投稿者: dbcheck

  • マックス・フェルスタッペン マクラーレンF1移籍説が急加速 契約交渉は最終局面か

    マックス・フェルスタッペン マクラーレンF1移籍説が急加速 契約交渉は最終局面か

    マックス・フェルスタッペンのマクラーレンF1移籍説が、F1パドックで急速に現実味を帯びている。

    マクラーレンのザク・ブラウンCEOは公式には交渉を否定しているものの、レッドブル内部の変化や契約解除条項、そして複数の有力関係者の証言が重なり、「今季最大の移籍劇」が現実になる可能性があるとして注目を集めている。

    契約解除条項が移籍説を一気に加速
    今回の移籍説が急速に勢いを増した最大の理由は、フェルスタッペンの契約に盛り込まれているとされる解除条項にある。

    フェルスタッペンはレッドブルと2028年まで契約を結んでいるが、夏休み前の時点でドライバーズランキング2位以内に入っていなければ、自ら契約を解除できる条項が存在すると広く報じられている。

    イギリスGPではリヤウイングのトラブルもあってノーポイントに終わり、ランキング2位以内に入る可能性は数学的にも消滅した。

    その結果、フェルスタッペンは事実上、自身の将来を自由に選択できる立場になったとの見方が強まっている。

    レッドブルとの関係にも変化
    移籍説を後押ししているのが、レッドブルを取り巻く環境の激変だ。

    エイドリアン・ニューウェイの退団に続き、クリスチャン・ホーナーもチームを去った。

    さらに、フェルスタッペンと全タイトルをともに獲得してきたレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼも、今季終了後にマクラーレンへ移籍する見通しとなっている。

    F1ではドライバーとレースエンジニアの信頼関係は極めて重要であり、このコンビ解消はフェルスタッペンの将来を考える上でも大きな意味を持つ。

    さらにポール・モナハンの離脱も見込まれるなど、長年チームを支えてきた主要スタッフの流出が続いており、フェルスタッペンが2016年から築いてきた”家族”のようなチームは大きく姿を変えつつあるとされる。

    レッドブル首脳との溝も報じられる
    複数の報道によると、フェルスタッペンは6月にオーストリアのレッドブル本社を訪れ、主要株主と将来について協議を行った。

    その際、レッドブル側は契約解除条項そのものを削除する提案を行ったものの、フェルスタッペンはこれを拒否したという。

    この判断に対し、一部首脳陣は不満を抱いたとも報じられている。

    一方、フェルスタッペン陣営はニューウェイやホーナーらが去った現在のレッドブルに以前ほどの信頼を置いていないとも伝えられており、双方の温度差が移籍説を後押ししている。

    マクラーレンとの交渉は最終局面なのか
    複数のパドック関係者は、フェルスタッペンとマクラーレンが長期間にわたる交渉の最終段階に入っていると証言している。

    報道では契約期間は3年になる可能性があり、フェルスタッペン自身も近く最終判断を下すとの見方が浮上している。

    ただし、現時点で正式契約が締結された事実はなく、あくまで関係者の証言に基づく情報である。

    マックス・フェルスタッペン F1 マクラーレン

    ブラウンCEOは「シートはない」と否定
    マクラーレン側は公式には一貫して否定している。

    イギリスGPでブラウンCEOは交渉について「話はどこにも進まなかった。私は現在の2人のドライバーを抱えている」と説明した。

    さらにPlanetF1.comから「フェルスタッペンに提示できるものはあるか」と問われると、「私のレースカーのシートは提示できない」と語り、現在のラインアップを維持する考えを強調した。

    しかし、F1では正式発表前にチームが交渉を否定することは珍しくなく、こうしたコメントでも憶測が収まる気配はない。

    最大の焦点はピアストリの去就
    仮にフェルスタッペンが加入する場合、最も影響を受けるとみられているのがオスカー・ピアストリだ。

    ランド・ノリスは現世界王者であり、チームの中心的存在としてシートは安泰との見方が大勢を占めている。

    一方で、ピアストリについてはランキング後退により契約上のオプションが存在するとの報道もあり、一部ではフェルスタッペンとの”シート交換”の可能性まで取り沙汰されている。

    もっとも、ピアストリ本人は「チームは何度も満足していると言ってくれている。契約もあるので心配していない」と語り、移籍説を意に介していない姿勢を示している。

    マクラーレンが持つ魅力
    仮に移籍が実現した場合、フェルスタッペンにとっての魅力はマシン性能だけではない。

    ロブ・マーシャルら強力な技術陣が在籍していることに加え、ランビアーゼとも再びコンビを組める可能性がある。

    さらにマクラーレンはF1だけでなく耐久レースなど幅広いモータースポーツ活動を展開しており、将来的にフェルスタッペンが希望するル・マン24時間レースや世界耐久選手権(WEC)への参戦機会も広がる可能性がある。

    今後の焦点はハンガリーGP後
    現時点でフェルスタッペンのマクラーレン移籍は決定していない。

    しかし、契約解除条項が発動可能となったこと、レッドブルの組織再編、主要スタッフの流出、そして複数のパドック関係者が交渉の進展を証言していることなど、これまでにない状況が揃っている。

    ブラウンCEOは現在のドライバーラインアップを維持すると繰り返し強調している一方、パドックでは「交渉は最終局面に入っている」との見方も消えていない。

    現時点では公式発表はなく、マクラーレンも交渉を否定しているため、移籍が実現するかどうかは依然として不透明だ。しかし、契約解除条項の存在やレッドブル内部の大きな変化によって、かつては単なる噂だったフェルスタッペンのマクラーレン移籍説は、2027年シーズンの勢力図を左右しかねない現実的なシナリオとして注目されている。今後、ハンガリーGP前後の動向が、この大型移籍の行方を占う大きな分岐点となりそうだ。

    【関連】
    ・レッドブルF1共同オーナーがフェルスタッペンとの決別を希望か 移籍報道が加速

  • マクラーレン 新型788HSを発表 シリーズの集大成となる200台限定モデル

    マクラーレン 新型788HSを発表 シリーズの集大成となる200台限定モデル

    マクラーレンは、新型スーパーカー「788HS」を発表した。720Sから765LT、750Sへと発展した同社のスーパーカーシリーズを締めくくる最終進化形として位置付けられ、世界限定200台のみが生産される。

    4.0リッターV8ツインターボエンジンは788PSを発生し、乾燥重量1265kgとの組み合わせによってシリーズ最高となる623PS/トンのパワーウエイトレシオを実現。

    専用エアロダイナミクスやシャシーの改良により、サーキット性能と公道でのドライビングフィールをさらに高めたモデルとなっている。

    720Sシリーズの集大成となる『HS』モデル
    788HSは、マクラーレンが「High Sport(HS)」の名を冠するわずか3台目の市販モデルである。

    これまでHSの名称は「MP4-12C HS」と「MSO HS」にしか与えられておらず、788HSは720Sから始まったスーパーカーシリーズの最終到達点として開発された。

    最高出力は788PS、最大トルクは800Nmを発生する4.0リッターM840T V8ツインターボを搭載。最高回転数は8500rpmに達し、0-100km/h加速は2.8秒、0-200km/h加速は7.0秒、最高速度は330km/hを誇る。

    エンジンマウントも専用セッティングとされ、ドライバーとパワートレインの一体感を高めながら、長距離走行時の快適性も維持している。

    マクラーレン・オートモーティブのチーフ・コマーシャル・オフィサーを務めるヘンリク・ヴィルヘルムスマイヤーは次のように説明した。

    「788HSは、パフォーマンス、サウンド、ダイナミクス、そして個性を高い次元で融合させることだけを目的に設計・開発したモデルです。720Sから始まったスーパーカーシリーズの究極形であり、HSの名を冠する3台目として、この成功したシリーズにふさわしいフィナーレになるでしょう」

    マクラーレン・788HS

    765LTを上回るダウンフォースを実現した専用エアロ
    788HS最大の特徴は、全面的に見直されたカーボンファイバー製エアロダイナミクスである。

    新設計のSダクト付きボンネット、マルチゾーン・フロントスプリッター、高位置アクティブリアスポイラー、F1マシンから着想を得た大型リアディフューザーを組み合わせることで、765LT比で10%高いダウンフォースを発生する。

    さらにルーバー付きアンダーウイングパネルによって冷却性能と空力効率も向上。クーペにはルーフスクープも装備され、オプションとして外装全体をビジュアルカーボン仕様に変更することも可能となる。

    インテリアでは軽量カーボン製センターコンソールを採用するほか、HS専用のシートデザインや専用プレートが備わる。

    シャシーやブレーキも専用設計で走行性能を向上
    シャシーには最新の「Proactive Chassis Control III」を採用し、788HS専用のサスペンションセッティングを実施。750Sよりフロント車高を5mm下げることで、よりシャープなハンドリングを実現した。

    ブレーキにはマクラーレン・セナ由来のカーボンセラミックディスクを採用し、6ポット鍛造アルミモノブロックキャリパーや専用冷却ダクトを組み合わせることで、高負荷走行時の安定性を高めている。

    さらに、このシリーズとして初めてセンターロックホイールを採用し、新設計の超軽量鍛造ホイールと組み合わせることでバネ下重量の低減にも貢献している。

    世界限定200台 MSOによる専用カスタマイズにも対応
    排気系には専用設計の4本出しチタンエキゾーストを採用し、高回転域でより迫力あるV8サウンドを実現。吸気・排気サウンドシンポーザーも改良され、キャビン内でもマクラーレンV8ならではのサウンドをよりダイレクトに味わえる。

    788HSは世界限定200台のみが生産され、クーペとスパイダーをそれぞれ100台ずつ用意。すべての車両はマクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)による専用パーソナライズに対応し、オーナーごとに個性的な一台へ仕上げられる。

    720Sから始まり、765LT、750Sへと受け継がれてきたマクラーレンのスーパーカーシリーズは、788HSによってひとつの時代に幕を下ろす。最高性能に加え、高い希少性と自由度の高いカスタマイズ性を備えた788HSは、その歴史を締めくくるにふさわしいフラッグシップモデルとなる。

  • レッドブルF1がフェルスタッペンのピットレーンスタート案を却下した理由

    レッドブルF1がフェルスタッペンのピットレーンスタート案を却下した理由

    マックス・フェルスタッペンはF1イギリスGP予選後、マシンバランスへの不満から「ピットレーンからスタートしたい」とチームへ要望していた。しかしレッドブルはセットアップ変更を見送り、予選時と同じ仕様で決勝に臨むことを選択した。

    結果的にフェルスタッペンは終盤のリヤウイングトラブルでリタイアしたものの、チームは「ピットレーンスタートよりもグリッドからスタートした方が好結果につながる可能性は高かった」と説明している。

    その判断の背景には、戦略面やタイヤマネジメントを含めた複数の理由があった。

    フェルスタッペンはセットアップ変更を希望していた
    イギリスGP予選でフェルスタッペンはRB22のバランスと最高速不足に苦しんだ。

    スプリントよりもストレートスピードが低下し、思うようなパフォーマンスを発揮できなかったことから、決勝前にはセットアップ変更を希望。その結果としてピットレーンスタートになることも受け入れる姿勢を示していた。

    しかし土曜日の夜に行われたチームミーティングで、レッドブル首脳陣はセットアップ変更を行わず、予選仕様のまま決勝を戦うことを決断した。

    レッドブルがセットアップ変更を見送った理由
    チーム代表ローラン・メキースは、セットアップ変更を行えばピットレーンスタートになることは理解していたと説明した。

    それでもチームは、最後尾から追い上げる展開よりも、多少扱いにくいマシンであっても前方グリッドからスタートした方が、より良い結果を得られる可能性が高いと判断した。

    メキースは、ドライバーであるフェルスタッペンが異なる考えを持つことには理解を示しながらも、チームとしては現状維持が最善の選択だったと振り返っている。

    クリーンエアを生かした戦略を重視
    レッドブルが重視したのは、前方グリッドからスタートすることで得られるクリーンエアのメリットだった。

    後方集団では前走車の乱気流によってタイヤ温度が上昇しやすく、タイヤマネジメントも難しくなる。一方、前方を走行できればタイヤへの負担を抑えやすく、戦略の自由度も高まる。

    さらにマシン全体への負荷も軽減できるため、チームはピットレーンスタートよりもグリッドスタートの方がレース全体で有利になると判断した。

    レッドブル・レーシング

    判断は結果的に間違っていなかった
    実際の決勝では、フェルスタッペンはフェラーリ勢に続く3番手を走行していた。

    アンドレア・キミ・アントネッリが優勝争いの最中にマシントラブルへ見舞われたことも順位に影響したが、少なくともレッドブルの狙いどおり上位争いを続けられる位置にはつけていた。

    そのためメキースは、「仮にピットレーンからスタートしていたとしても、同じように3番手まで挽回できたとは思わない」と説明し、今回の判断を擁護した。

    レースを終わらせたのはリヤウイングトラブル
    最終的にフェルスタッペンのレースを終わらせたのは、セットアップではなく終盤に発生したリヤウイングのトラブルだった。

    原因はDRSアクチュエーター関連の不具合の可能性が指摘されており、オーストリアGPに続いてリヤウイング関連の問題が発生したことになる。

    両レースのトラブルは性質こそ異なるものの、いずれもフェルスタッペンの結果を大きく左右した。今回のケースでは、ドライバーが求めたセットアップ変更とチームの戦略的判断が異なる結論となったが、レッドブルは当時の判断は正しかったとの見解を示している。一方で、マシンバランスの改善とリヤウイングの信頼性向上は、今後のタイトル争いに向けた重要な課題となりそうだ。

  • アストンマーティンF1に深刻な問題 ストロール「空力的に完全に壊れている」

    アストンマーティンF1に深刻な問題 ストロール「空力的に完全に壊れている」

    ランス・ストロールは、F1イギリスGPで相次いでトラックリミット違反のペナルティを受けた背景について、マシンの不安定な挙動が大きく影響していたと明かした。アストンマーティンが苦戦を続けるなか、現在のAMR26について「空力的に完全に壊れている」と厳しい表現で現状を語っている。

    チームは今季ここまで小規模アップデートを重ねるのではなく、ハンガリーGPで投入予定の大規模な「Bスペック」マシンに開発資源を集中。

    その導入を前に、ストロールのコメントは現在のマシンが抱える深刻な課題を浮き彫りにした。

    ストロールが3度のペナルティを受けた理由
    ストロールはシルバーストンで19位完走となったが、レース中にトラックリミット違反を繰り返し、9周の間に3回の5秒ペナルティを科された。

    F1ではトラックリミット違反が3回まで認められ、それ以降は違反のたびに5秒加算される。ストロールは33周目から42周目までの間に3回追加で違反し、52周のレースで合計6回の違反を記録した。

    ストロールはレース後、その原因について次のように説明した。

    「たぶん妥当だったと思う」

    「レースではひどいアンダーステアが出ていたし、マシンは本当に壊れていた。だからコース内に収め続けること自体が難しかった」

    「毎周、毎コーナーで挙動が違った。本当に難しいレースだった。今年ずっとこんな感じだ」

    さらに「レース中に物理的な故障があったという意味か」と問われると、ストロールは次のように否定した。

    「いや、そうじゃない。空力的に完全に壊れているという意味だ」

    オンボード映像では、コプスやマゴッツ〜ベケッツといった高速区間で大きくステアリングを切り込む場面が確認されており、不安定なマシン挙動に苦しんでいた様子がうかがえた。

    それでも限界まで攻め続けたことについては、次のように語っている。

    「もちろんだ」

    「レースをしている以上、常に全力を尽くそうとしている」

    ランス・ストロール(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    ハンガリーGP投入のBスペックに望み
    アストンマーティンは2026年シーズン序盤から苦戦が続いており、チーム代表エイドリアン・ニューウェイのもとで開発方針を見直した。

    他チームのように細かなアップデートを積み重ねるのではなく、ハンガリーGPで投入する大規模アップデートに開発を集中させる戦略を採用している。

    ニューウェイは先週、この新仕様AMR26がハンガリーGPでデビューし、「大きな前進」が期待できるとの見通しを示した。

    改良の中心となるのは軽量化で、シャシーとギアボックス構造を見直して重量を削減するほか、リアサスペンション、ノーズ、各種空力パーツにも変更が加えられる予定だ。

    さらに夏休み明け最初のオランダGPでは、ホンダ製パワーユニットにもアップデートが投入される計画となっている。

    今回のストロールの発言からは、現在のAMR26が単なるセッティングの問題ではなく、ドライバー自身が「空力的に完全に壊れている」と表現するほど深刻な状態にあることが伝わってくる。ハンガリーGPのBスペック、そしてオランダGPでのホンダPUアップデートが、アストンマーティン復調への大きな試金石となりそうだ。

  • ジョージ・ラッセル フェラーリのハミルトンSC戦略を擁護「正しい判断だった」

    ジョージ・ラッセル フェラーリのハミルトンSC戦略を擁護「正しい判断だった」

    ジョージ・ラッセルは、F1イギリスGP終盤のセーフティカー中にルイス・ハミルトンをピットへ呼び戻したフェラーリの戦略について、「正しい判断だった」と擁護した。

    結果的にこの判断はハミルトンの2位を失わせ、フェラーリは2024年アメリカGP以来となる1-2フィニッシュを逃した。しかしラッセルは、レース再開の可能性を考えればフェラーリには難しい判断だったと理解を示している。

    フェラーリの戦略を「正しい判断」と評価
    レース終盤のセーフティカー導入時、フェラーリは残り数周というタイミングでハミルトンに新品タイヤへの交換を指示した。チームはレース再開後の短距離勝負を想定していたが、実際にはポジションを失い、ハミルトンはジョージ・ラッセルに逆転を許して3位でフィニッシュした。

    レース後、ハミルトンは記者団に対し、不満を隠さなかった。

    「ピットに入ればポジションは維持できると思っていた。もし『ピットに入れば順位を失う』と伝えられていたら、入らなかっただろう」

    この結果、フェラーリはシャルル・ルクレールとの1-2フィニッシュを逃しただけでなく、タイトル争いでもハミルトンはラッセルに3ポイント差を広げられ、ランキングでは10ポイント差をつけられる形となった。

    それでもラッセルは、メルセデスの公式ラジオ番組『Nu Silver Arrows Radio Show』でフェラーリの判断に理解を示した。

    「正直なところ、僕は3位が妥当な結果だと思っていた。前にはキミ(アントネッリ)とシャルル(ルクレール)がいたし、その後キミは不運に見舞われ、さらにマックス(フェルスタッペン)にもトラブルが起きた」

    「ルイスはセーフティカー中にピットへ入ったけど、あれはおそらく正しい判断だったと思う。ああいう状況では、ピットに入らずレースが再開されたら『なぜ入らなかったんだ』と後悔することになる。一方でピットに入れば順位を失う」

    「何もしていないのに2位になったようだった」
    ラッセルは、自身の2位という結果についても複雑な心境だったと振り返った。

    「2位まで戻れたのは本当に不思議な感覚だった。レース全体を通して、すべてが僕たちに不利に働いているように感じていた。でも突然、自分たちは特別なことを何もしていないのに2位になっていた。まさに運が向いたという感じだった」

    さらに、シーズン前半に続いてきた不運を思えば、ようやく流れが変わったレースだったと語った。

    「シーズン序盤に何もかもうまくいかないように見えても、自信を失わなかった理由はそこにある。流れというものは必ず変わる。ホームレースで表彰台に立てたのは特別な瞬間だった」

    スローパンクでも諦めなかったラッセル
    レース中盤、ラッセルはマックス・フェルスタッペンを抜いて3番手へ浮上した直後、レースエンジニアのマーカス・ダドリーからスローパンクを知らせる無線を受けていた。

    当時の心境についてラッセルは次のように振り返っている。

    「特に反応はしなかった。今年は不運が続いていたからね。スローパンクを告げられた時も、『またか』という感じだった」

    「でも、ピットアウトした時に『14周後には2位でフィニッシュする』と言われても、そんなことはあり得ないと思っただろう」

    「大雨でも降らない限り、あんな展開になるとは想像もしていなかった。でも、それがモータースポーツだ。最後まで諦めず、プッシュし続けるしかない」

    終盤のセーフティカーを巡るフェラーリの判断は今も議論を呼んでいるが、結果的に利益を得た当事者であるラッセル自身は、レース再開の可能性を考えればフェラーリの戦略は十分に合理的だったとの見方を示した。一方で、自身の2位については速さだけで勝ち取った結果ではなく、運も味方したレースだったと率直に振り返っている。

  • FIAが目指す2031年F1とは V8化 給油復活 独立エンジン構想を読み解く

    FIAが目指す2031年F1とは V8化 給油復活 独立エンジン構想を読み解く

    FIA(国際自動車連盟)は2031年の次世代パワーユニット(PU)規則に向け、F1を大きく変える複数の改革案を検討している。

    話題となっているのは、V8エンジンへの回帰、レース中給油の復活、そして独立系エンジンサプライヤーの導入だ。一見すると別々のテーマに見えるが、これらはいずれも「より軽く、より安く、よりシンプルなF1」を実現するという共通のビジョンのもとで議論されている。

    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムがイギリスGP週末に語った内容をもとに、2031年以降のF1が目指す方向性を整理する。

    改革の出発点は「現在のF1は複雑すぎる」という問題意識
    ビン・スライエムは現在のV6ターボハイブリッドについて、性能そのものではなく、その複雑さとコストの高さを問題視している。

    現在のパワーユニットは、高度なハイブリッドシステムやエネルギーマネジメントを採用することで技術的には大きく進歩した。しかし、その一方で開発費は莫大となり、車両重量も増加。ドライバーはストレートでエネルギーを節約するためにアクセルを戻す「リフト・アンド・コースト」を強いられる場面も増えている。

    ビン・スライエムは、こうした状況から脱却する必要があるとの考えを示している。

    「V8は来なければならない。内燃機関で約760馬力、そこに10%程度の電動化を加える。そうすればサウンドも戻る」

    FIAが目指しているのは、現在よりもシンプルで軽量、そして観客にとっても魅力的なF1だ。

    V8化と軽量化はセットで進められる
    次期規則では自然吸気V8エンジンが有力視されている。

    ハイブリッド機構は完全には廃止せず、小規模な電動システムを組み合わせる方向だが、現在のような電動出力比率は維持しない見込みだ。

    ビン・スライエムは電動化について、

    「10%かもしれないし、15%かもしれない。しかし現在のような比率にはならない」

    と説明している。

    また、FIAは次世代マシンで最大100kgの軽量化を目標としており、理想として車両重量630kgを掲げている。

    軽量化によって運動性能だけでなく、安全性の向上も期待している。

    F1 給油

    だから給油復活が議論される
    V8化によって浮上した課題が燃料である。

    自然吸気V8は現在のV6ターボハイブリッドより燃料消費量が増えると考えられている。そのため、給油なしでレースを完走するには大型燃料タンクが必要になり、軽量化の効果が失われてしまう。

    そこでFIAが検討しているのが、2009年以来となるレース中給油の復活だ。

    ビン・スライエムは現在も調査を続けていることを明かした。

    「給油については、まさに今検討しているところだ」

    「正しい方法で行えば懸念にはならない。だから検討している。まだ何も決まっていない」

    さらに、

    「スタート時にどれだけ積むべきか、途中でどれだけ補給するべきか、現在検討している」

    とも説明しており、給油そのものだけでなく燃料搭載量まで含めて検証が進められている。

    つまり、給油復活は戦略性を高めるためではなく、軽量化を実現するための技術的な選択肢という位置付けなのである。

    独立エンジン導入はメーカー依存を減らす狙い
    もう一つの大きな改革案が、独立系エンジンサプライヤーの導入だ。

    現在のF1では、カスタマーチームはライバルメーカーからパワーユニットを購入している。

    メルセデスはマクラーレン、ウィリアムズ、アルピーヌへ供給し、フェラーリはハースとキャデラックへ供給。レッドブル・フォード・パワートレインズはレッドブル・レーシングとレーシングブルズへ供給する体制となっている。

    ビン・スライエムは、この仕組みがメーカーに大きな影響力を与えていると考えている。

    「AチームがBチームをエンジン供給によって支配するようなことはなくなる」

    「もし十分に手頃な価格で実現できるなら、Bチーム向けには共通エンジンを用意する。そうすれば『こちらに投票しなければ良いエンジンは供給しない』というような影響力はなくなる」

    FIAは、コスワースのような独立メーカーが供給する低コストV8エンジンを認可し、その価格や性能、中立性を管理する構想を描いている。

    目指すのは「メーカー中心」からの転換
    この構想は、単なるエンジン変更ではない。

    現在のF1は、自動車メーカーの技術投資によって支えられている一方で、メーカーが撤退すれば供給先チームにも大きな影響が及ぶ構造となっている。

    独立エンジンが実現すれば、チームはメーカーに依存しない選択肢を持つことになり、新規参入のハードルも下がる可能性がある。

    F1 CEOのステファノ・ドメニカリも、以前から「ホワイトラベルエンジン」の必要性に言及しており、メーカーへの過度な依存を避ける考えを示している。

    一方で、すべてのメーカーが同じ方向を向いているわけではない。

    アウディは将来規則でもターボを維持したい考えを示しており、ルノーもアルピーヌ向けの独自エンジン開発へ復帰する予定はないと説明している。

    2031年F1は「より軽く より安く よりシンプル」へ
    V8化、電動化縮小、給油復活、独立エンジン導入──。

    これらは個別のアイデアではなく、すべてが2031年以降のF1を再設計するための一つの構想である。

    FIAが目指すのは、開発コストを抑え、車両を軽量化し、ドライバーがより積極的に攻められ、メーカーへの依存も小さい新しいF1だ。

    もちろん、現時点ではいずれも正式決定ではなく、各PUメーカーとの協議や技術的な検証が今後も続く。

    しかし、ビン・スライエムが示した一連の改革案を俯瞰すると、2031年のF1は単なるエンジン変更ではなく、カテゴリー全体の思想そのものを見直す大きな転換点になろうとしていることが見えてくる。

  • F1 2027年からスプリント増加へ ドメニカリCEOが最大10戦を示唆

    F1 2027年からスプリント増加へ ドメニカリCEOが最大10戦を示唆

    F1のステファノ・ドメニカリCEOは、2027年シーズンからスプリントレースの開催数を拡大する方針を明らかにした。現在は年間6戦で実施されているが、2027年は9戦から10戦程度まで増える可能性が高まっている。

    ドメニカリCEOは、正式な開催数や開催地については2027年カレンダーの発表とあわせて公表すると説明し、「まもなく発表する」と予告した。

    スプリント拡大を正式に示唆
    イギリスGPが開催されたシルバーストンでSky Sportsの取材に応じたドメニカリCEOは、スプリント導入当初は懐疑的な意見が多かったと振り返りながら、その成功に自信を示した。

    「導入当初を思い返せば、多くの人が私たちの取り組みに懐疑的だった」

    「しかし、私たちには大胆であり、新しい発想に挑戦する責任がある」

    「その効果はすでに表れている。シルバーストンでは金曜日だけで15万人の観客が訪れた。その人たちにコース上で何も起きない時間を提供するのは間違いだった」

    「だからこそ、スプリントは進むべき方向だと考えている」

    さらにドメニカリCEOは、「将来に向けてスプリントを増やす準備を進めている。2027年カレンダーを発表する際に明らかになる。楽しみにしていてほしい」と語り、開催数の増加を正式に認めた。

    2027年は年間9〜10戦の可能性
    現在F1では年間6回のスプリントを実施しているが、Sky Sportsなどの報道では2027年には9戦から10戦へ拡大する案が有力視されている。

    スプリントは2021年に年間3戦でスタートし、2023年から現在の6戦体制となった。2026年は中国、マイアミ、カナダ、イギリスで開催済みで、今後はオランダとシンガポールで実施される予定となっている。

    スプリント週末では通常のグランプリとは異なり、金曜日はフリー走行1回のみ実施され、その後にスプリント予選を開催。土曜日は100kmのスプリントレースとグランプリ予選が行われ、日曜日に決勝レースを迎えるフォーマットとなっている。

    開催数が9〜10戦へ拡大すれば、年間カレンダーのおよそ半数がスプリント形式となる見通しだ。

    2027年カレンダーもまもなく発表へ
    ドメニカリCEOは2027年のF1カレンダーについても「非常に近いうちに発表する」と明言した。

    2027年はポルトガルGP(ポルティマオ)の復活に加え、トルコGP(イスタンブール)の復帰が有力視されている一方、オランダGP(ザントフォールト)は2026年限りで開催を終了する予定。また、スペインGPのバルセロナは2028年以降、ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)との隔年開催へ移行するとみられている。

    また、今週にはモンツァが2027年から3年間にわたりスプリント開催地となることも発表されており、F1はスプリントレースを今後さらに重要な興行コンテンツとして位置付ける方針を鮮明にしている。

    2027年は新たな開催地の追加に加え、スプリントレースの大幅な拡大によって週末フォーマットも大きく変化するシーズンとなりそうだ。正式な開催数や開催地は、近日中に発表される2027年カレンダーで明らかになる見込みである。

  • F1ブレーキ徹底解説 ブレンボとカーボン・インダストリーの違いとは?

    F1ブレーキ徹底解説 ブレンボとカーボン・インダストリーの違いとは?

    シャルル・ルクレールが2026年モナコGPで経験したブレーキトラブルをきっかけに、F1で使用されるブレーキシステムへの関心が高まっている。

    ルクレールはこのトラブル後、それまで使用していたブレンボ製から、チームメイトのルイス・ハミルトンと同じカーボン・インダストリー(CI)製へ変更した。しかし、両社の違いは単なるメーカーの違いではなく、設計思想やフィーリング、熱特性にまで及ぶ。

    本記事ではF1のブレーキシステムの仕組みと、ブレンボとCIそれぞれの特徴を技術的な視点から解説する。

    F1ブレーキは市販車とは別次元の技術
    F1マシンのブレーキは世界最高峰の制動システムのひとつである。

    最高速約335km/hから約100km/hまで一気に減速し、その際には最大5Gもの減速度が発生する。ドライバーが「動く壁に衝突するような感覚」と表現するほど強烈な負荷が身体にかかる。

    この性能を支えているのは、複数の高度な技術である。

    ■ カーボン製ブレーキディスク(炭素繊維と炭素を組み合わせたカーボン・カーボン複合材)
    ■ カーボン製ブレーキパッド
    ■ ブレーキ・バイ・ワイヤ(BBW)
    ■ ERS-Kによる回生ブレーキ
    ■ 最適化されたブレーキダクトと冷却システム

    これらのシステムは400~1000℃という極めて高温の領域で最も性能を発揮する。そのため冷えた状態では十分な制動力を得られず、レース序盤から適正温度へ素早く到達させることが重要となる。

    ブレンボとCIは何が違うのか
    現在F1ではイタリアのブレンボとフランスのカーボン・インダストリー(CI)が主要サプライヤーとなっている。

    両社ともカーボン製ディスクとパッドを供給しているが、その設計思想には明確な違いがある。

    ブレンボは軽量化と高い制動レスポンスを重視しており、強力な初期制動が特徴である。一方のCIは熱安定性と扱いやすさを重視し、滑らかで一貫したブレーキフィールを提供する。

    ディスク設計の違い
    ブレンボ製ディスクは1枚あたり最大約1500個の冷却穴を備え、高密度なベンチレーション構造を採用している。

    メリットは冷却性能が高く、初期制動が非常に鋭いことだ。一方で温度変化を受けやすく、熱条件によってフィーリングが変化しやすい傾向がある。

    CIはより大きな冷却チャネルを採用し、温度分布が安定している。

    酸化や層間剥離(デラミネーション)への耐性が高く、摩擦係数の変化も穏やかなため、長時間にわたり安定した制動性能を維持できる。

    そのため、

    ■ ブレンボ:鋭い初期制動と高いレスポンス
    ■ CI:滑らかで安定したブレーキング

    という違いが生まれる。

    ブレーキパッドの性格も対照的
    ブレンボのパッドは高摩擦材を採用し、踏み始めから非常に強い制動力を発生する。

    その反面、高温状態が続くと摩耗が進みやすく、限界付近では温度管理が重要になる。

    レイトブレーキングを武器とするドライバーから高い評価を受けている理由でもある。

    CIのパッドはより緩やかな摩擦特性を持ち、1000℃近い高温でも性能低下が少ない。

    摩耗も少なく、ロングブレーキングが続くサーキットでも安定したペダルフィールを維持できる。

    キャリパーはブレンボが圧倒的シェア
    キャリパーについてはブレンボが圧倒的な存在感を持つ。

    高剛性かつ軽量な設計により、ペダル操作に対して素早く反応し、空力パッケージ面でもメリットが大きい。

    そのためCI製ディスク・パッドを採用するチームでも、キャリパーはブレンボ製という組み合わせが一般的となっている。

    ドライバーごとの好みに合わせたハイブリッド構成がF1では珍しくない。

    冷却性能にも明確な違い
    ブレンボは冷却速度が速く、短時間で適正温度まで戻せる。

    しかし過熱状態になると酸化が進みやすく、熱限界を超えた際の性能変化は比較的大きい。

    CIは冷却速度こそ遅いものの、熱容量が大きく温度変化が緩やかである。

    その結果、長時間にわたり安定した制動力を維持しやすい特徴を持つ。

    モナコでルクレールに起きたこと
    モナコ市街地コースはF1カレンダーの中でも最もブレーキへの負担が大きいサーキットのひとつである。

    低速コーナーが連続し、ストップ&ゴーを繰り返す一方で、市街地ゆえに十分な走行風を得られず、ブレーキを冷却する機会も限られる。

    ルクレールは2026年モナコGPでフロント左ブレーキに突然の異常が発生し、コントロールを失ってバリアへクラッシュした。

    このトラブルは特定のブレンボ製品の欠陥が原因とされたわけではないが、モナコではブレーキシステム全体が極めてシビアな条件で運用されていることを改めて示す出来事となった。

    CIへの変更後も適応には時間が必要だった
    モナコGP後、ルクレールはブレンボからCIへ変更した。

    しかし、ブレーキペダルのフィーリングは大きく変化し、スペインGP予選ではその違いへの適応に苦戦。ブレーキングでコースアウトし、ウォールに接触する場面もあった。

    ブレーキ性能そのものだけでなく、ドライバーが長年培ってきた感覚との相性も重要であることを示す事例となった。

    F1では同じ「止まる」という役割を担うブレーキであっても、ブレンボとカーボン・インダストリーでは設計思想が大きく異なる。鋭いレスポンスを重視するブレンボと、熱安定性とコントロール性を重視するCI。それぞれに明確な長所があり、ドライバーの好みやサーキット特性に応じて最適な選択が行われている。ルクレールのスイッチは、ブレーキがF1マシンの性能だけでなく、ドライバーの走り方そのものにも大きな影響を与えることを改めて示した。

  • ニコラ・ツォロフ F2史上初の3連勝「今が最高の状態」 予選改善に意欲

    ニコラ・ツォロフ F2史上初の3連勝「今が最高の状態」 予選改善に意欲

    ニコラ・ツォロフは、FIA F2イギリス大会のスプリントレースとフィーチャーレースを制し、F2史上初となる3連勝を達成した。カンポス・レーシングのドライバーは、今季ここまでの成長を振り返り、現在の好調ぶりはチームとの強力な連携によって生まれていると語った。

    レッドブル・ジュニア・チームに所属するツォロフは、シルバーストンでの完全制覇によってランキング首位を固めた一方で、さらなる飛躍のためには予選での改善が必要だと自己分析している。

    史上初の3連勝に「言葉では表せない」
    ツォロフはスプリントレース、フィーチャーレースの両方を制し、FIA F2史上初となる3連勝を達成。レース後は、その快挙をまだ実感できていないと率直な思いを語った。

    「本当に最高の気分だ。この気持ちは言葉では表せない。チームとして本当に素晴らしい仕事ができたし、僕たちはまさに家族のような存在だ」

    「マシンを改善し、自分自身も磨きながら毎日成長できている。それが今年の成功の鍵になっていると思うし、それを毎週末続けられている」

    「今後改善すべきなのは予選だと思う。レースでは本当に大きく前進できた」

    タイヤマネジメントが最大の武器
    ツォロフは、今季の好調の理由としてF2マシンに最適なドライビングスタイルを見つけたことを挙げた。

    「F2マシンに合ったすごく良いドライビングのバランスを見つけられた。タイヤを長く持たせながら、それでも速く走れる。この週末は今年一番いいドライビングができたと思う」

    予選では5番手に終わったものの、決勝ではスタート直後からポジションを上げ、レースペースとタイヤマネジメントの強さを存分に発揮した。

    「予選では少し苦戦していた。ラップ自体は良かったと思ったけれど5番手だった。でも、そのセットアップがレースではさらに効果を発揮して、タイヤをうまく守ることができた」

    ニコラ・ツォロフ

    チームとの連携が現在の強さを支える
    ツォロフは、自身の速さだけでなく、カンポス・レーシングとの関係性が現在の好成績につながっていると強調した。

    「これは僕だけでもチームだけでもない。お互いがすべてをうまくやれている。それが理想的なチームを作っているんだ」

    「言ったように、僕たちは二人三脚なんだ」

    ドライバーとエンジニアが一体となってマシンを仕上げる現在の体制こそが、今季の快進撃を支えているという認識だ。

    勢いそのままにスパで4連勝を狙う
    シルバーストン完全制覇によって勢いに乗るツォロフは、次戦スパ・フランコルシャンにも強い自信を見せた。

    「理解はしている。でも、まだ完全には実感できていない。少し時間が必要だ」

    「3連勝して、さらにシルバーストンでダブル優勝できたなんて、この週末が始まる前には全く予想していなかった」

    「スパは本当に楽しみだ。素晴らしいサーキットで、カレンダーの中でも一番好きなコースのひとつなんだ」

    「いい流れが来ていると思う。この1週間のインターバルでもしっかり作業を続けて、同じ勢い、あるいはそれ以上の状態で戻ってきたい。そして予選ペースもさらに改善したい」

    シルバーストンで歴史的な3連勝を達成したツォロフは、レースペースとタイヤマネジメントではライバルを圧倒する存在となっている。一方で本人は予選を唯一の課題と位置付けており、その弱点を克服できれば、タイトル争いでさらに優位に立つ可能性は高まりそうだ。

  • ジョージ・ラッセル FIAのセーフティカー判断を擁護「2021年アブダビの教訓がある」

    ジョージ・ラッセル FIAのセーフティカー判断を擁護「2021年アブダビの教訓がある」

    2026年F1イギリスGP終盤のセーフティカー運用を巡って議論が続くなか、メルセデスのジョージ・ラッセルがFIA(国際自動車連盟)の判断を全面的に支持した。

    シルバーストンでは、マックス・フェルスタッペンのクラッシュによるセーフティカー導入の結果、レースはそのままセーフティカー先導のままチェッカーフラッグを迎えた。観客からはブーイングが起こり、一部ではレース再開を求める声も上がったが、ラッセルは「規則を守った判断だった」と強調している。

    レース終盤のセーフティカー終了が不可能だった理由
    シャルル・ルクレールが優勝したイギリスGPでは、残り4周でマックス・フェルスタッペンがストウで激しくクラッシュし、セーフティカーが導入された。

    FIAの規則では、周回遅れ車両に追い越し(アンラップ)が許可された場合、その手続き完了後に最低1周はセーフティカー先導を続けなければならない。

    今回はアンラップ開始のタイミングが遅く、その手続きが終わった時点でレース再開のための周回が残されておらず、規則上はセーフティカーをピットへ戻すことはできなかった。

    一方で、タイミングモニターには一時的に「Safety Car In This Lap(この周でセーフティカー終了)」との表示が誤って出され、最終ラップでの再スタートを期待する雰囲気が広がった。

    しかし、これはソフトウェアの不具合による誤表示だったとFIAが説明。運営手順自体に問題はなく、正しい手続きが実施されていたとしている。

    ジョージ・ラッセル「2021年アブダビのようにはすべきではない」
    レース終了後、ラッセルはメディアに対し、2021年F1最終戦アブダビGPで物議を醸したセーフティカー運用を引き合いに出しながら、今回の判断を支持した。

    「もちろん、どんなレースでもセーフティカー先導で終わるのは残念なことだ」

    「でも、2021年のアブダビGPを思い出してほしい。あれがあったからこそ、今回は規則どおりに運用された。それがレースというものだ」

    「誰かがクラッシュすることなんて誰にも予測できない。だからこそ、F1やFIAの対応は、レース終盤だからといってスタート直後と違うものであってはいけない」

    裁量による再開を求める声も
    セーフティカー先導のままレースが終了すると、シルバーストンの観客からは大きなブーイングが起こり、SNS上でもレースコントロールへの批判が相次いだ。

    元F1ドライバーで解説者のマーティン・ブランドルをはじめ、一部の関係者はレースディレクターのルイ・マルケスが裁量を行使して再スタートさせるべきだったとの見方を示している。

    しかし、2021年アブダビGPで規則の適用が問題視された経緯を踏まえれば、FIAが今回は規則を厳格に適用したことを評価する声も少なくない。

    今回のイギリスGP終盤の対応は、エンターテインメント性と規則順守のバランスという、F1が今後も向き合い続ける課題を改めて浮き彫りにした。