角田裕毅が、2027年のF1レギュラーシート復帰に向けてキャデラックのバルテリ・ボッタスのシート獲得に動いているという。ジャーナリストのジャッキー・マルテンスがPaddock Accessポッドキャストで明らかにした。
角田裕毅を巡っては2027年の候補としてハースとの関連も取り沙汰されてきたが、小松礼雄が明かした候補者に名前はなく、アルピーヌやウィリアムズなど他チームのラインナップも次々と固まりつつある。
そうした状況で、キャデラックがF1復帰に向けて残された最も現実的な道として浮上している。
角田裕毅はアイザック・ハジャーの負傷に伴うレッドブル陣営のラインナップ再編によってF1オランダGPでレーシングブルズから復帰し、イタリアGPにも出場。今週末のF1スペインGPでも引き続きレーシングブルズをドライブすることが決まっている。
2026年はレッドブルのリザーブドライバーとしてシーズンを迎えた角田裕毅だが、F1オランダGPで思わぬ形で実戦復帰のチャンスが到来。本人も2027年のレギュラー復帰を強く望んでおり、ザントフォールトでは各チームに向けて「Call me, please!(僕に電話してください!)」と冗談交じりにアピールしていた。
2027年F1復帰へキャデラックが現実的な選択肢
角田裕毅は2027年のF1シート候補としてハースとの関連が取り沙汰されてきた。しかし、小松礼雄が明かしたドライバー候補の中に角田裕毅の名前はなく、現時点ではハース入りの可能性は高くないとみられている。
また、アルピーヌとウィリアムズは2027年のラインナップを固め、アウディも両ドライバーが契約下にある。
アストンマーティンではフェルナンド・アロンソの去就次第で状況が変化する余地はあり、ホンダとの長年の関係を考えれば角田裕毅にとって完全に可能性が消えたわけではない。ただし、現状では確実な空席が見えているわけではない。
こうして2027年のF1グリッドの選択肢が狭まるなか、角田裕毅が現実的なターゲットとして見据えているとされるのがキャデラックだ。
Paddock Accessポッドキャストでジャーナリストのジャッキー・マルテンスは、角田裕毅がキャデラックのシート獲得に向けて動いていると語った。
「バルテリ・ボッタスが来年も確定しているという報道をいくつか読んだが、私はそうは思わない。どうしてもそうは思えないんだ」
マルテンスが疑問視している最大の理由は、ボッタスとチームメイトのセルジオ・ペレスとのパフォーマンス差だ。
2026年シーズン、キャデラックの2台がそろってチェッカーを受けたレースはこれまで5戦。そのうち4戦でボッタスはペレスの後塵を拝している。
F1イタリアGPでもペレスがボッタスを大きく上回った。マルテンスは、その差がペレスに5秒のタイムペナルティが科されていたにもかかわらず約30秒に達したことを指摘した。
「今日もまた30秒、ほぼ30秒チェコ(ペレス)から遅れていた。しかもチェコには5秒のタイムペナルティがあった」
「チームメイトから何度も何度も30秒遅れるようなら、来年のグリッドに居場所はないのではないか? 少なくとも、そう考えているのは私だけではない。実際、ドライバーたちがキャデラックと話をしている」
そしてマルテンスは、その候補のひとりとして角田裕毅の名前を挙げた。
「角田裕毅がそのシートを獲得しようと動いていることは知っている」

ボッタスの2027年残留は確定ではない?
ボッタス自身は2027年もキャデラックで戦うことに自信を示しており、「僕は来年に向けて準備ができている」と発言している。一方で、2027年以降についてはいずれ話し合うとしており、その去就を巡る憶測は続いている。
マルテンスはボッタスの残留を確定事項とは捉えておらず、ペレスとのパフォーマンス差が今後のドライバー選定に影響する可能性があるとみている。
一方、キャデラックのリザーブドライバーを務めるコルトン・ハータも、将来的なF1昇格候補と考えられてきた。
ハータはF1イタリアGPで今季3度目となるFP1に出走したものの、走行はわずか5周にとどまった。スーパーライセンス取得に向けて必要となる走行距離を積むという点でも痛手となった。
さらにF2では苦戦が続いている。モンツァではプラクティスでクラッシュした後、予選20番手、スプリント15位。フィーチャーレースでは21番手を走行中にパラボリカでマシンをグラベルにはめ、レースを終えた。
シーズン残り4大会の時点でハータは26ポイントのランキング17位。キャデラックが2027年にドライバー変更を決断した場合の有力候補と考えられてきたが、現状のF2での成績を踏まえれば、その立場は盤石とは言い難い。
2027年のF1復帰を目指す角田裕毅にとって、選択肢は着実に狭まりつつある。アストンマーティンなどに不確定要素は残されているものの、現時点で具体的にシート獲得へ動いていると伝えられるキャデラックは、最も現実的な道になりつつある。ボッタスの2027年残留が確定していないのであれば、シーズン途中の実戦復帰で再び自らの力を示す機会を得た角田裕毅にとって、そのシート争いは今後のF1キャリアを左右する重要な焦点となりそうだ。
