角田裕毅 レッドブルF1時代の最大の過ち「フェルスタッペンのセットアップを模倣」

角田裕毅 レッドブルF1時代の最大の過ち「フェルスタッペンのセットアップを模倣」

角田裕毅は、2025年にレッドブル・レーシングで苦戦した原因を振り返り、マックス・フェルスタッペンのマシンセットアップを再現しようとしたことが「最大の過ちだった」と明かした。

リアム・ローソンに代わってレッドブルのシートを手にした角田裕毅だったが、RB21への適応には最後まで苦しんだ。本人によれば、それまで自分のドライビングスタイルを変えようと考えたことはほとんどなかったものの、フェルスタッペンと同じチームで走ったことで初めてその考えが揺らいだという。

フェルスタッペンに近づこうとして犯した「最大の過ち」
角田裕毅は『Beyond The Grid』で、自身のドライビングに対する考え方について語った。

「正直に言えば、僕は自分のドライビングスタイルを変えないくらいのエゴを持っています。ドライビングについて自分が何をしているのかは分かっていますし、自分自身を信じています」

「だから、相手がどれだけ競争力があって速いドライバーだったとしても、他のドライバーに合わせて自分のドライビングスタイルを変えようとしたことはありませんでした」

しかし、相手がフェルスタッペンとなると状況は違った。

「もちろん、マックスの場合はまったく別です。彼はワールドチャンピオンですし、多くのことを証明しています。僕も彼のドライビングから今でも多くのことを学んでいます」

「それでも、僕のドライビングの基本的な部分は変わりません。ただ、たぶんレースを始めてから初めて、自分のドライビングスタイルを変えて、マックスに似たことをやってみようと考えました」

角田裕毅は、データ上ではフェルスタッペンとのドライビングそのものに極端な違いがあるようには見えなかったという。そのため、より大きな問題として目を向けたのがマシンのセットアップだった。

「僕の視点では、データだけを見れば、ドライビングにものすごく大きな違いがあるようには見えませんでした」

「僕が一番やってしまったこと、そして今になって考えると昨年最大の過ちだったと思うのは、彼がやっているセットアップを再現しようとしたことです」

オーバーステアに苦しみながらさらに敏感な方向へ
フェルスタッペンは、方向転換に対して非常に敏感なマシン特性を好むことで知られている。角田裕毅は、自分のマシンですでに強いオーバーステアを感じていたにもかかわらず、フェルスタッペンに近いセットアップを選択することがあったと振り返る。

「自分のマシンがマックスのマシンよりもかなり強いオーバーステアだと感じているときでさえ、理論的には方向転換に対してさらに敏感にすればマシンを悪化させると分かっているのに、そのセットアップを選ぶ傾向がありました」

「すでにオーバーステアに苦しんでいたにもかかわらずです」

フェルスタッペンの速さを理解しようとするあまり、自分自身が必要としていたセットアップとは異なる方向へマシンを進めてしまったというのが、角田裕毅が現在下している分析だ。

角田裕毅 レッドブル・レーシング

「最後まで何のクルマを運転しているのか分からなかった」
さらに角田裕毅は、レッドブルで経験した問題について、2025年シーズンが終了した後も完全には理解できていないと明かした。

「普通なら、自分が運転しているマシンについて、どんな特性なのかを理解することができます」

「でも、アブダビが終わった後でさえ、自分が何のクルマを運転していたのか分からないような感覚でした。何が問題だったのか、何が原因でこのマシンについて学んだり、慣れたりすることにあれほど苦労したのか、今でも理解できていません」

角田裕毅によれば、常に自信を失っていたわけではない。それでも週末によって突然マシンへの信頼感がなくなることがあり、その理由を突き止めることができなかったという。

「自信はあると感じていました。でも、いくつかのレースでは、なぜかその自信を失ってしまいました」

「正直に言って、今でもあのマシンについて理解できていません」

2025年限りでレッドブルのレギュラーシートを失った角田裕毅は、2026年にはリザーブドライバーを務め、その後アイザック・ハジャーの負傷に伴うドライバー変更によってレーシングブルズからザントフォールト、モンツァ、F1スペインGPの3戦に出場した。

2027年のF1グリッド復帰を目指す角田裕毅にとって、フェルスタッペンのセットアップを追いかけ、自分に合った方向性を見失った2025年の経験は、今後のマシン作りやドライビングに生かすべき大きな教訓となっている。