カテゴリー: アンドレア・キミ・アントネッリ

  • F1イタリアGPでティフォシの忠誠心 アントネッリがハミルトンを抜くと「ほぼ沈黙」

    F1イタリアGPでティフォシの忠誠心 アントネッリがハミルトンを抜くと「ほぼ沈黙」

    2026年F1イタリアGPでは、母国の英雄となったキミ・アントネッリとフェラーリのどちらをティフォシが支持するのかにも注目が集まった。その答えを象徴する場面が、アントネッリがルイス・ハミルトンをオーバーテイクした瞬間だった。

    19番グリッドから追い上げて歴史的な母国初優勝を飾ったアントネッリだが、モンツァのファンのフェラーリへの忠誠心は依然として強いようだ。

    BBC Sportのロレイン・マッケンナによると、アントネッリがハミルトンを抜いた際、グランドスタンドは「ほぼ沈黙」に包まれたという。

    アントネッリの母国初優勝でもティフォシはフェラーリ支持
    アントネッリはエンジン交換によるペナルティで19番グリッドからスタートし、猛烈な追い上げを披露。最終的に優勝を飾り、1966年のルドビコ・スカルフィオッティ以来、60年ぶりにF1イタリアGPを制したイタリア人ドライバーとなった。

    また、イタリア人がモンツァの表彰台に立つのも、2005年のジャンカルロ・フィジケラ以来だった。

    今季タイトル争いをリードするアントネッリは、すでにイタリアを代表するスポーツスターのひとりとなっている。それだけに、F1イタリアGPを前に注目されたのが、伝統的にフェラーリを熱烈に応援してきたティフォシが、アントネッリにも同じような声援を送るのかという点だった。

    決勝では、その忠誠心を測る格好の場面が訪れた。

    シャルル・ルクレールがクラッシュでリタイアしたことで、フェラーリ勢はハミルトンだけとなった。一方、後方から猛烈な勢いで順位を上げていたアントネッリは、そのハミルトンにも追いつき、オーバーテイクを決めた。

    しかし、イタリア人ドライバーが母国で7度のF1ワールドチャンピオンを抜いたにもかかわらず、スタンドの反応は意外なものだった。

    BBC Sportのロレイン・マッケンナは、モンツァの現地の様子について次のように伝えている。

    「モンツァのメディアセンターはスタート/フィニッシュストレートのすぐ後ろにあり、ルイス・ハミルトンの唯一残ったフェラーリがグランドスタンドの前を通過するたびに、大きな歓声が響いていた」

    「しかし、イタリア人のキミ・アントネッリが7度のワールドチャンピオンをオーバーテイクすると、観客は(ほぼ)静まり返った」

    アントネッリが勝利した際の熱狂とは対照的な反応だった。

    ただし、ティフォシがアントネッリを歓迎していなかったわけではない。その直後、アントネッリがオスカー・ピアストリのマクラーレンを抜いて3番手に浮上すると、今度は拍手が沸き起こったという。

    「その数分後には拍手が起きた。アントネッリがオスカー・ピアストリのマクラーレンを抜いて3番手に上がった動きを、建物の中にいた地元の人々も大いに喜んでいた。勝負開始だ」

    つまり、アントネッリへの母国の支持は確実に高まっているものの、直接フェラーリと争う場面ではティフォシの伝統的な忠誠心が勝った格好だ。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    ハミルトンは最終的に6位でフィニッシュ。フェラーリにとってはルクレールのリタイアも重なり、2020年に2台ともリタイアして以来となる厳しいモンツァでの結果となった。

    一方のアントネッリは19番手から優勝という劇的なレースで母国ファンを沸かせ、F1タイトル獲得へ向けても大きな一勝を挙げた。

    アントネッリ自身もレース前から、イタリアのファンの多くは依然としてフェラーリを応援するだろうと予想していた。今回のハミルトンとのバトルで見せたスタンドの反応は、その見方を裏付けるものとなった。

    それでも、アントネッリがタイトル争いを続け、イタリア人F1王者誕生への期待がさらに高まれば、ティフォシとフェラーリ、そして新たな母国の英雄との関係は今後変化していく可能性がある。

  • キミ・アントネッリ F1イタリアGP母国初優勝をトロフィーいっぱいのパスタで祝福

    キミ・アントネッリ F1イタリアGP母国初優勝をトロフィーいっぱいのパスタで祝福

    キミ・アントネッリは、2026年F1第13戦イタリアGPで母国初優勝を飾った後、いかにもイタリアらしい方法で勝利を祝った。表彰台に戻り、優勝トロフィーいっぱいに盛られたパスタを味わう姿を披露した。

    メルセデスのアントネッリは、19番グリッドから驚異的な追い上げを見せ、終盤にはチームメイトでタイトル争いのライバルでもあるジョージ・ラッセルを逆転。モンツァのティフォシの前でトップチェッカーを受けた。

    モンツァの表彰台でトロフィーいっぱいのパスタ
    レース後、アントネッリは大勢のファンと喜びを分かち合い、クラウドサーフィンも披露。表彰式が終わり、ホームストレートを埋め尽くしていた数千人のティフォシが去った後も、その祝福は続いた。

    F1の機材を運ぶトラックが走り始めた頃、アントネッリは優勝トロフィーを手に再び表彰台へ戻った。

    そのトロフィーにはパスタがたっぷりと盛られていた。シンクに積み重ねられた食器から着想を得たデザインのトロフィーを巨大な皿のように使い、アントネッリはパスタを食べながら母国での勝利を祝った。

    アントネッリは、その様子とともにSNSでモンツァでの特別な一日を振り返った。

    「昨日のことを言葉で表すのは難しい。夢がかなったんだ」

    「僕が経験したことは絶対に忘れない。モンツァの表彰台は言葉では表せないよ。すべてのファンの温かさ、そしてどこまでも続く人の海だった」

    「これを可能にしてくれたすべての人、そして今年を特別なものにしてくれているすべての人に心から感謝したい」


    F1では過去にもユニークな飲食系セレブレーション
    F1では、食べ物や飲み物を使ったユニークな勝利の祝福は珍しくない。近年を代表するものが、ダニエル・リカルドが広めた「シューイ」だ。レース用シューズにシャンパンを注いで飲むこのセレブレーションには、俳優のサー・パトリック・スチュワートも参加したことがある。

    また、トロフィーを器として使う光景は、NHLのスタンレー・カップにも通じる。優勝チームの選手たちは長年にわたり、スタンレー・カップにシリアルやアイスクリーム、チキンウイング、ホットドッグなどを入れて楽しんできた。

    19番グリッドから母国モンツァで頂点まで駆け上がったアントネッリ。パスタを盛った優勝トロフィーは、初の母国F1勝利を象徴するユニークな思い出となった。

    イタリアGPを終え、アントネッリはドライバーズ選手権でラッセルに66ポイント差をつけて首位。3位のルイス・ハミルトンはさらに10ポイント後方につけており、次戦スペインGPへ向かう。

  • キミ・アントネッリ F1イタリアGPで母国初優勝に涙「絶対に忘れない一日」

    キミ・アントネッリ F1イタリアGPで母国初優勝に涙「絶対に忘れない一日」

    アンドレア・キミ・アントネッリは、2026年F1第13戦イタリアGP決勝で19番グリッドから大逆転を果たし、母国モンツァで今季7勝目を挙げた。イタリア人ドライバーによるイタリアGP制覇は1966年以来となる。

    スタート直後から猛烈な追い上げを見せたアントネッリは、赤旗中断と再スタートを経て一気に上位へ進出。チームメイトのジョージ・ラッセル、マックス・フェルスタッペンとの激しいトップ争いを展開し、終盤のバーチャルセーフティカー(VSC)でフレッシュタイヤに交換すると、ラッセルを攻略して劇的な母国優勝を飾った。

    19番グリッドから大逆転「可能だと信じていた」
    アントネッリは19番グリッドという厳しい位置からスタートしたが、序盤から驚異的な追い上げを披露した。

    最初のスタートで次々とポジションを上げ、赤旗が提示された時点ですでに12番手まで浮上。再スタートでも勢いを維持し、そこからさらに順位を上げてトップ争いへ加わった。

    「可能だと信じていた。特に最初のスタートの後には12番手まで上がっていて、赤旗が出たときに『もう一度チャンスがある』と思った」

    「そこから気づいたらトップ争いの中にいて、自分にもチャンスがあると分かった。2番手まで上がって、ジョージとトップを争うようになったときには、強度を保ってプレッシャーをかけ続けなければならないと思った。その時点で僕が望んでいたのは、ただ勝つことだけだった」

    レース前には表彰台の可能性を考えていたものの、実際に勝利まで届くとは想像していなかったという。

    「表彰台は可能だと思っていた。でも、ここで勝てるとは思っていなかった。本当に信じられない。今日ここにいられるなんて想像もできなかったけど、僕たちはやり遂げた。本当に、本当にうれしい」

    ラッセルとの首位争い「勝てるチャンスがあると思った」
    再スタート後も順位を上げたアントネッリは、やがてチームメイトのラッセルに追いつき、メルセデス同士によるトップ争いに持ち込んだ。

    両者は何度も順位を入れ替え、その背後にはフェルスタッペンも迫っていた。

    「2回目のスタートの後には上位まで来ていたし、勝てるチャンスがあると分かっていた。特にジョージの後ろにいたときは、本当にそう思った」

    「でも、抜け出すのはすごく難しかった。後ろの2台もすごく強かったからね。それでもチャンスがあると思って、プッシュし続けた」

    アントネッリはタイトル争いへの影響よりも、目の前に現れた母国優勝のチャンスをつかむことだけを考えていた。

    「今日は勝つこと以外、何も考えていなかった。特にチャンスが見えたときはそうだった。かなりハードにプッシュしたし、賢くオーバーテイクして、バッテリーもうまく使おうとしていた。それがうまくいった」

    VSCで勝負のタイヤ交換
    レース終盤、VSCが導入されると勝負が大きく動いた。

    ハードタイヤのラッセルがステイアウトした一方、摩耗したミディアムを履いていたアントネッリはピットイン。フレッシュタイヤを装着してコースへ戻り、前を走るマシンを次々と攻略した。

    「VSCではポジションをいくつか失ったけど、ミディアムで追い上げて勝つだけのペースが僕たちにはあった」

    「僕たちはピットに入って、ジョージはステイアウトした。終盤には彼のタイヤが少し厳しくなっていた一方で、僕はフレッシュタイヤだったからペースを上げることができた。それで勝つことができた」

    19番手から追い上げながら、最後まで勝利を狙えるだけの速さがあったことについて、アントネッリはメルセデスの競争力も大きかったと認める。

    「今週末、僕たちが明らかに一番いいチームだったことも、追い上げるうえでは助けになった」

    グラベルに飛び出す危機「チャンスを失ったと思った」
    勝利への追撃中には、すべてを失いかねない瞬間もあった。

    ターン2付近では路面が崩れ、アントネッリはグラベルへ飛び出した。それでもコースへ復帰し、再びペースを取り戻した。

    「その瞬間はかなり怖かった。舗装が崩れていたけど、それでもコーナーを曲がれると思っていた。でも少しグラベルにも乗って、そのまま真っすぐ行ってしまった。そのときは『チャンスを失ったかもしれない』と思った」

    「でも幸い、まだペースがあった。それで最後まで持っていくことができた」

    母国での勝利を目前にしながらも、アントネッリはリスクを避けるのではなく、勝利をつかむために攻め続けた。

    「かなりハードにプッシュしていた。コースを外れる場面もあって、それは理想的ではなかったけど、今日はプッシュして、賢くオーバーテイクすることを心掛けた」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    モンツァの表彰台「想像していた以上だった」
    チェッカーを受けたアントネッリを待っていたのは、ホームストレートを埋め尽くしたイタリアのファンだった。

    「正直、想像していた以上だった。絶対に忘れない一日になると思う。これまでで一番特別な勝利だと思うし、今季最高の表彰台だ」

    「ストレート全体が信じられないくらいたくさんの人で埋め尽くされていて、その応援を感じられたのは夢のようだった」

    走行中に歓声を聞くことはできなかったものの、グランドスタンドの光景は目に入っていたという。

    「音はまったく聞こえなかった。でも、最初のシケインを出るところでは視界の端にファンが見えた。走っている最中に歓声が聞こえたら、それは大問題だからね。幸い、今のF1マシンもまだそれなりにいい音がする」

    その光景は、19番手から追い上げるアントネッリの力にもなった。

    「ファンがもう少しプッシュするための力をくれたと思う。今週末のサポートは本当に素晴らしかった。毎周グランドスタンドで応援してくれているのが見えて、それがもう少しプッシュして、もっといい走りをして勝とうという力になった」

    「絶対に忘れないレース」
    19番グリッドからの勝利は、アントネッリ自身にとっても特別なものとなった。

    「最高のレースはまだこれからだと思っている。でも、これまで走った中では間違いなく最高のレースのひとつだった。絶対に忘れないレースになる」

    アントネッリは勝利を支えたメルセデス、家族、そしてファンへの感謝も口にした。

    「チームは今日、信じられない仕事をしてくれた。素晴らしいマシンを用意してくれたし、ここまで僕を支えて助けてくれたすべての人に、いくら感謝してもしきれない」

    「夢がかなった。本当に信じられない一日だ。チーム、家族、そして僕を応援してくれるみんながいなければできなかった」

    ランキング首位でラッセルに66ポイント差
    今季7勝目を挙げたアントネッリは、ドライバーズランキングでラッセルとの差を66ポイントに広げた。それでもタイトルを意識しすぎるつもりはないという。

    「チャンピオンシップはあまり見たくない。今季は状況がものすごく早く変わることを見てきたからね。僕としては1レースずつ戦って、すべての結果、すべてのチャンスを最大限に生かすだけだ」

    「チャンピオンシップについて考えても意味はない。今この瞬間に集中して、1レースずつ戦っていかなければならない。そしてシーズンの最後にどこにいるのかを見ればいい」

    モナコGPに続いて大舞台で勝利し、今度は19番手から母国イタリアGPを制したアントネッリ。それでも残るシーズンへの姿勢は変わらない。

    「ここまでは間違いなくすごく強いシーズンだけど、まだたくさんのレースが残っているし、何が起こるか分からない。状況が一気に変わることもある」

    「だから自分にできることに集中して、1レースずつ、得られるすべてのチャンスを最大限に生かしていくことが本当に重要だ」

  • キミ・アントネッリ フェラーリF1新PUを警戒「メルセデスと同じ速さになった」

    キミ・アントネッリ フェラーリF1新PUを警戒「メルセデスと同じ速さになった」

    メルセデスのキミ・アントネッリは、F1イタリアGPで投入されたフェラーリのアップグレード版パワーユニットについて、大きな進歩を遂げたとの見方を示した。金曜日の走行データから、ストレートスピードでは「今は同じ速さ」になったと分析している。

    モンツァで行われたFP2では、ジョージ・ラッセルがトップタイムを記録し、フェラーリのシャルル・ルクレールが0.120秒差の2番手、アントネッリが3番手につけた。

    これまでエンジン性能とストレートスピードでメルセデスに後れを取っていたフェラーリだが、アントネッリは新PUによってその差が縮まったと警戒している。

    フェラーリ新PUの進歩を実感
    フェラーリはホームレースとなるモンツァにアップグレード版のパワーユニットを投入した。その真の実力が明らかになるのは予選と決勝だが、アントネッリは金曜日に得られたデータから、すでに明確な変化が見えていると語った。

    「フェラーリは新しいエンジンで間違いなく一歩前進した」

    「今ではスピードは同じだ。彼らのマシンがコーナーでどれだけ優れているかは分かっているから、明日のポール争いは間違いなく接戦になると思う」

    フェラーリは今季、ストレートスピードとエンジン性能でメルセデスに対して劣勢を強いられてきた。しかし、パワーが重要となるモンツァでその差が縮まったとなれば、予選での勢力図にも大きな影響を与える可能性がある。

    実際、FP2ではラッセルとルクレールの差はわずか0.120秒。アントネッリ自身も3番手につけており、メルセデスとフェラーリが予選で激しい争いを繰り広げる展開を予想している。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    最後尾スタートを見据えてロングランを重視
    一方、アントネッリ自身は今季の信頼性問題によって規定数を超えるパワーユニットコンポーネントを使用するため、母国F1イタリアGPを最後尾からスタートすることが決まっている。

    そのため金曜日は通常とは異なり、予選に向けた1周の速さよりも決勝を想定したロングランに重点を置いた。

    「今日は普段とは少し違う一日だった。ロングランにかなり重点を置いていたから、正直に言うとちょっと変な感じだった。でも全体的にはいい一日だった。たくさんのデータを集められたし、これからの2日間が楽しみだ」

    さらにアントネッリは、他車の後方を走ることで、ライバル勢のエネルギー配分についても確認していたことを明かした。

    「今日のロングランでは、他のマシンの後ろを走って、彼らが何を違うようにやっているのか、僕たちと比べてどこでエネルギーを使っているのかを見ることができて興味深かった」

    「だから、とても面白かった。たくさんのデータを集められたと思うし、それを確認して明日に向かいたい」

    アントネッリは最後尾スタートが確定していることから、予選ではチームメイトでありタイトル争いの直接のライバルでもあるラッセルにスリップストリームを提供し、ポールポジション獲得を援護する意向をすでに明らかにしている。

    フェラーリの新PUによってストレートでの差が縮まったとすれば、メルセデスにとって予選はこれまで以上に厳しい戦いとなる。アントネッリが指摘した通り、コーナリング性能を武器とするフェラーリとメルセデスによるポール争いが、土曜日の大きな焦点となりそうだ。

  • キミ・アントネッリ F1イタリアGPでロッシ仕様ヘルメット 2002年ムジェロに敬意

    キミ・アントネッリ F1イタリアGPでロッシ仕様ヘルメット 2002年ムジェロに敬意

    F1世界選手権リーダーとして母国イタリアGPを迎えるアンドレア・キミ・アントネッリが、バレンティーノ・ロッシへの敬意を込めたスペシャルヘルメットをモンツァで使用する。

    デザインのモチーフとなったのは、MotoGPのレジェンドであるロッシが2002年のイタリアGP(ムジェロ)で使用したヘルメットだ。ロッシ本人との親交も深いアントネッリにとって、母国で走る特別な週末に実現させたかった個人的なトリビュートでもある。

    2002年ムジェロのロッシのヘルメットを再解釈
    今回のヘルメットは、ロッシの数々のヘルメットを手掛けてきたアルド・ドルディが、ロッシとの協力のもとでデザインしたものだ。

    ベースとなったのは2002年のムジェロでロッシが使用したデザインで、イタリア国旗を象徴するトリコローレを取り入れながら、2026年のアントネッリ仕様として再構成されている。

    アントネッリはSNSで「ホームではスペシャルカラーで走る」と紹介し、このデザインが実現した経緯を明かした。

    「僕にとって特別な願いだった。Vale(ロッシ)が使っていたヘルメットからインスピレーションを得たものをかぶって走りたかったんだ」

    「2002年のムジェロのヘルメットを提案してもらったとき、すぐにこれが正しいものだと分かった」

    「ドルディ・パフォーマンスが、今年のホームレース用としてこのバージョンに作り直す素晴らしい仕事をしてくれた。この特別な機会を与えてくれたValeには本当に感謝している。光栄だよ」

    ロッシはMotoGP最高峰クラスで7度、全クラスを合わせて9度の世界タイトルを獲得したイタリアを代表するライダーだ。最高峰クラスで89勝、全クラス通算では115勝を記録し、2021年シーズン限りでMotoGPから引退した。

    アントネッリにとってロッシは単なる憧れの存在ではなく、親しい友人でありメンターでもある。そのロッシを象徴するデザインを、自身がF1世界選手権首位として迎える母国GPで使用することになった。


    選手権首位で迎える母国モンツァ
    2026年のアントネッリは、メルセデスのチームメイトであるジョージ・ラッセル、そしてフェラーリのルイス・ハミルトンに59ポイント差をつけてドライバーズ選手権をリードしている。

    前年とは大きく異なる立場でモンツァに戻ってきたアントネッリは、母国GPを選手権首位として迎えることについて特別な感情があると語った。

    「とても特別な気分だ。去年とは間違いなく大きく違うし、最後尾からのスタートになるとはいえ、この週末を本当に楽しみにしている」

    ただし、レース週末には大きなハンディキャップが待っている。2026年シーズンに認められたパワーユニットの使用基数を超えたことで、アントネッリはグリッド降格ペナルティを受け、決勝を最後尾からスタートする。

    それでも本人は、この状況をプレッシャーから解放される機会として前向きに捉えている。

    「僕にとって大きなチャンスでもあるし、本当に楽しみにしている。すごく楽しめると思う。以前よりもずっと週末を楽しめるだろうし、それでも素晴らしいレースができればと思っている」

    「最後尾からスタートすることで、ある意味ではプレッシャーが軽くなると思う。もちろん、本当ならポールポジションを争って前からスタートしたいけどね。でも、ある意味では週末に向けて少しリラックスできる」

    「だからこそ、ドライビングも週末そのものも、もっと楽しめると思う」

    最後尾スタートを逆手に取った週末
    予選でどれだけ上位に入っても決勝グリッドでは後方に下がることから、メルセデスとアントネッリには通常とは異なるアプローチを試す余地も生まれる。

    特にフリー走行では、予選での一発の速さだけに重点を置くのではなく、決勝での追い上げを見据えたセットアップやタイヤの使い方を検証できる。

    「違うことを試すチャンスでもある。特にフリー走行では、普段とは違う仕事の進め方を試すことができるからね。そういう意味でも、とても興味深い週末になると思う」

    F1世界選手権リーダーとして初めて迎える母国イタリアGP。最後尾スタートという難題を背負う一方で、アントネッリは自身に大きな影響を与えたロッシへの敬意を示す特別なヘルメットとともにモンツァを走る。

  • キミ・アントネッリ フェラーリF1移籍説を一蹴「メルセデスでとても幸せ」

    キミ・アントネッリ フェラーリF1移籍説を一蹴「メルセデスでとても幸せ」

    アンドレア・キミ・アントネッリは、2026年F1イタリアGPを前に将来的なフェラーリ移籍をめぐる憶測について言及し、現在所属するメルセデスで「とても幸せ」だと強調した。

    母国モンツァにドライバーズ選手権首位として乗り込んだ20歳のアントネッリは、チームメイトのジョージ・ラッセルに59ポイント差をつけている。一方、パワーユニットの年間使用上限を超えたことで、決勝では最後尾からスタートすることが決まっている。

    それでも、イタリア人ドライバーがF1世界選手権をリードして母国GPを迎えるという状況は、ティフォシにとって大きな注目材料だ。アントネッリがフェラーリではなくメルセデスをドライブしているとはいえ、2026年の躍進とともに、将来的にマラネロへ移籍する可能性をめぐる話題も増えている。

    「フェラーリは巨大で素晴らしいブランド。でも僕はメルセデスで幸せ」
    イタリア人である以上、キャリアを通じてフェラーリと結びつけられることは避けられないと受け入れているかと質問されたアントネッリは、「もちろん」と答えた。

    「僕自身がイタリア人だから、僕たちがどれだけ感情的で、物事にどれだけ熱くなるかは分かっている。時には熱くなりすぎることもある」

    「だから、もちろん、こういう話はこれからもずっと出てくると思う」

    「でも結局のところ、フェラーリが巨大で素晴らしいブランドであるのと同じくらい、僕は今いる場所でとても幸せだ。メルセデスでとても幸せだよ。僕が子どものころからチャンスを与えてくれたのは彼らだからね。僕には彼らに恩返しできることがまだたくさんあると感じている」

    メルセデスの育成プログラムでキャリアを築き、F1への道を切り開いてきたアントネッリにとって、現在の成功は長年支えてきたチームとの関係の延長線上にある。フェラーリへの敬意を示しながらも、現時点で移籍を考えていないことを明確にした形だ。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) イタリアグランプリ

    最後尾スタートが母国GPのプレッシャーを軽減
    アントネッリは日曜日の決勝で、新たなパワーユニットを搭載したW17により最後尾からスタートする。

    母国ファンの前でポールポジションや優勝を争いたかったという思いはあるものの、アントネッリはグリッド降格によって週末にかかるプレッシャーが多少軽くなるという意外な側面も認めた。

    「ある意味では、プレッシャーを和らげる助けになると思う」

    「もちろん、本当ならポールポジションを争って前方からスタートしたい。でも、ある意味では、この週末に入るにあたって少しリラックスできるような気がしている」

    「だからこそ、ドライビングそのものや週末をもっと楽しめると思う」

    さらに、最後尾スタートが決まっていることで、メルセデスにはフリー走行で通常とは異なるセットアップや作業方法を試す余地も生まれる。

    「もちろん、これは違ったチャンスでもある。週末を通して違うことを試したり、特にフリー走行では普段とは違う作業方法を試したりする機会になる。今回はそれができるからね」

    選手権首位として初めて母国F1イタリアGPを迎えるアントネッリ。フェラーリ移籍を期待する声が今後も消えることはなさそうだが、本人の視線はメルセデスでのタイトル争いと、最後尾から挑むモンツァでの戦いに向けられている。

  • キミ・アントネッリ F1イタリアGPで挑む「60年の呪い」最後の母国優勝は1966年

    キミ・アントネッリ F1イタリアGPで挑む「60年の呪い」最後の母国優勝は1966年

    キミ・アントネッリが、2026年F1第13戦イタリアGPで60年間破られていない記録に挑む。モンツァで開催されたF1イタリアGPでは、1966年のルドヴィコ・スカルフィオッティを最後にイタリア人ドライバーが優勝していない。

    2026年に飛躍を遂げたアントネッリは、12戦を終えてドライバーズ選手権首位に立っている。2位のジョージ・ラッセル、3位のルイス・ハミルトンに59ポイント差をつけており、母国モンツァで「60年の呪い」を終わらせる最有力候補として期待を集めている。

    1966年以来イタリア人が勝てないモンツァ
    イタリアGPの歴史は1921年までさかのぼる。初期には複数の場所で開催されたが、1949年以降はサーキット改修のためイモラで開催された1980年を除き、モンツァがその舞台となってきた。

    1922年から1952年までには、イタリア人ドライバーがイタリアGPで14勝を記録している。しかし、その後は状況が大きく変わった。

    最後に母国イタリアGPを制したイタリア人は、1966年のルドヴィコ・スカルフィオッティだ。フェラーリを駆ったスカルフィオッティの勝利以来、モンツァの表彰台中央にイタリア人ドライバーが立つことはなく、2026年でちょうど60年となる。

    エリオ・デ・アンジェリスやリカルド・パトレーゼはキャリア中にイタリア国内で開催されたサンマリノGPを制しているが、モンツァでのF1勝利という意味ではスカルフィオッティが最後のままだ。

    アルボレートやパトレーゼも届かなかった母国優勝
    この60年間、何人かのイタリア人ドライバーが記録を途切れさせるところまで迫った。

    ミケーレ・アルボレートは1984年、フェラーリで2位に入り、マクラーレンのニキ・ラウダに次いでフィニッシュした。さらに1988年にも2位となり、このときはフェラーリのチームメイトであるゲルハルト・ベルガーからわずか0.5秒あまりの差だった。

    1992年にはパトレーゼが残り6周までトップを走行していたものの、油圧系のトラブルに見舞われて5位に後退。母国優勝を目前で逃した。

    その後、モンツァで表彰台に上がったイタリア人ドライバーは、2005年にルノーで3位となったジャンカルロ・フィジケラだけだ。

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) イタリアグランプリ

    アントネッリがイタリアの新たな希望
    そして2026年、イタリアが待ち続けた新たな優勝候補としてモンツァに戻ってくるのがアントネッリだ。

    昨年のイタリアGPでは9位だったが、今季は状況がまったく異なる。20歳になったばかりのアントネッリはF1世界選手権をリードしており、史上最年少ワールドチャンピオンも視野に入れている。

    モンツァはアントネッリにとって特別な場所でもある。メルセデスから初めてF1公式セッションに出走した2024年のイタリアGPのFP1では、激しいクラッシュを喫し、衝撃は52Gを記録した。それから2年、今度は選手権リーダーとして同じサーキットに戻る。

    しかし、母国初優勝を目指すアントネッリには大きな障害が待っている。

    PU交換で最後尾スタートへ
    メルセデスはイタリアGPでアントネッリのパワーユニット(PU)コンポーネントを交換する予定で、年間使用上限を超えることからグリッド降格ペナルティを受ける。

    これにより、アントネッリは最後尾から決勝をスタートする見通しとなっており、本来なら優勝候補のひとりとして迎えるはずだった母国GPで極めて厳しい戦いを強いられる。

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、「彼にとっても、母国レースで前方を争う姿を見たいファンにとっても残念なことだ。しかし、このスポーツは感情を考慮してはくれない」と語った。

    アントネッリにとって、まず重要になるのは後方からどこまで順位を取り戻し、選手権争いで最大限のポイントを持ち帰れるかだ。

    それでも、1966年以来途絶えているイタリア人によるモンツァ制覇という歴史がある以上、アントネッリの母国GPには特別な意味が加わる。最後尾スタートという大きなハンディを背負う2026年に「60年の呪い」を破るのは容易ではないが、イタリアの期待を背負う新たな主役であることに変わりはない。

  • メルセデスF1 アントネッリの母国イタリアGPでPU交換 10グリッド降格へ

    メルセデスF1 アントネッリの母国イタリアGPでPU交換 10グリッド降格へ

    メルセデスF1は、2026年F1第13戦イタリアGPでアンドレア・キミ・アントネッリのパワーユニット(PU)を全面的に交換することを決定した。

    年間使用上限を超えるコンポーネントが投入されるため、アントネッリには10グリッド降格ペナルティが科される見通しだ。

    ドライバーズ選手権首位を走るアントネッリにとって、モンツァは母国レース。メルセデスはシーズン序盤に発生した信頼性問題の影響で複数のPUコンポーネントが使用上限に達しており、シーズン終了までにペナルティを受けることは避けられない状況だった。

    メルセデスがモンツァで「フル交換」を決断
    F1ではシーズン中に使用できるPUコンポーネントの数が制限されており、規定数を超えた場合にはグリッド降格ペナルティが科される。

    アントネッリはすでにV6エンジンとエキゾーストシステムが使用上限に達している。メルセデスは複数のグランプリにペナルティを分散させるのではなく、モンツァで主要なPUコンポーネントをまとめて新品に交換することを選択した。

    チーム代表のトト・ヴォルフは、どのサーキットでペナルティによる競争上の損失を最小限に抑えられるかという計算に基づいた判断だと説明した。

    「キミについては、すべてを投入する。つまりPUの主要コンポーネントをすべて交換する」

    「理論上、我々の計算ではここがペナルティを受けるのに最適なサーキットだ」

    「もちろん、アルゴリズムは国籍までは考慮してくれない。しかし、我々は選手権を戦うためにここにいるのであって、最大限のPR効果を得るためにいるわけではない」

    「だから、そうすることにした」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    母国GPで選手権首位のアントネッリに試練
    アントネッリにとってタイミングは皮肉なものとなった。モンツァは母国イタリアでのグランプリであり、20歳になったばかりのアントネッリは現在、ドライバーズ選手権をリードしている。

    アントネッリはチームメイトのジョージ・ラッセルとフェラーリのルイス・ハミルトンに59ポイント差をつけて首位。ラッセルとハミルトンは同ポイントでランキング2位につけている。アントネッリは今季の日本GP以降、ランキング首位を維持している。

    さらに、イタリア人F1ドライバーとして歴史的な記録にも挑むことになる。イタリア人がイタリアGPを制したのは、1966年にフェラーリのルドヴィコ・スカルフィオッティが優勝したのが最後であり、以来60年間、母国ドライバーによるモンツァ制覇は実現していない。

    グリッド降格はアントネッリにとって大きなハンデとなるが、モンツァは高速レイアウトでオーバーテイクの機会も比較的多い。それがメルセデスがPU交換の舞台としてモンツァを選んだ理由のひとつでもある。

    アントネッリ「それでもモンツァがベスト」
    前戦オランダGPでランド・ノリスに次ぐ2位に入ったアントネッリも、母国GPであることを踏まえても、モンツァでペナルティを消化するのが最善だと受け入れている。

    「もちろんモンツァではエンジンペナルティがある。でも、それでもここがペナルティを受けるには一番いいサーキットだと思う」

    「もちろん僕のホームレースだし、いろいろな意味で特別だけど、それでもここでやるのがベストだと思っている」

    「だから、それでもいい結果を出して、しっかりポイントを持ち帰るチャンスはあると思う」

    ラッセルも今季中にPUペナルティの可能性
    メルセデスは、ラッセルについてもシーズン終了までにPUの年間使用上限を超える可能性があるとみている。ただし、追加コンポーネントをどのグランプリで投入するかはまだ決定していない。

    ラッセルは夏休み前のハンガリーGPでようやく4基目のPUを投入したため、アントネッリよりもペナルティを受けるタイミングについて選択肢が残されている。

    「ジョージについては、どこでペナルティを受けるかについて現在も話し合っている」とヴォルフは語った。

    ドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権の両方を争っている状況を考えれば、メルセデスが同じグランプリで自主的に2台ともグリッド降格を受ける可能性は低い。

    アントネッリにとっては母国ファンの前で後方から追い上げる難しいイタリアGPとなる。それでも、高速区間が中心で追い抜きの可能性があるモンツァを選ぶことで、メルセデスは避けられないPUペナルティによる選手権へのダメージを最小限に抑える狙いだ。

  • トト・ヴォルフ メルセデスF1のチームオーダーを説明「厳しい決断も必要」

    トト・ヴォルフ メルセデスF1のチームオーダーを説明「厳しい決断も必要」

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフが、2026年F1オランダGP終盤にジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリの順位を入れ替えたチームオーダーについて説明した。フェラーリ勢が背後に迫るなか、チームとして最大限のポイントを確保するための「論理的な判断」だったと強調している。

    アントネッリはランド・ノリスに次ぐ2番手を走行していたが、終盤のバーチャル・セーフティカー(VSC)でソフトタイヤに交換。ステイアウトしたノリスとラッセルの後ろ、3番手でコースへ戻った。

    新品タイヤのアントネッリを前へ「最も安全な方法だった」
    ハードタイヤで走り続けるラッセルに対し、新しいソフトタイヤを履いたアントネッリは明らかに速く、すぐにチームメイトの背後まで接近した。

    残り8周となった65周目、メルセデスはラッセルにアントネッリを先行させるよう指示。ラッセルは無線で不満を示し、「ダブル表彰台を失うかもしれない」と懸念したものの、最終的には指示に従った。

    その背後にはルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールのフェラーリ勢が急接近しており、順位交換によってラッセルが攻撃にさらされるリスクもあった。

    ヴォルフは『Sky Sports F1』に対し、チームオーダーの狙いについて次のように説明した。

    「ノリスを捕まえられる状況だったとは思わない。ポイントを獲得するという意味で、あれが最も安全な方法だった」

    「オーバーテイクモードを使わせたままにすることもできたかもしれない。でも、そうすればリスクを取りすぎることになる。後ろには2台のフェラーリが迫っていた」

    「だから厳しい決断ではあったが、コンストラクターズ選手権とドライバーズ選手権を戦いたいのであれば、そういう決断も必要になる」

    「誰が選手権で前にいるかは関係ない」
    今回の順位交換によってアントネッリはラッセルより3ポイント多く獲得し、両者のドライバーズランキングでの差は59ポイントに拡大した。

    しかしヴォルフは、選手権でどちらが上位にいるかは判断に影響していないと強調する。

    「これが我々のやり方だ。2人のドライバーもそれを理解している。他のチームで見られるような、こういうことが明確に話し合われていない状況を我々は避けている」

    「これは厳しい世界だ。2500人がチャンピオンシップのために働いている。ひとりだけのゲームではない。過去15年間、我々はそうやってきた」

    外から見れば難しい決断だったのではないかと問われると、ヴォルフは否定した。

    「外から見れば難しく映るかもしれないが、内部ではそうではない」

    「これは何度も話し合ってきた状況だし、今日の朝にも話した。『お互いに争ってタイムを失い、2台のフェラーリに背後まで迫られるようなことはしない』とね」

    「逆の状況だったとしても、まったく同じことをしていた。誰が選手権で前にいるかは関係ない。可能な限り良い順位を守ることだけが目的だ」

    『F1 TV』でもヴォルフは、アントネッリがVSC前までラッセルより前を走っていたことを判断材料として挙げた。

    「これは常に我々が採用している方針だ。何度も話し合っているし、朝にも確認していた。チームメイト同士でタイムを失って、フェラーリ勢に首筋まで迫られるようなことはしない」

    「順位を入れ替える前、キミはもともと前にいた。彼はピットに入る必要もなかった。その結果としてジョージがあの位置にいて、当然ながらフェラーリの脅威もあった。だから順位交換は論理的な結果だった」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ラッセルも最終的に納得「キミは前でフィニッシュするに値した」
    ラッセルはその後、ハミルトンとルクレールからのプレッシャーをしのぎ切って3位を確保。アントネッリも2位を守り、メルセデスはダブル表彰台を達成した。

    レース後、ラッセル自身もチームの判断は正しかったと認めている。

    「キミはもともと僕の前にいたから、僕より前でフィニッシュするに値した」

    「レースをしていれば、すべてのポジションを争いたいと思うものだ。でも、あのペースと新品タイヤなら、いずれにしても彼は僕を抜いていただろう。だから正しい判断だった」

    「表彰台に立てたことがうれしい。僕にとっては少し久しぶりだった。週末全体として強かったので、ポジティブな部分を受け取りたい」

    アントネッリも「ジョージは素晴らしいチームプレーヤーだった。彼も3位を守ることができて本当にうれしい」とラッセルの対応を称えた。

    メルセデスはフェラーリを上回るポイントを獲得
    一方でヴォルフは、メルセデスにはオランダGPを勝てるだけのペースがあると考えていたものの、ハードタイヤに交換してから期待したパフォーマンスを発揮できなかったことを課題として挙げた。

    「良い週末だったが、厳しい時間帯もあった。今日はレースに勝てるペースがあると思っていた。でも、ハードタイヤに履き替えたところで、それが消えてしまった」

    「なぜなのかはまだ理解できていない。ただ、ほろ苦い面から見ても2位と3位でフィニッシュできた。ポイントではフェラーリを上回ったので、それは悪くない」

    ノリスが勝利した一方、メルセデスはアントネッリとラッセルによる2台揃っての表彰台を確保した。ヴォルフは今後について、アップデート投入までの期間を確実なレース運びで乗り切る必要があると語った。

    「これは開発競争だ。そして現時点では、我々は少し停滞している。アップデートが入るまではもう少し時間があるので、とにかくパフォーマンスを発揮し、週末をしっかり実行していかなければならない」

    タイトル争いを続けるメルセデスにとって、ドライバー同士を自由に争わせることよりもチーム全体の結果を優先する方針は明確だ。オランダGPでの順位交換は、その原則を改めて示すチームオーダーとなった。

  • キミ・アントネッリ F1オランダGP2位に落胆「勝てると本気で思っていた」

    キミ・アントネッリ F1オランダGP2位に落胆「勝てると本気で思っていた」

    メルセデスのキミ・アントネッリは、2026年F1オランダGP決勝を2位で終えたことについて、勝利を狙えると「本気で思っていた」だけに落胆していると語った。

    19歳のアントネッリにとって、ザントフォールトはマシンへの自信をなかなか持てない難しい週末となった。それでも決勝では2度の好スタートを決め、一時はランド・ノリスを抑えて首位を走行。

    最終的に勝利には届かなかったものの、貴重な2位表彰台を獲得した。

    2度の好スタートで一気に首位へ
    スタートでアントネッリはチームメイトのジョージ・ラッセルをかわして2番手に浮上。その後、マックス・フェルスタッペンの大クラッシュによってレースが赤旗中断となり、再スタートではさらに一歩前進した。

    アントネッリは再スタートでポールシッターのランド・ノリスを攻略し、トップを奪取。その後は長い時間にわたって首位を守り続けた。

    しかし、レース終盤に入るとノリスがアントネッリとの差を縮め、最終的にオーバーテイク。アントネッリは首位の座を明け渡すことになった。

    「少しがっかりしている。レースのかなり長い時間、僕たちがトップを走っていたからね」

    「でも、最後のハードタイヤでのスティントでは、マシンに何かしっくりこないところがあった。本当に自信を持てなくなって、ペースもなかった」

    「もちろん残念だよ。勝てると本気で思っていたからね。でも、今日の最終的な結果は2位だったし、僕たちにできた最大限だったと思う」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ) オランダグランプリ

    「僕たちを救ったのはスタート」
    アントネッリは、ザントフォールトでの週末を通してW17を思うように操れず、マシンに対する自信を欠いていたことを認めている。それだけに、難しい状況から2位という結果を持ち帰れたことには前向きな面も見いだしている。

    「間違いなく励みになる。全体的に見れば、今シーズンで最もマシンに自信を持てなかった週末のひとつだったと思う」

    「それでも、今日僕たちを本当に救ったのはスタートだった。2回ともいいスタートができて、どちらでもポジションを上げることができた」

    レース終盤にはバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入され、アントネッリは追加のピットストップを敢行。その結果、一時的にラッセルの後方へ下がった。

    しかし、メルセデスは両者の順位を入れ替えるチームオーダーを発令。ラッセルがアントネッリを前に出したことで、アントネッリは2位を取り戻した。

    「最終的には2位でフィニッシュすることができた。チームにとって素晴らしい結果だと思う」

    「ジョージも本当に素晴らしい仕事をしてくれた。今日は素晴らしいチームプレーヤーだった。それについては本当にうれしいし、今はモンツァを楽しみにしている」

    マクラーレンの進歩を警戒「僕たちもタイムを見つけないと」
    一方、アントネッリは今回のオランダGPを通じて、メルセデスに新たな課題が突きつけられたとも考えている。

    ノリスはアントネッリを逆転して今季2勝目を挙げ、2戦連続優勝を達成。アントネッリは、マクラーレンが大きく前進しているとして、メルセデスもさらなるパフォーマンスを引き出す必要があると認めた。

    「もちろん、チームとしてもう少しタイムを見つける必要がある。マクラーレンは大きなステップを踏んだからね」

    「僕たちもプッシュし続けなければならない」

    勝利を目前にしながら2位に終わったことで悔しさをにじませたアントネッリ。それでも、マシンへの自信を欠いた週末に2度の好スタートを武器として首位争いを演じ、2位表彰台を確保したことは、次戦イタリアGPに向けて大きな収穫となった。