2026年F1第13戦イタリアGPのフリー走行3回目(FP3)が9月5日(土)、モンツァ・サーキットで行われ、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が1分22秒219でトップタイムを記録した。2番手にはルイス・ハミルトン(フェラーリ)、3番手にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が続いた。
レーシングブルズの角田裕毅は1分23秒817で15番手。チームメイトのアービッド・リンドブラッドは7番手につけており、角田裕毅は予選に向けて1周のペース改善を求められる結果となった。
ラッセルが予選前最後のセッションを支配
金曜日のFP2でもトップタイムを記録していたラッセルは、土曜日のFP3でもメルセデスの速さを示した。金曜日には1分22秒559で最速となり、シャルル・ルクレールに0.120秒差をつけていたが、FP3ではさらにタイムを縮めた。
セッション終盤、ラッセルは1分22秒219までタイムを更新。2番手ハミルトンに0.226秒、3番手フェルスタッペンに0.350秒の差をつけ、予選のポールポジション候補として存在感を強めた。
モンツァでは長いストレートでのスリップストリームが大きな意味を持つ。ラッセル自身も走行中にチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリからトウを得る場面があり、純粋なマシン性能だけでなく、予選で各チームがどのように2台を走らせるかも重要な要素になりそうだ。
アントネッリはエンジン関連のペナルティによって決勝を後方からスタートする予定となっている。金曜日から通常とは異なるロングラン重視のプログラムを進めていたが、FP3では4番手につけ、メルセデスの基本的な速さを改めて示した。
ハミルトン2番手 フェラーリもポール争いへ
フェラーリ勢ではハミルトンが1分22秒445で2番手。ラッセルとの差は0.226秒だった。
ハミルトンはソフトタイヤでのアタックを交通量の影響によって中断する場面もあり、最終結果だけでは実力を完全に読み切れない内容だった。金曜日にもハミルトンは、FP2でラッセルに約0.5秒遅れた背景のひとつとして、モンツァの長いストレートでトウを得られなかったことを挙げている。
6番手となったルクレールも同様に交通量に苦しんだ。終盤のアタックでは第1セクターから前方のマシンに阻まれ、別のアタックも中断している。
それでも金曜日のFP1ではルクレールが首位、ハミルトンが2番手とフェラーリが1-2を記録しており、ホームのモンツァでメルセデスに対抗できるポテンシャルは示されている。
フェルスタッペン3番手 レッドブルは金曜から前進
フェルスタッペンは1分22秒569で3番手。トップのラッセルから0.350秒差まで迫った。
金曜日のFP2ではダウンフォース不足などマシンバランスに苦しみ9番手にとどまっていたが、FP3では明確な前進を見せた。FP2ではラッセルから大きく離されていたことを考えれば、予選を前にレッドブルがマシンを改善してきた形だ。
ただし、フェルスタッペン自身はトウの有無による違いを確認したがっており、クリアエアでのラップについても十分な速さとは感じていない様子だった。
走行中にはターン1でロックアップし、そのままエスケープロードへ直進する場面もあった。セッション終了直後にはハミルトンとコース上で接近し、メインストレートを並走する緊張感のある場面も見られた。
一方、もう1台のレッドブルを駆るリアム・ローソンは12番手。第1シケインではリアを失ってスピンし、黄旗の原因となった。フェルスタッペンとの差は0.634秒となっている。
Max and Lewis going wheel to wheel down the main straight#F1 #ItalianGP pic.twitter.com/xrTXkrvVqg
— Formula 1 (@F1) September 5, 2026
マクラーレンはノリス5番手 ピアストリ8番手
マクラーレンはランド・ノリスが1分22秒625で5番手、オスカー・ピアストリが1分22秒773で8番手だった。
順位だけを見ればメルセデスやフェラーリに後れを取ったが、ピアストリは終盤の重要なアタックで前方のラッセルに遭遇。レーシングライン上で行き場を失ってアタックを中断しており、最終タイムが本来のポテンシャルを示しているとは言い切れない。
ノリスも金曜日にはマクラーレンがポール争いに加われる状態ではないとの厳しい見方を示していたが、FP3ではトップから0.406秒差。予選でどこまでタイムを上げられるかが注目される。
リンドブラッド7番手 レーシングブルズは角田裕毅と明暗
中団勢で際立ったのがアービッド・リンドブラッドだった。1分22秒724を記録して7番手に入り、ピアストリを上回った。
一方、角田裕毅は1分23秒817で15番手。トップのラッセルから1.598秒差、リンドブラッドからは1.093秒差となった。
角田裕毅は16周を走行したが、リンドブラッドの20周より走行数も少なかった。金曜日のFP2では角田裕毅が10番手につけ、ソフトタイヤに履き替えた際にリアの安定性が大幅に改善した感触を得ていたものの、予選直前のFP3ではその勢いを結果につなげることができなかった。
リンドブラッドがQ3進出を十分狙える位置につけただけに、角田裕毅にとっては予選までにセットアップとタイヤの使い方を詰め、1周のパフォーマンスを引き出せるかが大きなポイントとなる。
アルピーヌが9番手と10番手 中団争いで好位置
アルピーヌはピエール・ガスリーが9番手、フランコ・コラピントが10番手と2台そろってトップ10入りを果たした。
序盤にはコラピントがガスリーにトウを与えるなど、予選を意識した走行も実施。両車にアップデートが装着された状態で、中団グループの中では競争力のある仕上がりを見せた。
11番手にはアウディのニコ・ヒュルケンベルグ、13番手には同じくアウディのガブリエル・ボルトレトが入り、このグループにレーシングブルズやハースも絡むことで、Q3進出を巡る争いは非常に僅差になりそうだ。
アルボン18番手 ステアリングの問題で出遅れ
ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンはセッション序盤にステアリングの問題が発生。一度コースへ出ようとしたもののガレージに戻され、マシンを降りて修復を待つことになった。
その後は走行を再開して29周を重ねたものの、ベストタイムは1分24秒437で18番手。チームメイトのカルロス・サインツJr.も16番手にとどまった。
アルボンはパワーユニット交換によるグリッド降格が控えているため、ウィリアムズはFP3でアルボンをサインツJr.の前に走らせ、トウを与える練習も行った。予選でもチームプレーが重要になりそうだ。

アストンマーティンとキャデラックは下位
下位ではフェルナンド・アロンソが19番手、バルテリ・ボッタスが20番手、セルジオ・ペレスが21番手、ランス・ストロールが22番手となった。
ペレスはレスモでワイドになり、片輪をグラベルに落とす場面もあった。アストンマーティンはアロンソとストロールがともに下位に沈み、予選に向けて厳しい状況となっている。
FP3の結果からはラッセルとメルセデスが一歩リードしているように映る一方、ハミルトンとルクレールには交通量などでまとめ切れなかったラップがあり、フェラーリもまだ余力を残している。さらにフェルスタッペンが金曜日から大きく改善し、マクラーレン勢も完全なアタックを見せられていない。
そして中団ではリンドブラッド、ガスリー、コラピントらがトップ10に食い込み、Q3進出を巡る争いも激化。15番手に終わった角田裕毅にとっては、予選までの短い時間でFP2で得たリアの安定性を生かしながら、リンドブラッドとの差をどこまで縮められるかが焦点となる。
