リアム・ローソン F1デビューでフェルスタッペンに衝撃「まだ無理だと思った」

リアム・ローソン F1デビューでフェルスタッペンに衝撃「まだ無理だと思った」

リアム・ローソンが、2023年F1オランダGPで突然巡ってきたF1デビューを振り返り、初めてのフリー走行でマックス・フェルスタッペンの走りを目の当たりにした際の衝撃を明かした。

当時21歳だったローソンは、FP2で手を骨折したダニエル・リカルドの代役としてアルファタウリAT04をドライブすることになった。しかも、初めてF1マシンで公式セッションを走るFP3は雨。十分な準備時間もないまま、難しいザントフォールトでF1デビューを迎えることになった。

突然決まったF1デビュー「よりによってザントフォールトで雨」
F1 TVの『Off The Grid』に出演したローソンは、リカルドの代役を務めることを知らされたとき、長年待ち望んでいたチャンスがついに訪れたという喜びと同時に、その状況の厳しさをすぐに理解したと振り返った。

「リザーブをやっていたころは毎週末、『走るためなら何だってする。F1を走るチャンスがほしい』と思っていた。そして、ついに自分が本当に走るんだという実感が湧いてきた」

「でも、その直後に『なんてことだ』ってなった。ザントフォールトのFP3で、しかも雨だった。よりによって、どうしてここなんだって思ったよ」

それでも、自分が待ち望んできたチャンスである以上、状況に不満を言うわけにはいかなかった。

「それから『ずっとこのチャンスを願ってきたんだから、文句を言っている場合じゃない』と思った。だからチームと一緒に12時間を使って、できる限りの準備をした」

フェルスタッペンの走りを目の前で見て実感した差
ローソンにとって最大の問題は、初めて乗るF1マシンをウエットコンディションで限界までプッシュしなければならないことだった。

「F1マシンを走らせるには、ものすごく高いレベルのコミットメントが必要なんだ」

「本当に思い切っていかなければならない。でも、あのセッションではすごく居心地が悪かった。マシンを一度も走らせたことがなかったし、路面は濡れていた。自信がまったくない状態だったから、ちゃんとプッシュすることができなかった」

そんなローソンの後方から、アタックラップ中のフェルスタッペンが迫ってきた。

「セッション終盤、マックスが僕の後ろからプッシュラップで来たのを覚えている。彼はマシンをスライドさせながら縁石を越えていった」

その光景を間近で見たローソンは、F1マシンを限界まで攻めるために必要な自信が、当時の自分にはまだ備わっていないことを痛感したという。

「それを見ながら、『こんなに早い段階で、僕には絶対にあんなことはできない』と思ったのを覚えている」

次の周にプッシュしてスピン
それでもローソンは、フェルスタッペンの走りを見た次の周に、自分もペースを上げようと試みた。

「そして、その次の周に戻ってきて、僕も思い切って攻めようとした。でも、その時点ではまだ、それに必要なレベルの自信がなかった」

結果としてローソンはコース上でスピン。AT04が動けなくなり、マシン回収のためFP3には赤旗が提示された。

それでも、ローソンはその翌日の決勝でF1初レースを完走。難しいウエットコンディションも経験したレースを13位でフィニッシュし、急きょ決まったデビュー戦を走り切った。

わずか12時間ほどの準備で初めてF1マシンに乗り、雨のザントフォールトでフェルスタッペンの走りを目の当たりにしたローソン。現在ではF1のレギュラードライバーとなった彼にとって、そのFP3はトップレベルで戦うために必要な「コミットメント」を最初に思い知らされたセッションだった。