洞の許容範囲とCFDテスト時間は、コース上のパフォーマンスによって定義されることになる。

    それらは前シーズンのコンストラクターズ選手権の順位に基づいて決定され、進行状態を反映するために毎年6月30日にリセットされる。

    仮に昨年のコンストラクターズ選手権の順位を元にすれば、メルセデスは割り当ての90%に制限される。これは1週間あたり36回の走行に相当される。下の表に示すように、チャンピオンシップの順位が下位になるにつれて、割り当てが増加する。

    10位のウィリアムズ(またはF1に参加する新しいチーム)の許容量は112.5%となり、週あたり45回と大幅に高くなる。

    2022年以降、割り当ては9位と10位のチームに対してさらに減少する。チャンピオンチームは割り当ての70%に制限され、週あたり28回の走行に減少する。9位のチームは前年と同じ割り当てを受け取り、10位のチームは1回分の増え、46回に増加する。

    前年度の順位 2021年 2022年~25年
    1 90% 70%
    2 92.5% 75%
    3 95% 80%
    4 97.5% 85%
    5 100& 90%
    6 102.5% 95%
    7 105% 100%
    8 107.5% 105%
    9 110% 110%
    10+ or new team 112.5% 115%

    新しいテクニカルレギュレーションを考案するチームの一員であるF1の空力責任者であるジェイソン・マービルは「シーズンを通して競技の場を平準化するだろうか? おそらくそうではないだろう」と語る。

    「しかし、数シーズンにわたって、グリッドが拮抗していくのを見られなくなることはほとんどなくなるだろう」

    実際に空力開発ハンディキャップシステムによる変化が見らえるのは、レースの質を向上させるためにF1マシンを一新する新レギュレーションが導入される2022年からとなる。

    F1チームはすでに新世代F1マシンの作業を開始していたが、2021年1月までの追加作業は禁止されており、さらにルールの変更が予定されている。

    「完全にリセットされるわけではないが、ルールにいくつかの変更が加えられるため、1月に開始された際に彼らはほぼゼロから再び開始することになる」とジェイソン・ソマービル氏は付け加えた。

    「風洞をどのように使用するかを決めるのはチームの責任となる。メルセデスの場合、28回の走行のうち2021年F1マシンにどれだけの時間を費やし、2022年F1マシンにどれだけ費やすことになるだろうか? それは難しい決断だ。競争上の順位によっては、現在のマシンをあきらめたくない場合もある」

    メルセデス、フェラーリ、レッドブルなどのチームは、風洞とCFD時間の使用方法について以前よりもさらに効率的になる必要がある。

    「全員が週に65回の走行があり、そのほぼのすべての走行を使用していると思う」とジェンソン・マービルは語る。

    「それがシーズンを通して彼らがマシンを改善させる方法であり、そこにはマシンを着実に速くするための重要な新しいデザインがある」

    「メルセデスやフェラーリのようなチームがその時間が少なくなる場合、彼らがある程度の痛みを感じることは間違いない。バイアスを小さなチームにシフトすれば、おそらく大きなチームにはできない改善が行われる」

    「しかし、風洞実験がすべてのチームにとって同じ価値があるわけではないところにも価値がある。メルセデスの風洞実験はおそらく非常に効率的だ。なぜなら、彼らには非常に資金があり、非常に強力な空力グループがあり、何年にもわたってプロセスを効率的にしてきたからだ」

    下位でシーズンを終えたチームは、より多くの時間を利用できるため、開発に積極的になることができる。追加の時間は、より多様な空力のアイデアを探求する能力を彼らに与える。それが成功すれば、彼らが順位を上げる助けになるかもしれない。

    だが、結局のところ、余分な時間があってもマシンが速くはなるわけではない。どのように使うかが重要になってくる。

  • F1、2021年F1マシンのダウンフォース削減のためにフロア規定を微調整

    F1、2021年F1マシンのダウンフォース削減のためにフロア規定を微調整

    F1は、2021年F1マシンのフロアを規定する技術規則の微調整を発表した。

    2021年に予定した新F1レギュレーションの導入が2022年に1年延期されたことを受け、F1とFIA(国際自動車連盟)は2021年の開発を制限し、コストを節約するための対策を追加。5月27日(水)のFIA 世界モータースポーツ評議会で承認された。

    2021年にはいくつかの空力アップグレードは余地はまだあるものの、シャシー設計は2020年に使用されるものとほぼ同じになる。

    ただし、フロアの寸法を規定する規制は、オフシーズン中のダウンフォースの増加を抑えるために変更された。

    ピレリは、3シーズン連続で同じタイヤ構造を使用することになり、ダウンフォースが増加した場合、必須のタイヤ空気圧をさらに上げる必要が出てくる。

    だが、フロアを変更することで、F1タイヤの空気圧が設計された範囲を超えることを回避できる。

    2021年の規制により、リアタイヤの前方に除外ゾーンが義務付けられた。これにより、フロアの両側から三角形の形状が切り取られ、フロアによって生じる全体的なダウンフォースが減少する。

    2021年F1マシン フロア規定
    これは、上図のように、コックピットの後ろから引かれた“plane C-C”と交差する点と床の端との間、および後輪の軸に沿って車の中心線から650mmの位置にある第2の点の間で定義される。これにより、上記の赤色で強調表示されているような除外ゾーンが形成される。

    つまり、タイヤの前方のフロアにあるスロットやカットの多くは、その除外ゾーン内にあるため、許可されなくなる。

    さらに、このエリアで可能だった開発も減少する。このエリアでフロアの周りにシールを提供し、リアタイヤからの乱流がディフューザーに入るのを防ぐために一般的に使用されていた。

    さらに、フロアでのフレックス(たわみ)テストはますます厳しくなり、ボディワークは2020年の規制で許可されている10mmから垂直方向に8mmしかたわんではならないことになる。