投稿者: dbcheck

  • アルピーヌF1育成のガブリエレ・ミニがシルバーストンで旧型車テスト

    アルピーヌF1育成のガブリエレ・ミニがシルバーストンで旧型車テスト

    アルピーヌF1育成ドライバーのガブリエレ・ミニが、シルバーストンでTPC(旧型F1マシンテスト)を実施した。2025年型「A525」を使用し、600km以上を走破。F1マシンでの経験を積むとともに、シミュレーター開発への貢献も目的とした重要なプログラムとなった。

    現在FIA F2選手権でランキング2位につけるミニは、F1昇格を目指す有力候補の一人。アルピーヌは若手育成の一環として継続的に旧型車テストを実施しており、今回の走行もその育成方針を象徴する取り組みとなった。

    アルピーヌが若手育成プログラムを継続
    アルピーヌは近年、育成ドライバーに対して積極的にTPC(Test of Previous Cars)を実施しているチームの一つだ。

    過去にはオスカー・ピアストリのF1デビューに向けて大規模なテストプログラムを用意し、その後はジャック・ドゥーハンにも同様の機会を提供してきた。

    今年は育成ドライバーのウーゴ・ウゴチュクもシルバーストンで初めてF1マシンをドライブしており、今回のミニのテストもその流れを引き継ぐものとなる。

    今回ミニは2025年型アルピーヌA525を使用し、シルバーストンで600km以上を走行。さまざまなセットアップやドライビング項目を消化し、F1マシンへの適応を進めた。

    高速サーキットでF1特有の性能を体感
    シルバーストンは高速コーナーが連続するレイアウトで、F1マシン特有の強大なダウンフォースやブレーキング性能を理解する上で最適なサーキットとされる。

    下位カテゴリーからステップアップするドライバーにとっては、F1マシンの空力性能を信頼して高速コーナーへ飛び込む感覚や、圧倒的な制動性能に慣れることが重要な課題となる。

    今回のテストは、そうしたF1特有の特性を体感するとともに、将来的な実戦デビューへ向けた経験値を積む貴重な機会となった。

    ガブリエレ・ミニ アルピーヌF1チーム

    F2タイトル獲得がF1昇格への第一歩
    ミニは現在のFIA F2でニコラ・ツォロフに次ぐランキング2位につけている。

    今季は1勝と8回の表彰台を記録し、直近10レースでは8回トップ5入りを果たすなど高い安定感を見せており、タイトル争いを続けている。

    ミニ自身もF1昇格への第一目標はF2タイトル獲得と位置付けており、その結果次第で将来のチャンスが大きく広がる可能性がある。また、これまでには日産からフォーミュラEのテストにも参加しており、活動の幅を広げている。

    テスト後、ミニは自身のX(旧Twitter)で今回の走行を振り返り、次のように喜びを語った。

    「シルバーストンでこのマシンとともに600km以上を走ることができた。再びこのような機会と素晴らしい経験を与えてくれたアルピーヌF1チームに感謝している。またすぐに戻って来られることを楽しみにしている」

    今回のテストで得た経験は、ミニ自身の成長だけでなく、シミュレーター開発にも生かされる見込みだ。リザーブドライバーのポール・アロンも同様の役割を担っており、アルピーヌはTPCを若手育成とマシン開発の両面で重要なプログラムとして活用している。

  • セルジオ・ペレス キャデラックF1での成功に自信「僕はトップドライバーの一人だ」

    セルジオ・ペレス キャデラックF1での成功に自信「僕はトップドライバーの一人だ」

    2026年シーズンからキャデラックF1の中心ドライバーを務めるセルジオ・ペレスが、新天地での挑戦に強い自信を示した。レッドブル・レーシングで苦しい最終シーズンを送り、1年間の休養を経て復帰したペレスは、キャデラックのプロジェクトこそ自身の実力を証明する舞台だと考えている。

    ポッドキャスト『High Performance』で心境を語ったペレスは、ゼネラルモーターズ(GM)とTWGが支えるプロジェクトの将来性を高く評価。現時点ではノーポイントながら、チームが着実に競争力を高めていることが成功への確信につながっていると明かした。

    レッドブルでの苦境からキャデラックで再出発
    セルジオ・ペレスは2025年限りでレッドブル・レーシングを離れ、1年間のサバティカルを経て2026年からキャデラックF1のデビューシーズンに参戦している。

    ペレスはレッドブルでの最後の数か月について、競争力だけでなく精神面にも大きな影響を与えた時期だったと振り返った。

    一方で、キャデラックからオファーを受けた際には、その将来性に強く惹かれたという。

    「キャデラックのプロジェクトの話が来たとき、『これは本当に大きなプロジェクトだ。素晴らしいブランドだ』と思った」

    「そしてダン・タウリスに会ったとき、この人は非常に競争心が強く、チームをトップレベルまで引き上げるためなら何でもやる人だと確信した」

    「これは僕自身のプロジェクトにもなる。そこに加わり、自分がトップドライバーの一人であることを証明したいと思った。僕はずっと自分がグリッドでも最高レベルのドライバーの一人だと信じてきた」

    キャデラックF1の成長速度を高く評価
    キャデラックはF1参戦初年度の前半戦を終えてもまだポイントを獲得していない。しかしペレスはモナコGPでトップ10圏内を走行したものの、ペナルティによってチーム初ポイントを逃した。

    それでもペレスは、開発体制には十分な手応えを感じているという。

    特にファクトリーでの開発内容と実際のサーキットで得られるデータの相関性が取れており、チームが正しい方向へ進んでいることを実感している。

    「もちろん、まだ始まったばかりだ。まだ6戦しか終わっていないし、チームの文化も今まさに築き上げているところだ」

    「でもオーナーたちは成功するまで絶対に止まらないと感じている。ゼネラルモーターズとTWGという二つの巨大な組織が支えている。彼らは目標を達成するまで決して諦めない」

    ペレスはこうした開発環境と強力なバックアップ体制こそが、キャデラックF1が将来的に競争力を持つチームへ成長すると信じる最大の理由だと強調した。

    今回の発言からは、レッドブル時代の苦しい経験を乗り越え、新たな挑戦を自身のキャリア再建の舞台と位置付けていることがうかがえる。キャデラックF1はまだ結果こそ出ていないものの、ペレスはチームの成長スピードと経営陣の姿勢に大きな期待を寄せている。

    【関連】
    ・セルジオ・ペレス レッドブルF1時代を告白「2台走らせるのは義務だからと言われた」

  • キャデラックF1候補 ハータ F2苦戦を認める「結果は言い訳できない」

    キャデラックF1候補 ハータ F2苦戦を認める「結果は言い訳できない」

    2026年のFIA F2選手権に参戦しているコルトン・ハータは、シーズン前半の厳しい戦いを率直に認め、「結果は期待外れだ」と語った。一方で、F1参戦を見据えた経験は将来に向けて大きな財産になると前向きな姿勢も示している。

    キャデラックF1の有力候補の一人と目されるハータは、インディカーからF2へ転向。ピレリタイヤやヨーロッパのサーキット、FIAの育成カテゴリーへの適応を目的とした挑戦だったが、開幕から5戦連続ノーポイントと苦戦が続き、ランキング17位に沈んでいる。

    結果への失望は隠せない
    ハータは『RACER』の取材で、学べている部分と結果が伴わない現実の両方があると語った。

    「良い部分もあれば悪い部分もある。タイヤやコースについて学べていること、その理解が深まっていることは将来に向けて本当に重要だと思う」

    「もちろん結果は期待外れだし、それを隠すつもりはない。僕はこれまでのキャリアで常に勝利を争ってきたから、今年は多くの感情をもう一度学び直しているような気分なんだ」

    「状況を好転させようとチームと一緒に努力している。でも僕は競争して、レースをして、勝ちたい性格なんだ。だから競争できていないことは本当に悔しい」

    これまで成功を重ねてきたハータにとって、F2は実績だけでは通用しない厳しい世界であることを改めて突きつけられるシーズンとなっている。

    F2のレベルは想定通りだった
    一方で、ハータはF2のレベルを甘く見ていたわけではないと強調する。

    「F2のドライバーたちは本当に高く評価していた。インディカーで対戦したことのある選手も多いし、彼らの実力はよく分かっている」

    クリスチャン・ルンガーについても例に挙げた。

    「クリスチャン・ルンガーが一番分かりやすい例だと思う。彼は今週末のインディカーでポールポジションを獲得した」

    「こっちにいる多くのドライバーがどれほど速いか、みんな知っている。純粋なスピードだけを見れば、その多くはF1に乗る準備ができている。だからこのレベルの高さや、みんなの能力について驚きはなかった」

    「ただ、自分たちのパフォーマンスや、ここまでチャンスを生かせていないことには少し驚いている」

    F1昇格を目指す立場として、ライバルの強さよりも、自身が力を発揮できていない現状を問題視していることがうかがえる。

    コルトン・ハータ キャデラック F1

    目標は今も勝利
    それでもハータは、目標を引き下げる考えはない。

    「今は小さな改善を積み重ねるしかない。マシンバランスやチームの仕事、そして僕自身も一歩ずつ良くしていきたい」

    「でもレーサーとしての僕は勝ちたいんだ。それが最終的な目標だよ。今の状況では現実的かどうか分からないけど、それでも僕の考えは変わらない」

    キャデラックF1入りを目指すハータにとって、F2で得られる経験は確かに貴重な財産となる。しかし、その経験を結果へと結びつけられなければ、F1昇格に向けた評価は厳しさを増していくことになりそうだ。

  • フェラーリF1 コストキャップ下でも大型アップデート連発できる理由

    フェラーリF1 コストキャップ下でも大型アップデート連発できる理由

    フェラーリは2026年シーズン、F1のコストキャップ(予算上限)制度下にありながら、ライバルを上回るハイペースでアップデートを投入し続けている。

    その背景には、長年にわたって築き上げたイタリア国内のサプライチェーンがあり、メルセデスをはじめとするライバルには真似しにくい構造的な優位性が存在するとみられている。

    メルセデスのトト・ヴォルフ代表は、フェラーリが大型アップグレードを立て続けに投入していることについて、「このままでは資金が尽きるはずだ」と皮肉を交えながら疑問を呈した。しかし実際には、フェラーリはコストキャップ制度の範囲内でも開発を継続できるだけの「見えない武器」を持っているようだ。

    イタリア拠点ならではの“コストキャップボーナス”
    2026年のF1ではコストキャップが2億1500万ドルに設定されており、各チームは限られた予算内で開発競争を戦っている。

    ヴォルフ代表はイギリスGPで、「フェラーリがこれほど頻繁にアップデートを投入できることには少し驚いている」と語り、「彼らもそろそろ資金が尽きるはずだ」と発言。これに対しフェラーリ代表のフレデリック・バスールは「冗談だ」と一蹴していた。

    その理由について、イタリアの専門メディア『Formula Technica』は、フェラーリが持つサプライチェーンの優位性を挙げている。

    現在のF1チームの多くはイギリスの「モータースポーツ・バレー」に本拠地を置いており、メルセデス、レッドブル・レーシング、マクラーレン、ウィリアムズ、アルピーヌ、ハース、アストンマーティンなどは、同じサプライヤーや加工業者を巡って競争している。

    一方、イタリアを拠点とするフェラーリは事情が異なる。国内で直接競合するF1チームはレーシングブルズのみであり、多くの部品メーカーや加工会社を比較的余裕を持って活用できる環境にある。

    その結果、部品価格が抑えられるだけでなく、加工待ちや輸送待ちの時間も短縮されるため、新パーツをより短期間かつ低コストで完成させることが可能になる。

    つまり、同じアップグレードを製作しても、フェラーリはライバルより少ない予算で完成させられるケースが多く、コストキャップ制度の中ではこれ自体が大きなアドバンテージとなる。

    数十年かけて築いた供給網が武器
    フェラーリは数十年にわたりイタリア国内のサプライヤーや協力企業とのネットワークを構築してきた。

    設計データの受け渡しから試作品の製作、加工、品質確認までを効率的に行える体制が整っており、アップデート部品を短期間でサーキットへ投入できる。

    こうした外部協力会社との連携によって、自社設備だけに頼ることなく開発を進められるため、時間とコストの両方を削減できることが大きな強みとなっている。

    その成果は2026年シーズンにも表れており、フェラーリはマイアミGPで大型空力アップデートを投入し、スペインGPではさらに改良型パッケージを導入。ベルギーGPでは新仕様のリアウイングや排気システム、オランダGPでは空力アップデートとADUO開発トークンを活用した改良が予定されるなど、積極的な開発を続けている。

    対照的にメルセデスの本格的なアップグレードはカナダGPが中心で、その後は慎重な開発方針を採っている。

    スクーデリア・フェラーリ

    ウィリアムズ代表も「トップチームとの差」を説明
    ウィリアムズのジェームス・ボウルズ代表も、トップチームとの差は単純な予算額ではないと説明している。

    ボウルズ代表によれば、メルセデスは約12年かけて優秀なサプライヤーとの関係を築き上げ、必要な部品を適切なタイミングで供給できる生産体制を完成させた。

    一方のウィリアムズは、資金不足もあって十分な外部サプライネットワークを構築できず、同じ部品を製作するにも時間やコストが余計にかかってしまうという。

    ボウルズ代表は「メルセデスには12年間かけて築いた供給網がある。フェラーリも同じだ。トップチームは皆、そのような効率的なプロセスを持っている」と説明。「我々はそのレベルに到達する道筋を作らなければならない」と語っている。

    2026年は新レギュレーション初年度であり、開発競争がそのまま勢力図を左右している。コストキャップは各チームの支出額を制限する制度ではあるものの、長年かけて築いた供給網や生産効率まで平等にするものではない。フェラーリが見せる積極的なアップデート攻勢は、こうした”見えない資産”が大きく支えていると言えそうだ。

  • フェルナンド・アロンソ F1ベルギーGPで警鐘「F2より遅くなる」

    フェルナンド・アロンソ F1ベルギーGPで警鐘「F2より遅くなる」

    フェルナンド・アロンソは、2026年F1レギュレーションがベルギーGPで大きな問題を露呈する可能性があると警鐘を鳴らした。高速レイアウトのスパ・フランコルシャンではエネルギーマネジメントが極めて難しくなり、状況によってはF1マシンがF2よりも遅い状態で走る区間が生まれる恐れがあるという。

    2026年レギュレーションに一貫して懐疑的な見解を示してきたアロンソは、ライバルとの攻防で電動エネルギーを使い切れば、その後はラップの大半で出力不足に陥ると指摘。

    「今年は昨年より大幅にパワーが少なく、F2よりもパワーが少ない」と語り、スパで新規則の課題が浮き彫りになるとの見方を示した。

    スパで露呈する2026年F1のエネルギー問題
    2026年のF1では、内燃エンジンの出力が抑えられる一方、電動エネルギーへの依存度が大幅に高まった。そのため、ドライバーはストレートのどこで電気エネルギーを使用し、どこで温存するかを常に判断しなければならない。

    特に問題となるのが、ラ・ソースからオー・ルージュ、ラディオンを抜け、ケメルストレートを上ってレ・コームに至るスパの序盤区間だ。

    アロンソは、ライバルとの攻防でこの区間にエネルギーを投入すれば、その後のラップを犠牲にすることになると説明した。

    「スパで最初のコーナーのラ・ソースからターン5のレ・コームまで、相手を攻撃したり守ったりするためにエネルギーを使ったら、残りのラップはフィニートだ」

    「第2セクターでは、丸々1分間にわたってエネルギーをまったく使えなくなる。今年は昨年よりも大幅にパワーが少なく、F2よりもパワーが少ないということを忘れてはいけない」

    アロンソが懸念しているのは、単に最高速度が低下することではない。電動エネルギーを使い切った状態では、後続車に対して無防備になるだけでなく、F1の下位カテゴリーであるF2に匹敵、あるいは下回る出力で走る区間が生まれる可能性がある。

    スパでは長い全開区間が続くため、通常のサーキット以上にエネルギー消費が激しい。前車を追い抜くために序盤で電力を使えば、その後はペースを大きく落とさなければならず、追い抜きを仕掛けた側が次の区間で逆に狙われる展開も考えられる。

    攻防を難しくするエネルギー管理
    2026年F1マシンでは、ドライバーがアクセルを踏み続けていても、使用可能な電気エネルギーが不足すれば出力が急激に低下する。

    スパのように長いストレートが続くコースでは、ラップ序盤のケメルストレートで攻撃にエネルギーを使うか、後半のブランシモンやバスストップ・シケインまで温存するかという選択を迫られる。

    エネルギーを温存すれば前を抜けず、使えばラップ後半で守れない。アロンソの発言は、ベルギーGPでこうした不自然な駆け引きが目立つことへの懸念を示したものだ。

    F1が最高峰カテゴリーでありながら、一時的にF2を下回るパフォーマンスしか発揮できない場面が生まれれば、2026年レギュレーションへの議論はさらに活発になるだろう。

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム)

    フェラーリは新リアウイングを投入へ
    こうした懸念があるなか、フェラーリはベルギーGPで改良型「マカレナ」リアウイングを投入すると報じられている。

    イタリアメディアによれば、新しいリアウイングはスパの長いストレートで最高速度を最大11km/h向上させる可能性があるという。

    「マカレナ」と呼ばれる設計は、リアウイングの空気抵抗を特定の条件下で低減し、ストレートスピードを伸ばすことを狙ったコンセプトだ。エネルギー切れによる出力低下が懸念されるスパでは、その効果が通常以上に重要になる。

    一方で、FIAはこのコンセプトについて調査を進めている。レッドブル・レーシングではマックス・フェルスタッペンのマシンでリアウイングのトラブルが相次いでおり、安全性も焦点となっている。

    ローラン・メキースは、レッドブル・レーシングが採用している攻撃的なリアウイング設計を断念する可能性も認めている。

    タイトル争いは細部が勝負を分ける
    元ミナルディ代表のジャンカルロ・ミナルディは、フェラーリの進歩によって2026年のタイトル争いはさらに接戦になったとみている。

    「シルバーストンは、この世界選手権がどれほど拮抗しているかを改めて証明した」

    「今からシーズン終了までは、細部が違いを生むことになる」

    フェラーリはイギリスGPでシャルル・ルクレールが優勝し、チーム通算250勝を達成。マシンの競争力と信頼性を着実に高めており、ベルギーGPでも優勝候補の一角と目されている。

    レッドブル・レーシングは苦戦を覚悟
    一方、レッドブル・レーシングはベルギーGPを前に慎重な姿勢を崩していない。

    ローラン・メキースは、オーストリアGPで投入したアップデートだけでは状況を覆せないと認めた。

    「今シーズンはグランプリで勝てるとは思っていない」

    「オーストリアで投入したアップデートだけでは十分ではないことに疑いの余地はない」

    レッドブル・レーシングはリアウイングの信頼性問題に加え、マシン全体の競争力にも課題を抱えている。スパでは最高速と空力効率が重要になるだけに、苦しい戦いが予想される。

    信頼性ではフェラーリが優位
    元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、タイトル争いではフェラーリの信頼性が大きな武器になると指摘した。

    イギリスGPでは、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリがホイールシールドのトラブルに見舞われ、大量ポイントを失った。

    「現在、信頼性という点ではフェラーリが最も安定しているチームだ」

    マシン性能が接近するなかでは、信頼性がタイトル争いを左右する重要な要素となる。ベルギーGPではアロンソが警鐘を鳴らしたエネルギーマネジメントの問題に加え、各チームの空力開発や信頼性の差も勝敗を大きく左右することになりそうだ。

  • マックス・フェルスタッペン レッドブルF1へ直訴か「エンジニアが話を聞かない」

    マックス・フェルスタッペン レッドブルF1へ直訴か「エンジニアが話を聞かない」

    マックス・フェルスタッペンが、レッドブルF1で自身の意見が開発に十分反映されていないことに強い不満を抱き、チーム首脳へ直接働きかける考えを示していると報じられた。

    2027年の去就が注目されるなか、フェルスタッペンとレッドブルの関係には緊張感が漂っており、今後のチーム体制にも影響を及ぼす可能性がある。

    エンジニアではなく首脳陣へ直接要望
    レッドブルでは、マックス・フェルスタッペンの将来を巡る憶測が続いている。2027年以降の契約についてはまだ明言しておらず、夏休み期間中に契約解除条項を行使できる状況にあるとされる。

    フェルスタッペン陣営はマクラーレンと接触したとも報じられており、チームとの信頼関係が揺らいでいるとの見方も広がっている。

    パドック関係者の間では、フェルスタッペンがマクラーレンとの噂を利用して、レッドブルに競争力あるマシン開発を促そうとしているとの見方もある。レッドブルは直近2戦でリアウイングのトラブルに見舞われるなど、RB22の競争力と信頼性に苦しんでいる。

    一方、レッドブル側は長年にわたる投資を理由に、フェルスタッペンへ将来についての明確な意思表示を求めているとされる。

    しかし、イタリアメディア『Formula1.it』によると、フェルスタッペンは現在の担当エンジニアが自分のフィードバックを十分に聞き入れていないと感じており、今後はチーム代表のローラン・メキースとテクニカルディレクターのピエール・ワシェへ直接報告・要望を伝えることを望んでいるという。

    フェルスタッペンは、自身の要求がRB22の開発に「完全に反映される」ことを求めており、現場レベルではなくチーム首脳へ直接働きかける姿勢を強めているようだ。

    チーム崩壊の懸念も浮上
    元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、現在のレッドブルについて「崩壊しつつある」と厳しい見方を示している。

    フェルスタッペンとチームの間で信頼関係が損なわれつつあることが、その背景にあるという。

    もしメキース代表とワシェが状況を改善できなければ、レッドブルは2027年以降もフェルスタッペンを引き留めるために、これまで以上に厳しい立場へ追い込まれることになりそうだ。

    今回の報道はイタリアメディアによるものであり、現時点でレッドブルやフェルスタッペン本人から公式なコメントは出されていない。ただ、2027年の去就が大きな焦点となるなか、チーム内のコミュニケーションや開発体制が今後の鍵を握ることは間違いない。

  • ホンダF1 新PU投入まで残り2戦でデータ収集は重要局面「知見を最大限蓄積する」

    ホンダF1 新PU投入まで残り2戦でデータ収集は重要局面「知見を最大限蓄積する」

    ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、2026年F1第10戦ベルギーGPを前に、オランダGPで予定されている新パワーユニット(PU)投入まで残り2戦となる中、現行スペックで得られるデータや経験を最大限蓄積することが重要になるとの見解を示した。

    スパ・フランコルシャンは2026年シーズン最長のサーキットで、複雑なコーナーセクションを持つテクニカルコースとして知られる。

    ロングストレートと高速コーナーが組み合わさるレイアウトのため、ドライバーのアクセル操作を予測したエネルギーマネジメントの最適化が求められ、エンジニアにとっても非常にチャレンジングなサーキットだという。

    折原は、サーキットの長さに対して回生可能な電気エネルギーが非常に限られることから、「エネルギーマネジメントに関してPUマニュファクチャラーにとって重要な評価の場となります」と説明。そのため、ロングストレートでのMGU-Kの出力を含めたデプロイメント戦略がこれまで以上に重要になるほか、PUには大きな負荷がかかるため、パフォーマンスだけでなく信頼性の確保も重要なテーマになるとした。

    ホンダF1 本田技研工業

    また、オランダGPでの新PU投入まで残り2戦となることについては、「現行スペックで得られるデータや経験を最大限蓄積することも重要です」とコメント。ベルギーGPで得られた知見は、新PUを使用する今後のレースだけでなく、モンツァのようなロングストレートを持つサーキットでも活用していく考えを示した。

    さらに、ベルギーGPでは変わりやすい天候も大きなポイントになると指摘。シルバーストンではドライコンディションが続いた一方で、今回は今季初めて本格的なウェットコンディションでセッションが行われる可能性もあるとし、「天候に関しては何が起こってもおかしくないと考えています」と警戒感を示した。

    【関連】
    ・ホンダF1撤退の真実 ブラウンGP共同創設者が明かす「涙の会議」と奇跡の2009年

  • ルイス・ハミルトン 新F1開催地マドリンクに注文「コンプレッションが強すぎる」

    ルイス・ハミルトン 新F1開催地マドリンクに注文「コンプレッションが強すぎる」

    フェラーリが実施したマドリード市街地サーキット「マドリンク」でのフィルミングデーを受け、ルイス・ハミルトンが新コースについて気になる点を指摘した。一方で、バルセロナ市のスポーツ担当者は「ドライバーも好んでいない」とまで発言しており、2026年スペインGPの新開催地を巡る議論はさらに熱を帯びている。

    フェラーリはルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールを起用し、9月にF1スペインGP初開催を迎えるマドリンクでフィルミングデーを実施した。

    他チームに先駆けて新コースを走行したことには公平性を疑問視する声も上がったが、FIAによる制限はなくテストは予定通り行われた。

    ハミルトンが指摘したのは「コンプレッション」
    テスト後、マドリンクのゼネラルマネージャーを務めるルイス・ガルシア・アバド氏は、スペイン紙『Diario AS』に対し、両ドライバーから受けた感想を明かした。

    ルクレールは新コースを高く評価し、「予選は素晴らしいものになる」と語ったという。

    一方のハミルトンはコースレイアウトの一部について懸念を示した。

    「ドライバーたちは気に入っていた。彼らは路面温度73度を超えるコンディションで走行した。シャルル・ルクレールは『予選は素晴らしいものになる』と言っていたが、ルイス・ハミルトンはコンプレッションについて不満を口にしていた」

    ここでいう「コンプレッション」はマシンやタイヤではなく、コース形状によって生じる上下方向の強いGのことを指す。

    特に高速バンクコーナー「ラ・モニュメンタル」では、時速250kmで約4Gの圧縮荷重が約2秒間続くとされている。F1では4~6Gのコンプレッションは非常に大きな負荷とされており、ハミルトンが違和感を覚えた理由とみられる。

    バルセロナ市幹部「マドリンクは誰も好まない」
    こうしたハミルトンのコメントを受ける形で、バルセロナ市議会のスポーツ担当議員ダビド・エスクデ氏も、新サーキットに厳しい見方を示した。

    バルセロナは2026年からスペインGPの開催権をマドリードへ譲り、「バルセロナ・カタルーニャGP」として隔年開催へ移行する予定となっている。

    しかしエスクデ氏は、将来的にはスペインGPが再びカタルーニャへ戻ると考えているという。

    「時間が経てば、私たちが正しかったことが証明されると思う。これは国や州政府が主導しているプロジェクトであり、私たちも当然協力しているが、最終的には時間がすべてを正しい位置へ戻してくれるだろう」

    さらに、新コースについて次のように踏み込んだ。

    「マドリードのサーキットは誰も好んでいない。ドライバーたちもそうだ。それは事実だ。ドライバーの意見は非常に大きな影響力を持っている。フェルナンド・アロンソがバルセロナ・サーキットについて語っていた言葉も覚えている。経験を積めば、最終的には物事は元に戻ると信じている」

    「私たちには世界でも最高レベルのサーキットがある。もちろん近代化のための投資は必要だが、素晴らしいレースを開催できているし、最終的にはあるべき姿に落ち着くと信じている」

    マドリンク

    開幕前から続くマドリンクへの逆風
    マドリンクを巡っては、建設工事の進捗が遅れているとの報道や、開幕までに完成が間に合うのかという懸念が相次いできた。

    さらにフェラーリによるフィルミングデーについても、他チームより先にコースデータを得られるとして議論を呼んだが、最終的に実施は認められた。

    ルクレールはコースに好印象を抱いた一方、ハミルトンは強いコンプレッションを指摘。そこへバルセロナ市側から「誰も好まないサーキット」との厳しい発言も飛び出し、9月のF1スペインGP初開催を前にマドリンクを巡る論争は一段と加熱している。

    9月の初開催でドライバーやファンから高い評価を得られるかどうかは、マドリンクの将来だけでなく、スペインGP開催地を巡る議論にも大きな影響を与えそうだ。

  • ジョージ・ラッセル メルセデスF1の“アントネッリ優遇説”を否定「事実じゃない」

    ジョージ・ラッセル メルセデスF1の“アントネッリ優遇説”を否定「事実じゃない」

    ジョージ・ラッセルは、メルセデスが2026年F1シーズンでチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリを優遇しているとの見方を否定した。

    アントネッリは現在ドライバーズランキング首位を快走しており、その活躍を受けて「メルセデスは19歳の新星を中心としたチーム作りを進めている」との憶測も浮上している。しかしラッセルは、そのような見方は事実ではないと強調した。

    ラッセル「優遇なんてない」
    英『Daily Mail』の取材でラッセルは、チーム内でアントネッリが特別扱いされているという噂について率直に語った。

    「そういう優遇の話が出回っているというのは耳にしたよ。でも気にもならないし、そもそも事実じゃない」

    さらに、コンストラクターズ選手権を戦うチームとして、一方のドライバーだけを優遇する理由はないと説明した。

    「チームには2,000人ものスタッフがいて、コンストラクターズ選手権で勝てば全員がボーナスを受け取る。だったら、なぜどちらか一方を優遇する必要があるんだ?」

    「僕たちは2人とも自由にレースをすることを許されている。ただし、チームとして最大限のポイント獲得という目的が脅かされる場合は別だけどね」

    グロック「衝突は時間の問題」
    一方で、元F1ドライバーのティモ・グロックは、両者のライバル関係が今後さらに激化すると予想している。

    「2人の間には間違いなく大きな緊張感がある」

    「私からすれば、衝突するのは時間の問題だ。今年中にそういう場面を何度も目にすることになるだろう」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    ラルフ・シューマッハ「ラッセルへの信頼は変わらない」
    一方、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、メルセデス代表トト・ヴォルフが依然としてラッセルを高く評価していると語る。

    「ジョージ・ラッセルは長年トト・ヴォルフと仕事をしてきた」

    「ラッセルがプロフェッショナルな姿勢を保ち、政治的な駆け引きに走らず、アントネッリの邪魔をしようとしない限り、メルセデスが彼を交代させる理由はまったく見当たらない」

    ただし、チーム内の評価基準が現在はアントネッリになっていることも認めた。

    「トト・ヴォルフは現状について非常に明確な見解を示していた」

    「彼は文字どおり『キミは別格だ』と言った。それ以上ないほど分かりやすい表現だった」

    「率直に言って、現時点ではまさにその通りの状況だ」

    ラッセルは優遇説を完全に否定しているものの、アントネッリがメルセデスの新たなエース候補として急速に存在感を高めていることは、チーム関係者や元ドライバーの見方からも明らかになりつつある。

  • ランド・ノリス ル・マン参戦に意欲 「数年後にバレンティーノ・ロッシと組みたい」

    ランド・ノリス ル・マン参戦に意欲 「数年後にバレンティーノ・ロッシと組みたい」

    2026年F1世界王者のランド・ノリスが、将来的にル・マン24時間レースへの参戦を希望していることを明かした。MotoGP界のレジェンド、バレンティーノ・ロッシとの共闘にも前向きな姿勢を示している。

    ノリスにとってロッシは幼い頃から憧れの存在であり、今回のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでの共演は特別な機会となった。マクラーレンが2027年からFIA世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラス参戦を予定する中、将来的なル・マン挑戦にも現実味が帯び始めている。

    ロッシとの共闘に「もちろんやりたい」
    ノリスは同日、2027年のWECおよびル・マン24時間参戦に向けて開発中のマクラーレンのハイパーカー「MCL-HY」をドライブ。その後、グッドウッド・ハウスのバルコニーでロッシとともに登壇し、スポーツカー耐久レースでの共演について質問を受けた。

    ノリスは「もちろんやりたいよ」と即答。するとロッシも「彼を誘おうとしたんだけどね。でも今のF1ドライバーは本当に忙しいから」と笑顔で応じた。

    マクラーレンが2027年からハイパーカークラスへ参戦することにも触れたノリスは、現時点ではF1の過密日程が最大の障壁だと認めつつも、近い将来にル・マンでコンビを組む可能性を示唆した。

    「レース数が多すぎるからね。でもマクラーレンがル・マンに参戦するし、来年は……いや、来年じゃない。でも数年後ならぜひやってみたい。僕にとっては名誉なことだし、間違いなくすごく楽しいと思う」

    ロッシも笑いながら「ランドを待ってみるよ」と応じ、将来的な共闘への期待を口にした。

    以前から互いを高く評価
    ノリスは以前からロッシをモータースポーツ界のヒーローとして公言しており、一方のロッシも2021年の時点で、ノリスとの共演を熱望していた。

    「もしランドと一緒にレースができるなら、本当に、本当に嬉しい。彼はとても速いし、きっと楽しめるはずだ」

    また、今年後半に開催されるグッドウッド・リバイバルでクラシックカーを使って共演する可能性についても話題となった。

    ノリスは「僕はあの時代の格好をして、思い切り楽しみたい」とコメント。ロッシも「もちろんいいよ。どのクルマに乗るかは彼に決めてもらうよ」と応じ、実現すればル・マンに先駆けた夢の共演となる可能性もある。

    ランド・ノリス(マクラーレン) ル・マン24時間

    マクラーレンのル・マン復帰が追い風
    ロッシは2024年と2025年にBMWからLMGT3クラスでル・マン24時間へ参戦したほか、ハイパーカーのテストも経験している。2025年大会では表彰台争いをしていたものの、マシントラブルによってリタイアを喫した。

    2025年限りでWECフル参戦からは退いたが、現在もBMWとの契約を更新し、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパでレース活動を続けている。

    一方、マクラーレンCEOのザク・ブラウンは昨年のル・マンで、ノリスとオスカー・ピアストリの将来的な参戦について次のように語っていた。

    「彼らとはル・マンについて話をしたことがある。2人とも、マクラーレンのマシンでル・マンを走りたいと思っている」

    マクラーレンが耐久レース最高峰への復帰を控える中、F1王者ノリスと、少年時代から憧れ続けてきたロッシが同じマシンを駆る――そんな夢のラインアップが実現する可能性は、少しずつ現実味を帯び始めている。