フェルナンド・アロンソがF1オランダGPで18番グリッドから9位まで追い上げた走りについて、元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーは、アストンマーティンのAMR26Bそのものよりも「アロンソの力」が結果を大きく左右したとの見方を示した。
アストンマーティンはザントフォールトで金曜から土曜にかけて苦戦し、スプリント予選と決勝の予選で期待された結果を残せなかった。
それでもアロンソは日曜の決勝で力強いレースペースを発揮。18番手から9位まで順位を上げ、チームにポイントをもたらした。
シュタイナー「アロンソの特別なレースが救った」
シュタイナーは、ハンガリーGP後にはアストンマーティンの進歩を高く評価していた。しかし、ザントフォールトで金曜日からマシンのパフォーマンスを見たことで、その評価を一度見直したという。
ポッドキャスト『The Red Flags』でシュタイナーは「金曜日、そして予選とスプリントを見た後、私は『彼らの復活について少し過剰に反応していたのではないか』と思った」と語った。
「そして土曜日の決勝に向けた予選を見て、『これは良い方向には進んでいないな』と思った」
アストンマーティンは予選でアロンソが18番手、ランス・ストロールが19番手に終わり、2台ともQ1で敗退。前戦までに高まっていたAMR26Bへの期待とは対照的な結果となった。
しかし、決勝では状況が一変した。アロンソはソフトタイヤで長い第1スティントを走り、レースペースを生かして順位を上げていった。
シュタイナーは、その結果を単純にAMR26Bの競争力によるものとは捉えていない。
「フェルナンドにとって特別なレースだった。それが彼らを救った」
「彼は良いペースを維持することができた。それに今の彼らにとって助けになっているのは、グリッド後方に他から大きく離れた3チームがいることだ」
つまりシュタイナーは、アストンマーティンが中団上位の競争力を完全に取り戻したというより、アロンソがマシンから結果を引き出した側面が大きかったとみている。

AMR26Bのレースペースには明確な改善
ただし、アロンソの9位をドライバーの力だけで説明するのも適切ではない。
AMR26BはハンガリーGPですでにタイヤデグラデーションの少なさを示しており、ザントフォールトでもその特徴が表れた。アロンソはソフトタイヤで長い第1スティントを成立させ、戦略の自由度を広げている。
さらに、スプリントでもアロンソとストロールはクリアエアでは比較的良好なペースを示していた。前方を走るアレクサンダー・アルボンを抜けずにタイムを失ったことで結果には結びつかなかったものの、決勝で突然速さが生まれたわけではない。
ストロールとの直接比較については、決勝序盤にマシンへダメージを負い、最終的にリタイアしたため判断材料にはしにくい。
それでも、予選では最後尾付近に沈んだAMR26Bが、決勝ではポイント争いのできるペースを示したことは、現在のアストンマーティンが一発の速さよりもロングランで競争力を発揮しやすいことを改めて示す結果となった。
「アロンソ効果」とマシン改善の両方
シュタイナーの指摘通り、アロンソが結果を大きく押し上げたことは間違いない。18番グリッドからポイント圏まで戻り、タイヤを管理しながらレースペースを維持した走りは、44歳となった現在もアロンソがF1で違いを生み出せるドライバーであることを示した。
一方、AMR26Bにもその走りを可能にするだけのレースペースとタイヤマネジメント性能があった。予選での18、19番手という結果だけを見れば失望の週末だったが、決勝ではマシンが持つ別の側面が表れている。
ザントフォールトでアストンマーティンを救ったのは「アロンソ効果」だったのか、それともAMR26Bの進歩だったのか。実際にはその両方が重なった結果と見るのが妥当だが、シュタイナーは、その中でもアロンソ自身の貢献をより大きく評価している。
