投稿者: dbcheck

  • 角田裕毅 F1シート喪失時のヘルムート・マルコを回想「彼もかなり落胆していた」

    角田裕毅 F1シート喪失時のヘルムート・マルコを回想「彼もかなり落胆していた」

    角田裕毅が、2025年限りでF1のレギュラーシートを失うことをヘルムート・マルコから直接告げられた当時を振り返った。長年にわたって自身のキャリアを支えてきたマルコも、その決定に「かなり落胆していた」という。

    2021年にアルファタウリからF1デビューを果たした角田裕毅にとって、マルコは単なるレッドブルのモータースポーツアドバイザーではない。17歳の頃から自身を見いだし、レッドブル・ジュニアチーム、そしてF1へと導いた人物だった。

    マルコ本人から告げられたF1シート喪失
    角田裕毅は2025年、開幕時にはレーシングブルズから参戦していたが、リアム・ローソンがわずか2戦でレッドブル・レーシングのシートを失ったことで、第3戦からその後任として昇格した。

    しかし、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして苦戦を強いられ、レッドブルで獲得したポイントは30点にとどまった。シーズン終了後、チームは2026年にアイザック・ハジャーを昇格させることを決定。角田はレギュラーシートを失うことになった。

    『Beyond The Grid』で角田裕毅は、その決定をマルコ本人から直接伝えられたと明かした。

    「今でもその瞬間を覚えています。僕に直接伝えたのはヘルムートでした」

    「ヘルムートは僕をF1に連れてきてくれた人ですし、その前にレッドブルのジュニアプログラムにも入れてくれた人です。17歳の頃からずっと一緒でした」

    レッドブルの若手育成を長年率いてきたマルコと角田の関係は、F1に昇格する以前から続いていた。それだけに、レギュラーシート喪失を告げる場面では、マルコ自身にも複雑な感情があったという。

    「そのとき、彼もかなり落胆していたのを覚えています。そして、それを伝えられたとき、僕自身はそこまで大きな落胆とか、打ちのめされたような感覚はありませんでした」

    「2025年はこれまで以上に戦った」
    もちろん、角田裕毅にとってF1シートを失うことが何でもなかったわけではない。ただ、その結末はある程度予想していたという。

    「もちろん、翌年にレースをできないことには落胆していましたし、かなり悲しかったです。でも、予想していなかったわけではありませんでした。なぜなのかは分からないですけど、何となく……」

    角田は2025年を、自身のキャリアの中でも特に厳しく戦ったシーズンだったと振り返る。

    「本当に懸命に戦いました。2025年は、それまで以上に戦ったと思います。今振り返っても、それほど後悔はありません。すべてを出し切りました」

    「もちろん、カタールで聞かされた結果は僕が望んでいたものではありません。でも、本当にすべてを出し切ったので、それが結果なのであれば、受け入れなければならないと思いました」

    角田にとって重要だったのは、結果そのものだけではなく、自分にできることをやり切ったという感覚だった。レッドブルではフェルスタッペンとの差に苦しみ、厳しい評価にもさらされたが、それでも2025年を振り返って大きな後悔はないと語っている。

    角田裕毅(レッドブル・レーシング)

    ハース移籍の可能性も実現せず
    角田裕毅は2026年もF1に残ることを望み、ハースから関心を寄せられていた。しかし当時、レッドブル側が翌年のドライバーラインアップをまだ確定させていなかったこともあり、移籍は実現しなかった。

    結果として角田は2026年をレッドブル・レーシングのリザーブドライバーとしてスタートした。

    それでも、F1への道が完全に閉ざされたわけではなかった。夏休み中に手首を負傷したアイザック・ハジャーが欠場したことでドライバーの入れ替えが発生し、リアム・ローソンがレッドブル・レーシングへ移動。角田はレーシングブルズからF1復帰を果たした。

    ザントフォールト、モンツァ、マドリンクでのF1スペインGPと3戦に出場し、再びグリッド上で自身の力を示す機会を得た。

    2027年のF1シート獲得を目指す角田裕毅
    一度はレギュラーシートを失った角田裕毅だが、F1でのキャリアを終える考えはない。

    2026年の代役参戦を経て、現在は2027年のレギュラーシート獲得を目指している。レッドブル陣営での今後だけでなく、他チームの候補としても名前が取り沙汰されており、キャデラックのシートをめぐる動向でも候補のひとりとして報じられている。

    17歳の頃から自身を支え、F1への道を開いたマルコから告げられた2025年末のシート喪失。角田裕毅にとって厳しい瞬間だったことは間違いないが、「すべてを出し切った」と振り返るその経験を経て、現在は再びF1のレギュラーシートを取り戻すことに照準を合わせている。

  • フォーミュラE サウジアラビア開幕戦の開催を堅持 F1とWRCは中止

    フォーミュラE サウジアラビア開幕戦の開催を堅持 F1とWRCは中止

    フォーミュラEは、中東情勢を巡って他のモータースポーツカテゴリーがサウジアラビアからイベントを移す動きを見せるなか、2026/27シーズンの開幕戦を予定通り同国で開催する方針を示した。

    新シーズンとGen4規則時代の幕開けとなるジェッダE-Prixは、12月17日から19日にジェッダ・コーニッシュ・サーキットで開催される予定だ。しかし、中東で続く紛争を受け、モータースポーツ界ではサウジアラビアでの開催を見送る動きが広がっている。

    F1は今年4月にジェッダで予定されていたサウジアラビアGPを中止。さらにFIAとWRCプロモーターは、サウジアラビアで予定されていたWRC最終戦を中止し、イタリアへ変更することを発表した。

    F1はサウジアラビアGPだけでなくバーレーンGPも開催を見送り、バーレーンGPについては来月マレーシアで代替開催される。一方、シーズン最後の2戦となるカタールGPとアブダビGPについては、予定通り開催されるかどうかが依然として確定していない。

    また、F1は水曜日に発表した2027年カレンダーで、新シーズンを中東からスタートさせる計画を明らかにしたが、現在の情勢を踏まえ、その実現可能性にも注目が集まっている。

    フォーミュラEはジェッダ開催へ準備継続
    ここ数週間では、サウジアラビアも中東での紛争への関与を深めている。ジェッダから約300kmの地域がフーシ派によるミサイル攻撃の標的となったほか、サウジアラビア側も弾道ミサイルを使用していると報じられている。

    こうした状況に加え、他カテゴリーがサウジアラビアからイベントを移しているにもかかわらず、フォーミュラEは現時点で予定通りジェッダでシーズンを開幕する方針を維持している。

    ジェッダE-Prixを実施できるかどうかについて最終的な判断を下す必要が生じるのは、マドリードでプレシーズンテストが行われる11月中旬ごろになるとみられている。

    あるフォーミュラEチームはRacingNews365に対し、ジェッダ開催について大幅な事前通知は必要ないと説明した。マドリードでのテスト終了後、貨物をジェッダへ送るか、開催できない場合には第2戦の舞台となるメキシコシティへ送るかを切り替えれば対応できるという。

    ジェッダではすでにフォーミュラE開催に向けた準備が進められており、シリーズ側は情勢を注意深く監視している。

    「安全とセキュリティが常に最優先」
    フォーミュラE共同創設者兼チーフ・チャンピオンシップ・オフィサーのアルベルト・ロンゴは、RacingNews365に寄せた声明で次のように述べた。

    「今年12月にジェッダで2026/27 ABB FIAフォーミュラE世界選手権を開幕し、革新的なGen4時代をスタートさせることを楽しみにしている」

    「すべての国際イベントと同様、我々は現地のプロモーターパートナー、当局、国際的なセキュリティ専門家と連携し、現地の状況を継続的に監視している」

    「選手権に関わるすべての人々の安全とセキュリティは、常に我々にとって最優先事項だ。ジェッダ・コーニッシュ・サーキットでの開幕戦に向けた準備は現在も進められており、何らかの進展があれば、すべての関係者に最新情報を提供する」

    フォーミュラEは現段階ではジェッダでの開幕を前提に準備を続けている。ただし、F1やWRCがサウジアラビアでの開催を見送るなか、今後の中東情勢次第では11月中旬までに開催可否を改めて判断することになりそうだ。

  • ランド・ノリス F1モナコGP初スプリントに警戒「1回の練習で即予選は挑戦」

    ランド・ノリス F1モナコGP初スプリントに警戒「1回の練習で即予選は挑戦」

    ランド・ノリスは、2027年F1モナコGPで初めて導入されるスプリントについて、わずか1回のフリー走行からすぐに予選へ臨むことが最大の難しさになると指摘した。

    2027年のF1カレンダーでは全24戦のうち10大会でスプリントが実施され、モナコGPも初めて対象に加わる。通常以上に準備時間が限られるモンテカルロでは、ドライバーがどこまで早い段階から限界に迫れるかが重要になりそうだ。

    FP1から即予選「モナコではおそらく前例がない」
    モナコGPにスプリントが導入される理由のひとつとして、週末に2回の予選セッションを設けられることが挙げられる。オーバーテイクが難しいモナコでは、予選が週末最大の見どころになることも少なくない。

    一方、スプリントフォーマットでは、金曜日のスプリント予選までにドライバーが走行できるフリー走行は60分間のFP1だけとなる。通常のグランプリでは3回のフリー走行を経て予選に臨むため、その違いは大きい。

    2025年F1モナコGPの勝者であるノリスも、この点に真っ先に注目した。

    「興味深いね。面白そうだ」

    ノリスはSky Sports F1にそう語り、続けた。

    「一番大きいのは、金曜日にFP1をやって、そのまま予選になることだと思う。そこがチャレンジだ。それに、日曜日のレースでもスプリントでも、当然それほど多くのことは起こらない」

    「でも、チャレンジになるのは、フリー走行が1回しかなくて、そのまま予選に入ることだと思う。モナコでは、おそらくこれまで一度もなかったことじゃないかな」

    ランド・ノリス(マクラーレン) モナコグランプリ

    限界を探る時間なし リスクとリターンの判断が鍵
    モナコの予選では、リスクとリターンをどのようにバランスさせるかがドライバーの技量を測る大きな要素となる。

    市街地コースでは限界を超えれば即座にウォールへの接触につながる。その一方で、予選では限界まで攻めなければ上位グリッドを獲得できない。

    スプリント導入によって準備時間が減れば、その判断はさらに難しくなるとノリスは考えている。

    「今年のデータにこれまで以上に頼ることになるだろうし、もちろん僕たちドライバーにとってはさらに難しくなる」

    「徐々にペースを上げていくための時間があまりない。だから、おそらくもっと早い段階から少しリスクを取らなければならなくなる」

    「そこでドライバーによる違いがもっと見えるかもしれない。快適なところまで持っていって、いろいろ試して99%で走る人と、103%や104%まで行こうとする人の違いだ」

    「モナコでは、その限界を超えてしまったらゲームオーバーだからね」

    モナコでは通常でも、ドライバーがセッションを重ねながらマシンとコースへの自信を高め、予選で限界に迫っていく。2027年はその準備がわずか60分に圧縮されることになり、初のスプリント開催はモナコ特有のリスクと予選の重要性をさらに際立たせる週末となりそうだ。

  • フェルナンド・アロンソ ホンダF1のPU問題に不満「エンジンは非常に悪かった」

    フェルナンド・アロンソ ホンダF1のPU問題に不満「エンジンは非常に悪かった」

    フェルナンド・アロンソは、F1スペインGPの決勝でホンダF1のパワーユニット(PU)に深刻な問題を抱えたとして、アストンマーティンに原因を詳しく調査するよう求めた。

    マドリンクで行われた決勝で、アロンソは優勝したアンドレア・キミ・アントネッリから2周遅れの17位でフィニッシュ。レース後には「今日のエンジンは非常に悪かった」と語り、特にブースト制御や低速からのパワー回復に問題があったことを明かした。

    アロンソ「エンジンは非常に悪かった」
    アストンマーティンは、パワー不足が課題となっているホンダF1のPUにとって高速のモンツァでは苦戦を予想していた。一方、初開催となったマドリンクでのF1スペインGPは、チームにとって未知数の部分が多い週末だった。

    ザントフォールトでポイントを獲得した勢いを再現することはできず、アロンソは17位。決勝ではホンダF1のPUに複数の問題を感じていたという。

    「今日のエンジンは非常に悪かった。ブーストコントロールが難しかったと思うし、ピットストップでは危うくエンストしそうになった」

    「ブルーフラッグで他のマシンを先に行かせるために減速したときも同じだった。その後、エンジンがなかなか回復してくれなかったので、ブルーフラッグのたびにかなりタイムを失っていた」

    「何が起きていたのか分析する必要がある」

    ホンダF1はスペインGP後、ドライバビリティ面で十分な進歩を遂げたことで、今後はPUのパフォーマンス向上に全面的に集中できる段階に入ったとの認識を示している。しかし、今回アロンソが訴えた症状については、アストンマーティンとホンダF1にとって新たな検証項目となる。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム) ホンダF1

    ストロールはデブリでダウンフォースを大幅に喪失
    一方、もう1台のアストンマーティンAMR26を駆るランス・ストロールは完走できなかった。

    ストロールはスタート直後にデブリを踏み、その影響で大幅なダウンフォースを失ったと説明。さらにレース中にはブレーキペダルが奥まで入る問題も発生し、エスケープロードでマシンを動かせなくなったことでリタイアを余儀なくされた。

    「1周目の後にダメージがあった。デブリに当たって、40~50ポイントくらいのダウンフォースを失った」

    「それからレース中にブレーキの問題も出た。ペダルがものすごく奥まで入るようになって、それでロックアップした。長いブレーキペダルの問題があって、ダメージもあった」

    「マシンの向きを変えようとしたけど、回転させるだけのパワーがなかった。そこから僕たちのレースは徐々に悪化していった」

    マドリンクではフェラーリのルイス・ハミルトンも同様にブレーキペダルが長くなる症状を訴え、最終的にリタイアしている。

    ストロールは予選でも水圧系の問題が疑われるトラブルによってタイムを記録できなかった。また、アストンマーティンがPUを交換したことで40グリッド降格ペナルティを抱えており、今回が今季9度目のリタイアとなった。

    「大幅にパワーが足りず、信頼性の問題もあって、ダウンフォースも望んでいるレベルに達していない。そういう状況なら、常に難しくなる」

    「これらすべてを改善するまでは、厳しい状況が続くだろう」

    アストンマーティンは現在、コンストラクターズ選手権で3ポイントの最下位10位。ホンダF1がPUのパフォーマンス開発へ重点を移すなか、アロンソがマドリンクで経験したブースト制御とパワー回復の問題についても、原因究明が急がれる。

  • メルセデスF1代表 アントネッリの攻撃性に苦笑「この白髪は彼のせい」

    メルセデスF1代表 アントネッリの攻撃性に苦笑「この白髪は彼のせい」

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、2026年F1タイトル争いで大きなリードを築くアンドレア・キミ・アントネッリについて、その速さを生み出している攻撃性に苦笑しつつ、シーズン終盤には予想外の出来事によって状況が一変する可能性があると警戒している。

    F1スペインGPで今季8勝目を挙げたアントネッリは、ランキング2位のチームメイト、ジョージ・ラッセルに81ポイント差をつけて首位に立っている。

    それでもヴォルフは、タイトルが決まったかのように考えることを避け、「ブラックスワン」のような予測困難な事態を念頭に置く必要があると語った。

    「白線を越えるな」と何度も念押し
    アントネッリはF1スペインGP終盤、十分なリードを築いていたにもかかわらずプッシュを続け、エンジニアのピーター・ボニントンに無線でウォールに接触した可能性を伝え、マシンにダメージがないか確認を求めた。

    ヴォルフによれば、こうした限界まで攻め続ける姿勢はアントネッリにとって珍しいものではないという。

    「ちょうど彼の父親とその話をしていたんだが、それがキミなんだ」

    「我々は彼に、白線を越えてはいけないと何度も頭に叩き込まなければならなかった。2024年のモンツァのFP1でも、白線を越えてクラッシュしたからね」

    「私は彼に『マシンから外が見えていないのか? トラックリミットが分かるように、もっと高い位置から見えるようにする必要があるのか?』と言ったんだ」

    「それについては一緒に笑った。そして今回のスペインGPでも、残り6周かそのくらいのところで『マシンをチェックしてくれ。ウォールに擦った』と言ってきた」

    アントネッリの大胆なドライビングは、チーム代表にとって気が気ではない部分もある。

    「この白髪は彼のせいだよ。でも、おそらく彼はそういうドライバーなんだろうし、それが彼をあれほど速くしている理由なのかもしれない」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    81ポイント差でもタイトルを意識せず
    アントネッリはF1スペインGP終了時点で267ポイントを獲得し、201ポイントのラッセルに81ポイント差をつけている。

    20歳のアントネッリが2026年のF1ワールドチャンピオンに輝けば、セバスチャン・ベッテルが2010年に記録した史上最年少F1王者の記録を3年以上更新することになる。

    しかし、ヴォルフによれば、本人はタイトル争いをほとんど意識していない。

    「もちろん、彼はそれについて考えていない。この子には物事を切り分ける能力がある。普段は若者として過ごし、マシンに乗れば成熟したレーシングドライバーになる」

    「だからキミが『チャンピオンシップのことは考えていない』と言うなら、本当に考えていないんだ」

    ヴォルフが警戒する「ブラックスワン」
    一方でヴォルフは、現在のポイント差だけを見てタイトル獲得を当然視することには慎重な姿勢を示した。

    そこで持ち出したのが「ブラックスワン」という言葉だ。一般的には、事前にはほとんど予測できず、発生すると大きな影響を及ぼす出来事を意味する。

    「ブラックスワンのような出来事はある。それは起こり得る。そして最後になって、失う可能性などないと思っていたものを失うことだってある」

    アントネッリは今季、速さだけでなく安定した結果を積み重ねてポイントリードを拡大してきた。一方で、限界まで攻め続ける姿勢はヴォルフを悩ませる要素でもあり、その攻撃性こそが20歳の速さを支えている可能性もある。

    残る2026年F1シーズンでメルセデスに求められるのは、アントネッリの持ち味を損なうことなく、不測の事態による大量失点を避けることになる。

  • セルジオ・ペレス キャデラックF1新拠点に驚嘆「こんな施設は見たことがない」

    セルジオ・ペレス キャデラックF1新拠点に驚嘆「こんな施設は見たことがない」

    セルジオ・ペレスは、キャデラックF1がシルバーストンに新設したファクトリーを訪問し、自身のF1キャリアで「こんなファクトリーは見たことがない」と、その設備と環境を絶賛した。

    ペレスはチームメイトのバルテリ・ボッタスとともに、F1スペインGPを前に新ファクトリーを訪問。エンジニアやプロジェクト関係者との技術ミーティングに参加し、キャデラックF1が構築を進める新たな開発拠点を直接確認した。

    ペレス「すべてが新しく、とてもよく組織されている」
    キャデラックF1は、シルバーストンのオペレーション拠点に加え、米インディアナ州フィッシャーズに建設中の本拠地、さらにノースカロライナ州のパワートレイン関連施設を組み合わせた複数拠点体制を構築している。

    その中でも、新たに稼働を開始したシルバーストンのファクトリーは、ペレスに強烈な印象を与えたという。

    「ファクトリーに行ったけど、本当に印象的だった。僕のキャリアでこんなファクトリーは見たことがない。本当に、本当にすごかった」

    「実際に見ることができて、とてもよかった。エンジニアやプロジェクトに関わっているすべての人たちと話をして、計画についてもいろいろ話した。みんなと会って話せたのはよかった」

    これまでザウバー、マクラーレン、フォース・インディア、レーシングポイント、レッドブル・レーシングと複数のF1チームを経験してきたペレス。それでも、キャデラックF1の新施設にはこれまでとは異なるものを感じたという。

    何がそれほど印象的だったのかと問われると、ペレスは設備だけではなく、ファクトリー全体がゼロから設計されたことによる完成度を挙げた。

    「まず、すべてが新しい。設備もそうだし、彼らが持っているプラットフォーム、それぞれの部門がどれだけうまくつながっているかもそうだ」

    「新しい家みたいな感じで、とてもよく組織されている。実際に見ることができて本当によかった」

    キャデラックF1チーム

    ブドコウスキー「一時的な施設ではない」
    ペレスの評価は、キャデラックF1のチーム代表を務めるマルチン・ブドコウスキーの主張とも一致している。

    シルバーストンの拠点については、将来的にチームの活動が全面的に米国へ移されるまでの「一時的な施設」にすぎないとの見方も出ていた。しかし、ブドコウスキーはそうした見方を明確に否定した。

    「我々はシルバーストンに新しいファクトリーをオープンしたばかりだ。これが一時的な施設だと疑っている人がいるなら、ぜひ見に来てもらいたい。かなり印象的な施設だからね」

    「バルテリとチェコにも来てもらい、そこで技術ミーティングを行い、スタッフとも話してもらった。2人とも非常に感銘を受けていた。私自身も初めて足を踏み入れた日は同じだった」

    一方、キャデラックF1は米国でも施設の整備を進めており、将来的には米国内での活動規模を段階的に拡大していく計画だ。

    「我々は米国でもいくつかの施設を建設している。製造能力であれ、それ以外の機能であれ、米国での拠点は段階的に発展させていくことになる」

    ただし、それはシルバーストンから近い将来に全面撤退することを意味するものではないとブドコウスキーは強調した。

    「だが現時点で、チームが近いうちに米国へ移転するといった噂にはまったく根拠がない」

    「繰り返しになるが、それを疑っている人がいるなら、シルバーストンに来て我々の施設を見てもらいたい。本当に印象的なファクトリーを造り上げたからね」

    キャデラックF1は米国を軸としながらも、F1の技術人材やサプライヤーが集中する英国のモータースポーツ産業圏を重要な開発基盤として活用している。ペレスとボッタスが揃って高く評価したシルバーストンの新ファクトリーは、その複数拠点体制を支える重要な施設となっている。

  • レーシングブルズF1 2027年ドライバー選考でツォロフも候補「うれしい悩み」

    レーシングブルズF1 2027年ドライバー選考でツォロフも候補「うれしい悩み」

    レーシングブルズF1のチーム代表アラン・パーメインは、2027年のドライバー候補としてニコラ・ツォロフが「我々の検討対象に入っている」と認めた。一方で、リアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドについても「素晴らしいドライバー」と高く評価しており、決定を急ぐ必要はないとの考えを示している。

    F2参戦1年目のツォロフは2026年のタイトル争いをリードしており、すでに6勝を記録。レッドブル・ジュニアの有力株としてF1昇格への期待が高まっている。

    ローソンとリンドブラッドもレーシングブルズで結果を残しており、2027年のシート争いは激しくなりそうだ。ただし、最新の情報では2027年にF1へ直接昇格せず、レッドブルのリザーブドライバーを務めながらスーパーフォーミュラに参戦する育成プランも浮上している。

    ツォロフも2027年の候補 パーメイン「検討対象に入っている」
    F1スペインGPで2027年のドライバーラインアップについて質問されたパーメインは、PlanetF1.comなどに対し、まだ判断を下す段階ではないと説明した。

    「正直なところ、我々にとってはまだ少し早い。我々は伝統的にもう少し待つ。来年どうするのかを今発表しなければならないようなプレッシャーはない」

    そのうえで、F2で好成績を残しているツォロフが候補であることを認めた。

    「もちろん、ニコラは我々の検討対象に入っている。彼は信じられないようなシーズンを送っている。F2参戦1年目で選手権をリードしている。すべてが彼にとって良い方向に進んでいる」

    「とはいえ、私にはリアムとアービッドという2人の素晴らしいドライバーもいる。だから、これはうれしい悩みだ」

    レーシングブルズは2026年、ローソンとリンドブラッドを起用。ルーキーのリンドブラッドが印象的なパフォーマンスを見せる一方、ローソンもシーズンを通じて評価を高めてきた。

    ただし、ローソンは現在、夏休み中のトレーニングで左手首を負傷したアイザック・ハジャーの代役としてレッドブル・レーシングに乗っている。オランダGPからイタリアGP、スペインGPまで3戦にわたってRB22をドライブしており、レーシングブルズ復帰のタイミングはハジャーの回復状況に左右されている。

    ローソンは2台を同時に準備「理想的ではない」
    ローソンにとって難しいのは、自身の2027年の去就だけではない。各グランプリを前に、レッドブルとレーシングブルズのどちらで出場する可能性にも備えなければならない状況が続いている。

    ローソンはイタリアGPで、どちらのマシンをドライブすることになるのか直前まで不透明な状況について「理想的ではない」と認めていた。

    レッドブルRB22とレーシングブルズVCARB 03についても、「ドライブの仕方がまったく違う。だから理想的ではない」と説明している。

    それでも、ローソンに対するレーシングブルズの評価は変わっていない。ツォロフの台頭によって2027年のシートをめぐる憶測が強まっているものの、パーメインは今回もローソンを高く評価していることを強調した。

    ニコラ・ツォロフ(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    F2首位ツォロフ イモラでF1マシン690kmを走行
    一方、ツォロフは2025年からレッドブル・ジュニアチームに所属し、2026年はF2にステップアップ。ルーキーイヤーながら選手権をリードし、ここまで6勝を挙げている。レッドブルリンクからシルバーストンにかけては3レース連続優勝も達成した。

    さらに8月にはイモラでレーシングブルズの2025年型マシン「VCARB 02」を使ったTPC(Testing of Previous Cars)に参加。690kmを走り込み、初めてF1マシンを本格的に経験した。

    そのテストについてツォロフは、さまざまな感情が入り交じっていたと振り返った。

    「正確にどんな感覚だったのかは、ちょっと思い出すのが難しいくらいだった。いろいろなことが同時に起きていたからね」

    「もちろん良いパフォーマンスを見せたい。でも同時にクラッシュしたくないし、楽しみたいとも思う。いろいろな感情が混ざっていた」

    「最初の走行で数周すると、どんどんリラックスできるようになった。その瞬間に自分の夢を実現できたことに、ほっとしたという感じだった」

    事前のシミュレーター作業も実車への適応に大きく役立ったという。

    「最初からかなり自信があった。シミュレーターが実際に経験したものと本当に近かったからだ。そのコースでは事前にシミュレーターで3回か4回セッションをやっていたので、かなり走り込んでいた」

    2027年はリザーブ+スーパーフォーミュラ案も浮上
    もっとも、レーシングブルズの候補に入っていることが、そのまま2027年のF1昇格を意味するわけではない。

    9月16日には、ツォロフを2027年にF1へ直接昇格させるのではなく、レッドブルのリザーブドライバーを務めながら日本のスーパーフォーミュラに参戦させる案が検討されていると報じられた。

    レッドブルは過去にも、F1昇格を控えた若手の育成にスーパーフォーミュラを活用している。ピエール・ガスリーは2017年、ローソンは2023年に日本でフル参戦し、ともにランキング2位を獲得。その後F1でレギュラーシートを手にした。

    ツォロフについても、スーパーフォーミュラで実戦経験を積ませながら、F1ではリザーブ業務、TPC、シミュレーター、FP1などを組み合わせ、2028年以降の昇格に備えるプランが考えられる。

    この育成策が実現すれば、レーシングブルズはローソンとリンドブラッドを2027年も継続起用しながら、ツォロフを将来のF1候補として育てる余地が生まれる。ローソンにとっても、ツォロフの即時昇格によってシートを失う可能性が低下することになる。

    ツォロフ「F1に行く準備はできている」
    注目が集まる2027年について、ツォロフ自身は具体的な話し合いが進んでいるわけではないと明かしている。

    「僕はまだF2に完全に集中している。まずシーズンを終えなければならないから、レースごと、1日ごとに取り組んでいる。それが自分にとっても一番いいことだと思う」

    「それ以上のことについて話し合いはない。良い結果を出し続ければ、チームが僕にとってベストなことをしてくれると思っている。だから、正しい決断をしてくれるとレッドブルを完全に信頼している」

    そして、F1昇格のチャンスが訪れた場合には「準備はできている」と自信を示した。

    レーシングブルズにとって2027年の選択肢は豊富だ。現在のラインアップを構成するローソンとリンドブラッドに加え、F2で急速に評価を高めているツォロフも候補に入っている。一方でツォロフにはリザーブとスーパーフォーミュラを組み合わせた育成案も浮上しており、レッドブルがF1昇格を急がない可能性も出てきた。パーメインが「うれしい悩み」と表現するドライバー選考は、ローソンの将来も含めて今後さらに注目を集めそうだ。

  • フェラーリF1 ハミルトンのスペインGPリタイア原因を調査「主ブレーキ系ではない」

    フェラーリF1 ハミルトンのスペインGPリタイア原因を調査「主ブレーキ系ではない」

    フェラーリF1は、2026年F1スペインGPでルイス・ハミルトンがリタイアを余儀なくされたSF-26のブレーキトラブルについて詳細な調査を進めている。初期調査では、ブレーキそのものではなく、それに付随するシステムに問題が発生した可能性が浮上している。

    ハミルトンはマドリンクで行われた決勝の序盤からブレーキペダルが深くなる症状に見舞われ、次第にマシンをコース上にとどめることさえ困難になった。フェラーリは走行中に問題の解消を試みたものの改善せず、安全上のリスクを考慮してリタイアを決断した。

    ターン1直後からブレーキトラブルが悪化
    スタート直後、ハミルトンはターン1でレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンとサイド・バイ・サイドになった。フェルスタッペンはランオフエリアを通過し、その後FIAが「コース外に出てアドバンテージを得た」と確認したことを受け、レッドブルからポジションを戻すよう指示された。

    しかし、その時点ですでにハミルトンのブレーキには異常が出始めていた。

    フェルスタッペンはいったんハミルトンを前に出したものの、ブレーキ問題が悪化していたハミルトンをすぐに抜き返した。その後、ハミルトンは次々と後続車にポジションを奪われ、最終的にフェラーリからピットに戻るよう指示を受けた。

    決勝後、フェラーリF1のチーム代表フレデリック・バスールは、ターン1でのフェルスタッペンとの攻防がトラブルの原因だった可能性について質問された。

    「正直なところ、分からない。私が出たときにはまだマシンを調べているところだった」

    バスールは、ハミルトンがブレーキペダルのストロークが長くなる症状に見舞われていたことを認めた。チームはピットウォールから対応を試みたが、問題を解消することはできなかった。

    「ペダルが長くなっていた。ピットウォールから修正しようとしたが、その数コーナー後にまた同じことが起きた」

    ハミルトンはマシンをコース上にとどめるために苦戦し、トラックリミット違反も重ねていた。バスールは、その状態で走行を続けることには「意味がなかった」と説明している。

    スクーデリア・フェラーリ

    初期調査では主ブレーキシステム以外が原因か
    その後もフェラーリはハミルトンのSF-26について調査を継続。PlanetF1.comのトーマス・マーハーによると、現時点で原因は完全には特定されていないものの、初期調査ではブレーキ機構そのものとは別の補機類に問題が発生した可能性が示されているという。

    「マドリードでルイス・ハミルトンのマシンに何が起きたのか、フェラーリでは調査が続いている。ただ、初期段階では主ブレーキシステムそのものではなく、その内部にある補機類の問題だったことが示唆されている」

    さらに問題はリア側のブレーキシステムに関連していたとみられている。

    ハミルトンはレース序盤に左リアをウォールに接触させる場面もあったため、フェラーリはこうした出来事も含めて原因を調査している。

    FP3クラッシュ後の修復作業とは無関係の見通し
    ハミルトンは前日のFP3でもクラッシュを喫していた。事故後にはフロントウイングをマシンの下に巻き込み、右フロントタイヤがパンクした状態でピットまで戻ろうとしていた。

    レースエンジニアのカルロ・サンティから何度もマシンを止めるよう指示されたものの走行を続け、最終的にはFIAレースディレクターからの正式な停止要求であることを伝えられ、コース脇にマシンを止めていた。

    このクラッシュによってSF-26は予選までに修復を必要としたが、現時点では土曜日の修復作業と日曜日のブレーキトラブルに関連性はないとみられている。

    マーハーは「この問題は土曜日に急いで行われた修復作業とは関係しておらず、日曜日に発生した問題はリアブレーキシステムに関連したものと理解されている」と伝えている。

    フェラーリは引き続き詳細な調査を進め、ハミルトンのSF-26で発生した不具合の正確な原因を特定する方針だ。

    スペインGPで今季初のリタイアを喫したハミルトンはノーポイントに終わり、ドライバーズ選手権首位のアンドレア・キミ・アントネッリとの差は101ポイントに拡大した。

  • カルロス・サインツJr. マドリンク酷評への責任を否定「僕が関わる前に設計済み」

    カルロス・サインツJr. マドリンク酷評への責任を否定「僕が関わる前に設計済み」

    カルロス・サインツJr.は、初開催となったF1スペインGPで批判を浴びたマドリンクのレイアウトについて、自身に責任はないと反論した。イベントのアンバサダーに就任した時点で、コースはすでに設計され、FIAの承認も受けていたと説明している。

    マドリードで初めて開催されたF1スペインGPは、決勝でオーバーテイクが極めて少なかったことから、コースレイアウトに厳しい批判が集まった。

    そのなかでニコ・ロズベルグは日曜日、「カルロス・サインツがアンバサダーなんだから、カルロス・サインツを批判しないとね」と冗談交じりに語っていた。

    サインツJr.「僕が契約した時にはすでに設計されていた」
    しかし、ウィリアムズのカルロス・サインツJr.は、当初のサーキット設計には一切関与していなかったと強調した。

    「僕がアンバサダー契約を結んだときには、コースの設計はすでに終わっていて、FIAからも承認されていた」

    「何らかの形で関わりたかったので、本当に腹が立った」

    日曜日の決勝が隊列のまま進む展開となったことを受け、主催者側はすでにコース変更の可能性を認めている。F1とFIAも今後の改修について協議に加わっている。

    サインツJr.は、大幅なレイアウト変更ではなく、本格的なオーバーテイクポイントをひとつ設けるだけでも状況は大きく改善すると考えている。

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)

    「必要なのはオーバーテイクポイントひとつ」
    「理想的な状況なら、ターン5で何かできないか試すべきだと思う。そこが無理ならターン1で何かをする必要があるし、ターン1でも無理ならターン13で何ができるか検討する必要がある」

    「バクーやマカオのような優れた市街地サーキットには、非常に長いストレートの先にオーバーテイクポイントがひとつしかないこともある。そうしたオーバーテイクポイントを追加できる可能性がどこにあるのか、そしてそれが実現可能なのかを確認する必要がある」

    「それができれば、このコースにとって非常に大きな助けになると思う。初開催のイベントとして見れば、それ以外の部分は成功だったと思うからだ」

    「素晴らしいサーキットだし、訪れるには素晴らしい街だ。運営も素晴らしかった……足りなかったのはオーバーテイクポイントだけだ」

    元F1ドライバーのシュトゥックは擁護
    一方、元F1ドライバーのハンス=ヨアヒム・シュトゥックは、Servus TVでマドリンクについてより肯定的な見方を示した。

    「そもそも新しいサーキットが今でも建設されているというのは素晴らしいことだ」

    「それは重要なことだ。市街地サーキットは少し多すぎるが、バンクのついたコーナーは新しい試みだった」

    マドリンクでは初開催を終えた段階で、オーバーテイクの難しさが最大の改善点として浮上した。アンバサダーを務めるサインツJr.は当初の設計への関与を否定する一方、ターン5、ターン1、ターン13を候補に挙げ、今後の改善に向けた具体的な方向性を示している。

  • フェルナンド・アロンソ F1現役続行に含み「契約更新なら何年も続ける」

    フェルナンド・アロンソ F1現役続行に含み「契約更新なら何年も続ける」

    フェルナンド・アロンソが、自身のF1での将来についてこれまでとはやや異なる姿勢を示した。アストンマーティンとの契約を更新するかどうかはまだ決断していないものの、身体的にもパフォーマンス面でも現役を続ける準備はできていると強調している。

    44歳のアロンソは、引退を決断する基準について「他のドライバーより遅くなったと感じたとき」と明言。その瞬間はまだ訪れていないとし、もし契約更新を選択した場合には、単なる「あと1年」ではなく、その先も複数年にわたってF1で走り続ける可能性があると語った。

    「他のドライバーより遅くなったと感じたら辞める」
    アロンソの将来を巡っては、2026年シーズンを通じて引退の可能性がたびたび話題になってきた。一方で、本人が判断材料として重視しているのは年齢そのものではなく、自身の競争力だ。

    F1スペインGPでは厳しい結果に終わったものの、アロンソは自分自身の速さがライバルに対して衰えたとは考えていない。

    「他のドライバーより遅くなったと感じたら辞める。その瞬間はまだ来ていない」

    アロンソにとって、これは現役続行を判断するうえで明確な基準となっている。自身が最高レベルで戦える限り、年齢だけを理由にF1を離れるつもりはないという姿勢だ。

    一方、契約更新を決める際には、自身のパフォーマンス以外にも複数の要素が関係する。なかでも重要になるのが、アストンマーティンの競争力と今後のF1レギュレーションの方向性だ。

    2026年からアストンマーティンはホンダF1とワークス体制を開始したが、期待された結果にはまだ結びついていない。アロンソは今後、チームがどこまで競争力を高められるのかを見極めながら、自身の将来を判断することになる。

    契約更新なら「あと1年」とは限らない
    さらにアロンソは、契約を更新した場合の期間についても興味深い発言を残した。

    F1スペインGPが開催されたマドリンクでは、地元ファンからアロンソに対して「もう1年」という声が送られた。しかし本人は、次の契約が必ずしも1シーズンだけになるとは考えていない。

    「決断しなければならない。でも、もし契約を更新するなら、それを『あと1年』だと考える必要はない。契約を更新したら、何年も続けるかもしれない」

    この発言は、アロンソがF1でのキャリアを短期的な延長だけで考えているわけではないことを示している。

    現在のところ、アロンソは身体面でも精神面でもF1を続けられる状態にあると考えており、自身のドライビングについても競争力を失ったという感覚は持っていない。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    決断を左右するアストンマーティンの将来
    その一方で、アロンソが残留を決めるには、自分自身の状態だけでなく、アストンマーティンのプロジェクトがどの方向へ進むのかも重要になる。

    新しいパワーユニット規則が導入された2026年は、チームにとって大きな転換点となった。ホンダF1とのワークス体制、新しい技術規則、そしてチームの開発力が今後どのような結果につながるのかは、アロンソの決断にも影響するとみられる。

    また、今後F1の技術規則がどのように変更されていくかについても、アロンソは関心を示している。マシンの特性やレースのあり方を含め、F1が向かう方向そのものも、自身が現役を続けるかどうかを考える材料になる。

    現時点で契約更新について正式な決断は下されておらず、発表時期も明らかになっていない。ただし、「遅くなったら辞める」という本人の基準に照らせば、少なくともアロンソ自身はまだ引退すべき段階には達していないと感じている。

    これまで「あと何年走るのか」が焦点となってきたフェルナンド・アロンソだが、今回の発言では、契約を更新する場合にはさらに複数年にわたってF1に参戦する可能性まで明確に残した。最終的な判断を左右するのは年齢ではなく、自身の競争力、アストンマーティンの将来性、そしてF1そのものが今後どの方向へ進んでいくかになりそうだ。