投稿者: dbcheck

  • アウディF1は勝つために誕生 ビノット「ブランド変更だけでは勝てない」

    アウディF1は勝つために誕生 ビノット「ブランド変更だけでは勝てない」

    アウディF1プロジェクトを率いるマッティア・ビノットは、チームが将来的なタイトル獲得を目標に掲げる一方で、短期間で競争力を完成させることはできないと強調した。

    シャシー面ではすでに高いポテンシャルが確認されているものの、パワーユニット開発や人材、設備、組織体制の構築にはまだ時間が必要だという。

    フェラーリでチーム代表やパワーユニット部門の責任者を務めたビノットは、アウディの組織拡大、2026年F1パワーユニット規則、追加開発機会制度のADUO、圧縮比を巡る議論、次世代エンジン、ドライバー体制、イギリスの技術拠点、そして2030年までの長期目標について語った。

    アウディF1の拡張計画は予定どおり進行
    アウディは数年にわたる準備期間を経て、2026年からワークスチームとしてF1に参戦している。ビノットによると、現在の拡張計画は当初設定したスケジュールに沿って進められている。

    「順調だ。我々が定めた計画に沿って進んでおり、現時点までに設定していた目標に関しては、すべて予定どおりだ」

    「最も重要なプロジェクトはすべて始動している。もちろん、始動したからといって、すでに完成しているという意味ではない。まだ構築しなければならないものは多いが、すべて計画していたとおりに組み立てられている」

    アストンマーティンやウィリアムズのように、組織を拡大しているチームが一時的にパフォーマンス面で代償を払うケースもある。しかし、ビノットは他チームとの単純な比較を避け、アウディには独自の事情があると説明した。

    「他のチームとは比較したくない。僕が知っているのは我々のプロジェクトであり、他のチームの内情ではないからだ」

    「アウディは非常に明確な野心を持って生まれた。それは勝てるチームになることだ。その意味で、我々の道のりは特別なものになる」

    「短期的に何らかの代償を払っていると言うより、奇跡を期待することはできないと言った方が正しい」

    「ブランドとカラーを変えるだけでは勝てない」
    ビノットは、アウディという名称やワークス体制への移行だけで、組織の能力が即座に変わるわけではないと強調した。

    「必要な人材、ツール、スペースがすべてそろっていないのであれば、一日で並外れた結果を求めることはできない」

    「実際のところ、現在の我々は、昨年のザウバーに、今まさに構築しているものを追加している段階だ」

    「オーナーやブランド、マシンのカラーリングを変えたからといって、突然300人のスタッフが増え、新しい施設や優れたツールが手に入るわけではない。本当の挑戦はまさにそこにある」

    高い目標を掲げながら、現実的な成長速度も受け入れなければならない。それが現在のアウディが置かれている状況だという。

    「一方には非常に高い野心があり、もう一方では成長には時間がかかるという事実を受け入れる必要がある」

    「僕自身、できるだけ早く結果を出し、このチームに何ができるのかを示したいと思っている。しかし、短期的には、現在持っているリソースで可能なことしかできない」

    「忍耐強くならなければならないし、ある程度のフラストレーションを管理することも学ばなければならない」

    シャシーはトップ4級もパワーユニットは発展途上
    ビノットは以前、アウディのシャシーがF1でトップ4に入る水準にあるとの見方を示していた。一方、パワーユニットについては、参入初年度から一定の遅れが生じることを想定していたという。

    「パワーユニットに関しては驚いていない。完全に新しい能力と知識を構築しているため、ある程度の遅れを抱えてスタートすることは分かっていた」

    「これは長期的なプロジェクトだ。数シーズンのうちに、アウディがトップレベルのパワーユニットを手にすることになると確信している」

    対照的に、シャシー部門の進歩には大きな手応えを感じている。

    「シャシーについては非常に満足している。このプロジェクトの構築を数年前に始め、現在は最初の成果が見え始めている」

    「このチームがすでに成し遂げたことは大きな成功であり、自信を与えてくれる。勝てるチームをつくるために必要な人材がいることを意味している」

    現在のアウディが純粋な競争力で4番手なのか、5番手なのかを明確に判断することは難しい。それでも、コーナリング性能については他チームのドライバーからも高く評価されているという。

    「現在の競争力が4番手なのか5番手なのかを判断するのは難しい。しかし、他チームのドライバーのコメントを聞くだけでもいい。誰もが我々のマシンはコーナーで非常に強いと認めている」

    「データ分析でもそれは確認できる。ストレートで失っているものの大部分を、コーナーで取り戻すことができている」

    勝者のメンタリティとは組織文化
    ビノットはアウディ加入後、繰り返し「勝者のメンタリティ」の重要性を語ってきた。ただし、その言葉は精神論ではなく、組織の文化や人間関係、連携の質を意味している。

    「勝者のメンタリティという表現は頻繁に使われる。しかし、最終的には文化であり、人々がどのように一緒に働き、どのように関わり合うかということだ」

    「現在、シャシー部門とパワーユニット部門を合わせると、我々も他のF1トップチームと同じように1000人を超える組織になっている」

    規模が同程度になれば、最終的な差を生むのは人数ではなく、組織としての機能性になる。

    「最終的な違いを決めるのは、人間関係の質、部門間の調整、そして全員が同じ方向へ進む能力だ」

    「僕にとって勝者のメンタリティとは、全員に野心的な挑戦を受け入れてもらい、共通の目標に向かって一緒に働けるようにすることだ」

    ADUO本来の目的は後れたメーカーの救済
    ビノットはフェラーリ時代にエンジン部門を率いた経験を持つ。その立場から、2026年に導入されたパワーユニットの追加開発機会制度ADUOについても見解を示した。

    ADUOは、各パワーユニットメーカーの性能を一定期間ごとに評価し、基準を下回ったメーカーに追加の開発機会を与える制度である。

    「FIAが行った作業を疑問視するつもりはない。FIAには評価に必要なツールとデータがすべてそろっている。もちろん、どのような測定システムにも避けられない限界はある」

    「ただし、ADUOの本来の目的が何だったのかを思い出すことは重要だと思う」

    制度が最初に議論された段階では、新規則の導入直後に大きく出遅れたメーカーを救済するセーフティネットとして構想されていた。

    「最初にこの制度が議論されたとき、その考え方は一種のセーフティネットだった」

    「規則サイクルの序盤でメーカーが大きく後れた場合、規則が事実上凍結され、開発の可能性もほとんどない状況では、その不利を5年間にわたって抱え続ける危険がある」

    そのために導入されたのが、パワーユニット性能の収束を促す仕組みだった。

    「そこからパフォーマンス・コンバージェンスという概念が生まれた。後れたメーカーに、追いつくためのより大きな可能性を与えるものだ」

    「基本的にはシャシーや空力ですでに採用されている原則と同じだ。選手権で下位にいるチームには、より多くの風洞使用時間が与えられる」

    「同様に、パワーユニットで後れたメーカーには、他メーカーとの差を縮め、選手権をより均衡させるための追加開発機会が与えられる」

    アウディ F1

    コース上の性能だけでは実力を測れない
    ビノットが問題視しているのは、ADUOの評価が実際にコース上で発揮されたパフォーマンスを中心に行われる点だ。

    総合的に優れたマシンを持つチームは、パワーユニットを常に最大出力で使用する必要がない可能性がある。その場合、本来は高いポテンシャルを持つパワーユニットでも、評価上は性能が低く見える恐れがある。

    「僕の考えでは、限界はコース上で発揮されたパフォーマンスだけを測定していることだ」

    「マシン全体に優位性があれば、パワーユニットのポテンシャルを完全に引き出さずに走ることができる」

    「例えば、メルセデスがより高いポテンシャルを持つエンジンを持っていたとしても、マシンによる優位性があれば、限界まで使う必要がなかった可能性がある」

    「仮にそうであれば、追加の開発マージンまで得られた可能性がある」

    ビノットは、パワーユニットの本当の能力をより正確に評価できるよう、制度を再検討する必要があると主張する。

    「その点で規則を見直す必要があると思う」

    「ADUOの本来の意図は、本当に後れたメーカーを助けることだった。パワーユニットの実際のポテンシャルを評価することが難しくなるような状況を生み出すことではない」

    圧縮比のグレーゾーンは2027年規則で明確化
    2026年のF1では、パワーユニットの圧縮比を巡る規則解釈も議論の対象になった。ビノットによると、この論争が以前ほど大きく取り上げられなくなったのは、2027年に向けた規則変更について合意が形成されたためだ。

    「最終的に規則変更について合意したため、議論は少し落ち着いた」

    「今年中の対応も予定されていたが、本当に重要な変更は2027年に関するものだ。そのため、この問題はある意味で沈静化した」

    技術者、メーカー、チームの間では、2027年から圧縮比に関する規則上のグレーゾーンが明確化されるとの共通認識がある。

    「技術者、メーカー、チームは、グレーゾーンを明確にする規則上の目標があることを理解している」

    「圧縮比が技術的なアドバンテージになり得ることは明らかだ。しかし、2027年からは規則がこの領域をより明確に扱うことも分かっている」

    「それまでの間、現在アドバンテージを持っているメーカーは、当然ながら2026年もそれを最大限に活用しようとするだろう」

    次世代F1エンジンでアウディは効率を重視
    F1ではすでに、2030年代に導入する可能性がある次世代パワーユニットについて議論が始まりつつある。自然吸気V8を支持する案がある一方、アウディはターボを維持する方向を望んでいるとも伝えられている。

    ただし、ビノットは現時点で正式な議論は始まっていないと説明した。

    「現在はまだ正式な議論が存在していない」

    「まずアウディは、FIAや他のメーカーと同じテーブルに着き、どのような選択肢があるのかを理解したい。そして、全員で最善のフォーマットをつくることに貢献したい」

    「何が最善の解決策なのか。それこそが、これから議論すべきテーマだ」

    アウディが重視しているのは、パワーユニットの効率と市販車への技術移転である。

    「アウディは常に効率の重要性を支持してきた」

    「高効率なエンジンを実現する技術は、その後、市販車にも応用される。効率について話すとき、それは燃料消費、排出量、モータースポーツと量産車の間の技術移転を意味する」

    一方で、現行パワーユニットの複雑さや重量、コストは、次世代規則で改善すべき課題になる。

    「本当の挑戦は、高い効率を維持しながら、より複雑ではなく、より軽く、持続可能なコストで運用できるF1エンジンをどのように設計するかを理解することだ」

    FIAとメーカーの双方が必要
    2026年の新パワーユニット規則は、導入初期にメーカー間の性能差や複数の技術論争を生んだ。こうした経験が次の規則策定に影響する可能性について、ビノットはFIAが議論を主導すべきだと述べた。

    「規制当局であるFIAには、この議論を導く役割があると思う」

    「F1にはメーカーが必要であり、メーカーにもF1が必要だ」

    「最終的には、これまでと同じように、単なる妥協ではなく、全員にとって可能な限り最善の解決策を見つけなければならない」

    ヒュルケンベルグとボルトレトを高く評価
    アウディは経験豊富なニコ・ヒュルケンベルグと若手のガブリエル・ボルトレトを起用している。両者は2027年も残留する可能性が高いとみられている。

    ただし、ビノットは2人を単純に「若手とベテラン」の組み合わせとして見るべきではないと語った。

    「このコンビは、若手とベテランの組み合わせとして表現されることが多い。しかし、僕は非常に速い2人のドライバーだと表現したい」

    「年齢よりも先に、僕にとって重要なのは速さだ」

    「若手と経験豊富なドライバーをそろえていても、競争力がなければ意味はない」

    「僕には非常に速い2人のドライバーがいると思っている。それには満足している。2人とも自分たちの価値を示しており、非常に良い仕事をしている」

    フェラーリとアウディで責任の重さは変わらない
    ビノットは長年、フェラーリで大きなプレッシャーの中に置かれてきた。現在は世界有数の自動車グループを背景に持つアウディのF1プロジェクトを率いているが、責任から生じるプレッシャーの本質は変わらないという。

    「プレッシャーは常に責任と結びついていると思う」

    「ブランドに対する責任、結果に対する責任、一緒に働く人々に対する責任がある」

    「その観点では、フェラーリとアウディで大きく変わることはない」

    プレッシャーへの向き合い方は人によって異なる。ビノットは外部の報道から距離を取り、組織の仕事に集中する方法を選んでいる。

    「それぞれが自分なりの方法でプレッシャーを管理している」

    「僕は単純に、ジャーナリストの記事をあまり読まず、やらなければならない仕事に集中するようにしている」

    技術論争もF1の競争の一部
    2026年シーズンは、ADUO、圧縮比、規則解釈を巡る論争が相次いだ。ビノットは、こうした話題がメディアによって増幅されているだけではなく、実際の技術競争が背景にあると指摘する。

    「現在の競争は、あらゆる分野で行われている」

    「コース上で競争するだけでなく、技術面や規則面でも競争している」

    「今年のように、シャシーとパワーユニットの両方で完全に新しい規則が導入されれば、全員があらゆる細部や解釈の可能性を利用しようとするのは避けられない」

    論争が生じるのは、それだけ各チームやメーカーが技術的、スポーツ的に激しく競っている証拠でもある。

    「論争が起きるのは自然なことだ。しかし、それは本当の技術的、スポーツ的な戦いが存在しているからだ」

    「最終的には、それもポジティブな側面だと思う」

    ビノットが特に驚いたのは、大幅な規則変更が行われたにもかかわらず、シーズン序盤から複数のチームが上位争いに加わっていることだった。

    「過去とは大きく異なる規則が導入されたにもかかわらず、わずか数戦の段階ですでに多くのチームがポールポジションや優勝を争えていることには驚いた」

    「見ていて素晴らしいスペクタクルだ」

    イギリス拠点は人材獲得のための技術アンテナ
    アウディはスイスのヒンウィルをシャシー部門の中心拠点としながら、イギリスにもサテライト拠点を設置している。

    ビノットによると、イギリス拠点の主な目的は、F1関連企業や人材が集中する地域で、新たな技術者を採用しやすくすることにある。

    「我々のシャシー拠点はスイスにあり、それは長所であると同時に短所でもある」

    「一度スイスに人材を呼び込むことができれば、その人が離れることは少ない。非常に安定しており、生活の質も高い」

    「一方で、地理的な位置によって、新しい人材を引きつけることはより難しくなる」

    イギリスのモータースポーツ産業に近い場所へ拠点を置くことで、人材や技術情報へのアクセスを改善できる。

    「イギリスに一種の技術アンテナを置くことで、専門知識や技術により近づき、優秀な人材を見つけやすくなる」

    2030年にF1タイトルを争えるチームへ
    アウディの長期目標は、2026年や2027年の短期的な成績だけを基準に設定されているわけではない。ビノットは2030年を重要な基準として挙げた。

    「実際には、2026年や2027年よりもはるか先を見据えた目標を定めている」

    「我々の基準は2030年だ。選手権を争えるチームをつくりたい」

    2030年までの道のりには、いくつかの重要な段階がある。ビノットは、そのひとつが2028年になるとの見通しを示した。

    「この道のりの中には、重要なステップがあることも理解している」

    「我々にとって最初の大きな段階は、おそらく2028年になる。そこで、さらに大きな質的進歩を遂げたい」

    そのため、2026年と2027年は、純粋なレース結果だけで評価するシーズンではなく、組織を構築する期間として位置づけられている。

    「2026年と2027年は、スポーツ面の結果だけで判断される年というより、主に構築の年だと考えている」

    「この段階で僕が最も見たいのは、会社と組織が成長していることだ」

    サーキットの約100人を1400人が支える
    グランプリの現場で働くスタッフは、アウディF1プロジェクト全体の一部にすぎない。ビノットによると、シャシーとパワーユニットを合わせた組織全体では約1400人が働いている。

    「サーキットで働いているのは100人強だが、その背後では、シャシーとパワーユニットを合わせて約1400人が毎日働いている」

    「多くの場合、人々が見ているのはサーキットへ行くチームだけだ。しかし、それはプロジェクトの目に見える部分にすぎない」

    ビノットはレース結果をケーキの上に載せる飾りに例え、まずはそれを支える組織を完成させなければならないと説明した。

    「サーキットはケーキの上の飾りだ。しかし、その前にケーキそのものをつくらなければならない」

    「僕にとって、今後2年間で最も重要な成果は、組織の成長に関するものになる」

    アウディは勝利とF1タイトルを最終目標に掲げているが、ビノットはブランド変更だけでその目標に到達できるとは考えていない。2026年と2027年を組織構築の期間、2028年を次の成長段階と位置づけ、2030年に選手権を争える体制を完成させることが、アウディF1プロジェクトの長期的な道筋となっている。

  • ヘルムート・マルコ フェルスタッペン陣営との会談報道を否定「毎年の恒例訪問」

    ヘルムート・マルコ フェルスタッペン陣営との会談報道を否定「毎年の恒例訪問」

    マックス・フェルスタッペンの将来を巡る憶測が続くなか、レッドブルのアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが、先週アムステルダムでフェルスタッペン陣営と会談した理由について説明した。

    父ヨス・フェルスタッペン氏やマネジャーのレイモンド・フェルミューレン氏との面会は、2027年以降の去就協議ではないと強調し、「以前から予定されていた私的な訪問だった」と報道を否定している。

    アムステルダムでの会談は「毎年の恒例訪問」
    先週、ヘルムート・マルコがアムステルダムでヨス・フェルスタッペン氏、そしてマックス・フェルスタッペンのマネジャーを務めるレイモンド・フェルミューレン氏と会談している姿が目撃された。

    このタイミングは、フェルスタッペンのレッドブル残留に疑問符が付き、2027年以降の去就を巡る憶測が過熱している時期と重なったため、将来について重要な協議が行われたのではないかとの見方が広がった。

    しかし、83歳のマルコはオーストリア紙『Osterreich』に対し、特別な意味はなかったと説明した。

    「これは以前から予定されていた私的な訪問だった」

    「私は毎年一度、フェルスタッペン一家を訪れている。それにヨスの娘も結婚したからね」

    フェルスタッペンの将来を巡る憶測は継続
    マルコが説明した後も、フェルスタッペンの将来を巡る憶測は収まっていない。

    4度のF1ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンには、マクラーレンやアストンマーティンへの移籍説に加え、F1から一定期間離れる「サバティカル(休養)」の可能性まで取り沙汰されている。

    一方で、この一連の報道について、関係者はいずれもオーストリア紙の追加取材には応じなかったという。

    同紙は、パドック内では次のような見方も出ていると伝えている。

    「フェルスタッペンは単にレッドブルに圧力をかけたいだけで、実際にはチームを離れる意思はないという噂も流れている」

    「それでも、こうした一連の行動はチーム首脳陣を次第にいら立たせている。しかし、契約は来季末まで残っているため、この移籍騒動は今後もしばらく続く可能性がある」

    フェルスタッペン本人は依然として将来について明言しておらず、レッドブル残留か、それとも新天地への移籍かという議論は、2026年シーズン後半に向けてもF1最大の注目テーマの一つとなりそうだ。

  • レッドブルF1代表がハジャーを高評価「フェルスタッペンから多くを学んでいる」

    レッドブルF1代表がハジャーを高評価「フェルスタッペンから多くを学んでいる」

    アイザック・ハジャーはF1イギリスGPでフロントウイングのトラブルに見舞われ、上位争いのチャンスを逃した。しかし、レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、結果以上にハジャーの着実な成長を高く評価している。

    予選では現王者マックス・フェルスタッペンを上回る5番手を獲得し、決勝でも力強い走りを見せていたハジャー。マシントラブルによって結果は伸びなかったものの、メキースは「レースを重ねるたびに前進している」と手応えを語った。

    フロントウイングの損傷が上位進出を阻む
    シルバーストンではハジャーのマシンにフロントウイングの損傷が発生し、本来のペースを発揮できない状況となった。修理のために追加ピットストップを強いられ、順位を落とす結果となったが、メキースは内容そのものは非常に評価できる週末だったと振り返った。

    「レース中にアイザックのマシンでパフォーマンスの低下を確認した」

    「なぜウイングが損傷したのかはまだ分からないが、とても残念だった。その一方で、アイザックは非常に力強い週末を送ったと思う」

    「正直に言えば、彼はシーズン開幕からずっと良い仕事をしている。マシンの調子が良い週末でも悪い週末でも、自分自身の道を切り開き、経験やスキルの面でレースごとに成長を続けている」

    フェルスタッペンから学び続けるハジャー
    メキースは、ハジャーがフェルスタッペンの存在から大きな刺激を受けていることも明かした。

    「彼はマックスから多くを学んでいる。マシンを走らせるたびに新しいことを吸収しているし、今日も例外ではなかった」

    「彼自身も5位や4位で満足することはないし、我々も同じだ」

    「しかし大局的に見れば、彼はコースに出るたびに一歩前進している。それはシーズン後半に向けて非常にポジティブなことだ」

    実際、ウイング交換後にはラップタイムが改善しており、トラブルがなければさらに上位を狙えた可能性もあった。またレース序盤にはフェルスタッペンと接近戦を演じる場面もあり、自信を深めている様子もうかがえた。

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)

    フェルスタッペンと同じ課題を感じ取っている
    今季のRB22については、フェルスタッペンが一貫してバランス面への不満を口にしている一方、ハジャーは比較的冷静なコメントに終始している。

    しかしメキースは、2人の見解に違いはないと説明した。

    「マックスがマシンバランスに満足していないのは事実だ。彼は、このマシンにはもっと大きなポテンシャルがあり、現在抱えているバランスの問題を解決できれば、さらに良い結果を出せると考えている」

    「アイザックも同じようなバランス上の問題を感じ取っている。つまり、一方が『A』でもう一方が『B』と言っているわけではない。2人とも同じ課題を説明しているが、その表現の仕方が違うだけだ」

    「マックスはマシンの潜在能力を知っているからこそ、その理想像を踏まえて話している。一方でアイザックはまだF1で経験を積んでいる段階なので、そこまで踏み込んだ表現はしないのだろう」

    レッドブルが期待するルーキーの将来性
    フェルスタッペンは長年トップ争いを経験してきたことで、マシンが失っているパフォーマンスを敏感に感じ取ることができる。一方、ハジャーはその経験を積み重ねながら、世界王者の隣で着実に成長を続けている。

    シルバーストンではトラブルによって結果こそ伴わなかったが、レッドブルはハジャーのスピードだけでなく、フェルスタッペンから学びながら進化していく姿勢にも大きな期待を寄せている。メキースの言葉からも、チームが21歳のルーキーを将来の重要な戦力として高く評価していることが伝わってくる。

  • ランド・ノリス F1王者が認めたピアストリの実力「限界まで追い込まれた」

    ランド・ノリス F1王者が認めたピアストリの実力「限界まで追い込まれた」

    2025年のF1ワールドチャンピオンであるランド・ノリスは、これまでチームメイトとして戦ってきたすべてのドライバーから多くを学んできたと語り、現在マクラーレンでコンビを組むオスカー・ピアストリが自身を「限界まで追い込んだ」存在だと明かした。

    ノリスは2026年シーズン、タイトル争いには加われていないものの、マクラーレンのポテンシャルを最大限に引き出す安定した走りを披露している。そんな中、これまでのキャリアを振り返り、チームメイトとの経験が現在の自分を形作ったと語った。

    ノリス「すべてのチームメイトから学んだ」
    ランド・ノリスは、F1でコンビを組んできた歴代チームメイト全員が自身の成長に欠かせない存在だったと説明した。

    「僕のキャリアにおいて、すべてのチームメイトが重要な役割を果たしてくれた。なぜなら、常に何かを学べるからだ」

    「学ぶのは良いことだけじゃない。悪いことから学ぶこともある。それもより良いドライバーになるためのプロセスの一部なんだ」

    「本当に多くのドライバーから多くを学んできた。みんなが僕をより良いドライバーにしてくれたし、彼らには感謝するしかない」

    ピアストリがノリスを大きく成長させた
    ノリスは、マクラーレン加入当初にカルロス・サインツJr.、その後ダニエル・リカルドと組み、現在はオスカー・ピアストリとチームメイトになっている。

    その中でも、現在のピアストリとの戦いが最も自分を限界まで引き上げてくれたと笑顔で振り返った。

    「F1では最初の数年間はカルロス・サインツJr.、その後の2年間はダニエル・リカルドと組んだ。そして今はオスカーがいる」

    「彼は僕を信じられないくらい限界まで追い込んだ。正直、僕が望む以上にね」

    そう冗談交じりに語ったノリスだが、続けてその経験こそがF1で成功するために必要だったと強調した。

    「でも、それこそがF1では必要なことなんだ」

    「特に昨年の経験を通じて、僕はドライバーとしてだけでなく、人としてもずっと成長できた」

    王者となった今だからこそ見せる余裕
    2025年のタイトル争いでは大きなプレッシャーと向き合っていたノリスだが、世界王者となった現在は以前のようなユーモアあふれる姿を取り戻している。

    グッドウッドで公開されたマクラーレンのSNSコンテンツでも、ノリスはピアストリと軽妙なやり取りを繰り返しており、コース上では激しく競い合いながらも良好な関係を築いている様子がうかがえる。

    ノリスは、自身を限界まで高めてくれたライバルとしてピアストリへの敬意を隠さず、その切磋琢磨が自身を世界王者へと押し上げ、現在もなお成長を続ける原動力になっていると語った。

  • ラルフ・シューマッハ レッドブルF1のフェルスタッペン後任にベアマンを推す

    ラルフ・シューマッハ レッドブルF1のフェルスタッペン後任にベアマンを推す

    マックス・フェルスタッペンの去就を巡る憶測が続くなか、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハが、フェルスタッペン退団時のレッドブル・レーシングの後任候補としてオリバー・ベアマンの名前を挙げた。

    さらに、先週アムステルダムで行われたマックス・フェルスタッペン陣営とヘルムート・マルコの会談についても、マルコ復帰の話ではなく、フェルスタッペンの将来について協議した可能性が高いとの見方を示している。

    ベアマンが後任候補の筆頭と主張
    フェルスタッペンの将来を巡る憶測が続くなか、ラルフ・シューマッハはSky Deutschlandの取材で、仮にフェルスタッペンがレッドブル・レーシングを離脱した場合の後任候補について持論を展開した。

    「もし獲得できるのであれば、僕の第一候補はオリバー・ベアマンだ。もしチームがハジャーに全面的な信頼を置けないと考えているならね」

    また、もう一人の候補としてカルロス・サインツJr.の名前も挙げた。

    「その次はカルロス・サインツJr.だ。彼はいいドライバーだ。ただ唯一の問題は、まだワールドチャンピオン争いができることを証明していないことだ。それでもサインツJr.は素晴らしい仕事をしてきた」

    シューマッハはベアマンについて、トップチームで成功する資質を十分に備えていると高く評価している。

    「もしハミルトンがあと1年しか走らないのであれば、なぜフェラーリがあれほどの逸材を手放すのかという疑問が残る」

    ピアストリにも言及「今は完全に満足していない」
    レッドブル・レーシング移籍の噂が取り沙汰されているオスカー・ピアストリについても、シューマッハは見解を示した。

    「ピアストリはカルロス・サインツJr.と同じようなカテゴリーのドライバーだと思う。ただ彼は変わってしまった」

    その理由として、昨年のマクラーレン内部の状況が影響していると分析する。

    「昨年、チーム内の不協和音に少し苦しんでいたと思うし、チームメイトと同じマシンではないと感じていたことも助けにはならなかった」

    「その影響を受けた結果、今の彼は完全に満足しているようには見えない」

    一方で、シューマッハはフェルスタッペンに対し、移籍報道に振り回されるべきではないと警告した。

    「彼はその問題に飲み込まれないよう注意しなければならない」

    マルコとの会談は将来協議との見方
    先週、アムステルダムでヨス・フェルスタッペン、マネジャーのレイモンド・フェルミューレン、そしてヘルムート・マルコが会談したことも大きな話題となった。

    一部ではマルコのレッドブル復帰に向けた動きとの見方もあったが、シューマッハはこれを否定している。

    「それは想像できない」

    「彼は今の生活に比較的満足していると思う。もちろん簡単な決断ではなかっただろうが、今ではその状況を受け入れているはずだ」

    さらに、レッドブル・レーシングはすでにローラン・メキース体制へ移行しているとの認識を示した。

    「マルコ博士は経験豊富で素晴らしい人物だ。しかし、彼も若くはない」

    「すべてが変わった。今はメキースがいる。チームは新しい人材に賭けているのだと思う」

    ただし、フェルスタッペン陣営はマルコが果たしていた役割の大きさを改めて認識し始めているとも語った。

    「彼らはマルコが裏方で果たしていた役割を過小評価していたのだと思う」

    「3人で集まったことに意味がある」
    シューマッハは、今回の会談そのものに重要な意味があると指摘する。

    「もし会っていたのがヨスだけなら、『コーヒーでも飲みに行ったのだろう』で済ませていただろう」

    「しかし、父親だけでなくマネジャーもいて、それがアムステルダム、つまりオランダで行われたという点には別の意味がある」

    そのうえで、実際の議題はマルコ復帰ではなく、フェルスタッペンの将来についてだった可能性が高いと推測した。

    「おそらく今の状況をどう見ているのか意見を求めたのだろう」

    「ほかにチャンスはあるのか。レッドブルで今後どうすべきなのか。そのような相談だったと考えるほうが、私にはずっと可能性が高いように思える」

    フェルスタッペンの去就を巡る憶測は依然として収束していないが、シューマッハは後任候補の具体名だけでなく、マルコとの会談についても「将来を見据えた戦略会議だった可能性が高い」との見方を示し、今後の動向に注目が集まっている。

  • セルジオ・ペレス ルイス・ハミルトンのサーフィン動画を「AI100%」といじる

    セルジオ・ペレス ルイス・ハミルトンのサーフィン動画を「AI100%」といじる

    ルイス・ハミルトンがベルギーGP前の休暇中に公開したサーフィン動画に、キャデラックF1のセルジオ・ペレスがユーモアたっぷりのコメントを寄せた。

    見事な360度スピンを披露したハミルトンの映像には、交際中のキム・カーダシアンも歓声を上げており、SNSではその華麗なライディングだけでなく、ペレスとの軽妙なやり取りにも注目が集まっている。

    ペレス「AI100%」とジョーク
    ルイス・ハミルトンは、イギリスGPとベルギーGPの間の短いオフ期間を利用してサーフィンを楽しむ様子をSNSに投稿した。

    動画では波に乗りながら360度スピンを成功させ、そのパフォーマンスに近くのボートから見守っていた仲間たちが大歓声を送った。ボートには恋人のキム・カーダシアンも乗っており、思わず歓声を上げる姿も映っていた。

    この映像に反応したのが、かつてレッドブルでハミルトンと激しく戦ったセルジオ・ペレスだ。

    ペレスはコメント欄で、

    「AI100%」

    と冗談を投稿。あまりに出来過ぎた映像だと茶化した形だ。

    これに対しハミルトンも笑顔で応じ、笑い顔の絵文字を3つ返信。両者の軽妙なやり取りはファンの間でも話題となった。


    キム・カーダシアンとの交際も順調
    今回の休暇では、キム・カーダシアンも自身のSNSでハミルトンとのセルフィーを公開。子どもたちを交えた家族旅行の一コマとして投稿され、2人の関係が順調であることを印象づけた。

    カーダシアンは今季モナコGPで初めてF1パドックを訪れ、大きな注目を集めた。それ以前から交際の噂は続いていたが、モナコでの姿は2人の関係を事実上公のものと受け止められた。

    モナコGP後、ハミルトンも彼女の存在について語っている。

    「彼女が今週末ここに来て応援してくれたのは本当に素晴らしかった。友人たちも来てくれて、本当に多くの人に支えられている」

    「これ以上何と言えばいいのか分からないけど、良い人たちに囲まれ、支えてもらえるのは本当に素晴らしいことだ。彼女は毎日そうしてくれている」

    トト・ヴォルフ「恋人の存在も好調の一因」
    ハミルトンは今季、フェラーリ移籍初勝利をスペインGPで挙げるなど調子を上げている。

    この復調について、メルセデスF1代表だったトト・ヴォルフは、技術面だけでなく私生活の充実も要因の一つだと分析している。

    「努力の成果でもあるし、このマシンはグラウンドエフェクト初期の跳ねや極端な硬さがあった時代のクルマとは違う。より従来型の空力や車両特性に戻ってきている」

    「もちろんエンジンマネジメントは大きく変わったが、彼は力強く走っている」

    「チーム内でもレースエンジニアとの関係は良好に見える。テレビで表彰台に立つ彼の表情を見たが、本当に幸せそうだった」

    そして最後に笑いながらこう付け加えた。

    「恋人の存在も助けになっているのかもしれない。私自身もパートナーができて家庭が安定したことで助けられた。彼らもとても良い関係に見える」

    「感情面、私生活、そして仕事。そのすべてがうまく噛み合えば勝てるようになる」

    現在ハミルトンは2026年F1ドライバーズランキングで3位につけ、首位のアンドレア・キミ・アントネッリとの差は32ポイントとなっている。

    ハミルトンの華麗なサーフィン動画は、ペレスとのユーモラスなやり取りだけでなく、キム・カーダシアンとの充実したプライベートや、今季の好調ぶりを象徴する話題として大きな注目を集めている。

  • 角田裕毅 元パフォーマンスコーチの結婚式に出席 ケイナと参列

    角田裕毅 元パフォーマンスコーチの結婚式に出席 ケイナと参列

    角田裕毅が、自身の元パフォーマンスコーチであるマイケル・イタリアーノ氏の結婚式に出席したことが明らかになった。自身のInstagramストーリーでは、新郎新婦を祝福するメッセージとともに、結婚式で撮影した写真を公開した。

    公開された写真には、交際が噂されているケイナさんの姿もあり、二人がそろって結婚式に参列していたことがうかがえる。

    元パフォーマンスコーチの門出を祝福
    角田裕毅はInstagramストーリーで、「Very happy for Amanda and @michaelitaliano(アマンダとマイケル、本当におめでとう)」とのメッセージを添え、新郎新婦との記念写真を投稿した。

    マイケル・イタリアーノ氏は、角田裕毅のF1キャリア初期を支えた元パフォーマンスコーチとして知られる存在で、現在も交流が続いているようだ。

    角田裕毅とケイナ

    ケイナさんとの参列にも注目
    公開された写真には、ケイナさんも新郎新婦とともに写っており、さらに別のストーリーでは、会場内で撮影した二人のツーショットも公開された。

    この日の角田裕毅は、ネイビーのタキシードに白いシャツ、カマーバンドを合わせたクラシックな装いで参列。ケイナさんも淡いピンク系のドレスをまとい、二人のフォーマルな装いにも注目が集まった。

    今回の投稿は、元パフォーマンスコーチの人生の節目を祝福するとともに、ケイナさんと並んで結婚式に出席した様子を自身のSNSを通じて紹介したことで、多くのファンの関心を集めている。

    【関連】
    ・角田裕毅の名前がインディカー公式に登場 ディクソン後継候補の“サプライズ案”

  • キャデラックF1を支える16歳の逸材 シミュレーター開発で重要な役割

    キャデラックF1を支える16歳の逸材 シミュレーター開発で重要な役割

    2026年からF1に参戦しているキャデラックF1は、他チームにはない課題に直面している。実走データという蓄積がないなか、マシン開発の基盤となるシミュレーターの精度をゼロから構築しなければならないためだ。

    その舞台裏で重要な役割を担っているのが、わずか16歳のアメリカ人ドライバー、エイデン・プライスである。彼はノースカロライナ州シャーロットにあるGMのシミュレーター施設で、F1を含む複数カテゴリーのシミュレーター開発を支えている。

    シミュレーター開発は現代F1の生命線
    現代のF1では、シミュレーターはマシン開発に欠かせない存在となっている。CFD(数値流体解析)や風洞実験で設計したアップデートを検証し、実戦投入前に性能を確認する重要な工程を担っているためだ。

    その中でも最も重要なのが「相関性(コリレーション)」である。ファクトリーで構築したシミュレーションモデルが実際のサーキットで得られるデータと一致しなければ、開発そのものの精度が失われてしまう。

    2026年の新レギュレーションによって各チームは大幅な設計変更を行ったが、それでも既存チームには過去の膨大なデータという財産がある。それらを基準として新しいマシンの特性を予測し、モデルを改良していくことができる。

    しかし、キャデラックF1にはその基礎データが存在しない。完全な白紙の状態から技術的なデータベースを構築し、他チームが長年かけて築いてきた相関性を一から作り上げる必要がある。

    キャデラック F1 シミュレーター

    レースドライバーだけでは対応できない膨大な作業
    レースドライバーはグランプリやイベントなど多忙なスケジュールを抱えており、常にシミュレーター作業へ参加できるわけではない。

    そのため各チームは専任の開発ドライバーやリザーブドライバーを起用し、日常的なシミュレーター開発を任せている。

    例えばレッドブルではフォーミュラE王者ジェイク・デニスがシミュレーターを担当し、フェラーリにはWEC王者アントニオ・ジョビナッツィや、フォーミュラE経験者ノーマン・ナトが参加している。

    シミュレーター開発は、さまざまなカテゴリーで経験を積んだドライバーの知識が集まる専門分野となっている。

    キャデラックF1は大規模な開発体制を構築
    キャデラックF1のシミュレーターはアメリカ・シャーロットの拠点に設置されている。そのため物流面からもレースドライバーが頻繁に利用することは難しい。

    そこでチームは周冠宇、コルトン・ハータ、ピエトロ・フィッティパルディ、シモン・パジェノー、チャーリー・イーストウッドといった複数の開発・リザーブドライバーを起用している。

    しかし、彼らの多くは他カテゴリーでも現役として活動しているため、常時シミュレーター作業を担当できるわけではない。

    そこでGMが白羽の矢を立てたのが、16歳のエイデン・プライスだった。

    16歳のエイデン・プライスが担う役割
    プライスはアメリカ国内のレースシリーズへ参戦する一方、自宅にも本格的なシミュレーターを所有している。

    週前半にはGMの施設でシミュレーター開発を支援し、F1を含む複数カテゴリーのモデル精度向上に携わっている。

    F1チームが若手ドライバーをシミュレーター開発へ積極的に起用することは珍しくない。特にF2やF3の若手が経験を積むケースは多く、レッドブルがeスポーツ世界の第一人者ルディ・ファン・ビューレンを長年シミュレーター開発へ起用していたことも知られている。

    開発ドライバーを支える「準備役」
    プライスの役割は、マシン開発そのものを担当するというより、開発ドライバーが効率的に作業できるよう下準備を行うことにある。

    エンジニアと協力しながらタイヤモデルなど各種シミュレーションモデルを構築・比較し、基準となるラップタイムを刻みながらデータを収集する。

    そのタイムは開発ドライバーと大きく離れない精度が求められ、モデル構築の土台作りを担う重要な仕事となっている。

    シミュレーターは巨大な技術研究所
    シミュレーターは単にコックピットやモーション装置を組み合わせれば完成するものではない。

    実際には、現実のマシン挙動を忠実に再現するための膨大なソフトウェア開発や物理モデルの構築こそが中核となる。

    セットアップ開発やレース週末の作業では経験豊富なドライバーがシミュレーター上で実際のトラブルを再現し、改善策を探る。一方で、その土台にはプライスのような若い開発担当者による地道なモデル構築作業がある。

    キャデラックF1のシミュレーターには、多様な専門家が関わる一つの技術研究所とも言える体制が築かれており、その中で16歳のエイデン・プライスは将来有望な存在として重要な役割を果たしている。

  • F1ドイツGP復活にシュタイナー提言「政治と自動車業界の支援が不可欠」

    F1ドイツGP復活にシュタイナー提言「政治と自動車業界の支援が不可欠」

    ギュンター・シュタイナーは、ドイツがF1カレンダーに復帰するためには、政治と自動車業界の強力な後押しが不可欠だとの考えを示した。現在のドイツには、そのプロジェクトを推進する中心人物が不在であることが最大の課題だと指摘している。

    ドイツでは、ニュルブルクリンクで新型コロナ禍の影響を受けて開催された2020年のアイフェルGPを最後に、F1世界選手権は開催されていない。かつてヨーロッパ有数の開催国だったドイツだが、復活への道筋はいまだ見えていない。

    政治と業界の全面支援が必要
    シュタイナーはドイツ紙『Bild』の取材に対し、F1開催には政府と産業界の協力が欠かせないと強調した。

    「産業界と政治が全面的に後押しする必要がある」

    「グランプリの開催には多額の費用がかかる。しかし、プロフェッショナルに運営すれば利益を生み出すことも可能だ」

    現在はMotoGPのTech3で共同オーナー兼CEOを務めるシュタイナーは、ドイツにはF1開催を実現へ導くリーダーが存在しないとみている。

    「本気でプロジェクトを前へ進める熱意のある人たちが必要だ」

    「しかし現時点では、その責任を引き受けようとする人物は見当たらない」

    ドイツグランプリ

    メルセデスやアウディの存在にも期待
    シュタイナーは、ドイツを代表する自動車メーカーの協力も重要な要素だと語った。

    「このプロジェクトには政治の支援だけでなく、ドイツの自動車業界の支援も必要だ」

    「メルセデスやアウディのような企業にとって、この程度の金額は十分に負担できるはずだ」

    一方で、近年はモータースポーツを巡る社会的な議論も障壁になっているという。

    「本当の問題は、多くの人がモータースポーツや環境問題などについて議論になることを恐れている点だ」

    「『今すぐやろう』と決断する人が誰もいない」

    シュタイナーは、今週末にザクセンリンクで開催されるMotoGPドイツGPを前に、このような見解を示した。

    ドイツはF1の伝統ある開催国でありながら、2020年を最後にグランプリ開催が途絶えている。シュタイナーは復活への可能性を否定してはいないものの、その実現には政治、自動車メーカー、そしてプロジェクトを牽引するリーダーという3つの要素が欠かせないとの認識を示した。

  • マックス・フェルスタッペン レッドブルF1離脱条項を行使せず 2027年残留か

    マックス・フェルスタッペン レッドブルF1離脱条項を行使せず 2027年残留か

    レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは、契約に盛り込まれた離脱条項を行使できる状況となるものの、2027年シーズンもチームに残留する意向だと報じられた。

    イギリスGPでのリタイアにより、フェルスタッペンはハンガリーGP終了時点でランキング2位以内に入れないことが確定。これにより契約上は離脱条項を発動できる立場となるが、レッドブル側は残留を確信しているという。

    2027年もレッドブル残留の見通し
    フェルスタッペンはこれまで公の場でレッドブル残留を明言していない。一方で、F1公式ポッドキャスト『F1 Nation』で司会を務めるトム・クラークソンは、チーム関係者から得た情報として次のように語った。

    「レッドブルから聞いている話では、契約条項の上では離脱することは可能だが、2027年もチームに残り、もう1年様子を見るつもりだという」

    2022年に締結した長期契約には成績に応じた離脱条項が盛り込まれており、報道ではレッドブルがその権利を放棄する見返りとして巨額の報酬を提示したとも伝えられている。しかし、フェルスタッペン自身が残留を選ぶのであれば、その交渉自体は意味を持たなくなる可能性がある。

    移籍先の選択肢は限られる
    仮にフェルスタッペンがレッドブルを離れるとしても、現時点で有力チームの空席はほとんどない。

    フェラーリは2027年もルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールのコンビを維持する方針で、ジョージ・ラッセルも自身のメルセデス残留について「100%確信している」と語っている。

    マクラーレンについてもランド・ノリスとオスカー・ピアストリのラインアップを変更する予定はないとされており、フェルスタッペンの現実的な移籍先は極めて限られている状況だ。

    パーマー「実は選択肢は多くない」
    元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは、現在のドライバー市場について次のような見解を示した。

    「パドック全体が最高のドライバーだと評価している人物にしては、実際のところ選択肢はそれほど多くないように見える」

    さらに、メルセデスの将来についても言及した。

    「オスカー(・ピアストリ)とジョージ(・ラッセル)の2人が状況を変える可能性を持つ存在だ。ジョージがタイトルを獲得できず、『このチームはキミ(・アントネッリ)のものになりつつある』と感じるようになれば、新天地を考える可能性もある」

    「ただ、もしジョージが離れたとしても、トト・ヴォルフがキミ・アントネッリのチームメイトにマックス・フェルスタッペンを迎えるだろうか。私はそれは問題を生む組み合わせだと思う。キミはすでにナンバーワンドライバーになれる実力を示しており、セカンドドライバーになるつもりはないはずだ」

    「キミは実力を大きく引き上げた。もしジョージが去ったとしても、以前ほどフェルスタッペンが理想的な後任とは言えなくなっている」

    2028年以降が本格的な移籍市場となる可能性
    一方で、2028年には複数のトップチームでシートが空く可能性があり、ドライバー市場の勢力図が大きく変わるとの見方もある。

    そのため、フェルスタッペンが近年ライバルチームと接触を続けているのは、2027年ではなく2028年以降を見据えた長期的な選択肢を探るためではないかとの見方も浮上している。