投稿者: dbcheck

  • シャルル・ルクレールの転機「セットアップのコピペはセカンドドライバーの発想」

    シャルル・ルクレールの転機「セットアップのコピペはセカンドドライバーの発想」

    シャルル・ルクレールが2026年F1イギリスGPで今季初優勝を飾るまでには、大きな方向転換があった。苦戦が続く中でルイス・ハミルトンのセットアップを参考にしていたが、自身の強みを取り戻す決断が復活のきっかけになったという。

    長年ルクレールを支えるメンタルコーチのリカルド・チェッカレッリは、「他人のセットアップをそのまま真似するのは勝者の考え方ではない」と指摘。フェラーリF1のエース争いは、今後さらに激しさを増しそうだ。

    ルクレールはハミルトンのセットアップを参考にしていた
    シャルル・ルクレールは2026年シーズン序盤、フェラーリSF-26への適応に苦しみ、直近5戦ではルイス・ハミルトンに84対30と大きくポイント差をつけられていた。

    シルバーストンでは、ルクレール自身も「ルイスがやっていることを再現しようとしていた。実際にうまくいっていたから」と認めている。

    その一例がブレーキシステムだった。ルクレールは、それまで使用していたブレンボ製ディスクから、ハミルトンがシーズン序盤に切り替えたカーボン・インダストリー製ディスクへ変更していた。

    しかし、この試みは本質的な解決策にはならなかった。

    長年ルクレールを支えるメンタルコーチのリカルド・チェッカレッリは、Motorsport Italyに対して次のように語っている。

    「勝者を目指す人間にとって、それは決して解決策ではない。セカンドドライバーで満足する人なら構わないかもしれない」

    「シャルルは間違った方向へ進みかけていた。だから元に戻った判断は間違いなく正しかった」

    自分自身のスタイルへ戻したことが勝利につながった
    チェッカレッリによれば、他人のやり方を参考にすること自体は悪くないという。

    新たな考え方を取り入れるきっかけになる一方で、それをそのままコピーしてしまえば、自分本来の武器を失ってしまうからだ。

    「他人が何をしているかを見ることは視野を広げる刺激になる。しかし、それが自分の進むべき道とは限らない」

    「元の方向へ戻したことが勝利につながった」

    ルクレールはシルバーストンで2024年アメリカGP以来、37戦ぶりとなる勝利を挙げ、フェラーリでの苦しい流れを断ち切ることに成功した。

    シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    フェラーリF1の主導権争いはこれから本格化
    現在のドライバーズランキングでは、ハミルトンがルクレールを39ポイントリードしている。

    それでもチェッカレッリは、フェラーリがどちらか一方を優先する状況にはならないとみている。

    「2人は対等に戦うことになる。ハミルトンの方がここまでは安定していてポイントも多いが、実力は互角だ。どちらか一方が優れているとは思わない」

    「差を生むのは細かな状況や小さなディテールだ」

    さらに、チームメートのセットアップをそのまま真似することについては、改めて強い言葉で警鐘を鳴らした。

    「隣のガレージでチームメートが何をしているのか気になることはあるだろう。しかし、そのセットアップをコピー&ペーストした時点で、自分がセカンドドライバーであることを受け入れたことになる。それはシャルルらしくない」

    イギリスGP後には、ハミルトンが「スプリント後に自分の方向性をルクレールも取り入れた」と語る一方、ルクレールは異なる説明をしており、両者のライバル関係は今後さらに注目を集めそうだ。

  • マクラーレンF1 フェルスタッペン獲得へ バーレーン政府系ファンドが後押しか

    マクラーレンF1 フェルスタッペン獲得へ バーレーン政府系ファンドが後押しか

    マックス・フェルスタッペンのマクラーレン移籍説が再び加熱している。ドイツメディアでは、マクラーレンの筆頭株主であるバーレーン政府系ファンド「ムムタラカット」が獲得を強く望んでおり、巨額年俸の支払いも問題にならないとの見方が伝えられた。

    一方で、この情報は現時点では関係者の証言をもとにした報道であり、マクラーレン、レッドブル、フェルスタッペン陣営のいずれも正式なコメントは出していない。実現にはドライバー契約やチーム事情など複数の条件が絡むため、今後の動向が注目される。

    マクラーレンの資金力が移籍実現の鍵との見方
    フェルスタッペンは2027年以降の去就を巡って様々な憶測が飛び交っている。レッドブルとの契約には一定条件を満たした場合に発動できる離脱条項があるとされ、夏休みまでにランキング2位以内を維持できなければ、その条項が有効になると報じられている。

    イギリスGPではリアウイングのトラブルによってリタイアを喫し、マシンへの不満をあらわにしたことも移籍説に拍車をかけた。

    こうした中、ドイツ『F1-Insider』でビアンカ・ガーロフは、マクラーレンの財政面には大きな障害がないと説明した。

    「バーレーン王室、正確にはバーレーン政府がマクラーレンの株式の大半を保有している。契約は尊重されるべきだという考えはあるが、ドライバー交代そのものを妨げる要因はないと思う」

    さらにスポンサー収入とオーナー企業の支援により、フェルスタッペンの高額年俸にも十分対応できるとの見方を示した。

    「Googleなどのスポンサーに加え、バーレーン政府系ファンドの支援がある。資金面は問題ではなく、細かな契約上の障害さえ解決すれば、かなり早い段階で話がまとまる可能性もある」

    ピアストリとの交代が前提との見方
    ガーロフは、フェルスタッペン加入が実現する場合、現体制ではオスカー・ピアストリとの交代になるとの見解を示している。

    「オスカー・ピアストリはレッドブルからオファーがあれば自らシートを譲るだろうし、その場合フェルスタッペンも喜んでピアストリのシートに収まるはずだ。私には形式的な問題に過ぎないように見える」

    ただし、ピアストリ自身も2028年までの契約を結んでいるとされており、実際に移籍が成立するには契約解除や各チームの合意など、多くの調整が必要になる。

    マックス・フェルスタッペン

    オーナーの意向がザク・ブラウンに影響か
    ガーロフは、ザク・ブラウンCEO自身はランド・ノリスとピアストリの現ラインアップを維持したい考えだとしながらも、最終的にはオーナーの意向が優先される可能性を指摘した。

    「唯一気になるのはその点だ。ザク・ブラウンはランド・ノリスを非常に高く評価している。しかし、ノリスはフェルスタッペンの速さには及ばないと思う」

    「つまりブラウンはノリスをフェルスタッペンというライオンの前に送り出すことになる。しかし私が聞いている限りでは、バーレーン側が本当に、本当にフェルスタッペンを望んでいるため、彼には選択の余地がない」

    さらに「最終的には成功が何より優先される。ノリスはすでにワールドチャンピオンになっているのだから、その点はそれほど重要ではない」と締めくくっている。

    今回の報道はマクラーレンのオーナー企業が移籍を後押ししているとの見方を紹介したものだが、現時点では正式な交渉や契約締結は確認されていない。フェルスタッペンの将来を巡る憶測は今後も続きそうだ。

  • 角田裕毅 エイドリアン・ニューウェイ設計RB17を絶賛「本物のレーシングカー」

    角田裕毅 エイドリアン・ニューウェイ設計RB17を絶賛「本物のレーシングカー」

    角田裕毅が、レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズ(RBAT)が開発した究極のトラック専用ハイパーカー「RB17」を、2026年グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで初めてドライブした。一般のファンの前でRB17が実際に走行したのも今回が初めてとなった。

    RB17の初走行には、アイザック・ハジャーやRB17の設計者であるエイドリアン・ニューウェイも参加。

    レッドブルは歴代F1マシンの展示やRB9のデモランとともに、同社の技術力とモータースポーツの歴史を象徴するイベントとしてグッドウッドに臨んだ。

    RB17が初のダイナミックデビュー
    今回のイベントでRB17は、開発プログラムの一環としてグッドウッド名物のヒルクライムを走行した。これまで静止展示のみだったRB17が、初めて一般の観客の前で実際に走る姿を披露し、開発が新たな段階へ進んだことを印象づけた。

    ドライバーには角田裕毅、アイザック・ハジャー、レッドブル育成ドライバーのアリシャ・パルモウスキー、そしてRB17の設計を手掛けたエイドリアン・ニューウェイが名を連ね、それぞれがマシンのステアリングを握った。

    F1技術を凝縮した究極のハイパーカー
    RB17は、レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズが5年以上をかけて開発してきたプロジェクトであり、F1で培った技術をレギュレーションの制約を受けないトラック専用ハイパーカーへ投入した意欲作だ。

    自然吸気コスワース製V10エンジンとハイブリッドシステムを組み合わせ、極限の空力性能と高度な車両制御技術を採用。F1から着想を得たパフォーマンスを実現することを目標に設計され、レッドブル史上最も野心的なエンジニアリングプロジェクトの一つと位置付けられている。


    角田裕毅「人生で聞いた最高のサウンドの一つ」
    実際にRB17をドライブした角田裕毅は、走行後のインタビューで、その圧倒的な性能に感銘を受けた様子を語った。

    「とても楽しかったです。エンジン音は、僕の人生で聞いた中でも最高のサウンドの一つでした。空力性能も含めて、本物のレーシングカーという感じでした」

    一方で、約670万ドル(約10億円超)というRB17の価値も意識し、限界まで攻めるような走りは控えたという。

    「もちろん高価なクルマなので、壊してしまうのも高くつきます。だから無理はせず、少し余裕を持って走りました。でも、いつか本格的なレーシングサーキットで走らせてもらえたらいいですね」

    「普通のドライバーでも十分運転できる」
    インタビュアーから「1200馬力・900kgというスペックだが、一般の人でも扱えるクルマなのか」と質問されると、角田はRB17の懐の深さを強調した。

    「普通のドライバーでも十分に運転できると思います。いろいろなドライビングモードが用意されていて、アマチュア向けからプロ向けまで選べます」

    「シミュレーターでも試しましたが、どのモードでも段階的に楽しめるようになっています。確かに速いクルマですが、普通の人でも運転できると思います」

    ニューウェイ設計のRB17に敬意
    また、インタビュアーから「RB17は公道向けのF1マシンのような存在ではないか」と問われると、設計者エイドリアン・ニューウェイへの敬意も口にした。

    「そうですね。彼はこれまで本当に多くの成功を収めてきましたし、今も成功を続けています。RB17にはレッドブルのDNAが詰まっています。彼がこれまで設計してきたクルマの数も、その成功も本当に素晴らしいものです。そんな彼が設計したRB17をドライブできたことは、本当に光栄でした」

    歴代F1マシンも集結
    グッドウッドではRB17だけでなく、2013年にセバスチャン・ベッテルを4年連続ワールドチャンピオンへ導いたRB9もデモランを実施した。

    また、RB1のデビューカラー、RB11のカモフラージュテストカラー、RB14のスペシャルカラー、RB21日本GP仕様、さらに2026年グロスカラーをまとったRB19など、レッドブルの歴代人気カラーリングも展示され、多くのファンを魅了した。

    角田裕毅 レッドブル

  • F1イギリスGP 勝者と敗者 ルクレール復活とフェルスタッペン痛恨DNF

    F1イギリスGP 勝者と敗者 ルクレール復活とフェルスタッペン痛恨DNF

    2026年F1第9戦イギリスGPは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が2024年アメリカGP以来となる優勝を飾り、苦しんだシーズン前半から完全復活を印象付けた。一方で、優勝争いを演じながらリタイアに終わったキミ・アントネッリやマックス・フェルスタッペンなど、多くのドライバーにとっては悔しさの残る週末となった。

    F1公式サイトはレース後、ローレンス・バレット記者による「勝者と敗者(Winners & Losers)」を公開。イギリスGPで明暗を分けたドライバーとチームを振り返っている。

    勝者:シャルル・ルクレール
    ルクレールはここ数戦、フェラーリとの一体感を失い、本来のパフォーマンスを引き出せない状態が続いていた。しかし金曜日の夜にデータ解析から突破口を見つけ、再びマシンとの感触を取り戻した。

    その成果は予選で表れ、メルセデスのキミ・アントネッリとフロントローを獲得。決勝ではレース前に40分間の仮眠を取る余裕も生まれ、スタートでトップに立つとそのまま今季初優勝、そして2024年アメリカGP以来の勝利を飾った。

    敗者:キミ・アントネッリ
    ポールポジションからスタートしたアントネッリは序盤で順位を落としたものの、終盤にはルクレールへ迫る見事な追い上げを見せた。

    しかし、フロント左ホイールシールドの破損によって2度のピットストップを余儀なくされる。さらにトラックリミット違反による5秒ペナルティとセーフティカー終了の影響も重なり、ノーポイントに終わった。

    スプリントでは優勝したものの、トップ2走行中の信頼性トラブルは3戦で2度目。ランキング首位は維持したが、チームメイトのジョージ・ラッセルとの差は25ポイントまで縮まった。

    勝者:ジョージ・ラッセル
    ラッセルにとってシルバーストンは相性の悪いサーキットだった。これまでの最高順位は5位であり、スプリントと予選では直線スピード不足にも苦しんだ。

    決勝でも表彰台圏外を走る時間が長かったが、アントネッリとフェルスタッペンの脱落、さらにルイス・ハミルトンの5秒ペナルティも味方し、2位でフィニッシュ。これで3戦連続トップ2入りを果たした。

    敗者:マックス・フェルスタッペン
    フェルスタッペンは今回も苦しいレッドブル・レーシングを上位争いへ押し上げ、3位走行中だった。

    しかしリアウイングのトラブルによってコースアウトし、そのままリタイア。ローラン・メキース代表も「同様の事象は初めてではなく、極めて深刻に受け止めている」と再発防止を約束した。

    今季3度目のリタイアとなり、ランキングでは首位アントネッリとの差が100ポイント以上に広がっている。

    イギリスグランプリ

    勝者:レーシングブルズ
    レーシングブルズは絶好調を維持し、4戦連続ダブル入賞を達成した。

    リアム・ローソンはスプリントに続いて決勝でも6位を獲得し、ランキング9位のピエール・ガスリーまであと3ポイントに迫った。

    アービッド・リンドブラッドも7位となり、18歳331日でイギリスGP史上最年少のイギリス人ポイント獲得者となった。

    チームランキングでは5位アルピーヌとの差をわずか1ポイントまで縮めている。

    敗者:ウィリアムズ
    ウィリアムズは新型フロントウイング投入でポイント争いへの接近を期待していたが、期待した効果は得られなかった。

    カルロス・サインツJr.はスタートで4つ順位を上げたものの、その後は後退。レース後にはセーフティカー中の周回遅れ手順違反による「ペナルティラップ」が科され、17位へ降格となった。

    アレックス・アルボンもスタート直後にオリバー・ベアマンと接触し、その後リタイア。チームは3戦連続ノーポイントとなった。

    勝者:ガブリエル・ボルトレト
    ボルトレトは直近3戦連続で11位と惜しいレースが続いていた。

    しかしシルバーストンでは安定した週末を送り、8位でフィニッシュ。開幕戦オーストラリア以来となるポイントを獲得した。

    これはアウディにとってF1参戦後最高順位でもあり、コンストラクターズランキングでは8位ウィリアムズとの差を5ポイントに縮めた。

    敗者:ハース
    ハースは中団ライバルに対抗できるペースを欠き、3戦連続ノーポイントとなった。

    オリバー・ベアマンはスタート失敗に加え、アルボンとの接触でスピン。13位に終わった。

    エステバン・オコンは17番手から11位まで順位を上げたが、その後は後退し、ベアマンに続く14位でチェッカーを受けた。

    勝者:アイザック・ハジャー
    ハジャーは週末を通してレッドブル・レーシングのマシンに高い自信を示し、今季3度目となるフェルスタッペン越えの予選結果を記録した。

    決勝でも好スタートを決め、中盤こそペース不足に苦しんだものの終盤に持ち直して5位を獲得。今季3度目のトップ5入り、そして5戦連続ポイント獲得となった。

    また、昨季に角田裕毅とリアム・ローソンがレッドブルで獲得した合計ポイントを、すでに19ポイント上回っている。

    敗者:オスカー・ピアストリ
    ピアストリのレースはスタート直後に事実上終わった。

    リンドブラッドとローソンの2台に挟まれてフロントウイングを損傷し、1周目終了時点でピットイン。最後尾から追い上げたものの、11位であと一歩ポイントには届かなかった。

    イギリスGPで明暗分かれる
    ルクレールの完全復活、レーシングブルズの躍進、ハジャーの安定した活躍が光る一方、アントネッリやフェルスタッペンは信頼性トラブルで大きな代償を払った。タイトル争い、そして中団争いの両方で、イギリスGPは今後のシーズンを左右する重要な一戦となった。

  • アストンマーティン・ホンダF1 真の実力を示す時「大半の改革は終えた」

    アストンマーティン・ホンダF1 真の実力を示す時「大半の改革は終えた」

    アストンマーティンはハンガリーGPで投入予定のAMR26大型アップデートに大きな期待を寄せている。チーム広報のペドロ・デ・ラ・ロサは、このアップデートを「本来の実力を発揮する第一歩」と位置づけ、シーズン後半戦での巻き返しに自信を示した。

    エイドリアン・ニューウェイ主導で進められてきた開発計画は空力だけでなく、軽量化やシャシー、サスペンション、さらには開発・製造体制の改革まで含む包括的なプロジェクトだ。

    チームは単なる性能向上ではなく、今後数年間を見据えた基盤づくりが実を結び始めると考えている。

    なぜ話題なのか
    アストンマーティンは2026年シーズンここまで深刻な競争力不足に苦しんでおり、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは入賞争いにも加われないレースが続いている。

    こうした状況を打開するため、ニューウェイと最高技術責任者エンリコ・カルディレは、小規模な改良を積み重ねるのではなく、ハンガリーGPで大規模アップデートを一括投入する方針を採用した。

    新仕様では軽量化を目的としたフロント側シャシーの再ホモロゲーション、新型ノーズ、大幅に見直された空力パーツ、新型リアサスペンションなどが導入される予定だ。さらにザントフォールトではホンダ製パワーユニットのアップグレードも控えているとみられ、シャシーとPUの両面で競争力向上が期待されている。

    デ・ラ・ロサが語る大型アップデートの狙い
    デ・ラ・ロサはPlanetF1.comの独占インタビューで、今回のアップデートについて「ドライバーが戦えるマシンを与えること」が最大の目的だと説明した。

    「ドライバーが戦いを楽しめるようになり、より予測しやすく、より速く、最終的には競争力のあるマシンになることが目標だ」

    一方で、具体的なタイム短縮幅については慎重な姿勢を崩さなかった。

    「どれだけ速くなるかという目標を掲げるべきではない。未知の要素が多く、まずは結果を示さなければならない」

    現在の状況についても率直に語っている。

    「今の我々は最後尾付近にいる。ファンに約束をするのではなく、結果を出さなければならない」

    また、今回の変更は空力だけではないことも強調した。

    「エイドリアンも説明しているように、空力アップデートだけではない。軽量化を含め、マシンのさまざまな部分が強化される」

    最終的にはアロンソとストロールが笑顔でマシンを降りられることが成功の指標になるという。

    「今は戦うことすらできていない。だから2人が戦い、笑顔でクルマを降りてくることを願っている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    今後の焦点
    デ・ラ・ロサは、ハンガリーGPが完成形ではなく、改革の出発点にすぎないと強調している。

    「ハンガリーですべてが終わるわけではない。その後も開発プログラムは続いていく」

    また、ニューウェイが進める組織改革についても大きな成果が出始めているという。

    これまで外部委託していたギアボックスケースやフロアなどの部品を自社生産へ切り替えたことで、品質管理や開発スピード、コスト管理が大きく改善。研究から設計、製造までのフィードバックサイクルも短縮されている。

    デ・ラ・ロサは「必要な改革の大部分は終えた」と語り、最新設備や新風洞、シミュレーターなどローレンス・ストロールが進めてきた巨額投資が、いよいよ結果として現れ始めるとの見方を示した。

    「今後数か月で我々は本来の実力を示せる段階に入ると思う」

    「必要な人材も、設備も、プロセスもようやく揃った。今はその力を発揮する時間を与えるだけだ」

    シーズン前半は苦戦が続いたアストンマーティンだが、ハンガリーGPから始まる大型アップデートは、2026年後半戦だけでなく、ホンダとの本格的なパートナーシップを迎える将来へ向けた重要な試金石となりそうだ。

  • クリスチャン・ホーナー レッドブルF1復調は「私が辞めなくても同じ結果だった」

    クリスチャン・ホーナー レッドブルF1復調は「私が辞めなくても同じ結果だった」

    2025年シーズン途中でレッドブル・レーシング代表を退任したクリスチャン・ホーナーが、チームの復調は自身が築いた基盤によるものだったと主張した。後任のローラン・メキース体制で成績が向上したことについても、「自分が辞めていなくても同じ結果になっていた」との見解を示している。

    ホーナーは、F1では組織改革の効果が現れるまでには長い時間が必要だと説明。2025年後半の巻き返しは自身の在任中に進めた取り組みの成果であり、新体制の直接的な影響ではないと語った。

    ホーナー「変化が結果に表れるには9~12か月かかる」
    クリスチャン・ホーナーは英紙『The Times』のインタビューで、F1チームにおける組織改革は短期間で成果が出るものではないと強調した。

    2025年のイギリスGP後、ホーナーはレッドブル・レーシング代表を解任され、当時レーシングブルズを率いていたローラン・メキースが後任に就任。その後、マックス・フェルスタッペンはランキング首位のオスカー・ピアストリに対して104ポイント差から猛追し、最終戦アブダビGPでは最終的にタイトルを獲得したランド・ノリスとの差を2ポイントまで縮めた。

    この復調はメキース就任後の出来事だったが、ホーナーはその功績を新体制によるものとは考えていない。

    「通常、F1では導入した変化が結果として表れるまで9~12か月かかる。だから昨年起きたことについて言えば、もし僕がバスにはねられて交代していなかったとしても、同じような展開になっていただろう」

    レッドブル・レーシング

    自身の功績に満足「時間が評価してくれる」
    現在は投資会社オークリー・キャピタルのアドバイザーを務めるホーナーは、自身がレッドブル・レーシングで築き上げた実績には十分満足していると語った。

    「僕は自分がやってきたことで評価されるだけだ。最終的には時間が答えを出してくれると思う」

    「でも、称賛を求めているわけではない。自分が成し遂げたことには満足している」

    今回の発言は、2025年後半のレッドブル・レーシング躍進を巡る評価について、自身の立場を改めて明確に示したものと言えそうだ。

  • F1空力開発最前線 2026年トレンドと2027年規則変更を徹底解説

    F1空力開発最前線 2026年トレンドと2027年規則変更を徹底解説

    2026年のF1は、パワーユニット(PU)のエネルギーマネジメントを巡る議論が注目を集めている一方で、シャシーと空力開発でも激しい競争が続いている。

    現行マシンは2022~2025年のグラウンドエフェクト時代とは大きく異なるコンセプトを採用しており、各チームは新たな最適解を探し続けている。さらに2027年には空力レギュレーションの一部改訂も予定されており、現在の開発競争は来季以降にも大きな影響を及ぼす可能性がある。

    2026年シーズン中盤を迎えた今、各チームがどこで性能差を生み出しているのか、そして2027年へ向けて何が変わろうとしているのかを整理する。

    2022~2025年型との最大の違いは「車高依存」の減少
    2022年から2025年までのグラウンドエフェクトカーは、可能な限り低い車高で走行することで大きなダウンフォースを得る設計だった。

    しかし車高がわずかに変化するだけで空力特性が大きく変化し、フロア下面の気流が失速すると急激な性能低下を招いた。これがポーパシングや激しいバウンシングを引き起こす要因となり、多くのチームは高めの車高でもダウンフォースを維持できる方向へ開発を進めてきた。

    一方、2026年型マシンではフロア依存が弱まり、ボディ上面の空力性能がより重要になった。もちろんフロアは依然として重要なダウンフォース源だが、フロア単体ではなく車両全体を一体として設計する必要が生じている。

    車高ではなく空力コンセプトが勝敗を左右する時代へ
    マクラーレン代表アンドレア・ステラは、2026年型マシンはセットアップだけで大きな性能向上を得ることが難しくなったと説明する。

    昨年までは車高を限界まで下げ、ポーパシングを抑え込めれば一気に競争力を高めることができた。しかし現在は車高変化への感度が低くなり、サスペンション設定だけではライバルとの差を縮められないという。

    そのため各チームは空力コンセプトそのものを見直す方向へシフトしており、大規模アップデートによって一度に0.2~0.3秒を改善するケースも珍しくない。

    ステラは、マクラーレンも当初の設計思想を一部見直し、新しいコンセプトを取り入れ始めていることを明かしている。

    現在の空力開発で最大の激戦区となっている部分
    2026年マシンではフロア外縁部の開発競争が激化している。

    2021年以前によく見られたスロットや切り欠き、細かなフィンなどが復活し、特にリアタイヤ直前では気流を整えるための複雑な造形が各チームで採用されている。

    これはリアタイヤ周辺で発生する乱流がフロア下面へ入り込むことを防ぎ、ディフューザー内部の気流エネルギーを維持することが目的だ。

    またリアディフューザー周辺だけでなく、フロア全体の気流管理も各チームごとに特徴が現れ始めている。

    マクラーレン フォーミュラ1カー

    マクラーレン・フェラーリ・メルセデス・レッドブルの思想の違い
    各トップチームは現在も異なる空力哲学を採用している。

    マクラーレンは従来から続くダウンウォッシュ型サイドポッドを維持している一方、フェラーリとメルセデスはアンダーカットをより積極的に活用し、車体後方へ短い経路で気流を送り込む設計を採用している。

    一方のレッドブルはその中間的なアプローチを選択しており、サイドポッド上面の「スライダー」状チャンネルによって、いわゆるコカ・コーラボトル形状周辺へ効率よく気流を導いている。

    さらにマクラーレンはノーズ形状やフロントウイング、フロアボードなどでも独自路線を維持しているが、ステラは他チームの設計思想から学ぶ必要性も認めている。

    F1では優れたアイデアが最終的にグリッド全体へ広がることは珍しくなく、今回も同様の流れになる可能性がある。

    キャデラック フォーミュラ1カー

    キャデラックが示した最新トレンド
    今シーズン途中に大型アップデートを投入したキャデラックは、現在の空力開発トレンドを象徴する存在となっている。

    サイドポッドは従来のランプ型デザインを捨て、フェラーリやメルセデスに近い深いアンダーカットを採用。さらにエンジンカバーには段付きフィンを追加し、リアウイングへ向かう気流を改善している。

    リアエンドプレートにも折り返し形状を導入し、アップウォッシュ効果によって後方の気流拡散を促進するなど、多くの最新トレンドが盛り込まれた。

    シーズン開幕仕様と現在のMAC-26を比較すると、開発の方向性が非常に分かりやすく表れている。

    2027年レギュレーション変更で何が変わるのか
    2027年にはFIAがダウンフォースを抑制するため、空力規則をさらに変更する予定だ。

    最大の変更点はフロア前端部、いわゆる「ティートレー(バイブレード)」周辺で、先端位置が約300mm後退する。これによりマシン前方をより低く走らせられるようになり、空力特性も大きく変化するとみられる。

    またリアウイングは浅い形状となり、フロア前端の「ベアクロー(フィン)」も5枚から3枚へ削減される。

    さらに近年各チームが採用してきた排気口周辺の小型ウイングレットも禁止される予定で、リアダウンフォースの一部が失われることになる。

    アストンマーティン フォーミュラ1カー

    エイドリアン・ニューウェイが示唆する「レーキ復活」の可能性
    エイドリアン・ニューウェイは、2027年規則変更によって再びレーキ角が重要になる可能性を示唆している。

    アストンマーティンは現在でも他チームよりやや大きなレーキを採用しているが、新規則ではリアを高くすることでディフューザー後方の低圧領域を拡大し、より大きなダウンフォースを得られる可能性がある。

    一方で、レーキを増やせばリア空力は敏感になりやすく、気流制御も難しくなる。そのため各チームは新たな空力バランスを模索することになるだろう。

    2026年の開発競争は2027年への布石
    2026年のF1は、車高やセットアップよりも空力コンセプトそのものが勝敗を左右する時代へ移行している。各チームはフロア外縁部やサイドポッド、リア周辺を中心に独自の思想を磨きながら開発競争を繰り広げており、その成果はシーズン中の勢力図にも大きく反映されている。

    さらに2027年には空力規則が再び変更されるため、現在積み重ねられている開発成果は来季以降のマシン設計にも直結する。今後は各チームの空力コンセプトがどのように収束していくのか、そして新たなレギュレーション下でどのチームが最適解を見いだすのかが、大きな見どころとなりそうだ。

  • ピエール・ガスリー アルピーヌF1に不満爆発 コラピント逆転許した痛恨ミス

    ピエール・ガスリー アルピーヌF1に不満爆発 コラピント逆転許した痛恨ミス

    ピエール・ガスリーは、F1第12戦イギリスGPでダブル入賞を果たしたアルピーヌに対し、レース後に強い不満をあらわにした。ピットストップのミスでチームメイトのフランコ・コラピントに逆転を許したことについて、「チームにとって9位と10位は同じでも、自分にとっては違う」と語り、チームと話し合う考えを明かした。

    アルピーヌはコラピントが9位、ガスリーが10位でフィニッシュし、貴重なダブル入賞を達成した。

    しかし、ガスリーは7秒を超えるピットストップによって失ったポジションを問題視しており、ドライバーズランキングに影響する1ポイントを逃したことへの不満を隠さなかった。

    ガスリーを襲った痛恨のピットミス
    ガスリーはランス・ストロールへの走行妨害により3グリッド降格ペナルティを受けていたが、レース序盤にはコラピントとともに順位を上げ、2台は11位と12位で接近したまま走行を続けていた。

    流れが大きく変わったのは最初のピットストップだった。コラピントが先にタイヤ交換を済ませると、翌周にピットへ入ったガスリーは作業に7.49秒を要する痛恨のミスに見舞われる。

    この遅れによって、それまで後方にいたコラピントが前へ出ることに成功。その後はトップ10圏内を守り切り、終盤にはアンドレア・キミ・アントネッリのトラブルやマックス・フェルスタッペンのリタイアにも助けられて9位でフィニッシュした。

    一方のガスリーは、終盤のセーフティカー中に2度目のタイヤ交換を行ったものの順位は変わらず10位。ピットで失ったポジションを取り戻すことはできなかった。

    「1ポイントを失った」と不満あらわ
    レース後、ガスリーはフランスの『Canal+』に対し、チームの結果には満足しながらも、自身の順位については納得できないと語った。

    「チームとして3ポイントを獲得できたことは本当にうれしい。でも正直、フランコにピットで前へ出られたことには少し腹が立っている。僕たちのピットストップがあまりにも遅かったからだ」

    「彼は3秒後ろにいたのに、ピットを出た時には5秒前にいた。ああいう形でランキングの1ポイントを失うのは悔しい」

    ピエール・ガスリー(アルピーヌF1チーム)

    「チームには同じでも自分には違う」
    さらにガスリーは、国際メディアの取材でも不満を隠さず、チームと話し合う考えを明かした。

    「チームにとって9位と10位は同じかもしれない。でも僕にとっては違う」

    「この件についてはチームと話し合うつもりだ」

    アルピーヌはダブル入賞という結果を持ち帰った一方で、ガスリーの発言からは、繰り返されるオペレーションミスへの不満が限界に近づいていることもうかがえる。今後、チーム内でどのような説明が行われるのかにも注目が集まりそうだ。

  • マクラーレンF1 オスカー・ピアストリ契約にチーム側が主導権を持つ条項

    マクラーレンF1 オスカー・ピアストリ契約にチーム側が主導権を持つ条項

    マクラーレンがマックス・フェルスタッペンとの接触を続けている背景には、2027年ではなく2028年以降を見据えた長期的な構想があるようだ。さらに、オスカー・ピアストリとの契約内容には、その戦略を裏付ける重要な条項が盛り込まれていると報じられた。

    イタリア『Sky Italia』によると、現時点でフェルスタッペンの2027年加入は「現実的ではない」とされる一方、2028年以降であれば状況が大きく変わる可能性があるという。

    マクラーレンは将来的なトップドライバー獲得に向け、すでに布石を打っていたようだ。

    2027年の契約条項が将来への布石
    Sky Italiaによると、フェルスタッペンはレッドブルのマシン競争力や主要エンジニアの流出、チーム内での影響力低下に不満を抱いているものの、2027年に移籍できる現実的な選択肢は限られている。

    一方で、マクラーレンは「2027年のシートに空きはない」と繰り返し主張してきた。しかし、その状況は2028年以降には変わる可能性がある。

    その鍵となるのが、オスカー・ピアストリの契約だ。

    ピアストリの契約には今季中に発動可能な契約解除条項があり、夏休み前の時点でランキング5位以内に入れなければ、自ら契約を解除できる条件が設定されている。現在はランキング6位で、チームメイトのランド・ノリスに15ポイント差をつけられている。

    もっとも、現状でピアストリがこの条項を行使する可能性は低いとみられている。仮にマクラーレンが期待を下回るシーズンを送っていたとしても、移籍先として有力視されるレッドブルは現在さらに厳しい状況に置かれているためだ。

    さらにSky Italiaは、2027年以降についてはマクラーレン側が契約解除条項を管理できる内容になっていると報じている。契約自体は2027年以降も続くものの、最終的な主導権はチーム側が握る形になるという。

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン)

    ザク・ブラウンCEOは以前からフェルスタッペン獲得を視野
    ピアストリは2025年3月、前年に2勝と8回の表彰台を記録した活躍を受けて契約延長を締結した。当時、ザク・ブラウンCEOはランド・ノリスとピアストリを「F1最高のドライバーラインアップ」と高く評価していた。

    しかし今回の報道は、その契約交渉の段階からブラウンCEOがフェルスタッペン獲得の可能性を見据えていたことを示唆している。

    2027年以降にチーム側が契約をコントロールできる条項を盛り込んだことで、将来的にフェルスタッペンが市場に出た場合でも柔軟に対応できる余地を確保したという見方だ。

    ブラウンCEO自身も以前、ピアストリとの契約交渉中にフェルスタッペンのマネージャーであるレイモンド・フェルミューレン氏へ連絡したことを認めている。

    「私は必要な情報を正確に得ることができた」

    ブラウンCEOはオランダ紙『De Telegraaf』にそう語っており、この発言は今回の報道によって新たな意味を持つことになった。

    フェルスタッペン獲得競争は2028年が本番か
    現時点ではフェルスタッペンの2027年マクラーレン移籍は現実味に欠けるとみられている。しかし、ピアストリとの契約内容を見る限り、マクラーレンは以前から将来的なフェルスタッペン獲得を想定した体制を整えてきた可能性が高い。2028年以降のドライバー市場では、ブラウンCEOの長期戦略が大きな意味を持つことになるかもしれない。

    【関連】
    ・マックス・フェルスタッペン陣営が決断を急ぐ理由 レッドブルF1契約の「10月条項」

  • マーベリック・ビニャーレス MotoGP引退示唆 KTMから「契約は無効」と通告

    マーベリック・ビニャーレス MotoGP引退示唆 KTMから「契約は無効」と通告

    MotoGPで通算10勝を挙げるマーベリック・ビニャーレスが、自身の将来について衝撃的な発言を行った。KTMとの2027年契約を巡るトラブルを明かしたうえで、「この世界には燃え尽きた」「もう続けないと思う」と語り、MotoGP引退の可能性を示唆した。

    ビニャーレスは、KTMから送られた契約書に署名したにもかかわらず、後に「無効」と告げられた経緯を告白。交渉はすでに終了したと明かし、チームへの不信感とともに現在の率直な心境を語った。

    KTMとの契約交渉は完全終了
    ドイツGPが開催されるザクセンリンクで取材に応じたビニャーレスは、KTMとの交渉がすでに終わったことを明かした。

    昨年、このサーキットで負った肩の負傷から完全回復を目指すなか、2027年の去就についても大きな転機を迎えている。

    ビニャーレスは以前、KTMファクトリーチーム昇格の可能性を示唆していた。しかし、KTMは2027年のファクトリーライダーとしてアレックス・マルケスとファビオ・ディ・ジャンアントニオを起用すると発表。これにより昇格の道は閉ざされた。

    Tech3 KTMのシートはまだ正式決定していないものの、ルカ・マリーニが1席を獲得し、残る1席はセナ・アギウスまたはマヌエル・ゴンサレスが争うとみられている。

    ビニャーレスは交渉状況について次のように語った。

    「もう話し合いはしていない。先週が最後だったと思う。それ以降は何も話していない」

    「契約書に署名したのに無効と言われた」
    ビニャーレスは、KTMとの間で起きた契約トラブルの詳細も明かした。

    事の発端は5月のカタルーニャGP後だったという。

    「モンメロの後、ディ・ジャンアントニオが僕の代わりにファクトリーチームへ行くと知った。実際にはメディアで知ったんだ」

    「その後、ムジェロに着いた時にKTMからメールで契約書が送られてきた」

    「僕は署名した。内容は決して良い条件ではなかった。それでもレースを続けたかった」

    「KTMのエンジニアたちを本当に信頼している。だから自分にとって不利な契約でも署名したんだ」

    しかし、その約2週間後に状況は一変したという。

    「2週間後になって『これはまったく有効ではない契約だ』と言われた」

    「そんなことをされたら何を期待できる? 正直、ここにはいたくない。あれは彼らの対応として真剣なものではなかった」

    マーベリック・ビニャーレス MotoGP

    「MotoGPには燃え尽きた」 引退も示唆
    契約問題を受け、ビニャーレスはMotoGPへの情熱そのものが薄れていることを率直に認めた。

    「バイクレースでは自分にできることはすべてやったと思う」

    「良いチャンスがあるかどうかも分からないし、今は探してもいない。今欲しいのは長い休暇だけだ」

    さらに、鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦したジャック・ミラーの姿にも触れ、MotoGP以外での活動に興味を示した。

    「レースは大好きだし、モトクロスも好きだ。将来は違うレースにも挑戦してみたい」

    「ジャックが鈴鹿8耐を走っているのを見て、本当に楽しそうだと思った。ああいうことをやってみたい」

    そして最後に、自身の将来について次のように語った。

    「今の僕は、この世界に燃え尽きてしまった。だから、もう続けないと思う」

    今後の焦点
    ビニャーレスの発言は、単なる契約交渉の決裂を超え、MotoGPからの引退を現実的な選択肢として示した点で大きな衝撃を与えている。

    一方で、2027年のサテライトチームにはまだ空席が残されており、本人も完全に現役続行を否定したわけではない。今後、新たなオファーが届くのか、それとも鈴鹿8耐など別カテゴリーへの転向を選ぶのか、その決断に注目が集まる。