投稿者: dbcheck

  • ウィリアムズF1代表 カルロス・サインツJr.残留に自信「目指す方向は同じ」

    ウィリアムズF1代表 カルロス・サインツJr.残留に自信「目指す方向は同じ」

    ジェームズ・ボウルズは、カルロス・サインツJr.の将来について楽観的な見方を示した。アウディF1移籍の可能性が取り沙汰されるなか、ウィリアムズF1代表は「サインツJr.と目指す方向は一致している」と強調し、チームの成長を証明することが残留への鍵になるとの認識を示した。

    カルロス・サインツJr.を巡っては、PlanetF1.comがスペインGPの時点で、2027年に向けてアウディF1を移籍先候補として検討していると報じていた。

    一方で、サインツJr.本人は夏休み前まではドライバー市場に関する情報をマネジメントから受け取らないよう依頼しており、現時点ではウィリアムズのプロジェクトに集中することを最優先にしていると伝えられている。夏休み期間中に改めて今後の選択肢を検討する方針だという。

    ボウルズ「サインツJr.とは同じ方向を向いている」
    イギリスGPを前に取材に応じたジェームズ・ボウルズは、サインツJr.との関係について頻繁に意見交換を行っていることを明かした。

    「彼とは毎日ではないが、おそらく2日に1回くらいは話をしている。そして彼自身も『ここが自分のいたい場所であり、自分のキャリアを築きたい場所だ』と話していたと思う」

    「だから彼と私は同じ方向を向いている」

    もっとも、2026年シーズン前半の苦戦については、ドライバーだけでなく自身も強いフラストレーションを抱えていると認めた。

    「彼は今の状況に不満を感じているか? もちろんだ。率直に言えば、私も同じように不満を感じている」

    「彼が見ているのは、『この状況を正しく分析し、立て直し、適切なペースでパフォーマンスを向上させる能力があるのか』ということだ。我々はそれを彼に証明しなければならない」

    「私は、それができると確信している」

    他チーム移籍の選択肢も認める
    ボウルズは、サインツJr.ほどの実力を持つドライバーであれば、ウィリアムズ以外にも複数の移籍先が存在することを認めた。

    「彼にはグリッド上のどこへでも行けるというわけではないが、いくつかのチームへ移るだけの力がある」

    その一方で、サインツJr.自身はウィリアムズの再建プロジェクトに強い思い入れを持っていると説明した。

    「彼はこのチームを自分自身のものにしたいと思っている。私も同じだ。自分のDNAをこのチームに刻み込み、自分たちのチームにしたいと考えている」

    「私の仕事は、そのために必要な基本的な要素を彼に示すことだ。我々はその段階にかなり近づいている」

    ウィリアムズ F1

    開発停滞が最大の懸念材料
    ただし、ウィリアムズがサインツJr.の信頼を維持するためには、マシン開発で具体的な成果を示す必要がある。

    サインツJr.はイギリスGPでも無得点に終わり、これで4戦連続ノーポイントとなった。チームも直近3戦でポイントを獲得できておらず、シルバーストンで投入したアップグレードも期待した効果を発揮しなかった。

    サインツJr.はレース後、「FW48には開発面で深刻な問題がある」と危機感を示しており、ボウルズもその後、マシン開発サイクルについて内部レビューを開始したことを認めている。

    現時点でサインツJr.はウィリアムズ残留を第一に考えているものの、チームが今後数か月で開発力を証明できるかどうかが、2027年以降の去就を左右する重要な要素となりそうだ。

  • フジテレビ FODがF1無料キャンペーン開始 ベルギーGPを5日間無料視聴可能

    フジテレビ FODがF1無料キャンペーン開始 ベルギーGPを5日間無料視聴可能

    フジテレビは16日、動画配信サービス「FOD」で「FOD F1™プラン スターターコース」を対象とした5日間無料視聴キャンペーンを開始した。キャンペーン期間中に初めて登録したユーザーは、登録日を1日目として5日間、2026年シーズンのF1全戦・全セッションを追加料金なしで視聴できる。

    キャンペーンは7月16日11時から7月20日23時59分まで実施され、対象は「FOD F1™プラン スターターコース」に初めて登録するユーザー。対象の決済方法はクレジットカード決済のみとなる。

    ベルギーGPを無料期間中にライブ視聴可能
    今回のキャンペーンでは、7月17日から開幕するF1ベルギーGP週末が無料期間と重なるため、タイミングによってはフリー走行から決勝まで全セッションを追加料金なしで視聴できる。

    「FOD F1™プラン スターターコース」では、2026年シーズンのF1全24戦について、フリー走行、予選、スプリント予選、スプリント決勝、決勝を日本語実況・解説付きでライブ配信。また、配信終了後30日間の見逃し配信にも対応する。

    さらに、サッシャと中野信治が出演する『F1™ R.A.W.』をはじめとするF1関連コンテンツに加え、フジテレビのドラマ、映画、バラエティ番組など、FODプレミアム対象作品も視聴できる。

    無料期間終了後は月額3880円
    無料期間中に解約した場合は料金は発生しないが、解約手続きが完了した時点で無料期間も終了し、対象コンテンツは視聴できなくなる。

    解約しない場合は、無料期間終了後に自動更新となり、月額3880円(税込)が請求される。

    なお、今回のキャンペーンは「FOD F1™プラン スターターコース」のみが対象で、「プロコース」と「チャンピオンコース」は対象外となる。

    プロコースおよびチャンピオンコースでは、F1公式配信サービス「F1 TV」と連携することで、オンボード映像やライブタイミングなど、F1 TVの各種機能も利用できる。

    【関連】
    ・2026年F1ベルギーGP テレビ放送時間・配信日程(フジテレビNEXT・FOD)

  • フェラーリF1が“パラシュート”を取り除く ハミルトンを苦しめた弱点を改善

    フェラーリF1が“パラシュート”を取り除く ハミルトンを苦しめた弱点を改善

    ルイス・ハミルトンは2026年F1第9戦イギリスGPで優勝を逃したものの、フェラーリが投入した最新アップデートはチームにとって大きな成果となった。

    スプリントではポールポジションを獲得し、決勝でもシャルル・ルクレールが今季初優勝を達成。データ分析では、これまで高速サーキットで足かせとなっていた空力上の弱点が大きく改善されたことが明らかになっている。

    フェラーリは高速性能を大幅改善
    Motorsport Italyによると、シルバーストンでフェラーリはSF-26の空力特性を大幅に改善した。

    決勝ではハミルトンがフォルススタート(false start)のペナルティを受けたほか、アンダーステアの強いセッティングにも苦しみ、優勝争いから後退。一方のルクレールはキミ・アントネッリと首位争いを展開し、最終的に今季初勝利を手にした。

    メルセデスはレース中にアントネッリのホイールシールド破損という不運がなければ優勝していた可能性もあったが、それでもフェラーリは事前予想を大きく上回る競争力を示した。

    チームのシミュレーションでは、パワー依存度の高いシルバーストンではメルセデスに0.6~0.7秒遅れると予測していた。しかし実際の予選では、その差は0.2秒未満にまで縮まっていた。

    ハミルトンの最高速データに異変
    週末序盤にはハミルトンがスプリント予選でポールポジションを獲得した。

    その際、スピードトラップではハミルトンが全体最速を記録。これは開幕から8戦の傾向とは異なる「異常値」ともいえるデータだった。

    オーストリアGPではフェラーリは最高速で20km/h以上劣っており、アントネッリがルクレールへ急接近しすぎることを懸念する場面もあった。しかしシルバーストンではフェラーリがその弱点を大幅に改善。決勝でもハミルトンは352km/hを記録し、全ドライバー中トップスピードをマークした。

    スクーデリア・フェラーリ

    SF-26から“パラシュート”を取り除いたアップデート
    報道によると、フェラーリは今回のアップデートによって、SF-26に取り付けられていた「パラシュート」を外したような効果を得ることに成功したという。

    ブレーキダクト、バージボード、ディフューザーを見直したことで、空気抵抗を大幅に低減。マシン全体の空力効率が向上し、高速域での伸びが改善された。

    これまでフェラーリはダウンフォースを増やす開発を優先してきた一方、その代償となるドラッグ(空気抵抗)の増加には十分対応できていなかった。しかし今回のアップデートでは、その開発方針を見直した格好となる。

    オーストリアGPで初投入されたADUO支援のアップグレードは、高地特有の条件もあり評価が難しかった。しかし標高の低いシルバーストンでは効果がはっきりと表れた。

    メルセデスは依然としてストレートスピードでわずかに優位を保っており、それがハミルトンが決勝でジョージ・ラッセルを攻略できなかった一因とも考えられる。それでもフェラーリは、高速サーキットでもタイトル争いの有力候補として戦えるだけの性能を取り戻しつつあることを証明した。

  • F1バーレーンGP復活は困難か ピレリ「準備期間が足りない」

    F1バーレーンGP復活は困難か ピレリ「準備期間が足りない」

    2026年のF1カレンダーへの復帰が期待されていたバーレーンGPだが、その可能性は急速に低下している。中東情勢の悪化を受け、タイヤ供給を担うピレリが、レース開催に必要な準備期間を確保できないとの見解を示したためだ。

    イラン情勢をきっかけに今季のバーレーンGPとサウジアラビアGPは中止となったが、当初はバーレーンGPがシーズン後半に復活する有力候補とみられていた。しかし、湾岸地域で再び緊張が高まったことで、その計画は現実味を失いつつある。

    ピレリ「開催準備には約4か月が必要」
    ピレリのモータースポーツディレクターを務めるダリオ・マラフスキは、ドイツの『Motorsport-Total.com』に対し、現時点では開催準備に必要な時間が残されていないと説明した。

    「このようなレースの準備には約4か月、つまりタイヤの計画と輸送だけでも約15週間が必要になる」

    「現時点では、その時間はもう残されていない」

    F1開催にはタイヤの製造・輸送だけでなく、各チームやFIA、プロモーターなどとの調整も必要となるため、物流計画は数か月前から進める必要がある。

    中東情勢の悪化で物流ルートも不透明
    マラフスキは、問題は準備期間だけではなく、安全保障上の不確実性にもあると指摘した。

    「残念ながら、中東情勢がどこまで安定するのか、あるいはタイヤを運ぶ貨物船の航行が可能なのかを予測することは依然としてできない」

    通常であればスエズ運河を経由し、サウジアラビア西部のジェッダから陸路で輸送するルートも考えられるが、その選択肢も現状では現実的ではないという。

    「スエズ運河を通り、その後ジェッダから中東各地へ陸送することも可能だが、サウジアラビアの治安情勢も緊迫しているため、現時点ではあくまで理論上の話にすぎない」

    「残念ながら、今は不確実性が支配している」

    バーレーングランプリ F1

    ホルムズ海峡の状況も大きな懸念材料
    さらにマラフスキは、仮にアフリカ経由で輸送ルートを確保できたとしても、最終的にはホルムズ海峡が通航可能であることが前提になると説明した。

    「中東でレースを開催できる場合でも、現地までどれほど時間がかかるのかは言えない。アフリカ経由で輸送できたとしても、ホルムズ海峡が開いているかどうかを確認する必要があるからだ」

    ホルムズ海峡は世界有数の海上輸送の要衝であり、その航行状況は中東向け物流全体に大きな影響を及ぼす。

    カタールGPとアブダビGPにも影響か
    2026年のF1カレンダーでは、カタールGPが11月27~29日、最終戦アブダビGPが12月4~6日に予定されている。

    マラフスキが示した「約4か月」という準備期間を考えると、これら終盤2戦についても物流計画を今まさに確定させなければならない時期に入っていることになる。

    現時点で両レースの開催可否に変更は発表されていないが、中東情勢の推移次第では、F1終盤戦の運営にも影響が及ぶ可能性がある。

    中東情勢の悪化により、2026年のバーレーンGP復活は極めて厳しい状況となった。ピレリはタイヤ供給に必要な約15週間の準備期間を確保できないことに加え、安全保障や物流ルートの不透明さを理由に挙げており、終盤の中東ラウンドにも影響が及ぶかどうかが今後の焦点となる。

  • マクラーレンF1 ベルギーGPで最新メルセデスPU投入 新型リアウイングも初実戦評価

    マクラーレンF1 ベルギーGPで最新メルセデスPU投入 新型リアウイングも初実戦評価

    マクラーレンは今週末のF1ベルギーGPで、メルセデス製の最新仕様パワーユニット(PU)を初めて実戦投入する。あわせて新型リアウイングも持ち込み、金曜日のフリー走行で評価を行う予定だ。

    最新PUはすでにワークスチームのメルセデスがオーストリアGPで導入しており、翌戦イギリスGPではカスタマーチームのアルピーヌとウィリアムズも使用を開始していた。

    マクラーレンは既存PUの使用可能距離を優先したため導入を見送っていたが、ベルギーGPからようやく最新仕様へ切り替える。

    2戦遅れで最新仕様PUを投入
    マクラーレンはスパ・フランコルシャンでランド・ノリス、オスカー・ピアストリの両マシンに最新仕様のメルセデス製PUを搭載する。

    このPUはオーストリアGPでジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリのワークスマシンに初投入されたもので、信頼性向上を目的とした複数の改良が施されている。

    その後、イギリスGPではアルピーヌとウィリアムズも新仕様へ移行したが、マクラーレンだけは従来仕様を継続していた。

    その背景には、2026年シーズン序盤から相次いだ信頼性トラブルがある。マクラーレンはすでに複数のPUコンポーネントを交換しており、既存ユニットの使用距離を最大限活用する判断を下していた。

    開幕戦以降はバッテリー関連の異なるトラブルも発生しており、中国GPではランド・ノリスとオスカー・ピアストリの両者がスタートできない事態にも見舞われていた。

    マクラーレン F1 ベルギーGP

    新型リアウイングもスパで実戦評価
    ベルギーGPではPUだけでなく、新型リアウイングも投入される。

    このアップグレードは開発計画の一環として準備が進められてきたもので、金曜日のフリー走行で性能評価が行われる予定だ。

    マクラーレンは前戦オーストリアGPでも回転式フラップを採用した独自仕様の「マカレナ」リアウイングを持ち込んでいたが、最終的には実走テストを見送っていた。

    今回のリアウイングは、その後の開発を反映した新たな仕様となる。

    マクラーレンの応用エンジニアリング部門テクニカルディレクターを務めるニール・ホールディは、今回のアップグレードについて次のように説明した。

    「エネルギーマネジメントが非常に厳しい週末になることを踏まえ、広範囲なシミュレーションを行い、十分な準備を進めてきました」

    「開発ロードマップの一環として準備してきた新しいリアウイングをスパへ持ち込みます」

    「このアップデートによってマシンのパフォーマンスが少し向上すると考えています。ただ、純粋な競争力という面で厳しいレースとなったイギリスGPを踏まえると、この週末も簡単な戦いにはならないでしょう。そのため競争力が劇的に変わることは期待していません」

    本命はハンガリーGPの大型アップデート
    マクラーレンは今回のPUとリアウイングの投入に続き、次戦ハンガリーGPでは「重要な(significant)」アップグレードパッケージを投入する計画を明らかにしている。

    チームは2026年マシンの当初コンセプトを見直し、開発方針を修正していることも認めており、ハンガリーGPが本格的な巻き返しに向けた重要な転換点となる可能性がある。

    ベルギーGPでは最新仕様PUによる信頼性向上に加え、新型リアウイングがどこまでパフォーマンス改善につながるかが注目される。ただしチーム自身は大幅な競争力向上は見込んでおらず、本命は翌戦ハンガリーGPで投入される大型アップグレードという位置付けになりそうだ。

  • アストンマーティン・ホンダF1 新PUは何馬力アップ?「40~50馬力説」の真相

    アストンマーティン・ホンダF1 新PUは何馬力アップ?「40~50馬力説」の真相

    アストンマーティン・ホンダF1のフェルナンド・アロンソにとって、2026年シーズン後半戦は大きな転換点となる可能性がある。夏休み明けのF1オランダGPでは、ホンダの改良型パワーユニットと大幅刷新された「Bスペック」マシンが投入される予定だ。

    一方で、パドックでは「40~50馬力向上」といった大幅な性能改善の噂も飛び交っている。しかし、ホンダ首脳や関係者の見解を総合すると、その数字には慎重な見方が示されており、現実的な改善幅は限定的になるとみられている。

    ホンダの新PUに「40~50馬力向上」説が浮上
    ベルギーGPを前に、アストンマーティン・ホンダF1の今後のアップグレード計画が注目を集めている。

    ホンダはシーズン開幕から苦戦が続いており、エンジン性能とマシン性能の両面でライバル勢に後れを取っている。だが、夏休み明け最初のオランダGPでは、改良型パワーユニット「RA626H」と、新設計の「Bスペック」シャシーが同時投入される予定となっている。

    スペイン紙『MARCA』はシルバーストンのパドックで、「40~50馬力向上」という噂が関係者の間で飛び交っていたと報じている。 一部では新PUによって大幅な性能向上が実現するとの見方もあった。

    しかし、MARCAがその後に得た別の情報では、この数字は誇張されている可能性が高く、現在の開発制度の下では実現は困難との見方が示されている。

    ADUO制度では大幅な馬力向上は困難
    現在のF1では、性能が劣るパワーユニットメーカーを支援するため、FIAが「ADUO(エンジン開発支援制度)」を導入している。

    ホンダは、この制度によりガソリンエンジン(内燃機関)部分で2回の性能改善が認められている。ただし、改良できる範囲には厳しい制限があり、短期間で数十馬力もの性能向上を実現することは容易ではない。

    ホンダには別の改善手段も残されている。

    ERS(エネルギー回生システム)の信頼性向上や制御ソフトウェアの改良、バッテリーやエネルギーマネジメントの最適化といった電動系の改善は、性能だけでなく実戦での使いやすさにも直結する重要なアップデートとなる。

    ホンダは依然としてレッドブル・フォードに約60馬力届かず
    関係者の間では、ホンダの内燃機関は現在、レッドブル・フォードの基準エンジンに対して約60馬力劣っているとの見方がある。

    もし今回のアップデートだけで40~50馬力を取り戻せるのであれば、一気にメルセデスやフェラーリと肩を並べる、あるいは上回る計算になる。

    しかし、そのような急激な性能向上はホンダ自身も想定していないという。

    そのため、40~50馬力向上という数字は現実的ではなく、パドックで独り歩きしている噂に過ぎないとの見方が有力だ。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダ首脳「奇跡は存在しない」
    ホンダF1のチーフエンジニアを務める折原慎太郎は、夏休み明けに投入される進化版について「改善幅は控えめになる」と繰り返し説明している。

    今回のアップデートは2027年型エンジン開発へ向けた第一歩という位置付けだ。

    燃焼技術ではメルセデスやレッドブル・フォードが採用している考え方を取り入れ、2027年以降の改良型エンジン、さらに2027年・2028年に予定されるレギュレーション変更への対応を見据えた基盤づくりが主な狙いとなる。

    来季以降は燃料流量の増加やハイブリッド出力比率の変更も予定されており、その変化を見据えた長期的な開発が進められている。

    折原は「奇跡は存在しない」と何度も強調しており、短期間で劇的に勢力図を書き換えるような性能向上にはならないとの認識を示している。

    まずは中団最後尾との差を縮めることが現実的な目標
    アストンマーティン・ホンダF1は、2026年シーズンを通してトップ争いから約2秒遅れという厳しい状況に置かれてきた。

    そのため、新PUとBスペックシャシーによる目標は、いきなりトップチームに迫ることではない。

    まずはウィリアムズやハースが位置する中団後方グループとの差を縮め、互角に戦えるレベルまで到達することが現実的な目標となる。

    もしそれを達成し、さらに上回ることができれば、現在の戦力差を考えれば十分に成功と評価できるだろう。

    現時点で40~50馬力向上による大逆転を期待するのは現実的ではなく、ホンダも着実な積み重ねによって競争力を高めていく姿勢を崩していない。

    アストンマーティン・ホンダF1はオランダGPで新PUとBスペックマシンを投入する予定だが、ホンダ首脳は性能向上は限定的との見方を示している。まずはウィリアムズやハースと互角に戦えるレベルまで戦闘力を引き上げることが現実的な目標であり、今回のアップデートは2027年以降を見据えた開発の第一歩として位置付けられている。

    【関連】
    ・アストンマーティン・ホンダF1 コストキャップがアップグレード計画に制約

  • デイモン・ヒルがアロンソに猛反論「フェルスタッペン最高説はナンセンス」

    デイモン・ヒルがアロンソに猛反論「フェルスタッペン最高説はナンセンス」

    フェルナンド・アロンソのマックス・フェルスタッペン評を巡り、1996年F1王者デイモン・ヒルが真っ向から反論した。アロンソが「現時点でもグリッド最高のドライバー」と評価したことに対し、ヒルは「まったくのナンセンスだ」と一蹴し、両者の見解の違いが注目を集めている。

    一方、元ハースF1代表のギュンター・シュタイナーは、メルセデス移籍が噂されるフェルスタッペンについて「今となってはチャンスを逃したことを後悔しているはずだ」と持論を展開。

    レッドブル・レーシングで苦戦する王者を巡り、F1界からさまざまな意見が飛び交っている。

    アロンソ「フェルスタッペンは今もF1最高のドライバー」
    2026年シーズンは新レギュレーションへの移行により、レッドブル・レーシングは苦戦を強いられている。4年連続でF1王座を獲得したマックス・フェルスタッペンもマシン性能に苦しみ、シーズン3分の1を終えた時点でドライバーズランキング7位に低迷。表彰台も2回にとどまっている。

    それでもフェルナンド・アロンソは、フェルスタッペンの実力を疑っていない。

    「マックス・フェルスタッペンはグリッドで最高のドライバーだ。今年はランキング5位か6位で終わることになるかもしれない」

    「その意味ではF1は少し不公平なのかもしれない。でも、理解したくない人たちに説明しても時間の無駄だ」

    アロンソは、現在の順位はマシン性能を反映したものであり、フェルスタッペン自身の能力を示すものではないとの考えを示した。

    デイモン・ヒルがSNSで真っ向から反論
    しかし、この発言に異を唱えたのが1996年F1ワールドチャンピオンのデイモン・ヒルだった。

    ヒルはSNSでアロンソのコメントを引用し、次のように投稿した。

    「まったくのナンセンスだ! この件についてはフェルナンド・アロンソ(FA)の意見に強く反対する」

    ヒルは理由までは詳しく説明していないものの、アロンソが断言した「フェルスタッペンが現役最高のドライバー」という評価には賛同できないとの姿勢を明確に示した。

    フェルナンド・アロンソとマックス・フェルスタッペン

    シュタイナー「メルセデス移籍の機会はもう失われた」
    一方、フェルスタッペンの将来についても議論が続いている。

    元ハースF1代表のギュンター・シュタイナーは、フェルスタッペンがメルセデスへ移籍する絶好のタイミングを逃したとの見方を示した。

    シュタイナーによると、メルセデスがジョージ・ラッセルとの契約交渉を進めていた時期には、フェルスタッペンを獲得候補として検討する余地があった。しかし、新レギュレーションの行方を見極めようと判断を先送りした結果、その機会は失われたという。

    現在のメルセデスはラッセルとキミ・アントネッリというラインアップに大きな信頼を寄せており、フェルスタッペンを獲得するにははるかに高額な契約が必要になるだけでなく、チーム内のバランスを崩すリスクもあるとシュタイナーは指摘した。

    さらに、フェルスタッペンのこれまでの振る舞いはメルセデスのチーム文化には必ずしも適合せず、他チームで許容されてきたようなスタイルをメルセデスが受け入れるとは考えにくいとの見解も示している。

    アロンソが「現役最高」と断言したフェルスタッペンに対し、ヒルはその評価を真っ向から否定。一方でシュタイナーは、レッドブル・レーシングで苦戦する現状に加え、移籍市場でも選択肢が狭まりつつあるとの見方を示しており、4度の世界王者を巡る議論は今後も続きそうだ。

    【関連】
    ・フェルナンド・アロンソ F1ベルギーGPで警鐘「F2より遅くなる」

  • ヨス・フェルスタッペンに誤算?ホーナー更迭から1年で深まるレッドブルF1の亀裂

    ヨス・フェルスタッペンに誤算?ホーナー更迭から1年で深まるレッドブルF1の亀裂

    クリスチャン・ホーナーがレッドブルF1のチーム代表を退任してから1年。マックス・フェルスタッペン陣営は更迭への関与を否定しているが、現在のチーム内の状況は、当時ホーナー退任を強く求めていた父ヨス・フェルスタッペンにとっても想定外だった可能性がある。

    新代表ローラン・メキース体制の下でも、マックス・フェルスタッペンの去就を巡る不透明感は解消されておらず、むしろレッドブル首脳部との対立は以前より深まっているとの見方が浮上している。

    ホーナー退任後も続くフェルスタッペン陣営との対立
    マックス・フェルスタッペン陣営は、昨年7月のクリスチャン・ホーナー更迭に関与したとの見方を否定している。しかし、その直前のシルバーストンでは、父ヨス・フェルスタッペンがレッドブルのガレージ内でホーナーと激しく口論したと報じられ、これがホーナーにとって最後のグランプリとなった。

    その後、ローラン・メキースがチーム代表に就任すると、ヨス・フェルスタッペンはチームの「友好的な雰囲気」を評価していた。マックス・フェルスタッペンも一時はタイトル争いに復帰し、新体制は順調なスタートを切ったように見えた。

    しかし2026年シーズンは状況が一変した。

    レッドブルは新型パワーユニット開発の影響で苦戦を予想していたが、実際にはRB22自体の競争力不足が大きな問題となった。オーストリアGPで軽量化アップデートが投入されるまでは大幅な重量超過にも悩まされ、マックス・フェルスタッペンは開幕9戦で76ポイントしか獲得できずランキング7位に低迷している。

    月末以降には成績条項による契約解除オプションを行使できる立場となる一方で、レッドブル首脳部は残留を公表するよう説得を続けていると報じられている。

    オーストリア本社との関係悪化
    ジャーナリストのダニエル・モクソンは『Pit Lane Torque』ポッドキャストで、ホーナー退任後の組織体制の変化が現在の対立を生んでいると分析した。

    「両者の関係は確実に悪化している」

    「問題はローラン・メキースとの関係というより、クリスチャン・ホーナー時代よりも深くチーム運営に関与するようになったオーストリア本社首脳との関係だ」

    「ホーナーはチーム運営を比較的自由に任されていた。しかし彼が退任した大きな理由の一つは、新しいオーストリア側の経営陣がより強い影響力を持ちたいと考えたからだった」

    モクソンによれば、ホーナー体制でも内部対立は存在したが、現在のようにフェルスタッペン陣営を否定的に描く情報が外部へ流れることはほとんどなかったという。

    ホーナー時代とは異なるレッドブルの姿勢
    さらにモクソンは、ヨス・フェルスタッペンについて「非常に押しの強い人物」であり、「息子のためなら波風を立てることもいとわない人物」と評している。

    ヨス・フェルスタッペンはホーナー退任によってチーム内がより調和の取れた環境になると考えていた可能性がある。しかし実際には、レッドブル本社を率いるオーストリア首脳部はより強硬な姿勢を取るようになった。

    ホーナーは時としてマックス・フェルスタッペンをチームと同等の存在として扱ってきたが、共同オーナーのマーク・マテシッツら経営陣はその考え方を共有していないとされる。

    また、一部報道では49%の共同オーナーであるマーク・マテシッツが、長期化するフェルスタッペンを巡る騒動に嫌気が差し、チーム離脱を望んでいるとの情報も伝えられている。

    一方で、ローラン・メキースは現時点で両者の対立を仲裁できておらず、チームとエースドライバーの溝はホーナー時代以上に深まっているとの見方が強まっている。

  • F1の独立系カスタマーエンジン構想にゲイリー・アンダーソンが警鐘「失敗する」

    F1の独立系カスタマーエンジン構想にゲイリー・アンダーソンが警鐘「失敗する」

    FIAが2031年以降の次世代F1エンジン規則として検討を進める「独立系メーカーによるカスタマーエンジン」構想について、元F1テクニカルディレクターのゲイリー・アンダーソンが「過去にも失敗したアイデアであり、今回もうまくいかない」と厳しく批判した。

    アンダーソンはV8エンジンへの回帰や車両軽量化には賛成の立場を示す一方で、メーカー製パワーユニットと独立系カスタマーエンジンを共存させる構想はF1を「持つ者」と「持たざる者」に二分しかねないと警告。

    独立系メーカーを活用するのであれば、別の形で制度設計すべきだと提案している。

    カスタマーエンジン構想は「過去にも失敗した」
    アンダーソンは、FIA会長モハメド・ビン・スライエムが提唱したカスタマーエンジン構想について、「一見すると理にかなっているように思えるが、実際には数多くの問題を抱えている」と指摘した。

    「権限を持つ人物が思いつきのような発言をすると、『口を開く前によく考えろ』という言葉を思い出す」

    そう切り出したアンダーソンは、将来的なV8エンジン導入には賛成の立場を示した。

    「将来のV8エンジン規則には全面的に賛成だ。追い抜き補助程度のシンプルな電動回生システムを組み合わせれば、F1が失った迫力あるサウンドも戻ってくる。DRSやアクティブエアロに頼る必要もなくなるだろう」

    さらに100kg近い軽量化という目標にも前向きな見解を示した。

    「100kg減は少し野心的かもしれないが、各チームの設計陣なら十分に挑戦できるはずだ」

    しかし、その一方でメーカー製PUと並行して独立系カスタマーエンジンを導入する構想については、「極めて大きな方向転換」であり、慎重な議論なしに進めるべきではないと主張した。

    2010年にも似た構想は頓挫
    アンダーソンは過去のF1でも同様の試みが存在したと振り返る。

    2010~2012年に向けて、全チーム共通の標準エンジンとギアボックスを導入するための入札が実施されたが、最終的には実現しなかった。

    「私は十分長くF1に関わってきた。この話は以前にも見てきた。そしてその時もうまくいかなかった。今回もうまくいかないだろう」

    さらに1970年代のF1を例に挙げ、当時はフェラーリやBRM以外の大半がコスワースDFVエンジンを使用していたことを紹介。しかし、その後メーカー参入が進むにつれてプライベーターは姿を消し、コスワースも2013年のマルシャを最後にF1から撤退したと説明した。

    一方で、BMWやトヨタ、プジョー、ホンダなど多くのメーカーが経営判断ひとつでF1から撤退してきた歴史も忘れてはならないと指摘している。

    現在のPU問題は「99%がFIAの責任」
    アンダーソンは現在の複雑なハイブリッドPUそのものについても厳しい見方を示した。

    「現在抱えているパワーユニットの問題は99%がFIAによって生み出されたものだ。規則を書いたのはFIAであり、残り1%はメーカー側の要望だろう」

    2014年のハイブリッド導入時にも反対意見は多く、2026年規則についてもエネルギー回生と放出バランスに問題があるという指摘が繰り返されてきたが、それらは聞き入れられなかったという。

    F1 エンジン

    「持つ者」と「持たざる者」に分かれる危険性
    アンダーソンは、安価な独立系エンジンが導入されればチーム間格差を固定化する危険があると警告した。

    「低価格で独立メーカー製エンジンを認めれば、F1はすぐに『持つ者』と『持たざる者』の選手権になる」

    メーカー系チームが顧客チームを支配しているという懸念についても否定的だ。

    「メーカーの言うことを聞かなければ不利な扱いを受けると考えるチームもあるが、それは被害妄想だ。まず自分たちのパッケージを最大限活用すべきであり、他人のせいにするべきではない」

    一方で、メーカー側がカスタマーエンジンの性能を意図的に低く抑えるよう圧力をかけることは避けられないとも予想する。

    「メーカーは莫大な資金を投じている。安価なエンジンに負けることを望むはずがない」

    結果として、コストキャップや空力テスト制限など近年進められてきた戦力均衡策とも矛盾すると指摘した。

    独立系メーカーは参入可能にすべき
    アンダーソンは、独立系メーカーの参入自体には反対していない。

    その代わり、FIAとリバティ・メディア、既存PUメーカー、独立系エンジンメーカーが共同で、よりシンプルな次世代エンジン規則を策定すべきだと提案する。

    また、シーズン供給価格には上限を設け、独立系メーカーが自由にエンジンを開発・販売できる環境を整えるべきだと述べた。

    さらに各メーカーには最低2チーム、最大3チームへの供給を義務付ければ、現在のメーカー数だけでも10~15チーム分の供給能力を確保できると試算している。

    現状では、

    メルセデス:4チーム
    フェラーリ:3チーム
    レッドブル:2チーム
    ホンダ:1チーム
    アウディ:1チーム

    という供給体制になっており、このバランスを見直すだけでも外部サプライヤーを必要としない体制が構築できるという考えだ。

    V6自然吸気という代替案も提示
    アンダーソンはV8だけが選択肢ではないとも主張する。

    「FIAはV8だけでなく、大排気量の自然吸気V6も検討すべきだ」

    2.4リッター自然吸気V6なら、ファンが求める出力とサウンドを十分実現できると説明した。

    また、ターボチャージャーは排気音を大きく抑えてしまうため、FIA会長が「ターボはサイレンサーのようなもの」と語った点にも同意している。

    ハイブリッドは追い抜き専用に
    最後にアンダーソンは、ハイブリッドシステムを完全に廃止するのではなく、役割を限定する案も提示した。

    回生は現行同様にブレーキング時のみ行い、蓄えた電力は前車の1秒以内でホームストレートを通過した場合のみ使用可能とする。

    例えば4MJの電力を1周の中で自由に使い切り、使用しなければリセットされる方式なら、現在のDRSより自然な追い抜き支援になるという。

    「人工的ではある。しかし、これまで導入された追い抜きシステムの中では最も人工的ではない方法だ」

    アンダーソンは、F1にはさまざまな改善案が存在するものの、それらが十分に耳を傾けられてこなかったことを最後に嘆いた。

    今回の提言では、独立系エンジンメーカーの存在そのものを否定するのではなく、FIAが検討する「安価なカスタマーエンジン」という構想ではチーム間格差を助長すると警鐘を鳴らした。V8あるいは自然吸気V6を軸としたシンプルな規則と、公平な供給体制の構築こそが、F1の将来に必要だと訴えている。

  • マックス・フェルスタッペン F1移籍先が縮小 ウェバーがマクラーレン加入説を否定

    マックス・フェルスタッペン F1移籍先が縮小 ウェバーがマクラーレン加入説を否定

    マックス・フェルスタッペンの2027年に向けた選択肢が狭まりつつある。イギリスGP後に浮上したマクラーレン移籍説について、オスカー・ピアストリのマネジャーを務めるマーク・ウェバーが明確に否定したためだ。

    レッドブル・レーシングではマシンの信頼性や戦略を巡る不満が表面化し、フェルスタッペンの契約解除条項にも改めて注目が集まっている。しかし、メルセデスとマクラーレンの双方に受け入れ態勢があるかは不透明であり、残留が最も現実的との見方も強まっている。

    ウェバーがピアストリのマクラーレン離脱説を一蹴
    イギリスGP後には、ピアストリがマクラーレンとの契約から抜け出す方法を探しており、その空席にフェルスタッペンが収まる可能性があるとの報道が出ていた。

    しかし、ピアストリのマネジャーであるウェバーは、その見方を明確に否定した。

    「オスカーは今後しばらくマクラーレンとの契約下にある。彼が退団を求めて動いているという話はナンセンスだ」

    ピアストリ自身もBBCのインタビューで、フェルスタッペンのマクラーレン加入説について質問されると、同様の姿勢を示した。

    「僕にとっては、自分の仕事に集中することが一番大切だ」

    「僕はこれからもしばらくここにいると分かっているし、チームが僕に満足していることも分かっている。僕もチームに満足しているし、関係も良好だ」

    「だから僕にとっては、ただの雑音だ。僕が対処することではない」

    ピアストリとマクラーレンの関係が安定しているのであれば、フェルスタッペンを迎えるために現在のドライバー体制を崩す可能性は低くなる。

    レッドブルの混乱で契約解除条項に再び注目
    フェルスタッペンの将来を巡る不透明感は、シルバーストンでさらに強まった。

    フェルスタッペンはイギリスGPで再びリアウイングのトラブルに見舞われ、レッドブルの対応を公然と批判した。さらに、レース戦略を巡ってチームと意見が食い違ったとも報じられている。

    元F1ドライバーのティモ・グロックは、レッドブルが独自パワーユニットを開発するマニュファクチャラーになったことで、フェルスタッペンの契約解除条項がより重要になったと考えている。

    「新しいエンジン規則が導入され、レッドブルがマニュファクチャラーになったことで、物事がうまくいかなかった場合に離脱できるよう、契約解除条項には以前より多くの条件が盛り込まれているのは明らかだ」

    「誰もが、存在するとされる契約解除条項について話している。問題は、彼にどんな代替案があるのかということだ」

    フェルスタッペンの父ヨス・フェルスタッペンとマネジャーのレイモンド・フェルミューレンは、イギリスGP後にアムステルダムで、元レッドブル顧問のヘルムート・マルコと面会している。

    フェルスタッペン陣営が、チーム内でマルコが持っていた影響力を失ったことを惜しんでいるとの見方も出ている。

    経験豊富な人材流出がレッドブル低迷の要因
    グロックは、現在のレッドブルの低迷を特定の一人だけの責任にすることはできないと指摘した。

    「ヘルムート・マルコは、ある程度チームを成功へ導き、適切な人材を配置した人物だった」

    「今では、その人たちは全員いなくなっている。これは組織再編が進んでいることを示しているし、あれほどの経験を持つ人材を簡単に置き換えることはできない」

    レッドブルでは近年、長年チームを支えた主要スタッフの離脱が相次いだ。加えて、2026年からはレッドブル・フォード・パワートレインズによる独自PUプロジェクトも始まり、車体とエンジンの両面で大規模な変革を進めている。

    フェルスタッペンにとっては、チームの将来的な競争力をどこまで信頼できるかが、残留を判断するうえで重要な要素となる。

    メルセデス移籍はアントネッリの活躍が障壁
    元F1ドライバーのクリスチャン・ダナーは、フェルスタッペンがレッドブルを離れる可能性は低いとみている。

    「トト・ヴォルフが、自分の秘蔵っ子であるアントネッリとマックス・フェルスタッペンを組ませるとは、どうしても想像できない」

    「残るのはマクラーレンだ。しかし、現在チームは苦戦している」

    「率直に言えば、彼は今の立場にとどまり、物事をうまく機能させようとすると思う。今後3カ月で、どちらへ向かうのかが分かるだろう」

    メルセデスでは、キミ・アントネッリが2026年のタイトル争いをリードしており、ジョージ・ラッセルとのコンビも機能している。

    元F1ドライバーのクリスチャン・アルバースも、アントネッリが現在のパフォーマンスを維持する限り、メルセデスがフェルスタッペンを獲得する理由は少ないと考えている。

    「キミ・アントネッリがこの調子を維持し、ラッセルよりも大幅に速くなり続けるなら、トト・ヴォルフがさらに大きな買い物をする理由は見当たらない」

    フェルスタッペンを獲得するには高額な報酬だけでなく、チーム内の力関係やドライバー体制を根本から見直す必要がある。アントネッリを中心に将来を築こうとしているメルセデスにとって、それは大きな決断となる。

    ウェバーの市場調査とフェルスタッペンは無関係か
    一方でアルバースは、ウェバーが他チームの状況を調べているとしても、それをフェルスタッペンの移籍と直接結びつけるべきではないと語った。

    「もちろん、マーク・ウェバーはピアストリのために常に周囲を見ている。彼が離れる可能性もある。だが、それはマックスとは何の関係もない」

    「マークは常に市場を見ているし、マックスも同じだ」

    ドライバーとマネジメント側が市場の状況を確認すること自体は珍しくない。契約が存在していても、将来の交渉に備えて他チームの競争力や空席の可能性を把握しておくのは通常の動きである。

    現時点では、ピアストリのマクラーレン離脱を裏付ける明確な兆候はなく、メルセデスもアントネッリを中心とした体制を崩す理由に乏しい。フェルスタッペンがレッドブルの現状に不満を抱えていたとしても、実際に移籍できる有力な選択肢は限られており、少なくとも当面は残留してチームの立て直しを見極める可能性が高そうだ。

    【関連】
    ・マックス・フェルスタッペン レッドブルF1へ直訴か「エンジニアが話を聞かない」