フェルナンド・アロンソは、2027年の去就について決断を急いでいないことを明かし、F1ドライバーとしてアストンマーティンに残るだけでなく、別の役割でチームを支える可能性も選択肢に入れていると語った。
2026年F1第14戦スペインGPを前にマドリードで行われたFIA記者会見で、アロンソは2027年の計画について「すぐには決まらない」と回答。
来季以降のF1レギュレーションがドライビングにどのような影響を与えるのかを見極めたうえで、自身とアストンマーティンにとって最善の道を判断する考えを示した。
2027年の決断は「すぐではない」
2027年の将来について、いつニュースを聞くことができるのかと質問されたアロンソは、簡潔に答えた。
「すぐではない」
なぜ決断を遅らせるのかと聞かれると、「その方がいいと思うから」と冗談めかして返した。
さらに、アストンマーティン側が契約延長を急いでいるのではないかとの質問も飛んだ。2027年に向けて他チームでは有力ドライバーの契約が固まりつつあるが、アロンソはチームとの間に焦りはないと説明した。
「もちろん話はしている。でも、そういうドライバーたちは夏にローレンスのところを訪れていたからね。だから、急いではいない」
アロンソが言及したローレンスとは、アストンマーティンのオーナーであるローレンス・ストロールを指す。
「ステアリングを握るか別の役割か」
アロンソにとって判断材料のひとつとなるのが、2027年に向けたF1のレギュレーションだという。
「前にも言ったように、来年のルールがレースやドライビングの面に影響を与えるのかどうかを理解することが重要だと思う」
「何度も言っているけど、今のマシンは運転していて最高に楽しいマシンではない。でも、来年は正しい方向への一歩になると思う。そう願っている」
そしてアロンソは、2027年もF1ドライバーとしてレースを続けることだけが選択肢ではないことを明言した。
「同時に、来年に向けて自分にとって何がベストなプログラムなのかを考えて、チームと話し合う必要がある」
「ステアリングを握るのか、それとも別の役割なのか。どこで僕が最もチームを助けられるのか。それを一緒に決めることが一番重要になる」
現在45歳のアロンソは、2026年もアストンマーティンでF1参戦を続けているが、その先についてはドライバーとしての現役続行だけにこだわらず、アストンマーティンとの関係そのものをどのような形で継続するかを検討していることになる。

2027年F1規則には依然として懸念
アロンソは、2027年に予定されているレギュレーション変更について、現在よりもドライバーがマシンの限界を引き出せる方向に進むことを期待している。
一方で、電気エネルギーの回生とバッテリー管理がドライビングを左右するという根本的な問題は残るとの見方も示した。
「正しい方向への一歩だと思う。それで十分なのかは分からない」
「マシンは常に、高速コーナーやストレートの終わりでバッテリーを充電することがラップタイム的には有利になる。こういうパワーユニットでは、ラップのどこかでバッテリーを充電しなければならないからね」
「そして、それをするのは楽しさという意味では一番問題になる場所、高速コーナーやストレートの終わりになる。つまり、ドライバーがマシンの限界を攻めることとは逆の方向になる」
それでもアロンソは、2027年に向けて規則がさらに修正される可能性に期待している。
「それでも、来年のルールがもう一度調整されることにはまだ期待している。これが最終版ではないと思っている」
アストンマーティンでWEC参戦も選択肢
さらに記者会見では、2027年にF1ではなく、アストンマーティンとともにFIA世界耐久選手権(WEC)など別カテゴリーへ参戦する可能性についても質問された。
「アストンマーティンとF1以外のシリーズ、例えばWECに参戦するプログラムは2027年の選択肢になり得るか」と問われたアロンソの答えは明確だった。
「そうだ」
アロンソは過去にWECへ参戦し、ル・マン24時間レースを2度制しているだけに、F1後のキャリアとして耐久レースへ戻ることは現実的な選択肢のひとつとなる。
ただし、現時点で2027年の計画について具体的な決定が下されたわけではない。アロンソ自身も「すぐではない」と強調しており、まずはF1のレギュレーションがどの方向へ進み、ドライバーがどこまでパフォーマンスに影響を与えられるマシンになるのかを見極める構えだ。
F1で現役を続けるのか、アストンマーティンで別の役割を担うのか、それともWECを含む別カテゴリーへ活動の場を移すのか。アロンソの2027年は、単純なF1引退か現役続行かという二択ではなく、アストンマーティンとのプロジェクトの中で自身が「最もチームを助けられる」道を選ぶことになりそうだ。
