角田裕毅 F1イタリアGPもレーシングブルズから参戦 ハジャー欠場で続投決定

角田裕毅 F1イタリアGPもレーシングブルズから参戦 ハジャー欠場で続投決定

角田裕毅が、2026年F1第13戦イタリアGPでもレーシングブルズから出場することが決まった。レッドブル・レーシングは、左手首を負傷しているアイザック・ハジャーの欠場を正式に決定し、リアム・ローソンを再び代役として起用する。

ハジャーはサマーブレイク終盤に左手首を骨折し、前戦オランダGPを欠場。レッドブルは9月2日(水)まで回復状態を見極めていたが、モンツァで復帰させるにはリスクがあると判断した。

これにより、ローソンがハジャーに代わってマックス・フェルスタッペンのチームメイトを務め、角田裕毅が再びレーシングブルズのシートに収まる。

角田裕毅が2戦連続でレーシングブルズから出場
レッドブルはイタリアGPを前に、ハジャーの欠場とローソンの起用を正式発表した。

「リアムはモンツァで行われるイタリアGPでマックスとともに走る。一方、アイザックはサマーブレイク中に負った手首の負傷から、引き続き順調な回復を見せている」

「チームは彼のリハビリを注意深く見守っており、競技復帰について不必要なリスクを冒すことはない。一日も早い回復を願っている」

この決定によって生じるもうひとつのドライバー変更が角田裕毅の起用だ。

角田裕毅は2026年シーズンをレッドブルのリザーブドライバーとして過ごしていたが、ハジャーが欠場したオランダGPでレーシングブルズからF1復帰。今回も同じ体制が採用され、ローソンがレッドブルに移り、空いたレーシングブルズのシートを角田裕毅が担当する。

つまりイタリアGPでは、レッドブルがフェルスタッペンとローソン、レーシングブルズが角田裕毅とアービッド・リンドブラッドという布陣になる。

レッドブルがハジャーのモンツァ復帰を見送った理由
ハジャーについては、イタリアGPでの復帰を目指して回復が進んでいた。しかし、レッドブルは水曜日に行われた最終的な状態確認を経て、まだF1マシンでレースを戦わせるべき段階ではないと判断した。

特に懸念材料となるのがモンツァのレイアウトだ。

モンツァは時計回りのサーキットであり、右コーナーでは左手首に大きな負荷がかかる。高速域から強烈なブレーキングを行う場面も多く、まだ完全に治癒していない骨折箇所を悪化させる可能性がある。

ハジャーを無理に復帰させた結果、負傷を悪化させれば、イタリアGPだけではなく2026年シーズンの残りのレースにも影響しかねない。そのためレッドブルは、1戦の復帰を急ぐよりも完全な回復を優先した。

ローソンはオランダGPで7位 代役として結果
ローソンにとっては2戦連続となるレッドブルでのレース出場となる。

前戦オランダGPでは、突然の代役起用ながらRB22をドライブして7位でフィニッシュ。6ポイントを獲得し、限られた準備時間のなかで代役として求められた役割を果たした。

2025年にレッドブルで短期間を過ごした後、レーシングブルズへ戻ったローソンにとって、今回の2戦は自身の評価を改めて高める機会にもなっている。

一方で、これがそのまま2027年のレッドブル昇格につながるとは限らない。

ドイツ誌『Auto Motor und Sport』の報道では、レッドブル内部ではハジャーとの契約延長に向けた動きが進んでおり、その将来について近く決定が下される可能性があるという。

ハジャーは2025年のレーシングブルズでのルーキーシーズンを経て、2026年にレッドブルへ昇格。フェルスタッペンのチームメイトとして高い評価を得ており、チームが長期的な戦力として残す方向に傾いているとみられている。

角田裕毅に再び訪れたF1アピールの機会
そして今回の決定は、角田裕毅にとっても重要な意味を持つ。

角田裕毅はオランダGPで約8カ月ぶりとなるF1実戦復帰を果たし、予選ではQ2に進出して12番手。Q3進出を果たしたチームメイトのリンドブラッドとの差はわずか0.102秒だった。

決勝では11位でフィニッシュし、ポイントには届かなかったもののリンドブラッドを上回った。長期間レースから離れ、VCARB-03で初めてグランプリを戦うという条件を考えれば、短期間で競争力を取り戻した週末だったと言える。

特に予選後には「限界を探す感覚を取り戻した」と手応えを語り、決勝後にも「できることはすべてやりました」と振り返っていた。

その直後にイタリアGPでも出場機会が巡ってきたことで、今度は前戦で得た感覚をそのまま次のグランプリへ持ち込むことができる。

これは角田裕毅にとって大きな違いだ。

オランダGPでは急きょ実戦に戻る形だったが、モンツァではすでにVCARB-03で予選と決勝を経験した状態からスタートできる。マシンへの理解だけでなく、エンジニアとのコミュニケーションやセットアップの方向性という面でも、前戦より準備された状態で週末を迎えられる。

角田裕毅(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム) イタリアグランプリ

2027年F1シート争いへモンツァでも存在感を示せるか
さらに角田裕毅にとって重要なのが、2027年のF1シートをめぐる状況だ。

レーシングブルズではローソンとリンドブラッドがレギュラードライバーを務めている一方、F2ランキング首位を走るニコラ・ツォロフもF1昇格候補として存在している。

ツォロフがF2タイトルを獲得すれば、規則上F2に残留することはできない。レッドブルは2027年に向けてスーパーフォーミュラやインディカーを含む別カテゴリーで経験を積ませる選択肢も検討していると報じられている。

ローソンについてもレーシングブルズの2027年シートが完全に保証されているわけではなく、レッドブル系4台をめぐるドライバー市場は依然として流動的だ。

そこへ再び実戦機会を得た角田裕毅が加わる。

オランダGP後、角田裕毅は2027年のF1シートを求めていることを隠さず、「Call me, please!(僕に電話してください!)」と各チームに向けてアピールした。

実際、オランダGPでの走りを受けて、角田裕毅が2027年のハースのドライバー候補として再び検討対象に入ったとの報道も出ている。つまり、今回のモンツァでの出場はレーシングブルズのシートだけを争う機会ではない。

角田裕毅にとって重要なのは、現在のF1パドックに対して、自身がブランクを経てもすぐに競争力を発揮できるドライバーであることを示し続けることだ。

ザントフォールトでは約8カ月の実戦ブランクを経ながら、予選でリンドブラッドに0.102秒まで迫り、決勝ではそのリンドブラッドを上回った。モンツァでも同様に結果を残せれば、オランダGPでのパフォーマンスが一過性ではなかったことを証明できる。

しかも今回は、VCARB-03で1戦を経験した直後の連戦となる。角田裕毅にとっては、オランダGP以上のパフォーマンスを期待できる条件が整っている。

ハジャーの回復を最優先したレッドブルの判断によって実現した2戦連続の代役体制。ローソンが再びレッドブルでフェルスタッペンと組む一方、角田裕毅にはモンツァでも自身のF1キャリアを左右し得る重要なアピールの機会が与えられた。

2027年のグリッドを目指す角田裕毅にとって、イタリアGPは単なる代役としての2戦目ではない。ザントフォールトで取り戻した感覚と評価を、具体的な結果へつなげられるかが注目される。