投稿者: dbcheck

  • マクラーレンF1 ピアストリをノリス支援に回すべきとロズベルグ「契約が許すなら」

    マクラーレンF1 ピアストリをノリス支援に回すべきとロズベルグ「契約が許すなら」

    マクラーレンF1はシーズン終盤、オスカー・ピアストリをランド・ノリスの支援役に回す可能性を検討すべきだと、2016年F1ワールドチャンピオンのニコ・ロズベルグが語った。

    ただし、ピアストリの契約にはチーム内で平等に扱われることを保証する条項が含まれている可能性があり、簡単に実行できるものではないとも指摘している。

    それでもロズベルグは、マクラーレンが現F1ワールドチャンピオンであるノリスのタイトル防衛を本気で後押しするのであれば、いずれチームオーダーを含めた対応が必要になるとの考えを示した。

    マクラーレンのアップデートでノリスが追い上げ
    夏休み前後に投入されたアップデートパッケージ以降、マクラーレンは非常に高い競争力を発揮している。

    ノリスはその間に2勝を挙げ、F1スペインGPでも不運なVSC(バーチャル・セーフティカー)がなければ、勝利を狙える可能性があった。

    しかし、ドライバーズ選手権では首位キミ・アントネッリとの差が106ポイントまで広がっており、タイトル獲得の可能性は厳しい状況にある。

    一方、ピアストリは現在、チームメイトのノリスから66ポイント遅れている。この状況から、マクラーレンが残されたタイトルの可能性を最大化するには、2人を完全に自由に戦わせるのではなく、チームとしてノリスを支援する必要が出てくる可能性があるとロズベルグは考えている。

    ピアストリの契約条項が障壁になる可能性
    ただし、ロズベルグはピアストリとの契約そのものが、マクラーレンの選択肢を制限している可能性を指摘した。

    「まず、オスカーの契約には、常にナンバーワンドライバーとして扱われるという条項が入っていることがよくある。だから、それが最初に乗り越えなければならない障害になる。例えば、僕の契約にもそういうものが入っていた」

    ロズベルグ自身もF1ドライバー時代、チーム内での扱いに関する条項を契約に盛り込んでいたという。

    そのため、単純にマクラーレンがピアストリに対してノリスを支援するよう指示できるとは限らない。

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

    「マクラーレンはできるだけ早くやるべき」
    一方、契約上の問題がなければ、ロズベルグはマクラーレンがノリスを優先する体制へ移行すべきだと考えている。

    「でも、それ以外の問題がないのであれば、もちろんマクラーレンはできるだけ早くそうするべきだ。ただ、選手権ではまだ少し早い時期でもある」

    「だから、それをいつ始めるべきなのかは分からない。でも、どこかの時点で、そういう方向へ進むことを検討する可能性はあると思う」

    現時点ですぐにピアストリを明確なサポート役とするのは時期尚早としながらも、タイトル争いの状況次第では判断が必要になるという見方だ。

    ロズベルグがノリスを高評価
    ロズベルグがノリスへの支援を提案する背景には、今季のパフォーマンスに対する高い評価もある。

    「それに、ランドは今年、本当に素晴らしい仕事をしている。これまで以上にいいドライビングをしているし、昨日の予選を除けば、マクラーレンでは明らかに一番いい走りをしている」

    「今の彼は完全に上昇傾向にある」

    アントネッリとの106ポイント差を考えれば、ノリスのタイトル防衛は容易な状況ではない。それでもマクラーレンの競争力が高まるなか、ロズベルグは残された可能性を追求するためにも、ピアストリをノリスの支援に回すという選択肢をチームが検討する時期が訪れる可能性があるとみている。

  • フレデリック・ベスティ メルセデスF1リザーブの苦悩「本当に残酷」

    フレデリック・ベスティ メルセデスF1リザーブの苦悩「本当に残酷」

    メルセデスF1のリザーブドライバーを務めるフレデリック・ベスティが、自身の置かれている状況の厳しさを率直に語った。24歳のデンマーク人ドライバーは、幼いころから追い続けてきたF1のレギュラーシート、そして将来的なF1ワールドチャンピオンという夢を今も諦めていない。

    しかし現在のベスティの仕事は、メルセデスでタイトル獲得を目指すキミ・アントネッリとジョージ・ラッセルを支えることだ。

    F1の現場にいながら、自らグランプリでマシンを走らせることはできない。その状況が、次第に大きな精神的負担になっているという。

    「本当に、本当に、本当に残酷だ」
    リザーブドライバーという役割は、ベスティにとってますますつらいものになりつつある。それでもメルセデスでの仕事には全力で取り組み、F1マシンをドライブするわずかなチャンスを得るために努力を続けている。

    母国デンマークの『Ekstra Bladet』のインタビューで、ベスティは現在のフラストレーションを隠そうとはしなかった。

    「本当に、本当に、本当に残酷だ」

    さらに難しいのは、自分自身がいつかその座を手に入れたいと願っている一方で、現在はメルセデスの2人のレギュラードライバーを支えることに仕事の大部分を費やさなければならない点だ。

    「僕の持っているポジティブなエネルギーはすべて、キミかジョージがワールドチャンピオンになるのを助けるために使っている。もちろん、それは難しい。僕自身、8歳のころからワールドチャンピオンになることを夢見てきたからね」

    それでも、ベスティは現状を受け入れて諦めたわけではない。現在はレギュラードライバーの陰にいる立場だが、チャンスが訪れたときに備え、最大限の準備を続けている。

    そのなかでも、メルセデスのシミュレーターでの作業は重要な役割を占めている。

    「僕はこのツールで懸命に仕事をしているし、誰よりもよく理解している」

    フレデリック・ヴェスティ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    2週間ごとにショブリンへ「いつ乗れる?」
    ベスティは、実際のF1マシンを次にいつドライブできるのかを確認するため、チームにも継続的に働きかけている。

    「2週間に一度、『ショブ』(トラックサイド・エンジニアリングディレクターのアンドリュー・ショブリン)に、いつまたマシンを運転できるのか聞いている。必要なチャンスを作り出すために、できる限りプッシュしているんだ」

    だが、何よりつらいのは、グランプリの現場まで足を運びながら、自分自身はレースに参加できないことかもしれない。

    ベスティは笑みを浮かべながらも、F1が常に目の前にあることが、逆に待ち続ける苦しさを増幅させていると明かした。

    「僕はF1にいるのが嫌いなんだ。笑ってしまうかもしれないけど、それが一番強く感じていることだ」

    「F1はそこにある。でも、手が届かない。あるいは、ほとんど手が届かない。その『ほとんど』という部分が、僕に希望を持たせ続け、信じさせ続けている」

    「その間、22台のマシンがぐるぐる走っているのをただ立って見ていて、自分自身は運転することを許されていない。それ以上に残酷なことなんて、僕には想像できない」

    2028年のF1レギュラーシートを目指すベスティ
    ベスティは2027年もメルセデスのリザーブドライバーを務める見通しだ。それでも2028年に向けてチャンスが生まれることを期待し、F1のレギュラーシート獲得を目指し続けている。

    その目標は、子どものころからまったく変わっていない。

    「僕は人生ずっと、F1のワールドチャンピオンになることを夢見てきた。プロのレーシングドライバーになることを夢見ていたわけじゃない」

    「夢はF1なんだ」

    F1のすぐそばまでたどり着きながら、その最後の一歩を踏み出せないベスティ。メルセデスを支える重要な役割を果たしながらも、本人が求めているのはリザーブという立場ではなく、自らグリッドに並び、F1で勝利とタイトルを争う機会である。

  • ハースF1 2027年ドライバー選考は「速さ最優先」 小松礼雄が5人の候補を評価

    ハースF1 2027年ドライバー選考は「速さ最優先」 小松礼雄が5人の候補を評価

    ハースF1は2027年のドライバーラインナップ決定に向け、5人の候補を検討している。チーム代表の小松礼雄は、その選考における最優先事項は純粋な「パフォーマンス」だと明言した。

    2026年のリザーブドライバーを務めるジャック・ドゥーハンも候補のひとりであり、今週ヘレスで行われた旧型車テスト(TPC)でハースのF1マシンをドライブ。アルピーヌでの短いF1参戦を終えて以来、初めてF1マシンのコックピットに戻った。

    ハースF1が5人の候補を比較
    ハースは2027年について、現時点で2人のドライバーのいずれも正式発表していない。ただし、フェラーリのジュニアドライバーであるオリバー・ベアマンは3年目のシーズンを迎える可能性が高いとみられており、焦点となっているのはチームメイトの座だ。

    現職のエステバン・オコンは、ハースが獲得した21ポイントのうち3ポイントにとどまっており、チームでの将来は不透明となっている。

    ハースは候補者を評価するため、これまでに2回のTPCを実施した。

    ポルティマオで行われた最初のテストには、フェラーリのジュニアドライバーであるラファエル・カマラ、マクラーレンのリザーブドライバーであるレオナルド・フォルナローリ、トヨタと関係を持つ平川亮が参加した。

    そして今週ヘレスで実施された2回目のテストには、ジャック・ドゥーハン、平川亮、2024年スーパーフォーミュラ王者の坪井翔が参加した。

    ドゥーハンにとっては、2025年F1マイアミGP後にアルピーヌでのレギュラー参戦を終えて以来、初めてF1マシンを走らせる機会となった。


    小松礼雄「パフォーマンスが絶対的に最優先」
    小松礼雄は、PlanetF1.comを含むメディアに対し、レースシートを決めるうえで最も重要なのは速さだと説明した。

    「私は常に、ドライバーはパフォーマンスで選ぶと言ってきました。ですから、パフォーマンスが絶対的に最優先です」

    「もし2人のドライバーのパフォーマンスが同等であれば、所属先との関係や、そのドライバーが持っているパッケージも考慮します」

    「しかし、3分の3秒遅いドライバーを、トヨタやフェラーリとの関係があるから、あるいはスポンサー資金を500万多く持っているからという理由で選ぶことはありません」

    「そういうことはしません。まず何よりもパフォーマンスです」

    一方で、タイム差が極めて小さい場合には、メーカーやチームとの関係性も判断材料になるという。

    「例えば10分の1秒以内だったり、本当に非常に僅差だったりする場合には、もちろん所属先との関係やパッケージも考慮されます。それでも、我々はパフォーマンスを基準に選ぶことができると思っています」

    フェラーリやトヨタとの関係は決定打にならず
    候補者の背景はさまざまだ。トヨタはハースのパートナーであり、その支援を受けるドライバーがいる。フェラーリはハースのF1パワーユニット供給元であり、フェラーリ系ドライバーも候補に含まれる。さらにフォルナローリはマクラーレン所属だ。

    そして、現在ハースのテストドライバーを務めているドゥーハンもいる。

    ベアマンの残留が有力視されるなか、小松礼雄には、もうひとりのフェラーリ系ドライバーを起用してハースがフェラーリの「ジュニアチーム」と見られる可能性について質問が飛んだ。

    「正直、それは私にとってまったく問題ではありません。我々は本当に速いドライバーを2人欲しいんです。それが、このチームを成長させるための最善の方法だからです」

    「フェラーリのドライバーが2人でも、トヨタのドライバーが2人でも、マクラーレンのドライバーが2人でも関係ありません。フォルナローリはマクラーレンのドライバーですよね」

    「でも、本当に関係ありません。誰が一番速いのか。それが最も重要です」

    「チームの400人が最高の選択だと分かる必要がある」
    小松礼雄は、ハースで働くスタッフに対しても、純粋な能力を基準にドライバーを選んだと示すことが重要だと強調した。

    「繰り返しになりますが、ここで働いている400人全員にとって、自分たちが獲得できるなかで最高のドライバーを選んだと分かる必要があります。そして、その2人がマシンから最大限を引き出せるドライバーである必要があります」

    「追加のお金を持ってくるという理由で、0.5秒遅いドライバーを選ぶことを想像してみてください。それではチームのモチベーションは上がりません」

    「それに、コンストラクターズ選手権で1つ順位が違えば、かなり大きなお金になりますよね」

    「先ほど言ったように、私は一貫した考えを持っています。これまでも常に、ドライバーはパフォーマンスで選ぶと言ってきましたし、今もその方針で進めています」

    ハースF1チーム

    2027年ラインナップ発表はまだ先
    ドゥーハンをはじめとする候補者、そして現レギュラーのオコンを含む5人が最終的な判断を待つことになるが、ハースがすぐに結論を発表する予定はない。

    発表時期について尋ねられた小松礼雄は、次のように答えた。

    「分かりません。少なくとも来週ではない、と言っておきます」

    「我々は非常に恵まれた状況にいると思います。本当に多くのドライバーが我々のシートに興味を持ってくれています。5人ですね」

    ハースF1は、メーカーとの関係やスポンサー面の条件を完全に無視するわけではないものの、あくまで速さを最優先して2027年のドライバーを決定する方針だ。ヘレスでF1マシンに復帰したドゥーハンを含め、5人によるシート争いは今後もしばらく続くことになりそうだ。

  • MotoGPオーストリアGP スプリント:アコスタ痛恨転倒でマルティン逆転優勝

    MotoGPオーストリアGP スプリント:アコスタ痛恨転倒でマルティン逆転優勝

    MotoGP第15戦オーストリアGPのスプリントがレッドブル・リンクで行われ、アプリリアのホルヘ・マルティンが劇的な逆転優勝を飾った。独走態勢を築いていたペドロ・アコスタが残り3周で転倒。マルティンが勝利を手にし、MotoGP世界選手権のランキング首位を奪い返した。

    マルティンはオープニングラップでタイトル争いのライバル、マルク・マルケスとの攻防によって一時8番手まで後退したものの、そこから猛烈な追い上げを披露。8周目には2番手まで挽回し、最終的にはアコスタの転倒によって首位に浮上した。

    マルティンとマルケスが接触寸前の激しい攻防
    ポールポジションからスタートしたマルティンはターン1でホールショットを奪った。しかし、コーナー出口でワイドになったことで、マルケスがターン2のシケインで並びかけた。

    マルケスは積極的にインへ飛び込み、両者は激しく競り合った。マルティンはコース外へ押し出される形となり、勢いを失って一時8番手まで順位を落とした。

    一方、その攻防を利用したアコスタがターン3でマルケスを攻略。マルケス自身もブレーキングでミスを犯し、KTMのアコスタがトップに立った。

    そこからアコスタは後続との差を一気に広げ、母国メーカーKTMにスプリント勝利をもたらすかに見えた。

    8番手から猛追したマルティン
    序盤のアクシデントで8番手まで落ちたマルティンだったが、すぐさま反撃を開始した。ただし、トラックリミット警告を受けており、慎重さも求められる状況だった。

    マルティンは次々と前方のライダーを攻略し、7周目の開始時点にはチームメイトのマルコ・ベッツェッキを抜いて3番手へ浮上した。

    さらに次の周のターン1ではマルケスに仕掛け、激しいブレーキング勝負の末に2番手を奪取。マルケスを縁石側へ追いやるほどの攻防となったが、マルティンはそのまま前へ出ると、すぐにドゥカティとの差を広げた。

    ただし、この時点でトップを走るアコスタは約2.8秒先行していた。残り周回を考えれば、マルティンにとって2位が現実的な最高結果と思われた。

    独走アコスタが残り3周で痛恨の転倒
    レースを大きく動かしたのは12周目だった。

    危なげなくトップを走っていたアコスタがターン2のシケイン進入でフロントを失い転倒。後続からプレッシャーを受けていたわけではなく、KTMにとって痛恨の単独ミスとなった。

    アコスタはマシンを起こしてレースに復帰したものの、最終ラップにピットへ戻りリタイアした。

    これによってマルティンがトップに浮上。そのまま14周を走り切り、20分57秒387で劇的なスプリント優勝を飾った。

    マルケスは1.026秒差の2位。マルティンのチームメイトであるベッツェッキが3位に入り、アプリリアは1位と3位を獲得した。

    小椋藍が4位 ホンダ勢トップはザルコ
    トラックハウス・アプリリアの小椋藍は好走を見せ、トップから3.495秒差の4位でフィニッシュした。

    5位にはグレシーニ・ドゥカティのアレックス・マルケス、6位にはドゥカティのフランチェスコ・バニャイアが続いた。

    ホンダ勢ではLCRのヨハン・ザルコが7位で最上位。グレシーニのフェルミン・アルデゲルが8位、KTMのブラッド・ビンダーが9位に入り、ここまでがスプリントのポイント獲得圏となった。

    ルカ・マリーニは13位、中上貴晶は15位、ディオゴ・モレイラは16位だった。

    タイヤについては全ライダーがフロントにミディアムを選択。リアは大多数がソフトを履いた一方、バニャイア、マリーニ、アレックス・リンスはミディアムを選択した。

    また、ディオゴ・モレイラとラウル・フェルナンデスにはジャンプスタートによりダブル・ロングラップ・ペナルティが科された。VR46のフランコ・モルビデリも転倒し、リタイアとなった。

    マルティンがMotoGPランキング首位を奪還
    オーストリアGPを前にマルティンとマルケスは同ポイントでランキング首位に並んでいた。

    スプリントではマルティンが優勝、マルケスが2位となったことで、マルティンが3ポイント差で単独首位に浮上。タイトル争いでも重要な勝利となった。

    スタート直後に8番手まで後退しながら、自力で2番手まで挽回し、最後はアコスタの転倒を逃さず勝利を手にしたマルティン。一方、圧倒的なペースで勝利目前だったアコスタにとっては、残り3周で大きなチャンスを失う悔しいスプリントとなった。

    2026年MotoGP オーストリアGP スプリント結果

    2026年MotoGP オーストリアGP スプリント結果
    1位 ホルヘ・マルティン(アプリリア)20分57秒387
    2位 マルク・マルケス(ドゥカティ)+1.026秒
    3位 マルコ・ベッツェッキ(アプリリア)+1.675秒
    4位 小椋藍(トラックハウス・アプリリア)+3.495秒
    5位 アレックス・マルケス(グレシーニ・ドゥカティ)+4.447秒
    6位 フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)+5.142秒
    7位 ヨハン・ザルコ(LCRホンダ)+5.895秒
    8位 フェルミン・アルデゲル(グレシーニ・ドゥカティ)+6.810秒
    9位 ブラッド・ビンダー(KTM)+7.233秒
    10位 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46ドゥカティ)+9.228秒
    11位 エネア・バスティアニーニ(KTMテック3)+11.580秒
    12位 ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)+13.050秒
    13位 ルカ・マリーニ(ホンダHRC)+15.076秒
    14位 ポル・エスパルガロ(KTMテック3)+18.373秒
    15位 中上貴晶(ホンダ)+19.201秒
    16位 ディオゴ・モレイラ(LCRホンダ)+20.503秒
    17位 トプラク・ラズガットリオグル(プラマック・ヤマハ)+20.964秒
    18位 アレックス・リンス(ヤマハ)+21.054秒
    19位 ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア)+22.646秒
    20位 ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ)+26.053秒
    DNF ペドロ・アコスタ(KTM)
    DNF フランコ・モルビデリ(VR46ドゥカティ)

  • アストンマーティンF1 AMR26Bで劇的改善 カルディレ「以前のマシンは壊れていた」

    アストンマーティンF1 AMR26Bで劇的改善 カルディレ「以前のマシンは壊れていた」

    アストンマーティンF1は、2026年シーズン途中に投入したAMR26Bによってマシンの性格を大きく変えることに成功した。テクニカルディレクターのエンリコ・カルディレは、従来型のAMR26について、ドライバーの視点では「ある意味で壊れていた」と表現している。

    AMR26Bの進歩は単純なダウンフォース増加だけではない。フェルナンド・アロンソとランス・ストロールがセットアップ変更に対して予測可能な反応を得られるようになり、ドライバビリティそのものが大幅に改善されたという。

    1ポイントから巻き返したアストンマーティンF1
    アストンマーティンは2025年のコンストラクターズ選手権を7位で終え、5位だった2024年から後退した。そして、新しいF1レギュレーションが導入された2026年は、さらに厳しいスタートを切った。

    エイドリアン・ニューウェイの設計思想のもとで開発され、カルディレが技術面を統括したAMR26は、重量超過に加えてダウンフォースが不足。さらにホンダF1のパワーユニットも出力不足と振動の問題を抱えていた。

    ハンガリーGPを迎えるまで、アストンマーティンが獲得していたポイントはわずか1点。アロンソがF1モナコGPで記録した10位が唯一の入賞だった。

    そこでアストンマーティンは、複数のレースにわたって小規模から中規模のアップデートを投入するのではなく、リソースをひとつの大規模パッケージに集中させる方針を選択した。

    カルディレ自身が「勇気のある決断」と表現したこの計画では、シャシーを再ホモロゲーションして新たなクラッシュテストを受ける必要があり、ノーズ、空力サーフェス、リアサスペンションなどにも大幅な変更が加えられた。

    その結果として誕生したのがAMR26Bだった。

    「僕たちは、いわば2つのステップを同時に踏み出した。純粋なパフォーマンスを大きく向上させると同時に、ドライバビリティも大幅に改善した」

    「以前のマシンはある意味で壊れていた」
    カルディレは、シーズン序盤にアロンソとストロールが直面していた問題の深刻さを隠そうとはしない。

    「以前は、彼らの視点からすれば、ある意味でマシンが『壊れていた』。一貫した反応をしてくれなかった」

    AMR26ではセットアップを変更しても、その効果が予測できないケースがあり、ドライバーが自分の好みに合わせてマシンを仕上げることが難しかった。

    AMR26Bでは、まさにその部分が改善されたという。

    「今のマシンはより予測しやすくなっている。セットアップ変更に対して正しく反応するので、彼らはその変更を使って自分の好みに合わせてマシンを調整できる」

    カルディレにとって、それは単なるラップタイム以上に重要な進歩だった。

    「率直に言って、彼らのためにも本当にうれしく思っている。彼らが望むようにドライブできるマシンに近づけることは、我々にとって重要だった」

    シーズン序盤、カルディレはアロンソとストロールの苦悩を間近で見ていた。

    「シーズン序盤には、彼らのフラストレーションを見たし、私自身もそれを感じていた。このレベルでは簡単なことではない」

    F1では、ドライバーがマシンを信頼できるかどうかがパフォーマンスに大きく影響する。また、挙動に一貫性がなければドライバーから得られるフィードバックの精度も低下し、開発そのものが難しくなる。

    しかし、現在ではドライバーとの会話の内容も変化しているという。

    「今では、彼らとの会話の多くが将来についてのものになっている。2026年型マシンにはどんな制約があり、2027年に向けてどうすればもう一度大きなステップを踏み出せるのか。それを考えている」

    2025年のアップデートとは根本的に違うAMR26B
    カルディレは、今回のアップデートと2025年に投入した大型パッケージには決定的な違いがあると説明する。

    「昨年、大規模なアップデートパッケージを投入したときは、その限界も分かっていた。改善幅という意味では、根本的な変化ではなかった」

    2025年のアップデートでも競争力は向上したが、マシンそのものの性格までは変えられなかったという。

    「少し競争できるようにはなったが、マシンのキャラクターを根本的に変えるものではなかった。ドライバーにとっては基本的に同じマシンで、ただ少しダウンフォースが増えただけだった。ドライブする楽しさが本当に変わったわけではなかった」

    だが、AMR26Bは違う。

    「今回は違う。全体的なダウンフォースという意味でも、このパッケージはベース車両と比較して非常に大きなステップになっている」

    さらに重要なのは、単に空力性能が向上しただけではないことだ。

    「マシンの挙動も変わっている。ドライバーへの情報の伝え方、コーナー中盤での反応、荷重変化への対応も変わった」

    「だから、いわば2つのステップを踏み出した。純粋なパフォーマンスが大幅に向上し、それと同時にドライバビリティも大きく改善した。それがドライバーにとって感覚が大きく違う理由であり、彼らから非常にポジティブなフィードバックが得られている理由でもある」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    シャシー改善でも隠せないホンダF1の出力不足
    AMR26Bの進歩は、空力性能やメカニカルバランスが重要になるサーキットでは明確に表れている。

    テクニカルなレイアウトでストレートが比較的短いザントフォールトでは、アロンソが9位に入り、シーズン2度目のポイント獲得を果たした。

    一方、パワーユニットへの依存度が高いモンツァとマドリンクでは、シャシーでは補えない弱点が露呈した。

    F1イタリアGPではアストンマーティンの2台が予選最後列に沈み、ポールポジションから約4秒遅れとなった。ストレートでは、トップチームだけでなくキャデラックなどに対しても大きなタイムを失った。

    続くF1スペインGPでは、アロンソが17位でフィニッシュ。優勝したアンドレア・キミ・アントネッリから2周遅れとなり、ストロールはブレーキトラブルによってリタイアした。

    原因のひとつがホンダF1のRA626Hだ。

    ホンダF1のパワーユニットは、FIAが基準としているレッドブルのパワーユニットに対して推定約70馬力の出力差を抱えているとされる。

    さらにレースではエネルギーマネジメントの問題も加わる。アロンソは上海で、予選では1周の約75%でパワーユニットの性能を最大限使用できる一方、ロングランではそれが約半分にまで低下すると説明していた。

    ホンダF1はザントフォールトで第2仕様のパワーユニットを投入したものの、トラックサイドのチーフエンジニアを務める折原伸太郎も、依然としてライバルに対して総合的なパワーで遅れていることを認めている。

    つまりAMR26Bによってダウンフォースが増え、ドライバビリティが改善され、以前の「壊れていた」状態から予測可能なマシンへと変貌しても、パワーが支配的なサーキットではその進歩が覆い隠されてしまう。

    シャシーは改善した。しかし、そのシャシーだけでパワーユニットの不足分を埋めることはできない。

    HRCの渡辺康治社長も、パワーユニットの問題を今シーズン中に完全に解決することは難しいとの認識を示している。

    AMR26Bを土台に2027年型マシンを開発
    アストンマーティンはすでに視線を2027年へと移している。

    カルディレによれば、ドライバーからも2027年型マシンについての質問が出るようになり、チームの開発リソースも来季プロジェクトへと重点が移されている。

    ハンガリーで投入されたAMR26Bの大型パッケージと、ザントフォールトで加えられた小規模な修正が、AMR26に予定されている最後の空力アップデートになるという。

    2027年型マシンは、AMR26Bによって確立された方向性を発展させるものになる。ただし、単純に現在のマシンを継続使用するのではなく、各コンポーネントは新たに設計される。

    その意味でAMR26Bには2つの役割がある。

    ひとつは、アロンソとストロールが自分の好みに合わせてセットアップできる予測可能なマシンを提供し、2026年シーズンの競争力を改善すること。そしてもうひとつは、2027年型マシンにつながる技術的な方向性を実戦で検証することだ。

    「これは我々にとって大きな意味を持っている。数字が変わっただけでなく、フィーリングそのものが変わったことを示している」

    シーズン序盤にはAMR26の挙動に苦しみ、フラストレーションを募らせていたアロンソとストロールだが、現在の議論はすでに2027年へと移っている。

    AMR26BによってアストンマーティンF1は、単なるダウンフォース増加以上の成果を手にした。予測不能だったマシンをドライバーが調整できるマシンへと変え、その方向性を次のF1マシンへとつなげようとしている。

  • F1スペインGPで酷評のマドリンク 設計者が反論「自由に設計できたわけではない」

    F1スペインGPで酷評のマドリンク 設計者が反論「自由に設計できたわけではない」

    F1スペインGPの新たな舞台として初開催を迎えたマドリンクについて、コース設計を手掛けた企業のCEO、ヤルノ・ザッフェリが、オーバーテイクの少なさをめぐる批判に反論した。今後レイアウトを変更することは可能だとしながらも、都市計画や環境上の制約から「最小限」にとどまると説明している。

    マドリンクでは先週末、初のF1スペインGPが開催された。

    しかし、決勝ではオーバーテイクがほとんど見られず、サポートカテゴリーでも同様の傾向が続いたことから、ファンを中心にレイアウト改善を求める声が上がっている。

    「変更は可能だが最小限」
    マドリンクの設計を担当した企業を率いるザッフェリは、motorsport.comに対し、コースを大幅に作り替えることは難しいと説明した。

    「いくつか変更できる部分はあるが、それは最小限だ」

    「公に語られている内容を見る限り、議論されている選択肢の一部は、もともと我々の当初案に盛り込まれていたものに近いように思う。当初のプロジェクトには、ターン5でオーバーテイクの機会を作ることも含まれていた」

    ザッフェリによれば、現在のターン5からターン6にかけての区間は、当初の設計とは異なる形になったという。

    「ターン5はもっとタイトで、コーナリング区間を短くする予定だった」

    「そして我々の設計では、ターン6の内側はアスファルトのランオフではなく、グラベルにする予定だった。ドライバーにより遅いラインを通らせ、直線的に走ることがラップタイム上の不利益になるようにするためだ」

    「この一連の区間の狙いは、バンクを利用してタイムを稼ぐことではなく、それぞれ異なるメリットを持つ2つのラインを作り出すことだった」

    マドリンク F1 スペイングランプリ

    「白紙から自由に設計できたわけではない」
    マドリードはF1と10年間の長期契約を結んでいるだけに、初開催後には将来に向けたコース変更の可能性も注目されている。

    一方、ザッフェリは、マドリンクが何もない土地にゼロから自由に設計されたサーキットだったとの見方を否定。実際には高度に都市化された地域であり、利用できる土地には数多くの制約が存在していたと説明した。

    「『白紙の状態から設計した』と表現されているが、実際にはF1に適したサーキットを設計するうえで明確な制約が存在する、高度に都市化された地域だ」

    「詳細な地図を見れば、レイアウトが多くの場所で非常に厳しい制約を受けていたことが分かる。新しい展示ホールはすでに設計され、都市計画当局から承認を受けていたし、道路網についても、あらかじめ定められたルートに沿って計画されていた」

    制約のなかで「独自性を持つサーキット」を追求
    ザッフェリは、こうした制約があったからこそ、マドリンクの設計には多くの創造性が必要だったと主張する。

    「だからこそ、多くの創造性が必要だった。制約によって設計の自由度は限られていたが、だからといって答えがひとつに決められていたわけではない」

    「構造上の制限とFIAの安全規則による制約のなかで、独自のアイデンティティを持つサーキットを生み出すため、ジオメトリーやコーナーの連続性、走行ラインを考え出さなければならなかった」

    初開催のF1スペインGPでは追い抜きの難しさが大きな課題として浮き彫りになったマドリンク。設計者側は当初案にオーバーテイクを促す仕掛けが存在していたことを明かした一方、都市部という立地上、大幅なレイアウト変更には限界があるとの認識を示している。

  • リアム・ローソン F1デビューでフェルスタッペンに衝撃「まだ無理だと思った」

    リアム・ローソン F1デビューでフェルスタッペンに衝撃「まだ無理だと思った」

    リアム・ローソンが、2023年F1オランダGPで突然巡ってきたF1デビューを振り返り、初めてのフリー走行でマックス・フェルスタッペンの走りを目の当たりにした際の衝撃を明かした。

    当時21歳だったローソンは、FP2で手を骨折したダニエル・リカルドの代役としてアルファタウリAT04をドライブすることになった。しかも、初めてF1マシンで公式セッションを走るFP3は雨。十分な準備時間もないまま、難しいザントフォールトでF1デビューを迎えることになった。

    突然決まったF1デビュー「よりによってザントフォールトで雨」
    F1 TVの『Off The Grid』に出演したローソンは、リカルドの代役を務めることを知らされたとき、長年待ち望んでいたチャンスがついに訪れたという喜びと同時に、その状況の厳しさをすぐに理解したと振り返った。

    「リザーブをやっていたころは毎週末、『走るためなら何だってする。F1を走るチャンスがほしい』と思っていた。そして、ついに自分が本当に走るんだという実感が湧いてきた」

    「でも、その直後に『なんてことだ』ってなった。ザントフォールトのFP3で、しかも雨だった。よりによって、どうしてここなんだって思ったよ」

    それでも、自分が待ち望んできたチャンスである以上、状況に不満を言うわけにはいかなかった。

    「それから『ずっとこのチャンスを願ってきたんだから、文句を言っている場合じゃない』と思った。だからチームと一緒に12時間を使って、できる限りの準備をした」

    フェルスタッペンの走りを目の前で見て実感した差
    ローソンにとって最大の問題は、初めて乗るF1マシンをウエットコンディションで限界までプッシュしなければならないことだった。

    「F1マシンを走らせるには、ものすごく高いレベルのコミットメントが必要なんだ」

    「本当に思い切っていかなければならない。でも、あのセッションではすごく居心地が悪かった。マシンを一度も走らせたことがなかったし、路面は濡れていた。自信がまったくない状態だったから、ちゃんとプッシュすることができなかった」

    そんなローソンの後方から、アタックラップ中のフェルスタッペンが迫ってきた。

    「セッション終盤、マックスが僕の後ろからプッシュラップで来たのを覚えている。彼はマシンをスライドさせながら縁石を越えていった」

    その光景を間近で見たローソンは、F1マシンを限界まで攻めるために必要な自信が、当時の自分にはまだ備わっていないことを痛感したという。

    「それを見ながら、『こんなに早い段階で、僕には絶対にあんなことはできない』と思ったのを覚えている」

    次の周にプッシュしてスピン
    それでもローソンは、フェルスタッペンの走りを見た次の周に、自分もペースを上げようと試みた。

    「そして、その次の周に戻ってきて、僕も思い切って攻めようとした。でも、その時点ではまだ、それに必要なレベルの自信がなかった」

    結果としてローソンはコース上でスピン。AT04が動けなくなり、マシン回収のためFP3には赤旗が提示された。

    それでも、ローソンはその翌日の決勝でF1初レースを完走。難しいウエットコンディションも経験したレースを13位でフィニッシュし、急きょ決まったデビュー戦を走り切った。

    わずか12時間ほどの準備で初めてF1マシンに乗り、雨のザントフォールトでフェルスタッペンの走りを目の当たりにしたローソン。現在ではF1のレギュラードライバーとなった彼にとって、そのFP3はトップレベルで戦うために必要な「コミットメント」を最初に思い知らされたセッションだった。

  • メルセデスF1 2027年開発に軸足 ヴォルフ「愚かにライバルへポイントを与えるな」

    メルセデスF1 2027年開発に軸足 ヴォルフ「愚かにライバルへポイントを与えるな」

    メルセデスF1は現在、コンストラクターズ選手権で2番手に145ポイント差をつける大きなリードを築いている。ドイツのチームはすでに次のシーズンに向けた準備を本格化させているが、チーム代表のトト・ヴォルフは2026年のタイトルが決まったとは考えていない。

    新レギュレーション時代の序盤を圧倒してきたメルセデスF1は、すでにリソースの一部を2027年型マシンの開発へと移行している。

    一方でW17には今季最後となるアップデートも予定されており、ヴォルフはジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリに対し、不必要な接触でライバルにポイントを与えないよう釘を刺した。

    メルセデスF1はすでに2027年型マシンの開発を本格化
    グラウンドエフェクト時代に苦しい時期を経験したメルセデスF1だが、2026年は一転してシーズンを支配している。コンストラクターズ選手権ではフェラーリに大差をつけ、ドライバーズ選手権でもキミ・アントネッリが首位に立っている。

    メルセデスは今季ここまで行われた14戦のうち10戦で勝利を挙げている。ライバルも追撃を続けており、特にマクラーレンとフェラーリはメルセデスとの差を縮めるため、2026年型マシンに相次いでアップデートを投入してきた。

    メルセデスは5月のF1カナダGPで大規模なアップデートを導入したほか、来月マレーシアのセパンで行われるF1バーレーンGPでも新たなパッケージを投入する予定だ。

    その間にもサーキット特性に合わせた細かな変更は行ってきたが、開発ペースそのものはフェラーリやマクラーレンほど積極的ではなかった。

    そして、この傾向はシーズン終了まで続くことになりそうだ。トト・ヴォルフは、すでにチームのリソースの一部を2027年プロジェクトへ移していることを明らかにした。

    「2027年の開発はかなり前、夏よりも前から始まっている」

    「夏の間に来年へ向けてリソースを移した。そして、それは選手権での我々のポジションとは関係なく、計画通りに進んでいる」

    W17には今季最後の「強力なアップデート」
    それでも、メルセデスF1が2026年の戦いを緩めるわけではない。チームはマレーシアで「強力」と表現するアップデートを投入する予定だ。

    ただしヴォルフは、新しいパーツを投入したからといって、必ずしもサーキット上で期待通りのパフォーマンス向上につながるとは限らないと認める。ファクトリーで得られたデータと、実際のコース上での挙動との相関が問題になることもあるからだ。

    「マレーシアでは強力なアップデートを投入できると思っている。その前にまずバクーを乗り越えなければならないし、その後どうなるかを見ていく。ただ、新しいものがサーキットで期待したほど機能しないこともある」

    「だから、うまく機能してくれることを願っている。それによってアップデートという面でも他のチームと同じレベルに到達できればと思う。ただ、それは実際に走らせるまで分からない」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    145ポイント差でもヴォルフはタイトル確定と考えず
    コンストラクターズ選手権で145ポイントのリードを持つメルセデスだが、ヴォルフはタイトル獲得を当然のものとは考えていない。

    フェラーリは依然として大きな差を埋める必要がある一方、マクラーレンもランド・ノリスが2勝を挙げて勢いを取り戻している。F1スペインGPでも、VSCのタイミングが不利に働かなければ、ノリスが3勝目を手にしていた可能性があった。

    「リタイアすることもあるし、クラッシュすることもある。それが2戦続けて起きれば、それまで十分に見えていたリードが突然そうではなくなる。まだ8戦か9戦が残っているからだ」

    「私としては、他のチームが選手権を獲得することが数学的に現実的ではなくなる、あるいは不可能になるまでは、ポイントのことを考えるべきではないと思っている。それまでは毎週の仕事に集中し、可能な限り最高の仕事をするだけだ」

    フェラーリ同士の接触寸前を受けドライバーに警告
    ヴォルフはF1イタリアGPのスタートで起きたフェラーリ勢の一件についても言及した。

    シャルル・ルクレールはレース後、1周目のターン2でチームメイトのルイス・ハミルトンをコース外へ押し出すべきではなかったと認めている。

    ヴォルフは、チームメイト同士でこのような状況を作ることに明確な否定的見解を示した。

    「シャルル自身が認めた。だから今なら私も意見を言えるが、2コーナーでチームメイトをコース外へ押し出すことは受け入れられない」

    しかし、メルセデス自身も同じレースの終盤に似たような事態に陥る寸前だった。

    タイヤが大きく摩耗したジョージ・ラッセルにキミ・アントネッリが追いつき、2人がコース上で争う状況になった。

    アントネッリはターン2の外側に落ちたタイヤかすに片輪を乗せ、そのままワイドになった。結果的に、ルクレールに押し出されたハミルトンが通ったのと同じグラベルエリアを横切ることになった。

    「残り3周か4周のところで、2人のドライバーの間にはかなり怖い瞬間があった。我々もあのような展開になるとは予想していなかった。ジョージのタイヤが完全に終わっていて、キミの方が1秒速かったからだ」

    「彼らがあのように争うことを想定していたか? あれは1台がグラベルに入って終わっていてもおかしくなかった。そうなれば、最終的にフェラーリがそう見えたように、我々もあっという間に愚か者に見えていただろう。その境界線は非常に薄い」

    「愚かにポイントを与えてはいけない」
    アントネッリとラッセルには、W17のマシンとパワーユニットにもう一段階のアップデートが用意されている。しかし、それが2026年シーズン最後の本格的な開発になる。

    「キミとジョージには、マシンとエンジンでもう一度アップデートがある。ただ、先ほど言ったようにリソースは今や2027年に向けられているので、それが最後になる」

    「それでもマクラーレンがどれだけ強いかは見てきたし、フェラーリもすべてを最適化できればそこにいる。我々としては、愚かな形でライバルにポイントを与えないことだ」

    メルセデスF1は大きなリードを築きながら、すでに2027年型マシンへ開発の重点を移し始めている。それでも2026年の戦いは終わっておらず、最後のアップデートを控えるW17で確実にポイントを積み重ねることが求められる。特にラッセルとアントネッリにとっては、チーム内バトルで不必要なリスクを冒さないことも、タイトル獲得へ向けた重要な課題となる。

  • ニコ・ヒュルケンベルグ 40歳以降もF1継続へ「ストップウォッチは嘘をつかない」

    ニコ・ヒュルケンベルグ 40歳以降もF1継続へ「ストップウォッチは嘘をつかない」

    ニコ・ヒュルケンベルグは、F1キャリアを終える時期について期限を設けていない。2027年もアウディで戦い、そのシーズン中に40歳を迎えるドイツ人ドライバーは、自身のパフォーマンスとモチベーションだけが今後を決める基準になると考えている。

    高齢になってもF1グリッドに立ち続けるフェルナンド・アロンソのように、ヒュルケンベルグも今後さらに数シーズンにわたって現役を続ける可能性がある。ただし、何歳まで走るという具体的な目標を設定するつもりはないという。

    40歳を迎える2027年もアウディF1で参戦
    ニコ・ヒュルケンベルグは先月39歳の誕生日を迎えた。現在のF1グリッドでは、フェルナンド・アロンソとルイス・ハミルトンに次いで3番目に年齢が高いドライバーである。

    2027年もアウディでF1参戦を続ける予定で、そのシーズン中に40歳を迎えることになるが、ヒュルケンベルグは現役引退について年齢による制限を設けていない。

    Mundo Deportivoから、アロンソのように45歳までキャリアを続ける可能性について尋ねられたヒュルケンベルグは、最終的には自分のパフォーマンスレベル次第だと説明した。

    「本当にすごいことだと思う」

    ヒュルケンベルグはアロンソのF1での長いキャリアについてそう語り、2度のF1ワールドチャンピオンが現在も高い競争力を維持していることにも言及した。

    「彼は今でも非常に高いパフォーマンスを発揮している。モータースポーツのいいところは、ストップウォッチは決して嘘をつかないということだ」

    ヒュルケンベルグにとって、期待される結果を出し続け、最高峰で戦う意欲を維持できている限り、年齢そのものは決定的な要素ではない。

    「そうだね! ストップウォッチが自分にとっていい数字を示している限り、この仕事をすることに幸せを感じ、モチベーションを持ち続けている限りはね。なぜなら、このレベルのパフォーマンスに到達して、必要なことをすべてやり遂げるには、多くの努力とものすごいエネルギーが必要だからだ」

    ただし、そうした状況がいつ変化するのかについては、自分自身にも分からないと認めた。

    「それが続いている限り、僕は喜んで続ける。でも、いつそれが変わるのかは分からない」

    ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)

    過去のF1マシンを過度に懐かしまず
    ヒュルケンベルグは、自身のキャリア初期にドライブしていたF1マシンについても質問を受けた。以前の世代のマシンは現在より小さく、軽量で、エンジンサウンドも大きかった。

    しかし、ヒュルケンベルグはそうした過去のマシンへのノスタルジーについて冷静な見方を示し、ドライバーは最終的に与えられたマシンに適応していくものだと語った。

    「どんなマシンにも慣れるものだ」

    「常に適応していくことは、このカテゴリーに本質的に備わっている現実なんだ。それが僕たちの現実だ。ドライバーとしては、単純に適応して、自分たちに与えられたものに慣れていく。そして、毎年この仕事をすることができるのは世界でたった22人しかいないということを、決して忘れてはいけない」

    ヒュルケンベルグはまた、過去の世代のF1マシンに対する記憶は、時間の経過とともに美化されがちだとも指摘する。

    「僕たちは少し理想化する傾向もあると思う。当時はオーバーテイクが本当にひどかった。似たようなものに戻ることが現実的だとは思わない」

    「それに、まず安全面を考えれば、さまざまな装置が必要になり、その分の重量も必要になる。F1でそれを手放したいと思う人はいない」

    近年のF1マシンは大型化と重量増加が進み、過去の軽量なマシンを懐かしむ声も少なくない。一方、ヒュルケンベルグは安全性を維持しながら過去と同じ方向へ戻ることは現実的ではないとの考えを示した。

    「だから、あのマシンが戻ってくることを夢見ても意味はない。ただ、F1がようやく少しずつ重量を減らす方向へ進み始めたことは確かだ」

    2027年に40歳を迎えるヒュルケンベルグだが、現時点でF1引退の期限を決める考えはない。ストップウォッチが競争力を証明し、自身のモチベーションが続く限り、年齢にかかわらずアウディでF1キャリアを続けていく構えだ。

  • ランド・ノリス 事故で損傷したフェラーリF40が復活 ハミルトンとの共演期待

    ランド・ノリス 事故で損傷したフェラーリF40が復活 ハミルトンとの共演期待

    ランド・ノリスが、ロンドン市内で自身のフェラーリF40を運転する姿が目撃された。2025年1月に大きな注目を集めた事故から1年半以上を経て、象徴的なイタリア製スーパーカーがついに公道へ復帰したことになる。

    F1王者のノリスは事故のわずか数週間前にこのF40を購入していた。長期間にわたる修復を終え、フェラーリ史を代表する名車を再び楽しめるようになった。

    事故から1年半以上を経てF40が復活
    ノリスのフェラーリF40がロンドン市内を走行する映像がSNS上で拡散され、大きな注目を集めている。今回の目撃によって、2025年初頭の事故で損傷した車両の修復が完了したことが確認された。

    マクラーレンのノリスがこの車両を手に入れたのは2024年末。フェラーリF40は1987年から1992年までにわずか1,311台が生産されたモデルで、公道走行可能な市販車として初めて最高速度320km/hを突破したことで知られている。

    しかし、購入からわずか数週間後、F40はモナコ近郊の道路で事故に遭った。当時、ノリス自身は運転しておらず、ステアリングを握っていた友人が左コーナーの出口でグリップを失い、ガードレールに衝突した。

    当時、この事故について質問されたノリスは、自身のF40がまだ修理されていないことを明かしていた。また、事故が自分の不在中に起きたことを説明し、その心境について率直に語っていた。

    「本当にまったく嬉しくなかったよ」

    今回、フェラーリF40が再び姿を現したのは、マドリンクで開催されたF1スペインGPの直後だった。ノリスは同レースを3位で終えている。

    SNSではハミルトンのF40との共演を期待する声
    復活したF40がロンドンの公道を走る姿は見逃されることなく、その映像は瞬く間にSNSで広がり、自動車ファンから多くの反応が寄せられた。

    「この車が再び道路を走っているのを見ることができて嬉しい」

    あるファンはそうコメントした。

    別のファンは、マクラーレンのドライバーについて「クルマの趣味が素晴らしい」と称賛した。

    さらに別のファンは、最近同じくフェラーリF40のオーナーとなったルイス・ハミルトンとの共演を想像。両車のリアのナンバープレートが似ていることに注目し、2人が「クルマで相乗りでもしているのか」と冗談交じりにコメントした。

    ルイス・ハミルトンもレストア済みF40を所有
    ハミルトンも最近、自身のフェラーリF40を購入している。7度のF1ワールドチャンピオンは、それまで所有していた自動車コレクションをすべて売却していたが、F1イタリアGPで完全にレストアされた新たな愛車を披露した。

    これにより、ハミルトンとノリスは現在、フェラーリF40を所有するF1ドライバーとして特に知られる2人となった。F40は近年、コレクターや歴史的なスポーツカーの愛好家から極めて高い人気を集めている。

    ノリスのF40が公道へ復帰したことで、2人の英国人F1ドライバーはそれぞれ1980年代末から1990年代初頭を象徴するフェラーリの名車を所有することになった。

    ファンの関心は、ノリスとハミルトン、そして2台のフェラーリF40が並ぶ光景が実現するかどうかにも向けられている。SNS上で多くのファンが期待しているように、2台のF40による共演が実現すれば、大きな注目を集めることになりそうだ。