ルイス・ハミルトンは、2026年F1第13戦イタリアGP決勝を6位で終えた。フェラーリのホームレースで上位争いを期待していたものの、スタート直後にチームメイトのシャルル・ルクレールとの攻防でグラベルに押し出されて順位を落とし、その後もタイヤ戦略とストレートスピードに苦しんだ。
ハミルトンはレース後、「少し打ちのめされている。受け入れるのはつらい」と落胆を隠さなかった。
さらにフェラーリにはチームメイト同士がコース上で戦う際の明確な「交戦規定」がないと指摘。「ここにはルールがない」と語り、チームに改善を求めた。
ルクレールとの攻防で10番手まで後退
4番グリッドからスタートしたハミルトンは、3番手のルクレールとオープニングラップの第1シケインでサイド・バイ・サイドとなった。ターン1でイン側に飛び込み、続くターン2でも並んだが、出口でグラベルへ押し出されて10番手まで順位を落とした。
この一件はスチュワードによってレーシングインシデントと判断され、ルクレールにペナルティは科されなかった。
レース後、ルクレールとの一件がどれほどレースに影響したかを問われたハミルトンは、多くを語ろうとはしなかった。
「結局、僕は10番手かそのあたりまで落ちた。あまり言うことはないよ。この件についてはチーム内で話す」
その直後、ルクレールが2周目の最終コーナーでクラッシュ。赤旗によってレースは中断された。
再スタート後、ハミルトンはミディアムタイヤを履いて順位を挽回し、一時は3番手まで浮上した。しかし、レース中盤のバーチャルセーフティカー(VSC)ではピットインせず、使い込んだタイヤで走り続けることになった。
その後はアンドレア・キミ・アントネッリ、マックス・フェルスタッペン、ランド・ノリスらに先行を許し、最終的に6位でチェッカーを受けた。
「少し打ちのめされている。受け入れるのはつらいよ。多くのポイントを失ったし、結局メルセデスのエンジンを積んだマシンを後ろに抑えておくこともできなかった」
「彼らは純粋に速かった。僕たちはおそらくタイヤ選択を間違えたと思う。それが本当にどれだけ違いを生んだかは分からない。もう少し長く彼らを抑えられたかもしれないけど、次々と僕を抜いていった。今日は単純に彼らの方が速かった」
「ここにはルールがない」
ハミルトンはルクレールとの一件を受け、フェラーリにはチームメイト同士がコース上で戦う際の明確な「交戦規定」が必要だと訴えた。
「僕は交戦規定の問題だと思っている。メルセデスにいたときには、書面で定められた交戦規定があった」
「僕とニコ(ロズベルグ)の間で何度かあったけど、それほどひどいことになるケースはほとんどなかった。多くの場合はうまくいっていたし、特にバルテリ(ボッタス)とはそうだった」
「ここにはルールがない。それについて対処する必要がある」
また、ハミルトンは自身のレーススタイルについても強調し、チームメイトに対して意図的に危険な戦い方をするつもりはないと語った。
「僕はダーティーなレースはしない。ずっとクリーンでフェアに戦ってきたし、相手にはスペースを残してきた。だからファンが僕について心配する必要はないと思う」
「僕はこのチームに加入してから、相手のスペースを尊重しようとしてきたし、チームを危険にさらすようなことは絶対にしないようにしてきた。その姿勢は変わらない」
「僕が話せるのは自分の側についてだけだ。もう一方の側や、そこで下される判断についてはフレッド(バスール)に聞いてほしい」
フェラーリの運営にも変化を要求
ハミルトンの不満はドライバー間のルールだけにとどまらなかった。予選から決勝にかけてのフェラーリのレース運営についても、同じ問題を繰り返さないために変化が必要だと訴えた。
「最終的にはトップから始まる。決定は上から下へと伝わっていくし、それはフレッドから始まる」
「言えることにも限界があるし、山の頂上から叫び続けられることにも限界がある。昨日、僕はコミュニケーションの方法を見直さなければならないと言った。同じ道を進み続ければ、同じ結果になるからね」
「僕たちは同じ結果を繰り返している。物事を変えなければならない。今のままでは前進する助けになっていない。でも、チームはそれを受け入れてくれていると思う」

タイトル争いでの優先は「もう遅すぎる」
イタリアGPでポイントを失ったことで、ハミルトンとランキング首位のアントネッリとの差は76ポイントに拡大した。
フェラーリがタイトル争いを考慮してハミルトンをルクレールより優先すべきかという議論について、ハミルトンはそうした判断を下すにはすでに遅すぎるとの考えを示した。
「今日は本当に多くのポイントを失ったと思う」
「そういう判断をするには、もうあまりにも遅すぎる。何週間も前にやるべきだった」
「僕にできるのはサーキットに来ることだけだ。明日の朝も起きて、ベストを尽くす。今日は何より、僕たちのために来てくれたティフォシに対して本当に申し訳なく思っている」
「ファクトリーのみんなも本当に全力を尽くしてくれている。昨日はうまく実行できなかったし、今日も同じだったと思う」
「僕はできる限りのことをしているからこそ難しい。でも、それだけでは十分ではないこともある。ほかのすべても噛み合わなければならない」
「終わるまでは終わりじゃない。でも、彼らの今のペースを考えれば、この差を縮めるのはものすごく難しい」
「もっといい結果を残したかった」
フェラーリの公式コメントでは、ハミルトンは最新アップデートを投入したチームの努力に感謝しつつ、ストレートでのパフォーマンス不足が厳しいレースにつながったと振り返った。
「最新のアップデートをマシンに投入するために、みんながどれだけ懸命に働いてきたか分かっているし、サーキットでもファクトリーでも続けられているすべての努力に感謝している」
「ストレートではパフォーマンスを失うことが分かっていたし、それによってレースはかなり難しくなった。マシンに注ぎ込まれたすべての努力を考えれば、もっといい結果を残したかった」
「でも、この週末から学べることを持ち帰って、立て直して作業を続ける。チームはプッシュし続けるし、次のレースではもっと強くなって戻ってきたい」
フェラーリにとって母国モンツァは、ルクレールがクラッシュでリタイアし、ハミルトンも6位にとどまる厳しい一戦となった。タイトル争いでも大きく後退したハミルトンは、ドライバー同士の交戦規定だけでなく、チームの意思決定やレース運営そのものに変化が必要だとの考えを明確にしている。
